JP5780822B2 - 気圧式倍力装置 - Google Patents

気圧式倍力装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5780822B2
JP5780822B2 JP2011101478A JP2011101478A JP5780822B2 JP 5780822 B2 JP5780822 B2 JP 5780822B2 JP 2011101478 A JP2011101478 A JP 2011101478A JP 2011101478 A JP2011101478 A JP 2011101478A JP 5780822 B2 JP5780822 B2 JP 5780822B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure chamber
plunger
valve
valve body
passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011101478A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012232638A (ja
Inventor
遠藤 光弘
光弘 遠藤
聡弘 小井
聡弘 小井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2011101478A priority Critical patent/JP5780822B2/ja
Publication of JP2012232638A publication Critical patent/JP2012232638A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5780822B2 publication Critical patent/JP5780822B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)

Description

本発明は、自動車等の車両のブレーキ装置に装着される気圧式倍力装置に関するものである。
例えば特許文献1に記載された気圧式倍力装置は、ハウジング内がパワーピストンによって定圧室(エンジン吸気負圧等の負圧現に接続されて常時負圧に維持されている)と変圧室とに画成されている。パワーピストンに連結されたバルブボディ内には、ブレーキペダルに連結される入力ロッドが接続されるプランジャが設けられている。このプランジャが移動したときに作動する制御バルブによって、定圧室と変圧室との間を遮断し、変圧室に大気(正圧)を導入する。これにより、定圧室と変圧室との間に圧力差を発生させ、この圧力差によってパワーピストンに生じる推力によりマスタシリンダでブレーキ液圧を発生させて制動を行なうようになっている。
制御バルブは、定圧室と変圧室と間を開閉する真空弁、及び、変圧室と大気との間を連通、遮断する大気弁からなり、特許文献1に記載されたものでは、真空弁及び大気弁は、ポペット弁となっている。
特開2010−254219号公報
上記特許文献1に記載されているものでは、プランジャが大気弁を開弁する際に、大気弁を閉弁位置へ付勢する弁バネを圧縮するため、入力ロッドには、戻しバネに加えて弁バネのバネ力が作用することになる。このバネ力の作用によって、入力ロッドの操作力、すなわち、ブレーキペダルの必要踏力が変動して、操作フィーリングが悪化するという問題が生じる。
本発明は、操作力の変動を解消するようにした気圧式倍力装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、ハウジングと、該ハウジング内を定圧室と変圧室とに画成するパワーピストンと、該パワーピストンに連結され、内部に案内ボアが形成されるバルブボディと、該バルブボディの前記案内ボアに移動可能に挿入されたプランジャと、前記プランジャに連結された入力ロッドと、前記バルブボディに連結された出力ロッドと、前記定圧室と前記変圧室とを連通する真空通路と、前記定圧室を大気に開放する大気通路とを備え、前記バルブボディに対する前記プランジャの移動によって前記真空通路を閉じて前記定圧室と前記変圧室とを遮断し、前記大気通路を開いて前記変圧室に大気を導入し、前記定圧室と前記変圧室との間に生じる差圧によって前記パワーピストンを推進する気圧式倍力装置であって、前記真空通路と前記大気通路とは、前記バルブボディの軸方向に離間して前記案内ボアに開口し、前記プランジャには、前記案内ボアに摺接し、前記プランジャの移動に伴って前記真空通路及び前記大気通路をそれぞれ開閉して前記変圧室との連通を切り換える一対のカップ状のシール部材が軸方向に互いに離間して設けられていることを特徴とする。
本発明に係る気圧式倍力装置によれば、操作力の変動を解消することができる。
本発明の一実施形態に係る気圧式倍力装置を含む自動車のブレーキ装置の概略構成を示す回路図である。 本発明の一実施形態に係る気圧式倍力装置の縦断面図である。 図2の気圧式倍力装置の非作動時において、要部であるプランジャ部分を拡大して示す縦断面図である。 図2の気圧式倍力装置の増圧時においてける要部である制御バルブ部を拡大して示す縦断面図である。 図2の気圧式倍力装置のバランス時における要部である制御バルブ部を拡大して示す縦断面図である。 図2の気圧式倍力装置の減圧時における要部である制御バルブ部を拡大して示す縦断面図である。 図2の気圧式倍力装置の制御バルブの大気弁を拡大して示す縦断面図である。 図2の気圧式倍力装置の入出力特性を示すグラフ図である。 図2の倍力装置の増圧時及び減圧時の入出力のヒステリシス特性を示すグラフ図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1を参照して本実施形態に係る倍力装置101を用いた自動車のブレーキ装置200について説明する。図1に示すように、ブレーキ装置200は、倍力装置101と、倍力装置101のマスタシリンダ110の液圧ポート164、165に接続されて、各車輪Wa〜Wdの液圧ブレーキのホイールシリンダBa〜Bdにブレーキ液圧を供給する液圧制御装置5と、液圧制御装置5を制御するコントローラ7と、回生制動を行なう回生ブレーキ装置8とを備えている。
液圧制御装置5は、マスタシリンダ110のプライマリポート164からの液圧を左前輪Wa及び右後輪WbのホイールシリンダBa、Bbに供給するための第1液圧回路5A(図1の液圧制御装置5の中央より右側分部)と、セカンダリポート165からの液圧を右前輪Wc及び左後輪WdのホイールシリンダBc、Bdに供給するための第2液圧回路5B(図1の液圧制御装置5の中央より左側分部)とからなる所謂「X配管」とした2系統の液圧回路を備えている。本実施形態では、ホイールシリンダBa〜Bdは、液圧を供給してピストンを前進させ、ブレーキパッドを車輪と共に回転するディスクロータに押圧して制動力を発生させる液圧式ディスクブレーキを作動させるものとなっているが、公知のドラムブレーキ等の他の液圧式ブレーキを作動させるものとしてもよい。
第1液圧回路5Aと第2液圧回路5Bとは同様の構成であり、また、各車輪Wa〜WdのホイールシリンダBa〜Bdに接続された液圧回路の構成は同様の構成であり、以下の説明において参照符号の添え字A及びB、並びに、a乃至dは、それぞれ、第1液圧回路5A及び第2液圧回路5B、並びに、各車輪Wa乃至Wdに対応することを示している。
液圧制御装置5には、マスタシリンダ110から各車輪Wa〜WdのホイールシリンダBa〜Bdのホイールシリンダへの液圧の供給を制御する電磁開閉弁である供給弁35A、35Bと、ホイールシリンダBa〜Bdへの液圧の供給を制御する電磁開閉弁である増圧弁36a〜36dと、ホイールシリンダBa〜Bdから液圧を解放するためのシステムリザーバ37A、37Bと、ホイールシリンダBa〜Bdからシステムリザーバ37A、37Bへの液圧の解放を制御する電磁弁開閉弁である減圧弁38a〜38dと、ホイールシリンダBa〜Bdに液圧を供給するためポンプ39A、39Bと、ポンプ39A、39Bを駆動するポンプモータ40と、マスタシリンダ110からポンプ39A、39Bの吸込み側への液圧の供給を制御する電磁開閉弁である加圧弁41A、41Bと、ポンプ39A、39Bの下流側から上流側への逆流を防止するための逆止弁42A、42B、43A、43B、44A、44Bと、マスタシリンダ110のプライマリポート164及びセカンダリポート165の液圧を検出する液圧センサ45A、45Bとを備えている。
そして、ホイール圧制御ユニットとしてのコントローラ7によって供給弁35A、35B、増圧弁36a〜36d、減圧弁38a〜38d、加圧弁41A、41B及びポンプモータ40の作動を制御して、次のような作動モードを実行することができる。
[通常制動モード]
通常制動時には、供給弁35A、35B及び増圧弁36a〜36dを開き、減圧弁38a〜38d、加圧弁41A、41Bを閉じることにより、マスタシリンダ110から各車輪Wa〜WdのホイールシリンダBa〜Bdに液圧を供給する。
[減圧モード]
減圧弁38a〜38dを開き、供給弁35A、35B、増圧弁36a〜36d及び加圧弁41A、41Bを閉じることにより、ホイールシリンダBa〜Bdの液圧をリザーバ37A、37Bに解放して減圧する。
[保持モード]
増圧弁36a〜36d及び減圧弁38a〜38dを閉じることにより、ホイールシリンダBa〜Bdの液圧を保持する。
[増圧モード]
増圧弁36a〜36dを開き、供給弁35A、35B、減圧弁38a〜38d及び加圧弁41A、41Bを閉じて、ポンプモータ40を作動することにより、ブレーキ液をリザーバ37A、37Bからマスタシリンダ110側へ戻してホイールシリンダBa〜Bdの液圧を増圧する。
[加圧モード]
加圧弁41A、41B及び増圧弁36a〜36dを開き、減圧弁38a〜38d及び供給弁35A、35Bを閉じて、ポンプモータ40を作動することにより、マスタシリンダ110の液圧にかかわらず、ポンプ39A、39Bによってブレーキ液をホイールシリンダBa〜Bdに供給する。
これらの作動モードを車両状態に応じて適宜実行することにより、各種ブレーキ制御を行なうことができる。例えば、制動時に接地荷重等に応じて各車輪に適切に制動力を配分する制動力配分制御、制動時に各車輪の制動力を自動的に調整して車輪のロックを防止するアンチロックブレーキ制御、走行中の車輪の横滑りを検知して、ブレーキペダル19の操作量にかかわらず各車輪に適宜自動的に制動力を付与することにより、アンダーステア及びオーバーステアを抑制して車両の挙動を安定させる車両安定性制御、坂道(特に上り坂)において制動状態を保持して発進を補助する坂道発進補助制御、発進時等において車輪の空転を防止するトラクション制御、先行車両に対して一定の車間を保持する車両追従制御、走行車線を保持する車線逸脱回避制御、障害物との衝突を回避する障害物回避制御等を実行することができる。
なお、ポンプ39A、39Bとしては、例えばプランジャポンプ、トロコイドポンプ、ギヤポンプ等の公知の液圧ポンプを用いることができるが、車載性、静粛性、ポンプ効率等を考慮するとギヤポンプとすることが望ましい。ポンプモータ40としては、例えばDCモータ、DCブラシレスモータ、ACモータ等の公知のモータを用いることができるが、制御性、静粛性、耐久性、車載性等の観点からDCモータが望ましい。
また、液圧制御装置5の電磁開閉弁の特性は、使用態様に応じて適宜設定することができるが、供給弁35A、35B及び増圧弁36a〜36dを常開弁とし、減圧弁38a〜38d及び加圧弁41A、41Bを常閉弁とすることにより、コントローラ7からの制御信号がない場合に、マスタシリンダ110からホイールシリンダBa〜Bdに液圧を供給することができるので、フェイルセーフ及び制御効率の観点から、このような構成とすることが望ましい。
回生ブレーキ装置8は、減速時及び制動時等に少なくとも1つの車輪の回転によって発電機(電動モータ)を駆動することにより、運動エネルギーを電力として回収する。本実施の形態のブレーキ装置200においては、回生ブレーキ装置8とコントローラ7とが、相互に制御信号の授受を行ない、運転者によるブレーキペダル19の操作に対して、回生制動中には回生制動分を減じたブレーキ液圧をホイールシリンダBa〜Bdに供給することにより、所望の制動力を得る回生協調制御を実行する。
次に、倍力装置101について、図2乃至図9を参照して説明する。図2は、倍力装置101の全体構成を示し、図3は、その要部を拡大して示している。図2及び図3に示すように、倍力装置101は、シングル型の気圧式倍力装置であって、薄板によって形成されたフロントシェル102とリアシェル103とが結合されてハウジング104が形成されている。このハウジング104内がダイアフラム105を有するパワーピストン106によって定圧室107と変圧室108との2室に画成されている。フロントシェル102及びリアシェル103は、略有底円筒状に形成され、フロントシェル102の外周の開口縁部に、リアシェル103の外周の開口縁部を嵌合し、これらの間にダイアフラム105の外周部を挟み込むことによって、気密的に結合されている。
マスタシリンダ110(図1参照)は、後端部をフロントシェル102の底部の中央開口109に挿入してフロントシェル102に結合される。リアシェル103の底部の中央部には、後述するバルブボディ111を挿入するための後部円筒部112が突出され、後部円筒部112の周囲には、車体のダッシュパネル(図示せず)に当接するリア座面103Aが形成されている。
ハウジング104には、フロントシェル102からリアシェル103のリア座面103Aに貫通するタイロッド114が設けられている。タイロッド114は、両端部に取付ネジ部115及び固定ネジ部116が形成され、取付ネジ部115及び固定ネジ部116の基部に、それぞれ拡径されたフロントフランジ117及びリアフランジ118が形成されている。そして、フロントフランジ117がフロント座面102Aの内側にリテーナ119及びシール120を介して気密的に当接し、リアフランジ118がリア座面103Aの内側に気密的に当接した状態で、リアシェル103側にカシメによって固定されている。タイロッド114の中間部は、パワーピストン106に設けられた開口121及びダイアフラム105と一体に形成された略円筒状のロッドシール122に挿入されて、パワーピストン106及びダイアフラム105を摺動可能かつ気密的に貫通している。
タイロッド114は、フロントシェル102及びリアシェル103の直径方向2箇所に配置されており(一方のみ図示する)、取付ネジ部115によってフロントシェル102にマスタシリンダ110を固定し、固定ネジ部116によってリア座面103Aを車体のダッシュパネル(図示せず)に固定する。また、リア座面103Aには、これをダッシュパネルに固定するためのリアボルト123がカシメによって固定されている。
パワーピストン106及びダイアフラム105に略円筒状のバルブボディ111が連結されている。バルブボディ111の前端部は拡開されて大径部111Aが一体に形成されている。大径部111Aは、パワーピストン106及びダイアフラム105の中央開口に挿入され、中央開口の内周縁部が大径部111Aの外周溝11Bに嵌合して、これらが気密的に結合されている。バルブボディ111の後部側は、変圧室108を通り、リアシェル103の後部円筒部112に挿入されて、その後部が外部へ延出している。後部円筒部112には、シール部材124が装着されて、バルブボディ111との間を摺動可能にシールしている。また、後部円筒部112とバルブボディ111との間には、蛇腹状のダストカバー125が設けられている。フロントシェル102には、接続管126が取付けられ、接続管126がエンジンの吸気管等の負圧源(図示せず)に接続されて、定圧室107が常時ほぼ所定の負圧に維持される。
バルブボディ111の大径部111Aの先端部には、カップ状のホルダ150が取付けられている。ホルダ150は、その開口部の外周に段付フランジ状のバネ受部151が一体に形成され、バネ受部151を大径部111Aの先端部に嵌合してバルブボディ111に固定されている。ホルダ150は、バルブボディ111と同心に配置され、底部に開口152が設けられている。ホルダ150内には、環状の反力受部材153が嵌合されて底部に当接し、また、ゴム等の弾性体からなる円板状のリアクション部材154が挿入されて反力受部材153に当接している。ホルダ150内には、更に、出力ロッド128のカップ状に形成された基端部128Aが摺動可能に挿入され、基端部128A内にリアクション部材154が嵌合して、反力受部材153と出力ロッド128と間にリアクション部材154が介装されている。出力ロッド128の先端部は、フロントシェル102の開口部109に挿入されるマスタシリンダ110(図1参照)のプライマリピストン160に当接する。反力受部材153には、段付の開口が設けられ、この開口に凸形状の反力伝達部材155が軸方向に移動可能に嵌合して案内されている。反力伝達部材155は、前端の大径部がリアクション部材154に所定の隙間Cをもって対向し、後端の小径部がホルダ150の底部の開口152から突出している。
バルブボディ111内の中間部に形成された小径の案内ボア156にプランジャ131が軸方向に沿って摺動可能に案内されている。バルブボディ111の後部の円筒部内には、略円筒状の案内部材157が嵌合され、案内部材157は、その外周部に形成された段部がバルブボディ111の内周面に形成された段部に当接して軸方向に位置決めされている。バルブボディ111と案内部材157との間は、Oリング158によってシールされている。プランジャ131は、前端部に形成された小径部131Aの外周にカップ状のシール部材である真空弁シール159が取付けられている。真空弁シール159は、小径部131Aの先端部に取付けられた止輪170によって固定されている。真空弁シール159は、外周部が後方に向かって拡開するリップ状に形成されて、外周縁部が案内ボア156の内周面に摺接してプランジャ131と案内ボア156との間をシールする。プランジャ131は、後端側が案内部材157内に挿入され、後端部に形成された外周溝171にカップ状のシール部材である大気弁シール172が嵌合して固定されている。大気弁シール172は、後方に向かって拡開するリップ状に形成されて、外周縁部が案内部材157の案内ボアとなる内周面に摺接してプランジャ131と案内部材157との間をシールする。
プランジャ131には、バルブボディ111の後部から挿入された入力ロッド133の先端部が挿入、連結され、入力ロッド133によりプランジャ131が操作されるようになっている。入力ロッド133の基端部は、バルブボディ111の後端部に装着された通気性のダストシール134を貫通して外部へ延出されている。入力ロッド133の基端部には、ブレーキペダル19(図1参照)を連結するためのクレビス135が取付けられている。
プランジャ131の軸方向中間部には、外周溝である係合溝173が形成され、バルブボディ111の側壁には、係合溝173に対向して係合通路174が貫通されている。係合溝173及び係合通路174には、ストップキー138が挿入されている。ストップキー138は、リアシェル103の円筒部112の段部に係合することによってバルブボディ111の後退位置を規定し、また、係合溝173との係合によってバルブボディ111とプランジャ31との相対変位量を規定している。
フロントシェル102の前壁とバルブボディ111の円筒部111Aの前端に取付けられたホルダ150のバネ受部151との間には、バルブボディ111を後退位置へ付勢する戻しバネ139が設けられている。戻しバネ139とバネ受部151との間には、出力ロッド128を保持するリテーナ150Aが介装されている。バルブボディ111内の案内部材157と入力ロッド133の133A鍔部との間には、入力ロッド133を後退位置へ付勢するテーパ状の戻しバネ140が設けられている。
バルブボディ111の案内ボア156の内周面には、軸方向に沿って延びる弁溝175が形成されている。弁溝175は、円周方向に複数配置され、案内ボア156の前端部付近から後端部まで延びて、案内部材157が挿入されたバルブボディ111の円筒部及びバルブボディ111の係合通路174に連通している。弁溝175は、係合通路174を介して定圧室107と変圧室108とを連通する真空通路を構成する。案内部材157の側壁には、弁溝175の後部及び係合通路174介して変圧室に大気を導入する大気通路を構成する大気弁ポート176が貫通されている。
そして、プランジャ131が図2及び図3に示す非作動位置にあるとき、真空弁シール159が弁溝175上に配置されて、弁溝175を開き、圧室107と変圧室108とを連通させ、大気弁シール172が大気弁ポート176を閉じて、変圧室108を大気から遮断する。このとき、弁溝175の前端部と真空弁シール159のリップ状の外周縁部との間は距離Sだけ離れており、また、大気弁ポート176と大気弁シール172のリップ状の外周縁部との間は距離Tだけ離れている。ここで、距離Tは、距離Sよりも大きく(S<T)、望ましくは、距離Sよりも0.2〜1.0mm程度大きくなっている。また、プランジャ131の前端部と反力伝達部材155の後端部との間には、距離Tよりもやや大きい隙間Lが設けられている(T<L)。
これにより、プランジャ131がバルブボディ111に対して前進すると、先ず、真空弁シール159が弁溝175の前端部を越えて、弁溝175によって構成される真空通路を閉じて、定圧室107と変圧室108との連通が遮断される。プランジャ131が更に前進すると、大気弁シール172が大気弁ポート176を開き、変圧室108が係合通路174、弁溝175及び大気弁ポート176を介して大気に開放される。
なお、本実施形態では、倍力装置101は、ブレーキ装置200に組み込まれて後述の回生協調制御を実行するため、非作動位置における大気弁シール172と大気弁ポート176との距離Tが充分大きく設定されている。
次に、倍力装置101の作動について、図3乃至図6を参照して説明する。
図2及び図3に示す非作動状態においては、入力ロッド133及びプランジャ131が図示の後退位置にあり、真空弁シール159が弁溝175上にあり、定圧室107と変圧室108とが連通される。また、大気弁シール172が大気弁ポート176を閉じて変圧室108を大気から遮断する。これにより、定圧室107と変圧室108とは同圧(負圧)となるため、パワーピストン106に推力は生じない。このとき、真空弁シール159のリップ状の外周縁部と弁溝175の前端部とは、距離Sだけ離間し、大気弁シール172のリップ状の外周縁部と大気弁ポート176とは、距離Tだけ離間し、反力伝達部材155とプランジャ131とは、距離Lだけ離間している。
ブレーキペダル19が踏込まれると、先ず、バルブボディ111に対して入力ロッド133及びプランジャ131が前進し、これらのストロークXが真空弁シール159と弁溝175の前端部との距離Sに達するまでの領域では、定圧室107と変圧室108との連通状態及び変圧室108と大気との遮断状態が維持される。このとき、入力ロッド133への入力Fi(ブレーキペダル19の踏力)が、戻しバネ140のセット荷重F1とプランジャ131に作用する差圧による力Fv(プランジャ131を前進させる方向の力)との合力よりも大きくなったとき(Fi>F1−Fv)、入力ロッド133及びプランジャ131が前進し始める。図8中にFi=F1−Fvとなる点S1を示す。
入力ロッド132への入力Fiは、入力ロッド133の前進ストロークX、戻しバネ140のバネ定数Kとして、次式
Fi=F1−Fv+K・X
で表すことができる。
そして、図4に示すように、入力ロッド133及びプランジャ131のストロークXが大気弁シール172と大気弁ポート176との距離Tを超えると、大気が大気弁ポート176、弁溝175及び係合通路174を介して変圧室108に導入される。図8中にFi=F1−Fv+K・Tとなる点S2を示す。このようにして定圧室107と変圧室108とが遮断され、変圧室108に大気が導入されることにより、定圧室107と変圧室108との間に差圧が生じ、パワーピストン106に推力が発生し、バルブボディ111が戻しバネ139のバネ力に抗して前進する。バルブボディ111は、ホルダ152、反力受部材153及びリアクション部材154を介して出力ロッド128によってマスタシリンダ110のプライマリピストン160を押圧する。このとき、プランジャ131の先端部が反力伝達部材155に当接し、マスタシリンダ110側からリアクション部材154に作用する反力の一部が反力伝達部材155を介してプランジャ131、すなわち、入力ロッド133にフィードバックされる。
その後、図5に示すように、バルブボディ111の前進により、大気弁シール172が大気弁ポート176を閉じて変圧室108が大気から遮断され、真空弁シール159が弁溝175を閉じた状態が維持されると、定圧室107と変圧室108との差圧が保持されてパワーピストン106の推力も一定に保持される。これにより、ブレーキペダル19の踏込み量を一定にした場合、パワーピストン106の推力、すなわち、マスタシリンダ110の液圧が一定に保持されることになる。
ブレーキペダル19を解放して入力ロッド133への入力を解除すると、図6に示すように、リアクション部材154からの反力及び戻しバネ140のバネ力により、バルブボディ111に対してプランジャ131及び入力ロッド133が後退し、大気弁シール172が大気弁ポート176を閉じて変圧室108を大気から遮断する。また、真空弁シール159が弁溝175を開き、定圧室107と変圧室108とを連通させ、これらの間の差圧が解消される。これにより、パワーピストン106の推力が消失し、パワーピストン106及びバルブボディ111が戻しバネ139のバネ力によって後退して、図3に示す非作動位置に戻る。
倍力装置101に入出力特性を図8に示す。図8において、曲線A1は、入力ロッド133(ブレーキペダル19)のストロークXと入力Fi(ブレーキペダル19の踏力)との関係を示し、曲線A2は、入力ロッド133のストロークXとマスタシリンダ110の液圧Pとの関係を示し、曲線A3は、入力ロッド133の入力Fiとマスタシリンダ110の液圧Pとの関係を示す。また、破線で表された曲線A1´は、ポペットタイプの真空弁及び大気弁を用いた従来の気圧式倍力装置の入力ロッドのストロークと入力(ブレーキペダルの等力)との関係を示している。
次に、コントローラ7によるブレーキ装置200の制御について説明する。
図8を参照して、倍力装置101は、入力ロッド133のストロークXが距離Tに達して、大気弁シール172が大気弁ポート176を開いてパワーピストン106の推力が発生し、出力ロッド128がプライマリピストン160を前進させてリザーバポートを閉じるまでは(図8中の距離M参照)、マスタシリンダ110で液圧が発生しない。このブレーキペダル19の操作に対してマスタシリンダ110で液圧が発生しない無効ストローク(図8中の距離T+M)の間、コントローラ7は、ストロークセンサ20によって検出した入力ロッド133(すなわちブレーキペダル19)のストロークに基づき、回生ブレーキ装置8により回生制動を行なうと共に、液圧制御装置5により、回生制動分を減じブレーキ液圧をホイールシリンダBa〜Bdに供給して、所望の制動力を得る回生協調制御を実行する。
マスタシリンダ110で液圧が発生した後、所定のストロークS3までは、マスタシリンダ110で発生する液圧に相当する液圧分を液圧制御装置5による供給液圧から減じる。そして、入力ロッド133のストロークXが所定のストロークS3に達した後は、倍力装置101によってホイールシリンダBa〜Bdに供給する全液圧を発生させる。回生協調制御による制動分に相当するマスタシリンダ110の液圧を図8中に斜線部で示す。入力ロッド133のストロークに対して、プランジャ131がリアクション部材155に当接するまでは、主に戻しバネ140のバネ力のみの反力が作用するので、良好なブレーキペダル19の操作フィーリングを得ることができる。
入力ロッド133のストロークXが所定ストローク(距離T+M)に達するまでは、マスタシリンダ110で液圧が発生しないので、回生制動を最大限に活用することができ、効率よくエネルギーを回収することができる。また、入力ロッド133のストロークにより、プランジャ131がリアクション部材155に当接するまでは、マスタシリンダ110の液圧の反力が入力ロッド133に作用しないので、液圧制御装置5の作動により、マスタシリンダ110の液圧に変動が生じた場合でも、ブレーキペダル19は、液圧の反力によるキックバックの影響を受けることがなく、良好な操作フィーリングを得ることができる。
案内ボア156内のカップ状の真空弁シール159の摺動により弁溝175を開閉して定圧室107と変圧室108との間を連通、遮断し、また、案内部材157内のカップ状の大気弁シール172の摺動により大気弁ポート176を開閉して変圧室108と大気とを連通、遮断するようにしたので、従来のポペットタイプの真空弁及び大気弁に比して、応答性及び開閉弁のタイミングの設定の自由度を持たせることができる。真空弁シール159及び大気弁シール172は、摺動部がリップ状に形成されているので摺動抵抗が小さい。プランジャ131の移動に対して、定圧室107、変圧室108及び大気の差圧による影響が小さく、また、主にリアクション部材155からの反力及び戻しバネ140のバネ力のみが作用するので、図9に示すブレーキペダル19の踏込み時と解放時との入出力特性の変化b(ヒステリシス)を小さくすることができ、良好な操作フィーリングを得ることができる。また、真空弁シール159及び大気弁シール172は、摺動部がリップ状に形成されているので、開閉弁のタイミングの精度を高めることができる。なお、図9において、入力は、ブレーキペダル19の踏力を表し、出力は、出力ロッド128の推力を表している。
大気弁シール172の場合を例に図7を参照して説明すると、図7(A)に示す閉弁状態と図7(B)に示す開弁状態との間で、大気弁シール172の軸方向の移動量に対して、大気弁ポート176の開弁量aを充分大きくすることができ、また、開弁量aのばらつきが小さくなる。
101…倍力装置(気圧式倍力装置)、104…ハウジング、106…パワーピストン、107…定圧室、108…変圧室、111…バルブボディ、128…出力ロッド、131…プランジャ、133…入力ロッド、156…案内ボア、157…案内部材(案内ボア)、159…真空弁シール(シール部材)、172…大気弁シール(シール部材)、175…弁溝(真空通路)、176…大気弁ポート(大気通路)

Claims (1)

  1. ハウジングと、
    該ハウジング内を定圧室と変圧室とに画成するパワーピストンと、
    該パワーピストンに連結され、内部に案内ボアが形成されるバルブボディと、
    該バルブボディの前記案内ボアに移動可能に挿入されたプランジャと、
    前記プランジャに連結された入力ロッドと、
    前記バルブボディに連結された出力ロッドと、
    前記定圧室と前記変圧室とを連通する真空通路と、
    前記定圧室を大気に開放する大気通路とを備え、
    前記バルブボディに対する前記プランジャの移動によって前記真空通路を閉じて前記定圧室と前記変圧室とを遮断し、前記大気通路を開いて前記変圧室に大気を導入し、前記定圧室と前記変圧室との間に生じる差圧によって前記パワーピストンを推進する気圧式倍力装置であって、
    前記真空通路と前記大気通路とは、前記バルブボディの軸方向に離間して前記案内ボアに開口し、
    前記プランジャには、前記案内ボアに摺接し、前記プランジャの移動に伴って前記真空通路及び前記大気通路をそれぞれ開閉して前記変圧室との連通を切り換える一対のカップ状のシール部材が軸方向に互いに離間して設けられていることを特徴とする気圧式倍力装置。
JP2011101478A 2011-04-28 2011-04-28 気圧式倍力装置 Active JP5780822B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011101478A JP5780822B2 (ja) 2011-04-28 2011-04-28 気圧式倍力装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011101478A JP5780822B2 (ja) 2011-04-28 2011-04-28 気圧式倍力装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012232638A JP2012232638A (ja) 2012-11-29
JP5780822B2 true JP5780822B2 (ja) 2015-09-16

Family

ID=47433419

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011101478A Active JP5780822B2 (ja) 2011-04-28 2011-04-28 気圧式倍力装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5780822B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6387564B2 (ja) * 2015-01-30 2018-09-12 日立オートモティブシステムズ株式会社 気圧式倍力装置
JP6635060B2 (ja) * 2017-01-26 2020-01-22 株式会社アドヴィックス 負圧式倍力装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001334923A (ja) * 2000-05-26 2001-12-04 Bosch Braking Systems Co Ltd マスタシリンダ
JP2008179183A (ja) * 2007-01-23 2008-08-07 Bosch Corp 負圧倍力装置およびこれを用いたブレーキ倍力装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012232638A (ja) 2012-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6012225B2 (ja) ブレーキ装置
JP5682008B2 (ja) 倍力装置及びこれを用いたブレーキ装置
US9499147B2 (en) Vehicle brake system
JP5891145B2 (ja) ブレーキ制御装置
WO2011125759A1 (ja) 車両用ブレーキ装置
EP2749466B1 (en) Tandem Master cylinder
JP2008162465A (ja) 車両用制動装置
JP5770937B2 (ja) 気圧式倍力装置およびブレーキ装置
CN107921935B (zh) 车辆制动设备
JP4470601B2 (ja) 車両用液圧ブレーキ装置
KR101593867B1 (ko) 실린더 장치
JP5780822B2 (ja) 気圧式倍力装置
JP5716901B2 (ja) 気圧式倍力装置
US20180118181A1 (en) Braking device for vehicle
JP2019059409A (ja) 車両用制動装置
US6491356B2 (en) Brake system
JP2013075596A (ja) 気圧式倍力装置
JP2014111407A (ja) 負圧倍力装置およびこれを用いたブレーキシステム
JP5875322B2 (ja) ブレーキ装置
JP2001097207A (ja) ブレーキシステム
WO2019131733A1 (ja) 車両用制動装置
JP5719661B2 (ja) マスタシリンダ
JP2014004861A (ja) 車両用制動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150617

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150714

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5780822

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250