JP2001080497A - 液圧ブレーキシステム - Google Patents

液圧ブレーキシステム

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JP2001080497A JP25733399A JP25733399A JP2001080497A JP 2001080497 A JP2001080497 A JP 2001080497A JP 25733399 A JP25733399 A JP 25733399A JP 25733399 A JP25733399 A JP 25733399A JP 2001080497 A JP2001080497 A JP 2001080497A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブースタ負圧が推定され、あるいはブースタ
負圧に応じた制御が可能な液圧ブレーキシステムを提供
する。 【解決手段】 それぞれセンサによりインテークマニホ
ルド負圧,バキュームブースタの低圧室の負圧であるブ
ースタ負圧,マスタシリンダ圧を検出する。エンジン回
転数等によりインテークマニホルド負圧を推定し、イン
テークマニホルド負圧の推定値と検出値との一方とマス
タシリンダ圧とを用いてブースタ負圧を推定する。マス
タシリンダ圧の増加量からブースタ負圧の減少量を取得
し、インテークマニホルド負圧に対して得られ得るブー
スタ負圧の上限値からブースタ負圧の減少量をひいてブ
ースタ負圧の範囲を推定する。ブースタ負圧センサの検
出値がこの範囲から外れていればセンサ故障と推定し、
推定範囲の中間値をブースタ負圧と推定してマスタシリ
ンダ圧の助勢限界値を求め、ブレーキシリンダ圧制御を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバキュームブースタ
を備えた液圧ブレーキシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液圧ブレーキシステムにおいて、バキュ
ームブースタを設け、ブレーキ操作力を倍力すること
は、例えば、特開平10−81212号公報に記載され
ているように広く知られている。バキュームブースタは
ブースタ負圧により作動してブレーキ操作力を助勢する
のであるが、ブースタ負圧はエンジンの吸気側の負圧で
ある吸気側負圧に基づいて得られる。バキュームブース
タを備えた液圧ブレーキシステムにおいては、吸気側負
圧あるいはブースタ負圧の大きさに応じて制御を変更す
る必要が生じる場合があり、そのためにブースタ負圧を
取得することが必要となる。なお、ブースタの圧力は大
気圧より絶対真空側の圧力であり、ゲージ圧では負の値
となるが、本明細書においては、「負圧」と称する場合
には正の値で表すこととする。絶対真空が1気圧ないし
760mmHgの負圧であり、正の数値が大きいほど、負圧
が強いこととなる。
【0003】上記公報に記載の液圧ブレーキシステムに
おいては、緊急制動時にバキュームブースタを電気的に
作動させ、ブレーキ操作力である踏力を助勢するように
されており、そのためにエンジンの吸気側負圧が取得さ
れる。また、バキュームブースタにおいては、低圧室と
変圧室との連通,遮断および変圧室と大気との連通,遮
断を行う弁機構の切換えが、機械的に行われるのみなら
ず電気的にも行われる。パワーピストンとオペレーティ
ングロッドとの間に、弁座を有するプランジャが軸方向
に相対移動可能に嵌合され、パワーピストンに設けられ
たソレノイドの励磁により、パワーピストンおよびオペ
レーティングロッドに対して前進させられる。それによ
り弁機構が切り換えられ、変圧室と低圧室との連通が遮
断されるとともに、変圧室が大気に連通させられて踏力
が助勢されるようになっているのである。
【0004】通常の制動時には、ブレーキペダルの踏込
みによるオペレーティングロッドの前進によって機械的
に弁機構が切り換えられるが、緊急制動時には、ソレノ
イドが励磁され、プランジャがパワーピストンおよびオ
ペレーティングロッドに対して前進させられることによ
り弁機構が切り換えられてパワーピストンが前進させら
れ、運転者の踏力が小さくても助勢により十分なブレー
キシリンダ圧が得られる。減速度の微分値および減速度
についてそれぞれしきい値が設定されており、そのしき
い値との比較により緊急制動が検出される。これらしき
い値は、トランスミッションのギヤの位置,エンジンの
吸気側負圧,路面の摩擦係数等に基づいて設定される。
エンジンの吸気側負圧がしきい値の設定に用いられるこ
とによって、ブースタ負圧を加味したソレノイドの励磁
時期の決定が行われるのであり、しきい値は、ブースタ
負圧が小さいほど早く助勢制御が開始されるように設定
される。
【0005】しかしながら、エンジンの吸気側負圧は、
必ずしもブースタ負圧と1対1には対応しない。例え
ば、バキュームブースタに負圧を供給する負圧源の一種
であるエンジンのインテークマニホルドとバキュームブ
ースタとの間には、チェック弁や負圧を蓄えるタンクが
設けられるのが普通であり、それらによってブースタ負
圧はエンジンの吸気側負圧とは異なった大きさになるか
らであり、エンジンの吸気側負圧に基づいてしきい値を
設定しても、助勢制御を精度良く行うことは困難であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】本発明は、以上の事情を背景とし、ブースタ負圧を
推定することができる液圧ブレーキシステム、あるいは
ブースタ負圧に応じた制御が可能な液圧ブレーキシステ
ムを提供することを課題としてなされたものであり、本
発明によって、下記各態様の液圧ブレーキシステムが得
られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に
番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式
で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易に
するためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそ
れらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定される
と解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事
項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒
に採用しなければならないわけではない。一部の事項の
みを選択して採用することも可能なのである。 (1)エンジンの吸気側に接続されたバキュームブース
タと、そのバキュームブースタにより倍力されたブレー
キ操作力に応じて液圧を発生させるマスタシリンダと、
そのマスタシリンダから供給される液圧により作動する
ブレーキシリンダとを含む液圧ブレーキシステムにおい
て、前記エンジン吸気側の負圧である吸気側負圧と当該
液圧ブレーキシステムの作動状態とに基づいて、前記バ
キュームブースタの負圧であるブースタ負圧を推定する
ブースタ負圧推定装置を設けた液圧ブレーキシステム
(請求項1)。吸気側負圧は、センサにより検出された
検出値でもよく、あるいはエンジンの回転数,スロット
ルバルブの開度,エンジン冷却水温,吸気温,燃焼状
態,燃料の噴射量等の少なくとも1つに基づいて推定さ
れた推定値でもよい。エンジン吸気側はバキュームブー
スタに負圧を供給する負圧源であり、ブースタ負圧の上
限および下限は吸気側負圧に基づいて決まる。また、バ
キュームブースタは、ブースタ負圧に基づいてブレーキ
操作部材の操作力を倍力するため、ブースタ負圧は液圧
ブレーキシステムの作動に伴って減少する。したがっ
て、吸気側負圧および液圧ブレーキシステムの作動状態
に基づいてブースタ負圧を推定すれば、液圧ブレーキシ
ステムの作動状態に応じたブースタ負圧の減少量を考慮
したブースタ負圧であって、吸気側負圧よりも実際の大
きさに近いブースタ負圧が得られる。そのため、例え
ば、ブースタ負圧を検出するブースタ負圧センサを設け
なくても、ブースタ負圧に基づく制御を行うことができ
る上、ブースタ負圧に基づく制御を、吸気側負圧を用い
る場合より精度良く行うことができる。また、ブースタ
負圧センサが設けられる場合には、そのブースタ負圧セ
ンサの異常を検出することが可能となる。 (2)当該液圧ブレーキシステムの作動状態を検出する
ブレーキ作動状態検出装置を含む (1)項に記載の液圧ブ
レーキシステム。 (3)前記ブレーキ作動状態検出装置が、前記マスタシ
リンダの液圧であるマスタシリンダ圧、そのマスタシリ
ンダ圧の変化勾配であるマスタシリンダ圧勾配、前記ブ
レーキ操作部材の操作力であるブレーキ操作力、そのブ
レーキ操作力の変化勾配であるブレーキ操作力勾配、ブ
レーキ操作部材の操作ストロークであるブレーキ操作ス
トローク、そのブレーキ操作ストロークの変化勾配であ
るブレーキ操作ストローク勾配、ブレーキ操作部材の操
作速度であるブレーキ操作速度、ブレーキ操作部材の操
作開始後経過時間の少なくとも1つに基づいて当該液圧
ブレーキシステムの作動状態を検出するものである (2)
項に記載の液圧ブレーキシステム。マスタシリンダ圧等
の少なくとも1つに基づいて液圧ブレーキシステムの作
動状態、例えば、作動速度や作動量が検出される。例え
ば、バキュームブースタによるブレーキ操作力の倍力の
結果、得られるマスタシリンダ圧が大きいほど、ブース
タ負圧の減少量も大きくなり、マスタシリンダ圧をブー
スタ負圧の推定に用いることができる。ブレーキ操作
力,ブレーキ操作ストロークについても同じである。さ
らに、マスタシリンダ圧等の勾配を加味すれば、ブレー
キの作動状態が更にきめ細かにわかり、ブースタ負圧を
より精度良く推定することができる。マスタシリンダ圧
勾配等、勾配のみに基づいてブースタ負圧を推定しても
よい。また、ブレーキ操作速度、ブレーキ操作部材の操
作開始後経過時間も、バキュームブースタ作動時のブー
スタ負圧の減少量に関連するため、これらに基づいてブ
ースタ負圧を推定することもできる。ブレーキ操作速度
は、ブレーキ操作ストロークの変化勾配として検出する
ことも可能であるが、例えば、ブレーキ操作部材の回動
角速度を直接測定する回転速度センサや、ブレーキ操作
部材の回動角加速度等の加速度を検出する加速度センサ
の出力の積分によっても検出することができる。 (4)前記ブレーキ作動状態検出装置が、前記ブレーキ
操作部材としてのブレーキペダルの踏込開始時に出力信
号の状態が変化するブレーキスイッチと、そのブレーキ
スイッチの出力信号の状態変化後の経過時間を計測する
計時手段とを含む(3)項に記載の液圧ブレーキシステ
ム。 (5)前記ブースタ負圧推定装置が、少なくとも前記吸
気側負圧とバキュームブースタの作動速度であるブース
タ作動速度とに基づいてブースタ負圧を推定する作動速
度依拠ブースタ負圧推定手段を含む (1)項ないし (4)項
のいずれか1つに記載の液圧ブレーキシステム。ブース
タ作動速度は、バキュームブースタのパワーピストン等
可動部材自体の作動速度を検出する速度センサによって
検出することも可能であるが、前記マスタシリンダ圧勾
配,ブレーキ操作力勾配等に基づいてブースタ作動速度
を推定し、あるいはブレーキ操作速度をブースタ作動速
度として使用することも可能である。あるいはブースタ
負圧の推定を一定の時期、例えば、ブレーキペダルの踏
込みが検出されてから設定時間が経過したときに行って
もよい。そのようにすれば、例えば、マスタシリンダ圧
やブレーキ操作力を用いてブースタ負圧を推定するので
あれば、それらはマスタシリンダ圧勾配やブレーキ操作
力勾配の代わりとなり、ブースタ作動速度に基づいてブ
ースタ負圧が推定されることとなる。 (6)前記ブースタ負圧推定装置が、前記吸気側負圧を
検出する吸気側負圧センサの検出値と、前記エンジンの
作動状態に基づいて吸気側負圧を推定する吸気側負圧推
定装置の推定値とが不一致の場合に、吸気側負圧推定値
に基づいて前記ブースタ負圧の推定を行うものである
(1)項ないし (5)項のいずれか1つに記載の液圧ブレー
キシステム(請求項2)。検出値と推定値との不一致
は、両者の差が予め定められた条件以上に大きくなるこ
とにより検出することができる。予め定められた条件
は、例えば、設定値を越えることとすることや、検出値
と推定値との少なくとも一方に対する設定比率を越える
こととすることができる。推定値は範囲で取得してもよ
い。この場合、推定範囲に含まれる無数の値をそれぞれ
推定値と考える。検出値と推定値とが不一致であるとい
うことは、検出値が、推定範囲に含まれる推定値のいず
れとも一致しないことであり、その不一致は、検出値が
推定範囲から外れているか否かによって判定される。以
上は、 (7)項に記載の液圧ブレーキシステムにおけるブ
ースタ負圧センサの検出値およびブースタ負圧推定装置
による推定値に基づくブースタ負圧センサの故障推定に
ついても同様である。吸気側負圧推定装置と吸気側負圧
センサとの少なくとも一方を液圧ブレーキシステムの構
成要素としてもよく、両方とも液圧ブレーキシステムと
は別に設けてもよい。吸気側負圧センサの検出値と吸気
側負圧推定装置の推定値とが一致するか否かの判定は、
ブースタ負圧推定装置が行ってもよく、液圧ブレーキシ
ステムのブースタ負圧推定装置とは別の部分が行っても
よく、液圧ブレーキシステムとは別に行われてもよい。
ブースタ負圧推定装置が上記判定を行うのであれば、ブ
ースタ負圧推定装置は、例えば、吸気側負圧センサおよ
び吸気側負圧推定装置からそれぞれ検出値および推定値
を取得して、両者が不一致の場合に、吸気側負圧推定値
に基づいてブースタ負圧の推定を行うものとされる。上
記判定が液圧ブレーキシステムにおいて、あるいは液圧
ブレーキシステムとは別に行われるのであれば、その判
定を行うものが、吸気側負圧センサの検出値および吸気
側負圧推定装置の推定値を取得して判定を行い、ブース
タ負圧推定装置は、例えば、吸気側負圧センサが正常で
あれば、その検出値が供給されてブースタ負圧を推定す
るが、検出値と推定値とが不一致であるとの情報を受け
れば、推定値の供給を促して推定値を取得し、推定値に
基づいてブースタ負圧を推定するものとしてもよく、あ
るいは、吸気側負圧センサの検出値と吸気側負圧推定装
置の推定値とが一致している場合には、吸気側負圧セン
サの検出値がブースタ負圧の推定に用いる値として提供
され、不一致の場合には、吸気側負圧推定装置の推定値
がブースタ負圧の推定に用いられる値として提供され、
ブースタ負圧推定装置は提供された値に基づいてブース
タ負圧を推定するものとしてもよい。吸気側負圧センサ
の検出値と吸気側負圧推定装置の推定値とが不一致であ
れば、吸気側負圧センサが故障状態にあると推定され
る。吸気側負圧の推定により吸気側負圧センサの故障を
推定し得るとともに、吸気側負圧センサが故障してもブ
ースタ負圧の推定を行うことができる。 (7)前記バキュームブースタが、前記エンジンの吸気
側に接続された低圧室と、制御弁により選択的に低圧室
と大気とに連通させられる変圧室とを備え、当該液圧ブ
レーキシステムが前記低圧室の負圧を検出するブースタ
負圧センサと、そのブースタ負圧センサの検出値と前記
ブースタ負圧推定装置による推定値とが不一致の場合
に、ブースタ負圧センサが故障状態にあると推定するブ
ースタ負圧センサ故障推定装置とを含む (1)項または
(6)項に記載の液圧ブレーキシステム(請求項3)。ブ
ースタ負圧の推定により、ブースタ負圧センサが故障状
態にあることが推定される。それにより、例えば、ブー
スタ負圧センサの検出値に基づく制御等をやめることに
より、間違った検出値に基づいて、ブースタ負圧に基づ
く制御等が行われることが回避される。あるいは、ブー
スタ負圧センサの検出値に代えて推定値を用いて制御等
が行われるようにしてもよく、それにより、ブースタ負
圧センサが故障しても、ブースタ負圧に基づく制御等を
行うことができる。 (8)エンジンの吸気側に接続されたバキュームブース
タと、そのバキュームブースタにより倍力されたブレー
キ操作力に応じて液圧を発生させるマスタシリンダと、
そのマスタシリンダから供給される液圧により作動する
ブレーキシリンダとを含む液圧ブレーキシステムにおい
て、ブレーキ操作部材のブレーキ操作力、ブレーキ操作
ストローク、マスタシリンダ圧の少なくとも2つに基づ
いて、前記バキュームブースタの負圧であるブースタ負
圧を推定するブースタ負圧推定装置を設けた液圧ブレー
キシステム(請求項4)。ブレーキ操作力がバキューム
ブースタにより倍力され、倍力されたブレーキ操作力に
応じたマスタシリンダ圧が得られるため、ブースタ負圧
の大小により、ブレーキ操作力に対して得られるマスタ
シリンダ圧が異なる。ブレーキ操作力およびマスタシリ
ンダ圧に基づいてブースタ負圧を推定することができる
のである。ブレーキ操作ストロークとマスタシリンダ圧
とについても同じである。また、ブレーキ操作ストロー
クについては、ブレーキ操作部材が標準的な操作速度で
操作されると仮定すれば、ブレーキ操作ストロークに対
して得られるマスタシリンダ圧が決まるため、ブレーキ
操作ストロークとブレーキ操作力との組合わせによって
も、ブースタ負圧を推定することができる。 (9)エンジンの吸気側に接続されたバキュームブース
タと、そのバキュームブースタにより倍力されたブレー
キ操作力に応じて液圧を発生させるマスタシリンダと、
そのマスタシリンダから供給される液圧により作動する
ブレーキシリンダとを含む液圧ブレーキシステムにおい
て、前記エンジン吸気側の負圧である吸気側負圧と当該
液圧ブレーキシステムの作動状態とに基づいて、前記ブ
レーキシリンダに発生する液圧を制御する液圧ブレーキ
システム(請求項5)。ブースタ負圧は、吸気側負圧の
みならず液圧ブレーキシステムの作動状態の影響も受け
るため、吸気側負圧と液圧ブレーキシステムの作動状態
との両方に基づいてブレーキシリンダに発生する液圧を
制御すれば、実際のブースタ負圧に応じた制御を行うこ
とができる。 (10)エンジンの吸気側に接続されたバキュームブー
スタと、そのバキュームブースタにより倍力されたブレ
ーキ操作力に応じて液圧を発生させるマスタシリンダ
と、そのマスタシリンダから供給される液圧により作動
するブレーキシリンダとを含む液圧ブレーキシステムに
おいて、前記エンジン吸気側の負圧である吸気側負圧と
当該液圧ブレーキシステムの作動状態とに基づいて、前
記ブレーキシリンダの液圧制御を行うブレーキシリンダ
液圧制御装置を設けた液圧ブレーキシステム。 (11)前記ブレーキシリンダ液圧制御装置が、前記エ
ンジン吸気側の負圧に基づいて決まる前記バキュームブ
ースタの助勢限界への到達後に、前記ブレーキシリンダ
の液圧であるブレーキシリンダ圧を助勢限界前と変わり
なく制御する助勢限界後制御部を含む(10)項に記載の液
圧ブレーキシステム。 (12)前記助勢限界後制御部が、前記エンジン吸気側
の負圧と当該液圧ブレーキシステムの作動状態とに基づ
いて前記バキュームブースタの負圧であるブースタ負圧
を推定するブースタ負圧推定部と、そのブースタ負圧推
定部により推定されたブースタ負圧に基づいて前記助勢
限界後制御部に作動を開始させる作動開始制御部とを含
む(11)項に記載の液圧ブレーキシステム。助勢限界後制
御部を、さらに、助勢限界を推定する助勢限界推定部を
含むものとすることもできる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。まず、本実施形態の液圧ブレ
ーキシステムの構成を概略的に説明する。この液圧ブレ
ーキシステムにおいては、図1に示すように、ブレーキ
操作部材たるブレーキペダル10の踏力がバキュームブ
ースタ12により倍力され、その倍力された踏力に応じ
た液圧が液圧源たるマスタシリンダ14に発生させられ
る。この液圧は、車輪に設けられたブレーキ16のブレ
ーキシリンダ18に供給され、ブレーキシリンダ18が
作動させられて車輪の回転が抑制される。また、ブレー
キシリンダ18とマスタシリンダ14との間には、ブレ
ーキシリンダ18の液圧を制御するアクチュエータであ
る液圧制御ユニット20が設けられている。
【0008】液圧制御ユニット20は、電子制御ユニッ
ト24(以下、ブレーキECU24と称する)により制
御される。ブレーキECU24には、ブレーキペダル1
0の踏込みを検出するブレーキスイッチ26,マスタシ
リンダ14の液圧を検出するマスタシリンダ圧センサ2
8等が接続されている。ブレーキスイッチ26は、ブレ
ーキペダル10が踏み込まれた状態と踏み込まれていな
い状態とで異なる信号を出力し、ブレーキペダル10の
踏込開始時に出力信号の状態が変化するように構成され
ている。本実施形態においては、ブレーキペダル10が
踏み込まれた状態ではON信号を出力し、非踏込位置に
復帰した状態ではOFF信号を出力する。ブレーキペダ
ル10の非踏込位置は、車体に設けられた図示しないス
トッパにより規定される。マスタシリンダ圧センサ28
は、マスタシリンダ14の液圧を受けて作動し、マスタ
シリンダ14からブレーキシリンダ18に供給される液
圧が連続的に変化するのに応じて連続して変化する電気
信号をブレーキECU24へ出力する。
【0009】バキュームブースタ12は、後述する低圧
室においてエンジン30のインテークマニホルド32に
接続されており、負圧が供給される。詳細には、バキュ
ームブースタ12は、インテークマニホルド32の電子
制御式スロットルバルブ34が設けられた部分と、イン
テークマニホルド32が複数のインテークバルブ側へエ
アを供給するために分岐させられた部分より電子制御式
スロットルバルブ34側の部分との間の部分に接続され
ている。本実施形態においては、インテークマニホルド
32がエンジンの吸気側である。電子制御式スロットル
バルブ34は、スロットル駆動モータを有する駆動装置
により、アクセルペダルの踏込量に応じた角度、開かれ
る。
【0010】バキュームブースタ12とインテークマニ
ホルド32との間には、チェック弁36が設けられてい
る。チェック弁36は、インテークマニホルド32から
バキュームブースタ12への負圧の供給(バキュームブ
ースタ12の空気がインテークマニホルド32側へ吸引
されること)は許容するが、バキュームブースタ12か
らインテークマニホルド32への負圧の流出(インテー
クマニホルド32内の空気がバキュームブースタ12へ
吸引されること)は阻止するように設けられている。そ
のため、バキュームブースタ12側の負圧は、インテー
クマニホルド32側の負圧より、チェック弁36の開弁
圧分、低く、すなわち大気圧に近くなる。また、チェッ
ク弁36とバキュームブースタ12との間にはタンク3
8が接続され、負圧を蓄えるようにされている。タンク
38は容量の小さいものとされている。
【0011】インテークマニホルド32にはまた、図示
しないインジェクタにより燃料が噴射される。本実施形
態では、複数のインジェクタによりそれぞれ、複数の気
筒の各々について燃料が噴射される。電子制御式スロッ
トルバルブ34の開度,インジェクタの燃料噴射量,タ
イミング等は、電子制御式燃料噴射装置の電子制御ユニ
ット40(以下、EFI−ECU40と称する)により
制御される。EFI−ECU40には、インテークマニ
ホルド32の負圧を検出する吸気側負圧センサたるイン
テークマニホルド負圧センサ42,電子制御式スロット
ルバルブ34の開度を検出するスロットルポジションセ
ンサ44,エンジン30の回転数を検出するエンジン回
転数センサ46等が接続されており、それらの検出値に
基づいて電子制御式スロットルバルブ34,インジェク
タ等を制御する。インテークマニホルド負圧センサ42
は、インテークマニホルド32の負圧であって、バキュ
ームブースタ12が接続された部分近傍の負圧を検出す
る。
【0012】EFI−ECU40にはまた、ブースタ負
圧センサ48が接続されている。ブースタ負圧センサ4
8は、バキュームブースタ12の後述する低圧室の負圧
を受けて作動し、その負圧の大きさが連続的に変化する
のに応じて連続的に変化するブースタ負圧信号を出力す
る。EFI−ECU40とブレーキECU24とは、通
信線により接続され、種々の情報を通信する。通信は、
例えば、デジタル信号により、1本の通信線で多くの情
報を相互通信し得るシリアルデータ通信とされる。本実
施形態においては、これらエンジン30,EFI−EC
U40,各種センサ42,44,46,48等がエンジ
ンシステムを構成している。
【0013】液圧ブレーキシステムを図2に基づいて詳
細に説明する。本実施形態の液圧ブレーキシステムは、
4輪車両に設けられるダイヤゴナル2系統式のブレーキ
装置であり、アンチロック制御機能およびブレーキ効き
特性制御(以下、単に「効き特性制御」という。)機能
を有する。ここで、「効き特性制御」とは、バキューム
ブースタ12に助勢限界があることを考慮し、車体減速
度がブレーキ操作力(運転者がブレーキペダル10を踏
む力)に対して理想的な勾配で(例えば、バキュームブ
ースタ12の助勢限界の前後を問わず、ほぼ同じ勾配
で)増加するようにそれらブレーキ操作力と車体減速度
との関係であるブレーキの効き特性を制御することをい
う。
【0014】マスタシリンダ14は、ハウジングに2つ
の加圧ピストン60a,60bが互いに直列にかつ各々
摺動可能に嵌合されることによってハウジング内に各加
圧ピストン60a,60bの前方において2つの加圧室
が互いに独立して形成されたタンデム型である。このマ
スタシリンダ14は、バキュームブースタ12を介して
ブレーキペダル10に連携させられており、そのブレー
キペダル10の踏力であるブレーキ操作力がマスタシリ
ンダ14の2つの加圧ピストン60a,60bのうちバ
キュームブースタ12の側の加圧ピストン60aにバキ
ュームブースタ12により倍力されて伝達される。
【0015】バキュームブースタ12は、図3に示すよ
うに、中空のハウジング64を備えている。ハウジング
64内の空間は、パワーピストン66によりマスタシリ
ンダ14の側の低圧室68とブレーキペダル10の側の
変圧室70とに仕切られている。低圧室68は、負圧源
としての前記インテークマニホルド32の、前記ブース
タ負圧センサ48が接続された部分近傍に常時接続され
ている。低圧室68は、エンジン30の吸気側に接続さ
れているのであり、本実施形態においては、低圧室68
の負圧がブースタ負圧であり、ブースタ負圧センサ48
は低圧室68の負圧を検出するものとされている。パワ
ーピストン66は、マスタシリンダ14の側において、
ゴム製のリアクションディスク72を介してブースタピ
ストンロッド74と連携させられている。ブースタピス
トンロッド74はマスタシリンダ14の加圧ピストン6
0aに連携させられ、パワーピストン66の作動力を加
圧ピストン60aに伝達する。
【0016】低圧室68と変圧室70との間に弁機構7
6が設けられている。弁機構76は、ブレーキペダル1
0と連携させられているバルブオペレーティングロッド
78とパワーピストン66との相対移動に基づいて作動
するものであり、コントロールバルブ76aと、エアバ
ルブ76bと、バキュームバルブ76cと、コントロー
ルバルブスプリング76dとを備えている。エアバルブ
76bは、コントロールバルブ76aと共同して変圧室
70の大気に対する連通・遮断を選択的に行うものであ
り、バルブオペレーティングロッド78に一体的に移動
可能に設けられている。コントロールバルブ76aは、
バルブオペレーティングロッド78にコントロールバル
ブスプリング76dによりエアバルブ76bに着座する
向きに付勢される状態で取り付けられている。バキュー
ムバルブ76cは、コントロールバルブ76aと共同し
て変圧室70の低圧室68に対する連通・遮断を選択的
に行うものであり、パワーピストン66に一体的に移動
可能に設けられている。
【0017】このように構成されたバキュームブースタ
12においては、非作動状態では、コントロールバルブ
76aが、エアバルブ76bに着座する一方、バキュー
ムバルブ76cから離間し、それにより、変圧室70が
大気から遮断されて低圧室68に連通させられる。した
がって、この状態では、低圧室68も変圧室70も共に
等しい高さの負圧(大気圧以下の圧力)とされる。これ
に対して、作動状態では、バルブオペレーティングロッ
ド78がパワーピストン66に対して相対的に接近し、
やがてコントロールバルブ76aがバキュームバルブ7
6cに着座し、それにより、変圧室70が低圧室68か
ら遮断される。その後、バルブオペレーティングロッド
78がパワーピストン66に対してさらに相対的に接近
すれば、エアバルブ76bがコントロールバルブ76a
から離間し、それにより、変圧室70が大気に連通させ
られる。この状態では、変圧室70が昇圧し、低圧室6
8と変圧室70との間に差圧が発生し、その差圧によっ
てパワーピストン66が作動させられ、バキュームブー
スタ12により倍力されたブレーキ操作力に応じた液圧
がマスタシリンダ14に発生させられる。
【0018】図2に示すように、マスタシリンダ14の
一方の加圧室には左前輪FLおよび右後輪RR用の第1
ブレーキ系統が接続され、他方の加圧室には右前輪FR
および左後輪RL用の第2ブレーキ系統が接続されてい
る。それらブレーキ系統は互いに構成が共通するため、
以下、第1ブレーキ系統のみを代表的に説明し、第2ブ
レーキ系統については説明を省略する。
【0019】第1ブレーキ系統においては、マスタシリ
ンダ14が主通路80により左前輪FLのブレーキシリ
ンダ18と右後輪RRのブレーキシリンダ18とにそれ
ぞれ接続されている。主通路80は、マスタシリンダ1
4から延び出た後に二股状に分岐させられており、1本
の基幹通路84と2本の分岐通路86とが互いに接続さ
れて構成されている。各分岐通路86の先端にブレーキ
シリンダ18が接続されている。各分岐通路86の途中
には常開の電磁開閉弁である増圧弁90が設けられ、開
状態でマスタシリンダ14からブレーキシリンダ18へ
向かう作動液の流れを許容する増圧状態を実現する。各
増圧弁90にはバイパス通路92が接続され、各バイパ
ス通路92には作動液戻り用の逆止弁94が設けられて
いる。各分岐通路86のうち増圧弁90とブレーキシリ
ンダ18との間の部分からリザーバ通路96が延びてリ
ザーバ98に至っている。各リザーバ通路96の途中に
は常閉の電磁開閉弁である減圧弁100が設けられ、開
状態でブレーキシリンダ18からリザーバ98へ向かう
作動液の流れを許容する減圧状態を実現する。
【0020】リザーバ98は、作動液を付勢手段として
のスプリングによって圧力下に収容するものである。こ
のリザーバ98はポンプ通路104により、ポンプ10
6の吸入側に接続されている。ポンプ106の吸入側に
は逆止弁である吸入弁108、吐出側には逆止弁である
吐出弁110がそれぞれ設けられている。ポンプ106
の吐出側と主通路80とを互いに接続する補助通路11
2には、絞りとしてのオリフィス114と固定ダンパ1
16とがそれぞれ設けられており、それらにより、ポン
プ106の脈動が軽減される。ポンプ106は、アンチ
ロック制御中、作動液をリザーバ98から汲み上げてブ
レーキ回路内において還流させる。また、後述するよう
に、ブレーキ制御中、ポンプ106を利用して効き特性
制御が行われる。
【0021】前記主通路80には、補助通路112との
接続点とマスタシリンダ14との間の部分に圧力制御弁
120が設けられている。圧力制御弁120は、ポンプ
106の非作動時には、マスタシリンダ14とブレーキ
シリンダ18との間の作動液の双方向の流れを許容し、
ポンプ106の作動時には、ポンプ106からの作動液
をマスタシリンダ14に逃がすとともに、その逃がすと
きのポンプ106の吐出圧の高さをマスタシリンダ14
の液圧に基づいて変化させる。前記ブレーキECU24
は、ブースタ負圧およびマスタシリンダ圧に基づき、運
転者によるブレーキ操作中であって、マスタシリンダ1
4の液圧より高い液圧をブレーキシリンダ18に発生さ
せることが必要である場合に、ポンプ106を作動させ
る。
【0022】圧力制御弁120の構造を図4に基づいて
詳細に説明する。圧力制御弁120は、マスタシリンダ
圧とブレーキシリンダ圧との関係を電磁的に制御する形
式である。圧力制御弁120は具体的には、図4に示す
ように、図示しないハウジングと、主通路80における
マスタシリンダ側とブレーキシリンダ側との間の作動液
の流通状態を制御する弁子130およびそれが着座すべ
き弁座132と、それら弁子130および弁座132の
相対移動を制御する磁気力を発生させるソレノイド13
4とを有している。
【0023】この圧力制御弁120においては、ソレノ
イド134が励磁されない非作用状態(OFF状態)で
は、スプリング136の弾性力によって弁子130が弁
座132から離間させられ、それにより、主通路80に
おいてマスタシリンダ側とブレーキシリンダ側との間で
の双方向の作動液の流れが許容され、その結果、ブレー
キ操作が行われれば、ブレーキシリンダ圧がマスタシリ
ンダ圧と等圧で変化させられる。このブレーキ操作中、
弁子130には、弁座132から離間する向きに力が作
用するため、ソレノイド134が励磁されない限り、マ
スタシリンダ圧すなわちブレーキシリンダ圧が高くなっ
ても、弁子130が弁座132に着座してしまうことは
ない。すなわち、圧力制御弁120は常開弁なのであ
る。
【0024】これに対し、ソレノイド134が励磁され
る作用状態(ON状態)では、ソレノイド134の磁気
力によりアーマチュア138が吸引され、そのアーマチ
ュア138と一体的に移動する可動部材としての弁子1
30が固定部材としての弁座132に着座させられる。
このとき、弁子130には、ブレーキシリンダ圧とマス
タシリンダ圧との差に基づく力F2 とスプリング136
の弾性力F3 との和と、ソレノイド134の磁気力に基
づく吸引力F1 とが互いに逆向きに作用する。力F2
大きさは、ブレーキシリンダ圧とマスタシリンダ圧との
差と、弁子130がブレーキシリンダ圧を受ける実効受
圧面積との積で表される。
【0025】ポンプ106の吐出圧、すなわちブレーキ
シリンダ圧が小さく、力F2 と弾性力F3 との和が吸引
力F1 以下である間は、圧力制御弁120は閉じてお
り、ポンプ106からの作動液がマスタシリンダ14に
逃げることが阻止され、ポンプ106の吐出圧が増加
し、ブレーキシリンダ18にマスタシリンダ圧より高い
液圧が発生させられる。それに対し、ポンプ106の吐
出圧、すなわちブレーキシリンダ圧が更に増加し、力F
2 と弾性力F3 との和が吸引力F1 より大きくなれば、
弁子130が弁座132から離間し、ポンプ106から
の作動液がマスタシリンダ14に逃がされ、その結果、
ポンプ106の吐出圧、すなわちブレーキシリンダ圧が
それ以上増加することが阻止される。このようにしてブ
レーキシリンダ18には、スプリング136の弾性力F
3 を無視すれば、マスタシリンダ圧に対してソレノイド
吸引力F1 に基づく差圧分、高い液圧が発生させられる
ことになる。
【0026】この圧力制御弁120には図2に示すよう
に、バイパス通路142が設けられており、そのバイパ
ス通路142の途中に逆止弁144が設けられている。
万が一、ブレーキペダル10の踏込み時に圧力制御弁1
20内の可動部材に生ずる流体力によって圧力制御弁1
20が閉じることがあっても、マスタシリンダ14から
ブレーキシリンダ18へ向かう作動液の流れが確保され
るようにするためである。圧力制御弁120にはさら
に、それに並列にリリーフ弁146も設けられている。
ポンプ106による吐出圧が過大となることを防止する
ためである。
【0027】ポンプ106は、アンチロック制御中,効
き特性制御中に作動し、効き特性制御の実行中には、リ
ザーバ98から作動液を汲み上げ、その作動液を各ブレ
ーキシリンダ18に吐出することによって各ブレーキシ
リンダ18が増圧される。しかし、アンチロック制御が
実行されていない場合には、リザーバ98に汲み上げる
べき作動液が存在しないのが普通であり、効き特性制御
の実行を確保するためには、アンチロック制御の実行の
有無を問わず、リザーバ98に作動液を補給することが
必要となる。そのため、本実施形態においては、基幹通
路84のうちマスタシリンダ14と圧力制御弁120と
の間の部分から延びてリザーバ98に至る補給通路14
8が設けられている。
【0028】補給通路148の途中に流入制御弁150
が設けられている。流入制御弁150は、マスタシリン
ダ14からリザーバ98への作動液の補給が必要である
ときには開状態となり、マスタシリンダ14からリザー
バ98への作動液の流れを許容し、一方、マスタシリン
ダ14からリザーバ98への作動液の補給が必要ではな
いときには閉状態となり、マスタシリンダ14からリザ
ーバ98への作動液の流れを阻止し、マスタシリンダ1
4による昇圧を可能とする。本実施形態においては、流
入制御弁150が常閉の電磁開閉弁とされている。
【0029】また、ポンプ通路104のうち補給通路1
48との接続点とリザーバ通路96との接続点との間の
部分に、補給通路148からリザーバ98に向かう作動
液の流れを阻止し、その逆向きの流れを許容する逆止弁
152が設けられている。そのため、主通路80のう
ち、圧力制御弁120より上流側の部分内の高圧の作動
液は、リザーバ98により低圧にされずに、ポンプ10
6により応答性良く、汲み上げられる。本実施形態にお
いては、増圧弁90,減圧弁100,リザーバ98,ポ
ンプ106等がアンチロック制御用液圧制御機構部を構
成し、圧力制御弁120,流入制御弁150,リザーバ
98,ポンプ106等がブレーキ効き特性制御用液圧制
御機構部を構成し、これらが液圧制御ユニット20を構
成している。両液圧制御機構部は、リザーバ98および
ポンプ106を共用しているのである。
【0030】図5には、本実施形態の液圧ブレーキシス
テムの電気的構成が示されている。前記ブレーキECU
24は、PU(プロセッシングユニット),ROM,R
AM,I/O回路,それらを接続するバスを含むコンピ
ュータを主体として構成されている。ブレーキECU2
4の入力側に前記ブレーキスイッチ26,マスタシリン
ダ圧センサ28,EFI−ECU40に加えて、車輪速
センサ158が接続されている。車輪速センサ158
は、各輪毎に設けられ、各輪の車輪速を規定する車輪速
信号を出力する。一方、ブレーキECU24の出力側に
は、前記ポンプ106を駆動するポンプモータ160が
接続され、そのポンプモータ160の駆動回路162に
モータ駆動信号が出力される。ブレーキECU24の出
力側にはさらに、前記圧力制御弁120のソレノイド1
34の駆動回路164、流入制御弁150,増圧弁90
および減圧弁100の各ソレノイド166の各駆動回路
168(図には複数のソレノイド166,駆動回路16
8がそれぞれまとめて図示されている)も接続されてい
る。ソレノイド134の駆動回路164には、ソレノイ
ド134の磁気力をリニアに制御するための電流制御信
号が出力され、一方、流入制御弁150等の各ソレノイ
ド166の各駆動回路168にはそれぞれ、ソレノイド
166をON/OFF駆動するためのON/OFF駆動
信号が出力される。EFI−ECU40は、ブレーキE
CU24の出力側にも接続されている。図5においてブ
レーキECU24の出力側についての接続は、第1ブレ
ーキ系統について代表的に図示されており、第2ブレー
キ系統については図示を省略する。
【0031】コンピュータのROMには、図6,図7お
よび図8にそれぞれフローチャートで表すブレーキ効き
特性制御ルーチンおよび流入制御弁制御ルーチンの他、
アンチロック制御ルーチン等が記憶されており、これら
ルーチンがPUによりRAMを使用しつつ実行されるこ
とにより、効き特性制御,アンチロック制御等がそれぞ
れ実行される。アンチロック制御は、車輪速センサ15
8により各輪の車輪速および車体の走行速度を監視しつ
つ、増圧弁90は開状態、減圧弁100は閉状態とする
増圧状態,増圧弁90も減圧弁100も閉状態とする保
持状態および増圧弁90は閉状態、減圧弁100は開状
態とする減圧状態を選択的に実現することにより、車両
制動時に各輪がロックすることを防止するように行われ
る。さらに、アンチロック制御ルーチンは、アンチロッ
ク制御中、ポンプモータ160を作動させ、ポンプ10
6によりリザーバ98から作動液を汲み上げて主通路1
04に戻す。アンチロック制御は、本発明とは直接関係
がないため、更なる説明は省略する。また、コンピュー
タのRAMには、図9に示すように、インテークマニホ
ルド負圧推定値メモリ170等がワーキングメモリと共
に設けられている。
【0032】以下、圧力制御弁120を用いたブレーキ
ECU24による効き特性制御、マスタシリンダ圧の助
勢限界値を得るためのブースタ負圧の取得を説明する
が、まず、効き特性制御を概略的に説明する。バキュー
ムブースタ12は、ブレーキ操作力がある値まで増加す
ると、変圧室70の圧力が大気圧まで上昇し切ってしま
い、助勢限界に達する。助勢限界後は、バキュームブー
スタ12はブレーキ操作力を倍力することができないか
ら、何ら対策を講じないと、図10にグラフで表されて
いるように、ブレーキの効き、すなわち、同じブレーキ
操作力Fに対応するブレーキシリンダ圧PB の高さが助
勢限界がないと仮定した場合におけるブレーキシリンダ
圧PB の高さより低下する。かかる事実に着目して効き
特性制御が行われるのであり、具体的には、図11にグ
ラフで表されているように、バキュームブースタ12が
助勢限界に達した後には、ポンプ106を作動させてマ
スタシリンダ圧PM より差圧ΔPだけ高い液圧をブレー
キシリンダ18に発生させ、それにより、バキュームブ
ースタ12の助勢限界の前後を問わず、ブレーキの効き
を安定させる。ここに、差圧ΔPとマスタシリンダ圧P
M との関係は例えば、図12にグラフで表されるものと
される。
【0033】したがって、効き特性制御を行うために
は、バキュームブースタ12が助勢限界に達したか否か
を判定することが必要になるが、バキュームブースタ1
2が助勢限界に達したときのブレーキ操作力Fおよびマ
スタシリンダ圧PM は常に一定であるとは限らず、車両
の状態、例えば、運転者による加速操作の有無,その加
速操作の強さ,エンジンの負荷等や、液圧ブレーキシス
テムの作動状態、例えば、運転者によるブレーキペダル
10の踏込速度の大きさ等によってブースタ負圧が変動
すればそれに伴って変化する。ブースタ負圧が絶対真空
側にシフトするほど、すなわち負圧傾向が強まり、大気
圧との差が大きくなるほど、バキュームブースタ12が
助勢限界に達したときのブレーキ操作力Fおよびマスタ
シリンダ圧PM が大きくなるのである。
【0034】そのため、ブースタ負圧の変動を考慮しな
いでブレーキ操作力Fまたはマスタシリンダ圧PM があ
る値まで増加したときにバキュームブースタ12が助勢
限界に達したと判定し、ポンプ106を作動させてブレ
ーキシリンダ圧PB を差圧ΔPだけ増圧したのでは、ブ
ースタ負圧の変動に伴い、同じブレーキ操作力Fに対応
するブレーキシリンダ圧PB の高さが変動し、ブレーキ
の効きが安定しない。そこで、本実施形態においては、
ブースタ負圧である低圧室68の圧力PC に基づいて、
バキュームブースタ12が助勢限界に達したときのマス
タシリンダ圧(以下、助勢限界値PM0と称する)を取得
し、実際のマスタシリンダ圧が助勢限界値PM0に達した
ときに効き特性制御がポンプ106を作動させるように
されている。また、ブースタ負圧センサ48が設けられ
ていて、ブースタ負圧が検出されるが、吸気側負圧であ
るインテークマニホルド32の負圧と、液圧ブレーキシ
ステムの作動状態の一種であるマスタシリンダ圧とに基
づいてブースタ負圧が推定され、検出値と推定値との比
較により、ブースタ負圧センサ48が故障状態にあるか
否かが推定されるとともに、故障状態であると推定され
れば、ブースタ負圧の推定値を用いて効き特性制御が行
われるようにされている。
【0035】以下、ブレーキ効き特性制御ルーチンに基
づいて、ブレーキ効き特性制御、特にブースタ負圧の取
得を詳細に説明する。まず、ステップ1(以下、S1と
略称する。他のステップについても同じ。)においてブ
レーキスイッチ26がONであるか否かの判定が行われ
る。ブレーキペダル10が踏み込まれておらず、踏み込
まれていても、ブレーキスイッチ26がONでなけれ
ば、S1の判定結果はNOになってS2が実行され、フ
ラグがリセットされるとともにメモリ170等がクリア
されるとともに、終了処理が行われてルーチンの実行は
終了する。終了処理は、例えば、圧力制御弁120およ
び流入制御弁150の各ソレノイド134,166のO
FF、ポンプモータ160のOFFである。
【0036】ブレーキスイッチ26がONになれば、S
1の判定結果がYESになってS3が実行され、フラグ
がセットされているか否かの判定が行われる。このフラ
グは、セットにより、マスタシリンダ圧の助勢限界値P
M0が取得されたことを記憶し、図示しない初期設定にお
いてリセットされている。S3が初めて実行され、ある
いはマスタシリンダ圧の助勢限界値PM0が取得されてい
なければ、フラグはセットされておらず、S3の判定結
果はNOになってS4が実行され、ブレーキスイッチ2
6がONになってから設定時間が経過したか否かの判定
が行われる。ブレーキスイッチ26がONになってから
設定時間が経過した状態でブースタ負圧の推定を行うた
め、S4の判定が行われるのであり、この判定結果は当
初はNOである。設定時間は、例えば、コンピュータの
PUに設けられたタイマを用いて計測される。
【0037】ブレーキスイッチ26がONになってから
設定時間が経過すれば、S4の判定結果はYESになっ
てS5が実行され、エンジン30の吸気側、すなわちイ
ンテークマニホルド32の負圧が推定される。この推定
は、本実施形態においては、スロットルポジションセン
サ44により検出された電子制御式スロットルバルブ3
4の開度およびエンジン回転数センサ46により検出さ
れたエンジン回転数を用いて行われる。これら開度およ
び回転数は、通信により、ブレーキECU24からEF
I−ECU40への要求に基づいて、EFI−ECU4
0から供給され、空気の絞り量および流量が得られ、イ
ンテークマニホルド32の負圧が推定される。この推定
は、よく知られているため、詳細な説明は省略する。本
実施形態では、インテークマニホルド32の負圧は値で
推定され、推定値は1つであり、インクテークマニホル
ド負圧推定値メモリ170に記憶される。
【0038】次いでS6が実行され、インテークマニホ
ルド負圧センサ42が正常であるか否かの判定が行われ
る。この判定時には、通信により、ブレーキECU24
からEFI−ECU40への要求により、EFI−EC
U40からブレーキECU24へのインテークマニホル
ド負圧センサ42の検出値が供給され、S5において推
定された推定値と一致するか否かが判定される。この判
定は、本実施形態においては、推定値に設定値を加減す
ることにより得られる範囲内に検出値があるか否かによ
り行われる。検出値と推定値とが一致していれば、イン
テークマニホルド負圧センサ42は正常であると判定さ
れ、S6の判定結果はYESになってS7が実行され、
ブースタ負圧推定用インテークマニホルド負圧メモリ1
72に検出値が記憶される。
【0039】それに対し、インテークマニホルド負圧セ
ンサ42の検出値が推定値と一致していなければ、イン
テークマニホルド負圧センサ42が故障状態にあると推
定され、S6の判定結果がNOになってS8が実行さ
れ、ブースタ負圧推定用インテークマニホルド負圧メモ
リ172にインテークマニホルド負圧の推定値が記憶さ
れる。S8においてはまた、インテークマニホルド負圧
センサ42の故障が、報知装置の一種であるランプの点
灯によって報知されるとともに、通信により、EFI−
ECU40に報知される。ブースタ負圧推定用インテー
クマニホルド負圧メモリ172への検出値あるいは推定
値の記憶の後、S9が実行され、ブースタ負圧の推定が
行われる。インテークマニホルド負圧の検出値を用いて
も、推定値を用いてもブースタ負圧の推定は同様に行わ
れるため、以下のブースタ負圧の推定の説明において、
単にインテークマニホルド負圧と称する。
【0040】ブースタ負圧の推定は、インテークマニホ
ルド負圧と、液圧ブレーキシステムの作動状態、本実施
形態においてはマスタシリンダ圧とに基づいて行われ
る。具体的には、インテークマニホルド負圧に基づいて
得られることが予想されるブースタ負圧の最大値から、
ブレーキペダル10の踏込み、すなわちバキュームブー
スタ12の作動によるブースタ負圧の変動量である減少
量をひくことにより、ブースタ負圧が範囲で推定され
る。ブースタ負圧の減少量には、ブレーキペダル10の
踏込みが開始されてから、ブレーキスイッチ26がON
になるまでのブースタ負圧の減少量およびブレーキスイ
ッチ26がONになってから設定時間が経過するまでの
ブースタ負圧の減少量が含まれる。
【0041】バキュームブースタ12に得られ得るブー
スタ負圧は、インテークマニホルド負圧によって決ま
る。インテークマニホルド負圧は、図13に示すよう
に、絶対真空にはならず、また、エンジン30が作動し
ている限り、大気圧にもならない。インテークマニホル
ド負圧には上限および下限があり、この範囲内のいずれ
かにあるはずなのである。ブースタ負圧にも上限および
下限があり、下限は、図13に破線で示すように、イン
テークマニホルド負圧が大きくなるほど大きくなるが、
チェック弁36が設けられているため、実線で示すよう
に、インテークマニホルド負圧より、チェック弁36が
設けられることによる圧力損失分、すなわちチェック弁
36の開弁圧分、小さくなる。また、ブースタ負圧の上
限は、インテークマニホルド負圧の上限値より、圧力損
失分、小さい値となる。そして、インテークマニホルド
負圧が増大すれば、低圧室68内の空気の吸引により、
ブースタ負圧も増大するが、インテークマニホルド負圧
が低下してもチェック弁36があるため、ブースタ負圧
が低下するとは限らず、少なくとも数秒間、ブレーキペ
ダル10が踏み込まれておらず、安定した状態において
ブースタ負圧は、図13のグラフに斜線を施した範囲に
あると考えられる。本実施形態においては、この範囲が
テーブル化されてコンピュータのROMに記憶されてい
る。インテークマニホルド負圧に対してあり得るブース
タ負圧の下限値が、インテークマニホルド負圧毎に記憶
されているのである。ブースタ負圧の上限値は、インテ
ークマニホルド負圧の大きさに関係なく、同じであるた
め、全部のインテークマニホルド負圧に共通に記憶され
ている。ブースタ負圧の下限値は、テーブルの他、例え
ば、式により表し、その式を用いて演算されるようにし
てもよい。
【0042】そして、ブレーキペダル10が踏み込まれ
れば、マスタシリンダ圧が変動するのに伴ってブースタ
負圧も変動する。ブレーキペダル10が踏み込まれ、パ
ワーピストン66が前進するのに伴って低圧室68の容
積が減少する。バキュームブースタ12の低圧室68に
タンク38が接続されているが、小さいため、低圧室6
8の容積の減少によりブースタ負圧の減少が生ずる。低
圧室68内の空気が加圧され、負圧が低下するのであ
る。図14のグラフに示すように、マスタシリンダ圧の
増加量が大きいほど、ブースタ負圧が小さくなってブー
スタ負圧の減少量が大きくなり、さらに、二点鎖線で示
すように、ブースタ負圧の減少にはばらつきがあること
が実験によりわかっている。このばらつきは、ブレーキ
ペダル10の踏込速度や踏込み開始時のブースタ負圧の
大きさの違い等により生じ、マスタシリンダ圧増加量に
対するブースタ負圧の減少範囲(上限値および下限値)
は、実験により取得されている。
【0043】したがって、マスタシリンダ圧の増加量に
対するブースタ負圧の減少量にもばらつきがあり、ブレ
ーキペダル10が踏み込まれ、ブレーキスイッチ26が
ONになった後のマスタシリンダ圧の増加量に対するブ
ースタ負圧の減少量は、図15のグラフに示すように、
マスタシリンダ圧の増加量が大きくなるほど、ブースタ
負圧の減少量が大きくなるとともに、その減少量にはば
らつきがある。マスタシリンダ圧の変化量に対するブー
スタ負圧の減少量の範囲は、例えば、ブレーキペダル1
0の踏込速度やブレーキペダル10が踏み込まれていな
い状態でのブースタ負圧の大きさ等を考慮して、実験に
より取得され、本実施形態においては、マスタシリンダ
圧の減少量に対してブースタ負圧の減少量の範囲の下限
値がテーブル化されてコンピュータのROMに記憶され
ている。なお、テーブルに代えて、例えば、マスタシリ
ンダ圧の増加量に対する上記下限値を式により表し、下
限値が式により演算されるようにしてもよい。
【0044】ブースタ負圧の推定時には、ブースタ負圧
推定用インテークマニホルド負圧メモリ172に記憶さ
れたインテークマニホルド負圧およびインテークマニホ
ルド負圧に対してあり得るブースタ負圧の下限値を規定
するテーブルに基づいて、ブースタ負圧の下限値が取得
される。また、マスタシリンダ圧センサ28の検出信号
に基づいて得られるマスタシリンダ圧およびマスタシリ
ンダ圧に対してブースタ負圧の減少量の下限値を規定す
るテーブルに基づいて、ブースタ負圧の減少量の下限値
が取得される。
【0045】そして、図13に示すように、ブースタ負
圧の上限値から、ブースタ負圧の減少量の下限量を表す
下限値と、ブレーキペダル10が踏み込まれてから、ブ
レーキスイッチ26がONになるまでの間のブースタ負
圧の下限量とが引かれ、それにより得られる値が、ブレ
ーキスイッチ26がONになってから設定時間が経過し
た状態におけるブースタ負圧の上限値とされる。ブース
タ負圧の下限値はインテークマニホルド圧に基づいてテ
ーブルから得られた値のままであり、ブースタ負圧は、
この上限値と下限値との間にあると推定される。そし
て、このブースタ負圧の推定範囲を規定する上限値およ
び下限値が、ブースタ負圧センサ故障推定範囲メモリ1
73に記憶されるとともに、上限値と下限値との中間値
(平均値)が演算されてブースタ負圧の推定値に決定さ
れ、ブースタ負圧推定値メモリ174に記憶される。
【0046】ブースタ負圧の減少量を得るためのマスタ
シリンダ圧は、ブレーキスイッチ26がONになってか
ら、設定時間、例えば、秒単位で設定される時間の経過
後に得られる値であり、ブレーキペダル10の踏込速度
が大きいほどマスタシリンダ圧は大きく、ブースタ負圧
は、実質的にマスタシリンダ圧勾配やブレーキペダル1
0の踏込速度、すなわちバキュームブースタ12ないし
液圧ブレーキシステムの作動速度を考慮して推定される
こととなる。なお、ブースタ負圧の上限値から、ブース
タ負圧の減少量の下限値を引いた値が、ブースタ負圧の
下限値より小さくなった場合には、ブースタ負圧の下限
値がブースタ負圧であると推定され、ブースタ負圧セン
サ故障推定範囲メモリ173,ブースタ負圧推定値メモ
リ174に記憶される。ブースタ負圧の推定値が、ブー
スタ負圧センサ故障推定範囲の下限値であり、上限値で
あることとなる。
【0047】ブースタ負圧の推定後、S10が実行さ
れ、ブースタ負圧センサ48が正常であるか否かの判定
が行われる。この判定は、ブースタ負圧センサ48の検
出値が、ブースタ負圧センサ故障推定範囲メモリ173
に記憶されたブースタ負圧の推定量(範囲)の上限値と
下限値との間にあるか否かにより行われる。ブースタ負
圧センサ48の検出値は、通信により、EFI−ECU
40から供給され、ブースタ負圧の推定範囲の上限値お
よび下限値とそれぞれ比較される。検出値が上限値以下
であるか否か、下限値以上であるか否かが判定されるの
である。なお、この際、誤差およびばらつきを考慮し、
上限値および下限値にはそれぞれ範囲が設定される。ブ
ースタ負圧の検出値がブースタ負圧の推定範囲内にあれ
ば、すなわち検出値が上限値以下であり、かつ、下限値
以上であれば、ブースタ負圧センサ48は正常と判定さ
れ、S10の判定結果がYESになってS11が実行さ
れ、検出値がブレーキ効き特性制御用ブースタ負圧メモ
リ176に記憶される。検出値が推定範囲内になけれ
ば、検出値は正しくなく、ブースタ負圧センサ48は故
障状態にあると推定され、S10の判定結果がNOにな
ってS12が実行され、ブレーキ効き特性制御用ブース
タ負圧メモリ176には、ブースタ負圧推定値メモリ1
74に記憶された推定値が記憶される。S12において
はまた、報知装置の一種であるランプの点灯により、ブ
ースタ負圧センサ48の故障が報知されるとともに、E
FI−ECU40にブースタ負圧センサ48が故障状態
にあると推定されることが報知される。
【0048】次いでS13が実行され、助勢限界時のマ
スタシリンダ圧である助勢限界値圧PM0が取得される。
助勢限界値PM0は、ブレーキ効き特性制御用ブースタ負
圧メモリ176に記憶されたブースタ負圧に基づいて取
得される。ブースタ負圧と助勢限界値PM0との間には予
め定められた関係があり、その関係は、例えば式により
表され、あるいはテーブル化されてROMに記憶されて
いる。この関係に従って、ブースタ負圧の実際値に対応
する助勢限界値PM0が演算され、あるいは取得される。
その予め定められた関係は、ブースタ負圧が大きいほど
(負圧傾向が強いほど)、助勢限界値PM0が増加する関
係であり、グラフで表せば、例えば図16に示すものと
なる。得られた助勢限界値PM0は助勢限界値メモリ17
8に記憶される。また、フラグがセットされて、助勢限
界値PM0が取得されたことが記憶される。ブースタ負圧
センサ46が故障状態になければ、助勢限界値PM0はブ
ースタ負圧センサ46の検出値に基づいて取得され、故
障状態にあれば、推定値に基づいて取得される。ブース
タ負圧センサ46の検出により得られる値は推定値より
精度が高く、検出値に基づいて助勢限界値PM0を設定し
た場合、ブレーキ効き特性制御をより精度良く行うこと
ができる。
【0049】次いで図7に示すS14が実行され、マス
タシリンダ圧が助勢限界値PM0以上であるか否かの判定
が行われる。マスタシリンダ圧センサ28により検出さ
れるマスタシリンダ圧が読み込まれ、助勢限界値メモリ
178に記憶された助勢限界値PM0と比較されるのであ
る。マスタシリンダ圧が助勢限界値PM0以上でなけれ
ば、S14の判定結果はNOになり、S20,S21,
S22が実行されて、圧力制御弁120のソレノイド1
34,流入制御弁150のソレノイド166およびポン
プモータ160がそれぞれOFFにされる。現在のマス
タシリンダ圧が小さい間はブレーキ効き特性制御は行わ
れないのである。
【0050】助勢限界値PM0が得られれば、フラグがセ
ットされることにより、S3の判定結果がYESになっ
てS4〜S13がスキップされる。一旦、助勢限界値P
M0が取得されれば、ブレーキペダル10の踏込みが解除
され、次にブレーキペダル10が踏み込まれるまで更新
されないのである。
【0051】マスタシリンダ圧が助勢限界値PM0以上に
なれば、S14の判定結果はYESになってS15が実
行され、現在のマスタシリンダ圧に基づき、マスタシリ
ンダ圧とブレーキシリンダ圧との差圧ΔPの目標値が演
算される。マスタシリンダ圧の実際値の、助勢限界値P
M0からの増分IPM と、目標差圧ΔPとの関係がROM
に記憶されており、その関係に従って現在のマスタシリ
ンダ圧に対応する目標差圧ΔPが決定されるのである。
その関係は例えば、図17にグラフで表されているよう
に、増分IPM が増加するにつれて目標差圧ΔPが0か
らリニアに増加する関係とされる。
【0052】次いでS16が実行され、圧力制御弁12
0のソレノイド134の、その目標差圧ΔPに応じた電
流値Iが演算される。目標差圧ΔPとソレノイド電流値
Iとの関係もROMに記憶されており、その関係に従っ
て目標差圧ΔPに対応するソレノイド電流値Iが演算さ
れるのである。演算後、S17において電流値Iで励磁
電流がソレノイド134に供給されるようにソレノイド
134の駆動回路164に駆動制御信号が出力され、圧
力制御弁120が制御される。
【0053】その後、S18が実行され、流入制御弁1
50の制御が行われる。この制御は、図8に示す流入制
御弁制御ルーチンに基づいて行われる。簡単に説明すれ
ば、アンチロック制御中でなければ、流入制御弁150
が開かれ(S31,S34)、アンチロック制御中であ
って、リザーバ98に作動液があれば、流入制御弁15
0は開かれず(S31〜S33,S35)、リザーバ9
8に作動液がなければ、流入制御弁150が開かれる
(S31〜S34)。なお、アンチロック制御中である
か否かは、例えば、アンチロック制御ルーチンにおい
て、アンチロック制御の開始によってフラグがセットさ
れ、アンチロック制御の実行が記憶されるようにするこ
とによりわかる。リザーバ98における作動液の残量推
定演算は、例えば、増圧弁90が増圧状態にある時間と
減圧弁100が減圧状態にある時間とに基づいて行われ
る。
【0054】S18の実行後、S19が実行されてポン
プモータ160の駆動回路162にモータ駆動信号が出
力され、ポンプモータ160に駆動電流が供給され、ポ
ンプ106によりリザーバ98から作動液が汲み上げら
れる。この作動液が各ブレーキシリンダ18に吐出さ
れ、これにより各ブレーキシリンダ18に、マスタシリ
ンダ圧より、そのマスタシリンダ圧に応じた目標差圧Δ
Pだけ高い液圧が発生させられる。
【0055】マスタシリンダ圧が助勢限界値PM0以上で
ある間は、上記のようにブレーキシリンダ18に高い液
圧が発生させられる。その後、ブレーキペダル10の踏
込みが緩められ、それに伴ってマスタシリンダ圧が助勢
限界値PM0より小さくなれば、S14の判定結果がNO
になってS20〜S22が実行され、ブレーキシリンダ
圧の電気的な助勢制御が終了される。そして、ブレーキ
ペダル10の踏込みが解除されれば、S1の判定結果が
NOになってS2が実行され、フラグがリセットされる
とともに、メモリ170等がクリアされる。
【0056】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、液圧ブレーキシステムの作動速度がブレ
ーキ作動状態であり、ブレーキECU24のS4を実行
する部分が計時手段を構成し、ブレーキスイッチ26お
よびマスタシリンダ圧センサ28と共にブレーキ作動状
態検出装置を構成している。計時手段,ブレーキスイッ
チ26およびマスタシリンダ圧センサ28は、ブースタ
作動速度取得装置を構成していると考えることもでき
る。ブレーキECU24のS9を実行する部分が作動速
度依拠ブースタ負圧推定手段を含むブースタ負圧推定部
を構成し、このブースタ負圧推定部を含むブレーキEC
U24がブースタ負圧推定装置を構成している。また、
ブレーキECU24のS10を実行する部分がブースタ
負圧センサ故障推定部を構成し、ブースタ負圧センサ故
障推定部を含むブレーキECU24がブースタ負圧セン
サ故障推定装置を構成している。さらに、ブレーキEC
U24のS5を実行する部分が吸気側負圧推定部を構成
し、この吸気側負圧推定部を含むブレーキECU24が
吸気側負圧推定装置を構成し、ブレーキECU24のS
6を実行する部分が吸気側負圧センサ故障推定部を構成
し、吸気側負圧センサ故障推定部を含むブレーキECU
24が吸気側負圧センサ故障推定装置を構成している。
また、ブレーキECU24のS9を実行する部分がブー
スタ負圧推定部を構成し、S13を実行する部分が助勢
限界推定部を構成し、S14を実行する部分が作動開始
制御部を構成し、これらがS15〜S19を実行する部
分と共に助勢限界後制御部を構成し、助勢限界後制御部
は、前記ブレーキ効き特性制御用液圧制御機構部と共に
ブレーキシリンダ液圧制御装置を構成している。
【0057】本発明の別の実施形態を説明する。本実施
形態は、液圧ブレーキシステムの作動状態として、マス
タシリンダ圧に加えてマスタシリンダ圧勾配を用いてブ
ースタ負圧を推定するようにしたものである。マスタシ
リンダ圧およびマスタシリンダ圧勾配に対するブースタ
負圧の減少量は実験により範囲で取得され、マスタシリ
ンダおよびマスタシリンダ圧勾配に対するブースタ負圧
の減少量の下限値(下限量)がテーブル化されてブレー
キECUのコンピュータのROMに記憶されている。こ
の下限値は式により表し、式により演算されるようにし
てもよい。その他の構成は、図示は省略するが、前記実
施形態と同じであり、ブレーキペダル,ブレーキスイッ
チ,マスタシリンダ圧センサ等は、前記実施形態と同様
に構成されている。
【0058】ブレーキECUのコンピュータのROMに
は、図18にフローチャートで表すブレーキ効き特性制
御ルーチンが記憶され、RAMは図19に示すように構
成されている。ブレーキ効き特性制御ルーチンに基づい
てブースタ負圧の推定を説明する。本実施形態のブレー
キ効き特性制御ルーチンは、マスタシリンダ圧勾配を取
得し、マスタシリンダ圧およびマスタシリンダ圧勾配を
用いてブースタ負圧を推定するとともに、ブレーキペダ
ルが踏み込まれている間、ブースタ負圧の推定が繰返し
行われるように構成されている。前記実施形態のブレー
キ効き特性制御ルーチンとは、異なる部分を説明し、同
じ部分については説明を省略する。
【0059】ブレーキペダルが踏み込まれてブレーキス
イッチがONになれば、S41の判定結果がYESにな
ってS43が実行され、マスタシリンダ圧センサの検出
信号に基づいて得られるマスタシリンダ圧の検出値が読
み込まれ、今回マスタシリンダ圧メモリ180に記憶さ
れる。この際、現に今回マスタシリンダ圧メモリ180
に記憶されている値は前回マスタシリンダ圧メモリ18
2に移されて前回マスタシリンダ圧とされ、読み込まれ
たマスタシリンダ圧が今回マスタシリンダ圧メモリ18
0に記憶されて今回マスタシリンダ圧とされる。
【0060】次いでS44が実行され、マスタシリンダ
圧勾配が演算される。この演算は、本実施形態では、今
回マスタシリンダ圧から前回マスタシリンダ圧を引いた
値を、本ルーチンの実行時間間隔で割ることにより行わ
れる。得られたマスタシリンダ圧勾配は、今回マスタシ
リンダ圧勾配メモリ184に記憶される。この記憶に先
立って、今回マスタシリンダ圧勾配メモリ184および
前回マスタシリンダ圧勾配メモリ186にそれぞれ記憶
されている値は各々、前回マスタシリンダ圧勾配メモリ
186および前々回マスタシリンダ圧勾配メモリ188
に移される。連続して演算される3つのマスタシリンダ
圧勾配が記憶されるのである。
【0061】次いで、S45〜S48が前記S5〜S8
と同様に実行され、インテークマニホルド負圧の推定お
よびインテークマニホルド負圧センサの故障推定が行わ
れた後、S49においてブースタ負圧の推定が行われ
る。ブースタ負圧の推定は、マスタシリンダ圧およびマ
スタシリンダ圧勾配を用いて、ROMに記憶されたテー
ブルからブースタ負圧の減少量の下限値を取得し、その
下限値を用いて、前記実施形態におけると同様に行われ
る。マスタシリンダ圧は、今回マスタシリンダ圧メモリ
180に記憶された値が用いられ、マスタシリンダ圧勾
配は、3つのマスタシリンダ圧勾配メモリ184〜18
8にそれぞれ記憶されたマスタシリンダ圧勾配の平均値
が用いられる。このようにマスタシリンダ圧に加えてマ
スタシリンダ圧勾配を用いれば、ブレーキの作動状態が
よりきめ細かにわかり、ブースタ負圧の減少量の範囲が
より精度良く得られ、ブースタ負圧をより精度良く推定
することができる。ブレーキペダルが踏み込まれている
間、S43〜S53が繰返し実行され、ブースタ負圧の
推定が繰返し行われるとともに、助勢限界値が更新され
る。マスタシリンダ圧勾配を用いてブースタ負圧がより
精度良く推定されるため、ブースタ負圧の推定が繰返し
行われ、より精度の良い助勢限界値が得られる。本実施
形態においては、液圧ブレーキシステムの作動速度がブ
レーキ作動状態であり、ブレーキECUのS44を実行
する部分がブースタ作動速度取得部たるマスタシリンダ
圧勾配取得部を構成し、マスタシリンダ圧センサ28と
共にブレーキ作動状態検出装置を構成している。また、
ブレーキECUのS49を実行する部分が作動速度依拠
ブースタ負圧推定手段を含むブースタ負圧推定部を構成
し、このブースタ負圧推定部を含むブレーキECUがブ
ースタ負圧推定装置を構成している。
【0062】本発明の更に別の実施形態を説明する。本
実施形態は、ブレーキスイッチがONになった後の時間
を用いてブースタ負圧の減少量を求め、それによりブー
スタ負圧を推定するようにしたものである。図22のグ
ラフに示すように、ブレーキペダルが踏み込まれてから
やや時間をおいてブレーキスイッチがONになり、その
間、パワーピストンの前進によりブースタ負圧は、例え
ば、数10mmHg減少する。そして、ブレーキペダルの踏
込みに伴ってブースタ負圧は減少するとともに、減少量
が増大し、ブレーキペダルの踏込みが停止されれば、減
少は停止する。図22のグラフには、ブレーキペダルが
標準的な速度で踏み込まれた場合における時間とブース
タ負圧の減少量との関係が示されている。この関係は、
予め実験によって得られており、本実施形態においては
テーブル化されてコンピュータのROMに記憶されてい
る。上記時間とブースタ負圧の減少量との関係を式によ
り表し、その式によりブースタ負圧の減少量が演算され
るようにしてもよい。
【0063】本実施形態においてブレーキECUのRO
Mには、図20に示すブレーキ効き特性制御ルーチンが
記憶され、そのルーチンを実行するためのRAMは、図
21に示すように構成されている。ブースタ負圧の推定
は、ブレーキペダルが踏み込まれている間、繰返し行わ
れる。ブレーキペダルが踏み込まれ、ブレーキスイッチ
がONになれば、S61の判定結果はYESになってS
63が実行され、フラグがセットされているか否かの判
定が行われる。このフラグは、前記実施形態のフラグと
は異なるフラグであって、セットにより、ブレーキスイ
ッチがOFFからONになったことを記憶するが、初期
設定においてリセットされており、ブレーキスイッチが
OFFからONになった後、初めてS63が実行される
ときにはS63の判定結果はNOになってS64が実行
され、ブレーキスイッチがONになったときの時間がブ
レーキスイッチON時時間メモリ190に記憶される。
コンピュータのPUに設けられたタイマの時間が記憶さ
れるのである。次いでS65が実行されてフラグがセッ
トされ、ブレーキスイッチがOFFからONになったこ
とが記憶される。
【0064】S66〜S69においてインテークマニホ
ルド負圧の推定等が前記実施形態のS5〜S8と同様に
行われた後、S70が実行され、ブースタ負圧が推定さ
れる。この推定は、S70が実行されるときの時間、す
なわちコンピュータのPUのタイマが示す時間が読み込
まれ、その時間から、ブレーキスイッチON時時間メモ
リ190に記憶された時間がひかれて、ブレーキスイッ
チ26がONになってからブースタ負圧の推定が実行さ
れるまでの時間が求められる。そして、この時間を用い
て、ブレーキスイッチ26がONになった後の時間とブ
ースタ負圧の減少量との関係を規定するテーブルから、
ブースタ負圧の減少量が取得され、この減少量を用い
て、前記各実施形態におけると同様に、ブースタ負圧が
推定されるとともに、ブースタ負圧センサ故障推定のた
めのブースタ負圧の推定範囲が取得される。
【0065】そして、ブースタ負圧センサの故障推定が
行われた後(S71〜S73)、マスタシリンダ圧の助
勢限界値が取得される(S74)。ブレーキペダル10
が踏み込まれたままであれば、次にS63が実行される
とき、その判定結果はYESになってS64,S65が
スキップされ、インテークマニホルド負圧の推定,ブー
スタ負圧の推定等が行われる。ブレーキペダルの踏込時
間が長いほど、ブースタ負圧の減少量が多くなり、それ
に応じてブースタ負圧が推定される。ブレーキペダルの
踏込みが解除されれば、S61の判定結果がNOになっ
てS62が実行され、フラグのリセット等が行われる。
本実施形態においては、液圧ブレーキシステムの作動量
がブレーキ作動状態であり、ブレーキECUのS64を
実行する部分が計時手段を構成し、ブレーキスイッチと
共にブレーキ作動状態検出装置を構成し、ブレーキEC
UのS70を実行する部分がブースタ負圧推定部を構成
し、このブースタ負圧推定部を含むブレーキECUがブ
ースタ負圧推定装置を構成している。
【0066】上記各実施形態においては、インテークマ
ニホルド負圧と液圧ブレーキシステムの作動状態とに基
づいてブースタ負圧を推定するようにされていたが、ブ
レーキ操作力、ブレーキ操作ストローク、マスタシリン
ダ圧の少なくとも2つに基づいてブースタ負圧を推定す
るようにしてもよい。
【0067】ブレーキ操作力であるブレーキペダルの踏
力と、マスタシリンダ圧とに基づいてブースタ負圧を推
定する例を図23および図24に基づいて説明する。本
実施形態の液圧ブレーキシステムにおいては、図示は省
略するが、ブレーキ操作量の一種であるブレーキ操作力
たるブレーキペダルの踏力を検出するブレーキ操作量検
出センサの一種であるブレーキ操作力センサたる踏力セ
ンサが設けられている。踏力センサは、例えば、ブレー
キペダルの踏力を歪みゲージ等により検出する形式のセ
ンサとされる。また、ブースタ負圧の取得のためにはイ
ンテークマニホルド負圧センサおよびブースタ負圧セン
サは設けられていない。ブレーキECUのROMには、
図23に一部をフローチャートで表すブレーキ効き特性
制御ルーチンが記憶されている。
【0068】ブレーキペダルの踏力,マスタシリンダ圧
およびブースタ負圧の間には、図24に示すように、マ
スタシリンダ圧は踏力が大きいほど大きくなるが、踏力
が同じであれば、ブースタ負圧が大きいほど大きいマス
タシリンダ圧が得られ、マスタシリンダ圧が同じであれ
ば、ブースタ負圧が大きいほど踏力が小さい関係がある
ことが実験により得られている。それに基づいて踏力お
よびマスタシリンダ圧からブースタ負圧を取得するテー
ブルあるいは式が設けられてコンピュータのROMに記
憶されている。
【0069】ブレーキ効き特性制御ルーチンの実行時に
は、ブレーキペダル10が踏み込まれ、ブレーキスイッ
チがONになれば(S81)、マスタシリンダ圧センサ
により検出されるマスタシリンダ圧が読み込まれるとと
もに(S83)、踏力センサにより検出される踏力が読
み込まれた(S84)後、ブースタ負圧が推定される
(S85)。この推定は、検出されたマスタシリンダ圧
および踏力に基づいてテーブルからブースタ負圧を取得
することにより行われる。、推定後、ブースタ負圧の推
定値を用いてマスタシリンダ圧の助勢限界値が取得され
る(S86)。ブースタ負圧の推定および助勢限界値の
取得は、ブレーキスイッチがONの間、繰返し行われ
る。本実施形態においては、ブレーキECUのS85を
実行する部分が、ブースタ負圧推定部を構成し、このブ
ースタ負圧推定部を含むブレーキECUがブースタ負圧
推定装置を構成している。
【0070】ブレーキ操作量たるブレーキ操作ストロー
クの一種である踏込ストローク,マスタシリンダ圧およ
びブースタ負圧との間にも、踏力,マスタシリンダ圧お
よびブースタ負圧との間におけると同様の関係があり、
踏力に代えて踏込ストロークを用いて同様にブースタ負
圧を推定することができる。
【0071】踏力と踏込ストロークとに基づいてブース
タ負圧を推定してもよい。その例を図25および図26
に基づいて説明する。図示は省略するが、液圧ブレーキ
システムには、踏力センサおよびブレーキペダルの踏込
ストロークを検出する踏込ストロークセンサが設けら
れ、ブレーキECUには、図25に一部をフローチャー
トで表すブレーキ効き特性制御ルーチンが記憶されてい
る。踏込ストロークセンサは、ブレーキ操作量センサの
一種であるブレーキ操作ストロークセンサであり、例え
ば、ブレーキペダルの回動角をロータリポテンショメー
タにより検出する形式のセンサとされる。
【0072】ブレーキ効き特性制御の実行時には、ブレ
ーキペダルが踏み込まれてブレーキスイッチがONにな
れば(S91)、踏込ストロークセンサおよび踏力セン
サの各検出値が読み込まれ(S93,S94)、それら
に基づいてブースタ負圧が推定される(S95)。ブレ
ーキペダルが標準的な踏込速度で踏み込まれると仮定す
れば、踏込ストロークに対して得られるマスタシリンダ
圧が決まるため、踏込ストロークとマスタシリンダ圧と
の関係は予め得ることができ、また、マスタシリンダ
圧,踏力およびブースタ負圧の関係も予め得ることがで
き、踏込ストローク,踏力およびブースタ負圧の間に図
26に示す関係が得られる。踏込ストロークが同じであ
れば、ブースタ負圧が大きいほど、踏力が小さくて済む
のであり、この関係は、テーブルあるいは式により規定
されてコンピュータのROMに記憶されている。ブース
タ負圧は、このテーブルあるいは式を使用し、踏込スト
ロークおよび踏力に基づいて推定され、推定されたブー
スタ負圧に基づいてマスタシリンダ圧の助勢限界値が取
得される(S96)。本実施形態においては、ブレーキ
ECUのS95を実行する部分がブースタ負圧推定部を
構成し、このブースタ負圧推定部を含むブレーキECU
がブースタ負圧推定装置を構成している。
【0073】踏力およびマスタシリンダ圧に基づくブー
スタ負圧の推定および助勢限界値の取得あるいは踏力お
よび踏込ストロークに基づくブースタ負圧の推定および
助勢限界値の取得は、ブレーキペダルが踏み込まれてブ
レーキスイッチの検出信号がOFFからONになった後
に1回行うのみでもよい。例えば、ブレーキスイッチが
ONになった後、設定時間経過後に行うのである。
【0074】また、上記各実施形態の一部においては、
インテークマニホルド負圧およびブースタ負圧をそれぞ
れ検出するセンサが設けられていたが、インテークマニ
ホルド負圧センサを省略し、ブースタ負圧センサのみを
設けてもよい。インテークマニホルド負圧センサがなく
ても、前述のように、エンジンの作動状態、例えば電子
制御式スロットルバルブの開度およびエンジンの回転数
に基づいてインテークマニホルド負圧が推定により得ら
れ、推定値がブースタ負圧の推定に用いられる。ブース
タ負圧の推定値を用いてブースタ負圧センサが故障して
いるか否かを推定することは、上記実施形態におけると
同じである。
【0075】さらに、ブースタ負圧センサを設けること
は不可欠ではなく、省略し、インテークマニホルド負圧
センサのみを設けてもよい。この場合、インテークマニ
ホルド負圧の推定値に基づいて、インテークマニホルド
負圧センサの故障を推定することができる。そして、イ
ンテークマニホルド負圧センサが正常であれば検出値を
用いて、故障していると推定されれば、推定値を用いて
ブースタ負圧が推定され、推定されたブースタ負圧を用
いて助勢限界値が取得される。
【0076】また、ブースタ負圧センサおよびインテー
クマニホルド負圧センサの両方を省略してもよい。この
場合、インテークマニホルド負圧はエンジンの作動状態
に基づいて推定され、その推定値とブレーキシステムの
作動状態とに基づいてブースタ負圧が推定される。
【0077】さらに、上記各実施形態において、インテ
ークマニホルド負圧の推定およびインテークマニホルド
負圧センサの故障推定は、ブレーキECU24等におい
て行われていたが、インテークマニホルド負圧の推定を
EFI−ECU40において行い、インテークマニホル
ド負圧センサの検出値と推定値との両方をブレーキEC
U24等に供給するようにしてもよい。インテークマニ
ホルド負圧推定装置をエンジンシステムに設けるのであ
る。EFI−ECU40においてインテークマニホルド
負圧センサが故障しているか否かを推定し、故障してい
ないと推定されれば検出値を、故障していると推定され
れば、推定値をブレーキECU24等に供給するように
してもよい。インテークマニホルド負圧センサ故障推定
装置をエンジンシステムに設けるのである。
【0078】また、ブースタ負圧センサをブレーキEC
U24等に接続し、ブースタ負圧センサの検出値がブレ
ーキECU24等に直接供給されるようにしてもよい。
また、インテークマニホルド負圧センサ,スロットルバ
ルブ開度センサ,エンジン回転数センサをブレーキEC
U24等に接続し、インテークマニホルド負圧の検出値
等が直接入力されるようにしてもよい。さらに、ブレー
キECU24等により行われる制御と、EFI−ECU
40により行われる制御とを、共通の、すなわち1つの
電子制御ユニットにより行うようにしてもよい。
【0079】また、ブースタ負圧を推定するために用い
られるブースタ負圧の減少量は、減少量の範囲の下限の
減少量に限らず、例えば、上限の減少量と下限の減少量
との中間の減少量(平均の減少量)としてもよい。
【0080】さらに、ブースタ負圧からインテークマニ
ホルド負圧を推定し、例えば、燃料噴射制御に用いても
よい。ブースタ負圧の検出値と、エンジンの作動状態と
に基づいてインテークマニホルド負圧を推定するのであ
る。
【0081】また、インテークマニホルド負圧からスロ
ットルバルブの開度,エンジン回転数等のエンジン作動
状態を推定し、例えば、燃料噴射制御に用いてもよい。
【0082】さらに、インテークマニホルド負圧を用い
て、配管等の機械的な故障を検出することができる。例
えば、ブレーキ操作部材が操作されておらず、ブレーキ
操作力の助勢に十分なインテークマニホルド負圧が得ら
れている状態において、ブースタ負圧が小さい場合に
は、ブースタ負圧センサが故障しているか、あるいはブ
ースタの低圧室とインテークマニホルドとを接続する配
管が外れていると判断することができる。
【0083】また、液圧ブレーキシステムが、吸気側負
圧センサの検出値と吸気側負圧推定装置の推定値とに基
づいて吸気側負圧センサの故障を推定し、故障時には、
ブースタ負圧推定装置が検出値に代えて推定値を用いて
ブースタ負圧を推定するようにされていたが、液圧ブレ
ーキシステムにおいて吸気側負圧センサの故障推定は行
わず、吸気側負圧の検出値と推定値とのうち、ブースタ
負圧の推定に用いられる値が供給されるようにしてもよ
い。
【0084】さらに、本発明は、ブレーキ効き特性制御
においてマスタシリンダ圧の助勢限界値を取得するため
にブースタ負圧が推定される液圧ブレーキシステムに限
らず、ブースタ負圧を必要とする液圧ブレーキシステム
に適用することができる。
【0085】以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細
に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記
〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識
に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である液圧ブレーキシステム
をエンジンシステムと共に概略的に示す図である。
【図2】上記液圧ブレーキシステムを示す回路図であ
る。
【図3】上記液圧ブレーキシステムを構成するバキュー
ムブースタを示す側面断面図である。
【図4】上記液圧ブレーキシステムを構成する圧力制御
弁の構造および作動を説明するための正面断面図であ
る。
【図5】上記液圧ブレーキシステムの電気的構成を示す
ブロック図である。
【図6】上記液圧ブレーキシステムを構成するブレーキ
ECUのコンピュータのROMに記憶されたブレーキ効
き特性制御ルーチンの一部を示すフローチャートであ
る。
【図7】上記ブレーキ効き特性制御ルーチンの残りを示
すフローチャートである。
【図8】上記コンピュータのROMに記憶された流入制
御弁制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】上記コンピュータのRAMのうち、本発明に関
連の深い部分を示すブロック図である。
【図10】上記液圧ブレーキシステムにおけるブレーキ
操作力とブレーキシリンダ圧との関係を示すグラフであ
る。
【図11】ブレーキ効き特性制御を説明するためのグラ
フである。
【図12】上記ブレーキ効き特性制御におけるマスタシ
リンダ圧と、マスタシリンダとブレーキシリンダとの差
圧との関係を示すグラフである。
【図13】上記液圧ブレーキシステムにおけるブースタ
負圧の推定を説明するためのグラフである。
【図14】上記液圧ブレーキシステムにおけるマスタシ
リンダ圧増加量とブースタ負圧との関係を示すグラフで
ある。
【図15】上記液圧ブレーキシステムにおけるマスタシ
リンダ圧増加量とブースタ負圧の減少量との関係を示す
グラフである。
【図16】上記液圧ブレーキシステムにおけるブースタ
負圧とマスタシリンダ圧の助勢限界値との関係を示すグ
ラフである。
【図17】上記液圧ブレーキシステムにおけるマスタシ
リンダ圧の実際値の助勢限界値からの増分と上記差圧と
の関係を示すグラフである。
【図18】本発明の別の実施形態である液圧ブレーキシ
ステムを構成するブレーキECUのコンピュータのRO
Mに記憶されたブレーキ効き特性制御ルーチンの一部を
示すフローチャートである。
【図19】図18に示すブレーキ効き特性制御ルーチン
を実行するためのRAMの構成を示すブロック図であ
る。
【図20】本発明の更に別の実施形態である液圧ブレー
キシステムを構成するブレーキECUのコンピュータの
ROMに記憶されたブレーキ効き特性制御ルーチンの一
部を示すフローチャートである。
【図21】図20に示すブレーキ効き特性制御ルーチン
を実行するためのRAMの構成を示すブロック図であ
る。
【図22】図20に示すブレーキ効き特性制御ルーチン
が実行される液圧ブレーキシステムにおいて、ブレーキ
スイッチがONになった後の時間とブースタ負圧減少量
との関係を示すグラフである。
【図23】本発明の更に別の実施形態である液圧ブレー
キシステムを構成するブレーキECUのコンピュータの
ROMに記憶されたブレーキ効き特性制御ルーチンの一
部を示すフローチャートである。
【図24】図23に示すブレーキ効き特性制御ルーチン
におけるブースタ負圧推定のためのマスタシリンダ圧と
踏力との関係を示すグラフである。
【図25】本発明の更に別の実施形態である液圧ブレー
キシステムを構成するブレーキECUのコンピュータの
ROMに記憶されたブレーキ効き特性制御ルーチンの一
部を示すフローチャートである。
【図26】図25に示すブレーキ効き特性制御ルーチン
におけるブースタ負圧推定のための踏込ストロークと踏
力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10:ブレーキペダル 12:バキュームブースタ
14:マスタシリンダ 24:ブレーキECU
26:ブレーキスイッチ 28:マスタシリンダ圧セ
ンサ 40:EFI−ECU 42:インテークマ
ニホルド負圧センサ 48:ブースタ負圧センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D048 BB07 CC26 HH08 HH26 HH38 HH42 HH49 HH59 HH66 HH67 HH68 HH70 KK09 RR01 RR06 RR35 3D049 BB05 CC02 HH08 HH20 HH31 HH39 HH41 HH42 HH47 HH51 KK09 RR01 RR02 RR04 RR13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの吸気側に接続されたバキュー
    ムブースタと、そのバキュームブースタにより倍力され
    たブレーキ操作力に応じて液圧を発生させるマスタシリ
    ンダと、そのマスタシリンダから供給される液圧により
    作動するブレーキシリンダとを含む液圧ブレーキシステ
    ムにおいて、 前記エンジン吸気側の負圧である吸気側負圧と当該液圧
    ブレーキシステムの作動状態とに基づいて、前記バキュ
    ームブースタの負圧であるブースタ負圧を推定するブー
    スタ負圧推定装置を設けたことを特徴とする液圧ブレー
    キシステム。
  2. 【請求項2】 前記ブースタ負圧推定装置が、前記吸気
    側負圧を検出する吸気側負圧センサの検出値と、前記エ
    ンジンの作動状態に基づいて吸気側負圧を推定する吸気
    側負圧推定装置の推定値とが不一致の場合に、吸気側負
    圧推定値に基づいて前記ブースタ負圧の推定を行うもの
    であることを特徴とする請求項1に記載の液圧ブレーキ
    システム。
  3. 【請求項3】 前記バキュームブースタが、前記エンジ
    ンの吸気側に接続された低圧室と、制御弁により選択的
    に低圧室と大気とに連通させられる変圧室とを備え、当
    該液圧ブレーキシステムが前記低圧室の負圧を検出する
    ブースタ負圧センサと、そのブースタ負圧センサの検出
    値と前記ブースタ負圧推定装置による推定値とが不一致
    の場合に、ブースタ負圧センサが故障状態にあると推定
    するブースタ負圧センサ故障推定装置とを含むことを特
    徴とする請求項1または2に記載の液圧ブレーキシステ
    ム。
  4. 【請求項4】 エンジンの吸気側に接続されたバキュー
    ムブースタと、そのバキュームブースタにより倍力され
    たブレーキ操作力に応じて液圧を発生させるマスタシリ
    ンダと、そのマスタシリンダから供給される液圧により
    作動するブレーキシリンダとを含む液圧ブレーキシステ
    ムにおいて、 ブレーキ操作部材のブレーキ操作力、ブレーキ操作スト
    ローク、マスタシリンダ圧の少なくとも2つに基づい
    て、前記バキュームブースタの負圧であるブースタ負圧
    を推定するブースタ負圧推定装置を設けたことを特徴と
    する液圧ブレーキシステム。
  5. 【請求項5】 エンジンの吸気側に接続されたバキュー
    ムブースタと、そのバキュームブースタにより倍力され
    たブレーキ操作力に応じて液圧を発生させるマスタシリ
    ンダと、そのマスタシリンダから供給される液圧により
    作動するブレーキシリンダとを含む液圧ブレーキシステ
    ムにおいて、 前記エンジン吸気側の負圧である吸気側負圧と当該液圧
    ブレーキシステムの作動状態とに基づいて、前記ブレー
    キシリンダに発生する液圧を制御することを特徴とする
    液圧ブレーキシステム。
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