JP2002255021A - ブレーキ装置 - Google Patents

ブレーキ装置

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JP2002255021A
JP2002255021A JP2001246366A JP2001246366A JP2002255021A JP 2002255021 A JP2002255021 A JP 2002255021A JP 2001246366 A JP2001246366 A JP 2001246366A JP 2001246366 A JP2001246366 A JP 2001246366A JP 2002255021 A JP2002255021 A JP 2002255021A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電動モータの作動に基づいて作動させられる液
圧制御シリンダを備えたブレーキ装置において、電動モ
ータへの消費電力を低減させる。 【解決手段】通常制動時においては、ブレーキシリンダ
14,16がマスタシリンダ10から遮断された状態
で、ブレーキ液圧が液圧制御シリンダ12の制御により
制御される。保持モードが設定された場合には、シミュ
レータ制御弁135を閉状態に切り換えて、制御用モー
タ100への供給電流を0にする。後方液圧室128の
液圧は制御圧室120,122の液圧に対抗し得る高さ
まで増圧させられて保持される。制御ピストン106,
108の後退が防止され、制御圧室120,122の液
圧が保持される。保持モードにおいては制御用モータ1
00に電流を供給する必要がないのであり、消費電力を
削減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブレーキ装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】特開平9−511967号公報には、
(a)液圧によりブレーキを作動させるブレーキシリンダ
と、(b)ブレーキ操作部材の操作に基づいて作動させら
れる加圧ピストンを含み、その加圧ピストンの前方の加
圧室に液圧を発生させるマスタシリンダと、(c)電動モ
ータの作動に基づいて作動させられる制御ピストンを含
み、その制御ピストンの前方の制御圧室に前記ブレーキ
シリンダが接続された液圧制御シリンダと、(d)前記電
動モータへの供給電力を制御することにより、前記液圧
制御シリンダの制御圧室の液圧を制御して、前記ブレー
キシリンダの液圧を制御するブレーキ液圧制御装置とを
含むブレーキ装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効
果】本発明は、上記公報に記載のブレーキ装置の改良を
図ることである。例えば、エネルギの有効利用を図った
り、異なる方法で消費エネルギの低減を図ったりするこ
とである。上記課題は、ブレーキ装置を下記の各態様の
構成のものとすることによって解決される。各態様は、
請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要
に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これ
は、あくまで、本明細書に記載の技術の理解を容易にす
るためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれ
らの組み合わせが以下の各項に限定されると解釈される
べきではない。また、1つの項に複数の事項が記載され
ている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなけれ
ばならないものではなく、一部の事項のみを取り出して
採用することも可能である。
【0004】以下の各項において、(1)項〜(4)項がそれ
ぞれ請求項1〜4に対応し、(8)項〜 (10)項がそれぞれ
請求項5〜7に対応し、(12)項、(13)項が請求項8、9
に対応する。また、(14)項〜(16)項がそれぞれ請求項1
0〜12に対応し、(18)項が請求項13に対応し、(21)
項、(22)項が請求項14,15に対応する。さらに、(2
8)項が請求項16に対応し、(30)項、(34)項、(35)項が
それぞれ請求項17,18,19に対応する。
【0005】(1)液圧によりブレーキを作動させるブレ
ーキシリンダと、ブレーキ操作部材の操作に基づいて作
動させられる加圧ピストンを含み、その加圧ピストンの
前方の加圧室に液圧を発生させるマスタシリンダと、動
力駆動装置の作動に基づいて作動させられる制御ピスト
ンを含み、その制御ピストンの前方の制御圧室に前記ブ
レーキシリンダが接続され、後方の後方液圧室に前記マ
スタシリンダの加圧室から作動液が供給可能な液圧制御
シリンダと、前記動力駆動装置への供給動力を制御する
ことにより、前記液圧制御シリンダの制御圧室の液圧を
制御して、前記ブレーキシリンダの液圧を制御するブレ
ーキ液圧制御装置とを含むことを特徴とするブレーキ装
置。本項に記載のブレーキ装置においては、動力駆動装
置への供給動力の制御により制御ピストンに加えられる
駆動力が制御される。制御ピストンの前方の制御圧室の
液圧が制御されて、ブレーキシリンダの液圧が制御され
る。この場合に、制御ピストンの後方液圧室にマスタシ
リンダの加圧室から作動液が供給される。マスタシリン
ダの加圧室の作動液を液圧制御シリンダにおけるブレー
キシリンダの制御に利用し得るのであり、それによって
エネルギを有効に利用することができる。動力駆動装置
の作動に基づいて作動させられる液圧制御シリンダを備
えたブレーキ装置においては、マスタシリンダをブレー
キシリンダから遮断した状態で、ブレーキシリンダの液
圧が制御される場合が多い。従来のこの種のブレーキ装
置においては、マスタシリンダからの作動液がブレーキ
シリンダの液圧制御に利用されることはなかった。それ
に対して、本項に記載のブレーキ装置においては、マス
タシリンダからの作動液をブレーキシリンダの液圧制御
に利用することが可能となる。例えば、マスタシリンダ
からの作動液を後方液圧室に供給して後方液圧室の液圧
を増圧し、動力駆動装置による制御ピストンの駆動を補
助させることができる。また、動力駆動装置等の異常に
より液圧制御シリンダにおけるブレーキシリンダ液圧の
制御が不能になった場合に、マスタシリンダからの作動
液を液圧制御シリンダの後方液圧室に供給し、制御ピス
トンを前進させてブレーキシリンダの液圧を増圧するこ
とができる。従来、ブレーキシリンダから遮断された状
態のマスタシリンダから排出される作動液は、ストロー
クシミュレータ等に吸収されていたのであり、ブレーキ
シリンダの液圧を増圧するためには有効に利用されてい
なかったのであるが、本発明に従えば有効利用が可能と
なるのである。また、一旦後方液圧室に供給された作動
液の流出が抑制(阻止を含む)されるようにすれば、制
御ピストンの後退を抑制し、ブレーキシリンダの液圧の
低下を抑制することができる。後方液圧室には、マスタ
シリンダの加圧室からの作動液が直接供給されるように
しても、間接的に供給されるようにしてもよい。間接的
に供給される場合には、例えば、マスタシリンダの加圧
室と後方液圧室との間に後述するようにストロークシミ
ュレータが設けられ、加圧室の作動液が一方の容積室に
供給されることによって、他方の容積室の作動液が後方
液圧室に供給される場合が相当する。この場合において
も、後方液圧室にはマスタシリンダの加圧室から供給さ
れた作動液に対応した作動液が供給される。後方液圧室
に供給される作動液の液圧、流量等は、マスタシリンダ
の加圧室から供給される作動液の液圧、流量と同じ大き
さとは限らないが、対応した大きさなのである。動力駆
動装置は、電動モータ等の作動部と作動部にエネルギを
供給するバッテリ等のエネルギ源とを含むものとするこ
とができる。
【0006】(2)ハウジングと、そのハウジング内に摺
動可能に設けられ、ハウジング内を第1容積室と第2容
積室とに仕切るシミュレータピストンと、そのシミュレ
ータピストンを第1容積室の容積が減少する方向に付勢
する付勢手段とを含み、前記第1容積室が前記マスタシ
リンダの加圧室に接続され、前記第2容積室が前記液圧
制御シリンダの後方液圧室に接続された状態で設けられ
たストロークシミュレータを含む(1)項に記載のブレー
キ装置。本項に記載のブレーキ装置においては、マスタ
シリンダの加圧室から後方液圧室に間接的に作動液が供
給される。第1容積室にマスタシリンダの加圧室の作動
液が供給されると、それに応じて第2容積室から作動液
が流出させられ、後方液圧室に供給される。マスタシリ
ンダがブレーキシリンダから遮断された状態で、ブレー
キシリンダの液圧が制御される場合には、マスタシリン
ダにストロークシミュレータが連通させられることが多
い。この場合に、ストロークシミュレータにおいて発生
させられるエネルギを利用することができるのである。
また、ブレーキ操作が解除された場合に、後方液圧室か
ら第2容積室に作動液が供給されるようにすれば、第1
容積室からマスタシリンダに確実に作動液を戻すことが
できるという効果も得られる。
【0007】(3)前記第2容積室の容積減少量より前記
後方液圧室の容積増加量の方が大きくされた(2)項に記
載のブレーキ装置。本項に記載のブレーキ装置において
は、ストロークシミュレータの第2容積室から流出させ
られた作動液を後方液圧室に収容することができ、無駄
を少なくすることができる。また、第2容積室から流出
させられる作動液が後方液圧室に収容されないことに起
因して、第2容積室の液圧が過大になることが回避さ
れ、運転者に加わる反力が過大になることを回避するこ
とができる。
【0008】(4)ほぼ大気圧の作動液を蓄える低圧源
と、その低圧源と前記後方液圧室とを接続する液通路に
設けられ、前記低圧源と前記後方液圧室との間の作動液
の流れを制御する弁装置とを含む(1)項ないし(3)項のい
ずれか1つに記載のブレーキ装置。本項に記載のブレー
キ装置においては、低圧源と後方液圧室とを接続する液
通路に弁装置が設けられている。弁装置が、低圧源の液
圧が後方液圧室の液圧より高い場合に、低圧源から後方
液圧室への作動液の供給を許容するものである場合に
は、後方液圧室の液圧が負圧になることを回避すること
ができる。この態様の弁装置は、前項に記載のブレーキ
装置に適用することが望ましい。後方液圧室の容積増加
量がストロークシミュレータの第2容積室の容積減少量
より大きい状態において、低圧源から後方液圧室に作動
液が供給可能とされていれば、後方液圧室が負圧になる
ことを回避することができる。この場合には、低圧源と
後方液圧室とを接続する液通路を作動液補給通路と称す
ることができる。また、弁装置は、後方液圧室の液圧が
低圧源の液圧より高い場合に、後方液圧室から低圧源へ
の作動液の流れを阻止するものとすることができる。こ
の場合には、後方液圧室から低圧源への高圧の作動液の
流出が阻止され、後方液圧室の液圧の低下が防止され
る。弁装置はさらに、後方液圧室と低圧源とを連通させ
る連通状態と遮断する遮断状態とに切り換え可能なもの
とすることができる。この場合には、後方液圧室の作動
液を低圧源に戻したり、低圧源から後方液圧室へ作動液
を供給したりすることができる。なお、弁装置は、コイ
ルへの電流の供給に応じて作動可能な電磁制御弁であっ
ても、電流を供給しなくても作動するメカ式のものであ
ってもよい。電磁制御弁である場合には、コイルへの供
給電流のON/OFFに応じて開閉させられる電磁開閉
弁としたり、供給電流量に応じた開度で作動液の流れを
許容する電磁流量制御弁としたり、後方液圧室の液圧を
供給電流量に応じた大きさに制御する電磁液圧制御弁と
したりすることができる。また、電流が供給されない状
態で開状態にある常開弁であっても、供給されない状態
で閉状態にある常閉弁であってもよい。メカ式のバルブ
としては、逆止弁としたり、リリーフ弁としたり、パイ
ロット式の開閉弁、液圧制御弁、流量制御弁としたりす
ることができる。
【0009】(5)前記弁装置が、前記低圧源から後方液
圧室への作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止す
る逆止弁を含む(4)項に記載のブレーキ装置。逆止弁に
より、低圧源から後方液圧室への作動液の供給は許容さ
れるが、後方液圧室から低圧源への作動液の流れは阻止
される。そのため、後方液圧室が負圧になることを回避
しつつ、後方液圧室の液圧の低下を防止することができ
る。また、次項に記載のように電磁制御弁を設ける場合
より、制御に要するエネルギ量を減らすことができる。 (6)前記弁装置が、前記制御ピストンの前進中に開状態
となる電磁制御弁を含む(4)項または(5)項に記載のブレ
ーキ装置。後方液圧室の容積の増加中に開状態にあれ
ば、低圧源からの作動液の供給が可能となり、後方液圧
室が負圧になることを回避することができる。また、液
圧制御ピストンの後退中、すなわち、後方液圧室の容積
の減少中に開状態にあれば、減圧制御時またはブレーキ
解除時に、後方液圧室の作動液を低圧源に戻すことがで
きる。この場合に、電磁制御弁の制御により、後方液圧
室の減圧勾配や減圧量を制御することができる。それに
よって、制御圧室の液圧、すなわち、ブレーキシリンダ
の液圧の減圧勾配や減圧量を抑制することができるので
ある。それに対して、保持要求中に閉状態にされれば、
後述するように、制御ピストンの後退が抑制され、動力
駆動装置に動力を供給しなくても、制御圧室の液圧を保
持することが可能となる。なお、弁装置は、(5)項の逆
止弁と本項の電磁制御弁との両方を含むものとすること
もできる。その場合には、互いに並列に設けることが望
ましい。
【0010】(7)前記後方液圧室からの作動液の流出
を、保持要求状態で抑制する流出抑制装置を設けた(1)
項ないし(6)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
流出抑制装置は、作動液の流出を阻止する流出阻止装置
とすることが望ましいが、そうでなくても、直ちに大気
圧まで低下させられない装置とすることができる。
【0011】(8)液圧によりブレーキを作動させるブレ
ーキシリンダと、ブレーキ操作部材の操作に基づいて液
圧を発生させるマスタシリンダと、電動駆動装置の作動
に基づいて作動させられる制御ピストンを含み、その制
御ピストンの前方の制御圧室に前記ブレーキシリンダが
接続された液圧制御シリンダと、前記ブレーキシリンダ
を前記マスタシリンダから遮断した状態で、前記電動駆
動装置への供給電力を制御することによって前記ブレー
キシリンダの液圧を制御するブレーキ液圧制御装置と、
前記ブレーキシリンダの液圧を保持することが要求され
る保持要求状態において、前記制御ピストンの後方液圧
室からの作動液の流出を抑制する流出抑制装置とを含む
ことを特徴とするブレーキ装置。本項に記載のブレーキ
装置においては、ブレーキシリンダがマスタシリンダか
ら遮断された状態で、電動駆動装置への供給電力が制御
される。それによって制御ピストンに加わる駆動力が制
御され、制御圧室の液圧が制御されて、ブレーキシリン
ダの液圧が制御される。そして、ブレーキシリンダの液
圧の保持要求状態においては、制御ピストンの後方液圧
室からの作動液の流出が抑制される。後方液圧室の液圧
が直ちに大気圧まで低下させられないようにされるので
あり、制御ピストンの後退が抑制され、制御圧室の液圧
の低下が抑制される。制御圧室の液圧を保持する場合
に、電動駆動装置に駆動力を生じさせる必要がなくなる
か、駆動力を小さくすることができ、消費電力を節減す
ることができるのである。
【0012】例えば、電動駆動装置が電動モータを含
み、その電動モータの回転がボールねじを備えた運動変
換装置を介して制御ピストンに伝達される場合には、制
御圧室の液圧が電動モータの作動に基づいて制御ピスト
ンに加えられる駆動力に対して大きくなると、制御圧室
の液圧によって制御ピストンが後退させられ、制御圧室
の液圧が低下する。したがって、それを回避するため
に、制御圧室の液圧を保持すればよい場合でも電動モー
タに電力を供給しておくことが必要となる。それに対し
て、後方液圧室からの作動液の流出が阻止される場合に
は、後方液圧室の液圧が、制御圧室の液圧、制御ピスト
ンの形状等によって決まる高さまで増加させられ、それ
によって、制御ピストンの後退が阻止されて制御圧室の
液圧の低下が防止される。後方液圧室の液圧は、単独で
制御圧室の液圧に対抗し得る高さまで必然的に増加する
ため、制御圧室の液圧を保持する場合に、電動駆動装置
に駆動力を生じさせる必要がなく、消費電力を節減する
ことができる。制御圧室の液圧を保持するためには電動
モータに電流を供給する必要がなく、別の目的がある場
合にのみ電流を供給すればよい。例えば、ボールねじが
制御ピストンから離間可能である場合に、そのボールね
じがピストンから離れてみだりに後退してしまうことを
防止するため等、別の目的がある場合に僅かな電流を供
給すればよいのである。この消費電力の低減効果は、車
両が長時間停止している場合に特に大きくなる。また、
電動モータの作動に伴って発生する作動音や振動を軽減
することもできる。
【0013】後方液圧室からの作動液の流出が阻止され
るわけではないが、抑制される場合においても、後方液
圧室の液圧が大気圧まで直ちに低下することが回避され
るため、制御ピストンの後退を抑制することができ、そ
の分制御圧室の液圧の低下を抑制することができる。こ
の場合には、制御圧室の液圧を保持するために、電動駆
動装置に駆動力を生じさせることが必要となる場合があ
るが、その場合においても、後方液圧室の液圧が大気圧
である場合より、供給電力を低減させることができ、消
費電力を節減することができる。流出抑制装置は、後方
液圧室からの作動液の流出を抑制し、後方液圧室の液圧
が直ちに大気圧まで低下することを回避する装置であ
る。阻止は抑制の一態様であり、後方液圧室からの作動
液の流出を阻止する流出阻止装置は流出抑制装置の一態
様である。後方液圧室には、リザーバ系、マスタシリン
ダ系、ブレーキシリンダ側部(制御圧室等液圧制御シリ
ンダの一部とブレーキシリンダ系)等の少なくとも1つ
が接続されるのが普通である。流出抑制装置は、(9)項
ないし(13)項に記載のように、リザーバ系、マスタシリ
ンダ系への作動液の流出を抑制する1つ以上の弁を含
む。また、後方液圧室からブレーキシリンダ側部に対し
ては、液圧制御シリンダによって、作動液の流出がまっ
たく予定されていないものと予定されているものとがあ
る。流出が予定されていない場合には、ブレーキシリン
ダ側部への流出が常時阻止されていると考えることがで
きる。また、流出が予定されている場合であっても、液
圧制御シリンダによる液圧制御中は、ブレーキシリンダ
側部の液圧が後方液圧室の液圧より高いのが普通である
ため、後方液圧室からブレーキシリンダ側部に作動液が
自由に流出させられることはない。また、稀に後方液圧
室の方がブレーキシリンダ側部より液圧が高い場合もあ
るが、その場合には後方液圧室からの作動液の流出によ
って、後方液圧室の液圧がブレーキシリンダ側部の液圧
より低くなることはない。この意味において、液圧制御
シリンダにおいては、後方液圧室からブレーキシリンダ
側部への作動液の流出は抑制された状態にあるといえ
る。なお、この場合には、ブレーキシリンダ側部の液圧
の低下を阻止するために、後述するように、後方液圧室
とブレーキシリンダ側部との間に、ブレーキシリンダ側
部から後方液圧室への作動液の流れを阻止し、逆向きの
流れを許容する逆止装置を設けることが望ましい。本項
に係る発明は、(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載
のブレーキ装置に採用することができる。以下の発明に
ついても同様に、(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記
載のブレーキ装置に採用することができる。
【0014】(9)作動液をほぼ大気圧で蓄えるリザーバ
を備えたリザーバ系を含み、前記流出抑制装置が、その
リザーバ系と前記後方液圧室とを接続する液通路の途中
に設けられ、少なくとも前記保持要求状態において、前
記後方液圧室から前記リザーバ系への作動液の流出を抑
制する流出抑制弁を含む(8)項に記載のブレーキ装置。
流出抑制弁は、(4)項に記載のように、電磁制御弁とし
たりメカ式の弁としたりすることができる。流出抑制弁
が電磁制御弁である場合には常閉弁とした方が保持要求
時の消費電力低減の効果が大きくなる。また、電磁制御
弁は(4)項に記載の弁装置の一構成要素とすることがで
きる。 (10)前記マスタシリンダを備えたマスタシリンダ系を
含み、前記流出抑制装置が、少なくとも前記保持要求状
態において、前記後方液圧室から前記マスタシリンダ系
への作動液の流出を抑制する流出抑制弁を含む(8)項ま
たは(9)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。保持
要求時に、後方液圧室からマスタシリンダ系への作動液
の流出を抑制すれば、後方液圧室の液圧をマスタシリン
ダの液圧より高くすることができる。 (11)前記マスタシリンダが、運転者によるブレーキ操
作部材の操作に応じて前進させられる加圧ピストンを備
え、その加圧ピストンの前方の加圧室に液圧を発生させ
るものであり、前記マスタシリンダ系が、(a)ハウジン
グと、(b)そのハウジング内に摺動可能に設けられ、ハ
ウジング内を第1容積室と第2容積室とに仕切るシミュ
レータピストンと、(c)そのシミュレータピストンを第
1容積室の容積が減少する方向に付勢する付勢手段とを
含み、前記第1容積室が前記マスタシリンダの加圧室に
接続され、前記第2容積室が前記液圧制御シリンダの後
方液圧室に接続された状態で設けられたストロークシミ
ュレータとを含む(10)項に記載のブレーキ装置。 (12)前記流出抑制装置が、そのストロークシミュレー
タのマスタシリンダ側と後方液圧室側との少なくとも一
方に設けられ、これらを連通させる連通状態と、遮断す
る遮断状態とに切り換え可能な流出抑制弁を含む(11)項
に記載のブレーキ装置。本項に記載のブレーキ装置にお
いては、流出抑制弁により、後方液圧室からマスタシリ
ンダ系へ作動液が流出させられることを抑制することが
できる。 (13)前記流出抑制装置が、前記後方液圧室から前記ブ
レーキシリンダ側部以外への作動液の流出を阻止する流
出阻止装置を含む(8)項に記載のブレーキ装置。本項に
記載のブレーキ装置においては、後方液圧室からブレー
キシリンダ側部以外のリザーバ系またはマスタシリンダ
系等への作動液の流出が阻止される。ブレーキシリンダ
側部とは、後方液圧室よりブレーキシリンダ側の部分で
あり、ブレーキシリンダ、液圧制御シリンダとブレーキ
シリンダとを接続する液通路、液圧制御シリンダ内にお
ける後方液圧室よりブレーキシリンダ側の部分等が含ま
れる。
【0015】(14)前記ブレーキ液圧制御装置が、運転
者によるブレーキ操作状態に基づいて、前記ブレーキシ
リンダの液圧を保持することを要求する保持要求を取得
する保持要求取得部を含む(8)項ないし(13)項のいずれ
か1つに記載のブレーキ装置。ブレーキシリンダの液圧
の制御要求の一般的な事項については後述するため、こ
こでは、保持要求について説明する。保持要求であるこ
とは、少なくとも、ブレーキ操作部材の操作状態に基づ
いて取得することができる。例えば、ブレーキ操作状態
がほぼ一定である場合には保持要求であるとすることが
できる。また、ブレーキ操作状態と車両の状態(例え
ば、走行状態、ブレーキ作用状態等)とに基づいて取得
することができる。例えば、ブレーキ操作状態に基づい
て決まる運転者の所望する制動状態と実際の制動状態
(制動力、減速度等)との偏差の絶対値が設定値より小
さい場合には保持要求であるとすることができる。さら
に、車両の走行状態を考慮して取得することができる。
例えば、車両が走行状態にある場合と停止状態にある場
合とで、上述の設定値の大きさを変えることができる。
また、停止状態における保持要求を長期保持要求として
走行中の保持要求と区別することもできる。
【0016】(15)前記ブレーキ液圧制御装置が、前記
流出抑制装置によって前記後方液圧室からの作動液の流
出が抑制された状態において、抑制される前の状態にお
けるより、前記電動駆動装置への供給電力を低減させる
供給電力低減部を含む(8)項ないし(14)項のいすれか1
つに記載のブレーキ装置。後方液圧室からの作動液の流
出が抑制された状態においては、後方液圧室に液圧が発
生させられるため、制御ピストンには、電動駆動装置へ
の供給電力に応じた電動駆動力と後方液圧室の液圧に応
じた液圧駆動力とが加えられる。そのため、液圧駆動力
が加えられない場合より、制御圧室の液圧を同じにする
場合に電動駆動装置への供給電力を小さくすることがで
できる。
【0017】(16)前記ブレーキ液圧制御装置が、前記
電動駆動装置への供給電力を、前記保持要求取得部によ
って保持要求が取得された場合の前記電動駆動装置への
供給電力と、前記制御ピストンの前記制御圧室に対向す
る面積および前記後方液圧室に対向する面積とに基づい
て決まる電力まで低減させる面積比率対応低減部を含む
(14)項または(15)項に記載のブレーキ装置。 (17)前記制御ピストンの前記制御圧室に対向する面積
より前記後方液圧室に対向する面積の方が小さくされた
(16)項に記載のブレーキ装置。前述のように、制御圧室
の液圧を同じにする場合に、後方液圧室に液圧が発生さ
せられない場合より発生させられる場合の方が供給電力
が少なくてすむのであるが、この場合には、〔発明の実
施の形態〕において後述するように、供給電力は制御圧
室に対向する面積S1に対する後方液圧室に対向する面
積S2の比率に応じた大きさ(S2/S1)まで低減さ
せることができる。
【0018】(18)前記ブレーキ液圧制御装置が、前記
流出抑制装置によって前記後方液圧室からの作動液の流
出が抑制される状態において、前記電動駆動装置への供
給電力を、前記制御ピストンのストロークに基づいて制
御するストローク対応供給電力制御部と、前記流出抑制
装置によって作動液の流出が抑制されない状態におい
て、前記供給電力を、前記制御圧室の液圧に基づいて制
御する制御圧対応供給電力制御部とを含む(8)項ないし
(17)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。本項に記
載のブレーキ装置においては、流出抑制装置によって流
出が抑制される状態においては電動駆動装置への供給電
力が、制御ピストンのストロークに基づいて制御され、
流出が抑制されない状態においては制御圧室の液圧に基
づいて制御される。例えば、流出抑制状態において制御
圧室の液圧に基づいて制御される場合には、流出抑制装
置が流出許容状態から流出抑制状態に切り換えられる
と、制御圧室の液圧が変化し、それに伴って電動駆動装
置への供給電力が変化させられ、それに起因してハンチ
ングが生じるおそれがある。それに対して、ストローク
が電動駆動装置としての電動モータの回転数に基づいて
検出される場合には、流出抑制装置の切り換えに伴う検
出ストロークの変化は小さい。そのため、ストロークに
基づいて制御されるようにすれば、供給電力のハンチン
グが生じ難くすることができる。
【0019】(19)前記ブレーキ液圧制御装置が、前記
保持要求取得部によって保持要求が取得された場合に、
前記電動駆動装置への供給電力を設定値まで低減させる
(14)項ないし(18)項のいずれか1つに記載のブレーキ装
置。設定値は、例えば、0または0より大きい設定値に
することもできる。流出抑制装置が流出阻止装置である
場合には0にしても制御圧室の液圧を保持することがで
きるが、〔発明の実施の形態〕において詳述するよう
に、後方液圧室からの作動液の流出が阻止されるわけで
はないが抑制される状態においても0とすることができ
る。また、車両の停止状態においては、保持要求状態
に、電動駆動装置への供給電力を設定値とすることがで
きる。車両を停止状態に維持すればよいのであり、制御
圧室の液圧を精度よく制御する必要性は低い。 (20)前記ブレーキ液圧制御装置が、前記保持要求取得
部によって保持要求が取得された場合に、前記電動駆動
装置への供給電力をブレーキ操作状態に基づいて決定さ
れた大きさに制御する操作状態対応供給電力制御部を含
む(14)項ないし(19)項のいずれか1つに記載のブレーキ
装置。制御圧室の液圧はブレーキ操作状態に基づいて決
まる大きさに制御されるのが普通であるため、その大き
さを保持する場合にも、供給電力がブレーキ操作状態に
基づく大きさに制御されるようにすることが望ましい。
【0020】(21)前記流出抑制装置が、前記ブレーキ
液圧制御装置の指令に応じて作動させられる電磁制御弁
を含み、前記ブレーキ液圧制御装置が、前記ブレーキシ
リンダを前記マスタシリンダから遮断した状態で、前記
ブレーキ操作部材の操作状態に基づいて前記電動駆動装
置への供給電力と前記電磁制御弁とを制御する供給電力
等制御部を含む(8)項ないし(20)項のいずれか1つに記
載のブレーキ装置。本項に記載のブレーキ装置において
は、ブレーキシリンダをマスタシリンダから遮断した状
態で、ブレーキ操作部材の操作状態に基づいて電動駆動
装置への供給電力と電磁制御弁(以下、この項におい
て、電磁流出抑制弁と称する)とを制御することによっ
て、制御圧室の液圧が制御され、ブレーキシリンダの液
圧が制御される。ブレーキ操作部材の操作状態は、例え
ば、ブレーキ操作状態取得装置によって取得されるが、
ブレーキ操作状態には、ブレーキ操作部材に加えられる
操作力、操作ストローク等の操作量や操作量に対応する
ブレーキ状態量(例えば、マスタシリンダの液圧、ブレ
ーキシリンダの液圧、車両または車輪の減速度)等が該
当する。ブレーキ操作状態に基づく制御には、ブレーキ
操作状態に応じた制御、ブレーキ操作状態の変化状態に
応じた制御、操作状態と操作状態の変化状態との両方に
基づく制御等が該当する。例えば、供給電力と電磁流出
抑制弁とを、ブレーキ操作状態に応じて決まるブレーキ
に関する目標値(例えば、目標ブレーキ液圧、目標減速
度等)に実際値(実ブレーキ液圧または実減速度)が近
づくように制御することができる。具体的には、ブレー
キ操作状態に基づいて制御要求が決定され、その制御要
求に応じて電動駆動装置と電磁流出抑制弁とが制御され
るようにすることができる。制御要求は、ブレーキ操作
状態に応じて決まる目標値と実際値との偏差に基づいて
決定したり、ブレーキ操作状態の変化の程度(ブレーキ
操作状態に応じて決まる目標値の変化の程度)に基づい
て決定したりすることができる。制御要求が増圧要求で
ある場合には、供給電力の制御により、電動駆動装置の
正方向(制御ピストンを前進させる方向)の作動が開始
された後に、電磁流出抑制弁が後方液圧室へのリザーバ
系やマスタシリンダ系からの作動液の流入を許容する状
態とされるようにすることが望ましい。電磁流出抑制弁
が、先にリザーバ系やマスタシリンダ系からの作動液の
流入を許容する状態にされると、後方液圧室の液圧が急
激に低下し、制御圧室の液圧が急激に低下するおそれが
あるからである。保持要求である場合には、電磁流出抑
制弁が後方液圧室からの作動液の流出を抑制する流出抑
制状態とされ、電動駆動装置への供給電力が低減させら
れる。減圧要求である場合には、供給電力の制御により
電動駆動装置の逆方向(制御ピストンを後退させる方
向)の作動が開始された後に、電磁流出抑制弁が後方液
圧室からリザーバ系やマスタシリンダ系への作動液の流
出を許容する状態とされる。なお、減圧要求である場合
には、制御ピストンを積極的に後退させる必要は必ずし
もない。制御圧室と電動駆動装置によって加えられる駆
動力との関係で、制御ピストンが後退させられ、制御圧
室の液圧が減圧させられるからである。また、保持要求
から減圧要求に切り換わった場合には流出抑制装置を利
用して減圧制御が行われるようにすることもできる。後
方液圧室の液圧が流出抑制装置の制御によって低下させ
られれば、それに伴って制御圧室の液圧が低下させられ
る。このように、電動駆動装置は正・逆両方向に作動可
能なものとする必要は必ずしもなく、正方向のみに作動
可能なものであってもよく、駆動力の増加、減少によっ
て、制御圧室の液圧を減圧することができる。本項に記
載のブレーキ装置におけるブレーキ液圧制御装置は、液
圧制御ピストンの制御圧室に接続されたブレーキシリン
ダの液圧を、通常制動時等に制御するものとすることが
望ましい。なお、流出抑制装置は、少なくとも1つの電
磁制御弁を含むものであるが、2つ以上の電磁制御弁を
含む場合がある。また、電磁制御弁の他の1つ以上の逆
止弁等のメカ式の弁を含む場合等もある。
【0021】(22)当該ブレーキ装置が、前記後方液圧
室から前記ブレーキシリンダ側部への作動液の流れを許
容し、逆向きの流れを阻止する逆止装置を含み、前記供
給電力等制御部が、前記保持要求状態への移行時に、前
記電動駆動装置への供給電力を一旦増加させ、前記電磁
制御弁を前記後方液圧室からの作動液の流出を阻止する
状態に切り換えた後、前記供給電力を低減させる供給電
力増加後低減部を含む(21)項に記載のブレーキ装置。本
項に記載のブレーキ装置においては、後方液圧室とブレ
ーキシリンダ側部との間に逆止装置が設けられている。
その結果、後方液圧室よりブレーキシリンダ側部の方が
液圧が高い場合には、ブレーキシリンダ側部から後方液
圧室への作動液の流れが阻止されて、ブレーキシリンダ
側部の液圧の低下が阻止される。また、後方液圧室の方
が高い場合には、後方液圧室からブレーキシリンダ側部
へ作動液が流出させられる。一方、保持要求状態におい
て、電動駆動装置への供給電力が0にされると、制御圧
室の液圧により制御ピストンが後退させられる。制御圧
室の容積が増加させられて、液圧が減少させられ、後方
液圧室の容積が減少させられて、液圧が増加させられ
る。後方液圧室の液圧の方がブレーキシリンダ側の液圧
より低い間は後方液圧室からブレーキシリンダ側部に作
動液が流出させられることはないが、後方液圧室の液圧
の方が高くなると、ブレーキシリンダ側部に作動液が流
出させられる。制御ピストンの制御圧室(ブレーキシリ
ンダ側部)に対向する受圧面積が後方液圧室に対向する
受圧面積より大きい場合には、制御ピストンは後退端位
置まで後退させられ、その位置において、後方液圧室の
液圧とブレーキシリンダ側の液圧とが同じになって、そ
の液圧が保持される。この場合には、制御圧室の液圧
は、制御ピストンの後退に伴う容積増加に起因して、保
持要求が取得された場合より低下する。そこで、電動駆
動装置への供給電力を0にする以前に、供給電力を増加
させて、制御圧室の液圧を予め増加させておけば、供給
電力が0にされた場合の制御圧室の液圧の不足を抑制す
ることができる。供給電力を0にする以前の供給電力の
増加の程度によっては、保持要求が取得された場合の制
御圧室の液圧と同じかまたはそれより大きくすることも
できる。供給電力は0まで低減させても、0より大きい
設定値まで低減させてもよいが、0まで低減させれば、
消費電力低減の効果が大きくなる。 (23)前記供給電力増加後低減部が、前記供給電力を、
前記制御ピストンの後退に起因する制御圧室の容積増加
量に基づいて増加させるストローク対応増加部を含む(2
2)項に記載のブレーキ装置。 (24)前記供給電力増加後低減部が、前記供給電力を、
前記制御ピストンの後退に起因する制御圧室の液圧の低
下分に基づいて増加させる制御圧対応増加部を含む(22)
項または(23)項に記載のブレーキ装置。供給電力が低減
させられた場合には、制御ピストンが後退させられる。
制御圧室の容積が増加し、液圧が低下する。したがっ
て、制御圧室の容積の増加分、制御圧室の液圧の低下分
に応じた量だけ、予め制御ピストンを前進させておけ
ば、供給電力を低減させた場合の制御圧室の液圧の低下
を抑制することができる。 (25)前記供給電力増加後低減部が、前記供給電力を予
め定められた設定量だけ増加させる設定量増加部を含む
(22)項ないし(24)項のいずれか1つに記載のブレーキ装
置。電動駆動装置への供給電力を低減させる前に増加さ
せれば、増加させない場合より制御圧室の液圧の低下を
抑制することができる。 (26)前記供給電力増加後低減部が、前記供給電力を増
加させた後、予め定められた設定時間の間保持した後
に、低減させる増加状態保持部を含む(22)項ないし(25)
項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。例えば、制御
ピストンが前進させられると後方液圧室の容積が増加
し、それに伴って後方液圧室にリザーバ系やマスタシリ
ンダ系から作動液が供給されるのであるが、後方液圧室
が液密になるまで待つことが望ましい。なお、設定時間
は、一定の時間とすることができるが、制御ピストンの
前進量、すなわち、後方液圧室の容積増加量に応じた長
さにすることもできる。
【0022】(27)前記流出抑制装置が、前記後方液圧
室からの作動液の流出を阻止する流出阻止装置である
(8)項ないし(26)項のいずれか1つに記載のブレーキ装
置。流出抑制弁は流出阻止弁に対応する。
【0023】(28)前記ブレーキ液圧制御装置が、前記
流出抑制装置における作動液の漏れまたは漏れの可能性
を検出する漏れ等検出部と、その漏れ等検出部によって
漏れまたは漏れの可能性が検出された場合に、前記電動
駆動装置へ電力を供給する漏れ時等制御部とを含む(8)
項ないし(27)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
漏れ等検出部は、作動液の漏れを検出するものであって
も漏れの可能性を検出するものであってもよい。例え
ば、保持要求状態においてマスタ圧が設定値以上低下し
た場合に漏れが生じたとすることができる。また、保持
時間が設定時間以上になった場合に漏れの可能性がある
とすることができる。 (29)前記漏れ等検出部が、当該ブレーキ装置の状態
と、当該ブレーキ装置が搭載された車両の走行状態との
少なくとも一方に基づいて前記流出抑制装置における漏
れまたは漏れの可能性を検出する部分を含む(28)項に記
載のブレーキ装置。ブレーキ装置の状態に基づけば漏れ
の程度あるいは漏れの可能性の高さを取得することがで
き、車両の走行状態に基づけば漏れに起因するブレーキ
液圧の低下の程度を取得することができる。 (30)前記漏れ時等制御部が、当該ブレーキ装置の状態
と、当該ブレーキ装置が搭載された車両の走行状態との
少なくとも一方に基づいて、前記電動駆動装置への電力
供給を制御する部分を含む(28)項または(29)項に記載の
ブレーキ装置。ブレーキ装置の状態はブレーキ装置状態
取得装置によって取得され、車両の走行状態は走行状態
取得装置によって取得される。ブレーキ装置の状態に
は、電動駆動装置への電力の供給源としてのバッテリの
電圧や温度、保持制御の継続時間、保持制御の累積時間
等が該当する。バッテリは、当該ブレーキ装置の電動駆
動装置に電力を供給するものであるため、本ブレーキ装
置の一構成要素と考えることができる。車両の走行状態
には、減速度、車速等が該当する。これらブレーキ装置
の状態と車両の走行状態との少なくとも一方に基づけ
ば、電動駆動装置に漏れの程度あるいは漏れの可能性の
高さに応じた大きさの電力を供給することができ、例え
ば、最小限の電力で、漏れに起因する液圧の低下を補償
することができる。また、車両が走行状態にある場合に
は、漏れに起因する減速度の低下や車速の減少量の低下
を抑制することができる。 (31)前記漏れ時等制御部が、当該ブレーキ装置の状態
と前記車両の走行状態との少なくとも一方に基づいて、
前記供給電力の大きさとその電力を供給する時間との少
なくとも一方を決定する(28)項ないし(30)項のいずれか
1つに記載のブレーキ装置。
【0024】(32)前記ブレーキ液圧制御装置が、前記
ブレーキシリンダを前記マスタシリンダから遮断した状
態で、前記電動駆動装置への供給電力を制御することに
よって、前記ブレーキシリンダの液圧を制御する第1状
態と、前記ブレーキシリンダに前記マスタシリンダに連
通させて、マスタシリンダの作動液によりブレーキが作
動させられる第2状態とに切り換え可能な制御状態切換
え部を含む(1)項ないし(31)項のいずれか1つに記載の
ブレーキ装置。ブレーキシリンダからマスタシリンダを
遮断した状態においては、マスタシリンダをストローク
シミュレータに連通させることが望ましい。 (33)前記ストロークシミュレータを、運転者によるブ
レーキ操作部材の操作に応じた前記第1容積室の容積変
化を許容する作動許容状態と、操作に応じた容積変化を
阻止する作動阻止状態とに切り換え可能な作動可否切換
え装置を含む(2)項ないし(32)項のいずれか1つに記載
のブレーキ装置。作動可否切換え装置は、第1容積変化
室へのマスタシリンダの作動液の供給を阻止する状態と
許容する状態とに切り換え可能な装置としたり、第2容
積室の容積変化を阻止する状態と許容する状態とに切り
換え可能な装置としたりすることができる。作動可否切
換え装置は、ストロークシミュレータの前または後(第
1容積室側あるいは第2容積室側)に設けることができ
るが、それに限らない。例えば、第2容積室を低圧源か
ら遮断することによっても、ストロークシミュレータの
作動が阻止される。ストロークシミュレータは、前述の
ように、第1状態において作動許可状態とされ、第2状
態において作動阻止状態とされることが望ましい。な
お、前記流出抑制装置には、作動可否切換え装置として
の機能を備えたものがある。
【0025】(34)前記液圧制御ピストンの後方液圧室
から前記ブレーキシリンダ側への作動液の流れを許容す
るが、逆向きの流れを阻止する逆止装置を含む(1)項な
いし(33)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。通常
制動時には、前述のように、ブレーキ液圧制御装置によ
り、マスタシリンダをブレーキシリンダから遮断した状
態で、液圧制御シリンダの制御によりブレーキシリンダ
の液圧が制御される。この状態においては、後方液圧室
の液圧よりブレーキシリンダ側の液圧の方が高い。この
場合には、逆止装置により、ブレーキシリンダ側から後
方液圧室への作動液の流れが阻止され、ブレーキシリン
ダの液圧が低下することが回避される。それに対して、
流出抑制装置の異常や電気系統の異常により、後方液圧
室の作動液が流出不能になり、閉じこめられる場合があ
る。この場合に、マスタシリンダとブレーキシリンダと
を連通させ、後方液圧室からブレーキシリンダ側に作動
液が流出させられるようにすれば、ブレーキ操作の解除
に伴うブレーキシリンダの液圧の低下に伴って、後方液
圧室の作動液をブレーキシリンダ側に流出させることが
できるのであり、作動液をマスタシリンダに確実に戻す
ことができる。その結果、作動液不足が生じることを回
避することができる。なお、逆止装置は、流出抑制装置
を含まないブレーキ装置に適用することもできる。この
場合においても、ブレーキ解除に伴って後方液圧室の作
動液を確実にマスタシリンダに戻すことができる。
【0026】(35)液圧によりブレーキを作動させるブ
レーキシリンダと、ブレーキ操作部材の操作に基づいて
作動させられる加圧ピストンを含み、その加圧ピストン
の前方の加圧室に液圧を発生させるマスタシリンダと、
電動駆動装置の作動に基づいて作動させられる制御ピス
トンを含み、その制御ピストンの前方の制御圧室に前記
ブレーキシリンダが接続された液圧制御シリンダと、
(a)ハウジングと、(b)そのハウジング内に摺動可能に設
けられ、ハウジング内を第1容積室と第2容積室とに仕
切るシミュレータピストンと、(c)そのシミュレータピ
ストンを第1容積室の容積が減少する方向に付勢する付
勢手段とを含み、前記第1容積室が前記マスタシリンダ
の加圧室に接続され、前記第2容積室が前記液圧制御シ
リンダの後方液圧室に接続された状態で設けられたスト
ロークシミュレータと、(i)前記ブレーキシリンダを前
記マスタシリンダから遮断し、前記ストロークシミュレ
ータを前記ブレーキ操作部材の操作に応じた前記第1容
積室の容積変化が許容された作動許容状態とし、前記電
動駆動装置への供給電力を制御することによって前記ブ
レーキシリンダの液圧を制御する状態と、(ii) 前記ブ
レーキシリンダと前記マスタシリンダとを連通させ、前
記後方液圧室から前記第2容積変化室への作動液の流れ
を許容する状態とに切り換え可能なブレーキ液圧制御装
置とを含むことを特徴とするブレーキ装置。本項に記載
のブレーキ装置において、ブレーキシリンダがマスタシ
リンダに連通させられ、後方液圧室からストロークシミ
ュレータの第2容積変化室への作動液の流れを許容する
状態にされれば、ブレーキ操作部材の操作が解除された
場合に,後方液圧室の作動液が第2容積室に供給される
ことによって、第1容積室の作動液をマスタシリンダに
確実に戻すことができる。本項に記載のブレーキ装置に
は、(1)項ないし(34)項のいずれかの技術的特徴を採用
することができる。
【0027】(36)液圧によりブレーキを作動させるブ
レーキシリンダと、電動駆動装置の作動に基づいて作動
させられる制御ピストンを含み、その制御ピストンの前
方の制御圧室に前記ブレーキシリンダが接続された液圧
制御シリンダと、前記電動駆動装置への供給電力を制御
することによって前記ブレーキシリンダの液圧を制御す
るブレーキ液圧制御装置と、予め定められた条件が満た
された場合に、前記制御ピストンの後方の後方液圧室か
らの作動液の流出を抑制する流出抑制装置とを含むこと
を特徴とするブレーキ装置。予め定められた条件は、保
持要求時、当該ブレーキ装置に異常が生じた場合、車両
が停止状態にある場合等とすることができる。流出抑制
装置は、1つ以上の電磁制御弁を含むものとすることが
望ましい。電磁制御弁を含む場合には、予め定められた
条件が満たされた場合に、適宜、流出抑制状態に切り換
えることができる。なお、本項に記載のブレーキ装置に
は、(1)項ないし(35)項のいずれかに記載の技術的特徴
を採用することができる。
【0028】(37)液圧によりブレーキを作動させるブ
レーキシリンダと、電動駆動装置の作動に基づいて作動
させられる制御ピストンを含み、その制御ピストンの前
方の制御圧室に前記ブレーキシリンダが接続された液圧
制御シリンダと、前記電動駆動装置への供給電力を制御
することによって前記ブレーキシリンダの液圧を制御す
るブレーキ液圧制御装置と、前記ブレーキシリンダの液
圧の保持要求時に、前記制御ピストンの後方の後方液圧
室からの作動液の流出と流入との両方を抑制する流出・
流入抑制装置とを含むことを特徴とするブレーキ装置。
本項に記載のブレーキ装置には、(1)項ないし(36)項の
いずれかに記載の技術を採用することができる。
【0029】(38)液圧によりブレーキを作動させるブ
レーキシリンダと、ブレーキ操作部材の操作に基づいて
作動させられる加圧ピストンを含み、その加圧ピストン
の前方の加圧室に液圧を発生させるマスタシリンダと、
動力駆動装置の作動に基づいて作動させられる制御ピス
トンを含み、その制御ピストンの前方の制御圧室に前記
ブレーキシリンダが接続された液圧制御シリンダと、前
記後方液圧室と前記マスタシリンダの加圧室とを接続す
る液通路と、その液通路に、(a)ハウジングと、(b)その
ハウジング内に摺動可能に設けられ、ハウジング内を第
1容積室と第2容積室とに仕切るシミュレータピストン
と、(c)そのシミュレータピストンを第1容積室の容積
が減少する方向に付勢する付勢手段とを含み、前記第1
容積室が前記マスタシリンダの加圧室に接続され、前記
第2容積室が前記液圧制御シリンダの後方液圧室に接続
された状態で設けられたストロークシミュレータと、前
記動力駆動装置への供給動力を制御することにより、前
記液圧制御シリンダの制御圧室の液圧を制御して、前記
ブレーキシリンダの液圧を制御するブレーキ液圧制御装
置とを含むことを特徴とするブレーキ装置。本項に記載
のブレーキ装置には、(1)項ないし(37)項のいずれかに
記載の技術を採用することができる。
【0030】(39)液圧によりブレーキを作動させるブ
レーキシリンダと、ブレーキ操作部材の操作に基づいて
作動させられる加圧ピストンを含み、その加圧ピストン
の前方の加圧室に液圧を発生させるマスタシリンダと、
動力駆動装置の作動に基づいて作動させられる制御ピス
トンを含み、その制御ピストンの前方の制御圧室に前記
ブレーキシリンダが接続された液圧制御シリンダと、前
記後方液圧室と前記マスタシリンダの加圧室とを接続す
るマスタ側液通路と、作動液をほぼ大気圧で蓄えるリザ
ーバと、そのリザーバと前記後方液圧室とを接続するリ
ザーバ側液通路と、前記動力駆動装置への供給動力を制
御することにより、前記液圧制御シリンダの制御圧室の
液圧を制御して、前記ブレーキシリンダの液圧を制御す
るブレーキ液圧制御装置とを含むことを特徴とするブレ
ーキ装置。本項に記載のブレーキ装置には、(1)項ない
し(38)項のいずれかに記載の技術を採用することができ
る。 (40)前記マスタ側液通路に、ストロークシミュレータ
とシミュレータ制御弁とが直列に設けられた(39)項に記
載のブレーキ装置。シミュレータ制御弁は、開状態と閉
状態とに供給電流のON・OFF制御により切り換えら
れる電磁開閉弁としても、開度を供給電流に応じた大き
さに制御可能なリニア制御弁としてもよい。また、シミ
ュレータ制御弁は、ストロークシミュレータよりマスタ
シリンダ側に設けても、後方液圧室側に設けてもよい。
なお、ストロークシミュレータと並列に、後方液圧室か
らマスタシリンダ側への作動液の流れを許容し、逆向き
の流れを阻止する逆止弁を設けることができる。逆止弁
によれば、ブレーキ解除時に後方液圧室からマスタシリ
ンダへ作動液を早急に戻すことができる。 (41)前記マスタ側液通路に、ストロークシミュレータ
と逆止弁とが直列に、逆止弁が後方液圧室側に位置する
状態で設けられた(39)項に記載のブレーキ装置。逆止弁
は、ストロークシミュレータ側から後方液圧室側への作
動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止するものであ
る。逆止弁によれば、後方液圧室からストロークシミュ
レータへの作動液の流出が阻止され、ストロークシミュ
レータから後方液圧室への作動液の流出が許容される。 (42)前記リザーバ側通路に、少なくとも開状態と閉状
態とに切り換え可能なリザーバ連通弁と、リザーバから
後方液圧室への作動液の流れを許容し、逆向きの流れを
阻止する逆止弁との少なくとも一方が設けられた(39)項
ないし(41)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。後
方液圧室の容積の増加時にリザーバから作動液の流入が
許容される状態にあれば、制御ピストンの前進が許容さ
れ、後方液圧室が負圧になることを回避することができ
る。また、リザーバ連通弁と逆止弁とが並列に設けられ
れば、リザーバ連通弁が閉状態にあっても、制御ピスト
ンを前進させることが可能となる。リザーバ連通弁、逆
止弁は、前述の弁装置の構成要素である。 (43)前記リザーバ側通路が、前記マスタ側通路の前記
シミュレータ制御弁とストロークシミュレータとの間に
接続された(40)項または(42)項に記載のブレーキ装置。
本項に記載のブレーキ装置においては、シミュレータ制
御弁がストロークシミュレータより後方液圧室側に設け
られ、シミュレータ制御弁よりストロークシミュレータ
側にリザーバ側通路が接続される。シミュレータ制御弁
が閉状態にされれば、後方液圧室からストロークシミュ
レータとリザーバとのいずれにも作動液の流出を阻止す
ることができる。この場合に、前述のリザーバ連通弁が
開状態にされれば、後方液圧室からストロークシミュレ
ータが遮断された状態で、ストロークシミュレータを作
動許容状態とすることができる。このように、ストロー
クシミュレータの作動状態と後方液圧室からの作動液の
流出阻止状態とを別個に制御することができる。シミュ
レータ制御弁は流出阻止弁と称することができる。 (44)さらに、マスタ側通路のストロークシミュレータ
とシミュレータ制御弁との間の部分と制御圧室側とが接
続通路によって接続され、その接続通路に、制御圧室へ
向かう方向の作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻
止する逆止弁が設けられた(43)項に記載のブレーキ装
置。本項に記載のブレーキ装置においては、シミュレー
タ制御弁としての流出阻止弁の開状態において、後方液
圧室の作動液が制御圧室側に供給され得る。例えば、ブ
レーキ解除時等に後方液圧室の作動液をマスタシリンダ
側に戻すことができる。接続通路、逆止弁、流出阻止弁
等によって逆止装置が構成されると考えることができ
る。流出阻止弁は常開弁とすることが望ましい。 (45)前記リザーバ側通路に前記リザーバ連通弁が設け
られ、そのリザーバ側通路のリザーバ連通弁よりリザー
バ側の部分と、前記マスタ側通路のストロークシミュレ
ータと逆止弁との間の部分とが接続通路によって接続さ
れ、その接続通路に逆止弁が設けられた(41)項に記載の
ブレーキ装置。接続通路に設けられた逆止弁は、例え
ば、リザーバからの流出を許容し、逆向きの流れを阻止
するものとすることができる。本項に記載のブレーキ装
置によれば、〔発明の実施の形態〕に記載のように、リ
ザーバ連通弁が閉状態にあっても、ストロークシミュレ
ータの作動を許容することができる。また、リザーバ連
通弁が閉状態にされれば、後方液圧室からリザーバへも
ストロークシミュレータへも作動液の流出を阻止するこ
とができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
ブレーキ装置について図面に基づいて詳細に説明する。
10はマスタシリンダであり、12は液圧制御シリンダ
である。また、14,16は、前輪18、後輪20の回
転を抑制するブレーキ22,24のブレーキシリンダで
ある。ブレーキシリンダ14,16は、液圧制御シリン
ダ12を介してマスタシリンダ10に接続される。
【0032】マスタシリンダ10は、ハウジング28に
液密かつ摺動可能に設けられた加圧ピストン30,32
を含み、加圧ピストン30は、ブレーキ操作部材として
のブレーキペダル34に連携させられている。加圧ピス
トン32の前方の加圧室36には前輪18のブレーキシ
リンダ14が接続され、加圧ピストン30の前方の加圧
室38には後輪20のブレーキシリンダ16が接続され
ている。2つの加圧室36,38には同じ高さの液圧が
発生させられる。加圧ピストン30は、段付き形状を成
したものであり、小径部42において加圧室38に対向
する。また、大径部44と小径部42との段部とハウジ
ング28とによって環状室46が形成される。小径部4
2には環状室46と加圧室38とを連通させる連通路4
8が設けられ、連通路48の途中に、環状室46から加
圧室38へ向かう作動液の流れを許容し、逆向きの流れ
を阻止する逆止弁50が設けられている。
【0033】また、環状室46には流通制限装置60を
介してリザーバ62が接続されている。リザーバ62に
は作動液がほぼ大気圧で蓄えられている。流通制限装置
60は、リザーバ62から環状室46へ向かう方向の作
動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止する逆止弁6
6と、環状室46の液圧がリザーバ62の液圧より設定
圧(リリーフ圧)以上高い場合に、環状室46からリザ
ーバ62への作動液の流れを許容するリリーフ弁68
と、オリフィス70とが互いに並列に設けられたもので
ある。
【0034】加圧ピストン30の前進(図の左方)に伴
って環状室46、加圧室38の液圧が増加させられる。
環状室46の液圧はリリーフ弁68のリリーフ圧に達す
るまで増加させられる。環状室46の液圧が加圧室38
の液圧より高い間は、環状室46の作動液が逆止弁50
を経て加圧室38に供給され、ブレーキシリンダ16に
供給される。本実施形態においては、リリーフ圧がほぼ
ファーストフィルが終了する高さとされている。ファー
ストフィルが終了するまでの間は、作動液が、環状室4
6と加圧室38との両方からブレーキシリンダ14、1
6に供給されることになり、ファーストフィルを速やか
に終了させることができる。環状室46の液圧がリリー
フ圧に達すると、作動液はリリーフ弁68を経てリザー
バ62に流出させられる。この状態においては、加圧室
38の液圧の方が環状室46の液圧より高くなるが、逆
止弁50により加圧室38の作動液の環状室46への流
出が阻止される。ブレーキシリンダ14,16には、加
圧室36,38から作動液が供給されて環状室46から
作動液が供給されることがない。このように、流通制限
装置60はフィルアップ装置と称することができる。
【0035】それ以降は、加圧ピストン30の前進に伴
って加圧室38の液圧が加圧される。この場合には、加
圧室38の液圧が小径部42によって加圧されるため、
大径部44で加圧(環状室46と加圧室38との両方の
液圧が加圧)される場合に比較して、ブレーキペダル3
0の操作力が同じである場合の加圧室38の液圧が高く
なる。倍力率が高くなるのである。なお、環状室46と
リザーバ62とはオリフィス70を介して接続されるた
め、加圧ピストン30が定常状態にある場合には、環状
室46の液圧はほぼ大気圧にある。また、加圧ピストン
32が後退させられる場合には、環状室46の容積が増
加させられるが、環状室46の容積の増加に伴ってリザ
ーバ62から逆止弁66を経て作動液が供給されるた
め、環状室46が負圧になることが回避される。
【0036】大径部44の断面積(受圧面積)がAm1で
あり、小径部42の断面積がAm3である場合に、ブレー
キシリンダ16とマスタシリンダ10との連通状態にお
いて加圧ピストン30の移動ストロークがΔLである場
合に、加圧室38から流出する作動液量qは、ファース
トフィルが終了する以前は(Am1・ΔL)であり、ファ
ーストフィルが終了した後は(Am3・ΔL)である(A
m1>Am3)。また、踏力の増加量に対応する液圧の増加
量がΔPFである場合において、加圧室38の液圧は、
ファーストフィルが終了する以前は増加勾配ΔPM (=
ΔPF)で増加させられるのに対し、ファーストフィル
が終了した後は増加勾配ΔPM(=ΔPF・Am1 /Am
3)で増加させられる。このように、ファーストフィル
が終了する以前は、ブレーキシリンダに大きな流量で作
動液を供給することができ、ファーストフィルが終了し
た後は大きな増圧勾配で加圧室38の液圧を増加させる
ことができる。なお、マスタシリンダ10にはリザーバ
62から延び出させられた液通路が一対のカップシール
を介して接続され、ハウジング28の底部と加圧ピスト
ン38との間、加圧ピストン30,32の間にはそれぞ
れリターンスプリング72,74が設けられている。
【0037】加圧室36には、液通路90によって前輪
18のブレーキシリンダ14が接続され、加圧室38に
は、液通路92によって後輪20のブレーキシリンダ1
6が接続される。液通路90,92の途中には、それぞ
れ、電磁開閉弁としてのマスタ遮断弁94,96が設け
られている。マスタ遮断弁94,96の開閉により、ブ
レーキシリンダ14,16がマスタシリンダ10に連通
させられたり、遮断されたりする。マスタ遮断弁94,
96は電流が供給されない状態で開状態にある常開弁で
ある。マスタ遮断弁94,96は、本実施形態において
は、ファーストフィルが終了した場合に、開状態から閉
状態に切り換えられる。ブレーキシリンダ14,16に
は、ブレーキ操作開始当初はマスタシリンダ10から作
動液が供給され、その後、液圧制御シリンダ12から供
給される。また、電気系統の異常時等には開状態にされ
て、マスタシリンダ10の作動液がブレーキシリンダ1
4,16に供給されることにより、ブレーキ22,24
が作動させられる。マスタ遮断弁94,96と並列にそ
れぞれ逆止弁98が設けられる。逆止弁98は、マスタ
遮断弁94,96のマスタシリンダ側からブレーキシリ
ンダ側への作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止
するものであり、マスタ遮断弁94,96が閉状態にあ
る場合にマスタシリンダ側の液圧が高くなった場合にマ
スタシリンダ10の作動液をブレーキシリンダ側へ供給
することができる。
【0038】液通路90,92のマスタ遮断弁94,9
6の下流側には液圧制御シリンダ12が設けられてい
る。液圧制御シリンダ12は、電動の制御用モータ10
0の作動に基づいて作動させられる。制御用モータ10
0は、正・逆両方向に作動可能なものであり、制御用モ
ータ100の回転運動は運動変換装置102によって直
線運動に変換される。液圧制御シリンダ12は、ハウジ
ング104に液密かつ摺動可能に設けられた制御ピスト
ン106,108等を含む。制御ピストン106の外周
部にはOリングが設けられ、液密に保たれる。制御ピス
トン106は、運動変換装置102の出力軸としての駆
動軸110の移動に伴って移動させられる。制御ピスト
ン106は、制御用モータ100の作動により前進、後
退させられる。図に示すように、電動モータ100の出
力軸111の回転は、一対のギヤ112,114を介し
て回転軸116に伝達され、回転軸116の回転が運動
変換装置102によって直線運動に変換されて、駆動軸
110に出力されるのである。
【0039】制御ピストン106、108の前方(図の
右方)の制御圧室120,122には、それぞれ、前輪
18,後輪20のブレーキシリンダ14,16が接続さ
れるとともに加圧室36,38が接続される。制御圧室
120,122を介して、マスタシリンダ10とブレー
キシリンダ14,16とが接続されるのである。
【0040】制御ピストン106,108は、互いに同
心かつ直列に配設されている。また、2つの制御ピスト
ン106,108の間、制御ピストン108とハウジン
グ104との間にはリターンスプリング124、126
が設けられている。制御ピストン108は、制御圧室1
20,122の液圧に基づいて移動させられるのであ
り、この意味において、制御ピストン108を浮動ピス
トンと称することができる。また、制御ピストン108
の制御圧室120,122に対向する受圧面の面積は互
いに等しく、リターンスプリング124,126の付勢
力がほぼ同じであるため、制御圧室120,122の液
圧は同じ高さにされる。前輪18、後輪20のブレーキ
シリンダ14,16には、それぞれ、同じ高さの液圧の
作動液が供給されるのであり、ブレーキシリンダ14,
16の液圧が、液圧制御シリンダ12の制御により、共
通に増圧・減圧させられる。制御ピストン108はハウ
ジング104に、シール部材127を介して液密に摺動
可能に嵌合されているが、シール部材127によって制
御圧室120,122が隔離され、2つの系統が分離さ
れる。なお、シール部材127は制御ピストン側に設け
てもよい。
【0041】また、制御ピストン106の後方(図の左
方)の後方液圧室128にはリザーバ通路130によっ
てリザーバ62が接続され、リザーバ通路130には逆
止弁132が設けられている。逆止弁132は、リザー
バ62から後方液圧室128へ向かう作動液の流れを許
容し、逆向きの流れを阻止するものである。本実施形態
において、逆止弁132は、弁装置であり、かつ、後方
液圧室128からリザーバ62への作動液の流れを阻止
する流出阻止弁である。
【0042】後方液圧室128には、マスタシリンダ1
0の加圧室36が液通路134によって接続される。液
通路134の途中には、シミュレータ制御弁135とス
トロークシミュレータ136とが直列に設けられる。シ
ミュレータ制御弁135は、コイルに電流が供給されな
い場合に開状態にある常開弁である。ストロークシミュ
レータ136は、ハウジング内に摺動可能に設けられ、
ハウジング内を2つの容積室に仕切るシミュレータピス
トン137と、シミュレータピストン137を一方の容
積室の容積が減少する方向に付勢するスプリング138
とを含む。シミュレータピストン137の一方の側の第
1容積室139には前述の加圧室36がシミュレータ制
御弁135を介して接続され、他方の第2容積室140
には後方液圧室128が接続されている。前述のスプリ
ング138は第2容積室140に、第1容積室139の
容積を減少する状態で配設される。
【0043】シミュレータ制御弁135が開状態にあ
り、ストロークシミュレータ136が作動許容状態にあ
る場合には、加圧室36と第1容積室139とが連通さ
せられ、ブレーキペダル34の操作に伴って第1容積室
139の容積が変化させられる。それによって、スプリ
ング138が弾性変形させられ、それに応じた反力がブ
レーキペダル34に加えられる。シミュレータ制御弁1
35が閉状態にある場合には、加圧室36が第1容積室
139から遮断される。第1容積室139に作動液が供
給されることが阻止され、ストロークシミュレータ13
6は作動阻止状態にされる。ストロークシミュレータ1
36にはブレーキペダル34の操作に伴って液圧が発生
させられる。そのため、ストロークシミュレータ136
はマスタシリンダ系143の構成要素なのであり、本実
施形態においては、マスタシリンダ10およびストロー
クシミュレータ136等によってマスタシリンダ系14
3が構成される。
【0044】液通路134には、ストロークシミュレー
タ136をバイパスするバイパス通路141が設けら
れ、バイパス通路141には逆止弁142が設けられ
る。逆止弁142は、後方液圧室128からマスタシリ
ンダ10へ向かう方向の作動液の流れを許容し、逆向き
の流れを阻止するものである。図に示すように、逆止弁
142とストロークシミュレータ136とが並列に設け
られる。
【0045】図に示すように、シミュレータ制御弁13
5は、液通路134のストロークシミュレータ136の
マスタシリンダ側であって、バイパス通路141の接続
部よりマスタシリンダ側に設けられている。シミュレー
タ制御弁135が閉状態にされれば、後方液圧室128
からマスタシリンダ系143への作動液の流出が阻止さ
れるため、シミュレータ制御弁135は流出抑制弁とし
ての流出阻止弁としての機能も有する。ストロークシミ
ュレータ136は、シミュレータ制御弁135が閉状態
にされると作動阻止状態にされるが、液圧制御シリンダ
12が非作動状態にある場合にも作動阻止状態にされ
る。後方液圧室128の容積が一定であり、第2容積室
140の容積変化が阻止されるからであり、シミュレー
タピストン137の摺動が阻止されることになる。この
意味において、シミュレータ制御弁135と液圧制御シ
リンダ12との少なくとも一方によってストロークシミ
ュレータ136を作動許可状態と作動阻止状態とに切り
換える切換え可否装置が構成されると考えることができ
る。
【0046】前述のように、制御ピストン106は制御
用モータ100の回転によって前進させられるのであ
り、制御ピストン106の前進に伴って後方液圧室12
8の容積が増加させられる。後方液圧室128には、前
述のように第2容積室140から作動液が供給される
が、本ブレーキ装置が、ブレーキシリンダ14,16の
液圧がブレーキ操作力に応じた大きさに制御される場合
に、後方液圧室128の容積増加量が第2容積室140
の容積減少量より大きくなるように設計されている。そ
のため、後方液圧室128には、リザーバ62から逆止
弁132を経て作動液が供給されることになる。また、
制御ピストン106には制御用モータ100の駆動トル
クに応じた駆動力が加えられるのであるが、制御圧室1
20,122の液圧は、制御ピストン106に加えられ
る駆動力に対応する高さに制御される。換言すれば、制
御圧室120,122の液圧が踏力に応じて決まる目標
液圧に近づくように駆動力が制御される。
【0047】踏力が増加させられた場合には、制御圧室
120,122の液圧の増加量も、後方液圧室128に
第2容積室140から供給される作動液量、すなわち、
第2容積室140の容積減少量も、踏力の増加量ΔFに
応じた量である。それに対して、制御用モータ100に
よって出力される駆動トルクと制御用モータ100の回
転数との関係は電動モータ自体の特性によって決まり、
制御用モータ100の作動に基づいて制御ピストン10
6に加えられる駆動力、移動速度等は、制御用モータ1
00への供給電流、運動変換装置102および液圧制御
シリンダ12諸元、制御圧室120,122の液圧等に
よって決まる。そこで、本実施形態においては、制御用
モータ100への供給電流が、制御圧室120,122
の液圧が踏力の増加量ΔFに対応した大きさだけ増加す
るように制御された場合に、後方液圧室128の容積増
加量が踏力変化に伴ってストロークシミュレータ136
から供給される作動液量より大きくなるように、制御用
モータ100の特性、運動変換装置102,液圧制御シ
リンダ12,制御ゲイン等が設定されているのである。
ブレーキペダル34が緩められると、後方液圧室128
の作動液は逆止弁142,開状態にあるシミュレータ制
御弁135を経てマスタシリンダ10の加圧室36に戻
される。
【0048】本実施形態においては、運動変換装置10
2はボールねじ機構を備えたものである。そのため、制
御用モータ100に駆動トルクが加えられていない状態
においては、制御圧室120の液圧に応じた力が制御ピ
ストン106に加わり、後退させられるおそれがある。
ボールねじ機構は、逆効率が高いものなのである。制御
用モータ100に必要な駆動トルクを常時加えておけ
ば、制御ピストン106の後退を阻止することができる
のであるが、消費電力量が多くなり望ましくない。そこ
で、本実施形態においては、保持要求時(保持モードが
設定された場合)には、後方液圧室128からの作動液
の流出が阻止される。後方液圧室128の液圧が制御圧
室120の液圧とつり合うまで増加させられる。その状
態において、制御ピストン106の後退が抑制されて、
制御圧室120,122の液圧を保持することができ
る。制御用モータ100に電流を供給しなくても、制御
圧室120の液圧を保持することができるのであり、後
方液圧室128から作動液の流出が許容される場合に比
較して制御用モータ100への消費電力を低減させるこ
とができる。なお、図の144はスラストベアリングで
あり、146はラジアルベアリングである。これらによ
って、軸方向力および半径方向力が受けられる。また、
フランジ148によって、制御圧室側からの軸方向力が
受けられる。
【0049】前記液通路90,92の液圧制御シリンダ
12の下流側には、それぞれ、液圧制御弁装置160,
162が設けられている。液圧制御弁装置160、16
2はそれぞれ、保持弁170および減圧弁172を含
む。保持弁170は液圧制御シリンダ12とブレーキシ
リンダ14,16との間に設けられ、減圧弁172は、
ブレーキシリンダ14,16とリザーバ174との間に
設けられ、これら保持弁170,減圧弁172の制御に
より、各車輪18,20のブレーキシリンダ14.16
の液圧が別個に制御される。本実施形態においては、液
圧制御弁装置160,162の制御により、各車輪の制
動スリップ状態が路面の摩擦係数に対して適切な状態に
なるように、アンチロック制御が行われる。リザーバ1
74からは、ポンプ通路180が延び出させられてお
り、保持弁170の上流側で液圧制御シリンダ12の下
流側に接続されている。ポンプ通路180の途中には、
ポンプ182,逆止弁184,186およびダンパ18
8が設けられている。ポンプ182はポンプモータ19
0の駆動によって作動させられる。
【0050】本ブレーキ装置は、図2に示すブレーキE
CU200によって制御される。ブレーキECU200
は,コンピュータを主体とする制御部202と複数の駆
動回路とを含む。制御部202は、CPU204,RO
M206,RAM208,入・出力部210等を含む。
入・出力部210には、ブレーキペダル34が踏み込ま
れた状態にあるか否かを検出するブレーキスイッチ21
1、ブレーキペダル34に加えられる踏力を検出する踏
力センサ212、マスタシリンダ10の加圧室38の液
圧を検出するマスタ圧センサ214、液圧制御シリンダ
12の制御圧室120の液圧を検出する制御圧センサ2
16、各車輪18,20の回転速度を検出する車輪速セ
ンサ218、制御用モータ100を駆動するバッテリ2
20の電圧を検出する電圧計222、図示しないシフト
レバーの位置を検出するシフト位置センサ224、車両
の前後Gを検出する前後Gセンサ226等が接続されて
いる。マスタ圧センサ214は加圧室38に接続された
液通路92に設けられている。制御圧センサ216は、
液圧制御弁装置160,162が図示する原位置にある
間は、ブレーキシリンダ14,16の液圧が検出され
る。なお、本実施形態においては、バッテリ220、制
御用モータ100等によって動力駆動装置が構成され
る。バッテリ220は制御用モータ100に電流を供給
するものであるため、当該ブレーキ装置の構成要素であ
るとする。動力駆動装置は電動駆動装置でもある。
【0051】また、入・出力部210には、駆動回路2
26を介して、保持弁170、減圧弁172、マスタ遮
断弁94,96、シミュレータ制御弁135のコイルが
接続されるとともに、ポンプモータ190、制御用モー
タ100等が接続されている。さらに、ROM206に
は、図3のフローチャートで表される通常時ブレーキ制
御プログラム、フローチャートの図示は省略するがアン
チロック制御プログラム等の種々のプログラムやテーブ
ルが格納されている。
【0052】次に作動について説明する。システムが正
常である場合には、マスタシリンダ10がブレーキシリ
ンダ14,16から遮断された状態で、ブレーキシリン
ダ14,16の液圧(以下、ブレーキ液圧と略称する)
が液圧制御シリンダ12の制御により制御される。この
場合には、ストロークシミュレータ136は作動許可状
態にある。シミュレータ制御弁135は開状態にあり、
マスタシリンダ10はストロークシミュレータ136に
連通させられる。ブレーキペダル34の踏み込みに伴っ
て加圧室36の作動液がストロークシミュレータ136
に供給され、それに応じた反力がブレーキペダル34に
加えられる。第1容積室139の容積が増加させられる
と第2容積室140の容積は減少させられ、第2容積室
140の作動液が後方液圧室128に供給される。
【0053】液圧制御シリンダ12は、ブレーキペダル
34の操作状態に基づいて制御される。ブレーキ操作状
態に基づいて目標値(例えば、目標ブレーキ液圧、目標
減速度)が決定され、実際の検出値(例えば、実ブレー
キ液圧、実前後G)が目標値に近づくように制御され
る。目標値と実際の検出値との偏差および目標値の変化
勾配に基づいて制御要求(モード)が決定され、それに
応じて制御用モータ100への供給電流とシミュレータ
制御弁135とが制御されるのである。本実施形態にお
いては、車両の停止状態(走行速度が設定速度以下であ
る状態)においては、ブレーキペダル34の踏力に基づ
いて目標ブレーキ液圧が求められ、車両の走行状態(走
行速度が設定速度より大きい状態)においては、ブレー
キペダル34の踏力に基づいて目標減速度が求められ
る。運転者は、所望する減速度が得られるようにブレー
キペダル34を操作するのが普通であるため、走行状態
にある場合には減速度に基づいて制御が行われる方が望
ましい。また、坂道走行中であっても、路面の傾斜を意
識することなく、踏力に応じた減速度が得られるという
効果が得られる。
【0054】車両の停止状態においては、目標ブレーキ
液圧が実際のブレーキ液圧より設定値以上大きく、目標
ブレーキ液圧の変化勾配が正の設定値より大きい場合に
増圧モードが設定され、目標ブレーキ液圧と実際のブレ
ーキ液圧との差の絶対値が設定値以下であり、目標ブレ
ーキ液圧の変化勾配の絶対値が設定値以下である場合に
保持モードが設定され、目標ブレーキ液圧より実際のブ
レーキ液圧の方が設定液圧以上大きく、目標ブレーキ液
圧の変化勾配が負の設定値以下である場合に減圧モード
が設定される。なお、制御モードは、上述の偏差と目標
ブレーキ液圧の変化状態とのいずれか一方に基づいて決
定されるようにしてもよい。車両の走行状態において
は、制御モードが、上述の目標ブレーキ液圧を目標減速
度とし、実ブレーキ液圧を前後Gセンサ226によって
検出された実前後Gとして、目標減速度から実減速度を
引いた値である偏差と、目標減速度の変化勾配とに基づ
いて決定される。
【0055】増圧モードが設定されると、制御用モータ
100の正方向回転に基づいて制御ピストン106が前
進させられる。また、制御圧室120の液圧の増加に伴
って制御ピストン108も前進させられる。制御ピスト
ン108は前後の制御圧室120,122の液圧がほぼ
等しくなる位置で停止させられる。制御圧室120,1
22の作動液がそれぞれ前輪18,後輪20のブレーキ
シリンダ14,16に供給されるのであり、これらブレ
ーキシリンダ14,16の液圧は同じになる。保持モー
ドから増圧モードに切り換えられる場合には、制御用モ
ータ100の作動指令を出力した後に、シミュレータ制
御弁135の開指令を出力する。制御ピストン106,
108の前進が開始された後に、シミュレータ制御弁1
35が開状態に切り換えられることになる。シミュレー
タ制御弁135が先に開状態にされると後方液圧室12
8の液圧が急激に低下し、制御圧室120,122の液
圧が急激に低下するおそれがあるからである。
【0056】保持モードが設定されると、後述するよう
に、制御用モータ100への供給電流が0にされ、シミ
ュレータ制御弁135が閉状態に切り換えられる。後方
液圧室128からの作動液の流出が阻止される。後方液
圧室128の液圧が、制御圧室120,122の液圧に
対抗し得る高さまで増加し、制御ピストン106の後退
が防止される。制御用モータ100への供給電流を0に
しても、ブレーキ液圧を保持することができる。
【0057】減圧モードが設定されると、制御用モータ
100が逆方向に回転させられ、それによって、制御ピ
ストン106、108が後退させられる。制御圧室12
0,122の容積は増加させられ、制御圧室120,1
22の液圧が減少させられる。後方液圧室128の作動
液は逆止弁142,開状態にあるシミュレータ制御弁1
35を経てマスタシリンダ10に戻される。また、ブレ
ーキペダル34の踏力が緩められることによって、第2
容積室140にも作動液が収容される。保持モードから
減圧モードに切り換えられた場合には、増圧モードに切
り換えられた場合と同様に、制御用モータ100の作動
指令が先に出力される。シミュレータ制御弁135が先
に開状態にされると、後方液圧室128の液圧が急激に
低下して、制御圧室120,122の液圧が急激に低く
なるおそれがあるのである。なお、保持モードから減圧
モードに切り換えられた場合には、制御用モータ100
へ供給電流を加えないで、シミュレータ制御弁135の
制御によって減圧することもできる。シミュレータ制御
弁135を開状態に切り換えれば、後方液圧室128か
ら作動液がマスタシリンダ10に流出させられ、それに
よって、制御圧室120,122の液圧を減圧すること
ができる。この場合に、シミュレータ制御弁135を開
状態と閉状態とに交互に制御すれば、減圧勾配を制御す
ることができる。
【0058】ブレーキペダル34の操作が解除された場
合には、マスタ遮断弁94,96およびシミュレータ制
御弁135のコイルへの供給電流が0にされ、それぞ
れ、図示する原位置に保たれる。ブレーキシリンダ1
4,16の作動液は開状態にあるマスタ遮断弁94,9
6を経てマスタシリンダ10に戻される。また、後方液
圧室128の作動液は、上述の場合と同様に、逆止弁1
42,開状態にあるシミュレータ制御弁135を経てマ
スタシリンダ10に戻される。ストロークシミュレータ
136に戻される作動液もある。後方液圧室128の作
動液が第2容積室140に供給されるため、第1容積室
139の作動液をマスタシリンダ10に確実に戻すこと
ができる。本実施形態においては、シミュレータ制御弁
135が常開弁であるため、電気系統の異常時等にも後
方液圧室128の作動液をマスタシリンダ10に戻すこ
とが可能である。
【0059】また、制御中においては、ブレーキペダル
34の操作に伴う第2容積室140の容積減少量より制
御ピストン106のストロークによる後方液圧室128
の容積増加量の方が大きくなるようにされている。その
ため、第2容積室140から流出させられた作動液を後
方液圧室128に確実に収容することが可能となり、運
転者に加わる反力が急激に大きくなることが回避され
る。また、不足分は、リザーバ62から逆止弁132を
経て供給され、後方液圧室128の液圧が負圧になるこ
とが回避される。
【0060】図3のフローチャートにおいて、ステップ
1(以下、S1と略称する。他のステップについても同
様とする)において、ブレーキペダル34が踏み込まれ
ているか否かが判定される。踏み込まれている場合に
は、S2において、制御圧センサ216による検出液圧
がファーストフィル終了時の液圧に達したか否かが判定
される。ファーストフィル終了時液圧に達する以前にお
いては、S3において、マスタ遮断弁94,96、シミ
ュレータ制御弁135は開状態のままである。ブレーキ
シリンダ14,16には大きな流量で作動液が供給され
るので、ファーストフィルを速やかに終了させることが
できる。また、シミュレータ制御弁135は開状態にあ
るが、液圧制御シリンダ12が非作動状態にあるため、
ストロークシミュレータ136も作動阻止状態にある。
加圧室36の作動液がストロークシミュレータ136に
供給されることが回避され、ブレーキシリンダ14,1
6に有効に供給することができる。
【0061】ファーストフィルが終了すると、S4にお
いてマスタ遮断弁94,96が閉状態とされ、S5にお
いて踏力が読み込まれる。S6においてシフト位置がパ
ーキングであるか否かが判定され、S7において車速が
停止状態であるとみなし得る設定速度より小さいか否か
が判定される。シフト位置がパーキング以外であって、
車両が停止状態にある場合には、S8において踏力に基
づいて目標ブレーキ液圧が決定され、それに基づいて上
述のように制御モードが決定される。そして、S9にお
いて、決定された制御モードに応じて制御用モータ10
0,シミュレータ制御弁135が制御される。
【0062】また、シフト位置がパーキング以外であっ
て車両が走行状態にある場合には、S10において、踏
力に基づいて目標減速度が決定され、目標減速度等に基
づいて上述のように制御モードが決定される。そして、
S9において、決定された制御モードに応じた制御が行
われる。それに対して、パーキング位置にある場合に
は、S11において、その他の制御が行われる。停止状
態にある場合や走行状態にある場合とは異なった制御が
行われるのである。シフト位置がパーキング位置にある
場合には、ブレーキ液圧を制御する必要性が低いからで
ある。なお、パーキング位置にある場合には、シミュレ
ータ制御弁135を閉状態に保つこともできる。パーキ
ング位置にある間、後方液圧室128からの作動液の流
出を阻止すれば、制御圧室120,122の液圧を保持
することができる。消費電力の低減を図りつつ、車両を
停止状態に保つことができる。本実施形態においては、
シミュレータ制御弁135は開状態のままにおいて、液
圧制御シリンダ12が作動状態にある場合と非作動状態
にある場合とで、ストロークシミュレータ136が作動
許可状態と作動阻止状態とに切り換えられる。シミュレ
ータ制御弁135の制御頻度を少なくすることができ、
その分、寿命を長くすることができる。
【0063】それに対して、ブレーキペダル34の操作
が解除された場合には、S3において、前述のように、
マスタ遮断弁94,96,シミュレータ制御弁78は図
示する原位置に戻される。
【0064】次に制御モードに応じた制御について説明
する。S81において、決定された制御モードが読み込
まれる。設定モードが増圧モードである場合にはS82
において、前述のように、それに対応する制御が行わ
れ、減圧モードである場合にはS83において、前述の
ようにそれに対応する制御が行われる。制御用モータ1
00への供給電流の制御により、制御ピストン106,
108が前進・後退させられ、それに応じて制御圧室1
20,122の液圧が増加・減少させられる。この場合
には、シミュレータ制御弁135は開状態にある。
【0065】設定モードが保持モードである場合には、
S84において、漏れの可能性の有無が検出される。本
実施形態においては、保持モードが設定時間以上継続し
た場合には漏れの可能性があるとされる。漏れの可能性
がないとされた場合には、S85において、シミュレー
タ制御弁135が閉状態とされて、制御用モータ100
への供給電流が0にされる。制御ピストン106の後退
が抑制され、制御用モータ100に電流が供給されなく
ても、制御圧室120,122の液圧、すなわち、ブレ
ーキ液圧を保持することができる。この場合には、後方
液圧室128の液圧は、マスタシリンダ10の加圧室3
6の液圧より高くなることもある。
【0066】それに対して、漏れの可能性が有ると検出
された場合には、シミュレータ制御弁135が閉状態に
されたまま制御用モータ100が駆動される。S86,
87において、バッテリ電圧が検出され、それに応じて
駆動時間が決定され、その駆動時間の間、制御用モータ
100に駆動トルクが付与される。制御用モータ100
の駆動停止後、タイマがリセットされる。例えば、駆動
時間は、バッテリ電圧が低いほど長くする。その結果、
漏れに起因するブレーキ液圧の低下を補償することがで
きる。
【0067】このように、本実施形態においては、保持
モードが設定された場合には、原則として、後方液圧室
128からの作動液の流出が阻止されるとともに制御用
モータ100が停止させられる。それによって、消費電
力の低減を図ることができる。また、制御用モータ10
0が停止させられるため、作動音や振動を軽減すること
ができる。さらに、このように制御することによって、
保持モードが保たれるように制御されることになり、運
転者の所望する目標値を得ることができる。また、保持
モードが設定されている間であっても、漏れの可能性が
有ると検出された場合には、制御用モータ100の制御
によって、制御圧室120,122の液圧が制御される
(再調圧制御と称することができる)。制御圧室12
0,122の液圧の低下を抑制することができ、ブレー
キ液圧の低下を抑制することができる。さらに、液圧制
御シリンダ12が制御用モータ100の異常等により作
動不能となった場合に後方液圧室128からの作動液の
流出が阻止されれば、制御ピストン106の後退を抑制
することができ、ブレーキシリンダ14,16の液圧低
下を抑制することができる。
【0068】また、車両が停止状態にある場合には踏力
が一定に保たれることが多く、保持モードが設定される
ことが多い。この場合に、制御用モータ100への供給
電流が0にされるため、大きな消費電力の低減効果が得
られる。図5に基づいて、車両の停止状態において上述
の制御が実行される場合について説明する。停止状態に
おいて、踏力がほぼ一定に保たれると保持モードが設定
される。Aに示すように、シミュレータ制御弁135が
閉状態に切り換えられ、制御用モータ100への供給電
流が0にされる。駆動トルクが0にされるのであり、サ
ーボ力が0にされる。その後、踏力が増加させられると
増圧モードが設定される。Bに示すように、制御用モー
タ100のサーボ力が増加させられた後にシミュレータ
制御弁135が開状態に切り換えられる。また、踏力が
減少させられると減圧モードが設定される。Cに示す状
態においては、制御用モータ100が逆方向に回転させ
られた後にブレーキ操作が解除されたことが検出された
ため、制御用モータ100への供給電流が0にされて、
シミュレータ制御弁135が開状態に戻される。また、
マスタ遮断弁94,96も開状態に戻される。
【0069】本実施形態によれば、坂道停止中において
も、停止時のブレーキ液圧を、電力消費量を低減しつつ
保持することができる。また、ブレーキペダル34の操
作が解除されてからアクセルペダルが踏み込まれるまで
の間、後方液圧室128からの作動液の流出が阻止され
れば、クリープ現象による車両の移動を抑制することも
可能である。同様に、エコラン(車両の停止時に駆動装
置を停止させて排出ガスの抑制を図る制御であって、駆
動装置の停止状態において、運転者がブレーキペダル3
4を操作しなくても、車両を停止状態に保つようにする
制御)等、車両停止時に自動ブレーキを作動させる場合
に有効である。
【0070】なお、上記実施形態においては、保持モー
ドが設定された場合には、車両の停止状態においても走
行状態においても、シミュレータ制御弁135が閉状態
に切り換えられて制御用モータ100への供給電流が0
にされていたが、車両の停止状態において保持モードが
設定された場合に上述の制御が行われ、走行状態におい
て保持モードが設定された場合には、シミュレータ制御
弁135が開状態のままで供給電流の制御が行われるよ
うにすることができる。停止状態において保持モードが
設定された場合には保持モードが長期間続くことが多い
からである。その意味において、停止状態における保持
モードを長期保持モードと称し、走行状態における保持
モードと区別することができる。また、シミュレータ制
御弁135を単なる開閉弁ではなく、供給電流量に応じ
た開度で開くリニア弁とすることもできる。この場合に
は、リニア弁の開度の制御により減圧勾配を制御するこ
とができる。保持モードの次に減圧モードが設定された
場合に、リニア弁の開度を小さくすれば、減圧勾配を抑
制することができ、運転者の違和感を軽減し、ブレーキ
フィーリングを向上させることができる。
【0071】さらに、上記実施形態においては、漏れの
可能性の有無が保持制御の継続保持時間が設定時間以上
になったか否かに基づいて検出されるようにされていた
が、漏れの有無が検出されるようにすることもできる。
逆止弁132から作動液がリザーバ62に漏れれば、マ
スタシリンダ10から作動液が流出させられる。この場
合に、運転者がストロークを一定に保っている場合には
マスタ圧が低下する。したがって、ストロークが一定で
ある場合において、マスタ圧が設定圧以上低下した場合
には、漏れが生じたとすることができる。漏れあるいは
漏れの可能性は、上述のように、マスタシリンダにおけ
るストロークとマスタ圧との関係に基づく他、ブレーキ
液圧と車両の減速度や車両速度等の車両の走行状態との
関係に基づいて検出することもできる。
【0072】また、上記実施形態においては、漏れある
いは漏れの可能性が検出された場合の制御用モータ10
0の駆動時間は、バッテリ電圧が低い場合は高い場合よ
り長くされていたが、逆に、短くすることもできる。ま
た、駆動時間は、バッテリ電圧でなく、ブレーキ装置あ
るいはバッテリ220の温度、保持モードの継続時間、
マスタ圧の低下量、減速度の低下量、車速の減少量の低
下量等に基づいて決定されるようにすることもできる。
例えば、漏れの程度あるいは漏れの可能性が高い場合
は、漏れの程度あるいは可能性が低い場合より、駆動時
間を長くすることが望ましい。なお、駆動時間は、これ
らのうちの2つ以上に基づいて決定されるようにするこ
ともできる。さらに、駆動時間を決定するのではなく、
供給電流を決定することもできる。例えば、漏れの程度
あるいは漏れの可能性が高い場合は、漏れの程度あるい
は可能性が低い場合より供給電流を大きくするのであ
る。供給電流が漏れの程度や漏れの可能性に応じて決定
される場合には、駆動時間は一定であってもよい。いず
れにしても、漏れに起因するブレーキ液圧の低下を抑制
することができ、走行中においては減速度の低下を抑制
することができる。
【0073】ブレーキ装置は図6に示す装置とすること
ができる。本実施形態においては、後方液圧室128と
リザーバ62とを接続する液通路130に電磁開閉弁で
あるリザーバ連通弁250が設けられる。リザーバ連通
弁250が閉状態に切り換えられれば、後方液圧室12
8からリザーバ62への作動液の流出が阻止されるた
め、流出阻止弁することができ、保持モードが設定され
た場合に閉状態に切り換えられるため、保持弁と称する
ことができる。また、ストロークシミュレータ136と
並列の逆止弁142,ストロークシミュレータ136と
マスタシリンダ10との間のシミュレータ制御弁135
が、本実施形態においては設けられていない。本実施形
態においては、リザーバ連通弁250が閉状態にされる
と、ストロークシミュレータ136の第2容積室140
がリザーバ62から遮断されるため、ストロークシミュ
レータ136が作動阻止状態になる。この意味において
リザーバ連通弁250はシミュレータ制御弁としての機
能を有する。
【0074】さらに、後方液圧室128と液通路90の
液圧制御シリンダ12のブレーキシリンダ側とが接続通
路260によって接続されている。接続通路260の途
中には後方液圧室128から液通路90への作動液の流
れを許容し逆向きの流れを阻止する逆止弁262が設け
られる。逆止弁262により、ブレーキシリンダ14の
液圧が後方液圧室128の液圧より高くても、ブレーキ
シリンダ14から後方液圧室128への作動液の流れが
阻止される。また、ブレーキシリンダ14の液圧が後方
液圧室128の液圧より低くなった場合には、後方液圧
室128の作動液が液通路側(ブレーキシリンダ側)に
戻される。他の部分の構成については上記実施形態にお
ける場合と同様であるため、説明を省略する。
【0075】本実施形態においては、上記実施形態にお
ける場合と同様に、ブレーキ装置が正常な場合には、マ
スタ遮断弁94,96が閉状態にされて、ブレーキ液圧
が液圧制御シリンダ12の制御により制御される。この
場合には、リザーバ連通弁250は開状態にされる。ス
トロークシミュレータ136は作動許容状態とされ、後
方液圧室128には、ストロークシミュレータ136を
経てマスタシリンダ10から作動液が供給されるととも
に、リザーバ連通弁250を経てリザーバ62から作動
液が供給される。
【0076】保持モードが設定された場合には、リザー
バ連通弁250が閉状態に切り換えられるが、制御用モ
ータ100への供給電流は0ではなく、踏力に基づいて
決定された大きさとされる。リザーバ連通弁250が閉
状態にされるため、後方液圧室128の作動液のリザー
バ62への流出が阻止される。後方液圧室128の液圧
が増圧させられるのであるが、液圧はストロークシミュ
レータ136の第2容積室140の液圧より高くなるこ
とはない。踏力に応じた大きさ、すなわち、マスタシリ
ンダ10の加圧室36の液圧に対応する液圧以上になる
ことはない。また、逆止弁262によりブレーキシリン
ダ側の液圧より高くなることもない。いずれにしても、
制御圧室120,122の液圧を保持するために制御用
モータ100に電流を供給する必要がある。しかし、こ
の場合においても、制御ピストン106には、後方液圧
室128の液圧に対応する力が加えられるため、制御用
モータ100によって加えられる駆動力が小さくてよい
のであり、制御用モータ100への供給電流を小さくす
ることができる。
【0077】また、システムフェール等に起因してリザ
ーバ連通弁250が開状態に切り換え不能になった場合
(閉故障時)には、後方液圧室128の作動液が閉じ込
められて戻されなくなってしまう。それに対して、接続
通路260および逆止弁262によれば、マスタ遮断弁
94,96が連通状態にされ、ブレーキペダル34が解
除された場合に、後方液圧室128から作動液を液通路
90に流出させることができ、制御ピストン106を確
実に戻すことができる。後方液圧室128の作動液を確
実をマスタシリンダ10に確実に戻すことができるので
あり、作動液不足が生じることを回避することができ
る。これら接続通路260および逆止弁262等によっ
て逆止装置264が構成される。逆止装置264は作動
液戻し装置と称することができる。
【0078】後方液圧室128の作動液を液通路90の
マスタ遮断弁94,96のマスタシリンダ側に戻すこと
もできる。しかし、この場合には、マスタ遮断弁94,
96が閉状態にある場合に、何らの原因で、後方液圧室
128の液圧の方が高くなった場合に、マスタシリンダ
10に戻されることになり、運転者のペダル反力が急激
に大きくなり、望ましくない。それに対してブレーキシ
リンダ側に戻されれば、運転者が違和感を感じることな
く、ブレーキ解除時に作動液を確実に戻すことができ
る。
【0079】なお、この逆止装置264は、後方液圧室
128と液通路90との間ではなく、後方液圧室128
と液通路92との間に設けたり、両方に設けたりするこ
とができる。いずれにしても、実質的に後方液圧室12
8の作動液であるとみなし得る作動液が、制御ピストン
106の制御圧室側、すなわち、ブレーキシリンダの液
圧と実質的に同じであるとみなし得る部分に流出可能と
されていればよい。換言すれば、後方液圧室128や液
通路134のストロークシミュレータ136の下流側の
部分と、制御圧室120,122,液通路90,92
(液通路90,92の制御圧室120,122の上流側
でマスタ遮断弁94,96の下流側の部分であってもよ
い)等との間に設けることができるのである。
【0080】また、逆止装置は、液圧制御シリンダ内に
設けることも設けることもできる。図7に示すように、
液圧制御シリンダ270においては、制御ピストン27
2に後方液圧室128から制御圧室120への作動液の
流れを許容するが、逆向きの流れを阻止する状態でカッ
プシール274が設けられている。この場合には、Oリ
ングが不要となる。カップシール274によって、制御
中は、制御圧室120から後方液圧室128への作動液
の流れが阻止されるが、ブレーキ操作が解除されて、制
御圧室120の液圧が低下すると、後方液圧室128か
ら制御圧室120への作動液の流出が許容される。この
ように、上記実施形態における場合と同様の効果を得る
ことができる。また、Oリングの代わりにカップシール
274とすることによって、前進時の摺動抵抗を小さく
することができる。さらに、逆止装置を液圧制御シリン
ダとは別に設ける必要がなくなり、部品点数の増加を回
避することができる。
【0081】また、シミュレータ制御弁は、第2容積室
140と後方液圧室128との間に設けることもでき
る。さらに、上記各実施形態において設けられていた流
通制限装置60やストロークシミュレータ136は不可
欠ではない。また、制御用モータ100は、正逆両方向
に作動可能なものとする必要はない。減圧モードが設定
された場合には駆動トルクを小さくすれば、そのトルク
に応じた液圧まで制御圧室120,122の液圧が低下
させられるのである。制御用モータ100の制御の態様
も上記実施形態におけるそれに限らない。
【0082】ブレーキ装置は図8に示す態様のものとす
ることもできる。マスタシリンダ10において、加圧ピ
ストン30の小径部42と大径部44との間に連通路4
8が設けられておらず、環状室46と加圧室38とから
それぞれ個別通路302,304が接続され、これらが
合流させられて液通路92とされる。個別通路302に
は逆止弁306が設けられ、環状室46からの作動液の
流出が許容され、加圧室38や合流通路92から環状室
46への作動液の流れが阻止される。個別通路302お
よび逆止弁306がそれぞれ連通路48,逆止弁50と
同様の機能を果たす。
【0083】流通制限装置60において、逆止弁66,
リリーフ弁68,オリフィス70に加えて、これらと並
列に電磁開閉弁308が設けられる。電磁開閉弁308
が開状態にある場合には、加圧ピストン30の前進に伴
って環状室46の作動液がリザーバ62に流出させら
れ、環状室46に液圧が発生させられることはない。環
状室46から合流通路である液通路92に向かって作動
液が供給されることはないのであり、小径部42によっ
て加圧されることになる。電磁開閉弁308が閉状態に
ある場合には、上記実施形態における場合と同様にリリ
ーフ弁68の設定圧以下の間は大径部44によって加圧
され、設定圧より高くなると小径部42によって加圧さ
れることになる。電磁開閉弁308によってフィルアッ
プ効果が有効な状態と無効な状態とに切り換えることが
できる。なお、リリーフ弁68のリリーフ圧が大きい場
合には、電磁開閉弁308を閉状態から開状態に切り換
えることによって大径加圧から小径加圧に切り換えるこ
とが可能となる。
【0084】また、液通路134のストロークシミュレ
ータ136より後方液圧室128側の部分には逆止弁3
10が設けられる。逆止弁310は、ストロークシミュ
レータ側から後方液圧室128側への作動液の流れを許
容し、逆向きの流れを阻止するものである。リザーバ通
路130のリザーバ連通弁250より上流側の部分と液
通路134のストロークシミュレータ136と逆止弁3
10との間の部分とが接続通路312によって接続さ
れ、接続通路312に逆止弁314が設けられる。逆止
弁314は、リザーバ側から後方液圧室側への作動液の
流れを許容し、逆向きの流れを阻止するものである。
【0085】後方液圧室128について、ストロークシ
ミュレータ136との間に逆止弁310が位置し、リザ
ーバ62との間にリザーバ連通弁250と2つの逆止弁
314,310とが並列に位置することになる。逆止弁
310により、後方液圧室128からストロークシミュ
レータ136への作動液の流出が阻止される。また、リ
ザーバ連通弁250が閉状態にされれば、後方液圧室1
28からリザーバ62への作動液が阻止される。後方液
圧室128からストロークシミュレータ136とリザー
バ62とのいずれにも、作動液が流出させられることを
阻止することができる。これら逆止弁310,314,
リザーバ連通弁250等により流出抑制装置が構成され
る。それに対して、液圧制御シリンダ270においては
制御ピストン272に逆止装置としてのカップシール2
74が設けられているため、後方液圧室128の液圧が
高くなると制御圧室120へ作動液が流出させられる。
【0086】ストロークシミュレータ136について
は、リザーバ62との間に逆止弁314が位置し、後方
液圧室128との間に逆止弁310が位置することにな
る。第2容積室140へのリザーバ62からの作動液の
供給が許容され、第2容積室140から後方液圧室12
8への作動液の流出が許容される。それによって、第2
容積室140との間の作動液の授受が可能となり、スト
ロークシミュレータ136がリザーバ連通弁250が閉
状態にあっても、作動許容状態とされる。ストロークシ
ミュレータ136は、リザーバ連通弁250の状態とは
関係なく作動許可状態に保たれることになる。また、制
御ピストン272のストロークを検出するストロークセ
ンサ316が設けられる。ストロークセンサ316は、
制御用モータ100の回転数を検出するエンコーダを含
むものであり、制御用モータ100の回転数に基づいて
制御ピストン272のストロークが検出される。ストロ
ークセンサ316は、ブレーキECU200に接続され
る。制御ピストン272の後退端は図示しないストッパ
により規定される。制御ピストン272はストッパに当
接するまで後退させられる。本実施形態における他の部
分の構成は、上記実施形態における場合と同様であるた
め、説明を省略する。
【0087】本実施形態においては、上記各実施形態に
おける場合と同様に制御用モータ100への供給電力の
制御によりブレーキシリンダ液圧が制御される。増圧モ
ード、減圧モードが設定された場合には、リザーバ連通
弁250の開状態において、制御用モータ100への供
給電流IMが、制御圧室120の液圧が踏力に応じて決
定される目標液圧に近づくように制御される。供給電流
IMは、制御用モータ100の駆動力をFMとし、制御圧
室120の目標液圧をPWとした場合に、 FM=Ac1・PW・・・(1) が成立するように制御される。ここで、Ac1は、制御ピ
ストン272の制御圧室120に対向する側の面積であ
る。また、後述するAc2は、後方液圧室128に対向す
る側の面積(大径部の断面積からピストンロッドの断面
積を引いた大きさ)である。それに対して、長期保持モ
ードが設定された場合には、リザーバ連通弁250が閉
状態にされるため、後方液圧室128に液圧が発生させ
られる。制御ピストン106には、制御用モータ100
による電動駆動力と後方液圧室128の液圧に応じた液
圧駆動力との両方が加えられる。したがって、制御用モ
ータ100への供給電流IMは、後方液圧室128の液
圧をPHとした場合に、 FM+Ac2・PH=Ac1・PW・・・(2) が成立するように制御される。
【0088】(1)式、(2)式および後方液圧室12
8の液圧PHが制御圧室120の液圧PW以下であること
(PW≧PH)から、リザーバ連通弁250が閉状態にあ
る場合の駆動力をFMHとし、リザーバ連通弁250が開
状態にある場合の駆動力をFM0とした場合に、式 FMH≧FM0・Ac2/Ac1・・・(3) が成立する。また、駆動力は供給電流にほぼ比例する大
きさであるため、αを1より大きい定数とすることによ
って、式 IM=IM0・Ac2/Ac1・α・・・(4) が成立することがわかる。長期保持モード中における制
御用モータ100への供給電流IMが、長期保持モード
が設定された時点の供給電流IM0と、面積比率とに基づ
いて決まる大きさに制御されるのである。なお、αは例
えば、1.1等とすることができる。また、面積比率A
c2/Ac1は約1/3程度になるように設計されることが
多い。このように、長期保持モードが設定されて、リザ
ーバ連通弁250が閉状態にされた場合には、それ以外
の場合より、制御圧室120の液圧を同じにする場合の
供給電流を低減させることができる。このように、図9
に示すように、長期保持モードが設定された場合の方
が、後方液圧室128に液圧が発生させられる分だけ、
制御圧室120の液圧を同じ高さに制御する場合の供給
電流を低減させることができる。
【0089】なお、制御用モータ100への供給電流
は、増圧モード、減圧モードが設定された場合には、前
述のように、制御圧室120の液圧が目標値に近づくよ
うに制御され、長期保持モードが設定された場合には、
制御ピストン272のストロークがその位置に保たれる
ように制御されるようにすることができる。図10に示
すように、長期保持モードが設定された時点の制御ピス
トン272のストロークが検出され、そのストロークが
保たれるように制御されるのである。供給電流が制御圧
室120の液圧に基づいて制御される場合には、リザー
バ連通弁250が開状態から閉状態に切り換えられるこ
とに起因して、制御圧室120の液圧が変化し、それに
伴って供給電流が大きく変化させられ、ハンチングが生
じるおそれがある。それに対して、本実施形態において
は、ストロークが制御用モータ100の回転数に基づい
て検出されるため(ストロークセンサ316)制御圧室
120の液圧が変化してもストロークは殆ど変わらない
はずである。したがって、供給電力がストロークに基づ
いて制御されるようにすれば、ハンチングが生じ難くす
ることができる。
【0090】また、制御用モータ100への供給電流を
増加させることによって、制御ピストン272を前進さ
せた後、供給電流を0まで低減させることもできる。長
期保持モードが設定された場合にリザーバ連通弁250
が閉状態に切り換えられても、カップシール274が設
けられているため、後方液圧室128から制御圧室12
0への作動液の流入が許容される。そのため、制御用モ
ータ100への供給電流が長期保持モードが設定された
場合に直ちに0にされると、制御ピストン272が後退
させられ、制御圧室120の容積が増加することによっ
て、制御圧室120の液圧が供給電流が0にされる以前
より低下させられる。それを回避するために、長期保持
モードが設定された場合に、制御用モータ100への供
給電流を増加させることによって、制御ピストン272
を一端前進させ、その後に、0にするのである。このよ
うにすれば、制御圧室120の液圧を長期保持モードが
設定された時点の液圧と同じ大きさに保つことができ
る。
【0091】まず、供給電流を増加させることにより、
制御ピストン272をストロークSpwまで前進させる。 Spw=Spw0・Ac1/Ac2 ここで、Spw0は、長期保持モードが設定された時点の
ストロークである。上式に示すように、制御ピストン2
72の目標ストロークSpwは、現時点のストロークSpw
0と面積比率Ac1/Ac2とに基づいて決定される。換言
すれば、制御ピストン272の後退に起因する制御圧室
128の容積増大分に基づいて決定される。制御ピスト
ン272が前進させられた後に、予め定められた設定時
間tだけその状態が保持される。制御ピストン272の
前進に伴って後方液圧室128の容積が増加させられ、
リザーバ62から作動液が供給されるのであるが、後方
液圧室128が液密になるまで、設定時間待たれるので
ある。設定時間tが経過した後に、リザーバ連通弁25
0が閉状態に切り換えられて、制御用モータ100への
供給電流が0まで低減させられる。それによって、制御
ピストン272が後退させられ、後方液圧室128の容
積が減少させられ、制御圧室120の容積が増加させら
れる。後方液圧室128の液圧が増加させられ、制御圧
室120の液圧が減少させられる。後方液圧室128の
液圧が制御圧室120の液圧以上になると、後方液圧室
128から作動液が制御圧室120に供給されるのであ
るが、制御ピストン106の後方液圧室側の面積が制御
圧室側の面積より小さいため、制御ピストン106は後
退端位置まで後退させられる。後退端位置において、制
御ピストン106には、前進方向に後方液圧室128の
液圧に応じた液圧作用力とストッパによる作用力とが加
えられ、制御圧室120の液圧に応じた後退方向の液圧
作用力と釣り合う。後方液圧室128の液圧と制御圧室
120の液圧とが等しくなるのであり、長期保持モード
が設定された時点における制御圧室120の液圧と同じ
になるようにすることができる。このように、本実施形
態においては、制御用モータ100への供給電流を0に
する以前に制御圧室120の液圧を高くしておくことに
よって、長期保持モードが設定された時点の液圧を保持
することが可能となる。
【0092】図11のフローチャートにおいて、S10
1において、長期保持モードが設定されたか否かが判定
される。長期保持モードが設定された場合には、S10
2において、その時点の制御ピストン272のストロー
クが読み込まれ、S103において、目標ストロークが
演算により求められる。次に、S104,105におい
て、制御用モータ100への供給電流の制御により、制
御ピストン272を目標ストロークに達するまで前進さ
せる。例えば、目標ストロークに達するまで、制御用モ
ータ100の供給電流を予め定められた増加量ずつ漸増
させることができる。S106において、設定時間tだ
けその状態で保持させる。そして、設定時間tの経過後
に、S107において、制御用モータ100への供給電
流が0とされ、リザーバ連通弁250が閉状態とされ
る。
【0093】このように、本実施形態においては、図1
2に示すように、制御用モータ100への供給電流を0
としても、制御圧室120の液圧を保持することができ
るのであり、制御用モータ100における消費電力の低
減を図ることができる。また、長期保持モードの次に減
圧モードが設定された場合には、リザーバ連通弁250
の開閉制御により後方液圧室128の液圧を減圧させて
制御圧室120の液圧が減圧させられるようにする。リ
ザーバ連通弁250は、制御圧室120の液圧が目標液
圧に近づくように制御される。この場合には、制御ピス
トン106が後退端位置にあるからである。
【0094】なお、本実施形態においては、制御ピスト
ン272のストロークが目標ストロークに達するまで前
進させられるようにされていたが、制御圧室120の液
圧が目標液圧に達するまで前進させられるようにするこ
ともできる。また、常に予め定められたストローク量だ
け前進させたり、予め定められた増圧量だけ増加するま
で前進させたりすることも可能である。制御圧室120
の液圧が、長期保持モードが設定された時点の大きさと
同じにする必要がない場合には、制御ピストン100の
後退に伴う制御圧室120の液圧の低下量を抑制するた
めに、供給電流を0にする以前に、予め定められた量だ
け前進させておけばよいのである。さらに、上記各実施
形態においては、車両の停止状態における保持要求が長
期保持要求とされていたが、それとは別に、あるいは、
それに加えて、予め定められた長期保持要求条件が満た
された場合に長期保持要求であると取得されるようにす
ることができる。例えば、保持要求状態が設定時間以上
続いた場合、予め定められた設定時間の間の目標液圧の
変化幅が設定値以下あるいは変化頻度が設定頻度以下の
場合には、長期保持要求条件が満たされたとすることが
できる。
【0095】さらに、図13に示すように、制御用モー
タ100への供給電流が制御されるようにすることもで
きる。長期保持モードが設定された場合には、制御圧室
120の液圧がΔPだけ増加させられるように、制御用
モータ100への供給電流が増加させられ、制御ピスト
ン272が前進させられ、次に、制御用モータ100へ
の供給電流が0にされ、リザーバ連通弁250が閉状態
に切り換えられる。その後、制御圧室120の液圧が予
め定められた設定範囲内にあるように(長期保持モード
が設定された場合の液圧Pw〜Pw+ΔP)制御用モータ
100への供給電流が制御される。制御ピストン272
が後退端に達した場合には、後方液圧室128の液圧と
制御圧室120の液圧とがほぼ同じになるのであり、制
御圧室120の液圧は長期保持モードが設定された場合
の液圧と同じになる。本実施形態によれば、上記実施形
態における場合より、制御ピストン106の1回の前進
量が小さくされるため、ブレーキペダル10の入り込み
量を抑制することができ、運転者の違和感を軽減するこ
とができる。
【0096】また、ブレーキ装置は、図14,15に示
す構造のものとすることもできる。図14のブレーキ装
置においては、図1のブレーキ装置と図6のブレーキ装
置とを組み合わせたものであり、図1のブレーキ装置に
おいて、リザーバ通路130に逆止弁132の代わりに
リザーバ連通弁250が設けられる。リザーバ連通弁2
50の開状態において、後方液圧室128がリザーバ6
2に連通させられ、制御ピストン106の移動に伴う容
積変化が許容される。また、ブレーキ操作が解除された
場合にシミュレータ制御弁135が開状態にされるた
め、後方液圧室128の作動液をマスタシリンダ10に
確実に戻すことができる。
【0097】図15のブレーキ装置においては、流出阻
止弁320が液通路134のストロークシミュレータ1
36より後方液圧室128側に設けられ、液通路134
のストロークシミュレータ136と後方液圧室128と
の間の部分と液通路90のマスタ遮断弁94より液圧制
御シリンダ側の部分とが液通路321によって接続さ
れ、液通路321に逆止弁322が設けられる。液通路
321および逆止弁322によって逆止装置324が構
成される。流出阻止弁320は常開弁であるため、電気
系統の異常等の場合にも、ブレーキ解除後に後方液圧室
128の作動液をマスタシリンダ10に戻すことができ
る。流出阻止弁320が閉状態にされれば、後方液圧室
128からの作動液の流出を確実に阻止することができ
る。長期保持モードが設定された場合に制御用モータ1
00への供給電流を0にしても、制御ピストン106の
後退を阻止することができ、制御圧室120の液圧を保
持することができる。また、流出阻止弁320が閉状態
にあっても、リザーバ連通弁250が開状態にあれば、
ストロークシミュレータ136の第2容積室140とリ
ザーバ62との間の作動液の授受が許容されるため、ス
トロークシミュレータ136を作動許容状態に保つこと
ができる。
【0098】さらに、上記実施形態においては、液圧制
御シリンダ12、270において、制御ピストン106
が電動モータの作動に基づいて移動させられるようにさ
れていたが、電動モータ以外の動力駆動装置によって移
動させられるようにすることもできる等、本発明は、
〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果〕の欄に記載の態様の他、当業者による種々の変更,
改良を施した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるブレーキ装置の回路
図(一部断面図)である。
【図2】上記ブレーキ装置に含まれるブレーキ液圧制御
装置の回路図である。
【図3】上記ブレーキ液圧制御装置のROMに格納され
たブレーキ制御プログラムを表すフローチャートであ
る。
【図4】上記プログラムの一部を表すフローチャートで
ある。
【図5】上記ブレーキ液圧制御装置における一制御例を
示す図である。
【図6】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置の
回路図(一部断面図)である。
【図7】本発明のさらに別の一実施形態であるブレーキ
装置に含まれる液圧制御シリンダの一部断面図である。
【図8】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置の
回路図(一部断面図)である。
【図9】上記ブレーキ装置において長期保持モードが設
定された場合の制御用モータへの供給電流の制御例であ
る。
【図10】上記ブレーキ装置において長期保持モードが
設定された場合の制御用モータへの供給電流の制御例で
ある。
【図11】上記ブレーキ装置のブレーキECUのROM
に格納された長期保持制御プログラムを表すフローチャ
ートである。
【図12】上記ブレーキ装置において長期保持モードが
設定された場合の制御用モータへの供給電流の別の制御
例である。
【図13】上記ブレーキ装置において長期保持モードが
設定された場合の制御用モータへの供給電流の別の制御
例である。
【図14】本発明のさらに別の一実施形態であるブレー
キ装置の一部回路図(一部断面図)である。
【図15】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置
の一部回路図(一部断面図)である。ける
【符号の説明】
10 マスタシリンダ 12 液圧制御シリンダ 14,15 ブレーキシリンダ 100 制御用モータ 128 後方液圧室 132,142 逆止弁 135 シミュレータ制御弁 136 ストロークシミュレータ 200 ブレーキECU 250 リザーバ連通弁 260 接続通路 262 逆止弁 264 逆止装置 270 液圧制御シリンダ 274 カップシール 310,314 逆止弁 320 流出阻止弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 貴之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D046 BB02 CC02 DD03 EE01 FF04 HH02 HH07 HH12 HH16 HH26 HH36 KK12 LL02 LL05 LL17 LL23 LL29 LL46 LL50 3D048 BB57 CC05 CC54 HH14 HH15 HH26 HH37 HH42 HH50 HH51 HH53 3D049 BB05 CC02 HH12 HH15 HH20 HH31 HH39 HH41 HH47 RR01 RR02 RR04 RR11

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液圧によりブレーキを作動させるブレーキ
    シリンダと、 ブレーキ操作部材の操作に基づいて作動させられる加圧
    ピストンを含み、その加圧ピストンの前方の加圧室に液
    圧を発生させるマスタシリンダと、 動力駆動装置の作動に基づいて作動させられる制御ピス
    トンを含み、その制御ピストンの前方の制御圧室に前記
    ブレーキシリンダが接続され、後方の後方液圧室に前記
    マスタシリンダの加圧室から作動液が供給可能な液圧制
    御シリンダと、 前記動力駆動装置への供給動力を制御することにより、
    前記液圧制御シリンダの制御圧室の液圧を制御して、前
    記ブレーキシリンダの液圧を制御するブレーキ液圧制御
    装置とを含むことを特徴とするブレーキ装置。
  2. 【請求項2】ハウジングと、 そのハウジング内に摺動可能に設けられ、ハウジング内
    を第1容積室と第2容積室とに仕切るシミュレータピス
    トンと、 そのシミュレータピストンを第1容積室の容積が減少す
    る方向に付勢する付勢手段とを含み、前記第1容積室が
    前記マスタシリンダの加圧室に接続され、前記第2容積
    室が前記液圧制御シリンダの後方液圧室に接続された状
    態で設けられたストロークシミュレータを含む請求項1
    に記載のブレーキ装置。
  3. 【請求項3】前記第2容積室の容積減少量より前記後方
    液圧室の容積増加量の方が大きくされた請求項2に記載
    のブレーキ装置。
  4. 【請求項4】ほぼ大気圧の作動液を蓄える低圧源と、 その低圧源と前記後方液圧室とを接続する液通路に設け
    られ、前記低圧源と前記後方液圧室との間の作動液の流
    れを制御する弁装置とを含む請求項1ないし3のいずれ
    か1つに記載のブレーキ装置。
  5. 【請求項5】液圧によりブレーキを作動させるブレーキ
    シリンダと、 ブレーキ操作部材の操作に基づいて液圧を発生させるマ
    スタシリンダと、 電動駆動装置の作動に基づいて作動させられる制御ピス
    トンを含み、その制御ピストンの前方の制御圧室に前記
    ブレーキシリンダが接続された液圧制御シリンダと、 前記ブレーキシリンダを前記マスタシリンダから遮断し
    た状態で、前記電動駆動装置への供給電力を制御するこ
    とによって前記ブレーキシリンダの液圧を制御するブレ
    ーキ液圧制御装置と、 前記ブレーキシリンダの液圧を保持することが要求され
    る保持要求状態において、前記制御ピストンの後方液圧
    室からの作動液の流出を抑制する流出抑制装置とを含む
    ことを特徴とするブレーキ装置。
  6. 【請求項6】作動液をほぼ大気圧で蓄えるリザーバを備
    えたリザーバ系を含み、 前記流出抑制装置が、そのリザーバ系と前記後方液圧室
    とを接続する液通路の途中に設けられ、少なくとも前記
    保持要求状態において、前記後方液圧室から前記リザー
    バ系への作動液の流出を抑制する流出抑制弁を含む請求
    項5に記載のブレーキ装置。
  7. 【請求項7】前記マスタシリンダを備えたマスタシリン
    ダ系を含み、 前記流出抑制装置が、少なくとも前記保持要求状態にお
    いて、前記後方液圧室から前記マスタシリンダ系への作
    動液の流出を抑制する流出抑制弁を含む請求項5または
    6に記載のブレーキ装置。
  8. 【請求項8】前記マスタシリンダが、運転者によるブレ
    ーキ操作部材の操作に応じて前進させられる加圧ピスト
    ンを備え、その加圧ピストンの前方の加圧室に液圧を発
    生させるものであり、 前記マスタシリンダ系が、(a)ハウジングと、(b)そのハ
    ウジング内に摺動可能に設けられ、ハウジング内を第1
    容積室と第2容積室とに仕切るシミュレータピストン
    と、(c)そのシミュレータピストンを第1容積室の容積
    が減少する方向に付勢する付勢手段とを含み、前記第1
    容積室が前記マスタシリンダの加圧室に接続され、前記
    第2容積室が前記液圧制御シリンダの後方液圧室に接続
    された状態で設けられたストロークシミュレータを含
    み、 前記流出抑制装置が、そのストロークシミュレータのマ
    スタシリンダ側と後方液圧室側との少なくとも一方に設
    けられ、これらを連通させる連通状態と、遮断する遮断
    状態とに切り換え可能な流出抑制弁を含む請求項7に記
    載のブレーキ装置。
  9. 【請求項9】前記流出抑制装置が、前記後方液圧室から
    前記ブレーキシリンダ側部以外への作動液の流出を阻止
    する流出阻止装置を含む請求項5に記載のブレーキ装
    置。
  10. 【請求項10】前記ブレーキ液圧制御装置が、運転者に
    よるブレーキ操作状態に基づいて、前記ブレーキシリン
    ダの液圧を保持することを要求する保持要求を取得する
    保持要求取得部を含む請求項5ないし9のいずれか1つ
    に記載のブレーキ装置。
  11. 【請求項11】前記ブレーキ液圧制御装置が、前記流出
    抑制装置によって前記後方液圧室からの作動液の流出が
    抑制された状態において、抑制される前の状態における
    より、前記電動駆動装置への供給電力を低減させる供給
    電力低減部を含む請求項5ないし10のいずれか1つに
    記載のブレーキ装置。
  12. 【請求項12】前記ブレーキ液圧制御装置が、前記電動
    駆動装置への供給電力を、前記保持要求取得部によって
    保持要求が取得された場合の前記電動駆動装置への供給
    電力と、前記制御ピストンの前記制御圧室に対向する面
    積および前記後方液圧室に対向する面積とに基づいて決
    まる電力まで低減させる面積比率対応低減部を含む請求
    項10または11に記載のブレーキ装置。
  13. 【請求項13】前記ブレーキ液圧制御装置が、前記流出
    抑制装置によって前記後方液圧室からの作動液の流出が
    抑制される状態において、前記電動駆動装置への供給電
    力を、前記制御ピストンのストロークに基づいて制御す
    るストローク対応供給電力制御部と、前記流出抑制装置
    によって作動液の流出が抑制されない状態において、前
    記供給電力を、前記制御圧室の液圧に基づいて制御する
    制御圧対応供給電力制御部とを含む請求項5ないし12
    のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
  14. 【請求項14】前記流出抑制装置が、前記ブレーキ液圧
    制御装置の指令に応じて作動させられる電磁制御弁を含
    み、前記ブレーキ液圧制御装置が、前記ブレーキシリン
    ダを前記マスタシリンダから遮断した状態で、前記ブレ
    ーキ操作部材の操作状態に基づいて前記電動駆動装置へ
    の供給電力と前記電磁制御弁とを制御する供給電力等制
    御部を含む請求項5ないし13のいずれか1つに記載の
    ブレーキ装置。
  15. 【請求項15】当該ブレーキ装置が、前記後方液圧室か
    ら前記ブレーキシリンダ側部への作動液の流れを許容
    し、逆向きの流れを阻止する逆止装置を含み、 前記供給電力等制御部が、前記保持要求状態への移行時
    に、前記電動駆動装置への供給電力を一旦増加させ、前
    記電磁制御弁を前記後方液圧室からの作動液の流出を阻
    止する状態に切り換えた後、前記供給電力を低減させる
    供給電力増加後低減部を含む請求項14に記載のブレー
    キ装置。
  16. 【請求項16】前記ブレーキ液圧制御装置が、 前記流出抑制装置における作動液の漏れまたは漏れの可
    能性を検出する漏れ等検出部と、 その漏れ等検出部によって漏れまたは漏れの可能性が検
    出された場合に、前記電動駆動装置へ電力を供給する漏
    れ時等制御部とを含む請求項5ないし15のいずれか1
    つに記載のブレーキ装置。
  17. 【請求項17】前記漏れ時等制御部が、当該ブレーキ装
    置の状態と、当該ブレーキ装置が搭載された車両の走行
    状態との少なくとも一方に基づいて、前記電動駆動装置
    への電力供給を制御する部分を含む請求項16に記載の
    ブレーキ装置。
  18. 【請求項18】前記後方液圧室から前記ブレーキシリン
    ダ側部への作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止
    する逆止装置を含む請求項1ないし17のいずれか1つ
    に記載のブレーキ装置。
  19. 【請求項19】液圧によりブレーキを作動させるブレー
    キシリンダと、 ブレーキ操作部材の操作に基づいて作動させられる加圧
    ピストンを含み、その加圧ピストンの前方の加圧室に液
    圧を発生させるマスタシリンダと、 電動駆動装置の作動に基づいて作動させられる制御ピス
    トンを含み、その制御ピストンの前方の制御圧室に前記
    ブレーキシリンダが接続された液圧制御シリンダと、 (a)ハウジングと、(b)そのハウジング内に摺動可能に設
    けられ、ハウジング内を第1容積室と第2容積室とに仕
    切るシミュレータピストンと、(c)そのシミュレータピ
    ストンを第1容積室の容積が減少する方向に付勢する付
    勢手段とを含み、前記第1容積室が前記マスタシリンダ
    の加圧室に接続され、前記第2容積室が前記液圧制御シ
    リンダの後方液圧室に接続された状態で設けられたスト
    ロークシミュレータと、 (i)前記ブレーキシリンダを前記マスタシリンダから遮
    断し、前記ストロークシミュレータを前記ブレーキ操作
    部材の操作に応じた前記第1容積室の容積変化が許容さ
    れた作動許容状態とし、前記電動駆動装置への供給電力
    を制御することによって前記ブレーキシリンダの液圧を
    制御する状態と、(ii)前記ブレーキシリンダと前記マス
    タシリンダとを連通させ、前記後方液圧室から前記第2
    容積変化室への作動液の流れを許容する状態とに切り換
    え可能なブレーキ液圧制御装置とを含むことを特徴とす
    るブレーキ装置。
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