JP2014004861A - 車両用制動装置 - Google Patents

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康典 坂田
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Abstract

【課題】簡単な構成でブレーキ操作部材に対する操作力を増大させることができる車両用制動装置を提供する。
【解決手段】ホイールシリンダに接続されたマスタシリンダ11、12と、マスタシリンダ11内に摺動可能に配設された出力ピストン14と、出力ピストン14よりも後方に出力ピストン14と離間してマスタシリンダ12内に摺動可能に配設され、マスタシリンダ11、12の内周壁及び出力ピストン14との間に離間室1Bを区画し、ブレーキ操作部材に対する操作力が入力される入力ピストン13とを有し、出力ピストン14の離間室1B内に突出する部分142のマスタシリンダ11とのシール径Bは、入力ピストン13の離間室1B内に突出する部分131のマスタシリンダ12とのシール径Aよりも大きく設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に用いられる制動装置に関するものである。
特許文献1には、バキュームブースタによりブレーキペダルに入力される操作力を増大させる第一ブレーキアシスト手段と、ポンプの加圧により前記操作力を増大させる第二ブレーキアシスト手段の二つのブレーキアシスト手段を有する車両用ブレーキ装置が提案されている。このブレーキ装置では、第一ブレーキアシスト手段の正常時には、第一ブレーキアシスト手段によって操作力を増大させるが、第一ブレーキアシスト手段の故障時には、第二ブレーキアシスト手段を作動させて、当該第二ブレーキアシスト手段によって操作力を増大させている。
特開平9−328069号公報
特許文献1に記載の発明では、ポンプで加圧する第二アシスト手段が必要であり、また、第一ブレーキアシスト手段の故障を検出するため故障検出手段が必要であることから、制動装置の構造が複雑となってしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成でブレーキ操作部材(例えばブレーキペダル)に対する操作力を増大させることができる車両用制動装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するためになされた、請求項1に係る発明によると、車両の車輪に設けられた摩擦ブレーキ装置のホイールシリンダにブレーキ液を供給して、前記摩擦ブレーキ装置により前記車輪に摩擦制動力を発生させる車両用制動装置であって、前記ホイールシリンダに接続されたマスタシリンダ(11、12)と、前記マスタシリンダ内に摺動可能に配設された出力ピストン(14)と、前記出力ピストンよりも後方に前記出力ピストンと離間して前記マスタシリンダ内に摺動可能に配設され、前記マスタシリンダの内周壁及び前記出力ピストンとの間に離間室(1B)を区画し、ブレーキ操作部材に対する操作力が入力される入力ピストン(13)とを有し、前記離間室は液密な空間となり得るように構成され、前記出力ピストンの前記離間室内に突出する部分の前記マスタシリンダとのシール径(B)は、前記入力ピストンの前記離間室内に突出する部分の前記マスタシリンダとのシール径(A)よりも大きく設定されている。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記出力ピストン及び前記入力ピストンの対向面の少なくとも一方に設けられ、弾性材料により基端側から先端側に向かって外径が小さくなるように形成された弾性部材(19)を有している。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2において、前記ブレーキ液が貯留されるリザーバを有し、前記マスタシリンダには、前記離間室内の液圧が大気圧より低くなった場合に、前記リザーバから前記離間室にブレーキ液を供給するブレーキ液流通路(18)が形成されている。
請求項4に係る発明は、請求項3において、前記マスタシリンダの内周面には、全周に渡ってシール取付凹部(121c)が凹陥形成され、リング状の底部と、前記底部からそれぞれ前方に突出し、それぞれ前記シール取付凹部の底部と前記入力ピストンの外周面に全周に渡って接触するリング状のシール片(95b、95c)とから構成されたシール部材(95)が、前記シール取付凹部に取り付けられ、前記ブレーキ液流通路は、前記シール取付凹部よりも後方のマスタシリンダの内周面に開口するとともに、前記リザーバに接続している。
請求項5に係る発明は、請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、前記マスタシリンダ及び前記出力ピストンは、前記出力ピストンを駆動するサーボ圧が発生するサーボ室(1A)を区画し、前記離間室を開閉する開閉部(22)と、前記ブレーキ操作部材の操作に応じた前記サーボ圧を前記サーボ室に生成するサーボ圧生成部(4)と、を有する。なお、前記出力ピストンには、前記ブレーキ液が満たされるサーボ室(1A)を前記マスタシリンダ内周面とで区画するサーボ圧受部(141a)が形成されていることが好ましい。
請求項1に係る発明では、出力ピストンの離間室内に突出する部分のマスタシリンダとのシール径は、入力ピストンの離間室内に突出する部分のマスタシリンダとのシール径よりも大きく設定されている。そのため、離間室が液密な空間になっている状態では、出力ピストンを前方に駆動する離間室内の液圧力に対応する力が、入力ピストンを後方に駆動する離間室内の液圧に対応する力よりも大きくなる。これにより、ブレーキ操作部材に対する操作力を増大させて出力ピストンに作用させることができる。このように、簡素な構成でブレーキ操作部材に対する操作力を増大させることができる。
請求項2に係る発明によると、弾性材料で構成され、基端側から先端側に向かって外径が小さくなるように形成された弾性部材が、突出部及び入力ピストンの対向面の少なくとも一方に設けられている。これにより、弾性部材が入力ピストン又は当接部と当接してから完全に押し潰されるまでの間に、弾性部材を介して、入力ピストンに入力される操作力の増大分が、出力ピストンに伝達され、マスタ圧がリニアに増大し、操作力とマスタ圧との関係であるブレーキ特性が滑らかに変化する。このため、運転者が違和感を覚えない。
ここで、上述の通り、出力ピストンのマスタシリンダとのシール径は、入力ピストンの離間室内のマスタシリンダとのシール径よりも大きく設定されているため、離間室が液密空間になっている状態で入力ピストンが出力ピストンに当接して更に前方に移動すると、離間室の容積が増大する。すなわち、入力ピストンが出力ピストンから離間している状態では、入力ピストンが前方に移動すると、その移動により出力ピストンも前方に移動するが、出力ピストンの移動量は入力ピストンの移動量よりも小さい。そのため、入力ピストンの移動量が、所定量以上になると入力ピストンが出力ピストンに当接する。そして、入力ピストンが出力ピストンと一体になって前方に移動すると、離間室の容積が増大する。請求項3に係る発明によると、上記離間室の容積の拡大の結果として、離間室内の液圧が大気圧より低くなると、リザーバからブレーキ液がブレーキ液流通通路を介して離間室に供給されるので、入力ピストン及び出力ピストンの前方への摺動が阻害されない。これにより、入力ピストンが出力ピストンに当接した後において、出力ピストンが更に前進でき、マスタ圧を更に増大させることができる。
請求項4に係る発明によると、マスタシリンダの内周面には、シール取付凹部が凹陥形成され、このシール取付凹部にシール部材が取り付けられ、マスタシリンダには、シール取付凹部よりも後方のマスタシリンダの内周面に開口するブレーキ液流通路が形成されている。そして、シール部材には、それぞれシール取付凹部の底部と入力ピストンの外周面に全周に渡って接触するシール片が形成されている。これにより、離間室内のブレーキ液の液圧が大気圧よりも高い状態では、ブレーキ液の液圧により、一方のシール片がシール取付凹部の底部に押し付けられ、他方のシール片が入力ピストンの外周面に押し付けられて、入力ピストンとマスタシリンダの内周面との間がシールされ、離間室内のブレーキ液のリザーバ側への流出が防止される。離間室内の液圧が大気圧より低くなった場合には、一方のシール片がシール取付凹部の底部から離間する方向に変形するとともに、他方のシール片が入力ピストンの外周面から離間し、ブレーキ液がリザーバから離間室内に供給される。このため、入力ピストンが突出部に当接した後において、出力ピストンが更に前進でき、マスタ圧を更に増大させることができる。
請求項5に係る発明によると、開閉部により離間室を開放することができる。この状態で、ブレーキ操作部材に対する操作に応じたサーボ圧をサーボ室に発生させることにより、ブレーキ操作部材に対する操作力を増大させることができる。
本実施形態の車両用制動装置の構成を示す部分断面説明図である。 シール部材が取り付けられている部分の詳細断面図であり、(A)は離間室の液圧Pdが大気圧Paより高い状態を表し、(B)は離間室の液圧Pdが大気圧Paより低い状態を表している。 (A)本実施形態の操作力Fiとマスタ圧Pmとの関係を表したグラフである。(B)比較例の操作力Fiとマスタ圧Pmとの関係を表したグラフである。 入力ピストンが弾性部材に当接している状態を表した説明図である。
(ハイブリッド車両の説明)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の摩擦ブレーキ装置(車両用制動装置)が搭載されるハイブリッド車両(以下、単に車両と略す)は、エンジン及びモータジェネレータ(いずれも不図示)によって駆動輪例えば左右前輪Wfl、Wfrを駆動させる車両である。上述したモータジェネレータによって回生ブレーキ装置が構成されている。回生ブレーキ装置は、モータジェネレータによって後述する「目標回生制動力」に基づく回生制動力を、左右前輪Wfl、Wfrに発生させるものである。なお、モータジェネレータは、モータと発電機が別体の構成であっても差し支え無い。
各車輪Wfl、Wfr、Wrl、Wrrの近傍には、各車輪Wfl、Wfr、Wrl、Wrrと一体回転するブレーキディスクと、当該ブレーキディスクにブレーキパッドを押し付けて摩擦制動力を発生させる摩擦ブレーキが設けられている。摩擦ブレーキには、後述のマスタシリンダ装置1(図1示)により生成されるマスタ圧Pmにより、上記ブレーキパッドをブレーキディスクに押し付けるホイールシリンダWCfl、WCfr、WCrl、WCrrが設けられている。
(車両用制動装置の説明)
本実施形態の摩擦ブレーキ装置(車両用制動装置)は、図1に示すように、主に、マスタシリンダ装置1と、反力発生装置2と、離間ロック弁22と、反力弁3と、サーボ圧発生装置4と、ABS53と、ブレーキECU6と、ブレーキECU6と通信可能な各種センサ72〜75と、を備えている。
また、摩擦ブレーキ装置は、図1に示すように、車輪速センサSfl、Sfr、Srl、Srrを備えている。車輪速センサSfl、Sfr、Srl、Srrは、各車輪Wfl、Wfr、Wrl、Wrrの付近にそれぞれ設けられており、各車輪Wfl、Wfr、Wrl、Wrrの回転に応じた周波数のパルス信号をブレーキECU6に出力している。
(マスタシリンダ装置の説明)
図1に示すように、マスタシリンダ装置1は、配管51、52及びABS53を介して、ホイールシリンダWCfl、WCfr、WCrl、WCrrに接続されている。マスタシリンダ装置1は、ブレーキ液をABS53に供給して、ホイールシリンダWCfl、WCfr、WCrl、WCrrに供給するものであり、主に、メインシリンダ11とカバーシリンダ12からなるマスタシリンダと、入力ピストン13と、第一出力ピストン14と、第二出力ピストン15と、を有している。
メインシリンダ11は、一端に開口を有し他端に底面を有する有底略円筒状のシリンダである。以下、マスタシリンダ装置1については、メインシリンダ11の開口側を後方、メインシリンダ11の底面側(閉塞側)を前方として説明する。メインシリンダ11は、内部に、メインシリンダ11の開口側(後側)と底面側(前側)とを分離するための中間壁111を有している。言い換えると、メインシリンダ11の内周面の軸線方向中間部には、周方向全周に渡って軸線方向に突出する中間壁111が形成されている。中間壁111の内周面は、軸線方向(前後方向)に貫通する貫通孔111aとなっている。なお、貫通孔111aの内周面には、全周に渡ってシール取付凹部111bが凹陥形成されている。このシール取付凹部111bにリング状の第一シール部材96が取り付けられている。
また、メインシリンダ11の内部には、中間壁111よりも前方に、内径が小さくなっている小径部位112(後方)、小径部位113(前方)が存在する。つまり、小径部位112、113は、メインシリンダ11内周面の軸線方向の一部全周から突出している。メインシリンダ11内部には、後述する両出力ピストン14、15が軸線方向に摺動可能に配設されている。なお、内部と外部とを連通させるポート等については後述する。
カバーシリンダ12は、略円筒状のシリンダ部121と、カップ状のカバー部122と、を有している。シリンダ部121は、メインシリンダ11の後端側に配設され、メインシリンダ11の開口に同軸的に嵌合されている。シリンダ部121の前方部位121aの内径は、後方部位121bの内径よりも大きい。また、前方部位121aの内径は、中間壁111の貫通孔111aの内径よりも大きい。
カバー部122は、メインシリンダ11の開口及びシリンダ部121の後端側開口を塞ぐように、メインシリンダ11の後端部及びシリンダ部121の外周面に組み付けられている。カバー部122の底壁には貫通孔122aが形成されている。カバー部122は、軸線方向に伸縮可能な弾性部材からなり、底壁が後方に付勢されている。
入力ピストン13は、ブレーキペダル10の操作に連動してカバーシリンダ12内を摺動するピストンである。入力ピストン13は、後述する第一出力ピストン14の突出部142の後方に、突出部142と離間してカバーシリンダ12内に軸線方向摺動可能に配設されている。入力ピストン13は、先端(前端)に底面を有し後方に開口を有する有底略円筒状のピストンである。入力ピストン13の底面を構成する底壁132は、入力ピストン13の他の部位である本体部131よりも径が大きくなっている。入力ピストン13は、底壁132がシリンダ部121の前方部位121a内後端に位置するように配設されている。
シリンダ部121の後方部位121bの内周面には、全周に渡って、シール取付凹部121cが凹陥形成されている。このシール取付凹部121cにリング状の第二シール部材95が取り付けられている。この第二シール部材95は、入力ピストン13の本体部131の外周面と全周に渡って接触している。このような構造によって、入力ピストン13と後述する離間室1Bとは、第二シール部材95によって、液密的にシールされている。そして、入力ピストン13は、シリンダ部121の後方部位121b内に軸線方向に摺動可能且つ液密的に配設されている。
図2に示すように、第二シール部材95は、入力ピストン13の摺動方向と直交する方向に形成されたリング状の底部95aと、底部95aの両端から前方に底部95aと直交する方向に突出しているリング状のシール片95b、95cとから構成されている。外側のシール片95bは、全周に渡って、シール取付凹部121cの底部と接触している。内側のシール片95cは、入力ピストン13の本体部131と接触している。
図1に戻って説明する。入力ピストン13の内部には、入力ピストン13の後端から前方にブレーキペダル10の操作ロッド10aが挿通し、操作ロッド10aの先端(前端)に形成されたピボット10bによって操作ロッド10aと入力ピストン13が連結されている。操作ロッド10aは、入力ピストン13の開口及びカバー部122の貫通孔122aを通って外部に突出し、ブレーキペダル10に接続されている。操作ロッド10aは、ブレーキペダル10の操作に連動して移動し、ブレーキペダル10踏み込み時にはカバー部122を軸線方向に押し潰しながら前進する。このように、ブレーキペダル10は、自身に加えられた運転者からの操作力(踏力)を入力ピストン13に伝達する。操作ロッド10aの前進に伴って、入力ピストン13も前進する。
第一出力ピストン14は、入力ピストン13前方のメインシリンダ11内に軸線方向に摺動可能に配設されている。具体的に、第一出力ピストン14は、第一加圧ピストン部141と、突出部142と、から構成されている。第一加圧ピストン部141は、メインシリンダ11内において、中間壁111の前方側に同軸的に配設されている。第一加圧ピストン部141は、前方に開口を有し後方にサーボ圧受部141aを有する有底略円筒状に形成されている。つまり、第一加圧ピストン部141は、サーボ圧受部141aと、周壁部141bと、から構成されている。
サーボ圧受部141aは、中間壁111の前方でメインシリンダ11内に軸線方向に摺動可能且つ液密的に配設されている。言い換えると、サーボ圧受部141aは、第一加圧ピストン部141の外周面に、外周側に周方向全周に渡って突出形成されている。サーボ圧受部141aは中間壁111前方端面と対向している。周壁部141bは、サーボ圧受部141aよりも小径の円筒状に形成され、サーボ圧受部141a前方端面から前方に同軸的に延伸している。周壁部141bの前方部位は、小径部位112に軸線方向に摺動可能且つ液密的に配設されている。周壁部141bの後方部位は、メインシリンダ11の内周面から離間している。
突出部142は、第一加圧ピストン部141の後端面中央から後方に突出した円柱状の部位である。突出部142は、第一加圧ピストン部141より小径となっている。突出部142は、中間壁111の貫通孔111aに貫通し、軸線方向に摺動可能に配設されている。なお、突出部142の外周面は、第一シール部材96と全周に渡って接触している。このような構造により、第一出力ピストン14と後述する離間室1Bとは、第一シール部材96によって、液密的にシールされている。突出部142の後方部位は、貫通孔111aから後方にシリンダ部121内部に突出している。突出部142の後方部位は、シリンダ部121内周面と離間している。突出部142の後端面は、入力ピストン13の底壁132と所定距離だけ離間している。第一出力ピストン14は、バネ等からなる付勢部材143により後方に付勢されている。
突出部142の先端(後端)には、入力ピストン13の前端面と対向する弾性部材19が取り付けられている。弾性部材19は、ゴムや樹脂等の弾性材料で構成されている。言い換えると、弾性部材19は、力が加わると変形可能な材料で構成されている。弾性部材19は、その基端側(前方側)から、その先端側(後方側)に向かって、徐々に外径(断面積)が小さくなる先細り形状となっている。本実施形態では、弾性部材19は、円錐台形状である。
第一出力ピストン14の離間室1B内に突出する部分(突出部142)のメインシリンダ11とのシール径Bは、入力ピストン13の離間室1B内に突出する部分(本体部131)のカバーシリンダ12とのシール径Aよりも大きく設定されている。なお、シール径Bは、第一出力ピストン14の突出部142が第一シール部材96によってシールされている部分の直径である。また、シール径Aは、入力ピストン13の本体部131が第二シール部材95によってシールされている部分の直径である。
ここで、第一加圧ピストン部141のサーボ圧受部141a後方端面、中間壁111前方端面、中間壁111前方側のメインシリンダ11内周面、及び突出部142外周面により、ブレーキ液が満たされる「サーボ室1A」が区画される。また、中間壁111後方端面、入力ピストン13外表面、シリンダ部121の前方部位121a内周面、及び突出部142外表面により、ブレーキ液が満たされる「離間室1B」が区画される。この「離間室1B」は、後述するように液密な空間となり得るように構成されている。また、小径部位112後端面(シール部材91を含む)、周壁部141bの外周面、サーボ圧受部141a前方端面、周壁部141b、及びメインシリンダ11内周面により「反力圧室1C」が区画されている。
第二出力ピストン15は、メインシリンダ11内において、第一出力ピストン14の前方側に同軸的に配設されている。第二出力ピストン15は、前方に開口を有し後方に底壁(第二加圧ピストン部151)を有する有底略円筒状に形成されている。つまり、第二出力ピストン15は、円柱状の第二加圧ピストン部151と、第二加圧ピストン部151から前方に突出する周壁部152と、から構成されている。第二加圧ピストン部151は、第一出力ピストン14の前方で、小径部位112、113間に配設されている。第二加圧ピストン部151を含む第二出力ピストン15の後方部位は、メインシリンダ11の内周面から離間している。周壁部152は、円筒状であって、第二加圧ピストン部151の外縁から前方に同軸的に延伸している。周壁部152は、小径部位113に軸線方向に摺動可能且つ液密的に配設されている。第二出力ピストン15は、バネ等からなる付勢部材153により後方に付勢されている。
ここで、第二出力ピストン15外側表面、第一出力ピストン14前端面、第一出力ピストン14内側表面、小径部位112前端面(シール部材92を含む)、小径部位113後端面(シール部材93を含む)、及び小径部位112、113間(中間壁111の前方)のメインシリンダ11内周面により、ブレーキ液が満たされる「第一マスタ室1D」が区画される。また、メインシリンダ11内底面111d、第二出力ピストン15前端面、第二出力ピストン15内側表面、小径部位113前端面(シール部材94を含む)、及びメインシリンダ11内周面により、ブレーキ液が満たされる「第二マスタ室1E」が区画される。
第一出力ピストン14は、「サーボ室1A」内に作用する「サーボ圧」によって駆動されて、「第一マスタ室1D」の容積を変化させる。更に、第二出力ピストン15は、「第一マスタ室1D」内の液圧(「サーボ室1A」内に作用する「サーボ圧」)によって駆動されて、「第二マスタ室1E」の容積を変化させる。
マスタシリンダ装置1には、内部と外部を連通するポート11a〜11iが形成されている。ポート11aは、メインシリンダ11のうち中間壁111より後方に形成されている。ポート11bは、ポート11aと軸線方向の同様の位置に、ポート11aに対向して形成されている。ポート11aとポート11bは、メインシリンダ11内周面とシリンダ部121の外周面との間の空間を介して連通している。ポート11aは配管161に接続されている。ポート11bは、ブレーキ液が貯留されるリザーバ171に接続されている。つまり、ポート11aは、リザーバ171と連通している。
また、ポート11bは、シリンダ部121及び入力ピストン13にそれぞれ、形成されたブレーキ液流通路18、133により離間室1Bに連通している。詳細に説明すると、ブレーキ液流通路18は、シール取付凹部121cよりも後方の後方部位121bの内周面に開口し、当該開口とポート11bを接続するようにシリンダ部121に形成されている。そして、ブレーキ液流通路133は、入力ピストン13が最も後方に位置している状態において、本体部132の外周面の第二シール部材95との接触位置の直後方に開口するとともに、入力ピストン13の前端面に開口し、両開口を接続するように入力ピストン13に形成されている。入力ピストン13が最も後方に位置している状態では、ブレーキ液流通路18とブレーキ液流通路133は、同じ位置に開口し、ブレーキ液流通路18とブレーキ液流通路133は連通している。しかし、入力ピストン13が前進すると、ブレーキ液流通路18とブレーキ液流通路133は、分断される。つまり、入力ピストン13が前進すると、離間室1Bとリザーバ171とは分断される。
ポート11cは、ポート11aより前方に形成され、離間室1Bと配管162とを連通させている。ポート11dは、ポート11cより前方に形成され、サーボ室1Aと配管163とを連通させている。ポート11eは、ポート11dより前方に形成され、反力圧室1Cと配管164とを連通させている。
ポート11fは、小径部位112の両シール部材91、92間に形成され、リザーバ172とメインシリンダ11内部とを連通させている。ポート11fは、第一出力ピストン14に形成された通路144を介して第一マスタ室1Dに連通している。通路144は、第一出力ピストン14が前進するとポート11fと第一マスタ室1Dが分断されるように、シール部材92の若干後方位置に形成されている。
ポート11gは、ポート11fより前方に形成され、第一マスタ室1Dと配管51とを連通させている。ポート11hは、小径部位113の両シール部材93、94間に形成され、リザーバ173とメインシリンダ11内部とを連通させている。ポート11hは、第二出力ピストン15に形成された通路154を介して第二マスタ室1Eに連通している。通路154は、第二出力ピストン15が前進するとポート11hと第二マスタ室1Eが分断されるように、シール部材94の若干後方位置に形成されている。ポート11iは、ポート11hより前方に形成され、第二マスタ室1Eと配管52とを連通させている。
また、マスタシリンダ装置1内には、適宜、Oリング等のシール部材(図面黒丸部分)が配設されている。シール部材91、92は、小径部位112に配設され、第一出力ピストン14の外周面に液密的に当接している。同様に、シール部材93、94は、小径部位113に配設され、第二出力ピストン15の外周面に液密的に当接している。また、入力ピストン13とシリンダ部121との間にもシール部材が配設されている。
ストロークセンサ72は、ブレーキペダル10の近傍に配設され、ブレーキペダル10の操作量(踏み込み量)を検出するセンサであり、検出結果をブレーキECU6に送信する。なお、ブレーキペダル10は、入力ピストン13の後端に連結されているので、ストロークセンサ72は、結果として入力ピストン13の軸線方向の移動量(軸線方向の位置)を検出する。
(反力発生装置2)
反力発生装置2は、ストロークシミュレータ21を備えている。ストロークシミュレータ21は、ブレーキペダル10の操作に応じて離間室1B及び反力圧室1Cに反力圧を発生させ、通常のブレーキ装置の操作感(踏力感)を再現する装置である。一般的に、ストロークシミュレータ21は、シリンダ211にピストン212が摺動可能に嵌合され、圧縮スプリング213によって前方に付勢されたピストン212の前面側にパイロット液室214が形成されて構成されている。ストロークシミュレータ21は、配管164及びポート11eを介して反力圧室1Cに接続され、配管164を介して離間ロック弁22及び反力弁3に接続されている。
(離間ロック弁22)
離間ロック弁22は、常閉型の電磁弁であり、ブレーキECU6により開閉が制御される。離間ロック弁22は、配管164と配管162とに接続され、両配管162、164とを接続/非接続させる。離間ロック弁22は、離間室1Bと反力圧室1Cとを接続/非接続させるための弁である。言い換えると、離間ロック弁22は、離間室1Bとストロークシミュレータ21とを接続する配管162、164を開放又は閉塞する弁である。
圧力センサ73は、主に離間室1B及び反力圧室1Cの液圧(反力圧)を検出するセンサであり、配管164に接続されている。圧力センサ73は、離間ロック弁22が開状態の場合、離間室1B及び反力圧室1Cの液圧を検出し、離間ロック弁22が閉状態の場合、反力圧室1Cの液圧を検出する。
(反力弁3)
反力弁3は、常開型の電磁弁であり、ブレーキECU6により開閉が制御される。反力弁3は、配管164と配管161とに接続され、両配管161、164とを接続/非接続させる。反力弁3は、離間室1B及び反力圧室1Cとリザーバ171とを接続/非接続させるための弁である。
(離間ロック弁22及び反力弁3の制御)
ここで、ブレーキ操作時において、反力弁3と離間ロック弁22とのブレーキECU6による制御について説明する。ブレーキペダル10が踏まれると、入力ピストン13が前進し、ブレーキ液流通路18とブレーキ液流通路133が分断されてリザーバ171と離間室1Bは遮断される。同時に、反力弁3が閉状態(開→閉)になり、離間ロック弁22が開状態(閉→開)になる。反力弁3が閉状態となることで、反力圧室1Cとリザーバ171とが遮断される。離間ロック弁22が開状態となることで、離間室1Bと反力圧室1Cとが連通する。つまり、入力ピストン13が前進し且つ反力弁3が閉状態となることで、離間室1B及び反力圧室1Cは、リザーバ171から遮断される。反力圧室1Cには、第一出力ピストン14の移動に応じて離間室1Bから突出部142により流入出される液量と同じ液量が流入出される。そして、ストロークシミュレータ21は、離間室1B及び反力圧室1Cに、ストローク量に応じた反力圧を発生させる。つまり、ストロークシミュレータ21は、入力ピストン13に連結しているブレーキペダル10に、入力ピストン13のストローク量(ブレーキペダル10の操作量)に応じた反力圧を付与する。
(サーボ圧発生装置4)
サーボ圧発生装置4は、主に、減圧弁41と、増圧弁42と、圧力供給部43と、を備えている。減圧弁41は、常開型の電磁弁(リニア電磁弁)であり、ブレーキECU6により流路の開口面積が制御されることにより、減圧弁41の上流の流路の液圧が制御される。減圧弁41の下流側は配管411を介して配管161に接続され、減圧弁41の上流側は配管421に接続する配管413に接続されている。つまり、減圧弁41の下流側は、配管411、161、及びポート11a、11bを介してリザーバ171に連通している。増圧弁42は、常閉型の電磁弁(リニア電磁弁)であり、ブレーキECU6により流路の開口面積が制御されることにより、増圧弁42の下流の流路の液圧が制御される。増圧弁42の下流側は配管421に接続され、増圧弁42の上流側は配管414に接続されている。つまり、減圧弁41の上流側と、増圧弁42の下流側は、配管413及び配管421を介して接続されている。
圧力供給部43は、ブレーキECU6の指示に基づいて、増圧弁42に高圧のブレーキ液を提供する手段である。圧力供給部43は、主に、アキュムレータ431と、液圧ポンプ432と、モータ433と、リザーバ434と、を有している。
アキュムレータ431は、液圧ポンプ432により発生した液圧を蓄圧するものである。アキュムレータ431は、配管416及び配管414により、圧力センサ75、及び液圧ポンプ432に接続され、配管416及び配管414により増圧弁42に接続されている。液圧ポンプ432は、モータ433及びリザーバ434と接続されている。液圧ポンプ432は、リザーバ434に溜まったブレーキ液を、モータ433が駆動することでアキュムレータ431に供給する。圧力センサ75は、アキュムレータ431の圧力を検出する。
アキュムレータ圧が所定値以下に低下したことが圧力センサ75によって検出されると、ブレーキECU6からの制御信号に基づいてモータ433が駆動され、液圧ポンプ432は、アキュムレータ431にブレーキ液を供給してアキュムレータ431に圧力エネルギーを補給する。
(ABS)
マスタシリンダ圧を発生する第一マスタ室1D、第二マスタ室1Eには、配管51、52、ABS53を介してホイールシリンダWCfl、WCfr、WCrl、WCrrが連通されている。具体的には、第一マスタ室1Dのポート11g及び第二マスタ室1Eのポート11iには、それぞれ配管51、52を介して、公知のABS(Antilock Brake System)53が連結されている。ABS53には、車輪Wfl、Wfr、Wrl、Wrrを制動する摩擦ブレーキ装置Bfl、Bfr、Brl、Brrを作動させるホイールシリンダWCfl、WCfr、WCrl、WCrrが連結されている。
ここで、ABS53について、4輪のうち1つ(5FR)の構成について説明し、他の構成については同様であるため説明を省略する。ABS53は、保持弁531、減圧弁532、リザーバ533、ポンプ534、及びモータ535を備えている。保持弁531は、常開型の電磁弁であり、ブレーキECU6により開閉が制御される。保持弁531は、一方が配管52に接続され、他方がホイールシリンダWCfr及び減圧弁532に接続されるよう配設されている。つまり、保持弁531は、ABS53の入力弁である。
減圧弁532は、常閉型の電磁弁であり、ブレーキECU6により開閉が制御される。減圧弁532は、一方がホイールシリンダWCfr及び保持弁531に接続され、他方がリザーバ533に接続されている。減圧弁532が開状態となると、ホイールシリンダWCfrとリザーバ533が連通する。
リザーバ533は、ブレーキ液を貯蔵するものであり、減圧弁532、及びポンプ534を介して配管52に接続されている。ポンプ534は、吸い込み口がリザーバ533に接続され、吐出口が逆止弁zを介して配管52に接続されるよう配設されている。ここでの逆止弁zは、ポンプ534から配管52(第二マスタ室1E)への流れを許容し、その逆方向の流れを規制する。ポンプ534は、ブレーキECU6の指令に応じたモータ535の作動によって駆動されている。ポンプ534は、ABS制御の減圧モード時においては、ホイールシリンダWCfr内のブレーキ液又はリザーバ533内に貯められているブレーキ液を吸い込んで第二マスタ室1Eに戻している。なお、ポンプ534が吐出したブレーキ液の脈動を緩和するために、ポンプ534の上流側にはダンパ(不図示)が配設されている。
このように構成されたABS53において、ブレーキECU6は、マスタシリンダ圧、車輪速度の状態、及び前後加速度に基づき、各電磁弁531、532の開閉を切り換え制御し、モータ535を必要に応じて作動してホイールシリンダWCfrに付与するブレーキ液圧すなわち車輪Wfrに付与する制動力を調整するABS制御(アンチロックブレーキ制御)を実行する。ABS53は、マスタシリンダ装置1から供給されたブレーキ液を、ブレーキECU6の指示に基づいて、量やタイミングを調整して(つまり、マスタ圧Pmを調節して)、ホイールシリンダWCfl、WCfr、WCrl、WCrrに供給する装置(「供給液圧調整装置」に相当する)である。
後述する「リニアモード」では、サーボ圧発生装置4のアキュムレータ431から送出された液圧が増圧弁42及び減圧弁41によって制御されて「サーボ圧」がサーボ室1Aに発生することにより、第一出力ピストン14及び第二出力ピストン15が前進して第一マスタ室1D及び第二マスタ室1Eが加圧される。第一マスタ室1D及び第二マスタ室1Eの液圧はポート11g、11iから配管51、52及びABS53を経由してホイールシリンダWCfl、WCfr、WCrl、WCrrへマスタシリンダ圧として供給され、車輪Wfl、Wfr、Wrl、Wrrに液圧制動力が付与される。
(ブレーキECU6)
ブレーキECU6は、電子制御ユニットであり、マイクロコンピュータを有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAM、及びROMや不揮発性メモリー等の「記憶部」を備えている。CPUは、プログラムを実行する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、「記憶部」は前記プログラムを記憶している。
ブレーキECU6は、各種センサ72〜75と通信し、各電磁弁22、3、41、42、531、532、及びモータ433、535などを制御する。また、ブレーキECU6は、ハイブリッドECU(不図示)に互いに通信可能に接続されており、「回生ブレーキ装置」と摩擦ブレーキ装置の協調制御(回生協調制御)を行なう。ブレーキECU6は、「リニアモード」の制御モードを記憶している。
(リニアモード)
「リニアモード」は、通常のブレーキ制御であり、離間ロック弁22を開弁させ、反力弁3を閉弁させた状態で、減圧弁41及び増圧弁42を制御してサーボ室1Aの「サーボ圧」を制御するモードである。この「リニアモード」において、ブレーキECU6は、ストロークセンサ72で検出されたブレーキペダル10の操作量(入力ピストン13の移動量)から、運転者の「要求制動力」を算出する。そして、ブレーキECU6は、運転者の「要求制動力」をハイブリッドECUに出力し、ハイブリッドECUから「回生ブレーキ装置」の目標値すなわち「目標回生制動力」を取得し、「要求制動力」から「目標回生制動力」を減算して、「目標摩擦制動力」を算出する。そして、ブレーキECU6は、算出した「目標摩擦制動力」に基づいて、「目標サーボ圧」を算出する。そして、ブレーキECU6は、サーボ室1Aの「サーボ圧」が「目標サーボ圧」となるように、減圧弁41及び増圧弁42を制御して、摩擦ブレーキ装置での摩擦制動力が、「目標摩擦制動力」となるように制御する。
サーボ室1Aの液圧上昇により、第一出力ピストン14が前進し、第一マスタ室1Dの液圧が上昇する。そして、第二出力ピストン15も前進し、第二マスタ室1Eの液圧が上昇する。第一マスタ室1Dの液圧上昇により、高圧のブレーキ液が後述するABS53に供給される。このように、ホイールシリンダWCfl、WCfr、WCrl、WCrrに高圧(マスタシリンダ圧)のブレーキ液が供給され、摩擦ブレーキ装置fl、Bfr、Brl、Brrが作動して車両が制動される。
ブレーキ操作を解除する場合、反対に、減圧弁41を開状態とし、増圧弁42を閉状態として、サーボ室1Aとリザーバ171を連通させる。これにより、第一出力ピストン14、第二出力ピストン15、及び入力ピストン13が、ブレーキペダル10を踏む前の状態に戻る。
(異常時)
ブレーキECU6の異常やサーボ圧発生装置4の異常等の異常時では、減圧弁41、増圧弁42、離間ロック弁22、及び反力弁3が通電(制御)されず、減圧弁41は開状態、増圧弁42は閉状態、離間ロック弁22は閉状態、反力弁3は開状態となっている。そして、ブレーキペダル10が踏まれた後も非通電状態(無制御状態)が維持される。
異常時において、ブレーキペダル10が踏まれると、入力ピストン13が前進し、ブレーキ液流通路18とブレーキ液流通路133が分断されて離間室1Bとリザーバ171は遮断される。この状態において、離間ロック弁22が閉状態であるため、離間室1Bは、密閉状態(液密)となる。ただし、反力圧室1Cは、反力弁3が開状態であるためリザーバ171に連通している。
ここで、さらにブレーキペダル10が踏み込まれると、入力ピストン13が前進して離間室1Bの液圧が上昇し、その液圧により第一出力ピストン14が前進する。このとき減圧弁41及び増圧弁42は通電されていないため「サーボ圧」は制御されていない。つまり、第一出力ピストン14は、ブレーキペダル10の操作力に対応する力(離間室1Bの液圧)のみで前進する。これにより、サーボ室1Aの体積が大きくなるが、減圧弁41を介してリザーバ171に連通しているため、リザーバ171からブレーキ液がサーボ室1Aに補充される。
本実施形態では、上述したように、第一出力ピストン14のシール径Bは、入力ピストン13のシール径Aよりも、大きくなっている。このため、第一出力ピストン14の突出部142と入力ピストン13が離間している場合において、入力ピストン13に操作力Fiが入力されると、突出部142の断面積と入力ピストン13のシール部の断面積の差により、操作力Fiが増大されて、入力ピストン13に入力される。第一出力ピストン14に入力される力に入力される力Fmは、下式(1)で表される。
Fm=Fi・B/A…(1)
Fm:第一出力ピストン14に入力される力
Fi:入力ピストン13に入力される操作力
A:入力ピストン13のシール径(本体部141の外径)
B:第一出力ピストン14のシール径(突出部142の外径)
図3において、点線は、第一出力ピストン14のシール径Bと入力ピストン13のシール径Aが同一の場合のマスタ圧Pmであり、突出部142の断面積と入力ピストン13のシール部の断面積の差によるブレーキアシストが無い場合の操作力Fiとマスタ圧Pmとの関係を表した線である。入力ピストン13と第一出力ピストン14が離間している状態で、入力ピストン13に操作力が入力されると、図3の(1)に示すように、第一出力ピストン14のシール径Bと入力ピストン13のシール径Aが同一の場合と比較して(図3(A)の(2)示)、マスタ圧Pmが高くなる。
なお、図3に示す、マスタ圧Pmは、下記式(2)で表される。
Pm=C/4・π・Fm…(2)
Pm:第一マスタ室1Dのマスタ圧
C:第一出力ピストン14の周壁部141bのシール径(周壁部141bの外径)
Fm:第一出力ピストン14に入力される力
入力ピストン13と第一出力ピストン14が離間している状態で、入力ピストン13が前方に移動している状態では、離間室1Bの体積が同一のまま、離間室1Bの形状が変形する。この際に、離間室1B内のブレーキ液の液圧Pdは大気圧Paよりも高くなる。図2の(A)に示すように、離間室1B内のブレーキ液の液圧Pdは大気圧Paよりも高い状態では、ブレーキ液の液圧により、一方のシール片95bがシール取付凹部121cの底部に押し付けられ、他方のシール片95cが入力ピストン13の本体部131の外周面に押し付けられて、入力ピストン13とカバーシリンダ12との間が第二シール部材95によってシールされ、離間室1B内のブレーキ液のリザーバ171側への流出が防止される。
入力ピストン13のシール部の断面積は、突出部142の断面積よりも小さいので、入力ピストン13に操作力が入力されて、入力ピストン13が前進すると、第一出力ピストン14の前進距離に対して入力ピストン13の前進距離のほうが大きく、入力ピストン13と突出部142が近接する。そして、入力ピストン13の前端が、弾性部材19に当接し(図4の(A))、更に入力ピストン13が前方に移動すると、図4の(B)に示すように、弾性部材19が入力ピストン13によって徐々に押し潰され圧縮される。
そして、弾性部材19が入力ピストン13によって完全に押し潰されると(図4の(C))、第一出力ピストン14に入力される力Fmは、入力ピストン13に入力される操作力Fiと同一になり、図3の(4)に示すように、マスタ圧Pmは突出部142の断面積と入力ピストン13のシール部の断面積の差によるブレーキアシストが無い場合と同じマスタ圧となる。これは、入力ピストン13が直接第一出力ピストン14を押圧しているので、突出部142の断面積と入力ピストン13のシール部の断面積の差による操作力Fiの増大作用が働かないからである。
弾性部材19の形状が円錐台形状であるので、入力ピストン13が弾性部材19に当接した後において、入力ピストン13に入力される操作力Fiが増大するに従って、図4の(A)〜(C)に示すように、徐々に、入力ピストン13と弾性部材19の接触面積が増大する。すると、突出部142の断面積と入力ピストン13のシール部の断面積の差による操作力Fiの増大作用が徐々に減少する。また、弾性部材19の形状が円錐台形状であるので、弾性部材19の圧縮量が増大するに従って、弾性部材19の剛性(ヤング率)が増大する。
弾性部材19が入力ピストン13と当接し、更に入力ピストン13に入力される操作力Fiが増大して入力ピストン13が前方に移動すると、弾性部材19が入力ピストン13によって徐々に圧縮される。すると、上述した操作力Fiの増大作用が徐々に減少するが、入力ピストン13に入力される操作力Fiの増大分が、弾性部材19の剛性の増大に従って、徐々に第一出力ピストン14に伝達されるので、図3(A)の(3)に示すように、マスタ圧Pmがリニアに増大する。
もし、弾性部材19が無い場合において、入力ピストン13が第一出力ピストン14に当接し、更に入力ピストン13に入力される操作力Fiが増大した場合には、図3(B)の(1)に示すように、上述した操作力Fiの増大作用が働かない場合における当接時のマスタ圧Pmに対応する操作力Fiになるまで、マスタ圧が上昇しない。これは、突出部142の後端が入力ピストン13の前端と当接した場合には、入力ピストン13が直接第一出力ピストン14を押圧しているので、突出部142の断面積と入力ピストン13のシール部の断面積の差による操作力Fiの増大作用が働かないからである。
本実施形態では、突出部142の後端に、円錐台形状の弾性部材19を取り付けたので、弾性部材19が無い場合(図3(B)の(1)示)と比較して、図3(A)に示すように、操作力Fiとマスタ圧Pmとの関係であるブレーキ特性が滑らかに変化する。
弾性部材19が入力ピストン13によって完全に押し潰され(図4の(C)示)、更に、入力ピストン13に入力される操作力Fiが増大すると、入力ピストン13と第一出力ピストン14が一体となって前進し(入力ピストン13と第一出力ピストン14の前進量が同一)、図3(A)の(5)に示すように、ピストン13に入力される操作力Fiが増大に従って、マスタ圧Pmが増大する。勿論、入力ピストン13と第一出力ピストン14が一体となって前進している状態では、突出部142の断面積と入力ピストン13のシール部の断面積の差による操作力Fiの増大作用は働かない。
このように、弾性部材19が入力ピストン13によって完全に押し潰されるまでの初期制動において、図3(A)の斜線で示すように、第一出力ピストン14のシール径Bと入力ピストン13のシール径Aが同一の場合と比較して、マスタ圧Pmが大きく、より大きい初期制動力を得られるので、車両を効果的に減速させることができる。
入力ピストン13が弾性部材19に当接した後に、入力ピストン13に押圧される第一出力ピストン14が前方に移動すると、突出部142の断面積は入力ピストン13のシール部の断面積よりも大きいので、離間室1Bの体積が増大する。すると、離間室1B内のブレーキ液の液圧Pdが大気圧Paよりも低くなり、図2の(B)に示すように、一方のシール片95bがシール取付凹部121cの底部から離間する方向に変形するとともに、他方のシール片95cが入力ピストン13の本体部131の外周面から離間し、ブレーキ液がリザーバ171から離間室1B内に供給される。このように、第二シール部材95のシール片95b、95cの変形により、ブレーキ液がリザーバ171から離間室1B内に供給されるので、第一出力ピストン14の前方への摺動が阻害されない。
運転者がブレーキペダル10を離し、入力ピストン13に操作力が入力されない状態となると、第一出力ピストン14は付勢部材143により後方に付勢されているので、第一出力ピストン14及び入力ピストン13が方向に移動する。なお、突出部142の断面積と入力ピストン13のシール部の断面積の差により、第一出力ピストン14の後方への移動量よりも、入力ピストン13の後方への移動量が大きくなる。そして、ブレーキ液流通路133の本体部132の外周面側の開口部が、ブレーキ液流通路18の開口部と合致すると、離間室1B内の余分なブレーキ液が、ブレーキ液流通路133、18を流通して、リザーバ171に戻り、第一出力ピストン14が、ブレーキペダル10が踏まれていない状態の元の位置(以下「初期位置」という)に復帰する。「初期位置」は、カップ状のカバー部122のバネにて後方に設定されている。
(本実施形態の効果)
上述した説明から明らかなように、図1に示すように、第一出力ピストン14の離間室1B内に突出する部分である突出部142のメインシリンダ11とのシール径Bは、入力ピストン13の離間室1B内に突出する部分である本体部131のカバーシリンダ12とのシール径Aよりも大きく設定されている。そのため、離間室1Bが液密な空間になっている状態では、シール径Bを直径とする円と、シール径Aを直径とする円の面積差により、第一出力ピストン14を前方に駆動する離間室1B内の液圧力に対応する力が、入力ピストン13を後方に駆動する離間室1B内の液圧に対応する力よりも大きくなる。これにより、ブレーキペダル10(ブレーキ操作部材)に対する操作力を増大させて第一出力ピストン14に作用させることができる。このため、ポンプの加圧によらず、簡素な構成でブレーキペダル10(ブレーキ操作部材)に入力される操作力を増大させることができる車両用制動装置を提供することができる。
また、図1に示すように、弾性材料で構成され、基端側から先端側に向かって徐々に外径(断面積)が小さくなるように形成された弾性部材19が、突出部142の後端に設けられている。これにより、弾性部材19が当接部142と当接してから完全に押し潰されるまでの間に(図4の(A)〜(C)の状態)、弾性部材19を介して、入力ピストン13に入力される操作力の増大分が、第一出力ピストン14に伝達され、図3の(B)と比較して、図3の(A)に示すように、マスタ圧Pmがリニアに増大し、操作力とマスタ圧との関係であるブレーキ特性が滑らかに変化する。このため、運転者が違和感を覚えない。
また、上述したように、離間室1Bの容積拡大の結果として、離間室1B内の液圧Pdが大気圧Paより低くなった場合には、図2の(B)に示すように、リザーバ171からブレーキ液が離間室1Bに供給される。これにより、入力ピストン13が弾性部材19(突出部142)に当接し、第一出力ピストン14の前進に伴う離間室1Bの拡大により、離間室1B内の液圧Pdが大気圧Paより低くなった場合には、リザーバ171からブレーキ液が離間室1Bに供給されるので、第一出力ピストンの14前方への摺動が阻害されない。このため、入力ピストン13が弾性部材19(突出部142)に当接した後において、第一出力ピストン14が更に前進でき、マスタ圧Pmを更に増大させることができる。
また、図1に示すように、カバーシリンダ12(マスタシリンダ)の内周面には、シール取付凹部121cが凹陥形成され、このシール取付凹部121cに第二シール部材95が取り付けられ、カバーシリンダ12には、シール取付凹部121cよりも後方のカバーシリンダ12の内周面に開口するブレーキ液流通路18が形成されている。そして、図2に示すように、第二シール部材95には、それぞれシール取付凹部121cの底部と入力ピストン13の外周面に全周に渡って接触するシール片95b、95cが形成されている。これにより、離間室1B内のブレーキ液の液圧Pdが大気圧よりも高い状態では、図2の(A)に示すように、ブレーキ液の液圧により、一方のシール片95bがシール取付凹部121cの底部に押し付けられ、他方のシール片95cが入力ピストン13の本体部131の外周面に押し付けられて、入力ピストン13とカバーシリンダ12の内周面との間がシールされ、離間室1B内のブレーキ液のリザーバ171側への流出が防止される。離間室1B内の液圧Pdが大気圧Paより低くなった場合には、図2の(B)に示すように、一方のシール片95bがシール取付凹部121cの底部から離間する方向に変形するとともに、他方のシール片95cが入力ピストン13の本体部131の外周面から離間し、ブレーキ液がリザーバ171から離間室1B内に供給される。このため、入力ピストン13が弾性部材19(突出部142)に当接した後において、第一出力ピストン14が更に前進でき、マスタ圧Pmを更に増大させることができる。
また、上述した「リニアモード」では、離間ロック弁22(開閉部)により離間室1Bを開放することができ、ストロークセンサ72(入力ピストン移動量検出部)が、入力ピストン13の移動量を検出し、サーボ圧発生装置4(サーボ圧生成部)が、ストロークセンサ72で検出された入力ピストン13の移動量に応じて第一出力ピストン14に作用するサーボ圧を生成する。この状態で、サーボ圧発生装置4が、ブレーキペダル10(ブレーキ操作部材)に対する操作に応じたサーボ圧をサーボ室1Aに発生させることにより、ブレーキペダル10に対する操作力を増大させるブレーキアシストを実現することができる。一方で、サーボ圧発生装置4の異常時には、離間ロック弁22が閉弁して、離間室1Bが液密な空間となり、突出部142の断面積と入力ピストン13のシール部の断面積の差によりブレーキペダル10に入力された操作力を増大させることができる。
(別の実施形態)
以上説明した実施形態では、突出部142の後端に、弾性部材19が取り付けられている。しかし、入力ピストン13の前端に、基端(後端)から先端(前端)側に向かって徐々に断面積が小さくなる弾性部材19が取り付けられている実施形態であっても差し支え無い。或いは、突出部142の後端と入力ピストン13の前端のそれぞれに、基端から先端側に向かって徐々に断面積が小さくなる弾性部材19が取り付けられている実施形態であっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、弾性部材19は円錐台形状である。しかし、弾性部材19は、その断面積が基端から先端側に向かって徐々に小さくなる形状であればよく、例えば半球形状や円錐形状であっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、第一出力ピストン14が第一シール部材96でシールされている部分である突出部142の外径は、その前方から後方に一定寸法である。しかし、第一出力ピストン14が第一シール部材96と摺動する部分のシール径Bが一定であれば、突出部142の後端部の形状は特に限定されない。同様に、入力ピストン13が第二シール部材95と摺動する部分のシール径Aが一定であれば、入力ピストン13の前端部の形状は特に限定されない。
入力ピストン13に大きい操作力が入力されると、入力ピストン13が弾性部材19に当接するようになっている。しかし、入力ピストン13と弾性部材19との離間距離を大きく設定することにより、入力ピストン13が弾性部材19に当接しない実施形態であっても差し支え無い。この実施形態であっても、異常時において、突出部142の断面積と入力ピストン13のシール部の断面積の差により、操作力Fiが増大されて、入力ピストン13に入力される。また、弾性部材19を省略し、入力ピストン13と突出部142の離間距離を大きく設定することにより、入力ピストン13が弾性部材19に当接しない実施形態としても差し支え無い。なお、本実施形態では、入力ピストン13が弾性部材19(突出部142)に当接する構造としたので、マスタシリンダ装置1の前後長の増大を防止するとともに、ペダルストローク長の増大を防止し、車両用制動装置の車両への積載性の悪化を防止している。
以上説明した実施形態では、第二シール部材95とブレーキ液流通路18によって、離間室1B内の液圧Pdが大気圧Paより低くなった場合に、リザーバ171からブレーキ液が離間室1Bに供給される構造を実現している。しかし、カバーシリンダ12に、リザーバ171及び離間室1Bを連通させる流路を形成し、当該流路や当該流路とリザーバ171との間に、リザーバ171から離間室1B側へのブレーキ液の流通のみを許容するワンウェイバルブを設けた実施形態であっても差し支え無い。
また、以上説明した実施形態では、ブレーキ操作量検出部であるストロークセンサ72は、ブレーキペダル10のストローク量を検出するセンサである。しかし、ブレーキ操作量検出部は、入力ピストン13のストローク量や、ブレーキペダル10に対する操作力(踏力)を検出するセンサであっても差し支え無い。反力圧室1Cの液圧(反力圧)は第一出力ピストン14のストローク位置に応じた液圧になる。そのため、反力圧はブレーキペダル10の操作量に応じた液圧になる。よって、ブレーキ操作量検出部は、圧力センサ73であっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、車両用制動装置は、サーボ圧発生装置4を有している。しかし、サーボ圧発生装置4を有さない車両用制動装置にも、本発明の技術的思想が適用可能なことは言うまでもない。また、サーボ圧発生装置4を有さず、ブレーキペダル10に入力された操作力をバキューム圧でアシストするバキュームブースタを有する車両用制動装置にも、本発明の技術的思想が適用可能なことは言うまでもない。これらの実施形態の場合にも、初期制動において、より大きい初期制動力が得られるので、車両を効果的に減速させることができる。
また、以上説明した実施形態では、入力ピストン13に運転者の操作力を伝達するブレーキ操作部材は、ブレーキペダル10である。しかし、ブレーキ操作部材は、ブレーキペダル10に限定されず、例えば、ブレーキレバーやブレーキハンドルであっても差し支え無い。そして、本実施形態の車両用制動装置を、自動二輪車やその他車両に適用しても、本発明の技術的思想が適用可能なことは言うまでもない。
1:マスタシリンダ装置
4:サーボ圧発生装置(サーボ圧発生部)
10:ブレーキペダル(ブレーキ操作部材)
11:メインシリンダ(マスタシリンダ)、12:カバーシリンダ(マスタシリンダ)
13:入力ピストン
14:第一出力ピストン(出力ピストン)、15:第二出力ピストン
18:ブレーキ流通路
19:弾性部材
22:離間ロック弁(開閉部)
1A:サーボ室、 1B:離間室、 1C:反力圧室
1D:第一マスタ室、 1E:第二マスタ室
72:ストロークセンサ(ブレーキ操作量検出部)
95:第二シール部材、95a:底部、95b:シール片、95c:シール片
96:第一シール部材
121c:シール取付凹部
171:リザーバ
A:入力ピストン13のカバーシリンダ12(マスタシリンダ)とのシール径
B:第一出力ピストン14のメインシリンダ11(マスタシリンダ)とのシール径
WCfl、WCfr、WCrl、WCrr:ホイールシリンダ
Wfl、Wfr、Wrl、Wrr:車輪

Claims (5)

  1. 車両の車輪に設けられた摩擦ブレーキ装置のホイールシリンダにブレーキ液を供給して、前記摩擦ブレーキ装置により前記車輪に摩擦制動力を発生させる車両用制動装置であって、
    前記ホイールシリンダに接続されたマスタシリンダ(11、12)と、
    前記マスタシリンダ内に摺動可能に配設された出力ピストン(14)と、
    前記出力ピストンよりも後方に前記出力ピストンと離間して前記マスタシリンダ内に摺動可能に配設され、前記マスタシリンダの内周壁及び前記出力ピストンとの間に離間室(1B)を区画し、ブレーキ操作部材に対する操作力が入力される入力ピストン(13)とを有し、
    前記離間室は液密な空間となり得るように構成され、
    前記出力ピストンの前記離間室内に突出する部分の前記マスタシリンダとのシール径(B)は、前記入力ピストンの前記離間室内に突出する部分の前記マスタシリンダとのシール径(A)よりも大きく設定されている車両用制動装置。
  2. 請求項1において、
    前記出力ピストン及び前記入力ピストンの対向面の少なくとも一方に設けられ、弾性材料により基端側から先端側に向かって外径が小さくなるように形成された弾性部材(19)を有している車両用制動装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記ブレーキ液が貯留されるリザーバを有し、
    前記マスタシリンダには、前記離間室内の液圧が大気圧より低くなった場合に、前記リザーバから前記離間室にブレーキ液を供給するブレーキ液流通路(18)が形成されている車両用制動装置。
  4. 請求項3において、
    前記マスタシリンダの内周面には、全周に渡ってシール取付凹部(121c)が凹陥形成され、
    リング状の底部と、前記底部からそれぞれ前方に突出し、それぞれ前記シール取付凹部の底部と前記入力ピストンの外周面に全周に渡って接触するリング状のシール片(95b、95c)とから構成されたシール部材(95)が、前記シール取付凹部に取り付けられ、
    前記ブレーキ液流通路は、前記シール取付凹部よりも後方のマスタシリンダの内周面に開口するとともに、前記リザーバに接続している車両用制動装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、
    前記マスタシリンダ及び前記出力ピストンは、前記出力ピストンを駆動するサーボ圧が発生するサーボ室(1A)を区画し、
    前記離間室を開閉する開閉部(22)と、
    前記ブレーキ操作部材の操作に応じた前記サーボ圧を前記サーボ室に生成するサーボ圧生成部(4)と、を有する車両用制動装置。
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