JP2019025953A - 車両の制動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ブレーキ・バイ・ワイヤ構成の制動制御装置において、フェイルセーフ性が向上されるとともに、制動操作部材の好適な操作特性が達成され得るものを提供する。【解決手段】 制動制御装置は、車輪に備えられたホイールシリンダ内の制動液の制動液圧を調整するものであり、リザーバから供給される制動液の圧力を調整液圧として増加する調圧ユニットと、リザーバから供給される制動液を圧送するマスタシリンダと、『分離シリンダ、及び、分離ピストンにて構成され、「ホイールシリンダに接続される加圧室」、及び、「分離ピストンに対して加圧室とは反対側に位置し、調圧ユニットに接続される分離室」を有する分離ユニット』と、を備える。分離ユニットは、調圧ユニットが、調整液圧を増加する場合に、加圧室とマスタシリンダとの流体接続を遮断するよう構成されている。【選択図】 図2
Description
本発明は、車両の制動制御装置に関する。
特許文献1には、「十分なブレーキ力を締付機構に印加可能であって、良好なペダル感覚を得ることが可能な簡単な構成の液圧ブレーキ装置を提供する」ことを目的に、「作動手段(2)に接続したマスタシリンダ(4)と、マスタシリンダの第1及び第2の圧力室(6,8)と、ブレーキ駆動中に圧力媒体が強制貫流する絞り弁(16)と、絞り弁と液圧的に連通した第1のピストンシリンダ装置(12)及び第2の圧力室と液圧的に連通可能な第2のピストンシリンダ装置(14)を有する締付機構(10)とを備え、第1の圧力室が絞り弁の絞り横断面を液圧制御することによって発生した動圧は、ブレーキ力を印加するように、第1のピストンシリンダ装置に印加され、他方、第2の圧力室は、第2のピストンシリンダ装置と液圧的に連通可能であるため、締付機構によってサーボ力が停止しても、締付機構にブレーキ力を印加することが可能となる」ことが記載されている。
更に、特許文献1には、「通常のサーボ力によるブレーキ駆動中に、発生した動圧は、サーボ圧力室154、ディスクブレーキキャリパ10’のピストンシリンダ装置12’、等に印加される。ほぼ同時に(又は僅かに遅れて)、マスタシリンダ4の圧力室8に発生された圧力は、分離ピストンシリンダ装置150の作動圧力室156に印加される。この場合、分離ピストン152は、基本位置でストッパ188に接している。分離ピストン152に作用する諸力が互いに相殺され(或いは、その結果、生じる力が作動圧力室156の方向に作用する)、より僅かな差が復帰ばね176の予応力によって補償されるように選択することである。結果として、ディスクブレーキキャリパ10’のピストンシリンダ装置12’を介して、絞り弁16に発生された動圧のみによってブレーキ力がディスクブレーキ80に印加される」旨が記載されている。
特許文献1の装置では、分離ピストンシリンダ装置によって、ディスクブレーキキャリパのピストンシリンダ装置(「ホイールシリンダ」ともいう)と、マスタシリンダ、及び、パワーブレーキ装置とが流体的に分離されている。つまり、ホイールシリンダとパワーブレーキ装置等との間では、制動液が、直接的には移動されない。このような構成は、フェイルセーフの観点では、好ましいものの1つである。
しかしながら、特許文献1の装置では、マスタシリンダによって発生された液圧が、作動圧力室に印加されるとともに、液圧ポンプによって発生された動圧が、サーボ圧力室に印加される。このとき、分離ピストンに作用する諸力が互いに相殺されるようにされている。このため、制動操作部材には、操作力は生じるが、操作変位が生じない(又は、生じるが僅かである)。操作変位が適切に確保され、制動操作部材の操作特性(操作変位と操作力との関係)が向上され得るものが望まれている。
加えて、電気自動車、ハイブリッド車両等の駆動用電気モータを備える車両では、制動制御装置には、所謂、回生協調制御に対応することが求められている。該回生協調制御に対応すべく、例えば、ブレーキ・バイ・ワイヤ構成を有するものが期待されている。
以上の点を鑑み、本発明の目的は、所謂、ブレーキ・バイ・ワイヤ構成の車両の制動制御装置において、フェイルセーフ性が向上されるとともに、制動操作部材の好適な操作特性が達成され得るものを提供することである。
本発明に係る車両の制動制御装置は、車両の車輪(WH)に備えられたホイールシリンダ(CW)内の制動液(BF)の制動液圧(Pw)を調整するものであり、前記車両のリザーバ(RV)から供給される前記制動液(BF)の圧力を調整液圧(Pc)として増加する調圧ユニット(KC)と、前記リザーバ(RV)から供給される前記制動液(BF)を圧送するマスタシリンダ(CM)と、『分離シリンダ(CB)、及び、分離ピストン(PB)にて構成され、「前記ホイールシリンダ(CW)に接続される加圧室(Ra)」、及び、「前記分離ピストン(PB)に対して前記加圧室(Ra)とは反対側に位置し、前記調圧ユニット(KC)に接続される分離室(Rb)」を有する分離ユニット(KB)』と、を備える。
本発明に係る車両の制動制御装置では、前記分離ユニット(KB)は、前記調圧ユニット(KC)が、前記調整液圧(Pc)を増加する場合に、前記加圧室(Ra)と前記マスタシリンダ(CM)との流体接続を遮断するよう構成されている。また、前記分離ユニット(KB)では、前記分離ピストン(PB)と前記分離シリンダ(CB)との間に弾性体(SB)が備えられ、前記弾性体(SB)は、前記車両の非制動時に、前記分離ピストン(PB)が前記分離シリンダ(CB)の端部(Bt)に接触するよう、前記分離ピストン(PB)を押圧する。
分離ユニットKBの分離ピストンPBの移動可能な中心軸Jb方向の変位は、構成上、幾何的に限定される。上記構成によれば、流体路に失陥が生じた場合であっても、装置の外部に流出される制動液BFの量は制限される。結果、制動制御装置のフェイルセーフ性が向上される。さらに、制動時(調圧ユニットKCが液圧Pcを増加する場合)には、マスタシリンダCMとホイールシリンダCW(即ち、加圧室Ra)との流体接続が遮断されるため、制動操作部材BPの操作特性が、好適に確保され得る。
本発明に係る車両の制動制御装置は、前記車輪(WH)の速度(Vw)を検出する車輪速度センサ(VW)と、前記速度(Vw)に基づいて、前記車輪(WH)の過大なスリップを抑制するアンチスキッド制御を実行するよう、前記制動液圧(Pw)を増加するインレット弁(VI)、及び、前記制動液圧(Pw)を減少するアウトレット弁(VO)を有するモジュレータユニット(KA)と、を備える。そして、前記分離ユニット(KB)は、前記モジュレータユニット(KA)と前記ホイールシリンダ(CW)との間に配置される。また、前記分離ユニット(KB)は、前記調圧ユニット(KC)と前記モジュレータユニット(KA)との間に配置されてもよい。
例えば、1つの流体ポンプQC、及び、1つの電磁弁UCによって、4つの制動液圧Pwが加圧される構成では、流体ポンプQCの駆動ロスが低減される。即ち、制動制御装置SC全体の動力効率が高い。しかし、調圧ユニットKCが1系統であり、冗長系を形成するよう、複数系統には分離されていない。上記構成によれば、分離ユニットKBによって、1系統の調圧ユニットKCであっても、各ホイールシリンダCWにて、第1、第2マスタシリンダ室Rm1、Rm2に係る2系統の流体路に分離される。このため、高効率で、且つ、冗長な、制動制御装置SCが提供され得る。
<構成部材等の記号、記号末尾の添字、及び、運動・移動方向>
以下の説明において、「ECU」等の如く、同一記号を付された構成部材、演算処理、信号、特性、及び、値は、同一機能のものである。各種記号の末尾に付された添字「i」〜「k」は、それが何れの車輪に関するものであるかを示す包括記号である。具体的には、「i」は右前輪、「j」は左前輪、「k」は右後輪、「l」は左後輪を示す。例えば、4つの各ホイールシリンダにおいて、右前輪ホイールシリンダCWi、左前輪ホイールシリンダCWj、右後輪ホイールシリンダCWk、及び、左後輪ホイールシリンダCWlと表記される。更に、記号末尾の添字「i」〜「k」は、省略され得る。添字「i」〜「k」が省略された場合には、各記号は、4つの各車輪の総称を表す。例えば、「WH」は各車輪、「CW」は各ホイールシリンダを表す。
以下の説明において、「ECU」等の如く、同一記号を付された構成部材、演算処理、信号、特性、及び、値は、同一機能のものである。各種記号の末尾に付された添字「i」〜「k」は、それが何れの車輪に関するものであるかを示す包括記号である。具体的には、「i」は右前輪、「j」は左前輪、「k」は右後輪、「l」は左後輪を示す。例えば、4つの各ホイールシリンダにおいて、右前輪ホイールシリンダCWi、左前輪ホイールシリンダCWj、右後輪ホイールシリンダCWk、及び、左後輪ホイールシリンダCWlと表記される。更に、記号末尾の添字「i」〜「k」は、省略され得る。添字「i」〜「k」が省略された場合には、各記号は、4つの各車輪の総称を表す。例えば、「WH」は各車輪、「CW」は各ホイールシリンダを表す。
各種記号の末尾に付された添字「1」、「2」は、2つの制動系統において、それが何れの系統に関するものであるかを示す包括記号である。具体的には、「1」は第1系統、「2」は第2系統を示す。例えば、2つのマスタシリンダ流体路において、第1マスタシリンダ流体路HM1、及び、第2マスタシリンダ流体路HM2と表記される。更に、記号末尾の添字「1」、「2」は省略され得る。添字「1」、「2」が省略された場合には、各記号は、2つの各制動系統の総称を表す。例えば、「VM」は、各制動系統のマスタシリンダ弁を表す。
<本発明に係る車両の制動制御装置の実施形態>
図1の構成図を参照して、本発明に係る制動制御装置SCの実施形態について説明する。一般的な車両では、フェイルセーフのため、複数の制動系統(例えば、2系統)が採用され、冗長性が確保されている。各制動系統の構成は同じであるため、代表として、1つの制動系統が図示されている。車両は、駆動用の電気モータを備えたハイブリッド車両、又は、電気自動車である。制動制御装置SCでは、所謂、回生協調制御(回生ブレーキと摩擦ブレーキとの協調)が実行される。
図1の構成図を参照して、本発明に係る制動制御装置SCの実施形態について説明する。一般的な車両では、フェイルセーフのため、複数の制動系統(例えば、2系統)が採用され、冗長性が確保されている。各制動系統の構成は同じであるため、代表として、1つの制動系統が図示されている。車両は、駆動用の電気モータを備えたハイブリッド車両、又は、電気自動車である。制動制御装置SCでは、所謂、回生協調制御(回生ブレーキと摩擦ブレーキとの協調)が実行される。
制動制御装置SCを備える車両には、制動操作部材BP、ホイールシリンダCW、リザーバRV、マスタシリンダCM、及び、車輪速度センサVWが備えられる。
制動操作部材(例えば、ブレーキペダル)BPは、運転者が車両を減速するために操作する部材である。制動操作部材BPが操作されることによって、車輪WHの制動トルクが調整され、車輪WHに制動力が発生される。具体的には、車両の車輪WHには、回転部材(例えば、ブレーキディスク)KTが固定される。そして、回転部材KTを挟み込むようにブレーキキャリパが配置される。
ブレーキキャリパには、ホイールシリンダCWが設けられている。ホイールシリンダCW内の制動液BFの圧力(制動液圧)Pwが増加されることによって、摩擦部材(例えば、ブレーキパッド)が、回転部材KTに押し付けられる。回転部材KTと車輪WHとは、一体的に回転するよう固定されているため、このときに生じる摩擦力によって、車輪WHに制動トルク(摩擦ブレーキ力)が発生される。
リザーバ(大気圧リザーバ)RVは、作動液体用のタンクであり、その内部に制動液BFが貯蔵されている。リザーバRVの下部は、仕切り板SKによって、マスタシリンダ室Rmに接続されたマスタリザーバ室Ruと、調圧ユニットKCに接続された調圧リザーバ室Rdとに区画されている。リザーバRV内に制動液BFが満たされた状態では、制動液BFの液面は、仕切り板SKの高さよりも上にある。このため、制動液BFは、仕切り板SKを超えて、マスタリザーバ室Ruと調圧リザーバ室Rdとの間を自由に移動することができる。一方、リザーバRV内の制動液BFの量が減少し、制動液BFの液面が仕切り板SKの高さよりも低くなると、マスタリザーバ室Ruと調圧リザーバ室Rdとは独立した液だめとなる。
マスタシリンダCMは、制動操作部材BPに、ブレーキロッド等を介して、機械的に接続されている。制動操作部材BPが操作されていない場合には、マスタシリンダCMとリザーバRVとは連通状態にある。制動操作部材BPが操作されると、マスタシリンダCM内のピストンPSが押され、ピストンPSは前進する。この前進によって、マスタシリンダCMの内壁とピストンPSとによって形成された、マスタシリンダ室Rmは、リザーバRV(特に、マスタリザーバ室Ru)から遮断される。制動操作部材BPの操作が増加されると、マスタシリンダ室Rmの体積は減少し、制動液BFは、マスタシリンダCMから、ホイールシリンダCWに向けて圧送される。マスタシリンダCMによって、ホイールシリンダCWの液圧(制動液圧)Pwが調整(増減)される場合が、「マニュアル制動」と称呼される。
ホイールシリンダCWは、マスタシリンダCMに代えて、制動制御装置SCによっても加圧される。制動制御装置SCは、所謂、ブレーキ・バイ・ワイヤの構成である。即ち、ホイールシリンダCWは、マスタシリンダCM、及び、制動制御装置SCのうちの何れか1つによって加圧される。制動制御装置SCによって、ホイールシリンダCWの液圧Pwが調整(増減)される場合が、「制御制動」と称呼される。
各車輪WHには、車輪速度Vwを検出するよう、車輪速度センサVWが備えられる。車輪速度Vwの信号は、車輪WHのロック傾向を抑制する(即ち、過大なスリップを低減する)、アンチスキッド制御等に採用される。車輪速度センサVWによって検出された各車輪速度Vwは、コントローラECUに入力される。コントローラECUでは、車輪速度Vwに基づいて、車体速度Vxが演算される。
マスタシリンダCM、ホイールシリンダCW、リザーバRV、及び、制動制御装置SCを、夫々、接続する各種流体路について説明する。流体路は、制動制御装置の作動液体である制動液BFを移動するための経路であり、制動配管、流体ユニットの流路、ホース等が該当する。なお、流体路において、リザーバRVに近い側(ホイールシリンダCWから遠い側)が、「上流側」、又は、「上部」と称呼され、ホイールシリンダCWに近い側(リザーバRVから遠い側)が、「下流側」、又は、「下部」と称呼される。
マスタシリンダ流体路HMは、マスタシリンダCMに接続される。ホイールシリンダ流体路HWは、ホイールシリンダCWに接続される。マスタシリンダ流体路HMとホイールシリンダ流体路HWとの間には、分離ユニットKBが設けられる。マスタシリンダCMのマスタシリンダ室Rmは、流体路HM、HW、及び、分離ユニットKBを介して、ホイールシリンダCWに流体接続されている。上記のマニュアル制動による加圧では、制動液BFは、「CM→HM→KB→HW→CW」の順で移動される。
リザーバ流体路HRは、リザーバRVの調圧リザーバ室Rdに接続される。また、リザーバ流体路HRは、調圧ユニットKCに接続される。つまり、リザーバ流体路HRは、リザーバRVと調圧ユニットKCとを結ぶ流体路(配管、又は、流路)であり、その内部の液圧は、大気圧である。調圧流体路HCによって、調圧ユニットKCとモジュレータユニットKAとが接続される。更に、モジュレータ流体路HAによって、モジュレータユニットKAと分離ユニットKBとが接続される。ホイールシリンダ流体路HWによって、分離ユニットKBとホイールシリンダCWとが接続される。従って、上記制御制動による加圧では、制動液BFは、「RV→HR→KC→HC→KA→HA→KB→HW→CW」の順で移動される。なお、マスタシリンダCM、ホイールシリンダCW、各流体路HM、HW、HR、HC、HA、及び、各ユニットKC、KA、KBの内部は、制動液BFによって満たされている(即ち、制動液BFの液密状態が達成されている)。
≪制動制御装置SC≫
制動制御装置SCは、操作量センサBA、操作スイッチST、ストロークシミュレータSS、シミュレータ電磁弁VS、マスタシリンダ電磁弁VM、コントローラECU、調圧ユニットKC(電気モータMC、流体ポンプQC、リニア型電磁弁UC、調整液圧センサPC)、モジュレータユニットKA(インレット弁VI、アウトレット弁VO)、及び、分離ユニットKB(分離シリンダCB、分離ピストンPB)にて構成される。制動制御装置SC内も、制動液BFによって液密状態にされている。
制動制御装置SCは、操作量センサBA、操作スイッチST、ストロークシミュレータSS、シミュレータ電磁弁VS、マスタシリンダ電磁弁VM、コントローラECU、調圧ユニットKC(電気モータMC、流体ポンプQC、リニア型電磁弁UC、調整液圧センサPC)、モジュレータユニットKA(インレット弁VI、アウトレット弁VO)、及び、分離ユニットKB(分離シリンダCB、分離ピストンPB)にて構成される。制動制御装置SC内も、制動液BFによって液密状態にされている。
制動操作部材BPには、操作量センサBAが設けられる。操作量センサBAによって、運転者による制動操作部材(ブレーキペダル)BPの操作量Baが検出される。制動操作量センサBAとして、マスタシリンダCMの圧力Pmを検出する液圧センサPM、制動操作部材BPの操作変位Spを検出する操作変位センサSP、及び、制動操作部材BPの操作力Fpを検出する操作力センサのうちの少なくとも1つが採用される。つまり、操作量センサBAによって、制動操作量Baとして、マスタシリンダCM内の液圧(マスタシリンダ液圧)Pm、制動操作部材BPの操作変位Sp、及び、制動操作部材BPの操作力Fpのうちの少なくとも1つが検出される。制動操作量Baは、コントローラECUに入力される。
制動操作部材BPには、操作スイッチSTが設けられる。操作スイッチSTによって、運転者による制動操作部材BPの操作の有無が検出される。制動操作部材BPが操作されていない場合(即ち、非制動時)には、制動操作スイッチSTによって、操作信号Stとしてオフ信号が出力される。一方、制動操作部材BPが操作されている場合(即ち、制動時)には、操作信号Stとしてオン信号が出力される。制動操作信号Stは、コントローラECUに入力される。
ストロークシミュレータ(単に、「シミュレータ」ともいう)SSが、制動操作部材BPに操作力Fpを発生させるために設けられる。シミュレータSSの内部には、ピストン、及び、弾性体(例えば、圧縮ばね)が備えられる。マスタシリンダCMから制動液BFがシミュレータSSに移動され、流入する制動液BFによりピストンが押される。ピストンには、弾性体によって制動液BFの流入を阻止する方向に力が加えられる。弾性体によって、制動操作部材BPが操作される場合の操作力Fpが形成される。
マスタシリンダCM内のマスタシリンダ室RmとシミュレータSSとの間には、シミュレータ弁VSが設けられる。シミュレータ弁VSは、開位置(連通状態)と閉位置(遮断状態)とを有する2位置の電磁弁(「オン・オフ弁」ともいう)である。シミュレータ弁VSは、コントローラECUからの駆動信号Vsによって制御される。非制動時、又は、制動制御装置SCの不調時(マニュアル制動時)には、シミュレータ弁VSが閉位置にされ、マスタシリンダCMとシミュレータSSとが遮断状態(非連通状態)となる。この場合、マスタシリンダCMからの制動液BFは、シミュレータSSで消費されない。制御制動時には、シミュレータ弁VSが開位置にされ、マスタシリンダCMとシミュレータSSとは連通状態となる。この場合、制動操作部材BPの操作特性(操作変位Spと操作力Fpとの関係)は、シミュレータSSによって形成される。シミュレータ弁VSには、常閉型の電磁弁が採用される。なお、マスタシリンダ室Rmの容積が十分に大きい場合には、シミュレータ弁VSは省略され得る。
マスタシリンダ流体路HMの途中に、マスタシリンダ弁VMが設けられる。マスタシリンダ弁VMは、開位置(連通状態)と閉位置(遮断状態)とを有する2位置の電磁弁(オン・オフ弁)である。マスタシリンダ弁VMは、コントローラECUからの駆動信号Vmによって制御される。非制動時、又は、マニュアル制動時には、マスタシリンダ弁VMは開位置にされ、マスタシリンダCMとホイールシリンダCWとは連通状態となる。この場合、制動液圧Pwは、マスタシリンダCMによって調整される。制御制動時には、マスタシリンダ弁VMは閉位置にされ、マスタシリンダCMとホイールシリンダCWとは遮断状態(非連通状態)となる。この場合、制動液圧Pwは、制動制御装置SCによって制御される。マスタシリンダ弁VMには、常開型の電磁弁が採用される。
電子制御ユニット(「コントローラ」ともいう)ECUは、マイクロプロセッサMP等が実装された電気回路基板と、マイクロプロセッサMPにプログラムされた制御アルゴリズムにて構成されている。コントローラECUによって、制動操作量Ba、操作信号St、及び、調整液圧Pcに基づいて、電気モータMC、及び、各種電磁弁VM、VS、VI、VO、UCが制御される。具体的には、マイクロプロセッサMP内の制御アルゴリズムに基づいて、各種電磁弁VM、VS、VI、VO、UCを制御するための駆動信号Vm、Vs、Vi、Vo、Ucが演算される。同様に、電気モータMCを制御するための駆動信号Mcが演算される。そして、これらの駆動信号Vm、Vs、Vi、Vo、Uc、Mcに基づいて、電磁弁VM、VS、VI、VO、UC、及び、電気モータMCが駆動される。
コントローラECUは、車載の通信バスBSを介して、他システムの電子制御ユニット(コントローラ)とネットワーク接続されている。コントローラECUには、回生協調制御を実行するよう、駆動用のコントローラから回生量Rgが送信される。「回生量Rg」は、駆動用モータによって発生される回生ブレーキの大きさを表す状態量である。コントローラECUには、車載の発電機AL、及び、蓄電池BTから電力が供給される。
コントローラECUには、電磁弁VM、VS、VI、VO、UC、及び、電気モータMCを駆動するよう、駆動回路DRが備えられる。駆動回路DRには、電気モータMCを駆動するよう、スイッチング素子(MOS−FET、IGBT等のパワー半導体デバイス)によってブリッジ回路が形成される。モータ駆動信号Mcに基づいて、各スイッチング素子の通電状態が制御され、電気モータMCの出力が制御される。また、駆動回路DRでは、電磁弁VM、VS、VI、VO、UCを駆動するよう、駆動信号Vm、Vs、Vi、Vo、Ucに基づいて、それらの励磁状態が制御される。
調圧ユニットKCは、電動ポンプDC、電磁弁UC、及び、調整液圧センサPCを含んで構成される。
電動ポンプDCは、電気モータMC、及び、流体ポンプQCの組によって形成される。電動ポンプDCでは、電気モータMCと流体ポンプQCとが一体となって回転するよう、電気モータMCと流体ポンプQCとが固定されている。電動ポンプDC(特に、電気モータMC)は、制御制動時に制動液圧Pwを増加するための動力源である。電気モータMCは、コントローラECUによって制御される。
流体ポンプQC(特に、吸込口Qs)には、リザーバ流体路HRが接続されている。また、流体ポンプQC(特に、吐出口Qt)には、調圧流体路HCが接続されている。電動ポンプDC(特に、流体ポンプQC)の駆動によって、制動液BFが、リザーバ流体路HRから、吸込口Qsを通して吸入され、吐出口Qtから調圧流体路HCに排出される。例えば、流体ポンプQCとしてギヤポンプが採用される。
電磁弁UCは、調圧流体路HC、及び、リザーバ流体路HRに接続される。電磁弁UCは、通電状態(例えば、供給電流)に基づいて開弁量が連続的に制御されるリニア型の電磁弁(「比例弁」、又は、「差圧弁」ともいう)である。電磁弁UCは、駆動信号Ucに基づいて、コントローラECUによって制御される。電磁弁UCとして、常開型の電磁弁が採用される。
制動液BFは、リザーバ流体路HRから、流体ポンプQC、及び、電磁弁UCを通り、リザーバ流体路HRに戻される。換言すれば、リザーバ流体路HR、及び、調圧流体路HCによって、還流路(制動液BFの流れが、再び元の流れに戻る流体路)が形成される。そして、この還流路が、電磁弁UCによって絞られることで、調整液圧Pcは調整される。なお、調整液圧Pcを検出するよう、調圧流体路HCには、調整液圧センサPCが設けられる。
調圧ユニットKCでは、操作量Ba、及び、回生量Rgと予め設定された特性(演算マップ)に基づいて、電動ポンプDCが回転駆動される。そして、調整液圧センサPCの検出結果(調整液圧Pc)に基づいて、電磁弁UCが制御されて、調圧流体路HC内の液圧Pcが調整される。具体的には、目標液圧Ptが達成されるよう、電動ポンプDC(特に、電気モータMC)の回転数Nmが制御され、電動ポンプDC(特に、流体ポンプQC)からの制動液BFの流れ(流量)が発生される。電磁弁UCによって、制動液BFの流れが絞られ、最終的に、目標液圧Ptが達成される。即ち、電磁弁UCのオリフィス効果によって調整液圧Pcの調節が行われる。
一方が調圧ユニットKCに接続された調圧流体路HCは、他方で、モジュレータユニットKAに接続される。車輪WHの過大なスリップを抑制するアンチスキッド制御を実行するよう、モジュレータユニットKAは、制動液圧Pwを増加するインレット弁VI、及び、前記制動液圧Pwを減少するアウトレット弁VOを含んで構成される。具体的には、車輪速度センサVWによって検出された車輪速度Vwに基づいて、車輪WHの回転方向のスリップ量が演算される。該スリップ量に基づいて、アンチスキッド制御が実行される。スリップ量が増大し、制動液圧Pwを減少する場合には、インレット弁VIが閉位置にされ、アウトレット弁VOが開位置にされる。一方、スリップ量が減少し、制動液圧Pwを増加する場合には、インレット弁VIが開位置にされ、アウトレット弁VOが閉位置にされる。
一方がモジュレータユニットKAに接続されたモジュレータ流体路HAは、他方で、分離ユニットKBに接続される。また、分離ユニットKBは、ホイールシリンダ流体路HWに接続される。つまり、分離ユニットKBは、モジュレータユニットKAとホイールシリンダCWとの間に設けられる。分離ユニットKBにて、「マスタシリンダ流体路HMとホイールシリンダ流体路HWとの接続」、及び、「モジュレータ流体路HAとホイールシリンダ流体路HWとの接続」の2つのうちの1つが選択的に達成される。
分離ユニットKBは、分離シリンダCBと分離ピストンPBとで構成される。具体的には、分離ユニットKBでは、分離シリンダCBの内部が、分離ピストンPBによって、2つのチャンバRa、Rbに仕切られている。ここで、一方側のチャンバである加圧室Raと、他方側のチャンバである分離室Rbとは、分離ピストンPBを挟んで、相対するように配置される。つまり、分離室Rbが、分離ピストンPBに対して、加圧室Raとは反対側に設けられる。加圧室Raは、ホイールシリンダ流体路HWに接続され、分離室Rbは、モジュレータ流体路HAに接続される。
非制動時、及び、マニュアル制動時には(つまり、調圧ユニットKCが調整液圧Pcを発生していない場合には)、加圧室Raは、マスタシリンダ流体路HMに接続される。従って、分離ユニットKBを介して、ホイールシリンダCWは、マスタシリンダCMによって加圧可能な状態にされる。マニュアル制動時の制動操作部材BPの操作特性は、マスタシリンダCM、ホイールシリンダCW、キャリパ、摩擦材、等の諸元(例えば、各ピストンの受圧面積、各部材の剛性、部材間の隙間、等)に依存する。
一方、制御制動時(制動制御装置SCによる制動液圧Pwの調圧時)には、分離ユニットKBでは、加圧室Raとマスタシリンダ流体路HM(即ち、マスタシリンダCM)との流体接続が遮断される。具体的には、分離室Rb内の液圧Pbが増加されることによって、分離ピストンPBが移動される。この移動によって、マスタシリンダ流体路HMと加圧室Raとの接続ポートが閉じられて、加圧室RaとマスタシリンダCMとが非連通状態にされる。
制御制動時には、ホイールシリンダCWは、調圧流体路HCによって加圧される。調圧ユニットKCが発生する調整液圧Pcは、モジュレータユニットKAを介して、分離室Rbに伝達される。分離室Rb内の液圧Pbによって、分離ピストンPBが押圧され、加圧室Ra内の液圧Paが増加する。これにより、ホイールシリンダCW内の液圧Pwが増加される。ここで、調圧ユニットKC、モジュレータユニットKAからの制動液BFは、分離ピストンPBによって、流体的に分離されている。ここで、「流体的な分離」とは、力(即ち、液圧)は伝達されるが、制動液BFの移動が発生しない状態である。つまり、加圧室Raから、分離室Rbには、直接、制動液BFが流入しない。なお、制御制動の場合においては、分離ユニットKBによって、マスタシリンダCMとホイールシリンダCWとの流体接続が遮断されるため、シミュレータSSによって、良好な、制動操作部材BPの操作特性が達成され得る。
<分離ユニットKB>
図2の概略図を参照して、分離ユニットKBの構成、及び、その作動について説明する。分離ユニットKBは、分離シリンダCB、分離ピストンPB、及び、分離弾性体SBにて構成される。
図2の概略図を参照して、分離ユニットKBの構成、及び、その作動について説明する。分離ユニットKBは、分離シリンダCB、分離ピストンPB、及び、分離弾性体SBにて構成される。
分離シリンダCBは、底部を有するシリンダ部材である。分離ピストンPBは、分離シリンダCBの内部に挿入されたピストン部材である。分離シリンダCBの内周部Bcには、溝部が形成され、該溝部に、2つのシールSL、SMがはめ込まれる。シールSL、SMによって、分離ピストンPBの外周部(外周円筒面)Bp、及び、分離シリンダCBの内周部(内周円筒面)Bcの間が封止される。分離ピストンPBは、分離シリンダCBの中心軸Jbに沿って、滑らかに移動(摺動)することが可能である。
分離シリンダCBの内部は、分離ピストンPBによって、2つのチャンバRa、Rbに分離される。加圧室Ra(図の下方のチャンバ)は、「分離シリンダCBの内周部Bc、第1底部(底面)Bu」と、「分離ピストンPBの外周部Bp、第1端部Br」とによって区画された液圧室である。加圧室Raには、ポート(貫通孔)Awにて、ホイールシリンダ流体路HWが接続され、最終的にはホイールシリンダCWに流体接続されている。
分離室Rb(図の上方のチャンバ)は、「分離シリンダCBの内周部Bc、第2底部(底面)Bt」と、「分離ピストンPBの外周部Bp、第2端部Bq」とによって区画された液圧室である。加圧室Raと、分離室Rbとは、分離ピストンPBを挟むように、相対するように形成される。換言すれば、分離シリンダCBの中心軸線Jbにおいて、分離室Rbは、分離ピストンPBに対して、加圧室Raとは反対側に位置する。分離室Rbには、ポート(貫通孔)Aaにて、モジュレータ流体路HAが接続される。例えば、分離室Rbには、モジュレータユニットKAを介して、調圧ユニットKCによって調圧された圧力Pcが導入される。
分離シリンダCBには、2つのシールSL、SMの間で、外周部と内周部Bcとを貫通するよう、ポートAmが設けられる。ポートAmには、マスタシリンダ流体路HMが接続される。分離シリンダCB内には、ポート(貫通孔)Amの周りに、内周円筒面Bc、外周円筒面Bp、及び、シールSL、SMで区画された空間Rcが形成される。
分離ピストンPBの第1端部Brには、窪み部(凹部)Bsが設けられ、第2端部Bqにも、窪み部Bvが設けられる。分離ピストンPBの第2端部Bqには、切欠きが設けられ、窪み部Bvと外周部Bp周辺との間で制動液BFが移動可能となっている。外周部Bp、及び、窪み部Bsには、貫通孔Apが設けられる。つまり、貫通孔(例えば、円孔)Apを介して、外周部Bp周辺と窪み部Bsとの間で制動液BFが自由に移動可能である。
分離シリンダCBの第1底部Buと分離ピストンPBの窪み部Bsとの間には分離弾性体(例えば、圧縮ばね)SBが設けられる。分離弾性体SBによって、分離シリンダCBの中心軸Jbに沿って、後退方向Dqに弾性力が発生される。「Pb(=Pc)≒0」の場合には、該弾性力によって、分離ピストンPBは、分離シリンダCBの第2底部Bt(「端部」に相当)に押し付けられている。
図2(a)を参照して、非制動時、又は、マニュアル制動時の作動について説明する。非制動時には、分離ピストンPBが、分離弾性体(圧縮ばね)SBによって、分離ピストンPBの後退方向Dq(図中で上向き方向であり、前進方向Dpとは反対方向)に押し付けられ、分離ピストンPBの第2端部Bqと、分離シリンダCBの第2底部Btとが当接している。この状態での分離ピストンPBの位置が、「初期位置」と称呼される。
初期位置(分離ピストンPBが端部Btに押圧された位置)にある場合には、貫通孔Apは、空間Rcと接続状態にある。従って、マスタシリンダ流体路HMは、貫通孔Apを介して、加圧室Raに接続されている。つまり、マスタシリンダCMとホイールシリンダCWとが、分離ユニットKBの加圧室Raを通して、連通状態にされている。この状態で、マニュアル制動が実行されると、マスタシリンダCMから圧送された制動液BFは、直接、ホイールシリンダCWに導入される。結果、制動液圧Pwが、制動制御装置SCに依らず、運転者の操作力のみによって発生される。
図2(b)を参照して、制御制動の作動について説明する。制動操作部材BPが操作されると、調圧ユニットKCによって調整液圧Pcが発生される。この調整液圧Pcは、分離室Rbに導入され、分離室Rb内の液圧(分離液圧)Pb(=Pc)が増加される。分離液圧Pbによる分離ピストンPBの前進方向Dp(図中で下向き方向)の力が、分離弾性体SBによる後退方向Dqの弾性力よりも大きくなると、分離ピストンPBが中心軸Jbに沿って、前進方向Dpに移動され、分離室Rbの体積が増加される。
分離ピストンPBの前進方向Dpへの動きによって、分離ピストンPBの外周部Bpに形成された貫通孔ApがシールSMを通過すると、空間Rcと加圧室Raとの連通状態が遮断される。結果、マスタシリンダ流体路HM(即ち、マスタシリンダCM)と、加圧室Raとは、非連通状態にされる。更に、分離ピストンPBが前進方向Dpに移動されると、加圧室Raの体積は減少し、加圧室Ra内の制動液BFがホイールシリンダ流体路HWに圧送される。これにより、ホイールシリンダCWの制動液圧Pwが増加される。
逆に、制動操作部材BPが戻されると、調圧ユニットKCによって調整液圧Pcが減少される。そして、分離室液圧Pb(=Pc)は、加圧室液圧Pa(=Pw)よりも小さくなるため、分離ピストンPBは後退方向Dqに移動される。制動操作部材BPが非操作状態になると、圧縮ばねSBの弾性力によって、分離ピストンPBは、分離シリンダCBの第2底部Btに接触する位置(初期位置)にまで戻される。そして、加圧室Raとマスタシリンダ流体路HMとは、貫通孔Apを介して連通状態となり、加圧室Ra内の液圧Paは、「0」に戻される。
例えば、ホイールシリンダCWの周辺にて流体路の失陥が生じた場合、分離ピストンPBが前進しても加圧室Raの液圧Paは増加せず、「0」のままである。加圧室液圧Paが増加しないと、分離ピストンPBは、前進し続け、最終的には分離ピストンPBの第1端部Brが、分離シリンダCBの第1底部Buに当接するまで移動される。従って、分離ピストンPBの移動可能な範囲は所定距離lp(初期位置から該当接位置までの変位)に限定される。また、分離ユニットKBによって、調圧ユニットKCとホイールシリンダCWとが流体的に分離され、調圧ユニットKCとホイールシリンダCWとの間で制動液BFが移動されない。このため、上記失陥によって失われる制動液BFの量(所定距離lpに対応する体積)は限定的である。分離ユニットKBによって、制動制御装置SCの信頼度は、より向上され得る。
分離ユニットKBによって、制御制動時に、マスタシリンダCMとホイールシリンダCWとの流体接続が閉ざされるため、マスタシリンダ弁VMは省略され得る。しかしながら、分離ユニットKBによる上記遮断は、貫通孔Ap、及び、シールSMの形状に依存する。つまり、或る程度、分離ピストンPBの変位した後(即ち、貫通孔Apが、シールSMを通過し、完全に加圧室Ra内に移動した後)に、マスタシリンダCMとホイールシリンダCWとの遮断が達成される。具体的には、マスタシリンダCMとの遮断には、分離ピストンPBが、少なくとも「貫通孔Apの直径+シールSMの幅」だけ変位する必要がある。このため、制動初期における制動操作部材BPの操作特性(操作変位Spと操作力Fpとの関係)への影響が懸念される。従って、制動操作部材BPの操作特性を好適に維持するためには、マスタシリンダ弁VMを設けることが望ましい。
<2系統流体路を有する制動制御装置SCの第1の構成例>
図3の構成図を参照して、流体路が2系統で形成される制動制御装置SCの第1構成例について説明する。2系統の流体路のうちの第1系統(第1マスタシリンダ室Rm1に係る系統)は、右前輪WHiのホイールシリンダCWi、及び、左後輪WHlのホイールシリンダCWlに流体接続される。2系統の流体路のうちの第2系統(第2マスタシリンダ室Rm2に係る系統)は、左前輪WHjのホイールシリンダCWj、及び、右後輪WHkのホイールシリンダCWkに流体接続される。つまり、2系統の流体路として、所謂、ダイアゴナル型(「X型」ともいう)のものが採用されている。なお、2系統流体路として、前後型(「H型」ともいう)のものでもよい。この場合、第1系統には前輪ホイールシリンダCWi、CWjが、第2系統には後輪ホイールシリンダCWk、CWlが、夫々、接続される。
図3の構成図を参照して、流体路が2系統で形成される制動制御装置SCの第1構成例について説明する。2系統の流体路のうちの第1系統(第1マスタシリンダ室Rm1に係る系統)は、右前輪WHiのホイールシリンダCWi、及び、左後輪WHlのホイールシリンダCWlに流体接続される。2系統の流体路のうちの第2系統(第2マスタシリンダ室Rm2に係る系統)は、左前輪WHjのホイールシリンダCWj、及び、右後輪WHkのホイールシリンダCWkに流体接続される。つまり、2系統の流体路として、所謂、ダイアゴナル型(「X型」ともいう)のものが採用されている。なお、2系統流体路として、前後型(「H型」ともいう)のものでもよい。この場合、第1系統には前輪ホイールシリンダCWi、CWjが、第2系統には後輪ホイールシリンダCWk、CWlが、夫々、接続される。
制動制御装置SCは、マスタシリンダCMに近い側の上部流体ユニットHU、及び、ホイールシリンダCWに近い側の下部流体ユニットHLにて構成される。上部流体ユニットHUは、上部コントローラECUによって制御され、調圧ユニットKCを含む流体ユニットである。下部流体ユニットHLは、下部コントローラECLによって制御され、アンチスキッド制御、車両安定化制御等を実行するための流体ユニットであり、モジュレータユニットKA、及び、分離ユニットKBを含む。ここで、上部コントローラECUと下部コントローラECLとは、通信バスBSによって通信可能な状態で接続され、センサ信号、演算値が共有されている。
マスタシリンダCMは、タンデム型であり、第1、第2マスタピストンPS1、PS2によって、その内部が、第1、第2マスタシリンダ室Rm1、Rm2に分けられている。大気圧リザーバRVの内部は、仕切り板SKによって、3つの部位に区画されている。第1マスタリザーバ室Ru1は第1マスタシリンダ室Rm1に接続され、第2マスタリザーバ室Ru2は第2マスタシリンダ室Rm2に、夫々、接続される。また、調圧リザーバ室Rdは、リザーバ流体路HRによって、調圧ユニットKCに流体接続されている。
第1マスタシリンダ室Rm1には、第1マスタシリンダ流体路HM1が接続され、分離ユニットKBi、KBlに接続される。また、第2マスタシリンダ室Rm2には、第2マスタシリンダ流体路HM2が接続され、分離ユニットKBj、KBkに接続される。第1、第2マスタシリンダ流体路HM1、HM2には、第1、第2マスタシリンダ弁VM1、VM2が介装される。第1、第2マスタシリンダ弁VM1、VM2には、常開型の電磁弁(オン・オフ型)が採用される。更に、第1、第2マスタシリンダ室Rm1、Rm2の液圧Pm1、Pm2を検出するように、第1、第2マスタシリンダ液圧センサPM1、PM2が設けられる。なお、「Pm1=Pm2」であるため、第1マスタシリンダ液圧センサPM1、及び、第2マスタシリンダ液圧センサPM2のうちの一方は、省略可能である。
第2マスタシリンダ室Rm2の出口には、第1、第2マスタシリンダ弁VM1、VM2が閉じられた場合(制御制動時)に、制動操作部材BPの操作力Fpを発生させるため、シミュレータSSが設けられる。第1、第2マスタシリンダ弁VM1、VM2が開けられた場合(マニュアル制動時)に、制動液BFがシミュレータSSによって消費されることを回避するよう、常閉型のシミュレータ弁VS(オン・オフ型)が、第2マスタシリンダ流体路HM2とシミュレータSSとの間に設けられる。なお、シミュレータ弁VSは省略可能である。
制動制御時に、マスタシリンダCMに代わって、ホイールシリンダCW内の液圧Pwを調整するよう、調圧ユニットKCが設けられる。調圧ユニットKCは、電動ポンプDC、逆止弁GC、電磁弁UC、及び、調整液圧センサPCを含んで構成される。ここで、調圧ユニットKCでは、1つの流体ポンプQC、及び、1つの電磁弁UCによって、2系統流体路(即ち、全てのホイールシリンダCW)の液圧が調整される。該構成が、「単独加圧構成」と称呼される。
電動ポンプDCは、1つの電気モータMC、及び、1つの流体ポンプQCの組によって形成される。電動ポンプDCでは、電気モータMCと流体ポンプQCとが一体となって回転するよう、電気モータMCと流体ポンプQCとが固定されている。電動ポンプDC(特に、電気モータMC)は、制御制動時に制動液圧Pwを増加するための動力源である。電気モータMCは、コントローラECUによって制御される。
例えば、電気モータMCとして、3相ブラシレスモータが採用される。ブラシレスモータMCには、そのロータ位置(回転角)Kmを検出する回転角センサKMが設けられる。検出された回転角(実際値)Kmに基づいて、ブリッジ回路のスイッチング素子が制御され、電気モータMCが駆動される。つまり、3つの各相(U相、V相、W相)のコイルの通電量の方向(即ち、励磁方向)が、順次切り替えられ、ブラシレスモータMCが回転駆動される。駆動回路DRには、電気モータMCの実際の通電量Ia(各相の総称)を検出する通電量センサが設けられる。例えば、通電量センサとして、電流センサが設けられ、電気モータMCへの供給電流Iaが検出される。
流体ポンプQCの吸込口Qsには、リザーバ流体路HRが接続されている。また、流体ポンプQCの吐出口Qtには、調圧流体路HCが接続されている。電動ポンプDC(特に、流体ポンプQC)の駆動によって、制動液BFが、リザーバ流体路HRから、吸込口Qsを通して吸入され、吐出口Qtから調圧流体路HCに排出される。例えば、流体ポンプQCとしてギヤポンプが採用される。
調圧流体路HCには、逆止弁GC(「チェック弁」ともいう)が介装される。例えば、流体ポンプQCの吐出部Qtの近くに、逆止弁GCが設けられる。逆止弁GCによって、制動液BFは、リザーバ流体路HRから調圧流体路HCに向けては移動可能であるが、調圧流体路HCからリザーバ流体路HRに向けての移動(即ち、制動液BFの逆流)が阻止される。つまり、電動ポンプDCは、一方向に限って回転される。
電磁弁UCは、調圧流体路HC、及び、リザーバ流体路HRに接続される。電磁弁UCは、通電状態(例えば、供給電流)に基づいて開弁量(リフト量)が連続的に制御されるリニア型の電磁弁(比例弁、差圧弁)である。電磁弁UCは、駆動信号Ucに基づいて、コントローラECUによって制御される。電磁弁UCとして、常開型の電磁弁が採用される。
制動液BFは、リザーバ流体路HRから、流体ポンプQCの吸込口Qsを通して汲み上げられ、吐出口Qtから排出される。そして、制動液BFは、逆止弁GCと電磁弁UCとを通り、リザーバ流体路HRに戻される。換言すれば、リザーバ流体路HR、及び、調圧流体路HCによって、制動液BFの流れが、再び元の流れに戻る還流路が形成される。そして、この還流路に、逆止弁GC、及び、電磁弁UCが介装される。
電動ポンプDCが作動している場合には、制動液BFは、破線矢印(A)で示すように、「HR→QC(Qs→Qt)→GC→UC→HR」の順で還流している。電磁弁UCが全開状態にある場合(常開型であるため、非通電時)、調圧流体路HC内の液圧(調整液圧)Pcは低く、略「0(大気圧)」である。電磁弁UCへの通電量が増加され、電磁弁UCによって還流路が絞られると、調整液圧Pcは増加される。調整液圧Pcを検出するよう、調圧流体路HC(特に、逆止弁GCと電磁弁UCとの間)に調整液圧センサPCが設けられる。
調圧ユニットKCでは、操作量Ba、及び、回生量Rgと予め設定された特性(演算マップ)に基づいて、調整液圧Pcの調整が行われる。調圧ユニットKCによって調整された調整液圧Pcは、調圧流体路HC1、HC2によって、モジュレータユニットKAに導入される。単一の流体ポンプQCによって加圧される単独加圧構成であるため、調圧流体路HCは、分岐部Bnにて、第1、第2調圧流体路HC1、HC2に分岐される。第1、第2調圧流体路HC1、HC2は、モジュレータユニットKAに接続される。
第1、第2マスタシリンダ弁VM1、VM2、シミュレータ弁VS、シミュレータSS、第1、第2マスタシリンダ液圧センサPM1、PM2、調整液圧センサPC、調圧ユニットKCは、上部流体ユニットHUに含まれて、一体となって構成され得る。更に、上部流体ユニットHUは、コントローラECUを含んで構成され得る。上部流体ユニットHUは、モジュレータユニットKA、及び、分離ユニットKBを有する下部流体ユニットHL(コントローラECLを含む)を介して、ホイールシリンダCWに接続される。上部流体ユニットHUのコントローラECUと、下部流体ユニットHLのコントローラECLとは、通信バスBSによって接続され、情報共有がなされている。
下部流体ユニットHLのモジュレータユニットKAは、アンチスキッド制御、車両安定化制御、等を実行するための公知の流体ユニットである。モジュレータユニットKAには、電気モータMLで駆動され、第1、第2低圧リザーバRL1、RL2から制動液BFを汲み上げる第1、第2流体ポンプQL1、QL2が設けられる。第1、第2調圧流体路HC1、HC2には、常開型の第1、第2チャージオーバ弁VN1、VN2が設けられる。第1、第2チャージオーバ弁VN1、VN2への第1、第2入力液圧Pn1、Pn2を検出するよう、第1、第2入力液圧センサPN1、PN2が設けられる。なお、2つの入力液圧センサPN1、PN2のうちの何れか1つは、省略可能である。
第1、第2流体ポンプQL1、QL2によって発生された液圧が、第1、第2チャージオーバ弁VN1、VN2によって調整され、第1、第2チャージオーバ弁VN1、VN2の下流側(ホイールシリンダCWに近い側)の液圧が増加される。第1、第2チャージオーバ弁VN1、VN2と各ホイールシリンダCWとの間の第1、第2分岐部Bw1、Bw2にて、第1、第2調圧流体路HC1、HC2は、各モジュレータ流体路HAi〜HAlに分岐される。
更に、モジュレータユニットKAには、制動液圧Pwを増加するインレット弁VI、及び、制動液圧Pwを減少するアウトレット弁VOが設けられる。インレット弁VIは、調圧流体路HCと分離ユニットKBとを結ぶモジュレータ流体路HAに直列に配置される。また、アウトレット弁VOは、インレット弁VIと分離ユニットKBとの間で、モジュレータ流体路HAから低圧リザーバRLに向けて分岐するように設けられる。ここで、インレット弁VIとして、常開型のオン・オフ電磁弁が、アウトレット弁VOとして、常閉型のオン・オフ電磁弁が、夫々、採用される。
モジュレータユニットKAにおいて、各車輪WHに係る構成は同じであるため、右前輪WHiに係る構成を例に説明する。右前輪用モジュレータ流体路HAi(分岐部Bw1と右前輪分離ユニットKBiとを結ぶ流体路)には、常開型のインレット弁VIiが介装される。また、モジュレータ流体路HAiは、インレット弁VIiの下流側で、常閉型のアウトレット弁VOiを介して、第1低圧リザーバRL1に流体接続される。例えば、アンチスキッド制御において、ホイールシリンダCWi内の液圧Pwiを減少するため、インレット弁VIiが閉位置にされ、アウトレット弁VOiが開位置される。ホイールシリンダCWi内の制動液BFは、アウトレット弁VOiを通して、第1低圧リザーバRL1に移動され、制動液圧Pwiは減少される。低圧リザーバRL1内の制動液BFは、第1流体ポンプQL1によって、第1チャージオーバ弁VN1とインレット弁VIiとの間の流体路に戻される。減圧において、該構成が、「ポンプバック減圧」と称呼される。
制動液圧Pwiを増加するため、インレット弁VIiが開位置にされ、アウトレット弁VOiが閉位置される。第1チャージオーバ弁VN1を介した液圧が、インレット弁VIiを通して、分離ユニットKBiの分離室Rbiに導入され、制動液圧Pwiが増加される。つまり、第1流体ポンプQL1によって戻された制動液BFが、インレット弁VIiを通して、分離室Rb内に導入される。
モジュレータユニットKAとホイールシリンダCWとの間で、各車輪WHにおいて、分離ユニットKBが設けられる。分離ユニットKBによって、ホイールシリンダCW内の液圧Pwは、マスタシリンダCM、及び、調圧ユニットKCのうちの何れか1つによって、選択的に調整される。また、分離ユニットKBによって、調圧ユニットKCと、ホイールシリンダCWとが流体的に分離される(つまり、調圧ユニットKCとホイールシリンダCWとの間で、液圧伝達は行われるが、実際には、制動液BFが移動不可である)。
分離ユニットKBでは、分離シリンダCBの内部が、分離ピストンPBによって、加圧室Ra、及び、分離室Rbの2つのチャンバに仕切られる。つまり、加圧室Ra、及び、分離室Rbが、分離ピストンPBを挟むように配置される。
非制動時、又は、マニュアル制動時であって、液圧Pcが発生されない場合には、加圧室Raは、マスタシリンダCMに流体接続されている。一方、液圧Pcが発生される制御制動時には、加圧室Ra内の液圧Pa(=Pc)が増加され、分離ピストンPBが、前進方向Dpに移動される。この移動によって、マスタシリンダCMと加圧室Raとの連通が遮断され、ホイールシリンダCWは、マスタシリンダCMによっては加圧されず、モジュレータユニットKAからの液圧のみによって加圧される。なお、制動制御装置SCが不調の場合(例えば、蓄電池(電源)BTの失陥時)には、「Pc=0」であるため、加圧室RaとマスタシリンダCMとは連通状態にあり、ホイールシリンダCWは、マスタシリンダCMによって加圧される。
分離ユニットKB内で、分離ピストンPBが、移動可能な変位は、幾何的に制限される。このため、制動配管等の流体路に失陥が生じた場合であっても、装置外部に流出する制動液BFの量は制限される。結果、制動制御装置SCのフェイルセーフ性が向上される。加えて、制御制動では、シミュレータSSによって、良好な制動操作部材BPの操作特性が達成される。
更に、第1の構成例では、1つの流体ポンプQC、及び、1つの電磁弁UCによって、4つの制動液圧Pwが加圧される。1つの大流量流体ポンプQCが採用される構成では、流体ポンプQCの駆動ロスが低減でき、装置全体の動力効率の観点において有利である。しかし、調圧ユニットKCが1系統であり、冗長系を構成する複数系統には分離されていない。分離ユニットKBによって、1系統の調圧ユニットKCが、第1、第2マスタシリンダ室Rm1、Rm2に係る2系統の流体路に分離されるため、高効率で、且つ、冗長な、制動制御装置SCが形成され得る。
<調圧制御の演算処理例>
図4の制御フロー図を参照して、調圧制御の処理例について説明する。「調圧制御」は、調整液圧Pcを調整するための、電気モータMC、及び、電磁弁UCの駆動制御である。該制御のアルゴリズムは、コントローラECU内にプログラムされている。
図4の制御フロー図を参照して、調圧制御の処理例について説明する。「調圧制御」は、調整液圧Pcを調整するための、電気モータMC、及び、電磁弁UCの駆動制御である。該制御のアルゴリズムは、コントローラECU内にプログラムされている。
ステップS110にて、制動操作量Ba、操作信号St、調整液圧Pc、回転角Km、及び、回生量Rgが読み込まれる。操作量Baは、操作量センサBA(例えば、マスタシリンダ液圧センサPM、操作変位センサSP)によって検出される。操作信号Stは、制動操作部材BPに設けられた操作スイッチSTによって検出される。調整液圧Pcは、調圧流体路HCに設けられた調整液圧センサPCによって検出される。回転角Kmは、電気モータMCに設けられた回転角センサKMによって検出される。回生量Rgは、通信バスBSを介して、駆動用コントローラから送信される。
ステップS120にて、制動操作量Ba、及び、制動操作信号Stのうちの少なくとも1つに基づいて、「制動操作中であるか、否か」が判定される。例えば、操作量Baが、所定値bo以上である場合には、ステップS120は肯定され、処理は、ステップS130に進む。一方、「Ba<bo」である場合には、ステップS120は否定され、処理は、ステップS110に戻される。ここで、所定値boは、制動操作部材BPの遊びに相当する、予め設定された定数である。また、操作信号Stがオンである場合には、ステップS130に進み、操作信号Stがオフである場合には、ステップS110に戻る。
ステップS130にて、常開型のマスタシリンダ弁VMが閉位置にされ、常閉型のシミュレータ弁VSが開位置にされる。つまり、初めてステップS120が満足された時点で、マスタシリンダCMによって制動液圧Pwが発生されるマニュアル制動から、制動制御装置SCによって制動液圧Pwが発生される制御制動に切り替えられる。
ステップS140にて、操作量Baに基づいて、要求液圧Prが演算される。要求液圧Prは、調整液圧Pcの目標値であり、車両の減速に対応する値である。要求液圧Prは、演算マップZprに従って、操作量Baが「0」から所定値boの範囲では、「0」に決定され、操作量Baが所定値bo以上では、操作量Baが増加するに伴い、「0」から単調増加するよう演算される。
ステップS150にて、要求液圧Pr、及び、回生量Rgに基づいて、目標液圧Ptが演算される。「回生量Rg」は、駆動用モータによって発生される回生ブレーキ量である。回生量Rgが、液圧の次元に換算されて、回生液圧Pgが演算される。要求液圧Prは車両減速に対応し、車両減速は回生ブレーキと摩擦ブレーキとによって達成される。このため、要求液圧Prから回生液圧Pgが減じられて、最終的な液圧の目標値(目標液圧)Ptが決定される(Pt=Pr−Pg)。目標液圧Ptは、摩擦ブレーキが達成すべき液圧の目標値である。
ステップS160にて、目標液圧Ptに基づいて、目標回転数Ntが演算される。目標回転数Ntは、電気モータMCの回転数の目標値である。目標回転数Ntは、演算マップZntに従って、目標液圧Ptが「0」から所定値poの範囲では、所定回転数noに決定され、目標液圧Ptが所定値po以上では、目標液圧Ptが増加するに伴い、所定回転数noから単調増加するよう演算される。上述したように、調整液圧Pcは、電磁弁UCのオリフィス効果によって発生される。オリフィス効果を得るためには、或る程度の流量が必要となるため、目標液圧Ptが「0」から所定値poの範囲では、目標回転数Ntが、液圧発生において、最低限必要な値(予め設定された定数)noに決定される。なお、目標回転数Ntは、制動操作量Baに基づいて、直接、演算されてもよい。何れの場合であっても、目標回転数Ntは、制動操作量Baに基づいて決定される。
ステップS170にて、モータ回転角(検出値)Kmに基づいて、モータ回転速度(単位時間当りの回転数)Nmが演算される。具体的には、回転角Kmが時間微分されて、実回転数Nmが演算される。
ステップS180にて、目標回転数Nt、及び、実回転数Nmに基づいて、電気モータMCの回転数フィードバック制御が実行される。このフィードバック制御では、電気モータMCの回転数が制御変数とされて、電気モータMCへの通電量(例えば、供給電流)が制御される。具体的には、回転数の目標値Ntと実際値Nmとの偏差hN(=Nt−Nm)に基づいて、回転数偏差hNが「0」となるよう(つまり、実際値Nmが目標値Ntに近づくよう)、電気モータMCへの通電量が微調整される。「hN>nx」の場合には、電気モータMCへの通電量が増加され、電気モータMCは増速される。一方、「hN<−nx」の場合には、電気モータMCへの通電量が減少され、電気モータMCは減速される。ここで、所定値nxは、予め設定された定数である。
ステップS190にて、目標液圧Pt、及び、調整液圧Pcに基づいて、電磁弁UCの液圧フィードバック制御が実行される。このフィードバック制御では、調圧流体路HC内の制動液BFの圧力が制御変数とされて、常開・リニア型の電磁弁UCへの通電量が制御される。具体的には、目標液圧Ptと調整液圧Pcとの偏差hP(=Pt−Pc)に基づいて、液圧偏差hPが「0」となるよう(つまり、調整液圧Pcが目標液圧Ptに近づくよう)、電磁弁UCへの通電量が微調整される。「hP>px」の場合には、電磁弁UCへの通電量が増加され、電磁弁UCの開弁量が減少される。一方、「hP<−px」の場合には、電磁弁UCへの通電量が減少され、電磁弁UCの開弁量が増加される。ここで、所定値pxは、予め設定された定数である。
調圧ユニットKCでは、圧力源としての電動ポンプDCが回転されて、リザーバ流体路HR、調圧流体路HCで制動液BFが還流される(即ち、調整液圧Pcは発生されている場合には、常に、電動ポンプDCが回転されている)。そして、電磁弁UCへの通電量(供給電流)が制御されて、調圧流体路HC内の液圧が調整される。例えば、圧力源としてアキュムレータが採用される場合、電磁弁UCによる調圧の基礎となる元圧はアキュムレータに蓄積された高圧である。該高圧が、電磁弁UCによって調圧される場合には、低圧における調圧精度が懸念される。一方、圧力源として、電動ポンプDCが採用される場合、元圧は、制動開始時に「0」から上昇される。電動ポンプDCを用いた調圧ユニットKCが採用されるため、低圧領域における制御精度が、適切に確保され得る。
<2系統流体路を有する制動制御装置SCの第2の構成例>
図5の構成図を参照して、流体路が2系統で形成される制動制御装置SCの第2の構成例について説明する。第1の構成例では、1つの流体ポンプQC、及び、1つの電磁弁UCによって、4つのホイールシリンダCWの液圧Pwが調整される単独加圧構成が例示された。第2の構成例では、1つの電気モータMCによって、2つの流体ポンプQC1、QC2が駆動される。そして、第1、第2流体ポンプQC1、QC2、及び、第1、第2電磁弁UC1、UC2によって、制動系統毎に液圧調整が行われる。該構成は、「2系統加圧構成」と称呼される。また、第1の構成例では、制動液圧Pwが、第1、第2流体ポンプQL1、QL2に接続された第1、第2低圧リザーバRL1、RL2に、制動液BFが移動されることによって減少された(即ち、ポンプバック減圧)。第2の構成例では、制動液BFが、アウトレット弁VOを介して、リザーバ流体路HR(即ち、大気圧リザーバRV)に移動されることで、制動液圧Pwが減少される。
図5の構成図を参照して、流体路が2系統で形成される制動制御装置SCの第2の構成例について説明する。第1の構成例では、1つの流体ポンプQC、及び、1つの電磁弁UCによって、4つのホイールシリンダCWの液圧Pwが調整される単独加圧構成が例示された。第2の構成例では、1つの電気モータMCによって、2つの流体ポンプQC1、QC2が駆動される。そして、第1、第2流体ポンプQC1、QC2、及び、第1、第2電磁弁UC1、UC2によって、制動系統毎に液圧調整が行われる。該構成は、「2系統加圧構成」と称呼される。また、第1の構成例では、制動液圧Pwが、第1、第2流体ポンプQL1、QL2に接続された第1、第2低圧リザーバRL1、RL2に、制動液BFが移動されることによって減少された(即ち、ポンプバック減圧)。第2の構成例では、制動液BFが、アウトレット弁VOを介して、リザーバ流体路HR(即ち、大気圧リザーバRV)に移動されることで、制動液圧Pwが減少される。
図3を参照して説明したものと異なる部分を中心に説明する。上述したように、同一記号を付された構成部材、演算処理、信号、特性、及び、値は、同一機能のものである。各種記号末尾の添字「i」〜「k」では、「i」が右前輪、「j」が左前輪、「k」が右後輪、「l」が左後輪を、夫々示す。また、記号末尾の添字「i」〜「k」は、省略され得る。この場合、各記号は、4つの各車輪の総称を表す。加えて、各種記号末尾の添字「1」、「2」は、2つの制動系統において、「1」が第1系統、「2」が第2系統を示す。また、記号末尾の添字「1」、「2」は省略され得る。この場合、各記号は、2つの各制動系統の総称を表す。
1つの電気モータMCによって、2つの流体ポンプQC1、QC2が回転駆動される。第1流体ポンプQC1には、リザーバ流体路HR、及び、第1調圧流体路HC1が接続され、第1還流路が形成される。第1還流路には、第1電磁弁UC1が介装され、オリフィス効果によって、第1調整液圧Pc1が調整される。また、第1調整液圧Pc1を検出するよう、第1調整液圧センサPC1が設けられる。
第1調圧流体路HC1は、第1分岐部Bw1にて分岐され、モジュレータ流体路HAi、HAlが接続される。更に、モジュレータ流体路HAi、HAlは、分離ユニットKBi、KBlに接続される。モジュレータ流体路HAi、HAlには、インレット弁VIi、VIl(常開型オン・オフ弁)が、直列に介装される。モジュレータ流体路HAi、HAlは、インレット弁VIi、VIlと分離ユニットKBi、KBlと間で分岐され、アウトレット弁VOi、VOl(常閉型オン・オフ弁)を介して、リザーバ流体路HRに接続される。制動液BFがリザーバRVに戻されることによる減圧の構成が、「リザーバ減圧」と称呼される。
各制動液圧Pwi、Pwlが減少される場合には、各インレット弁VIi、VIlが閉位置にされ、各アウトレット弁VOi、VOlが開位置にされる。これにより、調圧ユニットKCの第1調圧流体路HC1からの制動液BFの流入が阻止されるとともに、リザーバ流体路HRに制動液BFが移動され、制動液圧Pwi、Pwlが減少される。また、各制動液圧Pwi、Pwlが増加される場合には、各インレット弁VIi、VIlが開位置にされ、各アウトレット弁VOi、VOlが閉位置にされる。これにより、調圧ユニットKCの第1調圧流体路HC1からの制動液BFが、各分離ユニットKBi、KBlに移動されるとともに、制動液BFのリザーバ流体路HRへの流出が阻止され、各制動液圧Pwi、Pwlが増加される。
同様に、第2流体ポンプQC2には、リザーバ流体路HR、及び、第2調圧流体路HC2が接続され、第2還流路が形成される。第2還流路には、第2電磁弁UC2が介装され、第2調整液圧Pc2が調整される。第2調整液圧Pc2を検出するよう、第2調整液圧センサPC2が設けられる。
第2調圧流体路HC2は、第2分岐部Bw2にて分岐され、モジュレータ流体路HAj、HAkが接続される。モジュレータ流体路HAj、HAkは、分離ユニットKBj、KBkに接続される。モジュレータ流体路HAj、HAkには、インレット弁VIj、VIk(常開型オン・オフ弁)が、直列に配置される。モジュレータ流体路HAj、HAkは、インレット弁VIj、VIkと分離ユニットKBj、KBkと間で分岐され、アウトレット弁VOj、VOk(常閉型オン・オフ弁)を通して、リザーバ流体路HRに接続される。制動液圧Pwj、Pwkが減少される場合には、インレット弁VIj、VIkが閉位置にされ、アウトレット弁VOj、VOkが開位置にされる。逆に、制動液圧Pwj、Pwkが増加される場合には、インレット弁VIj、VIkが開位置にされ、アウトレット弁VOj、VOkが閉位置にされる。
第2の構成例においても、第1の構成例と同様の効果が得られる。つまり、各分離ユニットKBi〜KBlによって、調圧ユニットKCとホイールシリンダCWとが、流体的に分離されているため、制動装置のフェイルセーフ性が向上され得る。万一、流体路に失陥が発生した場合でも、分離ユニットKBによって、装置外に漏れる制動液BFの量は僅かである。
<2系統流体路を有する制動制御装置SCの第3の構成例>
図6の構成図を参照して、流体路が2系統で形成される制動制御装置SCの第3の構成例について説明する。第1、第2の構成例では、分離ユニットKBが、モジュレータユニットKAとホイールシリンダCWとの間に配置された。これに代えて、第3の構成例では、分離ユニットKBが、調圧ユニットKCとモジュレータユニットKAとの間に配置される。図3、及び、図5を参照して説明したものと異なる部分を中心に説明する。
図6の構成図を参照して、流体路が2系統で形成される制動制御装置SCの第3の構成例について説明する。第1、第2の構成例では、分離ユニットKBが、モジュレータユニットKAとホイールシリンダCWとの間に配置された。これに代えて、第3の構成例では、分離ユニットKBが、調圧ユニットKCとモジュレータユニットKAとの間に配置される。図3、及び、図5を参照して説明したものと異なる部分を中心に説明する。
調圧ユニットKCとして、単独加圧構成(1つの電動ポンプDC+1つの電磁弁UC)のものが例示される。調圧流体路HCは、分岐部Bnにて、第1、第2調圧流体路HC1、HC2に分岐される。第1、第2調圧流体路HC1、HC2は、第1、第2分離ユニットKB1、KB2の第1、第2分離室Rb1、Rb2に接続される。第1、第2分離ユニットKB1、KB2には、第1、第2マスタシリンダ流体路HM1、HM2が接続される。また、第1、第2分離ユニットKB1、KB2の第1、第2加圧室Ra1、Ra2は、モジュレータユニットKAに接続される。
第1、第2分離ユニットKB1、KB2では、液圧Pcが増加されると、第1、第2分離ピストンPB1、PB2の移動によって、第1、第2マスタシリンダ流体路HM1、HM2との接続が遮断される。つまり、制御制動の場合には、第1、第2分離ユニットKB1、KB2によって、マスタシリンダCMとモジュレータユニットKA(最終的には、ホイールシリンダCW)とが非連通状態にされる。
<他の実施形態>
上述したように、分離ユニットKBによって、ユニットKC、KAとホイールシリンダCWとの間で制動液BFが移動されないよう、ユニットKC、KAとホイールシリンダCWとが流体的に分離される。このため、制動制御装置SCのフェイルセーフ性が向上され得る。また、調圧ユニットKCでは、圧力源として、電動ポンプDCが採用されるため、その元圧が、「0」から増加される。従って、低圧領域において、調整液圧Pcの調圧精度が好適に確保され得る。加えて、制御制動時には、マスタシリンダCMとホイールシリンダCWとは切り離されるため、シミュレータSSによって、良好な操作特性が確保され得る。
上述したように、分離ユニットKBによって、ユニットKC、KAとホイールシリンダCWとの間で制動液BFが移動されないよう、ユニットKC、KAとホイールシリンダCWとが流体的に分離される。このため、制動制御装置SCのフェイルセーフ性が向上され得る。また、調圧ユニットKCでは、圧力源として、電動ポンプDCが採用されるため、その元圧が、「0」から増加される。従って、低圧領域において、調整液圧Pcの調圧精度が好適に確保され得る。加えて、制御制動時には、マスタシリンダCMとホイールシリンダCWとは切り離されるため、シミュレータSSによって、良好な操作特性が確保され得る。
以下、他の実施形態について説明する。他の実施形態においても、上記同様の効果を奏する。
第1構成例に示された「単独加圧構成(図3のKCの構成)+ポンプバック減圧(図3のKAの構成)」と、第2構成例に示された「2系統加圧構成(図5のKCの構成)+リザーバ減圧(図5のKAの構成)」とは組み合わせ自由である。つまり、「単独加圧構成+ポンプバック減圧」、「単独加圧構成+リザーバ減圧」、「2系統加圧構成+ポンプバック減圧」、及び、「2系統加圧構成+リザーバ減圧」のうちの何れか1つが採用され得る。何れの構成においても、分離ユニットKBは、「調圧ユニットKCとモジュレータユニットKAとの間」、又は、「モジュレータユニットKAとホイールシリンダCWとの間」に配置され、上記と同様の効果を奏する。
上記実施形態では、車両が、駆動用モータを有する電気自動車、又は、ハイブリッド車両とされた。これに代えて、駆動用モータを持たない一般的な内燃機関を有する車両にも、制動制御装置SCが適用され得る。この場合、駆動用モータによる回生ブレーキは発生されないため、制動制御装置SCにおいて、回生協調制御は実行されない。つまり、車両は、制動制御装置SCによる摩擦ブレーキのみによって減速される。なお、調圧制御では、「Pt=Pr(即ち、Rg=0)」として制御が実行される。
上記実施形態では、リニア型の電磁弁UCには、通電量に応じて開弁量が調整されるものが採用された。例えば、電磁弁UCは、オン・オフ弁ではあるが、弁の開閉がデューティ比で制御され、液圧が線形に制御されるものでもよい。
上記実施形態では、ディスク型制動装置(ディスクブレーキ)の構成が例示された。この場合、摩擦部材はブレーキパッドであり、回転部材はブレーキディスクである。ディスク型制動装置に代えて、ドラム型制動装置(ドラムブレーキ)が採用され得る。ドラムブレーキの場合、キャリパに代えて、ブレーキドラムが採用される。また、摩擦部材はブレーキシューであり、回転部材はブレーキドラムである。
上記実施形態では、流体ポンプQCの駆動源として、ブラシレスモータが採用された。電気モータMCとして、ブラシレスモータに代えて、ブラシ付モータ(単に、ブラシモータともいう)が採用され得る。この場合、ブリッジ回路として、4つのスイッチング素子(パワートランジスタ)にて形成されるHブリッジ回路が用いられる。ブラシレスモータの場合と同様に、電気モータMCには、回転角センサKMが設けられ、駆動回路DRには、通電量センサが設けられる。
上記実施形態では、2系統流体路として、ダイアゴナル型流体路が例示された。これに代えて、前後型(「H型」ともいう)の構成が採用され得る。前後型流体路では、第1マスタシリンダ流体路HM1(即ち、第1系統)には、前輪ホイールシリンダCWi、CWjが流体接続される。また、第2マスタシリンダ流体路HM2(即ち、第2系統)には、後輪ホイールシリンダCWk、CWlに流体接続される。
BP…制動操作部材、CM…マスタシリンダ、CW…ホイールシリンダ、KB…分離ユニット、PB…分離ピストン、CB…分離シリンダ、KC…調圧ユニット、DC…電動ポンプ、MC…電気モータ、QC…流体ポンプ、UC…電磁弁(常開・リニア型)、KA…モジュレータユニット、VI…インレット弁、VO…アウトレット弁、ECU…コントローラ、BA…操作量センサ、PC…調整液圧センサ。
Claims (4)
- 車両の車輪に備えられたホイールシリンダ内の制動液の制動液圧を調整する車両の制動制御装置であって、
前記車両のリザーバから供給される前記制動液の圧力を調整液圧として増加する調圧ユニットと、
前記リザーバから供給される前記制動液を圧送するマスタシリンダと、
分離シリンダ、及び、分離ピストンにて構成され、「前記ホイールシリンダに接続される加圧室」、及び、「前記分離ピストンに対して前記加圧室とは反対側に位置し、前記調圧ユニットに接続される分離室」を有する分離ユニットと、
を備え、
前記分離ユニットは、
前記調圧ユニットが、前記調整液圧を増加する場合に、前記加圧室と前記マスタシリンダとの流体接続を遮断するよう構成される、車両の制動制御装置。 - 請求項1に記載の車両の制動制御装置において、
前記分離ユニットは、前記分離ピストンと前記分離シリンダとの間に弾性体を備え、
前記弾性体は、前記車両の非制動時に、前記分離ピストンが前記分離シリンダの端部に接触するよう、前記分離ピストンを押圧する、車両の制動制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両の制動制御装置であって、
前記車輪の速度を検出する車輪速度センサと、
前記速度に基づいて、前記車輪の過大なスリップを抑制するアンチスキッド制御を実行するよう、前記制動液圧を増加するインレット弁、及び、前記制動液圧を減少するアウトレット弁を有するモジュレータユニットと、
を備え、
前記分離ユニットは、
前記モジュレータユニットと前記ホイールシリンダとの間に配置される、車両の制動制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両の制動制御装置であって、
前記車輪の速度を検出する車輪速度センサと、
前記速度に基づいて、前記車輪の過大なスリップを抑制するアンチスキッド制御を実行するよう、前記制動液圧を増加するインレット弁、及び、前記制動液圧を減少するアウトレット弁を有するモジュレータユニットと、
を備え、
前記分離ユニットは、
前記調圧ユニットと前記モジュレータユニットとの間に配置される、車両の制動制御装置。
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JP2017144160A JP2019025953A (ja) | 2017-07-26 | 2017-07-26 | 車両の制動制御装置 |
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WO2020004347A1 (ja) * | 2018-06-25 | 2020-01-02 | 株式会社アドヴィックス | 車両の制動制御装置 |
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-
2017
- 2017-07-26 JP JP2017144160A patent/JP2019025953A/ja active Pending
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