JP4211665B2 - 車両用制動力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液圧の供給形態が異なる第1及び第2のブレーキ系統に対してアンチスキッド制御を行う車両用制動力制御装置に関するものである。
従来、例えば運転者のブレーキ操作と連動してマスターシリンダからの液圧を前輪のホイールシリンダへ供給し、一方でマスターシリンダとは別の油圧発生源から運転者のブレーキ操作に応じた液圧を後輪のホイールシリンダへ供給し制動力制御を行うものがあった(特許文献1参照)。
特許公報 第2653224号
上記従来例のような、機械的に制動力を発生させる第1のブレーキ系統と、制動力制御を行う第2のブレーキ系統とを比べると、制動力を増加させる時の応答特性は、やはり第1のブレーキ系統の方が優れている。そのため、制動時に車輪のロック傾向を検知して液圧をコントロール(以下、ABS作動と称す)するアンチスキッド制御を、双方のブレーキ系統に対して行うと、第2のブレーキ系統よりも第1のブレーキ系統の方が早くABS作動することになる。したがって、実際には第2のブレーキ系統のABS作動が遅れているだけなのに、第2のブレーキ系統の応答遅れ分だけ車両全体の制動力の増加量が不足していることによって、車両全体の制動力に対して第1のブレーキ系統のABS作動によりABS作動が早い、と運転者に感じさせてしまい、違和感を与える可能性がある。なお、アンチスキッド制御では、減圧時に、ホイールシリンダから抜いた液圧を一時的にリザーバへ蓄え、この液圧をポンプによってマスターシリンダへ戻すのが一般的であり、ポンプによって液圧がマスターシリンダに戻されるときのペダルキックバックやポンプの駆動音・振動等から運転者はABS作動を認識する。
そこで、本発明は上記の点に着目してなされたものであり、液圧の供給形態が異なる第1及び第2のブレーキ系統に対してアンチスキッド制御を行う場合に、一方のブレーキ系統でのABS作動によりABS作動が早い、という早期作動感を感じにくくすることができる車両用制動力制御装置を提供することを課題にしている。
上記の課題を解決するために、本発明に係る車両用制動力制御装置は、液圧の供給形態が異なる第1及び第2のブレーキ系統に対してアンチスキッド制御を行うものであって、アンチスキッド制御によって第1のブレーキ系統を減圧させたときの液圧を蓄えるリザーバと、このリザーバに蓄えられた液圧を液圧供給側に戻すポンプとを備え、第1のブレーキ系統のみで車輪のロック傾向を検知したら、第2のブレーキ系統で車輪のロック傾向が検知されるまで、ポンプを停止させることを特徴としている。
本発明に係る車両用制動力制御装置によれば、第1のブレーキ系統のみで車輪のロック傾向を検知したら、第2のブレーキ系統で車輪のロック傾向が検知されるまで、第1のブレーキ系統で減圧される液圧を液圧供給側に戻すポンプを停止させることによって、ポンプ駆動音や振動の発生を抑制することができ、第1のブレーキ系統でのABS作動によりABS作動が早い、という早期作動感を感じにくくすることができる。また、ポンプが、ロック傾向を検知した第1のブレーキ系統の液圧を、運転者のブレーキ操作と連動して液圧を発生させるマスターシリンダ側へ戻すものであれば、ポンプ駆動時のペダルキックバックが無くなるので、早期作動感を確実に感じにくくすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態を示す概略構成図である。ブレーキペダル1の操作と連動するタンデム式のマスターシリンダ2は、運転者のペダル踏力に応じた液圧を、左前輪のホイールシリンダ3FLと右前輪のホイールシリンダ3FRとに供給する。ブレーキペダル1とマスターシリンダ2との間には、例えばエンジンの負圧を利用してペダル踏力を倍力するバキュームサーボ式のブレーキブースタ4が介装されている。また、マスターシリンダ2と前輪のホイールシリンダ3FL・3FRとの間には、コントローラ5によって駆動制御され、ホイールシリンダ3FL・3FRの液圧を減圧、保持、増圧できるABSアクチュエータ6が介装されている。一方、任意の液圧を発生可能なBBWアクチュエータ7は、コントローラ5によって駆動制御され、運転者のブレーキ操作に応じた液圧を後輪のホイールシリンダ3RL・3RRに供給する。すなわち、前輪側は、運転者によるブレーキペダル1の機械的操作から油圧を伝達媒体にして制動力を発生させるハイドロリックブレーキで構成され、一方の後輪側は、運転者のブレーキ操作に応じた制動力制御を行うブレーキバイワイヤで構成されている。
ホイールシリンダ3FL〜3RRは、ディスクロータをブレーキパッドで挟圧して制動力を発生させるディスクブレーキや、ブレーキドラムの内周面にブレーキシューを押圧して制動力を発生させるドラムブレーキに内蔵されている。
ABSアクチュエータ6は、図2に示すように、マスターシリンダ2からの液圧を前輪ホイールシリンダ3FL・3FRへ供給するノーマルオープン型の増圧弁8L・8Rと、前輪ホイールシリンダ3FL・3FRの液圧を減圧するノーマルクローズ型の減圧弁9L・9Rと、前輪ホイールシリンダ3FL・3FRから抜いた液圧を一時的に蓄えるリザーバ10L・10Rと、リザーバ10L・10Rに蓄えられた液圧をマスターシリンダ2に戻すABSポンプ11と、で構成されている。すなわち、増圧弁8L・8Rを開放し、減圧弁9L・9Rを閉鎖するときに、運転者のブレーキ操作に応じて前輪ホイールシリンダ3FL・3FRの液圧を増圧できる。また、増圧弁8L・8Rと減圧弁9L・9Rとを共に閉鎖するときに、前輪ホイールシリンダ3FL・3FRの液圧を保持できる。また、増圧弁8L・8Rを閉鎖し、減圧弁9L・9Rを開放したときに、前輪ホイールシリンダ3FL・3FRの液圧を減圧でき、このときリザーバ10L・10Rに蓄えられた液圧がABSポンプ11によってマスターシリンダ2側へ戻される。したがって、コントローラ5は、これら増圧弁8L・8R、減圧弁9L・9R、及びABSポンプ11を駆動制御することにより、前輪ホイールシリンダ3FL・3FRの液圧を増圧、保持、減圧する。
BBWアクチュエータ7は、例えばマスターシリンダ2のリザーバタンク2aからブレーキ液を吸入して後輪ホイールシリンダ3RL・3RRに吐出するBBWポンプ12と、リザーバタンク2aからのブレーキ液をBBWポンプ12に供給するノーマルオープン型の吸込弁13と、後輪ホイールシリンダ3RL・3RRの液圧を減圧する減圧弁14と、で構成されている。すなわち、吸込弁13を開放し、減圧弁14を閉鎖し、且つBBWポンプ12を駆動するときに、後輪ホイールシリンダ3RL・3RRの液圧を増圧できる。また、吸込弁13と減圧弁14とを共に閉鎖するときに、後輪ホイールシリンダ3RL・3RRの液圧を保持できる。また、吸込弁13を閉鎖し、減圧弁14を開放するときに、後輪ホイールシリンダ3RL・3RRの液圧を減圧できる。したがって、コントローラ5は、これら吸込弁13、減圧弁14、及びBBWポンプ12を駆動制御することにより、後輪ホイールシリンダ3RL・3RRの液圧を増圧、保持、減圧する。
コントローラ5は、圧力センサ15で検出したマスターシリンダ圧Pmと、圧力センサ16で検出した前輪ホイールシリンダ圧Pfと、圧力センサ17で検出した後輪ホイールシリンダ圧Prと、車輪回転センサ18で検出した各車輪速Vwi(i=FL、FR、RL、RR)とを入力し、後輪に対する図3のBBW制御処理と、前後輪に対する図4のABS制御処理と、前輪に対する図5のポンプ駆動停止処理とを実行する。
先ず、コントローラ5で実行するBBW制御処理を、図3のフローチャートに基づいて説明する。
BBW制御処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込み処理として実行され、先ずステップS1で、下記(1)式に示すように、マスターシリンダ圧Pmから前輪制動力Ffを算出する。ここで、k1は係数である。
Ff=k1×Pm ………(1)
続くステップS2では、下記(2)式に示すように、マスターシリンダ圧Pmに応じて車両制動力Ftotalを算出する。
Ftotal=f(Pm) ………(2)
続くステップS3では、下記(3)式に示すように、車両制動力Ftotalから前輪制動力Ffを減じて後輪の目標制動力Frを算出する。
Fr=Ftotal−Ff ………(3)
続くステップS4では、後輪の目標制動力Frを制動力指令値としてBBWアクチュエータ7に出力してから所定のメインプログラムに復帰する。
次に、コントローラ5で実行するABS制御処理を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
ABS制御処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込み処理として実行され、先ずステップS11で、各車輪速Vwiのセレクトハイやセレクトセカンドや平均値などの何れかに基づいて車体速度Vを推定してから、下記(4)式に従って、各車輪のスリップ率Siを算出する。
Si=(V−Vwi)/V ………(4)
続くステップS12では、各スリップ率Siが所定値Sa以上であるか否かを判断する。この判定結果が、Si<Saであるときにはロック傾向にないと判断してステップS13に移行し、ABSを非作動状態にしてから所定のメインプログラムに復帰する。
一方、判定結果が、Si≧Saであるときには車輪がロック傾向にあると判断してステップS14に移行し、実際のスリップ率Siと目標スリップ率S*(例えば、10%程度)との差分に応じて各ホイールシリンダ圧の目標値を算出し、この目標値に基づいてABSアクチュエータ6とBBWアクチュエータ7とを駆動制御することによりABSを作動状態にしてから所定のメインプログラムに復帰する。
次に、コントローラ5で実行するポンプ駆動停止処理を、図5のフローチャートに基づいて説明する。
ポンプ駆動停止処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込み処理として実行され、先ずステップS31で、前輪でABS作動しているか否かを判定する。前輪でABS作動してなければ所定のメインプログラムに復帰し、ABS作動していればステップS32に移行する。
ステップS32では、後輪のABSが非作動であるか否かを判定する。後輪のABSが作動していれば所定のメインプログラムに復帰し、ABSが非作動であればステップS33に移行する。
ステップS33では、目標制動力Frに対応する後輪ホイールシリンダの目標圧と、後輪ホイールシリンダの実圧との差が所定以上であるか否か、すなわち実圧−目標圧≧所定値(例えば、1bar程度)であるか否かを判定する。この差が所定未満であれば所定のメインプログラムに復帰し、所定以上であれば後輪の制動力を増加させるときの応答特性が前輪に対して遅れていると判断してステップS34に移行する。
ステップS34では、後述する図6のリザーバ余裕量算出処理を実行し、前輪ホイールシリンダ3FL・3FRから抜いた液圧を蓄えられるリザーバ10L・10Rの余裕量を算出する。
続くステップS35では、リザーバ余裕量が所定以上(例えば、50%〜80%以上)であるか否かを判定する。リザーバ余裕量が所定未満であるときには所定のメインプログラムに復帰し、所定以上であればステップS36に移行する。
ステップS36では、ABSポンプ11を駆動停止状態に制御してから所定のメインプログラムに復帰する。
次に、上記のステップS34で実行するリザーバ余裕量算出処理を、図6のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS41で、図7の制御マップを参照し、単位時間あたりの前輪ホイールシリンダ3FL・3FRからの流入量ΔVinを前輪ホイールシリンダ圧Pfに応じて算出する。この制御マップは、前輪ホイールシリンダ圧Pfが増加するときに、徐々に大きくなる増加率で流入量ΔVinが増加するように設定されている。
続くステップS42では、図8の制御マップを参照し、単位時間あたりのABSポンプ11の吐出量ΔVoutをポンプ回転数に応じて算出する。この制御マップは、ポンプ回転数が増加するときに、一定の増加率で吐出量ΔVoutが増加するように設定されている。
続くステップS43では、下記(5)式に示すように、リザーバ10L・10Rに蓄えられた液量の増加分ΔVresを算出する。
ΔVres=ΔVin−ΔVout ………(5)
続くステップS44では、下記(6)式に示すように、現在のリザーバ液量Vresを算出する。ここで、Vres(n-1)は1サンプリング前のリザーバ液量である。
Vres=Vres(n-1)+ΔVres ………(6)
続くステップS45では、下記(7)式に示すように、リザーバ余裕量Vtを算出してからリザーバ余裕量算出処理を終了する。ここで、Vfullはリザーバ10L・10Rの容量である。
Vt=Vfull−Vres ………(7)
以上、ブレーキペダル1と、マスターシリンダ2と、前輪のホイールシリンダ3FL・3FRとが「第1のブレーキ系統」に対応し、図3のBBW制御処理と、BBWアクチュエータ7と、後輪のホイールシリンダ3RL・3RRとが「第2のブレーキ系統」に対応している。また、図4のABS制御処理が「アンチスキッド制御手段」に対応し、図5のポンプ駆動停止処理が「ポンプ駆動停止手段」に対応している。
次に、上記一実施形態の動作や作用効果について説明する。
今、運転者が急なブレーキ操作を行ったとすると、ブレーキ操作と連動してマスターシリンダ2からの液圧が前輪のホイールシリンダ3FL・3FRへ供給されると共に、ブレーキ操作に応じたBBWアクチュエータ7からの液圧が後輪のホイールシリンダ3RL・3RRに供給される。
このとき、制動力制御を行う後輪側では、コントローラ5による目標制動力Frの演算と、この目標制動力Frに応じたBBWアクチュエータ7の駆動制御とを行う分、液圧を増加させる時の応答特性が、機械的に制動力を発生させる前輪側に対して遅れてしまう。そのため、前後輪の各ブレーキ系統に対してアンチスキッド制御を行うと、後輪よりも前輪の方が早くABS作動することになる。したがって、実際には後輪のABS作動が遅れているだけなのに、後輪のブレーキ系統の応答遅れ分だけ車両全体の制動力の増加量が不足していることによって、車両全体の制動力に対して前輪のABS作動によりABS作動が早い、と運転者に感じさせてしまい、違和感を与える可能性がある。このアンチスキッド制御では、減圧時に、前輪ホイールシリンダ3FL・3FRから抜いた液圧を一時的にリザーバ10L・10Rへ蓄え、この液圧をABSポンプ11によってマスターシリンダ2へ戻すように構成されているので、ABSポンプ11によって液圧がマスターシリンダ2に戻されるときのペダルキックバックやABSポンプ11の駆動音・振動等から運転者はABS作動を認識する。
そこで、前輪のみでABSが作動し(ステップS31、S32の判定が共に“Yes”)、後輪ホイールシリンダ3RL・3RRの目標圧と実圧との差分が所定以上であり(ステップS33の判定が“Yes”)、且つリザーバ余裕量が所定以上であるときには(ステップS35の処理が“Yes”)、ABSポンプ11の駆動を停止する(ステップS36)。これにより、ABSポンプ11の駆動音や振動の発生を抑制できるので、前輪のABS作動によりABS作動が早い、という早期作動感を感じにくくすることができる。
このとき、ABSポンプ11の駆動は停止されても、増圧弁8L・8Rと減圧弁9L・9Rの駆動は継続されるので、増圧弁8L・8Rを閉鎖して前輪ロック傾向の増大を防止するというアンチスキッド制御の効果を確保できる。また、ABSポンプ11の駆動を停止することによって、前輪ホイールシリンダ3FL・3FRから抜いた液圧をマスターシリンダ2に戻すことができないので、後輪でABSが作動するまで(ステップS32の判定が“No”になるまで)の間は前輪ホイールシリンダ3FL・3FRを増圧できないが、極短時間のうちに後輪のABSが作動するので運転者に違和感を与えることはない。
また、ABSポンプ11が、前輪ホイールシリンダ3FL・3FRの液圧を、運転者のブレーキ操作と連動して液圧を発生させるマスターシリンダ2へ戻すように構成されているので、ポンプ駆動時のペダルキックバックを無くすことができ、早期作動感を確実に感じにくくすることができる。
また、後輪ホイールシリンダ3RL・3RRの目標圧と実圧との差分が所定未満であるときには(ステップS33の判定が“No”)、後輪ABSの作動遅れは、制動力を増加させるときの応答遅れが原因ではないと判断して、アンチスキッド制御によるポンプ駆動を許容する。これにより、単に前輪側の路面摩擦係数が後輪側に対して低いために後輪ABSの作動が遅れているとき等、ABSが適切に作動するときには、このABS作動を運転者に認識させて注意を喚起できる。
また、リザーバ余裕量が所定未満であるときには(ステップS35の処理が“No”)、減圧弁9L・9Rを開放しても十分な減圧ができないと判断して、アンチスキッド制御によるポンプ駆動を許容する。これにより、リザーバ10L・10Rに蓄えられた液圧をマスターシリンダ2に戻してリザーバ余裕量を増加させることができるので、摩擦係数が高い路面から低い路面へ移行するとき等、大きな減圧が必要とされるときのために、十分な減圧代を確保することができる。
なお、上記の一実施形態では、ステップS33の処理で、後輪ホイールシリンダ3RL・3RRの目標圧と実圧との差分が所定以上であるときに、後輪の制動力を増加させるときの応答特性が前輪に対して遅れていると判断しているが、これに限定されるものではない。制動力を増加させるときの応答遅れは、運転者のブレーキ操作が急であるほど顕著になると考えられる。そこで、図5のステップS33の処理を、図9に示すように、ブレーキ操作の速度や加速度に基づいて急なブレーキ操作であるか否かを判定するステップS53の処理に変更し、運転者の急なブレーキ操作であると判定されたときに、後輪の制動力を増加させるときの応答特性が前輪に対して遅れていると判断して、ABSポンプ11の駆動を停止するようにしてもよい。
また、上記の一実施形態では、ステップS36の処理で、ABSポンプ11の駆動を停止するだけの処理を行っているが、これに限定されるものではない。前述したように、リザーバ余裕量が所定未満であるときには、減圧弁9L・9Rを開放しても十分な減圧ができないと判断して、アンチスキッド制御によるポンプ駆動を許容せざるを得ない。そこで、リザーバ余裕量が所定未満になることを抑制するために、図5のステップS36の処理を、図10に示すように、ABSポンプ11の駆動を停止すると共に、減圧弁9L・9Rを閉鎖するように減圧制御量を制限するステップS56に変更し、後輪ホイールシリンダ3RL・3RRの減圧を制限するようにしてもよい。これによって、ポンプ駆動を許容する頻度を少なくすることができ、早期作動感を感じにくくすることができる。また、ステップS56で減圧制御量を制限した分は、保持制御をするようにすればよい。
また、上記の一実施形態では、BBWアクチュエータ7で任意の液圧を後輪ホイールシリンダ3RL・3RRに供給して制動力制御を行っているが、これに限定されるものではなく、例えば電動アクチュエータを駆動制御して、ディスクロータをブレーキパッドで挟圧(或いはブレーキドラムの内周面にブレーキシューを押圧)する電動ブレーキを用いてもよい。要は、ブレーキバイワイヤで後輪の制動力制御を行うことがでればよいので、電子制御可能なエネルギー源を備えていれば、如何なるブレーキでもよい。
また、上記の一実施形態では、運転者のブレーキ操作と連動して機械的に制動力を発生するブレーキ系統と、運転者のブレーキ操作に応じて制動力制御を行うブレーキ系統とを前後輪で分割する前後分割方式を採用したが、これに限定されるものではなく、左前輪及び右後輪と、右前輪及び左後輪とで分割するX分割方式を採用してもよい。勿論、分割したブレーキ系統は、相互に入れ替え可能である。また、ABSアクチュエータ6とBBWアクチュエータ7とは一体であってもよい。
また、複数のブレーキ系統で応答遅れが生じるものであれば、実施形態は問わず、必ずしもメカブレーキとバイワイヤブレーキとのハイブリッドブレーキシステムでなくてもよい。
また、上記の一実施形態では、マスターシリンダ圧Pmに応じて前輪制動力Ffや車両制動力Ftotalを算出しているが、これに限定されるものではなく、ブレーキペダル1の操作量から検出してもよい。また、車両制動力Ftotalから前輪制動力Ffを減じて後輪目標制動力Frを算出しているが、これに限定されるものではなく、運転者のブレーキ操作に応じて算出できればよいので、マスターシリンダ圧Pmやブレーキペダル1の操作量(ストローク又は踏力)から算出してもよい。
本発明の実施形態を示す概略構成図である。 ABSアクチュエータとBBWアクチュエータの油圧回路である。 BBW制御処理を示すフローチャートである。 ABS制御処理を示すフローチャートである。 ポンプ駆動停止処理を示すフローチャートである。 リザーバ余裕量算出処理を示すフローチャートである。 流入量ΔVinの算出に用いる制御マップである。 吐出量ΔVoutの算出に用いる制御マップである。 ポンプ駆動停止処理の他の一例を示すフローチャートである。 ポンプ駆動停止処理の他の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ブレーキペダル
2 マスターシリンダ
2a リザーバタンク
3FL・3FR 前輪ホイールシリンダ
3RL・3RR 後輪ホイールシリンダ
4 ブレーキブースタ
5 コントローラ
6 ABSアクチュエータ
7 BBWアクチュエータ
8L・8R 増圧弁
9L・9R 減圧弁
10L・10R リザーバ
11 ABSポンプ
12 BBWポンプ
13 吸込弁
14 減圧弁
15、16、17 圧力センサ
18 車輪回転センサ

Claims (7)

  1. 液圧の供給形態が異なる第1及び第2のブレーキ系統と、制動時の車輪のロック傾向を検知して液圧を制御するアンチスキッド制御を、前記第1及び第2のブレーキ系統に対して行うアンチスキッド制御手段と、を備えた車両用制動力制御装置において、
    前記アンチスキッド制御手段は、前記第1のブレーキ系統を減圧させたときの液圧を蓄えるリザーバと、該リザーバに蓄えられた液圧を液圧供給側に戻すポンプとを備え、
    前記第1のブレーキ系統のみで車輪のロック傾向を検知したときに、前記第2のブレーキ系統で車輪のロック傾向が検知されるまで、前記ポンプの駆動を停止させるポンプ駆動停止手段を備えることを特徴とする車両用制動力制御装置。
  2. 前記ポンプは、前記第1のブレーキ系統の液圧を、運転者のブレーキ操作と連動して液圧を発生するマスターシリンダ側へ戻すように構成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用制動力制御装置。
  3. 前記ポンプ駆動停止手段は、前記第2のブレーキ系統で制動力を増加させるときの応答特性が前記第1のブレーキ系統に対して遅れているときに、前記アンチスキッド制御手段による前記ポンプの駆動を停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用制動力制御装置。
  4. 前記ポンプ駆動停止手段は、運転者の急なブレーキ操作を検知したときに、前記第2のブレーキ系統で制動力を増加させるときの応答特性が前記第1のブレーキ系統に対して遅れていると判断することを特徴とする請求項3に記載の車両用制動力制御装置。
  5. 記ポンプ駆動停止手段は、前記リザーバの容量の余裕が所定以上あるときに、前記アンチスキッド制御手段による前記ポンプの駆動を停止させることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用制動力制御装置。
  6. 前記アンチスキッド制御手段は、前記ポンプ駆動停止手段によって前記ポンプの駆動を停止されている間、前記第1のブレーキ系統の減圧を制限することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の車両用制動力制御装置。
  7. 前記アンチスキッド制御手段は、前記第1のブレーキ系統の液圧を保持制御することによって、当該第1のブレーキ系統の減圧を制限することを特徴とする請求項6に記載の車両用制動力制御装置。
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