JP2003002183A - ブレーキ装置 - Google Patents

ブレーキ装置

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JP2003002183A JP2001185904A JP2001185904A JP2003002183A JP 2003002183 A JP2003002183 A JP 2003002183A JP 2001185904 A JP2001185904 A JP 2001185904A JP 2001185904 A JP2001185904 A JP 2001185904A JP 2003002183 A JP2003002183 A JP 2003002183A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ブレーキ作動に伴って発生させられるサーボ圧
の有効利用を図る。 【解決手段】ブレーキ14の作動によってブレーキ本体
が周方向に移動させられると、液圧発生装置24にサー
ボ圧が発生させられる。通常制動時には、第1、第2サ
ーボ圧供給制御弁174,180は閉状態にされるが、
サーボ圧必要条件が満たされると、第1サーボ圧供給制
御弁174が開状態に切り換えられる。サーボ圧が電動
式液圧シリンダ12に供給され、制御ピストン56に電
動モータ50による電磁駆動力に加えて液圧助勢力が加
えられる。また、電動モータ50の異常時には、第1、
第2サーボ圧供給制御弁174,180が開状態に切り
換えられる。サーボ圧は、マスタシリンダ10に供給さ
れて、加圧ピストン30に液圧助勢力が加えられる。ブ
レーキシリンダ22には、運転者によるブレーキ操作力
が倍力された大きさに対応する液圧を供給することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキ装置に関
するものであり、ブレーキの作動に基づいて発生させら
れるサーボ圧の利用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特許第2998522号公報には、ブレ
ーキの作動に基づいて発生させられるサーボ圧を液圧制
御装置の液圧源として利用可能なブレーキ装置が記載さ
れている。このブレーキ装置によれば、サーボ圧を利用
してマスタシリンダの液圧を倍力してブレーキシリンダ
に供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効
果】本発明の課題は、ブレーキ装置において、サーボ圧
の有効な利用を図ることである。上記課題は、ブレーキ
装置を下記各態様の構成のものとすることによって解決
される。以下、各態様を、請求項と同様に、項に区分
し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引
用する形式で記載する。これは、あくまで、本明細書に
記載の技術の理解を容易にするためであり、本明細書に
記載の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各
項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つ
の項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべて
の事項を一緒に採用しなければならないものではなく、
一部の事項のみを取り出して採用することも可能であ
る。
【0004】ブレーキ装置の各態様を、図1の例示に基
づいて簡単に説明する。図1の(A)に示すように、サー
ボ圧が、マスタシリンダの加圧ピストンの後方液圧室に
供給され、加圧ピストンに液圧助勢力を加える場合、
(B)に示すように、電動式液圧シリンダの後方液圧室に
供給され、加圧ピストンに電気的駆動源による電磁駆動
力に加えて液圧助勢力を加える場合、(C)に示すよう
に、ブレーキ力を電気的に制御する際に、液圧源として
利用する場合、(D)に示すように、アキュムレータに蓄
えられて、その蓄えられた液圧がマスタシリンダの後方
液圧室、電動式液圧シリンダの後方液圧室、ブレーキシ
リンダに供給される場合、その他、制動トルクの検出に
利用される場合等が該当する。また、これらのうちの2
つ以上に利用される場合がある。なお、マスタシリンダ
の後方液圧室、電動式液圧シリンダの後方液圧室に供給
される場合においては、ブレーキ力が、別の液圧制御装
置によって制御される場合や、後方液圧室の液圧の制御
によって制御される場合や、電磁駆動力等の外部駆動力
の制御によって制御される場合等がある。また、アキュ
ムレータの液圧は、上述の2つ以上に利用される場合も
ある。さらに、ブレーキ力の制御には、ブレーキシリン
ダの液圧が制御される場合や、電動ブレーキの液圧助勢
力が制御される場合等がある。また、(E)に示すよう
に、ブレーキ装置の回路全体において、前輪側と後輪側
とでサーボ圧が同様に利用される場合、前輪側と後輪側
とで利用の態様が異なる場合、前輪側と後輪側とのいず
れか一方の側のブレーキにおいて発生させられるサーボ
圧のみが利用される場合等がある。
【0005】以下の各項のうち、(7)項が請求項1に対
応し、(8)項、(9)項がそれぞれ請求項2,3に対応し、
(12)項、(13)項、(15)項がそれぞれ請求項4,5,6に
対応する。また、(16)項は請求項7に対応し、(17)項〜
(20)項、(22)項は、それぞれ、請求項8〜11,12に
対応する。さらに、(24)項が請求項13に対応し、(29)
項が請求項14に対応し、(30)項が請求項15に対応す
る。また、(35)項、(36)項が請求項16,17に対応す
る。さらに、(42)項〜(44)項が請求項18〜20に対応
し、(47)項、(50)項がそれぞれ請求項21,22に対応
する。また、(52)項、(53)項がそれぞれ請求項23,2
4に対応する。さらに、(54)項が請求項25に対応し、
(56)項〜(58)項が請求項26〜28に対応し、(59)項が
請求項29に対応する。また、(61)項、(63)項が請求項
30,31に対応し、(69)項〜(71)項が請求項32〜3
4に対応する。さらに、(77)項、(80)項、(81)項がそれ
ぞれ請求項35,36,37に対応する。
【0006】(1) ブレーキ本体に保持された摩擦係合
部材がブレーキ回転体に押し付けられ、車輪の回転を抑
制するブレーキと、前記ブレーキ本体を前記ブレーキ回
転体の近傍の車体側固定部材にブレーキ回転体の周方向
に移動可能に保持するブレーキ本体保持装置と、前記ブ
レーキ本体の移動に基づいて液圧を発生させる液圧発生
装置とを含むブレーキ装置。摩擦係合部材が回転中のブ
レーキ回転体に押し付けられると、これらの間に摩擦力
が生じ、この摩擦力により摩擦係合部材がブレーキ回転
体の回転を抑制する。また、ブレーキ本体には、ブレー
キ回転体の回転方向と同じ方向に連れ回り力が作用す
る。この連れ回り力は、摩擦係合部材がブレーキ回転体
に加える摩擦力と大きさが同じで、向きが逆向きの力で
ある。上記摩擦力は、摩擦係合部材のディスクロータへ
の押付力にこれらの間の摩擦係数μを掛けた大きさであ
って、ブレーキ回転体の接線方向(回転方向と逆向き)
の力である。以下、本明細書においては、「接線方向」
は「ほぼ周方向」に包含される方向の一つとする。本項
に記載のブレーキ装置においては、摩擦係合部材を保持
するブレーキ本体が車体側固定部材にブレーキ回転体の
ほぼ周方向に相対移動可能に保持されている。そのた
め、ブレーキの作動によってブレーキ本体がブレーキ回
転体の回転方向の連れ回り力によって、車体側固定部材
に対してブレーキ回転体のほぼ周方向に相対移動させら
れる。このブレーキ本体の移動に基づいて液圧発生装置
に液圧が発生させられるのであり、液圧発生装置の液圧
は、連れ回り力、すなわち、摩擦力に応じた大きさにな
る。車体側固定部材は、例えば、車輪とともには回転し
ないサスペンション装置の構成部材またはその構成部材
に相対回転不能に取り付けられた部材とすることができ
る。サスペンション構成部材は、ブレーキが前輪に設け
られたものである場合には、ステアリングナックルとす
ることができ、後輪に設けられたものである場合には、
リヤアクセルハウジングとすることができる。ブレーキ
回転体の近傍に位置するものを利用することが望まし
い。 (2)前記ブレーキ回転体が、車輪と一体的に回転可能な
概して円盤状のディスクロータであり、前記ブレーキ
が、前記摩擦係合部材が前記ディスクロータの板面に押
付装置によって押し付けられるディスクブレーキである
(1)項に記載のブレーキ装置。摩擦係合部材がディスク
ロータに押し付けられることによって、これらの間に摩
擦力が発生させられ、ディスクロータの回転が抑制され
る。押付装置は、液圧シリンダ等を含むものであって
も、電動モータや圧電素子等を含むものであってもよ
い。摩擦係合部材が液圧によってディスクロータに押し
付けられる液圧ブレーキであっても、電力によって押し
付けられる電動ブレーキであってもよいのである。ま
た、液圧シリンダ、電動モータ等は、ディスクロータの
両側にそれぞれ設けても、いずれか一方の側に設けても
よい。ディスクブレーキにおいては、押付装置の本体
(キャリパ)がブレーキ本体に対応する場合や、押付装
置を保持する保持部材(マウンティングブラケット)が
ブレーキ本体に対応する場合がある。キャリパ固定型の
場合にはキャリパをブレーキ本体とすることができ、キ
ャリパ浮動型の場合にはキャリパを軸方向に移動可能に
保持するマウンティングブラケットやトルクメンバ等が
ブレーキ本体とされる。 (3)前記ブレーキ回転体が、車輪と一体的に回転可能な
ドラムであり、前記ブレーキが、前記摩擦係合部材が前
記ドラムの内周面に押付装置によって押し付けられるド
ラムブレーキである(1)項に記載のブレーキ装置。ブレ
ーキシューがバッキングプレートに固定の固定部材(ア
ンカ)に拡開、縮径可能に保持される。ブレーキシュー
が押付装置によって拡開させられることによって、外周
面に保持された摩擦係合部材がドラムの内周面に押し付
けられ、これらの間の摩擦力によりドラムの回転が抑制
される。ドラムブレーキにおいては、ブレーキ本体とし
てのバッキングプレートが車体側固定部材に周方向に移
動可能にブレーキ本体保持装置によって保持される。
【0007】(4)前記液圧発生装置の本体を、車体側固
定部材に少なくとも前記ブレーキ回転体のほぼ周方向に
相対移動不能に保持する液圧発生装置保持装置を含む
(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載のブレーキ装
置。液圧発生装置の本体は、車体側固定部材にほぼ周方
向に相対移動不能に保持され、ブレーキ本体は車体側固
定部材にほぼ周方向に相対移動可能に保持される。した
がって、ブレーキ本体がほぼ周方向に相対移動させられ
れば、ブレーキ本体と液圧発生装置との相対位置関係が
変わる。これらが接近したり、離間したりするのであ
り、それによって、液圧発生装置に引張力が加えられた
り、押付力が加えられたりする。液圧発生装置には、こ
れら引張力や押付力に応じた液圧が発生させられる。ま
た、これら引張力や押付力は、摩擦係合部材とブレーキ
回転体との間の摩擦力に比例する大きさであり、液圧発
生装置の液圧に基づけば、摩擦力を検出することがで
き、制動力を検出することができる。なお、液圧発生装
置が保持される車体側固定部材と、ブレーキ本体が保持
される車体側固定部材とは同一部材であっても異なる部
材であってもよい。いずれにしても、ブレーキ本体の周
方向の移動によって、ブレーキ本体と液圧発生装置との
相対位置関係が変わる。 (5)前記ブレーキ本体と前記液圧発生装置との間に設け
られ、ブレーキ本体の移動による駆動力を液圧発生装置
に伝達する駆動伝達装置を含む(1)項ないし(4)項のいず
れか1つに記載のブレーキ装置。駆動伝達装置は、ブレ
ーキ本体と液圧発生装置との間の連結装置を含むものと
することができる。液圧発生装置が可変容積室と容積変
化部材(移動部材)とを含む場合において、ブレーキ本
体と容積変化部材とが直接連結される場合や、ブレーキ
本体と容積変化部材とが連結部材を介して連結される場
合等がある。いずれにしても、これら連結装置の構造に
よって、摩擦係合部材とブレーキ回転体との間の摩擦力
の大きさと液圧発生装置の液圧に応じた力の大きさとの
関係(例えば、比例定数)が決まる。例えば、ブレーキ
本体の移動量ΔLと容積変化部材の移動量ΔMとが同じ
になる状態で連結された場合には、可変容積室の液圧に
よる力Fpと摩擦係合部材とブレーキ回転体との間の摩
擦力Fμとが同じになる。また、ブレーキ本体の移動量
ΔLの容積変化部材の移動量ΔMに対する比率(伝達
比:ΔL/ΔM)がγとなる状態で連結された場合に
は、可変容積室の液圧による力Fpの摩擦力Fμに対す
る比率(Fp/Fμ)がγとなる。〔発明の実施の形
態〕における場合のように、液圧発生装置としての液圧
シリンダが、それの軸線が摩擦係合部材がブレーキ回転
体に押し付けられる位置におけるブレーキ回転体の接線
方向と平行な状態で設けられれば、上記比率が1とな
る。 (6)前記液圧発生装置が、作動液が液密に収容され、前
記ブレーキ本体の移動に基づいて容積が変化させられる
可変容積室を含む(1)ないし(5)項のいずれか1つに記載
のブレーキ装置。可変容積室の容積が前記ブレーキ本体
のほぼ周方向の移動に基づいて変化させられる。可変容
積室内には、摩擦力に応じた高さの液圧が発生させられ
る。可変容積室を備えた液圧発生装置は、例えば、液圧
シリンダとすることができる。液圧シリンダに液密かつ
摺動可能に嵌合されたピストンがブレーキ本体のほぼ周
方向の移動に基づいて移動させられ、その移動に伴って
液圧室の容積が変化させられ、それに応じた液圧が発生
させられる。また、液圧発生装置はベローズ等を含むも
のとすることができる。ベローズがブレーキ本体の移動
に基づいて伸縮させられ、それによって、ベローズの内
側の容積が変化させられ、摩擦力に応じた液圧が発生さ
せられる。可変容積室は、ベローズの内側に設けても外
側に設けてもよい。
【0008】(7)外部から加えられる外部駆動力と、前
記液圧発生装置に発生させられた液圧に基づく液圧助勢
力とに基づいて作動させられる駆動部材を備えた液圧助
勢アクチュエータを含み、その駆動部材の出力に基づい
て、前記摩擦係合部材を前記ブレーキ回転体に押し付け
る制御・駆動装置を設けた(1)項ないし(6)項のいずれか
1つに記載のブレーキ装置。本項に記載のブレーキ装置
においては、摩擦係合部材がブレーキ回転体に駆動部材
の出力に基づいて押し付けられるのであるが、駆動部材
には、少なくとも、外部から加えられる外部駆動力と液
圧発生装置において発生させられた液圧に基づく液圧助
勢力とが加えられる。液圧発生装置において発生させら
れたサーボ圧が利用されるのである。このように、液圧
助勢力が加えられるようにすれば、駆動部材の出力が同
じ場合において、液圧助勢力が加えられない場合より外
部駆動力を小さくすることができる。また、外部駆動力
が同じである場合には、液圧助勢力が加えられる分だ
け、駆動部材の出力を大きくすることができる。摩擦係
合部材は駆動部材によって直接ブレーキ回転体に押し付
けられる場合や、他の部材、作動液等を介して間接的に
押し付けられる場合がある。いずれにしても、駆動部材
の出力に基づいて押し付けられる。外部駆動力は、運転
者によるブレーキ操作力としたり、動力駆動源による動
力によって加えられる動力駆動力としたりすることがで
きる。動力駆動力には、電力に基づく電磁駆動力や動力
によって発生させられる気圧や液圧等の流体圧に応じた
流体圧駆動力等が該当する。駆動部材に動力駆動力とし
ての外部駆動力が加えられる場合において、動力駆動力
を小さくすることができれば、その分、消費エネルギを
低減することができる。また、必要な動力駆動力の最大
値を小さくすることができれば、動力駆動源自体を小形
化することができる。なお、制御・駆動装置は、液圧助
勢力を駆動部材に加える液圧助勢装置を含むものと考え
ることができる。 (8)前記制御・駆動装置が、前記外部駆動力と前記液圧
助勢力との少なくとも一方を制御することによって、前
記押付力を制御する押付力制御装置を含む(7)項に記載
のブレーキ装置。押付力は、外部駆動力と液圧助勢力と
の少なくとも一方を制御することによって制御すること
ができる。これらの両方をそれぞれ制御することも可能
であるが、いずれか一方を制御する方が、制御を容易に
することができる。また、外部駆動力と液圧助勢力との
いずれか一方が主として制御され、他方が補助的に制御
されるようにすることができる。例えば、制御精度が高
い方、精度が容易な方が優先的に制御されるようにする
ことが望ましい。 (9)前記押付力制御装置が、前記液圧助勢力を、当該ブ
レーキ装置が搭載された車両の状態を表す車両状態量と
運転者によるブレーキ操作部材の操作状態を表すブレー
キ操作状態量との少なくとも一方に基づいて電気的に制
御する液圧助勢力制御装置を含む(8)項に記載のブレー
キ装置。 (10)前記液圧助勢力制御装置が、前記液圧助勢力の要
求の程度である要求度をを取得する液圧助勢力要求度取
得部を含み、その液圧助勢力要求度取得部によって取得
された要求度に応じて液圧助勢力を制御する(9)項に記
載のブレーキ装置。押付力が液圧助勢力の制御により制
御される。本項に記載の発明は、外部駆動力が一定の場
合、運転者によるブレーキ操作力が外部駆動力として加
えられる場合等、外部駆動力がブレーキ装置内では制御
不能な場合等に適用すると効果的である。液圧助勢力制
御装置によって液圧助勢力の大きさが制御されるのであ
り、液圧発生装置のサーボ圧が制御されて、利用される
ことになる。ブレーキ操作状態を表すブレーキ操作状態
量には、例えば、ブレーキ操作部材の操作力,操作スト
ローク等の操作量、操作量の変化速度,変化加速度,増
加傾向にあること(例えば、1),減少傾向にあること
(例えば、0)等変化状態を表す変化状態量等が該当す
る。車両の状態を表す車両状態量には、例えば、車両の
走行状態を表す走行状態量、車両の環境を表す走行環境
量、車両自体あるいは車両の構成装置の状態を表す量が
該当する。走行状態量には、車両の走行速度、車輪のス
リップ状態を表すスリップ状態量、前後減速度、横減速
度、ヨーレイト、前輪舵角、後輪舵角、ロールレイト等
が該当し、走行環境量には、周辺の物体との相対位置関
係を表す量、路面の摩擦係数等の路面状態量等が該当す
る。車両の構成装置には、ブレーキ装置のみならず、駆
動装置、サスペンション装置、ステアリング装置等も含
ませることができる。ステアリング装置には、前輪操舵
装置、後輪操舵装置等が含まれる。さらに、これらブレ
ーキ装置の構成装置である電気的駆動源、液圧発生装置
等、ステアリング装置のパワーステアリング機構、ステ
アリングホイール等の操作部材等も構成装置であると考
えることができる。これら構成装置の状態量には、これ
ら構成装置が正常であるか(例えば、0)異常である
(例えば、1)等を表す状態量、これら構成装置が作動
状態にある場合の作動量等が該当する。具体的には、ブ
レーキ装置の構成要素である液圧発生装置のサーボ圧、
ブレーキ装置の構成要素である電気的駆動源が正常であ
るか異常であるかを表す量、ステアリングホイールの操
舵角度等がある。これらブレーキ操作状態量や車両状態
量に基づけば、摩擦係合部材のブレーキ回転体への押付
力の目標値を決定したり、大きな押付力が必要であるか
否か、押付力が早急に必要であるか否か等の要求状態を
取得したり、液圧発生装置のサーボ圧を利用することが
有効であるか否か等の情報を取得したりすることができ
る。例えば、ブレーキ操作量が大きい場合には小さい場
合より押付力の目標値を大きくすることができる。ま
た、操作量の増加速度が大きい場合や前方物体との接近
速度が大きい場合には緊急状態であって、押付力を早急
に増加させる必要があることがわかる。さらに、車輪の
制動スリップ傾向が大きい場合には、大きな押付力は不
要であることがわかる。また、液圧発生装置のサーボ圧
が設定値以上の場合には、液圧発生装置のサーボ圧を有
効に利用し得る状態であるとすることができる。さら
に、外部駆動力が十分に得られない異常が生じた場合に
も液圧助勢力の必要性が高くなったとすることができ
る。外部駆動力が動力の供給によって加えられる動力駆
動力を含む場合において、動力駆動源に異常が生じた場
合が該当する。例えば、マスタシリンダの加圧ピストン
に運転者によるブレーキ操作力が電磁ブースタやバキュ
ームブースタによって倍力されて加えられる場合におい
て、電磁ブースタやバキュームブースタに異常が生じた
場合等が該当する。これらの場合に液圧助勢力を大きく
すれば、駆動部材の出力の低下を抑制することができ
る。液圧助勢力を、ブレーキ操作状態量と車両の状態量
との少なくとも一方に基づいて制御することは妥当なこ
とである。
【0009】(11)前記押付力制御装置が、前記外部駆
動力を、当該ブレーキ装置が搭載された車両の状態を表
す車両状態量と運転者によるブレーキ操作部材の操作状
態を表すブレーキ操作状態量との少なくとも一方に基づ
いて電気的に制御する外部駆動力制御装置を含む(8)項
ないし(10)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。押
付力が外部駆動力の制御によって制御される。本項に記
載の発明は、液圧助勢力が一定の場合、制御不能な場合
等に適用することが有効である。外部駆動力が動力の供
給によって加えられる動力駆動力を含む場合には、供給
動力を制御する供給動力制御装置を備えているのが普通
であり、この供給動力制御装置によれば、外部駆動力を
制御することができる。また、液圧助勢力が最大の状態
で、外部駆動力の制御によって、不足分が補われるよう
に制御されれば、外部駆動力の液圧助勢力に対する比率
を小さくすることができる。さらに、サーボ圧に基づく
液圧制御が行われる場合より制御精度を高くすることが
できる。なお、摩擦係合部材がブレーキ回転体に前記駆
動部材によって直接押し付けられるものではない場合に
は、制御・駆動装置が、外部駆動力や液圧助勢力の制御
とは別に、押付力を制御可能なブレーキ力制御装置を含
むものとすることができる。例えば、アンチロック制御
時等にブレーキ力を制御するアンチロック制御装置を含
むものとし、アンチロック制御装置を利用してブレーキ
力が制御されるようにすることができる。 (12)前記押付力制御装置が、前記液圧助勢力の前記外
部駆動力に対する比率を、当該ブレーキ装置が搭載され
た車両の状態を表す車両状態量と運転者によるブレーキ
操作部材の操作状態を表すブレーキ操作状態量との少な
くとも一方に基づいて決定する比率決定部を含む(8)項
ないし(11)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。液
圧助勢力の外部駆動力に対する比率(液圧助勢力/外部
駆動力)を高くすれば、外部駆動力が動力駆動源から供
給される動力によって加えられる力を含む場合には、消
費動力の低減を図ることができる。また、外部駆動力が
運転者によるブレーキ操作力を含む場合には、比率を制
御することによって倍力率を制御することができる。比
率は0または1とすることができる。
【0010】(13)前記制御・駆動装置が、前記液圧発
生装置の液圧を検出する液圧検出装置と、その液圧検出
装置による検出液圧に基づいて前記ブレーキの制動トル
クを取得する制動トルク取得部とを含む制動トルク検出
装置を含む(7)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の
ブレーキ装置。本項に記載のブレーキ装置においては、
摩擦係合部材を保持するブレーキ本体が車体側固定部材
にブレーキ回転体のほぼ周方向に相対移動可能に保持さ
れている。そのため、ブレーキの作動によってブレーキ
本体がブレーキ回転体の回転方向の連れ回り力によっ
て、車体側固定部材に対してブレーキ回転体のほぼ周方
向に相対移動させられる。このブレーキ本体の移動に基
づいて液圧発生装置にサーボ圧が発生させられるのであ
り、液圧発生装置のサーボ圧は、連れ回り力、すなわ
ち、摩擦力に応じた大きさになる。ブレーキ回転体の回
転を抑制する制動力は、摩擦力と大きさおよび向きが同
じ力である。したがって、サーボ圧に基づけば制動力を
検出することができるのであり、制動力に作用半径(摩
擦係合部材がブレーキ回転体に押し付けられる位置の半
径)を乗じた値が制動トルクとなる。本項に記載の制動
トルク検出装置においては、制動トルクが液圧発生装置
のサーボ圧に基づいて検出される。連れ回り力を検出し
て、その検出された力に基づいて制動トルクが検出され
る場合より、制動トルクを信頼性高く検出することがで
きる。なお、上述のように、制動トルクは制動力に比例
する値であるため、制動トルクを検出することと、制動
力を検出することとは実質的に同じことであり、本発明
の制動トルク検出装置には制動力検出装置が含まれるも
のとする。 (14)前記制御・駆動装置が、前記制動トルク検出装置
によって取得された制動トルクに基づいて押付力を制御
する押付力制御装置を含む(13)項に記載のブレーキ装
置。制動トルク検出装置によって検出された制動トルク
に基づいて押付力を制御することは妥当なことである。
また、制動トルク検出装置によって取得された制動トル
クと、液圧発生装置のサーボ圧とに基づいて前記押付力
を制御することもできる。サーボ圧が検出される液圧発
生装置と制動トルクが検出される液圧発生装置とは同じ
ものであっても異なったものであってもよい。 (15)前記制御・駆動装置が、前記制動トルク検出装置
によって取得された実際の制動トルクが目標制動トルク
に近づくように、前記外部駆動力と液圧助勢力との少な
くとも一方を制御する制動トルク対応押付力制御装置を
含む(13)項または(14)項に記載のブレーキ装置。実際の
制動トルクが目標制動トルクに近づくように制御されれ
ば、運転者の意図する制動状態に制御することができ
る。目標制動トルクは、目標押付力と同様に、ブレーキ
操作状態量や車両状態量等に基づいて決定することがで
きる。
【0011】(16)前記液圧助勢アクチュエータが、前
記駆動部材が液密かつ摺動可能に嵌合されたハウジング
と、そのハウジング内の駆動部材後方に形成された後方
液圧室とを含み、その後方液圧室の液圧に応じた液圧助
勢力が駆動部材に加えられるものである(7)項ないし(1
5)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。本項に記載
のブレーキ装置においては、後方液圧室の液圧に応じた
液圧助勢力が駆動部材に加えられる。
【0012】(17)前記制御・駆動装置が、前記後方液
圧室の液圧を制御する後方液圧制御装置を含む(16)項に
記載のブレーキ装置。後方液圧室の液圧を制御すること
によって駆動部材に加えられる液圧助勢力を制御するこ
とができる。本項に記載のブレーキ装置においては、利
用液圧が変更される。 (18)前記後方液圧制御装置が、電流の供給により作動
させられる1つ以上の電磁液圧制御弁と、それら1つ以
上の電磁液圧制御弁への供給電流の制御により前記後方
液圧室の液圧を制御する供給電流制御部とを含む(17)項
に記載のブレーキ装置。後方液圧室の液圧は、電磁液圧
制御弁の制御により制御することができる。電磁液圧制
御弁は、供給電流のON・OFFにより開閉させられる
電磁開閉弁としたり、供給電流に応じて前後の差圧を制
御可能なリニア液圧制御弁としたりすることができる。
【0013】(19)前記制御・駆動装置が、前記液圧発
生装置から前記後方液圧室への液圧の供給状態を制御す
る供給状態制御装置を含む(16)項ないし(18)項のいずれ
か1つに記載のブレーキ装置。後方液圧室に液圧発生装
置からサーボ圧が供給されない場合には、駆動部材に液
圧助勢力が加えられないことになる。供給状態制御装置
によれば、液圧助勢力が加えられる状態と加えられない
状態とに切り換えることができるのであり、サーボ圧の
利用時期を変更することができる。 (20)前記供給状態制御装置が、前記液圧発生装置と前
記後方液圧室との間に設けられ、液圧発生装置から後方
液圧室への液圧の供給状態を制御可能な供給制御弁部
と、その供給制御弁部を制御する供給弁部制御部とを含
む(19)項に記載のブレーキ装置。サーボ圧の後方液圧室
への供給状態は、供給制御弁部の供給弁部制御部による
制御によって制御される。供給制御弁部は、前述の後方
液圧制御装置の構成要素である電磁液圧制御弁等を利用
することができる。
【0014】(21)前記供給弁部制御部が、前記車両の
状態を表す車両状態量と運転者によるブレーキ操作部材
の操作状態を表すブレーキ操作状態量との少なくとも一
方に基づいて前記供給制御弁部を制御する(20)項に記載
のブレーキ装置。例えば、サーボ圧必要条件が満たされ
た場合に、サーボ圧が後方液圧室に供給されるようにす
ることができ、サーボ圧必要条件が満たされたか否かを
車両状態量やブレーキ操作状態量に基づいて決定するこ
とができる。 (22)前記供給弁部制御部が、前記摩擦係合部材の前記
ブレーキ回転体への押付力の目標押付力が設定押付力以
上の場合と、前記液圧発生装置の液圧が設定圧以上の場
合との少なくとも一方の場合に、前記供給制御弁部を、
前記液圧発生装置から前記後方液圧室への液圧の供給を
許容する供給許容状態とする設定状態以上時供給許容部
を含む(20)項または(21)項に記載のブレーキ装置。サー
ボ圧が必要であるか否かは、運転者によるブレーキ操作
状態量や車両の状態量等に基づいて検出することができ
る。サーボ圧が必要な場合には、サーボ圧が供給される
ようにする。また、十分なサーボ圧が発生している場合
であって、有効に利用することが望ましい場合にもサー
ボ圧が供給されるようにすることが望ましい。サーボ圧
が十分に高い場合は、ブレーキ本体の連れ回り力が大き
いのであり、大きな力でブレーキが作動させられた場合
または大きなブレーキ力が必要な場合であるとみなすこ
とができる。 (23)前記駆動部材に動力駆動源の駆動による外部駆動
力が加えられ、前記供給弁部制御部が、前記駆動部材に
加えられる外部駆動力が設定値以下の場合に、前記供給
制御弁部を供給状態とする(20)項ないし(22)項のいずれ
か1つに記載のブレーキ装置。外部駆動力が小さい場合
に液圧助勢力が加えられれば、駆動部材の出力を低下す
ることができる。例えば、電磁ブースタやバキュームブ
ースタが異常の場合には、マスタシリンダに加えられる
外部駆動力が小さくなる。電気的駆動源が異常の場合に
は、電動式液圧シリンダの加圧ピストンや電動ブレーキ
の押圧ピストンへ加えられる外部駆動力が小さくなる。
これらの場合に後方液圧室に液圧が供給されるようにす
れば、ブレーキ力の低下を抑制することができる。
【0015】(24)前記液圧発生装置が複数の車輪のブ
レーキにそれぞれ対応して設けられ、前記供給制御弁部
が、前記複数の液圧発生装置のうちの1つ以上から構成
される第1群の液圧発生装置から前記後方液圧室への液
圧の供給状態を制御する第1供給制御弁および別の1つ
以上から構成される第2群の液圧発生装置から前記後方
液圧室への液圧の供給状態を制御する第2供給制御弁を
含み、前記制御弁部制御部が、これら第1供給制御弁と
第2供給制御弁とを制御する(20)項ないし(23)項に記載
のブレーキ装置。第1群に属する1つ以上の液圧発生装
置と第2群に属する1つ以上の液圧発生装置とは、同じ
液圧発生装置を含んでも含まなくてもよい。第1群にも
第2群にも属する液圧発生装置がある場合には、第1群
に属するが第2群に属さない液圧発生装置と、第2群に
属するが第1群に属さない液圧発生装置とがそれぞれ少
なくとも1つずつあればよい。本項に記載のブレーキ装
置において、第1供給制御弁と第2供給制御弁とが制御
されれば、サーボ圧の供給元が変更される。第1供給制
御弁が供給許容状態とされれば、第1群に属する液圧発
生装置から後方液圧室にサーボ圧が供給され、第2供給
制御弁が供給許容状態とされれば、第2群に属する液圧
発生装置のサーボ圧が後方液圧室に供給される。また、
液圧発生装置のサーボ圧の利用時期が変更されると考え
ることができる。第1群、第2群のいずれか一方に属す
る液圧発生装置については、サーボ圧が利用される場合
と利用されない場合とが、制御弁部制御部によって変更
される。制御弁部制御部は、前述のように、第1供給制
御弁や第2供給制御弁を、ブレーキ操作状態量や車両状
態量に基づいて切り換えられるようにすることができ、
具体的には、第1群と第2群とで、液圧発生装置のサー
ボ圧が高い方の群の供給制御弁が供給許容状態にされる
ようにすることができる。 (25)前記制御・駆動装置が、前記制御弁部制御部によ
り、前記第2供給制御弁が、前記液圧発生装置から前記
後方液圧室への液圧の供給を阻止する供給阻止状態とさ
れた状態で、前記第2群に属する液圧発生装置の液圧に
基づいて前記複数の車輪の各々の制動トルクであると推
定する制動トルク推定装置を含む(24)項に記載のブレー
キ装置。ブレーキにおける摩擦係合部材とブレーキ回転
体との間の摩擦係数が同じであれば、車輪各々に発生す
る制動トルクの大きさの関係は決まり、予めわかってい
る。そのため、すべての車輪各々に発生させられる制動
トルクを検出しなくても、一部の車輪の制動トルクと、
すべての車輪の制動トルクの関係とに基づけば、すべて
の車輪の制動トルクをそれぞれ推定することができる。 (26)前記制御・駆動装置が、前記押付力を、前記制動
トルク推定装置によって推定された制動トルクと、前記
第1群に属し、第2群に属さない液圧発生装置の液圧と
に基づいて制御する(24)項または(25)項に記載のブレー
キ装置。後方液圧室に連通させられた液圧発生装置の液
圧に基づけば、液圧助勢力を求めることができる。制動
トルクと液圧助勢力とに基づいて押付力が制御されるよ
うにすれば、ブレーキ力を良好に制御することができ
る。
【0016】(27)前記第1供給制御弁が、前記前輪の
液圧発生装置から前記後方液圧室への液圧の供給状態を
制御する前輪用供給制御弁であり、前記第2供給制御弁
が、前記後輪の液圧発生装置から前記後方液圧室への液
圧の供給状態を制御する後輪用供給制御弁であり、前記
制御弁部制御部が、前記前輪用供給制御弁と後輪用供給
制御弁とを制御するものである(24)項ないし(26)項のい
ずれか1つに記載のブレーキ装置。本項に記載のブレー
キ装置においては、左右前輪の液圧発生装置からのサー
ボ圧の供給状態と左右後輪の液圧発生装置からのサーボ
圧の供給状態とが共通に制御される。2つの車輪の液圧
発生装置からのサーボ圧の供給状態が共通に制御される
のである。例えば、左右前輪と左右後輪とのいずれか一
方の液圧発生装置のサーボ圧が供給されて、他方の液圧
発生装置のサーボ圧が供給されなかったり、左右前輪お
よび左右後輪の両方のサーボ圧が供給されたり、両方か
ら供給されなかったりする。なお、左右前輪と左右後輪
とで供給状態が制御されるのに限らず、右側輪と左側輪
とでサーボ圧の供給状態が制御されるようにしたり、対
角位置にある2つの車輪の供給状態が共通に制御される
ようにしたりすることもできる。また、3つ以上の車輪
の液圧発生装置からのサーボ圧の供給状態が共通に制御
されるようにすることもできる。 (28)前記制御・駆動装置が、前記制御弁部制御部によ
り、前記後輪用供給制御弁が供給阻止状態とされ、か
つ、前記前輪用供給制御弁が供給許容状態とされた状態
で、前記後輪の液圧発生装置の液圧に基づいて前輪およ
び後輪の制動トルクを推定する後輪対応制動トルク推定
装置を含む(27)項に記載のブレーキ装置。本項に記載の
ブレーキ装置においては、液圧発生装置のサーボ圧が同
時に2つの異なる態様で利用される。制動トルクの検出
に利用される一方、液圧助勢力を加えるのに利用される
のである。 (29)前記制御・駆動装置が、前記後輪対応制動トルク
推定部によって推定された制動トルクと、前記前輪の液
圧発生装置の液圧とに基づいて前記摩擦係合部材のブレ
ーキ回転体への押し付け力を制御する制動トルク対応押
付力制御装置を含む(28)項に記載のブレーキ装置。 (30)前記制御弁部制御部が、前記前輪と後輪との少な
くとも一方の液圧発生装置の液圧が設定値以上の場合
に、前記前輪用供給制御弁を供給許容状態とし、前記後
輪用供給制御弁を供給阻止状態とする(27)項ないし(29)
項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。摩擦係合部材
とブレーキ回転体との間の摩擦係数が一定であれば、押
付力が大きくなるとサーボ圧が高くなる。そして、前輪
の方が後輪より大きな押付力が出力される。そのため、
液圧発生装置のサーボ圧が設定値以上の場合には、供給
元の液圧発生装置を前輪の液圧発生装置とすれば、高い
サーボ圧を供給することができ、供給先の要求を速やか
に満たすことができる。この場合には、後輪のサーボ圧
に基づいて制動トルクが検出されることになる。なお、
サーボ圧の大きさには関係なく、後輪の液圧発生装置の
サーボ圧に基づいて制動トルクが検出されるようにする
こともできる。後輪と前輪とでは、後輪の方が熱の発生
が小さく、フェードが生じ難い。そのため、液圧発生装
置のサーボ圧に基づいて制動トルクを検出するのには適
しているのである。 (31)前記制御・駆動装置が、前記制御弁部制御部によ
り、前記後輪用供給制御弁が供給許容状態とされ、か
つ、前記前輪用供給制御弁が供給阻止状態とされた状態
で、前記前輪の液圧発生装置の液圧に基づいて前輪およ
び後輪の制動トルクを推定する前輪対応制動トルク推定
装置を含む(27)項に記載のブレーキ装置。本項に記載の
ブレーキ装置においては、前輪の制動トルクと後輪のサ
ーボ圧とに基づいて押付力が制御されるようにすること
ができる。なお、(30)項に記載のブレーキ装置における
場合とは逆に、サーボ圧が設定値以下の場合に、前輪の
サーボ圧が供給されて、後輪のサーボ圧に基づいて制動
トルクが検出され、サーボ圧が設定値以上になった場合
に、逆に、前輪のサーボ圧に基づいて制動トルクが検出
され、後輪のサーボ圧が供給されるようにすることがで
きる。
【0017】(32)前記液圧発生装置が複数の車輪のブ
レーキにそれぞれ対応して複数設けられ、当該ブレーキ
装置が、これら複数の液圧発生装置から選択された1つ
以上から前記後方液圧室に液圧が供給される供給状態制
御装置を含む(24)項ないし(31)項のいずれか1つに記載
のブレーキ装置。本項に記載のブレーキ装置において
は、供給状態制御装置によって選択された液圧発生装置
から後方液圧室にサーボ圧が供給される。供給状態制御
装置は、複数の液圧発生装置から供給元の液圧発生装置
を1つ以上選択する供給元選択装置と、その供給元選択
装置によって選択された供給元の液圧発生装置からサー
ボ圧の後方液圧室への供給を許容する供給許容装置とを
含むものとすることができる。供給元の液圧発生装置
は、車両状態量やブレーキ操作状態量に基づいて選択す
ることができる。後方液圧室にサーボ圧を供給する供給
元の液圧発生装置は、1つであっても、2つ以上であっ
てもよく、すべての液圧発生装置が選択されることがあ
ってもよい。 (33)前記供給状態制御装置が、複数の液圧発生装置か
ら車両の状態を表す車両状態量と運転者によるブレーキ
操作部材の操作状態を表すブレーキ操作状態量との少な
くとも一方に基づいて供給元の1つ以上の液圧発生装置
を選択する供給元選択部を含む(32)項に記載のブレーキ
装置。
【0018】(34)前記制御・駆動装置が、液圧助勢ア
クチュエータを複数含み、これら液圧助勢アクチュエー
タそれぞれの駆動部材が、外部駆動力と前記後方液圧室
の液圧に応じた液圧助勢力とに基づいて作動させられる
ものである(16)項ないし(32)項のいずれか1つに記載の
ブレーキ装置。液圧助勢アクチュエータは、電動式液圧
シリンダとしたり、電動ブレーキの電動押付装置とした
り、マスタシリンダとしたりすることができる。 (35)前記制御・駆動装置が、前記液圧発生装置からこ
れら複数の液圧助勢アクチュエータのそれぞれの後方液
圧室へ向かう作動液の流量を制御する流量制御装置を含
む(34)項に記載のブレーキ装置。 (36)前記流量比率制御装置が、車両の状態を表す車両
状態量と運転者によるブレーキ操作部材の操作状態を表
すブレーキ操作状態量との少なくとも一方に基づいて、
前記比率を決定する比率決定部を含む(35)項に記載のブ
レーキ装置。 (37)前記制御・駆動装置に含まれる液圧助勢アクチュ
エータが2つであり、前記比率決定部が、前記ブレーキ
操作状態量と車両状態量との少なくとも一方に基づいて
前記比率を0または1に決定する(36)項に記載のブレー
キ装置。比率が0または1にされた場合には、2つの液
圧助勢アクチュエータのうちの一方にサーボ圧が供給さ
れ、他方に供給されない状態にされる。この場合には、
押付力の制御が簡単になる。また、制御が単純になるた
め、運転者によるブレーキフィーリングの低下を抑制す
ることが可能となる場合もある。 (38)前記制御・駆動装置が、前記複数の液圧助勢アク
チュエータの後方液圧室の液圧をそれぞれ制御する個別
後方液圧制御装置を含む(34)項ないし(37)項のいずれか
1つに記載のブレーキ装置。本項に記載のブレーキ装置
においては、複数の液圧助勢アクチュエータのそれぞれ
の後方液圧室の液圧を個別に制御することができる。ま
た、複数の液圧助勢アクチュエータの後方液圧室の液圧
が個別に制御されれば、複数の液圧助勢アクチュエータ
の駆動部材に加えられる液圧助勢力の比率を制御するこ
とができる。 (39)前記制御・駆動装置が、前記複数の液圧助勢アク
チュエータのうちの選択された供給先に前記液圧発生装
置から液圧を供給する供給先選択・供給装置を含む(34)
項ないし(38)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
供給先選択・供給装置は、複数の液圧助勢アクチュエー
タから供給先の液圧助勢アクチュエータを選択する液圧
助勢アクチュエータ選択部と、その液圧助勢アクチュエ
ータ選択部によって選択された液圧助勢アクチュエータ
に液圧の供給を許容する液圧供給許容装置とを含むもの
であると考えることができる。例えば、複数の液圧助勢
アクチュエータのうちで異常が検出されたものがある場
合には、その異常が検出された液圧助勢アクチュエータ
を除く液圧助勢アクチュエータの少なくとも1つに液圧
が供給されるようにすることができる。異常が検出され
た液圧助勢アクチュエータにサーボ圧を供給しても十分
な効果が得られないからである。
【0019】(40)前記液圧助勢アクチュエータが、前
記駆動部材の後方に設けられ、前記外部駆動力を駆動部
材に軸方向の力として加える入力部材を含む(7)項ない
し(39)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。入力部
材は、駆動部材と一体的に設けられたものであっても、
別体として設けられた別部材であってもよい。別部材の
場合には、駆動部材に外部駆動力を伝達可能な状態で設
けられればよく、連結されても、単に当接させられても
よい。 (41)前記入力部材が、前記駆動部材の前記後方液圧室
と同じ側に設けられた(40)項に記載のブレーキ装置。入
力部材は、例えば、後方液圧室を貫通する状態で設けら
れる。駆動部材には、外部駆動力と液圧助勢力とが、駆
動部材を前進させる方向に加えられる。入力部材は駆動
部材と同軸に設けることができる。
【0020】(42)前記制御・駆動装置が、(a)液圧に
より前記摩擦係合部材を前記ブレーキ回転体に押し付け
るブレーキシリンダと、(b)ハウジングと、そのハウジ
ングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記外部駆動力が
加えられる加圧ピストンと、その加圧ピストンの後方に
設けられ、前記液圧発生装置に接続された後方液圧室
と、前記加圧ピストンの前方に設けられた加圧室とを含
み、その前方の加圧室の液圧を前記ブレーキシリンダに
供給可能な液圧シリンダとを含み、その液圧シリンダが
前記液圧助勢アクチュエータとして機能し、前記加圧ピ
ストンが前記駆動部材として機能する(7)項ないし(41)
項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。加圧ピストン
には外部駆動力と液圧助勢力とが加えられ、これらの和
に応じた高さの液圧が前方の加圧室に発生させられる。
前方の加圧室の液圧はブレーキシリンダに供給されて、
ブレーキが作動させられる。 (43)前記液圧シリンダに含まれる前記加圧ピストンが
ブレーキ操作部材に連携させられ、運転者によるブレー
キ操作力に応じた力が前記外部駆動力として、前記後方
液圧室の液圧に応じた力が液圧助勢力として加えられ、
その液圧シリンダがマスタシリンダを構成している(42)
項に記載のブレーキ装置。液圧シリンダは、例えば、マ
スタシリンダとすることができる。マスタシリンダにお
いては、加圧ピストンの後方に後方液圧室が設けられ、
サーボ圧が供給される。後方液圧室の液圧に応じた液圧
助勢力が加えられる。 (44)前記制御・駆動装置が、(c)電動式駆動源を含
み、その電動式駆動源により前記マスタシリンダの加圧
ピストンに電磁助勢力を加える電磁ブースタと、(d)前
記マスタシリンダの加圧ピストンに第1室と第2室との
差圧に基づく負圧助勢力を加えるバキュームブースタと
の少なくとも一方を含む(43)項に記載のブレーキ装置。
電磁ブースタやバキュームブースタを設ければ、加圧ピ
ストンに加えられる外部駆動力を大きくすることができ
る。この場合には、運転者によるブレーキ操作力と電磁
助勢力と負圧助勢力とのいずれか一方との和がブレーキ
操作力に応じた力に対応し、外部駆動力に対応する。 (45)前記制御・駆動装置が、前記後方液圧室の液圧に
基づく液圧助勢力の前記電磁ブースタによる電磁助勢力
とバキュームブースタによる負圧助勢力との少なくとも
一方に対する比率を制御する比率制御部を含む(44)項に
記載のブレーキ装置。本項に記載のブレーキ装置におい
ては、マスタシリンダに複数の助勢力が加えられる。こ
の場合において、液圧助勢力の電磁助勢力や負圧助勢力
に対する比率が制御される。液圧助勢力の比率が大きく
されれば、電磁助勢力を小さくすることができ、倍力率
が同じである場合に要する動力源の動力を少なくするこ
とができる。比率は、車両状態量とブレーキ操作状態量
との少なくとも一方に基づいて決定することができる。
【0021】(46)前記制御・駆動装置が、前記液圧発
生装置と前記マスタシリンダの後方液圧室との間に設け
られた供給制御弁部と、前記電磁ブースタの電気駆動装
置とバキュームブースタとの少なくとも一方に異常が生
じた場合に、前記供給制御弁部を、前記液圧発生装置か
ら前記マスタシリンダの後方液圧室への液圧の供給を許
容する供給許容状態とするブースタ異常時供給許容部を
含む(44)項または(45)項に記載のブレーキ装置。本項に
記載のブレーキ装置においては、電磁ブースタやバキュ
ームブースタの異常時にも液圧助勢力を加えることがで
きるため、マスタシリンダの加圧室の液圧の低下を抑制
することができる。
【0022】(47)前記制御・駆動装置が、電気的駆動
源を含み、前記液圧シリンダに含まれる前記加圧ピスト
ンがその電気的駆動源の出力部材に連携させられ、その
電気的駆動源による駆動力を前記外部駆動力として、ま
た、前記後方液圧室の液圧に応じた力を液圧助勢力とし
て受け、前記液圧シリンダが電動式液圧シリンダを構成
している(42)項ないし(46)項のいずれか1つに記載のブ
レーキ装置。電動式液圧シリンダによれば、運転者によ
るブレーキ操作状態とは関係なく、例えば、ブレーキ操
作部材が操作されていなくても、ブレーキシリンダに液
圧を供給することができる。 (48)前記電気的駆動源が電動モータであり、前記制御
・駆動装置が、前記電動モータの出力軸の回転を軸方向
の移動に変換して、前記加圧ピストンに加える駆動伝達
装置を含む(47)項に記載のブレーキ装置。駆動伝達装置
は、ボールねじ機構を含むものとすることができる。ボ
ールねじ機構は、逆効率が高いものであるため、電動モ
ータが非作動状態にあっても、後方液圧室の液圧に基づ
く液圧助勢力によって加圧ピストンを前進させることが
できる。 (49)前記制御・駆動装置が、前記電動式液圧シリンダ
における後方液圧室からの作動液を、ブレーキ液圧を保
持する場合に阻止する流出阻止弁を含む(47)項または(4
8)項に記載のブレーキ装置。後方液圧室からの作動液の
流出が阻止されれば、加圧ピストンの後退が阻止され
る。そのため、電動モータに電流を供給しなくても、加
圧ピストンの前方のk加圧室の液圧を保持することがで
きる。 (50)前記制御・駆動装置が、(a)液圧により前記摩擦
係合部材を前記ブレーキ回転体に押し付けるブレーキシ
リンダと、(b)ハウジングと、そのハウジングに液密か
つ摺動可能に嵌合され、運転者によるブレーキ操作力が
外部駆動力として加えられる加圧ピストンと、その加圧
ピストンの前方に設けられた加圧室とを含み、その前方
の加圧室の液圧を前記ブレーキシリンダに供給可能なマ
スタシリンダと、(c)これらマスタシリンダとブレーキ
シリンダとの間に設けられ、これらを連通させる連通状
態と、これらを遮断する遮断状態とに切り換え可能な遮
断弁とを含み、前記電動式液圧シリンダが、前記マスタ
シリンダとブレーキシリンダとの間の前記遮断弁よりブ
レーキシリンダ側に設けられた(47)項ないし(49)項のい
ずれか1つに記載のブレーキ装置。本項に記載のブレー
キ装置においては、ブレーキシリンダがマスタシリンダ
から遮断された状態で、ブレーキシリンダの液圧が電動
式液圧シリンダの制御により制御される。 (51)前記制動・駆動装置が、前記電動モータを、前記
遮断弁の遮断状態において制御する電動モータ制御部を
含む(50)項に記載のブレーキ装置。 (52)前記制御・駆動装置が、前記電動式液圧シリンダ
の電気的駆動源への供給電力と前記後方液圧室の液圧と
の少なくとも一方を制御することによって、前記ブレー
キシリンダの液圧を制御するブレーキ液圧制御装置を含
む(47)項ないし(51)項のいずれか1つに記載のブレーキ
装置。後方液圧室の液圧が決まっている場合、後方液圧
室の液圧を制御不能な場合等には電気的駆動源への供給
電力を制御することによってブレーキシリンダの液圧が
制御されるようにすることが妥当である。また、電気的
駆動源による電磁駆動力が一定の場合や制御不能な場合
等には、後方液圧室の液圧を制御することが妥当であ
る。例えば、前記後方液圧室と液圧発生装置との連通状
態で、電気的駆動源が制御されるようにすることができ
る。換言すれば、液圧助勢力では不足な場合に電気的駆
動源を作動させればよいのであり、供給動力を低減させ
ることができる。 (53)前記制御・駆動装置が、前記液圧発生装置と前記
電動式液圧シリンダの後方液圧室との間に設けられた供
給制御弁部と、前記電動式液圧シリンダの電気的駆動源
に異常が生じた場合に、前記供給制御弁部を、前記液圧
発生装置から後方液圧室への液圧の供給を許容する供給
許容状態とする異常時供給制御部とを含む(47)項ないし
(52)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。電気的駆
動源の異常時には加圧ピストンに電磁駆動力を付与する
ことができない。そのため、加圧ピストンの前方の加圧
室に十分な液圧を発生させることができない。この場合
に、後方液圧室にサーボ圧を供給すれば、加圧ピストン
に液圧助勢力を加えることができるため、加圧室の液圧
の低下を抑制することができる。
【0023】(54)前記制御・駆動装置が、電気的駆動
源と、その電気的駆動源により加えられる電磁駆動力に
より作動させられ、前記摩擦係合部材に対向して設けら
れた押圧ピストンと、その押圧ピストンの後方に設けら
れ、前記液圧発生装置に接続された後方液圧室とを備
え、その押圧ピストンにより、前記摩擦係合部材を前記
ブレーキ回転体に直接押し付ける電動式押付装置を含
み、その電動式押付装置が前記液圧助勢アクチュエータ
として、また、前記押圧ピストンが前記駆動部材として
機能する(7)項ないし(53)項のいずれか1つに記載のブ
レーキ装置。本項に記載のブレーキ装置においては、ブ
レーキが電動ブレーキであり、電動ブレーキの押圧部材
に液圧助勢力が加えられる。液圧助勢力が加えられる分
だけ、電気的駆動源による電磁駆動力を小さくすること
ができ、消費電力の低減を図ることができる。本項に記
載のブレーキ装置においては、電気的駆動源への供給電
力と後方液圧室の液圧との少なくとも一方を制御するこ
とによって、摩擦係合部材のブレーキ回転体への押圧力
を制御することができる。
【0024】(55)前記制御・駆動装置が、前記液圧発
生装置と前記電気押付装置の後方液圧室との間に設けら
れた供給制御弁と、前記電気的駆動源に異常が生じた場
合に、前記供給制御弁部を、前記液圧発生装置から後方
液圧室への液圧の供給を許容する供給許容状態とする電
気的駆動源異常時供給許容部とを含む(54)項に記載の
ブレーキ装置。本項に記載のブレーキ装置においては、
電気的駆動源の異常時にも液圧助勢力を加えることがで
きるため、電動ブレーキによる押付力の低下を抑制する
ことができる。その他、液圧助勢力が必要な場合に後方
液圧室にサーボ圧が供給されるようにすることができ
る。
【0025】(56)前記ブレーキが、液圧により前記摩
擦係合部材をブレーキ回転体に押し付けることにより前
記車輪の回転を抑制するブレーキシリンダを含み、当該
ブレーキ装置に、前記液圧発生装置を液圧源として、前
記ブレーキシリンダの液圧を電気的に制御する電気的液
圧制御部を設けた(1)項ないし(55)項のいずれか1つに
記載のブレーキ装置。本項に記載のブレーキ装置におい
ては、ブレーキシリンダの液圧が、液圧発生装置のサー
ボ圧を利用して電気的液圧制御部によって制御される。
液圧発生装置の利用液圧が制御されるのである。液圧発
生装置のサーボ圧がブレーキシリンダの液圧の制御に直
接利用される。 (57)当該ブレーキ装置が、ブレーキ操作部材に連携さ
せられた加圧ピストンを含み、加圧ピストンの前方の加
圧室の作動液を前記ブレーキシリンダに供給可能なマス
タシリンダと、前記マスタシリンダと前記ブレーキシリ
ンダとの間に、これらを連通させる連通状態と、これら
を遮断する遮断状態とに切り換え可能な遮断弁とを含
み、前記電気的液圧制御装置が、これらマスタシリンダ
とブレーキシリンダとの間の、前記遮断弁よりブレーキ
シリンダ側に設けられた(56)項に記載のブレーキ装置。 (58)前記ブレーキが、液圧により前記摩擦係合部材を
ブレーキ回転体に押し付けることにより前記車輪の回転
を抑制するブレーキシリンダを含み、当該ブレーキ装置
に、前記液圧発生装置から前記ブレーキシリンダへの液
圧の供給状態を電気的に制御する供給状態制御装置を設
けた(1)項ないし(57)項のいずれか1つに記載のブレー
キ装置。本項に記載のブレーキ装置においては、供給状
態制御装置の電気的な制御により、液圧発生装置のサー
ボ圧がブレーキシリンダに供給されたり、供給されなか
ったりすることができる。例えば、ブレーキシリンダに
サーボ圧が必要な場合に供給され、不要な場合に供給さ
れないようにすることができる。また、供給状態制御装
置は、ブレーキシリンダの液圧を制御する液圧制御装置
と共通の制御弁部を含むものとすることができる。さら
に、ブレーキ装置にブレーキシリンダが複数ある場合に
は、複数のブレーキシリンダと液圧発生装置との間の供
給状態が制御されるようにすることができる。この場合
に、複数のブレーキシリンダに対して同様に供給される
ようにすることは不可欠ではなく、複数のブレーキシリ
ンダのうちの1つ以上に供給され、他の1つ以上に供給
されないようにすることもできる。また、実施形態にお
いて説明するように、それぞれブレーキシリンダが接続
された2つの液圧室を同じ高さに制御する浮動ピストン
を含む伝達シリンダの一方の液圧室に供給されるように
することができる。このようにすれば、液圧発生装置の
液圧に基づいて、他方の液圧室に接続されたブレーキシ
リンダの液圧と一方の液圧室に接続されたブレーキシリ
ンダの液圧とを同じ高さに制御することができる。
【0026】(59)作動液を加圧した状態で蓄えるアキ
ュムレータと、そのアキュムレータに前記液圧発生装置
の作動液を導く作動液通路とを含む(1)項ないし(58)項
のいずれか1つに記載のブレーキ装置。本項に記載のブ
レーキ装置においては、液圧発生装置のサーボ圧がアキ
ュムレータに蓄えられる。また、アキュムレータに蓄え
られた液圧は、アクチュエータの作動に利用することが
できる。アクチュエータの作動に利用すれば、アクチュ
エータの作動力を大きくしたり、早急に作動させたりす
ることができるのであり、応答性を向上させることがで
きる。アクチュエータが動力駆動源による動力駆動力に
よって作動させられるものである場合には、動力駆動源
の容量を小さくすることができるため、小形化を図るこ
とができ、コストダウンを図ることができる。本項に記
載のブレーキ装置においては、液圧発生装置の液圧が間
接的にアクチュエータの作動に利用されることになる。
一端、アキュムレータに蓄えられた後に利用されるので
あり、液圧発生装置のサーボ圧が低くても、または、サ
ーボ圧が発生していなくても、アクチュエータにおける
液圧の要求に応じてアキュムレータに蓄えられた液圧を
利用することができる。例えば、ブレーキ操作初期にア
キュムレータからブレーキシリンダに液圧が供給される
ようにすれば、ブレーキ液圧を早急に増圧させることが
でき、効き遅れを小さくすることができる。また、ブレ
ーキ装置の電気系統の異常等により、ブレーキ液圧を十
分に高くすることができなくなった場合等にアキュムレ
ータから液圧が供給されるようにすることは有効であ
る。アキュムレータに蓄えられる時期と、アキュムレー
タの液圧が供給される時期とが異なることが多く、その
場合には、利用の用途と利用の時期とが異なることにな
る。例えば、車両が坂道に停止している状態において
は、重力により車輪を回転させようとするトルクが加え
られるため、制動トルクが生じ、液圧発生装置に液圧が
発生させられる。その液圧発生装置に発生させられた液
圧をアキュムレータに蓄えることは有効である。 (60)さらに、前記作動液通路に、前記液圧発生装置か
ら前記アキュムレータへの作動液の流れを許容し、逆向
きの流れを阻止する逆止弁を設けた(59)項に記載のブレ
ーキ装置。逆止弁によれば、液圧発生装置のサーボ圧が
アキュムレータ圧より高い場合に、液圧発生装置のサー
ボ圧をアキュムレータに蓄えることができる。また、ア
キュムレータの液圧の不要な低下を抑制することができ
る。このように、逆止弁を蓄圧状態制御弁と称すること
ができる。本項に記載のブレーキ装置には、アキュムレ
ータ圧が過大になることを防止する、過大液圧防止装置
を設けることが望ましい。本ブレーキ装置においては、
液圧発生装置のサーボ圧がアキュムレータ圧より高い
間、サーボ圧がアキュムレータに供給され続け、アキュ
ムレータの液圧が過大になるおそれがある。それに対し
て過大液圧防止装置を設ければ、サーボ圧が供給され続
けることを防止し、アキュムレータ圧が過大になること
を回避することができる。過大液圧防止装置は、例え
ば、アキュムレータにおいて、液圧室と高圧ガス室とを
仕切る仕切部材の移動限度を規定する移動限度規定部材
を含むものとしたり、逆止弁と直列に設けられた電磁開
閉弁を含むものとしたりすることができる。アキュムレ
ータ圧が設定値以上になった場合に電磁開閉弁を閉状態
とすれば、液圧発生装置の液圧がアキュムレータに供給
されることを阻止することができる。なお、アキュムレ
ータと供給先の装置との間に供給制御弁を設けることが
望ましい。アキュムレータの液圧を供給先の装置に供給
する場合に開状態に切り換えられるようにすれば、必要
に応じて液圧を供給することができ、アキュムレータ圧
の無駄な消費を抑制することができる。
【0027】(61)前記液圧発生装置において発生させ
られた液圧の利用の態様を変更可能な発生液圧利用装置
を含む(1)項ないし(60)項のいずれか1つに記載のブレ
ーキ装置。本項に記載のブレーキ装置においては、液圧
発生装置において発生させられた液圧の利用の態様が変
更可能である。サーボ圧の利用の態様の変更には、例え
ば、サーボ圧の用途の変更、利用のための供給先の装置
の変更、利用時期の変更、サーボ圧の供給元の変更、利
用されるサーボ圧の高さの変更等が該当する。利用の用
途には、アクチュエータの作動のための利用、制動トル
クの検出のための利用等が該当し、これら用途が変更さ
れる。液圧によって作動させられるアクチュエータは複
数あるのが普通であり、これらサーボ圧の供給先のアク
チュエータの変更も用途の変更に該当する。なお、用途
の変更と供給先の装置の変更とは、同じ場合と異なる場
合とがある。例えば、サーボ圧が制動トルクの検出に利
用される場合には、液圧発生装置のサーボ圧がいずれの
装置にも供給されない状態にされることが多い。この場
合には、サーボ圧が装置に供給されることによって利用
されるのではない。したがって、サーボ圧がアクチュエ
ータの作動に利用される場合と制動トルクの検出のため
に利用される場合とでは、供給先の装置が変更されたこ
とにはならない。また、サーボ圧がアキュムレータに供
給される場合において、アキュムレータへの供給がサー
ボ圧の利用であると考えることもサーボ圧の利用でない
と考えることも可能である。アキュムレータに供給した
ことはサーボ圧の利用ではなく、そのアキュムレータの
液圧がアクチュエータ等に供給されて初めて利用された
と考える場合には、サーボ圧がアキュムレータに供給さ
れる場合とアクチュエータに供給される場合とでは、供
給先の装置は変更されたが、利用の用途が変更されたと
いうことはできない。それに対して、ポンプ装置に代わ
って液圧発生装置の液圧がアキュムレータへ供給される
ことによってアキュムレータに液圧が蓄えられることに
なるため、アキュムレータへの供給も液圧発生装置のサ
ーボ圧の利用の一態様であると考える場合には、アキュ
ムレータへの供給とアクチュエータへの供給とで、供給
先の装置が変更され、かつ、利用の用途が変更されるこ
とになる。このように、供給先の装置が変更されること
と、利用の用途が変更されることとは同じとは限らない
のである。なお、アクチュエータには、ブレーキ装置に
含まれる前述のマスタシリンダ、ブレーキシリンダ、電
動式液圧シリンダ、電動ブレーキ等が該当するが、これ
らの他に、例えば、ステアリング装置のパワステアリン
グ装置、サスペンション装置の車高調節装置、ショック
アブソーバ等も含ませることができる。利用時期は、供
給先の状態に基づいて決まる場合や供給元の状態に基づ
いて決まる場合等がある。例えば、供給先の装置におい
て、予め定められた条件が満たされた場合(例えば、ア
クチュエータを早急に作動させる要求がある場合、アク
チュエータを大きな力で作動させる要求がある場合)等
に利用され、それ以外の場合は利用されないようにした
り、供給元の液圧発生装置のサーボ圧が設定値以上の場
合に利用され、設定値以下の場合に利用されないように
したりすることができる。供給元の変更には、例えば、
液圧発生装置が複数ある場合に、複数の液圧発生装置の
うちの一からの供給と別の一からの供給との変更、すべ
ての液圧発生装置からの供給とそのうちの一部からの供
給との変更等が該当する。供給元の液圧発生装置のグル
ープが異なればよいのであり、いずれのグループにも属
する共通の液圧発生装置があってもよい。また、ブレー
キ装置がアキュムレータを含み、そのアキュムレータに
液圧発生装置の液圧が蓄えられている場合において、ア
キュムレータからの供給と液圧発生装置からの供給との
変更も供給先の変更に該当する。アキュムレータの液圧
の方が液圧発生装置の液圧より高い場合には、アキュム
レータから液圧が供給される方が望ましい。例えば、ブ
レーキ操作初期等には、アキュムレータ圧の方が高いの
が普通である。供給液圧は、供給先において決められた
要求液圧(液圧の高さ)に応じて代わることが多い。供
給先の装置の液圧を変更することと、供給液圧を変更す
ることとは同じであると考えることができる。なお、液
圧発生装置の液圧の利用の態様は、上述のうちの1つの
態様に限らず、2つ以上の態様を組み合わせた態様で変
更されるようにすることもできる。 (62)前記発生液圧利用装置が、液圧の利用の態様を、
運転者による操作部材の操作状態を表す操作状態量と車
両の状態を表す車両状態量との少なくとも一方に基づい
て変更する利用態様変更部を含む(61)項に記載のブレー
キ装置。これらによれば、サーボ圧を供給することの要
求度、緊急度、有効性等がわかり、これらに基づいて利
用の態様を決定することは望ましいことである。なお、
運転者による操作部材には、ブレーキ操作部材に限ら
ず、ステアリングホイール等を含ませることができる。
また、これら利用の態様の変更は、供給元の都合に基づ
いて決定しても供給先の都合に基づいて決定してもよ
い。 (63)前記発生液圧利用装置が、前記液圧発生装置の液
圧の利用の時期、液圧の供給先、供給元、供給液圧の少
なくとも1つを変更する利用態様変更部を含む(61)項ま
たは(62)項に記載のブレーキ装置。液圧発生装置の液圧
の供給時期、供給先、供給元、供給液圧を変更する態様
は、「液圧の供給状態の変更」と称することができ、利
用態様変更部を供給状態変更部と考えることができる。
【0028】(64)前記発生液圧利用装置が、前記液圧
発生装置の液圧を受け入れ可能な複数の装置各々におけ
る液圧の必要性を取得する必要性取得部と、その必要性
取得部によって取得された複数の装置における液圧の必
要性に基づいて、複数の装置から1つ以上の供給先の装
置を決定する供給先決定部と、その供給先決定部によっ
て決定された1つ以上の供給先の装置に液圧発生装置の
液圧を供給する液圧供給部とを含む(61)項ないし(63)項
のいずれか1つに記載のブレーキ装置。本項に記載のブ
レーキ装置においては、供給先決定部によって決定され
た供給先の装置に液圧が供給される。供給先決定部によ
って決定される供給先の装置は常に同じであるわけでは
ないため、決定された装置にサーボ圧が供給されるよう
にすれば、供給先の装置が変更されることになる。供給
先の装置は、供給先の都合で決められることが望まし
い。例えば、複数の装置のうち、液圧の必要性(要求)
が最も高い装置としたり、必要性の高さが設定レベル以
上の1つ以上の装置としたり、必要が有るとされた装置
としたりすることができる。供給先の装置は、複数の装
置における液圧の必要性に基づいて相対的に決定して
も、絶対的な必要性の高さに基づいて決定してもよい。
決定される供給先の装置は1つであっても2つ以上であ
ってもよい。装置における液圧の必要性は、例えば、ア
クチュエータを作動させるのに要求される作動力の大き
さまたはその大きさに基づいて決まる必要性のレベルで
表すことができる。必要性のレベルは、必要な作動力が
大きいほど高くすることができる。また、アクチュエー
タを作動させる緊急度は、運転者によるブレーキ操作部
材の操作速度や前方物体との接近状態等に基づいて取得
することができるが、緊急度が高い場合に必要性のレベ
ルが高いとすることができる。 (65)前記発生液圧利用装置が、前記液圧発生装置の液
圧を受け入れ可能な予め定められた装置に供給する時期
を決定する供給時期決定部と、その供給時期決定部によ
って決定された供給時期に、前記液圧発生装置から液圧
を供給し、それ以外の場合は供給しない液圧供給部とを
含む(61)項ないし(64)項のいずれか1つに記載のブレー
キ装置。サーボ圧を供給する時期は、供給先の装置にお
ける液圧の必要性と、サーボ圧を供給することの有効性
との少なくとも一方に基づいて決定することができる。 (66)前記液圧発生装置が複数の車輪のブレーキにそれ
ぞれ設けられ、前記発生液圧利用装置が、前記液圧の供
給元の液圧発生装置を1つ以上決定する供給元決定部
と、その供給元決定部によって決定された液圧発生装置
から液圧を供給する液圧供給部とを含む(61)項ないし(6
5)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。供給元決定
部は、例えば、供給元を、供給可能なサーボ圧が最大の
液圧発生装置としたり、設定値以上の液圧発生装置とし
たり、供給可能なサーボ圧が高い方から2つ以上の液圧
発生装置としたりすることができる。また、安定してサ
ーボ圧を供給可能な液圧発生装置としたりすることがで
きる。いずれにしても、液圧発生装置の状態(例えば、
サーボ圧)に基づいて供給元が決定されるようにするこ
とが望ましい。 (67)前記発生液圧利用装置が、前記液圧発生装置の液
圧の供給先に、前記運転者による操作部材の操作状態と
車両の状態との少なくとも一方に基づいて決まる高さに
制御して供給する供給液圧制御部を含む(61)項ないし(6
6)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。供給液圧制
御部は、1つ以上の電磁制御弁を含むものとすることが
できる。 (68)前記発生液圧利用装置が、前記液圧発生装置の液
圧の利用の態様を電気的に変更するものである(61)項な
いし(67)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。例え
ば、サーボ圧の供給状態が電気的に変更されるようにす
ることができる。この場合には、1つ以上の電磁制御弁
を利用することができる。
【0029】(69)前記ブレーキが、液圧により前記摩
擦係合部材を前記ブレーキ回転体に押し付けるブレーキ
シリンダを含み、当該ブレーキ装置が、ハウジングと、
そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記外
部駆動力が加えられる加圧ピストンと、その加圧ピスト
ンの後方に設けられた後方液圧室と、前記加圧ピストン
の前方に設けられた加圧室とを含み、その前方の加圧室
の作動液を前記ブレーキシリンダに供給可能な液圧シリ
ンダを含み、前記発生液圧利用装置が、前記液圧発生装
置と、後方液圧室と、ブレーキシリンダとの間の液圧の
供給状態を制御する供給状態制御装置を含む(61)項ない
し(68)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。本項に
記載のブレーキ装置においては、液圧発生装置のサーボ
圧が後方液圧室に供給されたり、ブレーキシリンダに供
給されたりする。ブレーキシリンダに直接供給されるよ
うにすれば、ブレーキの効き遅れを小さくすることがで
きる。 (70)当該ブレーキ装置が、作動液を加圧した状態で蓄
えるアキュムレータと、そのアキュムレータに前記液圧
発生装置の作動液を導く作動液通路とを含み、前記発生
液圧利用装置が、前記アキュムレータに蓄えられた液圧
の利用の態様を変更可能なアキュムレータ圧利用装置を
含む(69)項に記載のブレーキ装置。本項に記載のブレー
キ装置においては、アキュムレータに蓄えられた液圧発
生装置のサーボ圧が利用され、その利用の態様が変更さ
れる。例えば、ブレーキシリンダに供給されたり、液圧
シリンダの後方液圧室に供給されたりする。また、これ
らブレーキシリンダや液圧シリンダの後方液圧室にサー
ボ圧が供給される時期が変更される。さらには、アキュ
ムレータの液圧が制御されて供給先の装置に供給される
ことがある。この場合には、供給先の装置とアキュムレ
ータとの間に液圧制御弁装置を設けることが望ましく、
液圧制御弁装置は、供給状態制御装置と、少なくとも1
つの制御弁を共有のものとすることができる。例えば、
液圧制御弁装置を電磁開閉弁を含むものとすれば、アキ
ュムレータの液圧の供給を許容する状態と阻止する状態
とに切り換えることができる。 (71)前記アキュムレータ圧利用装置が、前記アキュム
レータと、ブレーキシリンダと、前記後方液圧室との間
の液圧の供給状態を制御するアキュムレータ圧供給状態
制御装置を含む(70)項に記載のブレーキ装置。
【0030】(72)前記アキュムレータ圧利用装置が、
加圧ピストンに加えられる外部駆動力が設定値以下の場
合に、前記アキュムレータから後方液圧室とブレーキシ
リンダとの少なくとも一方へ液圧を供給する供給状態制
御装置を含む(71)項に記載のブレーキ装置。例えば、電
磁ブースタ、バキュームブースタ、電動式液圧シリンダ
の異常によってマスタシリンダの加圧ピストンや電動式
液圧シリンダの加圧ピストンに外部駆動力を発生させる
ことができない場合に、後方液圧室に液圧が供給される
ようにすれば、加圧ピストンの出力の低下を抑制するこ
とができる。また、後方液圧室でなくて、ブレーキシリ
ンダに供給されるようにすれば、電磁駆動源の異常に起
因してブレーキシリンダの液圧が低下することを回避す
ることができる。運転者によるブレーキ操作部材の操作
初期にも外部駆動力が小さくなる。また、操作初期には
アキュムレータの液圧は液圧発生装置のサーボ圧より高
いのが普通である。そのため、アキュムレータの液圧が
ブレーキシリンダに供給されるようにすれば、ファース
トフィルを速やかに終了させることができ、効き遅れを
抑制することができる。また、後方液圧室に供給される
ようにすれば、電磁駆動力の作動遅れに起因する電磁液
圧シリンダ等の作動遅れを小さくすることができ、ブレ
ーキの効き遅れを小さくすることができる。なお、ブレ
ーキが電動ブレーキである場合にも同様に適用すること
ができる。 (73)前記アキュムレータ圧利用装置が、前記アキュム
レータの液圧が前記液圧発生装置の液圧より高い場合に
アキュムレータから後方液圧室とブレーキシリンダとの
少なくとも一方へ液圧を供給する(71)項に記載のブレー
キ装置。
【0031】(74)前記ブレーキが、液圧により前記摩
擦係合部材を前記ブレーキ回転体に押し付けるブレーキ
シリンダを含み、当該ブレーキ装置が、ハウジングと、
そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、前記運
転者によるブレーキ操作力を含む外部駆動力が加えられ
る加圧ピストンと、その加圧ピストンの後方に設けられ
た後方液圧室と、前記加圧ピストンの前方に設けられた
加圧室とを含み、その前方の加圧室の作動液を前記ブレ
ーキシリンダに供給可能なマスタシリンダと、ハウジン
グと、そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、
電動アクチュエータによる電磁駆動力が外部駆動力とし
て加えられる加圧ピストンと、その加圧ピストンの後方
に設けられた後方液圧室と、前記加圧ピストンの前方に
設けられた加圧室とを含み、その前方の加圧室の作動液
を前記ブレーキシリンダに供給可能な電動式液圧シリン
ダとを含み、前記発生液圧利用装置が、前記液圧発生装
置と、前記2つの後方液圧室との間の液圧の供給状態を
制御する供給状態制御装置を含む(61)項ないし(73)項の
いずれか1つに記載のブレーキ装置。例えば、電動式液
圧シリンダの電動アクチュエータの異常時にマスタシリ
ンダの後方液圧室に液圧を供給することができる。同様
に、アキュムレータと、2つの後方液圧室との間の液圧
の供給状態が制御されるようにすることも望ましい。 (75)当該ブレーキ装置が、作動液を加圧した状態で蓄
えるアキュムレータと、ハウジングと、そのハウジング
に液密かつ摺動可能に嵌合され、外部駆動力が加えられ
る駆動部材と、その駆動部材の後方に設けられた後方液
圧室とを含み、前記駆動部材の出力に基づいて前記摩擦
係合部材を前記ブレーキ回転体に押し付けるアクチュエ
ータとを含み、前記発生液圧利用装置が、前記液圧発生
装置と、前記アキュムレータと、後方液圧室との間の液
圧の供給状態を制御する(61)項ないし(74)項のいずれか
1つに記載のブレーキ装置。液圧発生装置と、後方液圧
室と、アキュムレータとの間の液圧の供給状態が供給状
態制御装置によって制御される。例えば、後方液圧室に
液圧発生装置からサーボ圧が供給されるようにしたり、
アキュムレータから液圧が供給されるようにしたり、両
方から供給されるようにしたりすることができる。ま
た、液圧発生装置からアキュムレータへのサーボ圧の供
給を許容する状態と阻止する状態とに切り換えることが
できる。これらの間の切り換えは、利用の態様の変更と
見なされないこともあるが、供給状態の変更には該当す
る。液圧発生装置のサーボ圧は、例えば、他のアクチュ
エータで要求されない場合にアキュムレータに供給され
るようにすることができる。なお、後方液圧室を含むア
クチュエータは、前述のマスタシリンダ、電動式液圧シ
リンダ、電動押付装置のうちの少なくとも1つとするこ
とができる。
【0032】(76)前記液圧発生装置の液圧を同時期に
複数の異なる態様で利用可能とする同時複数利用装置を
含む(1)項ないし(75)項のいずれか1つに記載のブレー
キ装置。本項に記載のブレーキ装置においては、同時期
に互いに異なる複数の態様でサーボ圧が利用される。例
えば、同時期に前輪の液圧発生装置のサーボ圧が一の供
給先の装置に供給され、後輪の液圧発生装置のサーボ圧
が別の供給先の装置に供給される場合がある。また、1
つの液圧発生装置のサーボ圧が同時期に2つ以上の異な
る装置に供給される場合もある。本態様は、供給元の液
圧発生装置と供給先の装置との少なくとも一方が複数あ
る場合に適用することができる。さらに、この同時複数
利用状態の利用の態様を変更することもできる。
【0033】(77)前記液圧発生装置が、複数の車輪の
ブレーキのうちの1つ以上のブレーキに対応して設けら
れ、別の1つ以上のブレーキに対応しては設けられない
(1)項ないし(76)項のいずれか1つに記載のブレーキ装
置。 (78)前記液圧発生装置が後輪側に設けられ、前輪側に
設けられない(77)項に記載のブレーキ装置。 (79)前記液圧発生装置が、前進中と後退中との少なく
とも一方の場合に液圧を発生させるものである(1)項な
いし(78)項のいずれか1つに記載のブレーキ装置。前進
中の制動時にも後退中の制動時にもサーボ圧が発生させ
られるようにすれば、前進中の制動時にも後退中の制動
時にもサーボ圧を利用することができる。しかし、いず
れか一方において発生させられればよく、その場合に
は、前進中の制動時に発生させられるようにすることが
望ましい。 (80)前記液圧発生装置が、複数の車輪の各々のブレー
キに対応して設けられ、これら複数の液圧発生装置のう
ちの1つ以上が車両の前進中に液圧を発生させるもので
あり、別の1つ以上が後退中に液圧を発生させるもので
ある(1)項ないし(79)項のいずれか1つに記載のブレー
キ装置。複数の車輪にそれぞれ設けられた液圧発生装置
をすべて前進中の制動時と後退中の制動時との両方の場
合にサーボ圧が発生させられるものとすれば、前進中に
も後退中にもサーボ圧を利用することができる。それに
対して、一部の車輪の液圧発生装置を前進中の制動時に
サーボ圧が発生させられるものとし、他の車輪の液圧発
生装置を後退中の制動時にサーボ圧が発生させられるも
のとすれば、利用可能な作動液量が少なくなるが、コス
トアップを抑制しつつ、前進中と後退中との両方の場合
にサーボ圧を利用することが可能となる。また、この場
合に、前輪側および後輪側のいずれか一方の側におい
て、左右輪のいずれか一方に前進中の制動時にサーボ圧
が発生させられるものとし、他方に後退中の制動時にサ
ーボ圧が発生させられるものとすれば、前進中、後退中
同様にサーボ圧を利用することができる。それに対し
て、前輪の液圧発生装置を前進中の制動時にサーボ圧が
発生させられるものとし、後輪の液圧発生装置を後退中
の制動時にサーボ圧が発生させられるものとすれば、前
進中の制動時に、サーボ圧を大きくし、供給可能な作動
液量を大きくすることができる。 (81)当該ブレーキ装置が搭載された車両にトレーラが
連結された場合に、前記車両のブレーキ装置の前記液圧
発生装置の作動液を前記トレーラのブレーキ装置に供給
するトレーラ供給装置を含む(1)項ないし(80)項のいず
れか1つに記載のブレーキ装置。
【0034】
【本発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態であ
るブレーキ装置について、図面に基づいて詳細に説明す
る。図2,3において、10はマスタシリンダであり、
12は電動式液圧シリンダであり、14,16は前輪1
8、後輪19の液圧ブレーキである。マスタシリンダ1
0と液圧ブレーキ14,16のブレーキシリンダ20,
22との間に電動式液圧シリンダ12が設けられる。本
実施形態においては、後輪19において、液圧ブレーキ
14の作動により液圧発生装置24にサーボ圧が発生さ
せられ、そのサーボ圧が、マスタシリンダ10と電動式
液圧シリンダ12とのいずれかに選択的に供給される。
サーボ圧がマスタシリンダ10と電動式液圧シリンダ1
2とに利用されるのである。
【0035】マスタシリンダ10は、ハウジング28に
液密かつ摺動可能に設けられた2つの加圧ピストン3
0,32を含み、加圧ピストン30にはブレーキ操作部
材としてのブレーキペダル34が連携させられる。加圧
ピストン30には、ブレーキペダル34に加えられた運
転者によるブレーキ操作力がプッシュロッド35を介し
て伝達される。本実施形態においては、プッシュロッド
35が加圧ピストン30と同軸上に設けられる。加圧ピ
ストン32の前方の加圧室36には前輪18の液圧ブレ
ーキ14のブレーキシリンダ20が接続され、加圧ピス
トン30の前方の加圧室38には後輪19の液圧ブレー
キ16のブレーキシリンダ22が接続される。2つの加
圧室36,38には同じ高さの液圧が発生させられる。
また、加圧ピストン30の後方側は、閉塞部材40によ
って閉塞され、これらの間に後方液圧室42が設けられ
る。加圧ピストン30には、ブレーキ操作力に対応する
力(外部駆動力)と後方液圧室42の液圧に対応する力
(液圧助勢力)とが同軸的に加えられ、加圧室36,3
8にはそれに応じた液圧が発生させられる。
【0036】加圧ピストン32とハウジング28の底面
との間、2つの加圧ピストン30,32の間には、それ
ぞれ、リターンスプリング44,46が設けられてい
る。加圧ピストン30の後退端位置は閉塞部材40によ
って規定され、加圧ピストン32の後退端位置は、リタ
ーンスプリング44,46によって規定される。これら
後退端位置(ブレーキ解除状態)においては、加圧室3
6,38がリザーバ48に連通させられる。
【0037】電動式液圧シリンダ12は、動力駆動源と
しての電動モータ50の作動に基づいて作動させられ
る。電動モータ50は、正・逆両方向に作動可能なもの
であり、電動モータ50の回転運動は運動変換装置52
によって直線運動に変換される。電動式液圧シリンダ1
2は、ハウジング54にシール部材55a,b,cを介
して液密かつ摺動可能に設けられた2つの制御ピストン
56,58を含む。制御ピストン56は、運動変換装置
52の出力軸としての駆動軸60の移動に伴って移動さ
せられる。制御ピストン56は、電動モータ50の作動
により前進、後退させられる。この意味において、制御
ピストン56は駆動ピストンと称することができる。駆
動軸60は、制御ピストン56と一体的に設けられたも
のであっても、別体として設けられたものであってもよ
い。少なくとも当接していれば、駆動軸60の前進に伴
って制御ピストン56を前進させることができ、駆動軸
60が後退させられれば、制御圧室70の液圧との関係
で後退させることができる。なお、シール部材55a,
b,cはピストン側に設けられてもハウジング側に設け
られてもよく、Oリングとしたり、カップシールとした
りすることができる。図に示すように、電動モータ50
の出力軸61の回転は、一対のギヤ62,64を介して
回転軸66に伝達され、回転軸66の回転が直線運動に
変換されて、駆動軸60に出力される。本実施形態にお
いては、運動変換装置52は、例えば、ボールねじ機構
を含むものとすることができる。運動変換装置52等に
よって駆動力伝達装置が構成される。
【0038】制御ピストン56,58は、互いに同心か
つ直列に配設されており、これらのそれぞれの前方が制
御圧室70,72とされる。また、2つの制御ピストン
56,58の間、制御ピストン58とハウジング54と
の間にはスプリング74,76が設けられている。制御
ピストン58は、それの両側の制御圧室70,72の液
圧に基づいて移動させられるのであるが、制御ピストン
58の制御圧室70,72に対向する受圧面の面積はほ
ぼ同じであり、スプリング74,76の付勢力がほぼ同
じにされているため、定常状態においては、2つの制御
圧室70,72の液圧は等しい高さとされる。この意味
において、制御ピストン58を浮動ピストン、差動ピス
トン、従動ピストンと称することができる。制御ピスト
ン58とハウジング54との間にはシール部材55cが
設けられているため、制御圧室70,72が遮断され、
2つの系統が独立とされている。
【0039】また、制御ピストン56の後方(図の左
方)には後方液圧室78が設けられる。後方液圧室78
には、リザーバ通路80を介してリザーバ48が接続さ
れる一方、供給通路81を介して液圧発生装置24が接
続される。後方液圧室78に供給通路81を経て液圧発
生装置24のサーボ圧が供給される場合には、制御ピス
トン56には、後方液圧室78の液圧に応じた液圧助勢
力と駆動部材60を介して入力される電動モータ50に
よる電動駆動力とが同軸的に加えられ、前進させられ
る。
【0040】リザーバ通路80には電磁開閉弁であるリ
ザーバ連通弁82が設けられる。リザーバ連通弁82の
開状態においては、後方液圧室78とリザーバ48との
間の作動液の授受が許容され、後方液圧室78の容積変
化が許容され、制御ピストン56の移動が許容される。
原則としては、リザーバ連通弁82の開状態において、
制御圧室70,72の液圧が制御される。この場合にお
いて、ボールねじ機構は逆効率がよいため、制御圧室7
0,72の液圧を保持する場合等に電動モータ50への
供給電流を0にすると、制御圧室70,72の液圧によ
って制御ピストン56が後退させられる。そこで、リザ
ーバ連通弁82を閉状態に切り換えれば、後方液圧室7
8からの作動液の流出が阻止されて、制御ピストン56
の後退を阻止することができる。電動モータ50に電力
を供給しなくても、制御圧室70,72の液圧を保持す
ることができるのである。また、前述のように、ボール
ねじ機構は逆効率が良いものであるため、電動モータ5
0が非作動状態にあっても、後方液圧室78の液圧によ
って駆動軸60を前進させることが可能である。図に示
す84はスラストベアリングであり、86はラジアルベ
アリングである。これらによって、軸方向力および半径
方向力が受けられる。
【0041】本実施形態においては、マスタシリンダ1
0の加圧室36,38と制御圧室70,72とが液通路
90,92を介して接続され、制御圧室70,72と前
輪18のブレーキシリンダ20,後輪19のブレーキシ
リンダ22とが、液通路94,96を介して接続され
る。液通路90,92の途中には、それぞれマスタ遮断
弁98,100が設けられ、液通路94,96の途中に
は、それぞれ、液圧制御弁装置102、104が設けら
れる。液圧制御弁装置102,104は、増圧制御弁、
減圧制御弁、減圧用リザーバ、還流式ポンプ等を含み、
これらの制御によって、ブレーキシリンダの液圧が電磁
液圧シリンダ12の出力液圧とは別個独立に制御され
る。
【0042】液圧ブレーキ14,16は、本実施形態に
おいては、ディスクブレーキとされている。ブレーキに
ついては、前輪18と後輪19とで同じであるため、後
輪19について説明する。前述のように、液圧発生装置
24が設けられた後輪側について説明し、液圧発生装置
24が設けられていない前輪側についての説明を省略す
る。図3において、110が車輪と一体的に回転可能な
ブレーキ回転体としてのディスクロータである。ディス
クブレーキ16は、ブレーキ本体114が車体側固定部
材116に回動可能、換言すれば、ほぼ周方向に移動可
能に保持されている。ディスクブレーキ14がオポーズ
ド型であり、キャリパ固定型である。そのため、キャリ
パが直接車体側固定部材116に保持されるのであり、
キャリパがブレーキ本体114とされる。ディスクロー
タ110が、車輪と一体的に回転可能なアクセルハブ1
20に相対回転不能に固定され、ブレーキ本体114
が、アクセルハブ120に相対回転可能なステアリング
ナックルに相対回転不能に取り付けられた部材(車体側
固定部材)116にリンク機構118を介して取り付け
られる。なお、車体側固定部材116は、例えば、車輪
が前輪である場合にはステアリングナックルまたはこれ
に相対回転不能に取り付けられた部材とし、後輪の場合
にはリヤアクセルハウジングまたはこれに相対回転不能
に取り付けられた部材とすることができる。
【0043】ディスクブレーキ16は、ディスクロータ
110の両側に設けられた一対のブレーキシリンダ22
c,d(以下、区別する必要がない場合には、単にブレ
ーキシリンダ22と称する)を含む。ブレーキシリンダ
22c,dのシリンダボア125c,dにはピストン1
28c,dが液密かつ摺動可能に嵌合されて、液圧室1
30c,dが形成される。ピストン128c,dとディ
スクロータ110との間には、摩擦係合部材としてのパ
ッド132c,dが配設されている。パッド132c,
dはそれぞれ裏板136c,dを介して保持される。裏
板136c、dは、キャリパ114に固定の軸方向に延
びたピン140に挿通させられることにより、軸方向に
移動可能かつ半径方向に移動不能に保持される。リンク
機構118は、リンク部材142と、リンク部材142
をキャリパ114および車体側固定部材116にそれぞ
れ軸線Lの回りに回動可能に連結するピン144,14
5とを含む。キャリパ114は車体側固定部材116に
周方向に相対移動可能に保持される。
【0044】液圧発生装置24は後輪側に設けられるが
前輪側には設けられない。後輪側の方が、ブレーキシリ
ンダ径が小さいのが普通であるため、液圧発生装置24
を設けるためのスペースがある。また、後輪19におけ
る方が発熱が少なく、フェード現象が起きにくいため、
サーボ圧を安定して得ることができる等の理由による。
液圧発生装置24は、図2に示すように、液圧シリンダ
152を含む。液圧シリンダ152は、キャリパ114
の矢印に示す方向(正方向)の回動に伴って作動させら
れる。本実施形態においては、液圧シリンダ152が、
液圧シリンダ152の軸線Mの方向とブレーキシリンダ
22c,dによりパッド132c,dがディスクロータ
110に押し付けられる部分における接線の方向とが平
行な状態で設けられる。液圧シリンダ152は、前記車
体側固定部材116に固定されたシリンダ本体154
と、そのシリンダ本体154に液密かつ摺動可能に嵌合
されたピストン156とを含む。ピストン156のピス
トンロッド158には、連結部材160が係合させられ
る。
【0045】連結部材160は、概してコの字型を成し
たものであり、一端部においてキャリパ114に回動可
能に保持され、他端部において、ピストンロッド158
に形成された図示しない係合部において係合させられ
る。係合部は、本実施形態においては、軸線Mと交差す
る方向に延びた溝を含み、ほぼ周方向に相対移動不能に
係合させられる。連結部材160によってキャリパ11
4の移動がピストン156に伝達される。キャリパ11
4が液圧発生装置24から離間する方向に移動させられ
ると、連結部材160によりピストン156が液圧室1
64の容積が減少する方向に移動させられる。ピストン
156の前方の液圧室164には、液圧が発生させられ
る。
【0046】また、キャリパ114の液圧発生装置側に
は突部165が設けられ、突部165がシリンダ本体1
54に当接することによって、キャリパ114の液圧発
生装置24に接近する方向の移動限度が規定される。連
結部材160によるピストン156の液圧室164の容
積が増加する方向の移動が規定され、ピストン156が
シリンダ本体154から抜け出すことが防止される。本
実施形態においては、リンク機構118,突部165,
シリンダ本体154等によってブレーキ本体114の液
圧発生装置24に対する接近限度が規定されるストッパ
が構成される。
【0047】液圧シリンダ152の液圧室164には、
電動式液圧シリンダ12の後方液圧室78とマスタシリ
ンダ10の後方液圧室42とが接続される。左右後輪1
9にそれぞれ設けられた液圧発生装置24の液圧室16
4からは、それぞれ、液通路である個別通路170が延
び出させられ、これら個別通路170の合流通路172
に電磁開閉弁である第1サーボ圧供給制御弁174が設
けられ、第1サーボ圧供給制御弁174と並列に逆止弁
174bが設けられる。逆止弁174bは、液圧室16
4からの作動液の流出を阻止し、流入を許容するもので
ある。また、合流通路172は分岐させられ、一方の分
岐通路175によって電動式液圧シリンダ12の後方液
圧室78に接続され、他方の分岐通路176によってマ
スタシリンダ10の後方液圧室42に接続される。分岐
通路176には電磁開閉弁である第2サーボ圧供給制御
弁180が設けられる。
【0048】これら第1,第2サーボ圧供給制御弁17
4,180の制御により、液圧室164の液圧がマスタ
シリンダ10に供給されないで電動式液圧シリンダ12
に供給される状態と、マスタシリンダ10と電動式液圧
シリンダ12との両方に供給される状態と、マスタシリ
ンダ10にも電動式液圧シリンダ12にも供給されない
状態とに切り換えることができる。なお、マスタ遮断弁
98,100、リザーバ連通弁82、第1,第2サーボ
圧供給制御弁174,180の少なくとも1つは、開度
を供給電流に応じて連続的に制御可能な流量制御弁とし
てもよい。また、本実施形態においては、分岐通路17
5,合流通路172,個別通路170等によってサーボ
圧を電動式液圧シリンダ12に供給するための前述の供
給通路81が構成され、分岐通路176、合流通路17
2,個別通路170等によってサーボ圧をマスタシリン
ダ10に供給するための供給通路181が構成される。
【0049】それに対して、加圧室36にはストローク
シミュレータ190が接続され、後方液圧室42とリザ
ーバ48とを接続する液通路191には、流出阻止弁1
92が設けられる。流出阻止弁192は、後方液圧室4
2から流出させられる作動液の流量が設定量以上になる
と後方液圧室42からリザーバ48への作動液の流出を
阻止するものである。流出阻止弁192は、図に示すよ
うに、リザーバ48側の低圧ポート200と液圧室16
4側の高圧ポート202とが形成されたハウジング20
4と、大径部と小径部とを有し、ハウジング204に液
密かつ摺動可能に嵌合された段付きピストン206とを
含む。段付きピストン206の段部とハウジング204
との間には、スプリング208が配設され、段付きピス
トン206を後退方向に付勢する。段付きピストン20
6の小径部側とハウジング204との間の液室210に
は、液通路191の後方液圧室側に接続されたバイパス
通路212が接続されている。バイパス通路212に
は、オリフィス214が設けられる。流出阻止弁192
においては、ピストン206の小径部の先端部が弁子2
16とされ、低圧ポート200の縁面が弁座とされる。
【0050】後方液圧室42に液圧シリンダ152から
作動液が供給され、その流量が設定値より小さい場合に
は流出阻止弁192は開状態にある。液圧シリンダ15
2から供給される作動液の流量が設定値以上になると、
オリフィス214により、高圧ポート202に供給され
る作動液の液圧と液室210の液圧との間に液圧差が生
じる。段付きピストン206の大径部に加えられる液圧
が液室210に加えられる液圧より設定圧以上高くなる
と、ピストン206がスプリング208の付勢力に抗し
て前進させられ、弁子216が弁座200に着座させら
れ、流出阻止弁192が閉状態にされる。流出阻止弁1
92は、一端閉状態になると、後方液圧室側とリザーバ
側との液圧差が設定値以下になるまで閉状態に保たれ
る。そのように、スプリング208の付勢力、弁子21
6(ピストン206),弁座200の形状等が設計され
る。
【0051】本ブレーキ装置は、図4に示すブレーキE
CU300によって制御される。ブレーキECU300
は,コンピュータを主体とする制御部302と複数の駆
動回路とを含む。制御部302は、CPU304、RO
M306、RAM308、入・出力部310等を含む。
制御部302の入・出力部310には、ブレーキペダル
34が踏み込まれた状態にあることを検出するブレーキ
スイッチ311、ブレーキペダル34に加えられる踏力
を検出する踏力センサ312、マスタシリンダ10の加
圧室38の液圧を検出するマスタ圧センサ314、電動
式液圧シリンダ12の制御圧室70の液圧を検出する制
御圧センサ316、各車輪18,19の車輪速度を検出
する車輪速センサ318、各輪18,19に設けられた
車高センサ320、車両の減速度を検出する減速度セン
サ322、サーボ圧を検出するサーボ圧センサ324等
が接続されている。
【0052】マスタ圧センサ314は、加圧室38に接
続された液通路92のマスタ遮断弁100よりマスタシ
リンダ側の部分に設けられる。マスタ圧センサ314に
よって検出された液圧は、ブレーキ操作力に応じた高さ
であり、ブレーキ操作力を踏力センサ312に代わって
検出することができる。制御圧センサ316は、制御圧
室70の液圧を検出するが、液圧制御弁装置102が制
御圧室70とブレーキシリンダ20とを連通させる状態
にある間は、ブレーキシリンダ20の液圧を検出する。
電動式液圧シリンダ12による制御状態において、液圧
制御弁装置102の上述の状態では、閉状態にあるマス
タ遮断弁98よりブレーキシリンダ側の部分の液圧は同
じである。また、電動式液圧シリンダ12において、制
御圧室70,72の液圧は同じ高さの液圧に制御される
ため、制御圧室70の液圧を検出すれば、制御圧室72
の液圧がわかる。なお、制御圧センサ316は、液通路
96に設けてもよい。ブレーキシリンダ22の液圧を直
接検出するものとすることもできる。サーボ圧センサ3
24は、合流通路172の第1サーボ圧供給制御弁17
4より液圧発生装置側に設けられ、液圧発生装置24に
おいて発生させられた液圧を検出する。合流通路172
に設けられるため、左後輪の液圧発生装置24に発生さ
せられた液圧も右後輪の液圧発生装置24に発生させら
れた液圧も検出する。また、第1サーボ圧供給制御弁1
74の閉状態における液圧に基づけば制動トルクを検出
することができ、開状態における液圧に基づけば液圧助
勢力を検出することができる。入出力部310には、液
圧制御弁装置102,104、マスタ遮断弁98,10
0、リザーバ連通弁82、第1,第2サーボ圧供給制御
弁174,180および電動モータ50がそれぞれ駆動
回路326を介して接続される。
【0053】以上のように構成されたブレーキ装置の作
動について説明する。通常ブレーキ作動時には、マスタ
遮断弁98,100が閉状態にされて、ブレーキシリン
ダ20,22がマスタシリンダ10から遮断された状態
で、電動式液圧シリンダ12の制御によりブレーキシリ
ンダ20,22の液圧が制御される。リザーバ連通弁8
2が開状態にされ、第1,第2サーボ圧供給弁174,
180が閉状態にされる。電動式液圧シリンダ12の後
方液圧室78にはリザーバ48が連通させられ、制御ピ
ストン56に液圧助勢力が加えられることはない。制御
ピストン56には電動モータ50による電磁駆動力が外
部駆動力として加えられ、それによって、制御圧室7
0,72に液圧が発生させられる。また、ストロークシ
ミュレータ190と加圧室38との間の作動液の授受に
より、マスタシリンダ10がブレーキシリンダ20,2
2から遮断されても、ブレーキフィーリングの低下を抑
制することができる。
【0054】電動モータ50は、制御圧センサ316に
よる検出液圧が運転者の所望する要求ブレーキ液圧に近
づくように制御される。要求ブレーキ液圧は、踏力セン
サ312の検出値とマスタ圧センサ314の検出値との
少なくとも一方に基づいて求められる。要求ブレーキ液
圧から検出液圧を引いた偏差が設定値以上で、実際の液
圧が要求ブレーキ液圧に対して不足している場合には増
圧制御が行われ、負の設定値以下で、実際の液圧が要求
ブレーキ液圧に対して大きい場合には減圧制御が行わ
れ、偏差の絶対値が設定値以下の場合には保持制御が行
われる。減圧制御時には、逆止弁174bを経て後方液
圧室78から、また、逆止弁174b、リザーバ連通弁
82を経てリザーバ48から液圧室164への作動液が
流入が許容されるため、ピストン156の後退が許容さ
れ、液圧室64が負圧になることが回避される。また、
保持制御時には、前述のように、電動モータ50への供
給電流が0にされてリザーバ連通弁82が閉状態に切り
換えられるようにしてもよい。制御ピストン56の後退
が阻止されるため、制御圧室70,72の液圧を、電動
モータ50への供給電流を0としても、保持することが
できる。なお、第1サーボ圧供給制御弁174の閉状態
においては、後述するように、サーボ圧センサ324に
よる検出値に基づいて制動トルクが求められるため、要
求制動トルクが実制動トルクに近づくように制御するこ
ともできる。要求制動トルクは、前述のように、踏力や
マスタ圧に基づいて求めることができる。さらに、実際
の減速度が目標減速度に近づくように制御することも可
能である。
【0055】予め定められたサーボ圧必要条件が満たさ
れた場合には、第2サーボ圧供給制御弁180が閉状態
のままで、第1サーボ圧供給制御弁174が開状態に切
り換えられる。液圧室164のサーボ圧が後方液圧室7
8へ供給される。制御ピストン56には、電動モータ5
0による電動駆動力と後方液圧室78の液圧による液圧
助勢力との両方が同軸上に加えられる。制御圧を同じに
する場合には、電動駆動力を小さくすることができるの
であり、電動モータ50における消費電力を低減させる
ことができる。また、必要な最大の電磁駆動力を小さく
することができる。このように、電動モータ50が要求
ブレーキ圧が得られるように制御されるため、後方液圧
室78に液圧が供給されれば、その分、電磁駆動力の液
圧助勢力に対する比率が小さくなる。
【0056】本実施形態においては、要求ブレーキ液圧
が設定要求圧以上の場合、緊急ブレーキが必要な場合、
下り坂走行中に制動が行われた場合、高G路走行中にお
いて制動が行われた場合の少なくとも1つが満たされた
場合に、サーボ圧必要条件が満たされたとされて、サー
ボ圧が電動式液圧シリンダ12の後方液圧室78に供給
される。具体的には、運転者によるブレーキ操作力の変
化速度が設定速度以上の場合には緊急ブレーキが必要で
あるとされる。また、前輪18に設けられた車高センサ
320による検出値および後輪19に設けられた車高セ
ンサ320による検出値,減速度センサ322による検
出値等に基づいて決定される路面の傾斜角度(前傾角
度)が設定角度以上である場合には下り坂であるとさ
れ、減速度センサ322による検出値が設定値以上の場
合に高G路であるとされる。
【0057】サーボ圧必要条件が満たされた場合におい
て、増圧制御時には、リザーバ連通弁82が閉状態のま
まで、電動モータ50の制御により制御圧が制御され
る。その時点において最大の液圧助勢力が加えられた状
態で、不足分が電動駆動力によって補われる。液圧助勢
力が優先的に加えられることになる。減圧制御時、保持
制御時には、リザーバ連通弁82が開状態にされた状態
で、電動モータ50の制御により制御圧が制御される。
減圧制御時、保持制御時には、リザーバ連通弁82の制
御により制御圧室70,72の液圧が制御されるように
することも可能であるが、電動モータ50の制御による
方が制御精度の低下を抑制することができる。なお、減
圧制御、保持制御は、液圧制御弁装置102,104の
制御により行われるようにすることもできる。この場合
には、リザーバ連通弁82は閉状態のままでもよい。ま
た、リザーバ連通弁82、第1サーボ圧供給制御弁17
4はデューティ制御されるようにすることもできる。さ
らに、減圧制御、保持制御においては、第1サーボ圧供
給制御弁174が閉状態にされてもよい。
【0058】それに対して、電動モータ50等が異常で
ある場合には、マスタ遮断弁98,100、第1,第2
の2つのサーボ圧供給制御弁174,180に電流が供
給されなくなることにより開状態に切り換えられるとと
もに、リザーバ連通弁82に電流が供給されなくなるこ
とにより閉状態に切り換えられる。また、電動モータ5
0には電流が供給されず、電動式液圧シリンダ12は非
作動状態にされる。サーボ圧はマスタシリンダ10の後
方液圧室42に供給される。後方液圧室42からリザー
バ48への作動液の流量が大きくなり、液圧差が設定値
以上になると、流出阻止弁192が閉状態に切り換えら
れ、その閉状態が液圧差が生じている間保持される。後
方液圧室42に液圧が発生させられ、加圧ピストン30
には、運転者によるブレーキ操作力と後方液圧室42の
液圧に応じた液圧助勢力とが同軸上に加えられ、加圧室
36,38の液圧はブレーキ操作力が倍力された大きさ
に対応する液圧になる。加圧室36,38の液圧は、制
御圧室70,72を経て、そのまま、ブレーキシリンダ
20,22に供給されて、液圧ブレーキ14,16が作
動させられる。電動モータ50の作動異常が生じても、
ブレーキシリンダ20,22に運転者によるブレーキ操
作力に応じた液圧以上の液圧を供給することができ、大
きなブレーキ力を得ることができる。
【0059】このように、電動モータ50等の異常時に
は、サーボ圧が電磁液圧シリンダ12の後方液圧室78
に供給される状態からマスタシリンダ10の後方液圧室
42に供給される状態に切り換えられる。サーボ圧の供
給先が変更されるのであり、液圧発生装置24から電動
式液圧シリンダ12への作動液の流量の、マスタシリン
ダ10への作動液の流量に対する比率が1から0に切り
換えられる。また、電動式液圧シリンダ12の後方液圧
室78にはサーボ圧必要条件が満たされない場合はサー
ボ圧が供給されないが、サーボ圧必要条件が満たされた
場合にサーボ圧が供給され、マスタシリンダ10の後方
液圧室42には、電動モータ50の異常時にサーボ圧が
供給され、正常である場合には供給されない。このよう
に、サーボ圧の供給の時期が変更されるのである。本実
施形態においては、2つのサーボ圧供給制御弁174,
180等によって供給状態制御装置が構成される。
【0060】ブレーキ解除時にも、各電磁制御弁は図示
する原位置に戻される。また、後方液圧室42とリザー
バ48との間の液圧差が小さくなるため、流出阻止弁1
92は開状態に戻される。液圧シリンダ152の液圧室
164には、ピストン156の後退に伴ってリザーバ4
8から作動液が供給されて、負圧になることが回避され
る。電動液圧シリンダ12の後方液圧室78の作動液は
リザーバ連通弁82を経てリザーバ48に戻される。
【0061】ブレーキ液圧の制御は、図5のフローチャ
ートで表されるブレーキ液圧制御プログラムの実行に従
って行われる。ステップ1(以下、S1と略称する。他
のステップについても同様とする。)において、ブレー
キスイッチ311がON状態か否かが判定され、S2に
おいて、電動モータ50が正常であるか否かが判定さ
れ、S3において要求ブレーキ液圧が演算により求めら
れ、S4においてサーボ圧必要条件が満たされるか否か
が判定される。電動モータ50の異常は、イニシャルチ
ェック等において検出される。電動モータ50が正常で
あり、サーボ圧必要条件が満たされない場合には、S5
において、通常制御が行われる。第1、第2サーボ圧供
給制御弁174,180が閉状態にされ、マスタ遮断弁
98,100が閉状態にされ、リザーバ連通弁82が開
状態にされる。そして、S6において、電動モータ50
への供給電流が制御される。
【0062】サーボ圧必要条件が満たされた場合には、
S7において、第1サーボ圧供給制御弁174が開状
態、第2サーボ圧供給制御弁180が閉状態にされ、マ
スタ遮断弁98,100が閉状態にされる。S8におい
て、減圧制御または保持制御であるか否かが判定され、
いずれか一方の場合には、リザーバ連通弁82が開状態
にされ、増圧制御である場合にはリザーバ連通弁82が
閉状態にされる。そして、S6において、電動モータ5
0への供給電流が制御される。電動モータ50が異常で
ある場合には、S11において、第1、第2サーボ圧供
給制御弁174,180が開状態、マスタ遮断弁98,
100が開状態、リザーバ連通弁82が閉状態にされ
る。この場合には、電動式液圧シリンダ12は非作動状
態に保たれる。
【0063】さらに、サーボ圧センサ324によれば制
動トルクを求めることができる。制動トルクが、式T=
(As・Ps)・Rbに従って求められる。ここで、A
sは図2に示すように、ピストン156の液圧室164
に対する受圧面積であり、Psはサーボ圧センサ324
による検出液圧であり、Rbは、ディスクロータ110
の中心からブレーキシリンダ22c,dの中心までの長
さであり、等価半径である。本実施形態においては、液
圧シリンダ152の軸線Mと押付力が作用する位置にお
ける接線とが一致する状態で設けられるため、パッド1
32とロータ110との間の摩擦力と液圧に応じた力と
の比例係数が1となり、液圧に応じた力に回転半径を掛
けることによって制動トルクを検出することができる。
このように、本実施形態においては、後輪19に発生さ
せられた制動トルクが検出されるのであるが、後輪19
の制動トルクに基づけば前輪18の制動トルクを推定す
ることができる。前輪側に液圧発生装置を設けなくても
制動トルクを推定することができるのである。
【0064】制動トルクは、第1サーボ圧供給制御弁1
74の閉状態において検出される。したがって、サーボ
圧必要条件が満たされない場合の通常ブレーキ作動中
に、検出された制動トルクが目標制動トルクに近づくよ
うに、電動式液圧シリンダ12において電動モータ50
が制御されるようにすることができる。サーボ圧必要条
件が満たされない場合に、実際の制動トルクが要求値に
近づくように制御され、サーボ圧必要条件が満たされた
場合に、実際のブレーキ液圧が要求値に近づくように制
御されるようにすることができるのである。サーボ圧
が、第1サーボ圧供給制御弁174の閉状態において制
動トルクの検出に利用され、第1サーボ圧供給制御弁1
74の開状態において電動式液圧シリンダ12の後方液
圧室78に供給される。このように、第1サーボ圧供給
制御弁174の閉状態と開状態とで、サーボ圧の利用の
用途が変更される。したがって、第1サーボ圧供給制御
弁174,ブレーキECU300等により発生液圧利用
装置が構成されると考えることができる。
【0065】なお、第1サーボ圧供給制御弁174は、
合流通路172でなく分岐通路175に設けてもよい。
その場合には、サーボ圧が、電動液圧シリンダ12に供
給されてマスタシリンダ10に供給されない状態、電動
式液圧シリンダ12に供給されないで、マスタシリンダ
10に供給される状態、これらの両方に供給される状
態、いずれにも供給されない状態に切り換えることが可
能となる。また、第2サーボ圧供給制御弁180は不可
欠ではない。この場合には、第1サーボ圧供給制御弁1
74を開状態にすれば、マスタシリンダ10と電動式液
圧シリンダ12との両方にサーボ圧が供給されることに
なる。さらに、これら第1、第2サーボ圧供給制御弁1
74,180は、供給電流に応じてリニアに差圧を制御
可能なリニア制御弁とすることもできる。また、上記実
施形態においてはブレーキスイッチ311がOFFから
ON状態に切り換わった場合に、マスタ遮断弁98,1
00が閉状態に切り換えられるようにされていたが、イ
グニッションスイッチがOFFからONに切り換えられ
た場合に閉状態に切り換えられるようにすることができ
る。ブレーキ操作に先立ってマスタ遮断弁98,100
を閉状態にしておくのである。逆に、ファーストフィル
が終了した後に閉状態に切り換えられるようにすること
ができる。ブレーキ操作初期には、ブレーキ液の消費量
が多いため、マスタシリンダ10からも作動液が供給さ
れるようにする。
【0066】さらに、ストロークシミュレータ190の
加圧室36側、リザーバ48側のいずれか一方にシミュ
レータ制御弁を設け、電動式液圧シリンダ12の非作動
状態においては、加圧室38の作動液がストロークシミ
ュレータ190に供給されないようにすることもでき
る。そのようにすれば、作動液が無駄に消費されること
を回避することができる。また、流出阻止弁192の代
わりに、リザーバ48から後方液圧室42に向かう作動
液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止する逆止弁とす
ることもできる。それによっても、後方液圧室42が負
圧になることを回避しつつ、液圧を増圧させることがで
きる。
【0067】また、上記実施形態においては、サーボ圧
必要条件が満たされた場合に、サーボ圧が供給されるよ
うにされていたが、常に、サーボ圧が供給されるように
することができる。ボールねじ機構によれば、電動モー
タ50に電流が供給されなくても、後方液圧室78の液
圧がスプリング74,76のセット荷重に対応する大き
さ以上になれば、制御ピストン56が前進させられ、制
御圧室70,72に液圧が発生させられる。要求ブレー
キ液圧に対する不足分だけ電動モータ50によって補っ
てやればよい。さらに、サーボ圧必要条件が満たされた
場合において減圧制御、保持制御が行われる場合に、リ
ザーバ連通弁82が開状態に切り換えられることは不可
欠ではない。後方液圧室78からの作動液流出分が液圧
発生装置24においてピストン156の後退に伴う液圧
室164の容積の増加分とほぼ同じであれば、後方液圧
室78の作動液を液圧室164に流出させればよい。
【0068】また、サーボ圧必要条件は上記実施形態に
おけるそれに限らない。上述の条件を満たし、かつ、要
求ブレーキ液圧が増加している場合または要求ブレーキ
液圧が実ブレーキ液圧に対して大きい場合に満たされる
ようにすることができる。その場合には、サーボ圧必要
条件が満たされた場合にのみ、第1サーボ圧供給制御弁
174が開状態に切り換えられることになる。さらに、
要求ブレーキ液圧が設定値以上の場合と緊急ブレーキが
必要な場合との少なくとも一方が満たされた場合にサー
ボ圧必要条件が満たされたとすることができる。この場
合には、車高センサ320,減速度センサ322が不要
になる。また、前輪18と後輪19とで、ブレーキは同
じタイプのものであっても異なったタイプのものであっ
てもよい。ブレーキは、後述するように、キャリパ固定
型でなく、キャリパ浮動型としたり、ドラムブレーキと
したりすることができる。また、液圧ブレーキに限らず
電動ブレーキであってもよい。さらに、液圧発生装置の
構造は上記実施形態におけるそれに限らない。例えば、
液圧シリンダ152は、後述するように、図6に示す液
圧シリンダ330,332と同様の構造のものとするこ
とができる。
【0069】さらに、逆止弁174bは不可欠ではな
い。逆止弁174bが設けられない場合には、減圧制御
時に第1サーボ圧供給制御弁174を開状態とすれば、
リザーバ連通弁82,第1サーボ圧供給制御弁174を
経てリザーバ48から作動液が供給される。逆に、第2
サーボ圧供給制御弁180と並列に逆止弁を設けること
もできる。また、マスタ遮断弁98,100と並列にマ
スタシリンダからブレーキシリンダへの作動液の流れを
許容し、逆向きを流れを阻止する逆止弁を設けることも
できる。逆止弁によれば、マスタ遮断弁98,100が
閉状態にあっても、加圧室36,38の液圧が制御圧室
70,72の液圧より高くなった場合には、加圧室3
6,38から作動液が供給され得る。
【0070】さらに、上記実施形態においては、液圧シ
リンダ152がディスクブレーキのキャリパ114の周
方向の片側に設けられ、車両の前進中における制動時に
液圧が発生させられ、後退中における制動時には液圧が
発生させられないようにされていたが、図6に示すよう
に、液圧シリンダをブレーキ本体114の周方向の両側
に設けることができる。この場合には、液圧発生装置3
28が2つの液圧シリンダ330,332を含むことに
なり、一方の液圧シリンダ330においては前進中の制
動時に液圧が発生させられ、他方の液圧シリンダ332
においては後退中の制動時に液圧が発生させられること
になる。
【0071】本実施形態においては、連結部材160
が、ピストン156のピストンロッド334の係合部3
36において係合させられる。係合部336は軸線Mに
沿って延びた形状の溝を含む。また、ピストン156と
シリンダ本体154との間には、リターンスプリング3
38が設けられる。さらに、ピストン156の後退端位
置を規定するストッパ340が設けられる。ピストン1
56は、リターンスプリング338により後退端位置に
付勢される。その後退端位置において、ストッパ340
に当接し、連結部材160が、係合部336の溝の底面
である最もキャリパ側に位置する。液圧シリンダ33
0,332のそれぞれの液圧室164からはシリンダ個
別通路341,342が延び出させられて、合流して車
輪個別通路170(上記第1実施形態における個別通路
170であるが、本実施形態においては、シリンダ個別
通路に対して車輪個別通路と称する)とされる。このよ
うに、シリンダ個別通路341、342が合流させられ
て車輪個別通路170とされ、シリンダ個別通路34
1,342,車輪個別通路170,合流通路172,分
岐通路176を介して、後方液圧室42に接続される。
そのため、別個に後方液圧室42に接続されるようにさ
れている場合に比較して、液通路の本数を減らすことが
できる。
【0072】ブレーキ本体114が矢印の方向に回転さ
せられた場合には、液圧シリンダ330において、連結
部材160により、ピストン156がリターンスプリン
グ338の付勢力に抗して液圧室164の容積が減少す
る方向に前進させられる。液圧室164には、ピストン
156に連結部材160によって加えられる引張力に応
じた高さの液圧が発生させられる。それに対して、液圧
シリンダ332においては、連結部材160が係合部3
36の溝に沿って、ピストン156から離間する方向に
相対移動させられる。ピストン156が移動させられる
ことはないのであり、液圧シリンダ332は非作動状態
のままである。液圧シリンダ330の液圧室164に液
圧が発生させられると、液圧シリンダ332の液圧室1
64の液圧も同じ高さにされるが、この場合に、ピスト
ン156は後退端位置にあるため、これ以上後退させら
れることはない。作動液は圧縮性が小さいものであるた
め、液圧シリンダ330,332の液圧は直ちに同じに
なる。サーボ圧は、シリンダ個別通路341,342、
車輪個別通路170,合流通路172を経て電動液圧シ
リンダ12やマスタシリンダ10に供給される。それに
対して、ディスクロータ110の逆方向の回転中にディ
スクブレーキ16が作動させられると、キャリパ114
が逆方向に回動させられる。液圧シリンダ332が作動
状態にされるが、液圧シリンダ330は非作動状態のま
まである。液圧シリンダ332の液圧室164に液圧が
発生させられる。このように、本実施形態においては、
前進中における制動時にも後退中における制動時にも、
サーボ圧を利用することができる。また、後述するよう
に、前進中の制動時に液圧が発生させられる液圧発生装
置と後退中の制動時に液圧が発生させられる液圧発生装
置とが前輪側と後輪側とにそれぞれ設けられる場合よ
り、発生させられるサーボ圧の差が小さくなり、安定し
て供給することができる。
【0073】また、図7に示すように、1つの液圧シリ
ンダにおいて、前進中にも後退中にも液圧が発生させら
れるようにすることができる。液圧発生装置348は、
1つの液圧シリンダ350を含む。液圧シリンダ350
は、シリンダ本体352と、本体352に液密かつ摺動
可能に、互いに対向する状態で嵌合されたピストン35
4,356とを含み、ピストン354,356の間が液
圧室358とされる。ピストン354はキャリパ114
に設けられた突部360によって前進させられるもので
あり、ピストン356は連結部材362によって前進さ
せられるものである。ピストン354,356の間には
リターンスプリング364が設けられ、それぞれを後退
端位置に付勢する。後退端位置は本体352に設けられ
たストッパ366,368によって規定される。
【0074】ピストン354は、ピストンロッド370
の凹部371に突部360が係合させられた状態で設け
られる。キャリパ114が液圧シリンダ350に接近す
ることによって突部360によってピストンロッド37
0が押され、ピストン354がリターンスプリング36
4の付勢力に抗して前進させられる。ピストン354は
キャリパ114の接近による押付力によって移動させら
れるのである。ピストン356は、前述のピストン15
6と同様に、連結部材362がピストンロッド372の
溝状を成した係合部374において係合させられる。ピ
ストン356は、キャリパ114の液圧シリンダ350
からの離間による引張力によって、液圧室358の容積
が減少する方向に移動させられる。
【0075】ディスクロータ110の正回転中にブレー
キが作動させられると、キャリパ114が正方向に回動
させられる。連結部材362がそれに伴って引っ張ら
れ、ピストン356がスプリング364の付勢力に抗し
て前進させられる。この場合には、ピストン354は突
部360によって前進させられることはなく、ストッパ
366によって規定される後退端位置にある。液圧室3
58の容積が減少させられ、液圧が発生させられる。デ
ィスクロータ110の逆回転中にブレーキが作動させら
れると、キャリパ114が逆方向に回動させられる。突
部360によってピストン354が前進させられる。液
圧室358の容積が減少させられ、液圧が発生させられ
る。連結部材362は係合部374に沿ってピストン3
56に対して相対移動させられ、ピストン356はスト
ッパ368によって規定される後退端に位置することに
なる。このように、本実施形態においては、1つの液圧
シリンダ350において、前進中にも後退中にも液圧を
発生させることができる。キャリパ114による引張力
と押付力とによって、液圧室358の容積を減少させる
ことができるのである。
【0076】さらに、上記実施形態においては、電動式
液圧シリンダ12の後方液圧室78にサーボ圧が供給さ
れるようにされていたが、後方液圧室78の液圧が制御
されるようにすることもできる。図8に示すように、本
実施形態においては、第2サーボ圧供給制御弁180と
並列に逆止弁399が設けられる。逆止弁399は、液
圧室164への作動液の流入を許容し、流出を阻止する
ものである。また、分岐通路175に電磁液圧制御弁で
ある増圧制御弁400が設けられ、リザーバ通路80に
リザーバ連通弁の代わりに電磁液圧制御弁である減圧制
御弁402が設けられる。後方液圧室78の液圧が増圧
制御弁400,減圧制御弁402の制御により制御され
る。増圧制御弁400は、第1サーボ圧供給制御弁の機
能も備えたものであり、増圧制御弁400と第2サーボ
圧供給制御弁180とによって、サーボ圧の供給状態が
制御される。これらによって、サーボ圧がマスタシリン
ダ10と電動式液圧シリンダ12との両方に供給される
状態、マスタシリンダ10と電動式液圧シリンダ12と
のいずれか一方に供給される状態、両方に供給されない
状態に切り換えることができる。
【0077】電磁液圧制御弁400,402は、図9に
示すように、シーティング弁410とコイル412を備
えたソレノイド414とを含む。シーティング弁410
は、弁座420と弁座420に対して接近・離間可能な
弁子422とを含み、スプリング424の付勢力によっ
て弁子422が弁座420に着座させられる方向に付勢
される。コイル412に電流が供給されない状態では、
シーティング弁410は閉状態にある常閉弁である。コ
イル412に電流が供給されると、電磁駆動力が弁子4
22を弁座420から離間させる方向に作用する。ま
た、前後の液圧差に応じた差圧作用力が弁子422を弁
座420から離間させる方向に作用する。その結果、弁
子422の弁座420に対する相対位置が、差圧作用
力、電磁駆動力、スプリングの付勢力の大きさによって
決まるのであり、相対位置は電磁駆動力の制御によって
制御される。電磁液圧制御弁400においては、液圧発
生装置24の液圧室164と後方液圧室78との間の差
圧に応じた差圧作用力が加えられ、電磁液圧制御弁40
2は、後方液圧室78とリザーバ48との間の差圧(後
方液圧室78の液圧)に応じた差圧作用力が加えられ
る。
【0078】本実施形態においては、上記実施形態にお
ける場合と同様に、サーボ圧必要条件が満たされた場合
には、制御圧室70,72の液圧が、ブレーキECU3
00により、後方液圧室78の制御と電動モータ50の
制御との両方により制御される。制御ピストン56に
は、電動モータ50による電磁駆動力と後方液圧室78
の液圧による液圧助勢力との両方が加えられ、制御圧室
70,72には、これらの和に対応する液圧が発生させ
られる。電動モータ50,増圧、減圧制御弁400,4
02の制御の一例を、図11に示す。図に示すように、
ブレーキスイッチ311は、ブレーキペダル34のスト
ロークが設定値に達した場合にOFFからONに切り換
えられるようにされているため、運転者によるブレーキ
ペダル34の踏込み開始に遅れてブレーキスイッチ31
1がONに切り換えられる。ブレーキスイッチ311が
ONに切り換えられるとマスタ遮断弁98,100が閉
状態に切り換えられ、電動式液圧シリンダ12による制
御が開始される。本実施形態においては、ブレーキスイ
ッチ311がONになった場合には、マスタシリンダ1
0の加圧室36,38に液圧が発生しており、マスタ遮
断弁98,100が閉状態にされる以前に、マスタシリ
ンダ10の作動液がブレーキシリンダに供給される。
【0079】増圧制御時には、要求ブレーキ液圧の増加
に伴って増圧制御弁400への供給電流が増加させられ
て、電動モータ50への供給電流が増加させられる。こ
の場合には、減圧制御弁402は閉状態に保たれる。保
持制御または減圧制御時には、増圧制御弁400が閉状
態に切り換えられて、減圧制御弁402および電動モー
タ50が制御される。この場合には、電動モータ50の
制御が優先して行われる。減圧制御時には、減圧制御弁
402の制御による場合より電動モータ50による電磁
駆動力を小さくすることによって減圧させられるように
することが望ましい。その方が、電動モータ50への消
費電力を小さくすることができ、かつ、サーボ圧が無駄
にリザーバ48に流出させられることを抑制することが
できる。また、電動モータ50の制御による方が減圧制
御弁402の制御による場合より制御精度を向上させる
ことができる。電動モータ50への供給電流を小さくす
ることによっても偏差の絶対値が小さくならない場合、
偏差の絶対値が大きい場合等に、減圧制御弁402の制
御により、後方液圧室78の液圧が減圧させられる。ブ
レーキ操作が解除された場合に、減圧制御弁402が一
定時間の間開状態にされることにより、後方液圧室78
の作動液がリザーバ48に戻されるようにすることもで
きるが不可欠ではない。後方液圧室78に作動液が残っ
ていても差し支えないのである。
【0080】減圧制御時等には、減圧制御弁402は、
制御ピストン56の後退、前進が許容されるように、適
宜開状態とすることが望ましい。また、液圧発生装置2
4においては、減圧制御時またはブレーキ解除時には、
逆止弁399により、ピストン156の後退に伴う液圧
室164の容積の増加が許容され、液圧室164が負圧
になることが回避される。電動モータ50の異常時等に
は、第2サーボ圧供給制御弁180が開状態にされ、サ
ーボ圧がマスタシリンダ10の後方液圧室42に供給さ
れる。この場合には、増圧制御弁400へも減圧制御弁
402へも電流が供給されなくなることにより閉状態に
保たれる。
【0081】図10には、後方液圧室78の液圧による
液圧助勢力と電動モータ50による電磁駆動力との制御
の一例を示す。図10に示すように制御されれば、液圧
助勢力の電磁駆動力に対する比率(B/A)が、予め定
められた一定の大きさにされる。また、踏力の変化に伴
って液圧助勢力の電磁助勢力に対する比率(B/A)が
連続的または段階的に変化させられるようにすることも
できる。この比率B/Aは、サーボ圧必要条件が満たさ
れた場合と満たされない場合とにおいては、設定値と0
とに変更されることになる。なお、増圧制御弁400,
減圧制御弁402の少なくとも一方は常開弁とすること
もできる。また、液圧発生装置は、図6,7に示すもの
とすることができる等上記各実施形態の態様を適宜採用
することができる。以下の実施形態においても同様とす
る。
【0082】さらに、マスタシリンダ10の後方液圧室
42に作動液が供給されるようにすることは不可欠では
ない。図12には、サーボ圧がマスタシリンダ10の後
方液圧室42に供給されないで電動式液圧シリンダ12
の後方液圧室78に供給されるブレーキ装置の一部を示
す。この場合には、後方液圧室78,液圧発生装置24
とリザーバ48との間に液圧制御装置450が設けら
れ、液圧制御装置450の制御により、後方液圧室78
の液圧が制御されるとともに、電動モータ50への供給
電流が制御される。液圧制御装置450は、1つ以上の
電磁制御弁を含むものであり、後方液圧室78を液圧発
生装置24に連通させたり、リザーバ48に連通させた
りすることによって、後方液圧室78の液圧を制御す
る。なお、液圧制御装置450を設けることは不可欠で
はない。後方液圧室78にサーボ圧が直接供給される状
態で、電動モータ50の制御または液圧制御弁装置10
4の制御により、ブレーキシリンダ22c,dの液圧が
制御されるようにすることができる。この場合には、液
圧制御弁装置104の下流側にブレーキ液圧センサ45
2を設けることが望ましい。
【0083】逆に、サーボ圧を電動式液圧シリンダ12
に供給することは不可欠ではない。マスタシリンダ10
の後方液圧室42のみに供給されるようにすることがで
きる。図13に示すように、左右後輪19のそれぞれの
液圧発生装置24から個別通路470が伸び出させら
れ、これら個別通路470が合流させられた合流通路4
72がマスタシリンダ10の後方液圧室42に接続され
る。合流通路472にはサーボ圧供給制御弁474およ
び逆止弁475が設けられる。本実施形態においては、
通常制動時には、サーボ圧供給制御弁474,マスタ遮
断弁98,100の閉状態において、ブレーキシリンダ
20,22の液圧が電動式液圧シリンダ12の制御によ
り制御されるが、電動式液圧シリンダ12の異常時に
は、サーボ圧供給制御弁474およびマスタ遮断弁9
8,100が開状態にされて、マスタシリンダ10の液
圧がブレーキシリンダ20,22に供給される。また、
リザーバ連通弁82が閉状態にされるとストロークシミ
ュレータ190の作動が禁止される。そのため、電動モ
ータ50の異常時に、リザーバ連通弁82が閉状態とさ
れ、マスタシリンダ10の作動液がストロークシミュレ
ータ190において消費されることを回避することがで
きる。
【0084】なお、電動式液圧シリンダ12は不可欠で
はない。図14に示すブレーキ装置においては、液圧発
生装置24はマスタシリンダ10の後方液圧室42に常
に連通させられ、サーボ圧が後方液圧室42に供給され
る。加圧室36,38には、ブレーキ操作力が倍力され
た大きさの液圧が発生させられ、ブレーキシリンダ2
0,22に供給される。
【0085】マスタシリンダ10において、加圧ピスト
ン30に運転者によるブレーキ操作力Fが加えられ、後
方液圧室42の液圧が液圧Psの場合には、加圧室38
の液圧はPmとなり、これらの間には式 F+(Am−Amp)・Ps=Am・Pm・・・(1) が成立する。ここで、Amは、加圧ピストン30の加圧
室38に対向する受圧面の面積であり、Ampは、加圧ピ
ストン30のピストンロッドの断面積である。したがっ
て、加圧ピストン30の後方液圧室42に対向する受圧
面の面積は(Am−Amp=Ams)で表される大きさとな
る。また、液圧ブレーキ16において、ブレーキシリン
ダ22c,dの断面積をAwとし、ブレーキ液圧がPwの
場合には、ピストン152の受圧面積をAsとした場合
のサーボ圧はPsとなる。これらの間には、式 Aw・Pw・BEF=As・Ps・・・(2) が成立する。ここで、サーボ圧はそのまま後方液圧室4
2に供給されるため、後方液圧室42の液圧は液圧シリ
ンダ152の液圧室164の液圧と同じになる。また、
マスタシリンダ10の加圧室36,38の液圧はそのま
まブレーキシリンダ22c,dに伝達されるため、ブレ
ーキ液圧Pwとマスタ圧Pmとが同じ大きさになる。Pw
=Pm・・・(3)
【0086】これら(1)〜(3)の関係および(1)式、(2)式
における液圧Psは等しいことから、サーボ比(Pm・A
m/F)は、式 (Pm・Am/F)=1/{1−(Aw・Ams・BEF/
Am・As)} で決まる。また、セルフロックを防止するためには、式 (Aw・Ams・BEF/Am・As)<1 が成立するように緒元を決定する。サーボ圧が負の値に
ならないようする。本実施形態においては、サーボ比が
マスタシリンダ10、ブレーキシリンダ22c、d、液
圧シリンダ152の形状等によって決まるが、ブレーキ
液圧をそれ以外の大きさに制御する場合には、液圧弁装
置102,104を利用して制御することができる。し
かし、通常制動時には、運転者による操作力が一定のサ
ーボ比で倍力された大きさのブレーキ液圧が得られれば
十分であり、それ以外の制御が行われるようにすること
は不可欠ではない。
【0087】さらに、マスタシリンダ10の後方液圧室
42の液圧自体が制御されるようにすることもできる。
図15に示すブレーキ装置においては、合流通路472
に電磁液圧制御弁である増圧制御弁500と逆止弁50
1とが並列に設けられる。電磁液圧制御弁500はサー
ボ圧供給制御弁としての機能も有する。また、後方液圧
室42とリザーバ48との間の液通路191には、流出
制御弁192と並列に、減圧制御弁502と、逆止弁5
04とが設けられる。減圧制御弁502、増圧制御弁5
00は、前後の差圧を供給電流に応じた大きさに制御可
能なものであり、減圧制御弁502は、常閉弁であり、
図9に示す構造の液圧制御弁とほぼ同じものであるが、
増圧制御弁500は常開弁である。スプリングの付勢力
が弁子を弁座から離間させる方向に作用し、コイルへの
供給電流に応じた電磁駆動力が弁子を弁座に着座させる
方向に作用する。コイルに電流が供給されない状態で開
状態にある。
【0088】また、マスタ圧センサ510が液通路90
に設けられ、加圧室36の液圧を検出する。マスタ圧セ
ンサ510による検出液圧は、液圧制御弁装置102,
104がそれぞれ、マスタシリンダ10とブレーキシリ
ンダとを連通させる状態にある場合には、ブレーキ液圧
と同じである。本実施形態においては、図16に示すよ
うに、増圧制御弁500,減圧制御弁502が、マスタ
圧センサ510による検出液圧が要求ブレーキ液圧に近
づくように制御される。換言すれば、増圧制御弁500
と減圧制御弁502との制御により後方液圧室42の液
圧が制御されるのであり、それにより、ブレーキ操作力
の倍力率が制御される。本実施形態において、原則とし
ては、増圧制御弁500によりサーボ圧が供給される状
態で、マスタ圧センサ510による検出液圧が目標値に
近づくように、減圧制御弁502の制御により制御され
る。保持制御時には、増圧制御弁500,減圧制御弁5
02の両方が閉状態とされ、減圧制御時には、液圧室1
64には2つの逆止弁504,501を経てリザーバ4
8から作動液が供給され、負圧になることが回避され
る。また、ブレーキ操作が緩められた場合には、増圧制
御弁500、減圧制御弁502が開状態にされる。それ
によって、後方液圧室42の作動液がリザーバ48に戻
され、液圧室164の液圧が大気圧まで戻される。
【0089】なお、後方液圧室42とリザーバ48との
間に流出阻止弁192を設けることは不可欠ではない。
減圧制御弁502によれば、後方液圧室42からリザー
バ48への作動液の流出を阻止することができる。ま
た、減圧制御弁502も不可欠ではない。減圧制御は、
液圧制御弁装置102,104の制御により行われるよ
うにすることができる。さらに、増圧制御弁500も不
可欠ではない。後方液圧室42の液圧は減圧制御弁50
2の制御により制御することができる。いずれにして
も、増圧制御弁500および減圧制御弁502の両方を
設ける必要は必ずしもないのであり、液圧制御弁装置1
02,104があれば、ブレーキ液圧を制御することが
できる。また、液圧制御弁装置102,104がない場
合においても減圧制御弁500によれば、後方液圧室4
2の液圧を制御することができる。
【0090】さらに、マスタシリンダ10の加圧ピスト
ン30に加えられる運転者によるブレーキ操作力を助勢
する電磁助勢装置520を設けることができる。電磁助
勢装置520は、マスタシリンダ10とブレーキペダル
34との間に、これらと直列に設けられる。加圧ピスト
ン30に軸力である推進力が加えられるのであり、ブレ
ーキ操作力と電磁駆動力とが外部駆動力として軸方向に
加えられる。電磁助勢装置520は、電気的駆動源とし
ての電動モータ530,駆動力伝達装置532等を含
む。駆動力伝達装置532は、運動変換装置としてのボ
ールねじ機構534を含む。ボールねじ機構534によ
れば、電動モータ530の出力軸の回転が駆動部材53
8の軸方向の移動に変換される。駆動部材538は、一
端部において加圧ピストン30に係合させられ、他端部
において、ブレーキペダル34に連携させられる。駆動
部材538によって加圧ピストン30に外部駆動力が伝
達される。
【0091】電動モータ530の非作動状態において
は、駆動部材538はブレーキペダル34の操作によっ
て前進させられ、加圧ピストン30に操作力が加えられ
る。加圧室36,38には、ブレーキ操作力に応じた高
さの液圧が発生させられる。ボールねじ機構534は逆
効率がよいため、電動モータ530が非作動状態にあっ
ても、操作力が加えられると、駆動部材538の前進が
許容されるのであり、ブレーキを作動させることができ
る。また、駆動部材538の移動によって電動モータ5
30の出力軸536が回転させられるのであり、運転者
によるブレーキ操作によって電動モータ530が回転さ
せられることになる。換言すれば、電動モータ530が
異常であっても、ブレーキペダル34の操作によって加
圧ピストン30を前進させることができるのであり、液
圧ブレーキ14,16を作動させることができる。な
お、符号540,542は、ラジアルベアリング、スラ
ストベアリングであり、それぞれ電動モータ530の回
転を許容する。また、ラジアルベアリング540,スラ
ストベアリング542は、それぞれ、半径方向の力と軸
方向の力とを受ける。
【0092】本実施形態においては、図18に示すよう
に、電動モータ530への供給電流、後方液圧室42の
液圧がそれぞれ制御され、加圧室36,38の液圧が操
作力を倍力した大きさに対応する高さ(要求ブレーキ液
圧)に制御される。加圧ピストン30には、ブレーキ踏
力と電磁駆動力と後方液圧室42の液圧に応じた液圧助
勢力とが加えられ、加圧室36,38にはこれらの和に
応じた液圧が発生させられる。このように、本実施形態
においては、液圧助勢力と電磁助勢力との両方が助勢力
として加えられるため、運転者によるブレーキ操作力が
同じであっても、ブレーキ液圧を大きくすることができ
る。また、ブレーキ液圧を同じ高さに制御する場合に、
電磁助勢力のみが加えられる場合に比較して、電動モー
タへの供給電流を低減させることができる。さらに、図
に示す液圧助勢力の電磁助勢力に対する比率(A/B)
の値は、予め決定しておくことができるが、踏力が大き
いほど比率が大きくなるようにすることもできる。
【0093】なお、液圧助勢力の制御と電磁助勢力の制
御との両方が行われるようにするのではなく、いずれか
一方が択一的に行われるようにすることもできる。上記
実施形態における場合と同様に、サーボ圧必要条件が満
たされた場合に液圧助勢力が加えられるようにしたり、
電動モータ530が正常な場合には、電磁助勢装置52
0の制御により制御されるようにして、電動モータ53
0の異常時には、後方液圧室42の制御により制御され
るようにすることができる。また、要求ブレーキ液圧が
設定圧より小さい場合にはいずれか一方の制御が行わ
れ、設定圧以上になった場合に、両方の助勢力が加えら
れるようにしたりすることができる。さらに、液圧助勢
力の制御と電磁助勢力の制御とのいずれか一方が優先的
に行われるようにすることができる。また、後方液圧室
42の液圧が制御可能とすることは不可欠ではない。後
方液圧室42にサーボ圧が直接供給される状態で、要求
ブレーキ液圧に対する不足分が電磁助勢力で補われるよ
うにすることができる。
【0094】さらに、図19に示すように、電磁ブース
タ530の代わりにバキュームブースタ550とするこ
とができる。バキュームブースタ550によれば、負圧
室560と変圧室562との差圧に応じた負圧助勢力が
加えられる。この場合には、加圧ピストン30に運転者
によるブレーキ操作力と負圧助勢力との和が外部駆動力
として加えられる。変圧室562の圧力を電磁開閉弁5
64の制御によって制御することによって、負圧室56
0と変圧室562との差圧を制御し、負圧助勢力を制御
することができる。なお、負圧助勢力が制御されるよう
にすることは不可欠ではない。液圧助勢力が制御されれ
ばサーボ比を制御することができるのであり、ブレーキ
液圧を制御することができる。
【0095】また、サーボ圧を利用して、ブレーキシリ
ンダ20,22の液圧が直接制御されるようにすること
ができる。図20に示すブレーキ装置においては、サー
ボ圧がマスタシリンダ10の加圧室36,38と前輪
側、後輪側のブレーキシリンダ20,22とを接続する
液通路580、582のマスタ遮断弁98,100より
ブレーキシリンダ側の部分に供給される。その他の部分
については上記各実施形態における場合と同じであるた
め、説明を省略する。本実施形態においては、液圧発生
装置24と液通路580,582との間にそれぞれ増圧
制御弁590が設けられ、液通路580,582とリザ
ーバ48との間にそれぞれ減圧制御弁592が設けられ
る。これら増圧制御弁590,減圧制御弁592は常閉
弁であり、これらの制御によりブレーキシリンダの液圧
が制御される。増圧制御弁590は、合流通路572と
液通路580,582のマスタ遮断弁98,100より
ブレーキシリンダ側の部分とを接続する増圧通路594
に設けられ、減圧制御弁592は、液通路580,58
2のマスタ遮断弁98,100よりブレーキシリンダ側
の部分とリザーバ48とを接続する減圧通路596に設
けられる。また、合流通路572の増圧通路594との
接続部よりマスタシリンダ側の部分にはサーボ圧供給制
御弁598が設けられる。
【0096】ブレーキ液圧は、マスタ遮断弁98,10
0が閉状態とされて、ブレーキシリンダ20,22がマ
スタシリンダ10から遮断された状態で制御される。液
通路580,582のマスタ遮断弁98,100よりブ
レーキシリンダ側の部分は同じ液圧になり、本実施形態
においては、液通路582のマスタ遮断弁98よりブレ
ーキシリンダ側の部分にブレーキ液圧センサ600が設
けられる。増圧制御時においては、サーボ圧供給制御弁
598が閉状態にされ、減圧制御弁592が閉状態にさ
れた状態で、増圧制御弁590の制御によりブレーキシ
リンダ20,22の液圧が増圧制御される。サーボ圧が
増圧制御弁590により減圧されてブレーキシリンダ2
0,22に供給される。保持制御時においては、増圧制
御弁590および減圧制御弁592が閉状態にされる。
ブレーキシリンダ20,22における作動液の流出流入
が阻止されて、液圧が保持される。減圧制御時において
は、増圧制御弁590が閉状態にされ、減圧制御弁59
2の制御により、ブレーキシリンダ20,22の液圧が
制御される。ブレーキシリンダ20,22の液圧は減圧
制御弁592の制御によりリザーバ48に供給される。
この場合には、サーボ圧供給制御弁598が開状態にさ
れる。液圧シリンダ152には、リザーバ48からの作
動液の供給が許容される。液圧シリンダ152において
ピストン156の後退に伴う液圧室164の容積の増加
が許容される。サーボ圧供給制御弁598は保持制御時
にも開状態にされるようにすることもできる。
【0097】電気系統の異常時には、各電磁制御弁は電
流が供給されなくなることにより、サーボ圧供給制御弁
598およびマスタ遮断弁98,100が開状態にされ
る。サーボ圧がマスタシリンダ10の後方液圧室42に
供給され、加圧ピストン30に液圧助勢力が加えられ
る。増圧制御弁590,減圧制御弁592は共に常閉弁
であるため、電流が供給されなくなることにより閉状態
にされるため、サーボ圧の液通路580、581への供
給が阻止される。
【0098】なお、減圧制御時には、液圧制御弁装置1
02,104の制御によりブレーキシリンダ20,22
の液圧が減圧させられるようにすることができる。この
場合には、減圧制御弁592および減圧通路596が不
要となる。また、サーボ圧供給制御弁598と並列に逆
止弁を設ければ、減圧制御時にサーボ圧供給制御弁59
8を開状態に切り換えることが不可欠ではなくなる。さ
らに、上記実施形態においては、サーボ圧がマスタシリ
ンダとブレーキシリンダとを接続する液通路580,5
82の両方にそれぞれに供給されるようにされていた
が、図21に示すように、マスタシリンダとブレーキシ
リンダとを接続する液通路のいずれか一方に供給される
だけでもよい。本実施形態においては、分岐通路610
が液通路90のマスタ遮断弁98の下流側に接続され、
分岐通路610に第2サーボ圧供給制御弁612が設け
られる。
【0099】通常制御時には、第2サーボ圧供給制御弁
180も第1サーボ圧供給制御弁612も閉状態にされ
る。ブレーキシリンダの液圧がマスタ遮断弁98,10
0の閉状態によりマスタシリンダ10から遮断された状
態で電動式液圧シリンダ12の制御により制御される。
それに対して、ブレーキ操作初期には、第2サーボ圧供
給制御弁180が閉状態とされて、第1サーボ圧供給制
御弁612が開状態にされる。サーボ圧を制御圧室70
を経てブレーキシリンダ20,22に供給することがで
き、ブレーキの効き遅れを抑制することができる。サー
ボ圧が制御圧室70に供給されるのであるが、この場合
には、浮動ピストン58により、制御圧室70,72の
液圧は同じになる。そのため、液通路90,92の両方
に供給しなくても、前後両方の車輪に等しく液圧を供給
することができる。ブレーキシリンダ22c、dに僅か
に液圧が発生して、つれ回りが生じれば、液圧発生装置
24にサーボ圧を発生させることができる。この状態に
おいて、サーボ圧がブレーキシリンダに供給されれば、
ブレーキシリンダの液圧を速やかに増加させることがで
き、フィルアップ効果を得ることができる。電気系統の
異常時には、第2サーボ圧供給制御弁180およびマス
タ遮断弁98,100が開状態にされ、第1サーボ圧供
給制御弁612が閉状態にされる。サーボ圧がマスタシ
リンダの後方液圧室に供給される。
【0100】さらに、図22〜24に示すように、サー
ボ圧を加圧下で蓄えるアキュムレータを設けることがで
きる。図22においては、合流通路172にアキュムレ
ータ630が接続通路631を介して接続される。本実
施形態においては、個別通路170,合流通路172,
接続通路631等によって作動液導入通路632が構成
され、接続通路631,分岐通路175等によって作動
液供給通路が構成される。接続通路は、作動液導入通路
と作動液供給通路とに共通の構成要素である。接続通路
631には、アキュムレータ連通弁634と逆止弁63
6とが並列に設けられる。逆止弁636は、液圧発生装
置24からアキュムレータ630へ向かう作動液の流れ
を許容し、逆向きの流れを阻止する。
【0101】本実施形態においては、上記第1実施形態
における場合と同様にブレーキシリンダ20,22がマ
スタシリンダ10から遮断された状態で、電動式液圧シ
リンダ12の制御によりブレーキ液圧が制御される。通
常制動時には、アキュムレータ連通弁634が閉状態に
され、第2サーボ圧供給制御弁180は閉状態とされ
る。電動式液圧シリンダ12の後方液圧室78には液圧
発生装置24から液圧が供給される。ブレーキシリンダ
の液圧は電動式液圧シリンダ12の制御により制御され
る。液圧発生装置24の液圧がアキュムレータ圧より高
くなると、液圧発生装置24からアキュムレータ630
に作動液が逆止弁636を経て供給される。
【0102】ブレーキ操作初期には、アキュムレータ連
通弁634が開状態にされ、アキュムレータ630の液
圧が後方液圧室78に供給される。ブレーキ操作初期に
は、液圧発生装置24のサーボ圧よりアキュムレータ圧
の方が高いため、アキュムレータ630から液圧が供給
されるようにすることが望ましい。それによって、ブレ
ーキの効き遅れを小さくすることができ、フィルアップ
効果を得ることができる。また、ブレーキ操作速度が早
い場合等の緊急制動時にも、アキュムレータ連通弁63
4が開状態にされれば、ブレーキ液圧を直ちに所望の値
に近づけることができ、応答性を向上させることができ
る。さらに、要求ブレーキ液圧が設定値以上の場合にア
キュムレータ連通弁634が開状態にされれば、その
分。電動モータ50への供給電流を小さくすることがで
きる。
【0103】本実施形態においては、アキュムレータ圧
が設定範囲内になるように制御されるわけではないた
め、逆止弁636を経て液圧発生装置24からアキュム
レータ630に作動液が供給されることにより、アキュ
ムレータ圧が過大になるおそれがある。そこで、アキュ
ムレータ630に蓄えられた作動液の液圧が過大になる
ことを防止する必要がある。例えば、仕切部材がピスト
ンであるピストン式の場合には、ピストンの移動限度を
規定するストッパを設ける。その結果、蓄えられる作動
液の液圧が過大になることを防止することができる。ま
た、仕切部材がベローズの場合においても、ベローズの
伸縮限度を規定する規定部材を設ける。それによって、
液圧が過大になることを回避しつつ、ベローズに加えら
れる負荷が過大になることを防止することができる。さ
らに、逆止弁636と直列に電磁開閉弁を設け、アキュ
ムレータ圧が設定圧以上になったら、閉状態に切り換え
られるようにすることもできる。このようにすれば、ア
キュムレータ圧が設定圧以上になった場合に、液圧発生
装置24から作動液が供給されることを防止することが
できる。
【0104】電動モータ50等の異常時には、アキュム
レータ連通弁634が開状態に、リザーバ連通弁82が
閉状態に、第2サーボ圧供給制御弁180が開状態に切
り換えられ、マスタ遮断弁98,100が開状態に切り
換えられる。アキュムレータ630の作動液がマスタシ
リンダ10の後方液圧室42に供給されることにより、
ブレーキ操作力が倍力されて、ブレーキシリンダに供給
される。この場合には、後方液圧室78にも供給される
が、制御圧室70,72の液圧と釣り合う位置で制御ピ
ストン56,58は停止させられる。サーボ圧によりブ
レーキ操作力が倍力されて、制御圧室70,72を経
て、ブレーキシリンダ20,22に供給される。
【0105】このように、アキュムレータ630にサー
ボ圧を蓄えておけば、図25に示すように、応答性を向
上させることができ、電動モータ50による電磁駆動力
が同じ場合のブレーキ力を大きくすることができる。電
動モータ50による電磁駆動力の必要最大値を小さくす
ることができ、作動開始時の駆動力を小さくすることが
できるため、電動モータ50の小形化を図ることがで
き、コストダウンを図ることができる。また、異常時に
も、液圧源として使うことができ、有効である。さら
に、アキュムレータ630に作動液を蓄えるための専用
のポンプ装置等が不要になる。換言すれば、蓄圧のため
の専用のポンプ装置を設けなくてもアキュムレータに作
動液を蓄えることができるのであり、ブレーキ装置の小
形化を図ることができ、コストダウンを図ることができ
る。本実施形態においては、アキュムレータ連通弁63
4,第2サーボ圧供給制御弁180の制御により、アキ
ュムレータ630,マスタシリンダ10の後方液圧室4
2,電動式液圧シリンダ12の後方液圧室78の間の作
動液の流通状態を制御することができ、これら等によっ
て供給状態制御装置が構成される。
【0106】図23に示すブレーキ装置においては、ア
キュムレータ640が個別通路170に接続通路641
を介して設けられる。また、接続通路641には、上記
実施形態における場合と同様に、アキュムレータ連通弁
644,逆止弁646が並列に設けられる。通常制動時
には、第2サーボ圧供給制御弁180が閉状態にされ
る。左右後輪にそれぞれ設けられた液圧シリンダ152
に発生させられたサーボ圧がアキュムレータ圧より高く
なれば、アキュムレータ640に供給されて蓄えられ
る。また、上記第1実施形態における場合と同様に緊急
時等サーボ圧必要条件が満たされた場合には、第2サー
ボ圧供給制御弁180が開状態に切り換えられ、アキュ
ムレータ連通弁644が開状態に切り換えられる。アキ
ュムレータ圧がマスタシリンダ10の後方液圧室42に
供給され、ブレーキ操作力が倍力されてブレーキシリン
ダに供給される。本実施形態においては、アキュムレー
タ連通弁644,第2サーボ圧供給制御弁180等によ
ってアキュムレータ640、液圧発生装置24、マスタ
シリンダ10の後方液圧室42の間の作動液の流通状態
が制御されるのであり、これら等によって供給状態制御
装置が構成される。また、第2サーボ圧供給制御弁18
0が常閉の電磁開閉弁とされている。アキュムレータ6
40の液圧をマスタシリンダ10に供給する場合に電流
が供給されることにより開状態とされることになる。
【0107】また、図24に示すように、アキュムレー
タ圧に基づいてブレーキシリンダ20,22の液圧が制
御されるようにすることができる。アキュムレータ65
0に対応して、アキュムレータ連通弁652と逆止弁6
54とが並列に設けられる。また、アキュムレータ65
0と、ブレーキシリンダ20,22と、リザーバ48と
の間に液圧制御弁装置656が設けられる。液圧制御弁
装置656は、アキュムレータ650とブレーキシリン
ダ20,22との間に設けられた電磁開閉弁658と、
ブレーキシリンダ20,22とリザーバ48との間に設
けられた電磁開閉弁660とを含む。ブレーキシリンダ
20,22がアキュムレータ650とリザーバ48とに
選択的に連通させられることによって、ブレーキ液圧が
制御される。通常制動時には、電磁開閉弁658、66
0が閉状態とされることにより、サーボ圧が逆止弁65
4を経てアキュムレータ650に供給される。それに対
して、サーボ圧必要条件が満たされると、アキュムレー
タ圧連通弁652が開状態にされた状態で、電磁開閉弁
658、660の制御により、ブレーキ液圧が制御され
る。アキュムレータ圧が制御されてブレーキシリンダ2
0,22に供給されるのである。また、リザーバ48と
液圧発生装置24との間にはリザーバ48から液圧発生
装置への作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止す
る逆止弁662が設けられる。逆止弁662により、液
圧発生装置24の液圧室164が負圧になることを回避
することができる。
【0108】なお、ブレーキは電動ブレーキとすること
ができる。本実施形態においては、ブレーキ装置がX配
管とされ、図26に示すように、後輪側のブレーキが液
圧ブレーキとされ、前輪側のブレーキが電動ブレーキと
される。電動ブレーキには液圧助勢力が加えられる。電
動ブレーキ700においては、摩擦係合部材としてのブ
レーキパッド702,703が電動モータ704による
押付け力によりブレーキ回転体110に押し付けられ
る。電動モータ704の駆動力が運動変換装置としての
ボールねじ機構706を介して押圧部材708に伝達さ
れる。ボールねじ機構706の出力部材709が押圧部
材708に係合させられ、出力部材709の前進に伴っ
て押圧部材708が前進させられる。また、電動モータ
704はディスクロータ110の両側でなく、片側に設
けられる。図27に示すように、電動モータ704を保
持するキャリパ712はブレーキ本体としてのマウンテ
ィングブラケット714に保持され、マウンティングブ
ラケット714が車体側部材116にほぼ周方向に移動
可能に保持される。そのマウンティングブラケット71
4の周方向の移動により、液圧発生装置716に液圧が
発生させられる。符号717は、マウンティングブラケ
ットまたはマウンティングブラケット714の移動に基
づいて移動させられる連結部材であり、この部材717
により、マウンティングブラケット714の周方向の移
動が液圧発生装置716に伝達され、液圧室718に
は、それに応じた液圧が発生させられる。なお、図26
においては、液圧発生装置716および電動ブレーキ7
00を概念的に示した模式図である。
【0109】前述の押圧部材708は段付き形状を成し
たものであり、ハウジングにシール部材719a,bを
介して液密かつ摺動可能に嵌合され、押圧部材708の
段部の後方には後方液圧室720が設けられる。この後
方液圧室720に液圧発生装置716において発生させ
られたサーボ圧が供給される。押圧部材708には、電
動モータ704による電磁駆動力と後方液圧室720の
液圧による液圧助勢力とが加えられてブレーキパッド7
02,703をブレーキ回転体110に押し付ける。ブ
レーキパッド702,703のブレーキ回転体110へ
の押付力を同じにする場合には、液圧助勢力の分だけ電
動モータ704への供給電流を小さくすることができ
る。また、電動モータ704への供給電流が同じ場合に
は、液圧助勢力の分だけ押付力を大きくすることができ
る。
【0110】図に示すように、本実施形態においては、
右後輪19の液圧ブレーキ16のブレーキシリンダ22
と左前輪18の電動ブレーキ700の後方液圧室720
とが個別通路722、724を介して連通させられる。
さらに、これら個別通路722,724は合流させられ
て合流通路726とされるが、合流通路726によって
マスタシリンダ10に接続される。合流通路726には
マスタ遮断弁728が設けられる。マスタ遮断弁728
よりブレーキシリンダ側の部分においては液圧は同じに
なり、その部分に液圧センサ730が設けられる。一
方、前述のように、液圧発生装置716の液圧室718
が後方液圧室720に連通させられるため、結果的に、
右後輪19のブレーキシリンダ22,左前輪18の電動
ブレーキ700の後方液圧室720,液圧発生装置71
6の液圧室718は互いに連通させられ、これらの液圧
は同じになる。
【0111】本実施形態においては、押圧部材708の
押圧力を検出する押圧力センサ732が設けられ、押圧
力が目標値に近づくように電動モータ704が制御され
る。押圧力の増加により、液圧室718のサーボ圧が増
加し、液圧助勢力が増加する。図28に示すように、押
圧力は、電動モータ704への供給電流の制御により制
御されるようにするのが望ましい。サーボ圧は安定しな
いことが多いからである。マスタ遮断弁728が遮断状
態に切り換えられる以前に、後方液圧室720に作動液
が供給されるようにすれば、電動ブレーキ700の作動
遅れを小さくすることができる。その結果、電動モータ
704の容量を小さくすることができる。なお、サーボ
圧と押圧力との間には、予め定められた関係が成立する
ため、液圧センサ730による検出液圧に基づいて電動
モータ704の制御が行われるようにすることもでき
る。液圧センサ730による検出液圧が要求ブレーキ液
圧に近づくように、電動モータ704への供給電流が制
御されるようにするのである。液圧センサ730は、ブ
レーキ液圧センサ、サーボ圧センサと称することもでき
る。
【0112】また、本実施形態においては、電動ブレー
キが前輪側に設けられたが、後輪に設けてもよい。さら
に、前輪および後輪のすべての車輪のブレーキを電動ブ
レーキとして、液圧発生装置を設けることができる。ま
た、液圧発生装置716と後方液圧室720との間に電
磁制御弁を設け、電動モータ704の異常時に後方液圧
室720に液圧が供給されるようにすることもできる。
さらに、液圧発生装置716と後輪のブレーキシリンダ
22との間に電磁制御弁を設けることもできる。それに
よって、これらの間の液圧の供給状態を制御することも
できる。
【0113】また、上記実施形態においては、前輪18
および後輪19のいずれか一方のブレーキに対応して液
圧発生装置が設けられていたが、図29に示すように、
前輪18および後輪19のすべてのブレーキに対応して
液圧発生装置24が設けられるようにすることができ
る。液圧発生装置24各々には個別通路750が接続さ
れ、これらの合流通路752がマスタシリンダ10の後
方液圧室42に接続される。また、個別通路750の各
々には、それぞれ液圧センサ754および電磁開閉弁7
56が、電磁開閉弁756がマスタシリンダ側に位置す
る状態で直列に設けられる。電磁開閉弁756の閉状態
における液圧センサ754による検出液圧に基づけば、
制動トルクを検出することができる。なお、図示は省略
するが、電磁開閉弁756と並列に液圧発生装置24か
らの作動液の流出を阻止し、作動液の流入を許容する逆
止弁が設けられる。液圧センサ754は、上記実施形態
における場合と同様に、ブレーキECU300に接続さ
れ、ブレーキECU300において、制動トルクや制動
力が演算により求められる。その他の部分は、上記第1
実施形態における場合と構造は同じであるため、説明を
省略する。
【0114】また、本実施形態においては、前後2系統
式とされており、左右前輪18のブレーキシリンダ20
と、左右後輪19のブレーキシリンダ22とが、液圧制
御弁装置758によって制御される。踏力等に基づいて
要求制動トルクが求められ、実際の制動トルクが要求制
動トルクに近づくように制御されるのである。液圧制御
弁装置758は、上記各実施形態における液圧制御弁装
置102,104を含むものとしたり、電動式液圧シリ
ンダ12を含むものとしたりすることができる。
【0115】左右前輪、左右後輪に対応して設けられた
電磁開閉弁756は、通常制動時にはすべて閉状態とさ
れて、各車輪の制動トルクがそれぞれ検出される。前述
のサーボ圧必要条件が満たされた場合、電気系統の異常
時等にすべての電磁開閉弁756が開状態にされて、サ
ーボ圧がマスタシリンダ10の後方液圧室42に供給さ
れる。それによって、通常制動時(サーボ圧の必要性が
低い場合)には、車輪毎に制動トルクが検出され、要求
制動トルクに近づくようにブレーキシリンダ液圧が制御
され、要求制動トルクが設定値以上の場合、緊急制動
時、電気系統の異常時等サーボ圧が必要な場合には、サ
ーボ圧がマスタシリンダ10の後方液圧室42に供給さ
れ、ブレーキ操作力が倍力される。
【0116】なお、左右前輪、左右後輪に対応して設け
られたそれぞれの電磁開閉弁756は、前述のように、
共通に制御されるようにしても、個別に制御されるよう
にしてもよい。例えば、サーボ圧必要条件が満たされた
場合に、一部の電磁開閉弁756が閉状態のままとされ
てもよい。このようにすれば、サーボ圧必要条件が満た
された場合においても、制動トルクを検出することがで
きる。液圧発生装置24の液圧が制動トルクの検出と、
サーボ圧の供給との両方に利用されるのであり、同時に
複数の態様で利用されることになる。この場合には、一
部の車輪(電磁開閉弁756が閉状態にある車輪)につ
いて求められた制動トルク、または、その車輪に設けら
れた液圧発生装置の液圧に基づいて、すべての車輪の制
動トルクが推定される。摩擦係数が同じであれば、車輪
の各々に発生させられる制動トルクの関係は予めわかる
ため、一部の車輪の制動トルクとこれらの関係とに基づ
けば、各々の車輪の制動トルクを推定することができる
のである。すべての車輪の制動トルクをそれぞれ別個に
取得する必要はない。
【0117】また、通常制動中においてすべての電磁開
閉弁756を閉状態とするのではなく、一部の電磁開閉
弁756を開状態とすることができる。この場合には、
マスタシリンダ10の後方液圧室42にサーボ圧を供給
しつつ、制動トルクに基づく制御が行われるようにする
ことができる。すなわち、4つの電磁開閉弁756を選
択的に開状態と閉状態とに切り換えれば、選択された
(電磁開閉弁756が閉状態にされた)車輪の制動トル
クを適宜検出することができ、選択された(電磁開閉弁
756が開状態にされた)車輪のサーボ圧を後方液圧室
42に供給することができる。サーボ圧の供給元を変更
することができるのである。
【0118】具体的には、通常制動時に、すなわち、サ
ーボ圧が設定値以下の場合には、すべての電磁開閉弁7
56を閉状態とし、サーボ圧が設定値以上の場合には、
前輪側の電磁開閉弁754を開状態とし、後輪側の電磁
開閉弁754を閉状態とすることができる。前輪側の方
が大きなサーボ圧が得られるため、前輪のサーボ圧を供
給することが望ましい。また、後輪側の方が発熱量が少
なくフェード現象が生じ難いため、押付力が大きい場合
のサーボ圧の検出に適しており、制動トルクの信頼性を
向上させ得ることができる。本実施形態においては、制
動トルクとサーボ圧とに基づいてブレーキシリンダの液
圧が制御されることになる。
【0119】また、サーボ圧が設定値以下の場合に、前
輪の電磁開閉弁756を閉状態とするとともに、後輪の
電磁開閉弁756を開状態とし、サーボ圧が設定値以上
の場合に逆にする(前輪の電磁開閉弁756を開状態と
するとともに、後輪の電磁開閉弁756を閉状態とす
る)こともできる。さらに、逆に、サーボ圧が設定値以
下の場合に、後輪の電磁開閉弁756を閉状態とすると
ともに、前輪の電磁開閉弁756を開状態とし、サーボ
圧が設定値以上の場合に逆にする(後輪の電磁開閉弁7
56を開状態とし、前輪の電磁開閉弁756を閉状態と
する)こともできる。このように、交互に開状態と閉状
態とに切り換えることができるのである。
【0120】また、ブレーキ装置の回路としての種々の
態様を図30に示す。これらは、回路を概略的に示した
ものであり、その他の部分については上記各実施形態に
おける場合と同様とする。上記第1実施形態におけるブ
レーキ装置においては、図30の(a)に示すように、前
後配管のブレーキ装置の後輪19に、車両の前進中の制
動時に液圧が発生させられる液圧発生装置24(以下、
24fと記載する)が設けられたが、(b)に示すよう
に、X配管のブレーキ装置に適用することもできる。X
配管のブレーキ装置においても、後輪19に前進中の制
動時に液圧が発生させられる液圧発生装置24fが設け
られる。また、(c)に示すように、後輪19に図6に示
す液圧発生装置328を設けることもできる。液圧発生
装置328によれば、前進中の制動時と後退中の制動時
との両方において液圧が発生させられ、サーボ圧を利用
することができる。なお、液圧発生装置は、図7に示す
液圧発生装置348とすることもできる。
【0121】(d)に示すように、左後輪に前進中の制動
時にサーボ圧が発生させられる液圧発生装置24fを設
け、右後輪に後退中の制動時にサーボ圧が発生させられ
る液圧発生装置24rを設けることもできる。液圧発生
装置24fと液圧発生装置24rとでは、液圧シリンダ
152が設けられる位置がキャリパ114に対して周方
向において反対側になる。このようにすると、サーボ圧
の供給量が(c)に示す場合の半分になる。そこで、(e)に
示すように、前進中の制動時にサーボ圧が発生させられ
る液圧発生装置24fを前輪18に設ければ、後輪19
に設ける場合より、サーボ圧を大きくすることができ、
供給量を大きくすることができる。いずれにしても、
(d)、(e)に示すブレーキ装置においては、液圧発生装置
の液圧シリンダの個数を最小にしつつ、前進中の制動時
にも後退中の制動時にもサーボ圧を利用することが可能
となり、ブレーキ装置のコストダウンを図ることができ
る。また、(d)に示す場合においては、左右後輪19に
それぞれ液圧発生装置24f,rが設けられるため、踏
力(押付力)が同じであれば、前進中の制動時において
も後退中の制動時においても、ほぼ同等のサーボ圧を発
生させることができるという利点がある。それに対し
て、(e)に示す場合においては、前進中の制動時に発生
させられる液圧発生装置24fが前輪側に設けられてい
るため、前進中に発生させられるサーボ圧は後退中に発
生させられるサーボ圧より大きくなる。
【0122】そこで、式 Asr・Ff=Asf・Fr が成立するように、緒元を設定すれば、前輪18におい
て前進中に発生させられるサーボ圧と後輪19において
後退中に発生させられるサーボ圧とがほぼ同等にするこ
とができる。ここで、Asrは、後輪19に設けられた後
退用の液圧発生装置24rの液圧シリンダ152のピス
トンの受圧面積で、Asfは、前輪18に設けられた前進
用の液圧発生装置24fの液圧シリンダ152のピスト
ンの受圧面積であり、Ffは、前進中の制動時に前輪1
8に生じるブレーキ力であり、Frは、後退中の制動時
に後輪19に生じるブレーキ力である。したがって、後
輪19の後退用の液圧シリンダのピストンの受圧面積を
前輪18の前進中の液圧シリンダのそれより小さくすれ
ば(Asr=Asf・Fr/Fr)、すなわち、制動力分担の
小さい車輪の液圧発生装置の液圧シリンダのピストンの
受圧面積を制動力分担の大きい車輪の液圧発生装置の液
圧シリンダのピストンの受圧面積より小さくすれば、前
進中の制動時にも後退中の制動時にもほぼ同等のサーボ
圧を得ることができる。
【0123】この場合において、前進中のブレーキ力F
fの後退中のブレーキ力Frに対する比率(Ff/Fr)
は、常に同じではないが、通常制動時(押付力の大きさ
が通常の範囲内)であれば、比率の差は小さい。それに
対して、押付力が大きくなると、前輪のブレーキ力Ff
が後輪のブレーキ力Frに対して大きくなり(比率が大
きくなり)、後退中のサーボ圧が前進中のサーボ圧より
小さくなる。しかし、後退中は前進中より走行速度が小
さく、大きなサーボ圧が必要になることは少ないため、
差し支えないのである。
【0124】さらに、図31に示すように、車両800
がトレーラ802を連結している場合に、サーボ圧がト
レーラ802のブレーキ装置803にサーボ圧供給装置
804によって供給される。ブレーキ装置803は、本
実施形態においては、ブレーキシリンダ805の液圧に
より作動させられるブレーキを含むものであり、液圧発
生装置24とブレーキシリンダ805とを接続する液通
路によってサーボ圧供給装置804が構成される。サー
ボ圧により、トレーラ802のブレーキシリンダ805
に高い液圧を供給することができる。なお、液圧発生装
置24とブレーキシリンダ805との間には、上記各実
施形態における場合と同様に供給状態制御装置を設けた
り、液圧制御装置を設けたりすることができる。この場
合には、サーボ圧が液圧制御装置における液圧源の液圧
として利用される。また、上記実施形態における電動液
圧シリンダ12を介して供給されるようにすることもで
きる。その他、摩擦係合部材をブレーキ回転体に押し付
ける力を助勢するために利用することができる。
【0125】なお、液圧発生装置は、図32,33に示
すように揺動シリンダを含むものとすることができる。
図32に示すように、ブレーキ本体114と車体側部材
850との間に、図33に示すような揺動シリンダ85
2が設けられる。揺動シリンダ852は、ブレーキ本体
114に相対回転不能に取り付けられたハウジングの一
部856と、車体側固定部材850に相対回転不能に取
り付けられたハウジングの残りの部分858とを含む。
ハウジング856,858には、それぞれ突部860,
862が形成される。突部860はハウジング856の
環状部の内周側に設けられ、突部862はハウジング8
58の環状部の外周側に設けられる。突部860がピス
トンとされ、突部862が液圧室864,866を規定
する底部とされる。ブレーキ本体114の車体側固定部
材852に対する相対回転によって、突部860の底部
862に対する相対位置が変化し、それによって、液圧
室864,866の容積が変化させられる。
【0126】液圧室864,866にはそれぞれ液通路
870,872が接続され、液通路870,872には
方向切換弁880が設けられ、液通路870,872の
いずれか一方を選択的にリザーバ48に連通させる。突
部860の一方向の移動によって、液圧室864,86
6のいずれか一方の容積が減少させられ、他方の容積が
増加させられる。容積が増加する液圧室にリザーバ48
が連通させられて、負圧になることが回避される。矢印
の方向の回転中(車両の前進中)にブレーキが作動させ
られた場合には、液圧室866の容積が増加させられる
ため、方向切換弁880は図示する原位置に保たれる。
後退中においては、液圧室864にリザーバ48が連通
させられる状態に切り換えられる。車両が前進中か後退
中であるかは、シフト位置センサによって検出されるシ
フトレバー位置に基づいて検出することができる。
【0127】前進中にブレーキが作動させられた場合に
は、ブレーキ本体114が正方向(反時計方向)に回動
させられる。ピストン860が反時計方向に移動させら
れ、液圧室864の容積が減少させられ、液圧室866
の容積が増加させられる。摩擦力に起因する連れ回り力
と液圧室864の液圧に応じた力とがつりあう状態とな
れば、ブレーキ本体114の回動が停止させられる。ブ
レーキ本体114の移動限度を規定するストッパが不要
となる。この場合には、液圧室864に発生させられた
サーボ圧が利用可能となる。後退中においては、方向切
換弁880が切り換えられ、液圧室864にリザーバ4
8が連通させられる。ブレーキが作動させられると、ブ
レーキ本体114が逆方向(時計方向)に回動させられ
る。ピストン860の時計方向の移動によって液圧室8
66の容積が減少させられ、液圧室864の容積が増加
させられる。この場合には、液圧室866において発生
させられたサーボ圧が利用可能となる。液圧源からブレ
ーキシリンダ22c,dへの液通路を、例えば、ゴムホ
ース等とすれば、ブレーキ本体114の回動角度がたと
え大きくても、ブレーキシリンダに確実に液圧を供給す
ることができる。
【0128】なお、揺動シリンダは、ドラムブレーキに
も適用することができる。この場合には、バッキンプレ
ートと車体側固定部材との間に揺動シリンダを設ければ
よい。また、サーボ圧は、ブレーキ装置のみならず、ス
テアリング装置やサスペンション装置に利用することも
できる。さらに、上記各実施形態のブレーキ装置は、駆
動源がエンジンである車両に搭載されても、駆動源がエ
ンジンと電動モータとを含むハイブリッド車両に搭載さ
れても、エンジンを含まないで電動モータを含む電動駆
動車両に搭載されてもよい。ハイブリッド車両、電気駆
動車両に搭載された場合には、回生協調制御において、
サーボ圧が利用されるようにすることもできる。その
他、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題、課
題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当業者の知
識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレーキ装置を例示的に示す図で
ある。
【図2】本発明の一実施形態であるブレーキ装置の全体
の回路図である。
【図3】上記ブレーキ装置のブレーキの断面図である。
【図4】上記ブレーキ装置の制御装置の周辺を示す図で
ある。
【図5】上記制御装置のROMに格納されたブレーキ液
圧制御プログラムを表すフローチャートである。
【図6】上記ブレーキ装置の別のブレーキの周辺を示す
図である。
【図7】上記ブレーキ装置のさらに別のブレーキの周辺
を示す図である。
【図8】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置の
一部を示す図である。
【図9】上記ブレーキ装置の液圧制御弁を概念的に示す
断面図である。
【図10】上記ブレーキ装置の電動式液圧シリンダにお
ける一制御例を示す図である。
【図11】上記ブレーキ装置における一制御例を示す図
である。
【図12】本発明のさらに別の一実施形態であるブレー
キ装置の一部を示す図である。
【図13】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置
の一部を示す図である。
【図14】本発明のさらに別の一実施形態であるブレー
キ装置の一部を示す図である。
【図15】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置
の一部を示す図である。
【図16】上記ブレーキ装置における一制御例を示す図
である。
【図17】本発明のさらに別の一実施形態であるブレー
キ装置の一部を示す図である。
【図18】上記ブレーキ装置の一制御例を示す図であ
る。
【図19】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置
の一部を示す図である。
【図20】本発明のさらに別の一実施形態であるブレー
キ装置全体を示す図である。
【図21】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置
の一部を示す図である。
【図22】本発明のさらに別の一実施形態であるブレー
キ装置の一部を示す図である。
【図23】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置
の一部を示す図である。
【図24】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置
の一部を示す図である。
【図25】上記ブレーキ装置の一制御例を示す図であ
る。
【図26】本発明のさらに別の一実施形態であるブレー
キ装置の一部を示す図である。
【図27】上記ブレーキ装置のブレーキの周辺を示す図
である。
【図28】上記ブレーキ装置の一制御例である。
【図29】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置
の一部を示す図である。
【図30】本発明のさらに別の複数の実施形態であるブ
レーキ装置を概念的に示す回路図である。
【図31】本発明の別の一実施形態であるブレーキ装置
を示す図である。
【図32】上記各ブレーキ装置の別のブレーキ周辺を示
す図である。
【図33】図32のI−I断面図である。
【符号の説明】
10マスタシリンダ 12電動式液圧
シリンダ 14,16ブレーキ 24,328、348、7
16液圧発生装置 42後方液圧室 50電動モータ 78後方液圧室 98,100マ
スタ遮断弁 114ブレーキ本体 118リンク機
構 152、330,332、350液圧シリンダ
164液圧室 174、474、598、612第1サーボ圧供給制御
弁 180第2サーボ圧供給制御弁 192流出阻止
弁 300ブレーキECU 324サーボ圧
センサ 400,500,590増圧制御弁 402,50
2,592減圧制御弁 450液圧制御装置 520電磁助勢
装置 550バキュームブースタ 630,64
0,650アキュムレータ 634,644,652アキュムレータ連通弁 636,646,654逆止弁 700電動ブレ
ーキ 720後方液圧室 756電磁開閉
弁 804サーボ圧供給装置 852揺動シリ
ンダ 864,866液圧室
フロントページの続き (72)発明者 山本 貴之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D048 AA02 BB23 CC08 CC51 HH13 HH16 HH18 HH26 HH53 HH58 HH66 HH75 RR01 RR02 RR06 RR25 RR35

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御・駆動装置と、 ブレーキ本体に保持された摩擦係合部材が、前記制御・
    駆動装置により発生させられる押付力によってブレーキ
    回転体に押し付けられ、車輪の回転を抑制するブレーキ
    と、 前記ブレーキ本体を前記ブレーキ回転体の近傍の車体側
    固定部材にブレーキ回転体の周方向に移動可能に保持す
    るブレーキ本体保持装置と、 前記ブレーキ本体の移動に基づいて液圧を発生させる液
    圧発生装置とを含むブレーキ装置であって、 前記制御・駆動装置が、外部から加えられる外部駆動力
    と、前記液圧発生装置に発生させられた液圧に基づく液
    圧助勢力とに基づいて作動させられる駆動部材を備えた
    液圧助勢アクチュエータを含み、その駆動部材の出力に
    基づいて、前記摩擦係合部材を前記ブレーキ回転体に押
    し付けるものであることを特徴とするブレーキ装置。
  2. 【請求項2】前記制御・駆動装置が、前記外部駆動力と
    前記液圧助勢力との少なくとも一方を制御することによ
    って、前記押付力を制御する押付力制御装置を含む請求
    項1に記載のブレーキ装置。
  3. 【請求項3】前記押付力制御装置が、前記液圧助勢力
    を、当該ブレーキ装置が搭載された車両の状態を表す車
    両状態量と運転者によるブレーキ操作部材の操作状態を
    表すブレーキ操作状態量との少なくとも一方に基づいて
    電気的に制御する液圧助勢力制御装置を含む請求項2に
    記載のブレーキ装置。
  4. 【請求項4】前記押付力制御装置が、前記液圧助勢力の
    前記外部駆動力に対する比率を、当該ブレーキ装置が搭
    載された車両の状態を表す車両状態量と運転者によるブ
    レーキ操作部材の操作状態を表すブレーキ操作状態量と
    の少なくとも一方に基づいて決定する比率決定部を含む
    請求項2または3に記載のブレーキ装置。
  5. 【請求項5】前記制御・駆動装置が、前記液圧発生装置
    の液圧を検出する液圧検出装置と、その液圧検出装置に
    よる検出液圧に基づいて前記ブレーキの制動トルクを取
    得する制動トルク取得部とを含む制動トルク検出装置を
    含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載のブレーキ
    装置。
  6. 【請求項6】前記制御・駆動装置が、前記制動トルク検
    出装置によって取得された実際の制動トルクが目標制動
    トルクに近づくように、前記外部駆動力と液圧助勢力と
    の少なくとも一方を制御する制動トルク対応押付力制御
    装置を含む請求項5に記載のブレーキ装置。
  7. 【請求項7】前記液圧助勢アクチュエータが、前記駆動
    部材が液密かつ摺動可能に嵌合されたハウジングと、そ
    のハウジング内の駆動部材後方に形成された後方液圧室
    とを含み、その後方液圧室の液圧に応じた液圧助勢力が
    駆動部材に加えられるものである請求項1ないし6のい
    ずれか1つに記載のブレーキ装置。
  8. 【請求項8】前記制御・駆動装置が、前記後方液圧室の
    液圧を制御する後方液圧制御装置を含む請求項7に記載
    のブレーキ装置。
  9. 【請求項9】前記後方液圧制御装置が、電流の供給によ
    り作動させられる1つ以上の電磁液圧制御弁と、それら
    1つ以上の電磁液圧制御弁への供給電流の制御により前
    記後方液圧室の液圧を制御する供給電流制御部とを含む
    請求項8に記載のブレーキ装置。
  10. 【請求項10】前記制御・駆動装置が、前記液圧発生装
    置から前記後方液圧室への液圧の供給状態を制御する供
    給状態制御装置を含む請求項7ないし9のいずれか1つ
    に記載のブレーキ装置。
  11. 【請求項11】前記供給状態制御装置が、前記液圧発生
    装置と前記後方液圧室との間に設けられ、液圧発生装置
    から後方液圧室への液圧の供給状態を制御可能な供給制
    御弁部と、その供給制御弁部を制御する供給弁部制御部
    とを含む請求項10に記載のブレーキ装置。
  12. 【請求項12】前記供給弁部制御部が、前記摩擦係合部
    材の前記ブレーキ回転体への押付力の目標押付力が設定
    押付力以上の場合と、前記液圧発生装置の液圧が設定圧
    以上の場合との少なくとも一方の場合に、前記供給制御
    弁部を、前記液圧発生装置から前記後方液圧室への液圧
    の供給を許容する供給許容状態とする設定状態以上時供
    給許容部を含む請求項11に記載のブレーキ装置。
  13. 【請求項13】前記液圧発生装置が複数の車輪のブレー
    キにそれぞれ対応して設けられ、 前記供給制御弁部が、前記複数の液圧発生装置のうちの
    1つ以上から構成される第1群の液圧発生装置から前記
    後方液圧室への液圧の供給状態を制御する第1供給制御
    弁および別の1つ以上から構成される第2群の液圧発生
    装置から前記後方液圧室への液圧の供給状態を制御する
    第2供給制御弁を含み、前記制御弁部制御部が、これら
    第1供給制御弁と第2供給制御弁とを制御するものであ
    り、 前記制御・駆動装置が、前記制御弁部制御部により、前
    記第2供給制御弁が、前記液圧発生装置から前記後方液
    圧室への液圧の供給を阻止する供給阻止状態とされた状
    態で、前記第2群に属する液圧発生装置の液圧に基づい
    て前記複数の車輪の各々の制動トルクを推定する制動ト
    ルク推定装置を含む請求項11または12に記載のブレ
    ーキ装置。
  14. 【請求項14】前記第1供給制御弁が、前輪の液圧発生
    装置から前記後方液圧室への液圧の供給状態を制御する
    前輪用供給制御弁であり、前記第2供給制御弁が、後輪
    の液圧発生装置から前記後方液圧室への液圧の供給状態
    を制御する後輪用供給制御弁であり、前記制御弁部制御
    部が、前記前輪用供給制御弁と後輪用供給制御弁とを制
    御するものであり、 前記制動トルク推定装置が、前記制御弁部制御部によ
    り、前記後輪用供給制御弁が供給阻止状態とされ、か
    つ、前記前輪用供給制御弁が供給許容状態とされた状態
    で、前記後輪の液圧発生装置の液圧に基づいて前輪およ
    び後輪の制動トルクを推定する後輪対応制動トルク推定
    部を含み、 前記制御・駆動装置が、前記後輪対応制動トルク推定部
    によって推定された制動トルクと、前記前輪の液圧発生
    装置の液圧とに基づいて前記摩擦係合部材のブレーキ回
    転体への押付力を制御する制動トルク対応押付力制御装
    置を含む請求項13に記載のブレーキ装置。
  15. 【請求項15】前記制御弁部制御部が、前記前輪と後輪
    との少なくとも一方の液圧発生装置の液圧が設定圧以上
    の場合に、前記前輪用供給制御弁を供給許容状態とする
    とともに前記後輪用供給制御弁を供給阻止状態とする後
    輪側供給阻止部を含む14に記載のブレーキ装置。
  16. 【請求項16】前記制御・駆動装置が、前記液圧助勢ア
    クチュエータを複数含み、 これら液圧助勢アクチュエータそれぞれの駆動部材が、
    外部駆動力と後方液圧室の液圧に応じた液圧助勢力とに
    基づいて作動させられるものであり、 前記制御・駆動装置が、前記液圧発生装置からこれら複
    数の液圧助勢アクチュエータのそれぞれの後方液圧室へ
    向かう作動液の流量を制御する流量制御装置を含む請求
    項1ないし15のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
  17. 【請求項17】前記流量制御装置が、車両の状態を表す
    車両状態量と運転者によるブレーキ操作部材の操作状態
    を表すブレーキ操作状態量との少なくとも一方に基づい
    て、前記複数の液圧助勢アクチュエータの後方液圧室へ
    向かう作動液の流量の比率を制御する流量比率決定部を
    含む請求項16に記載のブレーキ装置。
  18. 【請求項18】前記制御・駆動装置が、(a)液圧により
    前記摩擦係合部材を前記ブレーキ回転体に押し付けるブ
    レーキシリンダと、(b)ハウジングと、そのハウジング
    に液密かつ摺動可能に嵌合され、前記外部駆動力が加え
    られる加圧ピストンと、その加圧ピストンの後方に設け
    られ、前記液圧発生装置に接続された後方液圧室と、前
    記加圧ピストンの前方に設けられた加圧室とを含み、そ
    の前方の加圧室の液圧を前記ブレーキシリンダに供給可
    能な液圧シリンダとを含み、その液圧シリンダが前記液
    圧助勢アクチュエータとして機能し、前記加圧ピストン
    が前記駆動部材として機能する請求項1ないし17のい
    ずれか1つに記載のブレーキ装置。
  19. 【請求項19】前記液圧シリンダに含まれる前記加圧ピ
    ストンがブレーキ操作部材に連携させられ、運転者によ
    るブレーキ操作力に応じた力が前記外部駆動力として、
    前記後方液圧室の液圧に応じた力が前記液圧助勢力とし
    て加えられ、その液圧シリンダがマスタシリンダを構成
    している請求項18に記載のブレーキ装置。
  20. 【請求項20】前記制御・駆動装置が、(c)電気的駆動
    源を含み、その電気的駆動源により前記マスタシリンダ
    の加圧ピストンに電磁助勢力を加える電磁ブースタと、
    (d)前記マスタシリンダの加圧ピストンに第1室と第2
    室との差圧に基づく負圧助勢力を加えるバキュームブー
    スタとの少なくとも一方を含む請求項19に記載のブレ
    ーキ装置。
  21. 【請求項21】前記制御・駆動装置が、電気的駆動源を
    含み、前記液圧シリンダに含まれる前記加圧ピストンが
    その電気的駆動源の出力部材に連携させられ、その電気
    的駆動源による駆動力を前記外部駆動力として、また、
    前記後方液圧室の液圧に応じた力を液圧助勢力として受
    け、前記液圧シリンダが電動式液圧シリンダを構成して
    いる請求項18ないし20のいずれか1つに記載のブレ
    ーキ装置。
  22. 【請求項22】前記制御・駆動装置が、(a)液圧により
    前記摩擦係合部材を前記ブレーキ回転体に押し付けるブ
    レーキシリンダと、(b)ハウジングと、そのハウジング
    に液密かつ摺動可能に嵌合され、運転者によるブレーキ
    操作力が前記外部駆動力として加えられる加圧ピストン
    と、その加圧ピストンの前方に設けられた加圧室とを含
    み、その前方の加圧室の液圧を前記ブレーキシリンダに
    供給可能なマスタシリンダと、(c)これらマスタシリン
    ダとブレーキシリンダとの間に設けられ、これらを連通
    させる連通状態と、これらを遮断する遮断状態とに切り
    換え可能な遮断弁とを含み、前記電動式液圧シリンダ
    が、前記マスタシリンダとブレーキシリンダとの間の前
    記遮断弁よりブレーキシリンダ側に設けられた請求項2
    1に記載のブレーキ装置。
  23. 【請求項23】前記制御・駆動装置が、前記電動式液圧
    シリンダの電気的駆動源への供給電力と前記後方液圧室
    の液圧との少なくとも一方を制御することによって、前
    記ブレーキシリンダの液圧を制御するブレーキ液圧制御
    装置を含む請求項21または22のいずれか1つに記載
    のブレーキ装置。
  24. 【請求項24】前記制御・駆動装置が、前記液圧発生装
    置と前記電動式液圧シリンダの後方液圧室との間に設け
    られた供給制御弁と、前記電動式液圧シリンダの電気的
    駆動源に異常が生じた場合に、前記供給制御弁部を、前
    記液圧発生装置から後方液圧室への液圧の供給を許容す
    る供給許容状態とする異常時供給制御弁制御部とを含む
    請求項21ないし23のいずれか1つに記載のブレーキ
    装置。
  25. 【請求項25】前記制御・駆動装置が、電気的駆動源
    と、その電気的駆動源により加えられる電磁駆動力によ
    り作動させられ、前記摩擦係合部材に対向して設けられ
    た押圧ピストンと、その押圧ピストンの後方に設けら
    れ、前記液圧発生装置に接続された後方液圧室とを備
    え、その押圧ピストンにより、前記摩擦係合部材を前記
    ブレーキ回転体に直接押し付ける電動式押付装置を含
    み、その電動式押付装置が前記液圧助勢アクチュエータ
    として、また、前記押圧ピストンが前記駆動部材として
    機能する請求項1ないし17のいずれか1つに記載のブ
    レーキ装置。
  26. 【請求項26】ブレーキシリンダの液圧により、ブレー
    キ本体に保持された摩擦係合部材がブレーキ回転体に押
    し付けられて、車輪の回転を抑制する液圧ブレーキと、 前記ブレーキ本体を前記ブレーキ回転体の近傍の車体側
    固定部材にブレーキ回転体の周方向に移動可能に保持す
    るブレーキ本体保持装置と、 前記ブレーキ本体の移動に基づいて液圧を発生させる液
    圧発生装置と、 前記液圧発生装置を液圧源として、前記ブレーキシリン
    ダの液圧を電気的に制御する電気的液圧制御部とを含む
    ことを特徴とするブレーキ装置。
  27. 【請求項27】当該ブレーキ装置が、ブレーキ操作部材
    に連携させられた加圧ピストンを含み、加圧ピストンの
    前方の加圧室の作動液を前記ブレーキシリンダに供給可
    能なマスタシリンダと、 前記マスタシリンダと前記ブレーキシリンダとの間に、
    これらを連通させる連通状態と、これらを遮断する遮断
    状態とに切り換え可能な遮断弁とを含み、 前記電気的液圧制御装置が、これらマスタシリンダとブ
    レーキシリンダとの間の、前記遮断弁よりブレーキシリ
    ンダ側に設けられた請求項26に記載のブレーキ装置。
  28. 【請求項28】ブレーキシリンダの液圧により、ブレー
    キ本体に保持された摩擦係合部材がブレーキ回転体に押
    し付けられて、車輪の回転を抑制する液圧ブレーキと、 前記ブレーキ本体を前記ブレーキ回転体の近傍の車体側
    固定部材にブレーキ回転体の周方向に移動可能に保持す
    るブレーキ本体保持装置と、 前記ブレーキ本体の移動に基づいて液圧を発生させる液
    圧発生装置と、 その液圧発生装置と前記ブレーキシリンダとの間に設け
    られ、液圧発生装置からブレーキシリンダへの液圧の供
    給状態を電気的に制御する供給状態制御装置とを含むこ
    とを特徴とするブレーキ装置。
  29. 【請求項29】ブレーキ本体に保持された摩擦係合部材
    をブレーキ回転体に押し付けることによって車輪の回転
    を抑制するブレーキと、 前記ブレーキ本体を前記ブレーキ回転体の近傍の車体側
    固定部材にブレーキ回転体の周方向に移動可能に保持す
    るブレーキ本体保持装置と、 前記ブレーキ本体の移動に基づいて液圧を発生させる液
    圧発生装置と、 作動液を加圧した状態で蓄えるアキュムレータと、 そのアキュムレータに前記液圧発生装置の作動液を導く
    作動液通路とを含むことを特徴とするブレーキ装置。
  30. 【請求項30】ブレーキ本体に保持された摩擦係合部材
    が、ブレーキ回転体に押し付けられることにより、車輪
    の回転を抑制するブレーキと、 前記ブレーキ本体を前記ブレーキ回転体の近傍の車体側
    固定部材にブレーキ回転体の周方向に移動可能に保持す
    るブレーキ本体保持装置と、 前記ブレーキ本体の移動に基づいて液圧を発生させる液
    圧発生装置とその液圧発生装置において発生させられた
    液圧の利用の態様を変更可能な発生液圧利用装置とを含
    むことを特徴とするブレーキ装置。
  31. 【請求項31】前記発生液圧利用装置が、前記液圧発生
    装置の液圧の利用の時期、液圧の供給先、供給元、供給
    液圧の少なくとも1つを変更する利用態様変更装置を含
    む請求項30に記載のブレーキ装置。
  32. 【請求項32】前記ブレーキが、液圧により前記摩擦係
    合部材を前記ブレーキ回転体に押し付けるブレーキシリ
    ンダを含み、 当該ブレーキ装置が、ハウジングと、そのハウジングに
    液密かつ摺動可能に嵌合され、前記外部駆動力が加えら
    れる加圧ピストンと、その加圧ピストンの後方に設けら
    れた後方液圧室と、前記加圧ピストンの前方に設けられ
    た加圧室とを含み、その前方の加圧室の作動液を前記ブ
    レーキシリンダに供給可能な液圧シリンダを含み、 前記発生液圧利用装置が、前記液圧発生装置と、後方液
    圧室と、ブレーキシリンダとの間の液圧の供給状態を制
    御する供給状態制御装置を含む請求項30または31に
    記載のブレーキ装置。
  33. 【請求項33】当該ブレーキ装置が、 作動液を加圧した状態で蓄えるアキュムレータと、 そのアキュムレータに前記液圧発生装置の作動液を導く
    作動液通路とを含み、 前記発生液圧利用装置が、前記アキュムレータに蓄えら
    れた液圧の利用の態様を変更可能なアキュムレータ圧利
    用装置を含む請求項30ないし32のいずれか1つに記
    載のブレーキ装置。
  34. 【請求項34】前記ブレーキが、液圧により前記摩擦係
    合部材を前記ブレーキ回転体に押し付けるブレーキシリ
    ンダを含み、 当該ブレーキ装置が、ハウジングと、そのハウジングに
    液密かつ摺動可能に嵌合され、前記外部駆動力が加えら
    れる加圧ピストンと、その加圧ピストンの後方に設けら
    れた後方液圧室と、前記加圧ピストンの前方に設けられ
    た加圧室とを含み、その前方の加圧室の作動液を前記ブ
    レーキシリンダに供給可能な液圧シリンダを含み、 前記発生液圧利用装置が、前記アキュムレータと、ブレ
    ーキシリンダと、後方液圧室との間の液圧の供給状態を
    制御するアキュムレータ圧供給状態制御装置を含む請求
    項33に記載のブレーキ装置。
  35. 【請求項35】前記液圧発生装置が、複数の車輪のブレ
    ーキのうちの1つ以上のブレーキに対応して設けられ、
    別の1つ以上のブレーキに対応しては設けられない請求
    項1ないし34のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
  36. 【請求項36】前記液圧発生装置が、複数の車輪の各々
    のブレーキに対応して設けられ、これら複数の液圧発生
    装置のうちの1つ以上が車両の前進中に液圧を発生させ
    るものであり、別の1つ以上が後退中に液圧を発生させ
    るものである請求項1ないし35のいずれか1つに記載
    のブレーキ装置。
  37. 【請求項37】当該ブレーキ装置が搭載された車両にト
    レーラが連結された場合に、前記車両のブレーキ装置の
    前記液圧発生装置の液圧を前記トレーラのブレーキ装置
    に供給するトレーラ用液圧供給装置を含む請求項1ない
    し36のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
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