JP2003154930A - 液圧ブレーキ装置 - Google Patents

液圧ブレーキ装置

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JP2003154930A
JP2003154930A JP2001356872A JP2001356872A JP2003154930A JP 2003154930 A JP2003154930 A JP 2003154930A JP 2001356872 A JP2001356872 A JP 2001356872A JP 2001356872 A JP2001356872 A JP 2001356872A JP 2003154930 A JP2003154930 A JP 2003154930A
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hydraulic
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brake
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Hiroshi Isono
宏 磯野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ブレーキシリンダに供給可能な液圧の最大値を
大きくして、制動力不足を抑制する。 【解決手段】通常、ブレーキシリンダがマスタシリンダ
から遮断されて動力式液圧制御シリンダに連通させられ
た状態で、動力式液圧制御シリンダの制御によりブレー
キシリンダの液圧が制御される(S3〜5)。動力式液
圧制御シリンダの最大液圧に達し、マニュアル液圧供給
条件が満たされると(S2においてYES)、ブレーキ
シリンダに増圧装置が連通させられる(S6〜8)。増
圧装置はマスタシリンダの液圧を増圧して出力可能であ
り、最大液圧より大きい液圧をブレーキシリンダに供給
することができる。ブレーキシリンダの液圧を大きくす
ることができ、制動力不足を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は液圧ブレーキ装置に
関するものであり、動力式液圧源を備えた液圧ブレーキ
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平11−34857号公報には、動
力式液圧源を備えた液圧ブレーキ装置が記載されてい
る。この液圧ブレーキ装置においては、ブレーキシリン
ダがマスタシリンダから遮断された状態で、ブレーキシ
リンダの液圧が動力式液圧源の制御により制御される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効
果】本発明の課題は、上記液圧ブレーキ装置における制
動力不足を抑制することにある。この課題は、液圧ブレ
ーキ装置を下記各態様の構成のものとすることによって
解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、
各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用す
る形式で記載する。これは、あくまで、本明細書に記載
の技術の理解を容易にするためであり、本明細書に記載
の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に
限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項
に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事
項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部
の事項のみを取り出して採用することも可能である。
【0004】以下の各項のうち、(8)項が請求項1に該
当し、(9)項が請求項2に該当し、(15)が請求項3に該
当し、(20)項が請求項4に該当する。
【0005】(1)ブレーキシリンダの液圧により作動さ
せられ、車輪の回転を抑制する液圧ブレーキと、運転者
によるブレーキ操作部材の操作によって液圧を発生させ
るマニュアル式液圧源と、動力により作動液を加圧して
出力可能な動力式液圧源とを含み、前記動力式液圧源の
液圧が前記ブレーキシリンダに供給される状態と、前記
マニュアル式液圧源の液圧が前記ブレーキシリンダに供
給される状態とをとり得ることを特徴とする液圧ブレー
キ装置。本項に記載の液圧ブレーキ装置においては、ブ
レーキシリンダにマニュアル式液圧源の液圧が供給され
る状態(以下、マニュアル液圧供給状態と称する)にさ
れたり、動力式液圧源の液圧が供給される状態(動力液
圧供給状態)にされたりする。動力式液圧源が正常であ
っても、マニュアル液圧供給状態にされたり動力液圧供
給状態にされたりするのである。動力式液圧源やマニュ
アル式液圧源の液圧がブレーキシリンダに供給される状
態には、これら液圧源の液圧が直接ブレーキシリンダに
供給される場合や、(30)項に記載のように、間接的に供
給される場合がある。動力式液圧源は、(a)作動液を加
圧して吐出するポンプと、(b)電流の供給により、ポン
プを作動させるポンプモータとを備えたポンプ装置を含
むものとしたり、(c)ハウジングと、(d)そのハウジング
に液密かつ摺動可能に嵌合された制御ピストンと、(e)
電流の供給により、制御ピストンを作動させる制御用モ
ータとを備えた動力式液圧制御シリンダを含むものとし
たりすることができる。前者のポンプ装置を含むもので
ある場合には、ポンプモータの制御によりポンプ装置か
ら吐出される作動液の液圧が制御されるようにしたり、
電磁液圧制御弁装置をさらに含み、電磁液圧制御弁装置
の制御によりポンプ装置から吐出される作動液の液圧が
制御されるようにしたりすることができる。後者の動力
式液圧制御シリンダを含む場合には、制御用モータの制
御により制御ピストンに加えられる電磁駆動力が制御さ
れ、制御ピストンの前方の制御圧室の液圧が制御される
ようにすることができる。制御圧室の液圧がブレーキシ
リンダに供給される。マニュアル式液圧源については後
述するが、少なくとも、(f)ハウジングと、(g)そのハウ
ジングに液密かつ摺動可能に嵌合され、ブレーキ操作部
材に連携させられた加圧ピストンとを備えたマスタシリ
ンダを含む。動力を供給しなくてもブレーキ操作部材に
加えられる操作力によって加圧ピストンの前方の加圧室
に液圧が発生させられる。マニュアル式液圧源に、ブレ
ーキ操作部材に加えられる操作力を倍力するブースタ
や、マスタシリンダにおける加圧室の液圧を増圧させる
増圧装置を設ければ、マニュアル式液圧源の出力液圧を
大きくすることができる。動力式液圧源とマニュアル式
液圧源とにおいて、動力式液圧源の出力液圧は、電動モ
ータの能力、動力式液圧源の構造等によって決まる最大
液圧以上に大きくすることができない。それに対して、
マニュアル式液圧源の出力液圧はブレーキ操作部材に加
えられた操作力が大きければ、それに応じて大きくな
り、動力式液圧源の最大液圧以上になることもある。特
に、ブースタや増圧装置を含む場合には、これらを含ま
ない場合より、容易に動力式液圧源の最大液圧以上の液
圧が出力され得るようにすることができる。したがっ
て、マニュアル液圧供給状態とすれば、ブレーキシリン
ダの液圧を動力式液圧源の最大液圧より大きくすること
が可能であり、制動力不足を抑制することができる。ま
た、動力式液圧源の最大液圧を小さくしても、ブレーキ
シリンダ液圧を大きくすることができるため、ブレーキ
シリンダの液圧を従来の最大液圧と同じにする場合に
は、その分、動力式液圧源を小形化することができ、電
動モータへの供給電流を少なくすることが可能となる。
ブレーキシリンダの最大液圧を維持しつつ、動力式液圧
源のコストダウンを図り、エネルギ消費量の低減を図る
ことができる。
【0006】(2)前記ブレーキ操作部材の運転者による
操作状態を検出するブレーキ操作状態検出装置と、前記
ブレーキシリンダに前記動力式液圧源の液圧が供給され
る状態において、前記ブレーキシリンダの液圧を、前記
ブレーキ操作状態検出装置によって検出されたブレーキ
操作状態量に基づいて、前記動力式液圧源の制御により
制御するブレーキ液圧制御装置とを含む(1)項に記載の
液圧ブレーキ装置。本項に記載の液圧ブレーキ装置にお
いては、ブレーキシリンダの液圧がブレーキ操作状態量
に基づいて制御される。例えば、ブレーキ操作状態量に
応じて要求制動状態量が決定され、実制動状態量が要求
制動状態量に近づくように制御されるようにすることが
できる。ブレーキ操作状態量には、ブレーキ操作部材に
加えられる操作力、操作ストローク等が該当する。ブレ
ーキシリンダの液圧(動力式液圧源の液圧)は、マニュ
アル式液圧源の液圧より大きい状態で制御されるように
しても、小さい状態で制御されるようにしてもよい。ま
た、予め定められた条件が満たされる間マニュアル式液
圧源の液圧より大きい状態で制御され、満たされない間
は小さい状態で制御されるようにすることもできる。予
め定められた条件は、ブレーキ操作状態に関する条件で
あっても、ブレーキシリンダ液圧に関する条件であって
もよい。
【0007】(3)前記動力式液圧源の液圧が前記ブレー
キシリンダに供給される状態において、予め定められた
条件が満たされた場合に、前記マニュアル式液圧源の液
圧が供給される状態とする液圧供給状態制御装置を含む
(1)項または(2)項に記載の液圧ブレーキ装置。本項に記
載の液圧ブレーキ装置において、原則として、ブレーキ
操作部材が操作されると、動力液圧供給状態とされ、ブ
レーキシリンダの液圧が動力式液圧源の制御により制御
される。そして、動力液圧供給状態において、予め定め
られた条件(以下、マニュアル液圧供給条件と称する)
が満たされた場合にマニュアル液圧供給状態とされる。
動力液圧供給状態からマニュアル液圧供給状態への変更
は、電磁制御弁等の制御によって行われるようにするこ
とができるが、電磁制御弁等の制御は不可欠ではない。
例えば、〔発明の実施の形態〕において説明するよう
に、ブレーキシリンダに動力式液圧源とマニュアル式液
圧源とが並列に接続された場合には、出力液圧の大きい
方の液圧源の液圧がブレーキシリンダに供給されるので
あるが、マニュアル式液圧源の液圧が動力式液圧源の液
圧より大きくなった場合に自然にマニュアル式液圧源の
液圧が供給される状態となるようにすることもできる。
そのように構成された部分が、予め定められた条件が満
たされた場合に、マニュアル式液圧源の液圧が供給され
る状態とする液圧供給状態制御装置なのであり、この場
合には、電磁制御弁等の制御は不要である。マニュアル
液圧供給条件については以下の各項に記載するが、例え
ば、運転者による制動に関する要求状態を表す要求制動
状態量と、実際の制動状態を表す実制動状態量との少な
くとも一方に基づいて設定することができる。要求制動
状態量には、要求減速度、要求制動力、要求ブレーキシ
リンダ液圧等が該当し、ブレーキ操作部材の操作状態量
に基づいて決定されるようにすることができる。実制動
状態量には、実際の減速度、制動力、ブレーキシリンダ
の液圧等が該当し、減速度検出装置、車輪に加わる前後
力を検出する前後力検出装置、ブレーキシリンダ液圧検
出装置等によって検出することができる。ブレーキシリ
ンダの液圧は動力式液圧源の出力液圧と同じ大きさの場
合もある。マニュアル液圧供給条件は、マニュアル式液
圧源の出力液圧と動力式液圧源の出力液圧との関係に基
づいて決定することもできる。2つの液圧源の出力液圧
の関係のみに基づいて決定することも可能であるが、こ
れらの関係と、上述の要求制動状態量と実制動状態量と
の少なくとも一方とに基づいて決定することも可能であ
る。マニュアル液圧供給条件は、液圧供給状態変更条件
と称することもできる。
【0008】(4)前記液圧供給状態制御装置が、運転者
が所望する制動状態を表す要求制動状態量が設定要求量
以上になった場合に、前記マニュアル式液圧源の液圧が
供給される状態とする要求制動対応状態切換部を含む
(3)項に記載の液圧ブレーキ装置。本項に記載の液圧ブ
レーキ装置においては、動力液圧供給状態において、要
求制動状態量が設定要求量以上になった場合にマニュア
ル液圧供給状態に切り換えられる。設定要求量は、緊急
制動時に要求されて通常制動時には要求されない大きさ
としたり、通常制動時に要求され得る大きさ(例えば、
車両減速度が1G)としたりすることができる。緊急制
動時に満たされる条件とすれば、大きな制動力が要求さ
れた場合においても制動力不足が生じることを防止する
ことができる。通常制動時に満たされる条件とすれば、
通常制動時にも動力液圧供給状態からマニュアル液圧供
給状態に切り換えられることになり、動力式液圧源にお
けるエネルギ消費量の低減効果が大きくなる。 (5)前記液圧供給状態制御装置が、前記動力式液圧源の
出力液圧が設定液圧以上であり、かつ、前記運転者の要
求制動状態量が設定要求量以上の場合に、前記マニュア
ル式液圧源の液圧が前記ブレーキシリンダに供給される
状態にする要求制動対応状態切換部を含む(3)項または
(4)項のいずれか1つに記載の液圧ブレーキ装置。 (6)前記液圧供給状態制御装置が、運転者によるブレー
キ操作状態に対して当該ブレーキ装置が搭載された車両
の減速度が小さい場合に、前記マニュアル式液圧源の液
圧が前記ブレーキシリンダに供給される状態にする減速
度不足時状態切換部を含む(3)項ないし(5)項のいずれか
1つに記載の液圧ブレーキ装置。運転者の要求制動状態
量に対して実際の減速度が小さい場合には、運転者によ
る要求制動が満たされない状態にあると考えることがで
きる。例えば、摩擦係合部材の磨耗により、ブレーキシ
リンダの液圧に対して押付力が不足している場合、複数
の液圧ブレーキのうちの少なくとも1輪のブレーキに異
常が生じて、全体の制動力が不足している場合等が該当
する。これらの場合には、動力式液圧源が正常であって
も、車両に加えられる制動力が不足し、所望する大きさ
の減速度が得られないのである。
【0009】(7)前記液圧供給状態制御装置が、前記動
力式液圧源の出力液圧が設定液圧より大きくなった後
に、前記マニュアル式液圧源の液圧が供給される状態と
する動力液圧対応状態制御部を含む(3)項ないし(6)項の
いずれか1つに記載の液圧ブレーキ装置。前述のよう
に、動力液圧供給状態において、ブレーキシリンダの液
圧、すなわち、動力式液圧源の液圧が、運転者によるブ
レーキ操作状態量に基づいた大きさに制御される場合に
は、運転者によるブレーキ操作状態量と、動力式液圧源
の液圧(ブレーキシリンダの液圧)との間には予め定め
られた関係がある。また、ブレーキ操作状態量とマニュ
アル式液圧源の液圧との間にも予め定められた関係があ
り、これらのうちの1つが決まれば残りが決まる関係に
ある。したがって、これらのうちのいずれに基づいてマ
ニュアル液圧供給条件が設定されても、実質的に同じに
なる。設定液圧は、後述するように動力式液圧源の最大
液圧とすることができるが、最大液圧より小さい値とし
たり、1G程度の減速度が得られると推定される値とし
たりすること等ができる。 (8)前記液圧供給状態制御装置が、前記動力式液圧源の
出力液圧が、その動力式液圧源の能力で決まる最大液圧
に達した後に、前記マニュアル式液圧源の液圧が前記ブ
レーキシリンダに供給される状態にする状態制御部を含
む(3)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の液圧ブレー
キ装置。本項に記載の液圧ブレーキ装置においては、ブ
レーキシリンダの液圧を動力式液圧源の最大液圧より大
きくすることができる。 (9)前記液圧供給状態制御装置が、前記動力式液圧源の
液圧が最大液圧に達した後の、当該液圧ブレーキ装置が
搭載された車両の減速度が設定減速度より小さい場合
に、前記マニュアル式液圧源の液圧が前記ブレーキシリ
ンダに供給される状態にする減速度対応状態切換部を含
む(3)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の液圧ブレー
キ装置。 (10)前記液圧供給状態制御装置が、前記動力式液圧源
の出力液圧が最大液圧に達した後の、運転者による前記
ブレーキ操作部材の操作状態量が設定状態量以上である
場合に、前記マニュアル式液圧源の液圧が前記ブレーキ
シリンダに供給される状態にする操作状態量対応状態切
換部を含む(3)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の液
圧ブレーキ装置。ブレーキシリンダの液圧が動力式液圧
源の最大液圧に達した場合であっても、所望する減速度
が得られない場合には、運転者はブレーキ操作部材の操
作力をさらに大きくしたり、操作ストロークをさらに大
きくしたりすると考えられる。動力式液圧源の液圧が最
大液圧に達した状態において、制動力不足が生じている
と推定された場合に、マニュアル液圧供給条件が満たさ
れたとされるのである。
【0010】(11)前記液圧供給状態制御装置が、前記
マニュアル式液圧源の液圧が前記動力式液圧源の液圧よ
り大きくなった場合に、前記ブレーキシリンダに前記マ
ニュアル式液圧源の液圧が供給される状態とするマニュ
アル液圧対応状態制御部を含む(3)項ないし(10)項のい
ずれか1つに記載の液圧ブレーキ装置。動力式液圧源の
液圧とマニュアル式液圧源の液圧との大小関係は、ブレ
ーキ液圧制御装置による制御状態や液圧ブレーキ装置の
構造等によって決まる。例えば、動力液圧供給状態にお
いて、動力式液圧源の液圧の方が大きくなるように、ブ
レーキ液圧制御装置によって制御される場合であって
も、動力式液圧源の出力液圧は、能力で決まる最大値以
上にすることはできないが、マニュアル式液圧源の液圧
は、運転者によるブレーキ操作部材の操作力が大きくな
れば大きくなる。そのため、動力式液圧源の出力液圧が
最大値に達した後に、マニュアル式液圧源の液圧の方が
大きくなる場合がある。また、ブレーキ液圧制御装置に
よって、動力式液圧源の液圧が最大液圧より小さい設定
液圧に達した後には、マニュアル式液圧源の液圧より小
さくなるように制御される場合もある。この場合には、
設定液圧に達した後にマニュアル式液圧源の液圧の方が
大きくなる。
【0011】(12)前記液圧供給状態制御装置が、前記
動力式液圧源の液圧が設定液圧以上であり、かつ、前記
複数の液圧ブレーキのうちの少なくとも1つにおいて、
摩擦力が設定摩擦力以下である場合に、前記ブレーキシ
リンダに前記マニュアル式液圧源の液圧が供給される状
態にする摩擦力対応状態切換部を含む(3)項ないし(11)
項のいずれか1つに記載の液圧ブレーキ装置。例えば、
複数の車輪の接地路面μが同じで、複数の液圧ブレーキ
のブレーキシリンダの液圧が同じである場合に、一部の
車輪の回転速度が他の車輪の回転速度に対して大きい場
合には、その一部の車輪については摩擦力が不足してい
ると推定することができる。また、その車輪の制動トル
ク、前後方向力等を検出すれば、実際の摩擦力を検出す
ることができる。ブレーキシリンダの液圧に対して摩擦
力が不足するのは、例えば、摩擦係合部材の磨耗に起因
する。この場合には、マニュアル式液圧源の液圧がブレ
ーキシリンダに供給される状態に切り換えることが望ま
しい。ブレーキシリンダの液圧を大きくすることによっ
て、制動力不足を抑制することができる。
【0012】(13)前記液圧供給状態制御装置が、ソレ
ノイドへの電流の供給状態の制御によって、前記ブレー
キシリンダに動力式液圧源の液圧が供給される動力液圧
供給状態と前記ブレーキシリンダにマニュアル式液圧源
の液圧が供給されるマニュアル液圧供給状態とに切り換
え可能な1つ以上の電磁制御弁を含む(3)項ないし(12)
項のいずれか1つに記載の液圧ブレーキ装置。本項に記
載の液圧ブレーキ装置においては、電磁制御弁への供給
電流の制御により、動力液圧供給状態とマニュアル液圧
供給状態とに切り換えられる。電磁制御弁は、開状態と
閉状態とに切換可能な電磁開閉弁であっても、液圧の供
給状態を切り換える方向切換弁であっても、前後の差圧
を供給電流量に応じた大きさに制御可能なリニア液圧制
御弁であってもよい。1つ以上の電磁制御弁を含む液圧
供給状態制御装置は、例えば、動力液圧供給状態におい
て、ブレーキシリンダをマニュアル式液圧源から遮断し
て動力式液圧源に連通させる状態とし、マニュアル液圧
供給状態において、ブレーキシリンダを動力式液圧源か
ら遮断してマニュアル式液圧源に連通させる状態とする
ものとすることができる。しかし、このようなものに限
定されない。〔発明の実施の形態〕において説明するよ
うに、ブレーキ装置の構造等によっては、液圧供給状態
制御装置を、マニュアル式液圧源とブレーキシリンダと
の間に設けられた電磁制御弁を含むものとすることがで
きる。
【0013】(14)運転者による要求制動状態量が設定
要求量以下の場合に、前記ブレーキシリンダに前記動力
式液圧源の液圧が供給される状態とし、前記要求制動状
態量が設定要求量より大きい場合に、前記マニュアル式
液圧源の液圧が供給される状態とする液圧供給状態制御
装置を含む(1)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の
液圧ブレーキ装置。本項に記載の液圧ブレーキ装置にお
いては、要求制動状態量が設定要求量以下の場合に動力
液圧供給状態とされ、設定要求量より大きい場合にマニ
ュアル液圧供給状態とされる。同様に、ブレーキ操作状
態量が設定状態量以下の場合に動力液圧供給状態とし、
設定状態より大きい場合にマニュアル液圧供給状態とし
たり、動力式液圧源とマニュアル式液圧源との少なくと
も一方の液圧が設定液圧以下の場合に動力液圧供給状態
とし、設定液圧より大きい場合にマニュアル液圧供給状
態としたりすることができる。
【0014】(15)前記マニュアル式液圧源が、(h)前
記ブレーキ操作部材に連携させられた加圧ピストンを備
え、その加圧ピストンの前方の液圧室にブレーキ操作部
材に加えられた運転者の操作力に応じた液圧を発生させ
るマスタシリンダと、(i)段付き形状を成した増圧ピス
トンを備え、前記マスタシリンダの前方の液圧室の液圧
を増圧して出力する増圧装置とを含む(1)項ないし(14)
項のいずれか1つに記載の液圧ブレーキ装置。本項に記
載の液圧ブレーキ装置においては、マニュアル式液圧源
が増圧装置を備えている。増圧装置によれば、マスタシ
リンダの液圧が増圧させられるのであり、それによっ
て、操作力がそれほど大きくなくても、動力式液圧源の
最大液圧より大きい液圧を発生させることが可能とな
る。増圧装置は、段付き形状を成した増圧ピストンを備
えたものであり、動力を供給しなくても、マスタシリン
ダの液圧を増圧可能なものである。 (16)当該液圧ブレーキ装置が、(j)前記マスタシリン
ダの加圧室とブレーキシリンダとを接続する主液通路
と、(k)その主液通路の少なくとも一部と並列に設けら
れた副液通路とを含み、前記増圧装置が前記副液通路に
設けられた(15)項に記載の液圧ブレーキ装置。液圧ブレ
ーキ装置においては、増圧装置が主液通路に設けられる
ことが多いが、本項に記載の液圧ブレーキ装置において
は副液通路に設けられる。主液通路をインラインと称
し、副液通路をアウトラインと称することができる。 (17)前記増圧装置が、マスタシリンダと一体的に設け
られた(15)項または(16)項に記載の液圧ブレーキ装置。
マスタシリンダと増圧装置とを一体的に設けられれば、
別個に設ける場合より、部品点数を少なくすることがで
きる。例えば、マスタシリンダの加圧室から主液通路が
延び出させられ、増圧装置から副液通路が延び出させら
れるようにすることができる。
【0015】(18)前記副液通路の増圧装置とブレーキ
シリンダとの間に設けられ、前記増圧装置の液圧のブレ
ーキシリンダへの供給が許容される増圧液圧供給許可状
態と供給が阻止される増圧液圧供給阻止状態とに切り換
え可能なマニュアル液圧供給制御弁を含む(16)項または
(17)項に記載の液圧ブレーキ装置。マニュアル液圧供給
制御弁によれば、増圧装置の液圧がブレーキシリンダに
供給される状態と、供給されない状態とに切り換えるこ
とができる。例えば、マニュアル液圧供給制御弁は、動
力液圧供給状態においてマニュアル液圧供給阻止状態と
され、マニュアル液圧供給状態においてマニュアル液圧
供給許可状態とされる。マニュアル液圧供給許可状態に
おいては、ブレーキシリンダを動力式液圧源から遮断す
るものであっても、連通状態に保つものであってもよ
い。動力式液圧源の出力液圧よりマニュアル式液圧源の
出力液圧の方が大きい場合には、動力式液圧源から遮断
しなくても、マニュアル式液圧源の液圧が供給されるこ
とになる。マニュアル液圧供給制御弁は、液圧供給状態
制御装置の一構成要素としたり、後述する増圧装置制御
装置の一構成要素としたりすることができる。 (19)前記主液通路に、前記ブレーキシリンダをマスタ
シリンダから遮断する遮断状態と連通させる連通状態と
に切り換え可能なマスタ遮断弁が設けられた(16)項ない
し(18)項のいずれか1つに記載の液圧ブレーキ装置。例
えば、マスタ遮断弁は、原則として、ブレーキ操作中
に、遮断状態に保たれるようにすることができる。遮断
状態において、マニュアル液圧供給状態に変更された場
合には、増圧装置の液圧が副液通路を経てブレーキシリ
ンダに供給される。それに対して、動力式液圧源の異常
時等には、マスタ遮断弁が連通状態に切り換えられる。
マスタシリンダの液圧が主液通路を経てブレーキシリン
ダに供給され、ブレーキが作動させられる。
【0016】(20)前記ブレーキシリンダに前記マニュ
アル式液圧源の液圧が供給される状態にされる場合に、
前記増圧装置の作動を許可する増圧装置制御装置を含む
(15)項ないし(19)項のいずれか1つに記載の液圧ブレー
キ装置。本項に記載の液圧ブレーキ装置においては、増
圧装置が、動力液圧供給状態において作動禁止状態とさ
れ、マニュアル液圧供給状態において作動許可状態とさ
れる。動力液圧供給状態においては、増圧装置の液圧が
ブレーキシリンダに供給されるわけではないため、作動
が行われる必要性が低いのである。増圧装置を作動禁止
状態から作動許可状態に切り換える制御と、動力液圧供
給状態からマニュアル液圧供給状態に切り換える制御と
は連動して行われるようにすることができる。増圧装置
を非作動状態から作動許可状態に切り換えることと、動
力液圧供給状態からマニュアル液圧供給状態に切り換え
ることとの、一方が切り換えられれば他方も切り換えら
れるようにすることができるのである。この場合には、
1つの電磁制御弁によって両方の切換えが同時に行われ
るようにすることができる。それに対して、マニュアル
液圧供給状態に切り換えられる以前に増圧装置が作動許
可状態に切り換えられたり、マニュアル液圧供給状態に
切り換えられた後に、増圧装置が作動許可状態に切り換
えられるようにしたりすることもできる。前者の場合に
は、例えば、増圧装置の作動遅れに伴うブレーキシリン
ダの液圧の増圧遅れを抑制することができ、後者の場合
には、例えば、増圧装置における増圧ピストンのストロ
ークを小さくすることができる。これらの場合には、別
個の電磁制御弁によってそれぞれ別個に切り換えられる
ようにする。
【0017】(21)前記増圧ピストンが、それの受圧面
積が大きい方の第1液圧室に前記マスタシリンダの加圧
室が連通させられ、受圧面積が小さい方の第2液圧室に
前記動力式液圧源と前記ブレーキシリンダとが接続され
た状態で設けられた(15)項ないし(20)項のいずれか1つ
に記載の液圧ブレーキ装置。増圧装置においては、増圧
ピストンの作動によりマスタシリンダ側の第1液圧室の
液圧Piが増圧されて出力される。出力される第2液圧
室の液圧Poは、増圧ピストンの第1液圧室に対向する
受圧面積をAi、第2液圧室に対向する受圧面積をAoと
した場合に、式 Po=Pi・Ai/Ao・・・(1) で表される。Ai>Aoであるためマスタシリンダ圧Pi
が増圧される。また、第2液圧室には、ブレーキシリン
ダと動力式液圧源とが接続されている。したがって、第
2液圧室、ブレーキシリンダ、動力式液圧源が互いに連
通状態にある場合には、第2液圧室の液圧Poは、ブレ
ーキシリンダまたは動力式液圧源の液圧Poとなる。換
言すれば、式 Po・Ao/Ai>Pi・・・(2) が成立する間、すなわち、マスタシリンダ圧Piがブレ
ーキシリンダや動力式液圧源の液圧Poの割りに小さい
間は、増圧ピストンが前進させられることはない。それ
に対して、式 Po・Ao/Ai<Pi・・・(3) が成立すれば、すなわち、マスタシリンダ圧Piがブレ
ーキシリンダや動力式液圧源の液圧Poの割りに大きく
なれば、増圧ピストンが前進可能な状態となる。増圧装
置の作動が可能とされるのであり、ブレーキシリンダに
増圧装置の液圧を供給することが可能となる。 (22)前記増圧装置が、前記第2液圧室に前記動力式液
圧源と前記ブレーキシリンダとが常時連通させられた状
態で設けられた(21)項に記載の液圧ブレーキ装置。本項
に記載の液圧ブレーキ装置においては、増圧装置に、動
力式液圧源とブレーキシリンダとが常時連通させられ
る。換言すれば、ブレーキシリンダに、増圧装置と動力
式液圧源とが常時連通させられるのであり、出力液圧が
大きい方の液圧源から液圧が供給される。増圧装置と動
力式液圧源とで、動力式液圧源の出力液圧の方が大きい
場合には、ブレーキシリンダには動力式液圧源の液圧が
供給される動力液圧供給状態にあるが、増圧装置の液圧
の方が大きくなれば、マニュアル液圧供給状態となる。
前述のように、増圧装置において、マスタシリンダの加
圧室の液圧Piが、動力式液圧源の液圧Poの割りに大き
くなり、(3)式が満たされると、増圧装置が作動可能状
態となって、増圧装置の液圧がブレーキシリンダに供給
される。このように、(2)式が満たされる間は、増圧装
置は作動不能状態にあり、(3)式が満たされると作動可
能状態となるとともにマニュアル液圧供給状態となる。
増圧装置が作動可能な状態となることによって、増圧装
置の出力液圧が動力式液圧源の液圧より大きくなって、
ブレーキシリンダに増圧装置の液圧が供給される状態に
なるのである。本項に記載の液圧ブレーキ装置において
は、電磁制御弁がなくても、動力液圧供給状態からマニ
ュアル液圧供給状態に変更されるのであり、増圧装置の
作動不能状態から作動可能状態に変更される。 (23)前記マニュアル式液圧源が、前記第2液圧室と前
記動力式液圧源および前記ブレーキシリンダとを接続す
る液通路に設けられた電磁制御弁を含む(21)項に記載の
液圧ブレーキ装置。本項に記載の液圧ブレーキ装置にお
いては、増圧装置の第2液圧室と動力式液圧源およびブ
レーキシリンダとの間に電磁制御弁が設けられる。電磁
制御弁の閉状態においては、増圧装置は動力式液圧源お
よびブレーキシリンダから遮断される。この場合には、
動力式液圧源やブレーキシリンダの液圧の大きさに関係
なく、増圧ピストンの前進が禁止される。それに対し
て、電磁制御弁の開状態においては、動力式液圧源やブ
レーキシリンダの液圧とマスタシリンダの加圧室の液圧
との関係が(2)式が満たされる間は増圧装置は不作動状
態にあるが、(3)式を満たす場合には増圧装置は作動状
態にされる。このように、電磁制御弁を設ければ、増圧
装置を不作動状態から作動状態に適宜切り換えることが
可能となる。すなわち、(3)式が満たされる状態におい
ては、電磁制御弁の制御により増圧装置を不作動状態か
ら作動状態に切り換えることができる.。増圧装置が、
(3)式が満たされる状態になった後に、作動状態に切り
換えられるようにすれば、同時に切り換えられる場合に
比較して、増圧ピストンのストロークを小さくすること
ができ、増圧装置の小形化を図ることができる。
【0018】(24)前記動力式液圧源が、(m)ハウジン
グと、(n)そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合さ
れ、前方の液圧室が前記ブレーキシリンダと前記マニュ
アル式液圧源との両方に接続された制御ピストンと、
(o)電流の供給により、制御ピストンを作動させる制御
用モータとを備えた動力式液圧制御シリンダと、前記マ
ニュアル式液圧源の液圧が前記ブレーキシリンダに供給
される状態において前記制御ピストンの後退を抑制する
後退抑制装置とを含む(1)項ないし(23)項のいずれか1
つに記載の液圧ブレーキ装置。マニュアル液圧供給状態
においては、マニュアル式液圧源の液圧がブレーキシリ
ンダに供給されるが、動力式液圧制御シリンダの前方液
圧室にブレーキシリンダとマニュアル式液圧源とが連通
させられた状態にある場合には、前方液圧室の液圧がマ
ニュアル式液圧源の液圧と同じになる。マニュアル式液
圧源の液圧が動力式液圧制御シリンダの最大液圧より大
きい場合には、制御用モータへの供給電流を最大にして
も、前方液圧室の液圧によって制御ピストンが後退させ
られるおそれがある。一方、制御ピストンは後退端まで
後退させられた後は、前方液圧室の液圧を最大液圧より
大きくすることが可能である。それに対して、制御ピス
トンの後退が阻止されれば、前方液圧室の液圧が低下す
ることなく、ブレーキシリンダの液圧を最大液圧以上に
増圧させることができる。後退抑制装置は、例えば、制
御ピストンの後方の後方液圧室からの作動液の流出を阻
止する流出阻止弁を含むものとすることができる。後方
液圧室からの作動液の流出が阻止されれば、制御圧室の
液圧が高くなっても制御ピストンの後退を抑制すること
ができ、前方液圧室の液圧を増圧させることができる。
この場合には、流出阻止弁は、後退阻止弁と称すること
ができる。また、流出阻止弁を設ければ、制御用モータ
に電流を供給しなくても、制御ピストンの後退を抑制す
ることができる。そのため、マニュアル液圧源の液圧が
最大液圧より小さくても、前方の液圧室の液圧を保持す
るためには、制御用モータに多くの電流を供給する必要
がある場合がある。この場合においても、制御用モータ
に多くの電流を供給する必要がなくなり、エネルギ消費
量低減効果が得られる。 (25)前記動力式液圧源が、(p)低圧源の作動液を加圧
するポンプと、(q)電流の供給によりポンプを作動させ
るポンプモータとを備え、前記ポンプの吐出側に前記マ
ニュアル式液圧源とブレーキシリンダとの両方が接続さ
れたポンプ装置と、前記マニュアル式液圧源の液圧がブ
レーキシリンダに供給される状態において、前記マニュ
アル式液圧源からポンプ装置への作動液の流れを阻止す
る逆流阻止装置とを含む(1)項ないし(23)項のいずれか
1つに記載の液圧ブレーキ装置。マニュアル液圧供給状
態においては、マニュアル式液圧源の液圧の方がポンプ
装置の液圧より高い場合があり、マニュアル式液圧源か
らポンプ装置を経て低圧源に作動液が流れるおそれがあ
る。それに対して、逆流阻止装置を設ければ、動力式液
圧源にマニュアル式液圧源からの作動液の流れを阻止す
ることができ、ブレーキシリンダの液圧の低下を抑制す
ることができる。逆流阻止装置は、ポンプ装置からブレ
ーキシリンダへ向かう作動液の流れを許容し、逆向きの
流れを阻止する逆止弁を含むものとしたり、動力液圧供
給状態において開状態にされ、マニュアル液圧供給状態
において閉状態にされる電磁制御弁を含むものとしたり
することができる。動力式液圧源が、ポンプから吐出さ
れた作動液の液圧を制御してブレーキシリンダに供給す
る液圧制御弁装置を含む場合において、液圧制御弁装置
がブレーキシリンダとポンプとの間に位置する電磁制御
弁を含む場合には、その電磁制御弁を閉状態にすれば、
ブレーキシリンダからポンプへの逆流を阻止することが
できる。液圧制御弁装置が逆流阻止装置の機能を果たす
ことになる。
【0019】(26)ストロークシミュレータと、そのス
トロークシミュレータの作動を許容する状態と作動を禁
止する状態とに切り換え可能なシミュレータ制御弁とを
含むシミュレータ装置を含む(1)項ないし(25)項のいず
れか1つに記載の液圧ブレーキ装置。本項に記載の液圧
ブレーキ装置においては、ストロークシミュレータの作
動が許可される状態と禁止される状態とに切り換えられ
る。ブレーキシリンダに動力式液圧源の液圧が供給され
る状態に、ストロークシミュレータの作動が許可され、
マニュアル式液圧源の液圧が供給される状態に、作動が
阻止されるようにすることが望ましい。そのようにすれ
ば、運転者の操作フィーリングを良好にすることができ
る。シミュレータ制御弁は、ストロークシミュレータと
マスタシリンダとの間に設けられ、ストロークシミュレ
ータとマスタシリンダとの間の作動液の授受を許容する
状態と禁止する状態とに切り換え可能なものであって
も、ストロークシミュレータと低圧源との間に設けら
れ、ストロークシミュレータと低圧源との間の作動液の
授受を許可する状態と禁止する状態とに切り換え可能な
ものであってもよい。なお、ストロークシミュレータは
副液通路に設けることが望ましい。 (27)前記シミュレータ装置が、前記シミュレータ制御
弁を、前記増圧装置の作動不能状態で、前記ストローク
シミュレータの作動を許容する状態とし、前記増圧装置
の作動可能状態で、前記ストロークシミュレータの作動
を阻止する状態とする制御弁制御部を含む(26)項に記載
の液圧ブレーキ装置。動力液圧供給状態において増圧装
置が作動不能状態とされ、ストロークシミュレータが作
動許可状態とされる。マニュアル液圧供給状態において
増圧装置が作動可能状態にされて、ストロークシミュレ
ータが作動禁止状態とされる。 (28)前記ストロークシミュレータが、前記増圧装置と
直列に前記副液通路に設けられた(26)項または(27)項に
記載の液圧ブレーキ装置。 (29)前記ストロークシミュレータが、前記増圧装置と
一体的に設けられた(26)項ないし(28)項のいずれか1つ
に記載の液圧ブレーキ装置。ストロークシミュレータと
増圧装置とを一体的に設ければ、部品点数を少なくする
ことができる。また、ストロークシミュレータと増圧装
置とが直列に設けられた場合には、〔発明の実施の形
態〕で説明するように、ストロークシミュレータの作動
許可状態において増圧装置が作動不能状態となり、スト
ロークシミュレータの作動禁止状態において増圧装置が
作動可能状態となるようにすることができる。この場合
には、シミュレータ制御弁が増圧装置の作動状態を制御
する増圧装置制御弁としての機能を備えることになる。
また、ストロークシミュレータが作動禁止状態にされた
場合にマニュアル液圧供給状態にされる場合には、シミ
ュレータ制御弁が液圧供給状態制御弁としての機能も備
えることになる。このように、シミュレータ制御弁、液
圧供給状態制御弁、増圧装置制御弁の少なくとも2つ
は、共通のものとすることができる。
【0020】(30)前記動力式液圧源が、(r)ハウジン
グと、(s)そのハウジングに液密かつ摺動可能に嵌合さ
れ、前方の液圧室が前記ブレーキシリンダに接続された
制御ピストンと、(t)電流の供給により、制御ピストン
を作動させる制御用モータとを備えた動力式液圧制御シ
リンダを含み、前記液圧供給状態制御装置が、前記動力
式液圧シリンダの液圧がブレーキシリンダに供給される
状態において、前記予め定められた条件が満たされた場
合に、前記マニュアル式液圧源の液圧が前記制御ピスト
ンの後方に形成された後方液圧室に供給される状態にす
る後方液圧供給状態制御部を含む(3)項ないし(29)項の
いずれか1つに記載の液圧ブレーキ装置。制御ピストン
には、電動モータによる電磁駆動力と後方液圧室の液圧
に応じた液圧助勢力とが加えられる。後方液圧室に液圧
が加えられない場合に比較して、制御圧室の液圧を大き
くすることができる。このように、本項に記載の液圧ブ
レーキ装置においては、マニュアル式液圧源の液圧が間
接的にブレーキシリンダに供給されることになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
液圧ブレーキ装置について図面に基づいて詳細に説明す
る。10はマニュアル式液圧源としてのマスタシリンダ
であり、12は動力式液圧源としての動力式液圧制御シ
リンダである。また、14,16は、前輪18、後輪2
0の回転を抑制するブレーキ22,24のブレーキシリ
ンダである。ブレーキシリンダ14,16は、動力式液
圧制御シリンダ12を介してマスタシリンダ10に接続
される。
【0022】マスタシリンダ10は、ハウジング28に
液密かつ摺動可能に設けられた加圧ピストン30,32
を含み、加圧ピストン30には、ブレーキ操作部材とし
てのブレーキペダル34が連携させられている。加圧ピ
ストン32の前方の加圧室36には前輪18のブレーキ
シリンダ14が接続され、加圧ピストン30の前方の加
圧室38には後輪20のブレーキシリンダ16が接続さ
れている。2つの加圧室36,38には同じ高さの液圧
が発生させられる。加圧ピストン30は、段付き形状を
成したものであり、小径部42において加圧室38に対
向する。また、大径部44と小径部42との段部とハウ
ジング28とによって環状室46が形成される。
【0023】また、環状室46には流通制限装置60を
介してリザーバ62が接続されている。リザーバ62に
は作動液がほぼ大気圧で蓄えられている。流通制限装置
60は、リザーバ62から環状室46へ向かう方向の作
動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止する逆止弁6
6と、環状室46の液圧がリザーバ62の液圧より設定
圧(リリーフ圧)以上高い場合に、環状室46からリザ
ーバ62への作動液の流れを許容するリリーフ弁68
と、オリフィス70と、電磁開閉弁72とが互いに並列
に設けられたものである。電磁開閉弁72は、電流が供
給されない状態で閉状態にあるが、電流が供給されると
開状態に切り換えられる常閉弁である。また、環状室4
6には、途中に逆止弁74が設けられた液通路76を介
して加圧室36から伸び出させられた液通路78に接続
されている。逆止弁74は、環状室46から液通路78
へ向かう方向の作動液の流れを許容し、逆向きの流れを
阻止するものである。
【0024】電磁開閉弁72の閉状態において、加圧ピ
ストン30の前進(図の左方)に伴って環状室46、加
圧室38、36の液圧が増加させられる。環状室46の
液圧はリリーフ弁68のリリーフ圧に達するまで増加さ
せられる。環状室46の液圧が加圧室36の液圧以上の
場合は、環状室46の作動液が逆止弁74を経て液通路
78に供給され、ブレーキシリンダ14に供給される。
本実施形態においては、リリーフ圧がほぼファーストフ
ィルが終了する高さとされている。ファーストフィルが
終了するまでの間は、作動液が、環状室46と加圧室3
6との両方からブレーキシリンダ14に供給されること
になり、ファーストフィルを速やかに終了させることが
できる。
【0025】環状室46の液圧がリリーフ圧に達する
と、作動液はリリーフ弁68を経てリザーバ62に流出
させられる。この状態においては、加圧室36の液圧の
方が環状室46の液圧より高くなるが、逆止弁74によ
り加圧室36の作動液の環状室46への流出が阻止され
る。ブレーキシリンダ14には、加圧室36から作動液
が供給されて環状室46から作動液が供給されることが
ない。このように、流通制限装置60によれば、ファー
ストフィルを速やかに終了させることができるため、流
通制限装置60をフィルアップ装置と称することができ
る。
【0026】それ以降は、加圧ピストン30、32の前
進に伴って加圧室36、38の液圧が加圧される。この
場合には、加圧室38の液圧が小径部42によって加圧
されるため、大径部44で加圧(環状室46と加圧室3
8との両方の液圧が加圧)される場合に比較して、ブレ
ーキペダル30の操作力が同じである場合の加圧室38
の液圧が高くなる。倍力率が高くなるのである。なお、
環状室46とリザーバ62とが連通させられるため、加
圧ピストン30が定常状態にある場合には、環状室46
の液圧はほぼ大気圧にある。また、加圧ピストン30が
後退させられる場合には、環状室46の容積が増加させ
られるが、環状室46の容積の増加に伴ってリザーバ6
2から逆止弁66を経て作動液が供給されるため、環状
室46が負圧になることが回避される。それに対して電
磁開閉弁72の開状態においては、環状室46がリザー
バ62に連通させられ、環状室46に液圧が発生させら
れることがない。環状室46からブレーキシリンダ14
に作動液が供給されることがないのであり、フィルアッ
プ効果が得られない。この意味において、電磁開閉弁7
2はファーストフィル装置を無効化するファーストフィ
ル無効化装置と称することができる。
【0027】なお、マスタシリンダ10にはリザーバ6
2から延び出させられた液通路が一対のカップシールを
介して接続される。また、後述する増圧ピストン80と
加圧ピストン38との間、加圧ピストン30,32の間
にはそれぞれリターンスプリング82,84が設けられ
る。
【0028】加圧室36には、前記液通路78によって
前輪18のブレーキシリンダ14が接続され、加圧室3
8には、液通路92によって後輪20のブレーキシリン
ダ16が接続される。液通路78,92の途中には、そ
れぞれ、電磁開閉弁としてのマスタ遮断弁94,96が
設けられる。マスタ遮断弁94,96の開閉により、ブ
レーキシリンダ14,16がマスタシリンダ10に連通
させられたり、遮断されたりする。マスタ遮断弁94,
96は電流が供給されない状態で開状態にある常開弁で
ある。マスタ遮断弁94,96は、本実施形態において
は、ファーストフィルが終了した場合に、開状態から閉
状態に切り換えられる。ブレーキシリンダ14,16に
は、ブレーキ操作開始当初はマスタシリンダ10から液
圧が供給され、その後、動力式液圧制御シリンダ12か
ら供給される。また、電気系統の異常時等には開状態に
されて、マスタシリンダ10の液圧がブレーキシリンダ
14,16に供給されることにより、ブレーキ22,2
4が作動させられる。
【0029】マスタ遮断弁94と並列に逆止弁97が設
けられる。逆止弁97は、マスタ遮断弁94のマスタシ
リンダ側からブレーキシリンダ側への作動液の流れを許
容し、逆向きの流れを阻止するものであり、マスタ遮断
弁94が閉状態にある場合にマスタシリンダ側の液圧が
高くなった場合にマスタシリンダ10の作動液をブレー
キシリンダ側へ供給することができる。本実施形態にお
いては、逆止弁97が前輪側に設けられ、後輪側には設
けられていない。前輪側の方が液圧を大きくするのに望
ましいからである。また、後輪側においては、液通路9
2のマスタ遮断弁96よりマスタシリンダ側の部分にマ
スタ圧センサ98が設けられるからである。マスタ圧セ
ンサ98によれば、加圧室38の液圧を精度よく検出す
ることができる。
【0030】液通路92のマスタ遮断弁96の上流側に
は、シミュレータ装置99が接続される。シミュレータ
装置99は、ストロークシミュレータ99aと、シミュ
レータ制御弁99bとを含む。シミュレータ制御弁99b
は、加圧室38とストロークシミュレータ99aとの間
の作動液の授受を許可する状態と禁止する状態とに切換
可能なものであり、マスタ遮断弁96の閉状態において
は、作動液の授受を許可する状態とされ、マスタ遮断弁
86の開状態においては作動液の授受を禁止する状態と
される。このように、シミュレータ制御弁99bによ
り、ストロークシミュレータ99aの作動が許可される
状態と阻止される状態とに切り換えられる。
【0031】液通路78,92のマスタ遮断弁94,9
6の下流側には動力式液圧制御シリンダ12が設けられ
ている。動力式液圧制御シリンダ12は、電動の制御用
モータ100の作動に基づいて作動させられる。制御用
モータ100は、正・逆両方向に作動可能なものであ
り、制御用モータ100の回転運動は運動変換装置10
2によって直線運動に変換される。動力式液圧制御シリ
ンダ12は、ハウジング104、そのハウジング104
に液密かつ摺動可能に設けられた制御ピストン106,
108等を含む。制御ピストン106とハウジング10
4との間、本実施形態においては、制御ピストン106
の外周部にシール部材としてのOリングが設けられ、こ
れらが液密に保たれる。制御ピストン106は、運動変
換装置102の出力軸としての駆動軸110の移動に伴
って移動させられる。制御ピストン106は、制御用モ
ータ100の作動により前進、後退させられる。図に示
すように、電動モータ100の出力軸111の回転は、
一対のギヤ112,114を介して回転軸116に伝達
され、回転軸116の回転が運動変換装置102によっ
て直線運動に変換されて、駆動軸110に出力されるの
である。
【0032】制御ピストン106、108の前方(図の
右方)の制御圧室120,122には、それぞれ、前輪
18,後輪20のブレーキシリンダ14,16が接続さ
れるとともに加圧室36,38が接続される。制御圧室
120,122を介して、マスタシリンダ10とブレー
キシリンダ14,16とが接続されるのであり、液通路
78,92の途中に制御圧室120,122が位置する
ことになる。この場合において、マスタ遮断弁94,9
6の閉状態において、制御圧室120,122に原則と
して加圧室36,38の液圧が供給されることはない。
【0033】制御ピストン106,108は、互いに同
心かつ直列に配設されている。また、2つの制御ピスト
ン106,108の間、制御ピストン108とハウジン
グ104との間にはリターンスプリング124、126
が設けられている。制御ピストン108は、制御圧室1
20,122の液圧に基づいて移動させられるのであ
り、この意味において、制御ピストン108を浮動ピス
トンと称することができる。また、制御ピストン108
の制御圧室120,122に対向する受圧面の面積は互
いに等しく、リターンスプリング124,126の付勢
力がほぼ同じであるため、制御圧室120,122の液
圧は同じ高さにされる。前輪18、後輪20のブレーキ
シリンダ14,16には、それぞれ、同じ高さの液圧の
作動液が供給されるのであり、ブレーキシリンダ14,
16の液圧が、動力式液圧制御シリンダ12の制御によ
り、共通に増圧・減圧させられる。制御ピストン108
はハウジング104に、シール部材127を介して液密
に摺動可能に嵌合されているが、シール部材127によ
って制御圧室120,122が隔離され、2つの系統が
分離される。なお、シール部材127は制御ピストン側
に設けてもよい。
【0034】原則として、制御圧室120,122の液
圧(ブレーキシリンダの液圧)は制御ピストン106に
加えられる制御用モータ100の電磁駆動力に応じた大
きさに制御される。すなわち、制御圧室120,122
の液圧は制御用モータ100の供給電流を制御すること
によって制御することができる。このように、動力式液
圧制御シリンダ12の液圧がブレーキシリンダに供給さ
れて、ブレーキが作動させられる状態が動力液圧供給状
態である。この場合において、制御用モータ100に供
給される電流の上限値や制御用モータ100の出力可能
な最大駆動力が決まっているため、制御圧室120,1
22の液圧の最大値が決まる。制御圧室120,122
の液圧は、最大液圧以上に大きい値に制御することがで
きないのであり、ブレーキシリンダ14,18に最大液
圧以上の液圧を供給することができないのである。
【0035】また、制御ピストン106の後方(図の左
方)の後方液圧室128にはリザーバ通路130によっ
てリザーバ62が接続され、リザーバ通路130には電
磁開閉弁132が設けられる。電磁開閉弁132は電流
が供給されると開状態にされる常閉弁である。電磁開閉
弁132が閉状態にされれば、後方液圧室128からの
作動液の流出が阻止される。電磁開閉弁132は、後方
液圧室128からリザーバ62への作動液の流れを阻止
する流出阻止弁ということができる。
【0036】本実施形態においては、運動変換装置10
2はボールねじ機構を備えたものである。そのため、制
御用モータ100に駆動トルクが加えられていない状態
においては、制御圧室120の液圧に応じた力が制御ピ
ストン106に加わり、後退させられるおそれがある。
ボールねじ機構は、逆効率が高いものなのである。制御
用モータ100に必要な駆動トルクを常時加えておけ
ば、制御ピストン106の後退を阻止することができる
のであるが、消費電力量が多くなり望ましくない。そこ
で、本実施形態においては、保持要求時には、後方液圧
室128からの作動液の流出が阻止される。後方液圧室
128の液圧が制御圧室120の液圧とつり合うまで増
加させられる。その状態において、制御ピストン106
の後退が抑制されて、制御圧室120,122の液圧を
保持することができる。制御用モータ100に電流を供
給しなくても、制御圧室120の液圧を保持することが
できるのであり、後方液圧室128から作動液の流出が
許容される場合に比較して制御用モータ100への消費
電力を低減させることができる。
【0037】また、制御圧室120の液圧が、制御用モ
ータ100によって加えられる最大電磁駆動力に対応す
る液圧より大きくされた場合、すなわち、動力式液圧制
御シリンダ12の能力によって決まる最大液圧より大き
くされた場合には、制御用モータ100に電流が供給さ
れても、制御ピストン106が後退させられる。制御圧
室120に最大液圧以上の液圧が供給されても、制御ピ
ストン106の後退によって制御圧室120の液圧が低
下する。一方、制御ピストン106の後退が許容されて
も、制御ピストン106が後退端まで後退させられた後
は、制御圧室120の液圧を最大液圧より大きくするこ
とができる。それに対して、制御ピストン106の後退
が阻止されれば、制御圧室120の液圧が低下すること
なく、最大液圧以上の液圧に保持することが可能となる
のである。この意味において、流出阻止弁132は、後
退阻止弁、制御圧室圧保持弁と称することも可能であ
る。なお、図の144はスラストベアリングであり、1
46はラジアルベアリングである。これらによって、軸
方向力および半径方向力が受けられる。また、フランジ
148によって、制御圧室側からの軸方向力が受けられ
る。
【0038】マスタシリンダ10の前方には増圧装置1
50が設けられる。本実施形態においては、増圧装置1
50が、マスタシリンダ10のハウジング28に一体的
に設けられているが、それに限らない。マスタシリンダ
10とは別個に設けてもよい。増圧装置150は、ハウ
ジング28に液密かつ摺動可能に嵌合された増圧ピスト
ン80を含む。増圧ピストン80とハウジング28の底
部との間には、リターンスプリング151が設けられ
る。増圧ピストン80は段付き形状を成したものであ
り、大径部152において、前記加圧室36に対向し、
小径部153がハウジング28を液密に貫通している。
増圧ピストン80の小径部153と大径部152との間
の段部とハウジング28とによって環状室154として
の増圧室が形成される。増圧室154は液通路155を
介して液通路78のマスタ遮断弁94の下流側に接続さ
れる。なお、液通路155は動力式液圧制御シリンダ1
2の下流側のブレーキシリンダ14より上流側に接続さ
れるようにすることもできる。いずれにしても、増圧装
置150の液圧をブレーキシリンダ14,16に供給す
ることができる。
【0039】液通路155には電磁開閉弁156が設け
られる。電磁開閉弁156は、電流が供給されない場合
に閉状態にある常閉弁である。閉状態においては、増圧
装置150から液通路78への作動液の流れが阻止され
るが、開状態においては作動液の流れが許容される。換
言すれば、電磁開閉弁156の閉状態においては、増圧
ピストン80の前進が禁止されるが、電磁開閉弁156
の開状態においては、前進が許容される。ただし、電磁
開閉弁156の開状態にあっても、加圧室36の液圧が
増圧室154の液圧に対して小さい場合、または増圧室
154の液圧がブレーキシリンダの液圧より小さい場合
には、増圧ピストン80が前進させられることがないの
であり、増圧装置150は不作動状態のままである。
【0040】増圧装置150においては、増圧ピストン
80の作動により加圧室36の液圧Piが増圧されて出
力される。増圧室154の液圧Poは、増圧ピストン8
0の加圧室36に対向する受圧面積Ai、増圧室154
に対向する受圧面積Aoとした場合に、式 Po=Pi・Ai/Ao・・・(A) で表される大きさである。Ai>Aoであるため、マスタ
シリンダ圧が増圧されて出力されることがわかる。ま
た、増圧室154には、電磁開閉弁156の開状態にお
いては、動力式液圧制御シリンダ12の制御圧室120
が連通させられ、制御圧室120にはブレーキシリンダ
が連通させられる。したがって、増圧室154の液圧P
oは、ブレーキシリンダの液圧または動力式液圧源の液
圧と同じになる。換言すれば、式 Po>Pi・Ai/Ao・・・(B) が成立する間、すなわち、マスタシリンダ圧が制御圧室
120やブレーキシリンダの液圧の割に小さい間は、増
圧ピストン80が前進させられることはない。それに対
して、式 Po<Pi・Ai/Ao・・・(C) が成立すれば、すなわち、マスタシリンダ圧が制御圧室
120やブレーキシリンダの液圧の割に大きくなれば、
増圧ピストン80が前進可能な状態となる。増圧装置1
50が作動許可状態とされるのであり、ブレーキシリン
ダに増圧装置150の液圧が供給されるマニュアル液圧
供給状態とされる。
【0041】そこで、本実施形態においては、踏力が設
定踏力より大きい場合に電磁開閉弁156が閉状態から
開状態に切り換えられる。動力式液圧制御シリンダ12
の液圧は踏力に応じた大きさに制御されるため、踏力に
基づけば、動力式液圧制御シリンダ12の液圧、マスタ
シリンダ12の液圧、増圧装置150の液圧を推定する
ことができる。設定踏力は、動力式液圧制御シリンダ1
2の液圧が最大液圧に達した後に、さらに踏力が大きく
されて、増圧装置150において式(C)が成立する状態
にある大きさとされる。すなわち、動力式液圧制御シリ
ンダ12の最大液圧に達した後に、運転者が制動力不足
であると感じ、さらに大きな制動力が要求される状態で
ある。踏力が設定踏力より大きい場合にマニュアル液圧
供給条件が満たされたとされて、電磁開閉弁156が閉
状態から開状態に切り換えられる。マニュアル液圧供給
状態とされて、増圧装置150が作動許容状態とされ
て、増圧装置150の液圧がブレーキシリンダに供給さ
れる。ブレーキシリンダに、動力式液圧制御シリンダ1
2の最大液圧より大きい液圧を供給することが可能とな
る。この意味において、電磁開閉弁156は、液圧供給
状態制御弁、増圧作動状態制御弁、マニュアル液圧供給
制御弁、ブレーキ増圧制御弁等と称することができる。
なお、マスタシリンダ12の加圧室36,38から延び
出させられた液通路78,92をインラインと称し、増
圧装置150から延び出させられた液通路155をアウ
トラインと称することができる。
【0042】前記液通路78,92の動力式液圧制御シ
リンダ12の下流側には、それぞれ、液圧制御弁装置1
60,162が設けられている。液圧制御弁装置16
0、162はそれぞれ、保持弁170および減圧弁17
2を含む。保持弁170は動力式液圧制御シリンダ12
とブレーキシリンダ14,16との間に設けられ、減圧
弁172は、ブレーキシリンダ14,16と減圧用リザ
ーバ174との間に設けられ、これら保持弁170,減
圧弁172の制御により、各車輪18,20のブレーキ
シリンダ14,16の液圧が別個に制御される。本実施
形態においては、液圧制御弁装置160,162の制御
により、各車輪の制動スリップ状態が路面の摩擦係数に
対して適切な状態になるように、アンチロック制御が行
われる。リザーバ174からは、ポンプ通路180が延
び出させられており、保持弁170の上流側で動力式液
圧制御シリンダ12の下流側に接続されている。ポンプ
通路180の途中には、ポンプ182,逆止弁184,
186およびダンパ188が設けられている。ポンプ1
82はポンプモータ190の駆動によって作動させられ
る。
【0043】本ブレーキ装置は、図2に示すブレーキE
CU200によって制御される。ブレーキECU200
は,コンピュータを主体とする制御部202と複数の駆
動回路とを含む。制御部202は、CPU204,RO
M206,RAM208,入・出力部210等を含む。
入・出力部210には、ブレーキペダル34に加えられ
る踏力を検出する踏力センサ212、マスタシリンダ1
0の加圧室38の液圧を検出するマスタ圧センサ98、
動力式液圧制御シリンダ12の制御圧室120の液圧を
検出する制御圧センサ216、各車輪18,20の回転
速度を検出する車輪速センサ218、車両の前後Gを検
出する前後Gセンサ226等が接続されている。マスタ
圧センサ98は加圧室38に接続された液通路92に設
けられる。制御圧センサ216は、液圧制御弁装置16
0,162が図示する原位置にある間は、ブレーキシリ
ンダ14,16の液圧を検出する。液通路78,92の
マスタ遮断弁94,96の下流側は同じ高さの液圧にさ
れるため、制御圧センサ216によれば、ブレーキシリ
ンダ14,16の液圧を検出することができるのであ
る。
【0044】また、入・出力部210には、駆動回路2
26を介して、保持弁170、減圧弁172、マスタ遮
断弁94,96、電磁開閉弁132,156のソレノイ
ド、ポンプモータ190、制御用モータ100等が接続
されている。さらに、ROM206には、図3のフロー
チャートで表されるブレーキ制御プログラム等の種々の
プログラムやテーブル等が格納されている。
【0045】次に作動について説明する。ブレーキペダ
ル34が踏み込まれ、ファーストフィルが終了した場合
は、動力液圧供給状態とされる。マスタ遮断弁94,9
6が閉状態とされ、シミュレータ制御弁99bが開状態
とされ、流出阻止弁132が開状態とされ、液圧供給状
態制御弁156が閉状態とされる。ブレーキシリンダ1
4,16がマスタシリンダ10から遮断された状態で、
動力式液圧制御シリンダ12の制御圧室120,122
の液圧が、ブレーキペダル34の操作状態に基づいて制
御される。ブレーキ操作状態量としての踏力に基づいて
要求値(例えば、要求ブレーキ液圧、要求減速度等)が
決定され、実際の検出値(例えば、実ブレーキ液圧、実
前後G等)が要求値に近づくように制御される。要求値
と実際の検出値との偏差と要求値の変化勾配との少なく
とも一方に基づいて制御用モータ100への供給電流が
制御される。この場合には、後方液圧室128はリザー
バ62と連通させられるため、制御ピストン106,1
08は、制御用モータ100の作動によって移動させら
れる。また、液圧供給状態制御弁156が閉状態にある
ため、増圧装置150は作動不能状態にある。増圧ピス
トン80が前進させられることはない。
【0046】マニュアル液圧供給条件が満たされると、
マニュアル液圧供給状態とされる。液圧供給状態制御弁
156が開状態にされて、流出阻止弁132が閉状態に
される。増圧ピストン80の前進が許容され、増圧室1
54の液圧が制御圧室120,122を経てブレーキシ
リンダに供給される。制御圧室120,122の液圧
は、制御用モータ100の能力によって制御可能な最大
液圧より大きくなるが、流出阻止弁132が閉状態にさ
れるため、制御ピストン106が後退させられることは
ないのであり、制御圧室120の液圧の低下を抑制する
ことができる。この場合には、制御用モータ100には
電流は供給されないことになる。また、マニュアル液圧
供給状態においては、ストロークシミュレータ99aは
作動許可状態にあっても作動禁止状態にあってもよい。
なお、マスタ遮断弁94,96は閉状態のままである。
【0047】図3のフローチャートで表されるブレーキ
制御プログラムが予め定められた設定時間毎に実行され
る。ステップ1(S1と略称する。他のステップについ
ても同様である)において、ブレーキ操作中であるかど
うかが検出される。ブレーキ操作中においては、S2に
おいて、マニュアル液圧供給条件が満たされるか否かが
判定される。本実施形態においては、踏力が設定踏力以
上であるか否かが判定される。設定踏力より小さい場合
には、マニュアル液圧供給条件が満たされないとされ
て、動力液圧供給状態のままである。S3〜5におい
て、踏力に応じて目標液圧が求められ、目標液圧が得ら
れるように、制御用モータ100が制御される。流出阻
止弁132が開状態とされ、液圧供給状態制御弁156
が閉状態にされる。踏力が設定踏力以上である場合に
は、マニュアル液圧供給条件が満たされたとされて、マ
ニュアル液圧供給状態に切り換えられる。S6〜8にお
いて、動力式液圧制御シリンダ12の制御が中止させら
れ、流出阻止弁132が閉状態とされ、液圧供給状態制
御弁156が開状態とされる。
【0048】本実施形態においては、ブレーキシリンダ
の液圧が図4の実線に示すように増加させられる。動力
式液圧制御シリンダ12の出力液圧(パワー圧)は破線
に示すように増加させられ、最大液圧以上に高くなるこ
とはないが、増圧装置150の液圧はそれ以上になり得
る。増圧装置150の増圧室154の液圧の踏力(加圧
室36の液圧)に対する比率は、増圧ピストン80の加
圧室36に対向する受圧面積(大径部152の横断面積
Ai)の増圧室154に対向する受圧面積(大径部15
2の横断面積から小径部153の横断面積を引いた大き
さAo)に対する比率(Ai/Ao)によって決まる。比
率が大きいほど増加勾配が大きくなる。
【0049】それに対して、動力式液圧制御シリンダ1
2等の異常時には、マスタ遮断弁94,96が開状態に
される。マスタシリンダ10の加圧室36,38の液圧
がブレーキシリンダ14,20に供給されて、ブレーキ
22,24が作動させられる。
【0050】以上のように、本実施形態においては、ブ
レーキシリンダに、動力式液圧制御シリンダ12の出力
可能な最大液圧より大きい液圧を供給することができる
のであり、その結果、制動力不足を抑制し、大きな減速
度を得ることができる。また、最大のブレーキシリンダ
の液圧を従来の液圧ブレーキ装置と同じにすれば、その
分、制御用モータ100を能力を低いものとすることが
できるのであり、小形化することができる。動力式液圧
制御シリンダのコストダウンを図り、エネルギ消費量の
低減を図ることができる。この場合に、動力式液圧制御
シリンダ12の最大液圧を、車両の減速度が1Gになる
のに要する液圧以下にして、設定踏力を最大液圧に対応
する大きさとすれば、緊急制動操作時等でなくても、マ
ニュアル液圧供給条件が満たされ、マニュアル液圧供給
状態に切り換えられる。この場合には、制御用モータ1
00における消費エネルギの低減効果が大きくなる。
【0051】本実施形態においては、液圧供給状態制御
弁156,ブレーキ制御装置200のS2,S7を記憶
する部分、実行する部分等により液圧供給状態制御装置
が構成される。液圧供給状態制御装置は液圧供給状態切
換部でもある。また、本実施形態においては、液圧供給
状態制御装置が増圧装置制御装置でもある。
【0052】なお、マニュアル液圧供給条件は、上記実
施形態におけるそれに限らない。例えば、踏力が設定踏
力以上であり、かつ、アンチロック制御中でない場合に
満たされるようにすることができる。アンチロック制御
中においては、ブレーキ液圧を高くすることは望ましく
ないからである。また、動力式液圧制御シリンダ12の
液圧が最大液圧に達し、かつ、車両の減速度が設定減速
度以下の場合にマニュアル液圧供給条件が満たされたと
することができる。図5のフローチャートにおけるよう
に、S21、22において、ブレーキ液圧が最大液圧
(設定値)に達したか否かが判定され、減速度が設定減
速度以下であるか否かが判定される。少なくとも一方の
ステップにおける判定がNOである場合には、上記実施
形態におけるS3〜5と同様に動力液圧供給状態とされ
る。両方のステップにおける判定がYESの場合には、
マニュアル液圧供給条件が満たされたとされて、マニュ
アル液圧供給状態とされる。上記実施形態におけるS6
〜8と同様の制御が実行されるのである。なお、S22
においては、減速度が設定減速度以下であるかどうかで
なく、踏力に対して減速度が小さいかどうかが判定され
るようにすることができる。いずれにしても、踏力、減
速度、ブレーキ液圧のうちの少なくとも2つに基づいて
マニュアル液圧供給条件が満たされるか否かが判定され
るようにすることができる。また、アンチロック制御が
行われていない場合に図5のフローチャートで表される
ブレーキ液圧制御プログラムが実行されるようにするこ
とができる。路面の摩擦係数が小さいことに起因して減
速度が小さい場合があり、誤ってマニュアル液圧供給条
件が満たされることを回避するためである。
【0053】さらに、増圧装置150の液圧(マニュア
ル液圧)が動力液圧より大きくなった場合にマニュアル
液圧供給条件が満たされたとすることができる。増圧装
置150の液圧はマスタシリンダ圧または踏力と上述の
受圧面積の比率とに基づけば推定することができる。ま
た、ブレーキ液圧に対して摩擦パッドの磨耗等により摩
擦力が不足している場合にマニュアル液圧供給条件が満
たされたとすることができる。例えば、車輪18,20
のうち、回転数が他の車輪に対して大きい車輪について
は摩擦力が不足しているとすることができる。また、摩
擦力は制動トルク検出装置、前後力検出装置等によって
直接検出することができる。この場合においても、複数
回同じ結果が検出された場合にその車輪について摩擦力
が不足しているとしたり、設定時間以上同じ結果が検出
された場合にその車輪について摩擦力が不足していると
したりすることが望ましい。摩擦力は、各車輪18,2
0各々の接地路面の摩擦係数の相異によって異なること
があるからである。
【0054】さらに、S8において、制御用モータ10
0への供給電流が0にされていたが、0より大きい設定
電流が供給されるようにすることができる。マニュアル
液圧供給状態の次に動力液圧供給状態に切り換えられた
場合の作動遅れを小さくすることができる。また、液圧
供給状態制御弁156の代わりに、前後の差圧が供給電
流の大きさに応じた大きさにされるリニアバルブとする
ことができる。リニアバルブの制御により、マニュアル
液圧供給状態におけるブレーキシリンダの液圧を制御す
ることが可能となる。その結果、動力液圧供給状態から
マニュアル液圧供給状態に切り換えられた場合に、ブレ
ーキシリンダ液圧の急激な変化を抑制することができ、
運転者によるフィーリングの低下を抑制することができ
る。なお、リニアバルブにしなくても、液圧供給状態制
御弁156のデューティ制御によれば、同様の効果を得
ることも可能である。
【0055】さらに、上記実施形態においては、図4に
示すように増圧装置150の出力液圧が変化させられる
ようにされていたが、増圧装置150における受圧面積
の比率の大きさ等によっては、動力式液圧制御シリンダ
12の液圧が最大液圧に達した場合に、増圧装置150
の液圧も最大液圧と同じ大きさになるようにすることが
できる。増圧装置150の液圧が動力式液圧制御シリン
ダ12の最大液圧に達した場合に増圧装置150が作動
可能状態となるように液圧供給状態制御弁156が制御
されるようにすれば、ブレーキシリンダ液圧の変化を滑
らかにすることができる。
【0056】また、上記実施形態においては、増圧装置
150の液圧が制御圧室120,122を経てブレーキ
シリンダ14,16に供給されるようにされていたが、
図6に示すように、動力式液圧制御シリンダ12の後方
液圧室128に供給されるようにすることもできる。こ
の場合には、マニュアル液圧供給条件が満たされても制
御用モータ100への供給電流はそのまま保持される。
制御ピストン106に制御用モータ100の電磁駆動力
と後方液圧室128の液圧に応じた液圧助勢力との両方
が加えられ、制御圧室120,122の液圧がこれら両
方の力に応じた大きさに制御される。ブレーキシリンダ
液圧が図7に示すように変化させられるのであり、制御
用モータ100によって出力可能な最大液圧より大きい
液圧を供給することができる。なお、マニュアル液圧供
給条件が満たされた場合に制御用モータ100への供給
電流が制御されれば、ブレーキシリンダの液圧変化を滑
らかにすることも可能である。
【0057】さらに、上記実施形態においては、図4,
7に示すように、動力式液圧制御シリンダ12の液圧
が、増圧室154の液圧より大きくなるように制御され
るようにされていたが、増圧室154の液圧の方が大き
くなるようにすることもできる。例えば、要求ブレーキ
液圧を決定する際の制御ゲインを小さくしたり、増圧ピ
ストン80の受圧面積の前述の比率を大きくしたりする
のである。この場合においては、動力式液圧制御シリン
ダ12の液圧が最大液圧を越えた場合に液圧供給状態制
御弁156を直ちに開状態に切り換えれば、増圧装置1
50から高圧の液圧がブレーキシリンダに供給され得
る。
【0058】また、液圧供給状態制御弁156を設ける
ことは不可欠ではない。液圧供給状態制御弁156が設
けられない場合には、制御圧室120,122、ブレー
キシリンダ14,16、増圧室154が互いに連通させ
られ、これらの液圧、これらの間の液通路155,液通
路78、92の一部の液圧は同じになる。この液圧を総
称してパワー圧と称することができるが、パワー圧が加
圧室36の液圧の割に大きい場合には、増圧装置150
は作動不能状態にあり、加圧室36の液圧がパワー圧の
割に大きくなると、増圧装置150が作動可能状態にさ
れる。すなわち、前述の式(B)が満たされる間は増圧装
置150は作動不能状態にあり、動力液圧供給状態とさ
れ、式(C)が満たされると、増圧装置150は作動可能
状態とされてマニュアル液圧供給状態に変更される。こ
の場合の変更は、パワー圧が動力式液圧制御シリンダ1
2の最大液圧になった場合に行われるようにすることが
できる。増圧装置150(例えば、増圧ピストン80の
受圧面積の比率等)を、増圧室154の液圧が最大液圧
になった場合に前進が許容され得る大きさになるように
設計することができるのである。本実施形態において
は、液圧ブレーキ装置の上述の部分、すなわち、これら
の変更が実行される部分等によって液圧供給状態制御装
置が構成される。電磁制御弁がなくても変更されるので
ある。パワー圧が最大液圧に達する以前に増圧ピストン
80の前進が許容されるようにすることもできるのであ
り、その場合には、制御用モータ100における消費エ
ネルギの低減効果が大きくなる。
【0059】図8に、上記実施形態における液圧ブレー
キ装置を概念的に示す。このように、マスタシリンダ1
0および増圧装置150を含むマニュアル式液圧源26
8と動力式液圧制御シリンダ12を含む動力式液圧源2
69とを含み、ブレーキシリンダ14,16には、動力
式液圧源269とマニュアル式液圧源268とが接続さ
れる。動力液圧供給状態においては、ブレーキシリンダ
14,16は、マスタ遮断弁94,96および液圧供給
状態制御弁156が閉状態とされることによってマニュ
アル式液圧源268から遮断される。増圧装置150
が、マスタシリンダ10の前方に設けられる場合には、
前方シリンダと称することもできる。これらマニュアル
式液圧源268,動力式液圧源269の構造等は上記実
施形態におけるそれに限らない。動力式液圧源は、例え
ば、図9に示すようにポンプ装置を含むものとすること
ができる。
【0060】本実施形態においては、動力式液圧源27
0が、ポンプ装置272と液圧制御弁装置274とを含
む。ポンプ装置272は、リザーバ62の作動液を加圧
して吐出するポンプ276と電流によりポンプ276を
作動させるポンプモータ278とを含むものであり、ポ
ンプ276から吐出された作動液はアキュムレータ28
0に蓄えられる。アキュムレータ280の液圧はアキュ
ムレータ圧センサ282によって検出され、アキュムレ
ータ圧が予め定められた設定範囲内に保たれるように、
ポンプモータ278が制御される。なお、リリーフ弁2
84によって、ポンプ276の吐出圧が過大になること
が防止され、逆止弁286によってアキュムレータ28
0からポンプ276への作動液の流れが防止される。液
圧制御弁装置274は、ブレーキシリンダ液圧を目標ブ
レーキ液圧に制御するものであり、アキュムレータ圧が
液圧制御弁装置274によって制御されて、ブレーキシ
リンダ14に供給される。液圧制御弁装置274は、1
つ以上のリニアバルブを含むものとしたり、1つ以上の
電磁開閉弁を含むものとしたりすることができる。逆止
弁288は、動力式液圧源270からブレーキシリンダ
への作動液の流れを許容し、逆向きの流れを阻止するも
のである。逆止弁288によれば、ブレーキシリンダの
液圧が動力式液圧源270の液圧より高くなった場合
に、ブレーキシリンダから動力式液圧源270(リザー
バ62)への作動液の流れが防止されるため、ブレーキ
シリンダの液圧の低下を防止することができる。なお、
逆止弁288を設けることは不可欠ではない。液圧制御
弁装置276に含まれる電磁制御弁によって、ブレーキ
シリンダから動力式液圧源270への作動液の流れを阻
止し得る場合もある。
【0061】さらに、マニュアル式液圧源268の構造
も問わない。図10に示すように、ストロークシミュレ
ータ付き増圧装置300を含むものとすることができ
る。この場合には、シミュレータ装置99は不要であ
る。図10に示すブレーキ装置において図1のブレーキ
装置と同じものについては同じ符号を付して説明を省略
する。ストロークシミュレータ付き増圧装置300は、
マスタシリンダ10の加圧室36と液通路78のマスタ
遮断弁94の下流側とを接続する液通路302に設けら
れる。ストロークシミュレータ付き増圧装置300は、
ストロークシミュレータ304と増圧装置306とを含
み、これらが一体的に、すなわち、同じハウジング30
7に設けられる。ストロークシミュレータ304は、ハ
ウジング307に摺動可能に設けられシミュレータピス
トン308を含み、増圧装置306は、段付き形状を成
した増圧ピストン310を含む。シミュレータピストン
308と増圧ピストン310との間、増圧ピストン31
0とハウジングとの間にはそれぞれリターンスプリング
312,314が設けられる。本実施形態においては、
ストロークシミュレータ304と増圧装置306とが直
列に設けられるのであり、シミュレータピストン308
と増圧ピストン310とが直列に設けられる。
【0062】ストロークシミュレータ304において、
シミュレータピストン308の前方の容積室318は、
液通路320を介してリザーバ62に接続される。液通
路320にはシミュレータ制御弁322が設けられる。
シミュレータ制御弁322は、電流が供給されない場合
に閉状態にある常閉弁であり、電流が供給されると開状
態にされる。シミュレータ制御弁322の開状態におい
ては、容積室318がリザーバ62に連通させられるた
め、容積室318とリザーバ62との間の作動液の授受
が許容され、シミュレータピストン308の移動が許容
される。ストロークシミュレータ304が作動許容状態
とされる。シミュレータ制御弁322の閉状態において
は、ストロークシミュレータ304が作動禁止状態とさ
れ、容積室318の液圧が増加させられる。シミュレー
タ制御弁322が常閉弁とされているため、電気系統の
異常時等にシミュレータ制御弁322が閉状態とされ
て、ストロークシミュレータ304の作動が禁止され、
マスタシリンダ12の作動液が無駄に消費されることを
回避することができる。
【0063】増圧装置306において、増圧ピストン3
10の大径部と小径部との間の段部に形成された増圧室
324に前記液通路302を介して液通路78が接続さ
れる。液通路302の増圧室324と液通路78との間
には液圧供給状態制御弁326が設けられる。液圧供給
状態制御弁326の閉状態においては、増圧室324の
容積変化が禁止され、増圧ピストン310の前進が禁止
されるが、液圧供給状態制御弁326が開状態にされれ
ば、増圧ピストン310の前進が許容され、増圧室32
4の液圧が液通路78に供給され得る。また、容積室3
18と液通路302の増圧室324と液圧供給状態制御
弁326との間の部分との間には、逆止弁328が設け
られる。逆止弁328は容積室318からの作動液の流
出を許容し、逆向きの流れを阻止するものであり、容積
室318の液圧がブレーキシリンダの液圧に対して大き
い場合には、容積室318からも液圧が供給されること
になる。
【0064】マニュアル液圧供給条件が満たされない場
合、例えば、ブレーキペダル34に運転者によって加え
られる踏力が設定踏力より小さい場合には、シミュレー
タ制御弁322が開状態に、液圧供給状態制御弁326
が閉状態にされる。容積室318とリザーバ62との間
で作動液の授受が行われ、加圧ピストン30,32の移
動に伴ってシミュレータピストン308が移動させら
れ、シミュレータピストン308の移動に応じた反力が
加えられる。この場合には、液圧供給制御弁326が閉
状態にあるため、増圧ピストン310が前進させられる
ことがない。動力液圧供給状態においては、ストローク
シミュレータ304が作動許可状態にあり、増圧装置3
06が作動禁止状態にある。
【0065】マニュアル液圧供給条件が満たされた場
合、例えば、踏力が設定踏力以上になった場合には、シ
ミュレータ制御弁322が閉状態に、液圧供給状態制御
弁326が開状態にされる。ストロークシミュレータ3
04が作動禁止状態にされ、増圧装置306が作動許可
状態にされる。シミュレータピストン308の前進に伴
って増圧ピストン310が前進させられ、増圧室324
の液圧が増加させられる。増圧ピストン310は、増圧
ピストン310に加えられる力がスプリング314のセ
ット荷重以上になった場合に移動が開始される。具体的
には、容積室318の液圧に応じた力がスプリング31
4のセット荷重以上になった場合、シミュレータピスト
ン308が増圧ピストン310に当接し、加圧室36の
液圧に応じた力がスプリング314のセット荷重以上に
なった場合等がある。増圧室324の液圧は液圧供給状
態制御弁326を経てブレーキシリンダ14に供給され
る。ブレーキシリンダ14の液圧を動力式液圧制御シリ
ンダ12の最大液圧より大きくすることができる。
【0066】なお、本実施形態においては、マニュアル
液圧供給状態が満たされた場合にシミュレータ制御弁3
22が閉状態にされることによってストロークシミュレ
ータ304の作動が禁止されて容積室318の液圧が増
加させられるようにされていたが、シミュレータ制御弁
322を閉状態にすることは不可欠ではない。シミュレ
ータピストン308が増圧ピストン310に当接すれ
ば、増圧ピストン310の前進が許容されるからであ
る。それに対して、シミュレータ制御弁322を閉状態
に切り換えれば、直ちに増圧ピストン310の前進が許
容される。換言すれば、シミュレータ制御弁322と液
圧供給状態制御弁326との両方を制御することによっ
て、増圧装置306が作動禁止状態から作動許可状態に
切り換えられると考えることもできる。この場合には、
シミュレータ制御弁322と液圧供給状態制御弁326
とによって増圧装置制御装置が構成されると考えること
ができる。
【0067】逆に、シミュレータ制御弁322,液圧供
給状態制御弁326は不可欠ではない。この場合には、
シミュレータピストン306が増圧ピストン310に当
接した後に、増圧ピストン310がシミュレータピスト
ン306の前進に伴って前進させられ、増圧室324の
液圧が増加させられる。また、増圧室324の液圧が制
御圧室120の液圧より小さい場合には、増圧ピストン
310が前進させられることはなく、増圧装置306は
作動不能状態にあるが、増圧室324の液圧が制御圧室
120の液圧より高くなると、作動許可状態に切り換え
られ、増圧室324から液圧がブレーキシリンダに供給
される。
【0068】また、増圧装置306は不可欠ではない。
図11に示すように、増圧装置306がなくても、スト
ロークシミュレータ304の液圧が後方液圧室128に
供給されるようにすれば、動力液液圧制御シリンダ12
の制御用モータ100の作動によって出力可能な最大液
圧より大きい液圧をブレーキシリンダに供給することが
可能となる。本実施形態においては、流出阻止弁132
の開状態においては、後方液圧室128とリザーバ62
との間、容積室318とリザーバ62との間で作動液の
授受が許容される。制御ピストン106の移動が許容さ
れ、シミュレータピストン308の移動が許容される。
また、流出阻止弁132の閉状態においては、容積室3
18の液圧が増加させられ、後方液圧室128より高く
なると容積室318から液圧が供給される。容積室31
8の液圧はシミュレータピストン308に加えられる加
圧室36の液圧、すなわち、踏力の増大に応じて増加さ
せられる。また、後方液圧室128からリザーバ62へ
の作動液の流出が阻止される。制御ピストン106に
は、制御用モータ100による電磁駆動力と後方液圧室
128の液圧により液圧助勢力とが加えられるため、制
御圧室120,122の液圧を制御用モータ100によ
る場合より大きくすることができる。このように、本実
施形態においては、流出阻止弁132がシミュレータ制
御弁としての機能も果たす。また、液圧供給状態制御弁
としての機能も果たすと考えることができる。
【0069】さらに、上記各実施形態においては、動力
液圧供給状態において、ブレーキシリンダの液圧が踏力
に基づいて制御されるようにされていたが、ストローク
センサを設け、操作ストロークに基づいて制御されるよ
うにすることもできる。液圧ブレーキ装置の構造は問わ
ない。本発明は、マニュアル式液圧源と動力式液圧源と
を含む液圧ブレーキ装置に広く適用することができる、
例えば、環状室46は加圧室38に接続されるようにす
ることもできる。また、本発明に係る液圧ブレーキ装置
は、駆動装置にエンジンを含む車両、電動モータを含む
車両等種々の車両に搭載することができる。液圧ブレー
キ装置の他に電動ブレーキ装置や回生ブレーキ装置を含
む車両にも適用することが可能である。
【0070】本発明は、前記〔発明が解決しようとする
課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当
業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で
実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である液圧ブレーキ装置の
回路図である。
【図2】上記液圧ブレーキ装置に含まれるブレーキ液圧
制御装置周辺を概念的に示す図である。
【図3】上記ブレーキ液圧制御装置のROMに格納され
たブレーキ液圧制御プログラムを表すフローチャートで
ある。
【図4】上記液圧ブレーキ装置における踏力とブレーキ
液圧との関係を示す図である。
【図5】上記ブレーキ液圧制御装置のROMに格納され
た別のブレーキ液圧制御プログラムを表すフローチャー
トである。
【図6】本発明の別の一実施形態である液圧ブレーキ装
置の回路図である。
【図7】上記液圧ブレーキ装置における踏力とブレーキ
液圧との関係を示す図である。
【図8】上記各液圧ブレーキ装置を概念的に示す図であ
る。
【図9】本発明のさらに別の一実施形態である液圧ブレ
ーキ装置に含まれる動力式液圧源を示す図である。
【図10】本発明の別の一実施形態である液圧ブレーキ
装置の回路図である。
【図11】本発明のさらに別の一実施形態である液圧ブ
レーキ装置の回路図である。
【符号の説明】
10マスタシリンダ 12動力式液圧制御シリン
ダ 14,16ブレーキシリンダ 22,24液圧ブレ
ーキ 30,32加圧ピストン 80増圧ピストン
128後方液圧室 132流出阻止弁 150増圧装置 156液
圧供給状態制御弁 200ブレーキECU 212踏力センサ 2
26前後Gセンサ 268マニュアル式液圧源 269動力式液圧源
272ポンプ装置 274液圧制御弁装置 288逆止弁 300ストロークシミュレータ付き増圧装置 304ストロークシミュレータ 306増圧装置 322シミュレータ制御弁 326液圧供給状態制
御弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキシリンダの液圧により作動させら
    れ、車輪の回転を抑制する液圧ブレーキと、 運転者によるブレーキ操作部材の操作によって液圧を発
    生させるマニュアル式液圧源と、 動力により作動液を加圧して出力可能な動力式液圧源
    と、 その動力式液圧源の液圧が前記ブレーキシリンダに供給
    される状態において、前記動力式液圧源の出力液圧が、
    その動力式液圧源の能力で決まる最大液圧に達した後
    に、前記マニュアル式液圧源の液圧が前記ブレーキシリ
    ンダに供給される状態にする液圧供給状態制御装置とを
    含むことを特徴とする液圧ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】前記液圧供給状態制御装置が、前記動力式
    液圧源の液圧が最大液圧に達した状態において、当該液
    圧ブレーキ装置が搭載された車両の減速度が設定減速度
    より小さい場合に、前記ブレーキシリンダに前記動力式
    液圧源の液圧が供給される動力液圧供給状態から前記マ
    ニュアル式液圧源の液圧が供給されるマニュアル液圧供
    給状態に変更する液圧供給状態変更部を含む請求項1に
    記載の液圧ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】前記マニュアル式液圧源が、(a)前記ブレ
    ーキ操作部材に連携させられた加圧ピストンを備え、そ
    の加圧ピストンの前方の液圧室にブレーキ操作部材に加
    えられた運転者の操作力に応じた液圧を発生させるマス
    タシリンダと、(b)段付き形状を成した増圧ピストンを
    備え、前記マスタシリンダの前方の液圧室の液圧を増圧
    して出力する増圧装置とを含む請求項1または2に記載
    の液圧ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】前記ブレーキシリンダに前記マニュアル式
    液圧源の液圧が供給される状態にされる場合に、前記増
    圧装置の作動を許可する増圧装置制御装置を含む請求項
    3に記載の液圧ブレーキ装置。
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