JP4758389B2 - 制動力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者が制動操作を行ったときに、運転者による制動操作に対応する圧力よりも高い制動液圧を供給するブレーキアシスト制御と、制動時に車輪がロックするのを防止するアンチロックブレーキ制御を行うブレーキ制御装置に関する。
従来、運転者の緊急制動操作を検知した場合や、ブレーキフェードにより運転者の制動操作では運転者の意図する十分な制動力が得られない場合等に、運転者の制動操作に対応する圧力よりも高い制動液圧を供給する制動装置が知られている。このように運転者の制動操作に対応する圧力よりも高い制動液圧を供給することで、運転者の意図する制動力を発生させることができるブレーキ制御を、ブレーキアシスト制御(以下、BA制御)と称している。
また、制動時に車輪のスリップが過大となった場合に、その車輪のホイルシリンダ圧を適切に操作する、アンチロックブレーキ制御(以下、ABS制御)も周知の技術である。したがって、上記BA制御においても、ABS制御と組み合わせることによって車輪に過大なスリップを発生させること無く、大きな制動力を発生させることが可能となる。
上記BA制御およびABS制御は、例えば特許文献1に記載されるが如く、マスタシリンダとホイルシリンダとを結ぶブレーキ回路の途中に、これらの導通状態を制御するゲート弁と、ゲート弁よりホイルシリンダ側において連通する1系統2輪分のホイルシリンダへの導通状態を制御する保持弁と、ポンプと、マスタシリンダとポンプの吸入孔との導通状態を制御する吸入弁と、ポンプの吸入孔に連通するリザーバと、リザーバとホイルシリンダとの導通状態を制御する減圧弁とを備える装置において実現される。
上記装置において、BA制御が開始されると、吸入弁を開弁状態とし、かつポンプを作動状態とすることで、マスタシリンダ側のブレーキ液をポンプによって圧送させ、この際にゲート弁を閉弁状態とし、保持弁を開弁状態とし、減圧弁を閉弁状態とするとホイルシリンダ圧をポンプの吐出量に応じて増圧させることができる。すなわち、運転者による制動操作に対応する圧力よりも高い制動液圧を供給できる。
また、上記BA制御状態から、吸入弁を閉弁状態とし、かつ保持弁を閉弁状態とし、減圧弁を開弁状態とすると、ホイルシリンダとリザーバが導通し、ブレーキ液がリザーバへ流れることにより減圧が可能となる。制動時に車輪のスリップが過大となり、ホイルシリンダの減圧が必要な場合、上記減圧手段によって減圧を行い車輪のスリップを制御することができる。このような手段によってBA制御中におけるABS制御を実現することができる。
上記減圧手段によって、ホイルシリンダの減圧によりリザーバに流れ込んだブレーキ液は、連通するポンプの吸入孔へと導かれ、ポンプによって圧送される。このとき、上記減圧手段実施中においては、ゲート弁、保持弁が共に閉弁状態であるために、ゲート弁,保持弁及びポンプの吐出孔との間の高圧油路が遮断された状態となる。この高圧油路が遮断状態でポンプによってリザーバ内のブレーキ液が圧送されると、高圧油路の圧力が更に上昇する。特許文献1に記載の技術にあっては、ゲート弁にリリーフ弁が内蔵されており、高圧油路の液圧がマスタシリンダ圧に比べて所定のリリーフ圧となった場合に、高圧油路からマスタシリンダ側へ向かうブレーキ液の流れを許可する構造とし、高圧油路における過度の増圧を防止している。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、高圧油路における過度の増圧を防止するため、前記ゲート弁にリリーフ弁を内蔵する手段をとっており、このような手段ではコストがかかる上、弁自体が大型化する。
そこで、特許文献2に記載の技術にあっては、リリーフ弁を内蔵させる構成に代えて、リリーフ手段としてゲート弁にリリーフ圧を変化させられるリニアソレノイド弁を利用し、高圧油路における過度の増圧を防止している。
特開平11−20640号公報 特開2006−51592号公報
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、リリーフ弁を必要としないため、リリーフ弁を内蔵するのに係るコストや大型化は回避できたとしても、リニアソレノイド弁を採用する必要がある。このリニアソレノイド弁は、コストがかかる上、弁自体が大型化する問題は解決されない。例えば電流に対する開度の関係を確保するには、ソレノイド自体が大型化し、また、制御性を確保する必要があるからである。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、廉価な構成でBA制御とABS制御とを同時に制御できる制動力制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、運転者の制動操作に対応する液圧を発生させるマスタシリンダと、
前記マスタシリンダと導通可能な吸入孔を有するポンプと、
前記マスタシリンダと前記ポンプの吸入孔との導通状態を制御する吸入弁と、
前記マスタシリンダおよび前記ポンプの吐出孔の双方と導通可能なホイルシリンダと、
前記マスタシリンダと前記ホイルシリンダとを結ぶブレーキ回路の途中にあって、これらの導通状態を制御するゲート弁と、
前記ゲート弁よりホイルシリンダ側において連通する1系統2輪分のホイルシリンダへの導通状態をそれぞれ制御する保持弁と、
前記ホイルシリンダおよび前記ポンプの吸入孔の双方と導通可能なリザーバと、
前記ホイルシリンダと前記リザーバとの導通状態を制御する減圧弁と、
前記ゲート弁を閉弁状態、前記吸入弁を開弁状態、前記保持弁を開弁状態、前記減圧弁を閉弁状態とし、前記ポンプを駆動して前記マスタシリンダにより発生した制動力を補助するブレーキアシスト制御を実行するブレーキアシスト手段と、
前記マスタシリンダ、前記ホイルシリンダ、前記ポンプ、前記リザーバとの導通状態を制御する処理と、前記ポンプを作動状態とする処理とを含み、車輪のロックを回避すべく前記ホイルシリンダの液圧を増減圧制御するアンチロックブレーキ制御を実行するアンチロックブレーキ手段と、
を備えた制動力制御装置において、
前記アンチロックブレーキ手段は、前記ブレーキアシスト制御中であって、かつ、前記ホイルシリンダの液圧が前記マスタシリンダの液圧より高圧のときは、前記アンチロックブレーキ制御による減圧要求に対し、前記ゲート弁を開弁状態として前記ホイルシリンダの減圧動作を行う第1減圧手段と、
前記ブレーキアシスト制御中であって、かつ、前記ホイルシリンダの液圧が前記マスタシリンダの液圧より低圧のときは、前記アンチロックブレーキ制御による減圧要求に対し、前記ゲート弁を開弁状態、前記吸入弁を閉弁状態、前記保持弁を閉弁状態、前記減圧弁を開弁状態として前記ホイルシリンダの減圧動作を行う第2減圧手段を有することを特徴とする。
すなわち、ゲート弁,保持弁及びポンプの吐出側との間で構成される油路を高圧油路としたとき、ブレーキアシスト制御中における高圧油路の液圧は、アンチロックブレーキ制御の減圧要求時に第1減圧手段が実行されることで、ゲート弁が開弁して減圧される。これにより、高圧油路の液圧はアンチロックブレーキ制御の減圧要求時の液圧、すなわち車輪ロック圧以上とならない。よって、高圧油路に対して余剰な液圧を加えることが無く、リリーフ弁やソレノイド弁のように高価なリリーフ手段が無くともブレーキアシスト制御とアンチロックブレーキ制御とを同時に制御することができる。
以下、本発明の最良の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例である制動力制御装置のシステム構成図である。本実施例の制動力制御装置では、左前輪FLおよび右後輪RRを含む第1系統Pと、右前輪FRおよび左後輪RLを含む第2系統Sを含む。これら2つの系統は構成において同一である。このため、以下の記載においては、第1系統Pの構成および動作に関して説明する。すなわち、第2系統の構成および動作は以下の記載において、P(系統)をS(系統)にFLをFRに、RRをRLに変換して考えればよい。
実施例1の制動力制御装置は、コントロールユニット(以下ECU)により制御される。制動力制御装置は、ブレーキペダルBPを備え、ブレーキペダルBPはバキュームブースタBBへ連結されている。このバキュームブースタBBにて運転者のブレーキ踏力を増大させ、これによりマスタシリンダMCに液圧が発生する。マスタシリンダMCは2つの液圧室を有するタンデム型であり、それぞれ第1系統Pと第2系統Sに連通している。
第1系統Pの液圧通路H0Pには、液圧センサPSMが配置されており、液圧通路H0Pの液圧、すなわちマスタシリンダMCが発生する液圧を電気信号に変換してECUに供給し、ECUにてマスタシリンダ液圧PMCを検出する。
液圧通路H0Pには、ゲート弁GVOPを介して高圧油路H1Pが接続されている。ゲート弁GVOPは、非制御状態で開弁状態を維持し、ECUより駆動信号が供給されると、液圧通路H0Pと高圧油路H1Pとの連通状態を遮断する常開型の電磁弁である。ゲート弁GVOPには並列してチェック弁CVPが配置されている。チェック弁CVPは高圧油路H1Pから液圧通路H0Pへと向かうブレーキ液の流れのみを許容する一方向弁となっている。
高圧油路H1Pは、保持弁SIFL,SIRRを介し、それぞれホイルシリンダ液圧路H2FL,H2RRに連通している。保持弁SIFL,SIRRは、非制御状態で開弁状態を維持し、ECUより駆動信号が供給されると、高圧油路H1Pとホイルシリンダ液圧路H2FL,H2RRとの連通状態を遮断する常開型の電磁弁である。
保持弁SIFL,SIRRには並列してチェック弁CVFL,CVRRがそれぞれ配置されている。チェック弁CVFL,CVRRは、ホイルシリンダ液圧路H2FL,H2RRから高圧油路H1Pへと向かうブレーキ液の流れのみを許容する一方向弁となっている。ホイルシリンダ液圧路H2FL,H2RRは、ホイルシリンダWCFL,WCRRにそれぞれ連通している。
また、各車輪には液圧センサPSFL,PSRRが配置されており、各ホイルシリンダが発生する液圧を電気信号に変換してECUに供給し、ECUにてホイルシリンダ液圧PWCFL(RR)を検出する。
同時に、各車輪には車輪速センサVWFL,VWRRが設置されており、車輪速VWに応じた周期でパルス信号を出力する。車輪速センサVWFL,VWRRの出力信号はECUに供給され、ECUにて車輪速VWFL(RR)を検出する。
ホイルシリンダ液圧路H2FL,H2RRは、減圧弁SOFL,SORRを介して減圧路H3Pと連通している。減圧弁SOFL,SORRは、非制御状態で閉弁状態を維持し、ECUより駆動信号が供給されると、ホイルシリンダ液圧路H2FL、H2RRと減圧路H3Pとを開通させる常閉型の電磁弁である。
減圧路H3Pは、リザーバRSVPに連通している。リザーバRSVPはその内部にピストンおよびスプリングを内蔵しており、スプリングを弾性変形させることにより、ブレーキ液を蓄えることができる。
リザーバRSVPは、一方向弁CVRPを介して吸入路HPPへ連通している。吸入路HPPは、ポンプPMPPの吸入側に連通している。ポンプPMPPの吐出側は高圧油路H1Pに連通している。また、吸入路HPPは、吸入弁GVIPを介して液圧通路H0Pに連通している。吸入弁GVIPは、非制御状態で閉弁状態を維持し、ECUより駆動信号が供給されると、液圧通路H0Pと吸入路HPPとを開通させる常閉の電磁弁である。
ポンプPMPPは、ECUの指令供給によってモータMOTが駆動することによって、リザーバPSVPに蓄えられたブレーキ液もしくは、吸入弁GVIPを開弁することによって液圧通路H0Pより流れ込んだブレーキ液を高圧油路H1Pに送り出すことが出来る。
BA制御は、運転者の緊急制動操作を検知した場合や、ブレーキフェードなどにより運転者の制動操作では運転者の意図する十分な制動力が得られない際に、ホイルシリンダ液圧をマスタシリンダ液圧よりも高圧にして、運転者の制動操作をアシストするものである。このアシスト制御では、ゲート弁GVOPを閉弁させて、液圧通路H0Pと高圧油路H1Pを遮断させ、かつ、吸入弁GVIPを開弁させて液圧通路H0Pと吸入路HPPを開通させ、モータMOTを駆動してポンプPMPPにより吸入路HPPに流れ込んだブレーキ液を高圧油路H1Pに送り出すことにより、ホイルシリンダ液圧をマスタシリンダ液圧よりも高圧状態にすることができる。
また、BA制御中に、車輪のスリップが過大となった場合、その車輪のホイルシリンダ液圧を適切に制御するABS制御が実施される。ABS制御の原理は周知であり、簡単に説明すると、各車輪速センサVWFL、VWFR、VWRL、VWRRからの入力に基づいて、制動時の車輪スリップを演算し、スリップが所定以上となった場合、その車輪のホイルシリンダ液圧を減圧させて車輪ロックを回避した後、車輪速が制動に最も有効なスリップとなるように適宜、増減圧、保持を行うものである。
実施例1の制動力制御装置において、BA制御が開始されると、ホイルシリンダ液圧はマスタシリンダ液圧よりも高圧となり、何れかの車輪において、ABS制御開始閾値を超えるスリップが発生することがある。ECUはBA制御中にABS制御要求を認めると、BA制御とABS制御を同時に実行する。以下このような状態をBA制御中ABS制御と称す。
上述したように、BA制御中においても、車輪がスリップしたときは、確実にABS制御による減圧を確保する必要がある。そのため、BA制御中であっても、吸入路HPP内の液圧は、所定の負圧となるように吸入弁GVIPを閉弁、もしくは開弁時間や周期を制御している。すなわち、ABS制御によって減圧弁からブレーキ液が排出されるとリザーバRSVPにブレーキ液が流れ込む。この流れ込んだブレーキ液はほぼ大気圧であるため、仮に吸入路HPPが大気圧程度であると、必ずしもリザーバRSVPに流れ込んだブレーキ液が吸入されるとは言えない。すると、次回の減圧制御によってブレーキ液を排出しようとしてもリザーバRSVPがブレーキ液を貯留できずABS制御を適正に実行できなくなる。
そこで、吸入路HPPを所定の負圧となるように制御することで、リザーバRSVPに流れ込んだブレーキ液は必ずポンプPMPPによって吸入される。これにより、リザーバRSVP内に貯留されたブレーキ液がいつまでも残ってしまうことが無く、常に減圧制御を実行可能に構成している。
図2は、BA制御中ABS制御を実施すべく、ECUが実行する制御ルーチンのフローチャートである。図2は制御サイクル毎に実行され、かつ、各輪に関して処理が行われる。同時に、図3に示すタイムチャートにて、上記BA制御中ABS制御における車輪速度およびマスタシリンダ、ホイルシリンダ液圧波形、ホイルシリンダ圧とマスタシリンダ圧の差圧の波形動作例を示す。
なお、図3の時間の区切りは、主として減圧のタイミングに重点をおいて示している。また、図3において、説明の都合上、第一系統であるFL輪、RR輪に関しての例を示しているが、これを第二系統に置き換えても、図3中のFL輪とRR輪の上下関係を逆に考えても、上記BA制御中ABS制御の成立性は変わらない。
まず、図2中ステップ101にてBA制御中であるかどうかを判定し、BA制御中と判断された場合、ステップ102が実行される。
ステップ102では、ECUの指令供給によってモータMOTが駆動することによってポンプPMPPが駆動される。尚、モータMOTの駆動はBA制御開始と同時に適宜設定された目標回転数に一致するように継続して駆動されており、BA制御中ABS制御では、すでにモータMOTは駆動していると考えてよい。
図3においては、時間t1にてBA制御要求が発生し、ステップ103→107→109が実行され、ゲート弁GVOPが閉弁され、吸入弁GVIPが開弁し、液圧通路H0Pと吸入路HPPが開通し、ブレーキ液が吸入路HPPへ流入し、流入したブレーキ液はポンプPMPPによって高圧油路H1Pへ吐出される。
高圧油路H1Pへ流入したブレーキ液は、ホイルシリンダ液圧路H2FL、H2RRに流れ込み、その結果ホイルシリンダ圧PWCFL、PWCRRがマスタシリンダ圧PMCより高圧状態に導かれる。以下、この状態をポンプアップ増圧と称す。ポンプアップ増圧の増圧量は、吸入弁GVIPの開弁時間または、ポンプPMPPを駆動するモータMOTの回転数により制御可能である。
次にステップ103ではABS制御中であるかどうかを判断する。図3において、擬似車体速VIは各車輪速センサVWFL,VWFR,VWRL,VWRRからの入力に基づいて作成される。ABS制御の開始は、擬似車体速VIに対して所定のスリップ量となる値に演算されたABS介入閾値を、4輪何れかの車輪速度が下回った時となる。ABS制御中である場合はステップ104、ABS制御中ではない場合はステップ107が実行される。
ステップ107では、ゲート弁GVOPが閉弁され、続いてステップ108が実行される。ステップ108では、保持要求の有無が判断される。保持要求はBA制御において、運転者の制動操作に応じたアシスト量の最大値を超えた場合に発生する。保持要求が無いと判断された場合はステップ109が実行され、吸入弁GVIPを開き、ホイルシリンダのポンプアップ増圧が継続される。一方、保持要求が有ると判断された場合、ステップ110にて吸入弁GVIPが閉弁され、液圧通路H0Pからポンプ吸入孔へのブレーキ液流入が遮断されることによって保持が行われる。
一方、ステップ103にて、ABS制御中と判断された場合、ステップ104が実行され、ステップ104では減圧要求の有無を判断し、減圧要求が有る場合はステップ105、減圧要求が無い場合はステップ106が実行される。
ステップ105では図4に示す、BA制御中ABS減圧制御が実施される。なお、図4中PWCXX,PWCYYにおいて、XXは演算車輪、YYは演算輪に対して同系統で連通するもう一方の車輪を表す。例えば、実施例1のようなX配管の場合、XX=FLのときYY=RRのようになる。以下、例としてFL輪に関して(XX=FL、YY=RRの場合について)説明するが、これを別系統に置き換えて考えても、上記BA制御中ABS制御の成立性は変わらない。
〔BA制御中ABS減圧制御〕
図4は、BA制御中ABS減圧制御処理を表すフローチャートである。
ステップ201ではホイルシリンダ圧PWCFLとマスタシリンダ圧PMCとの差圧PWCMCが所定液圧α1以下であるかどうかを判断する。これにより、上記差圧PWCMCが小さい領域に対し、ステップ201における判断において、オフセット量α1により、ゲート弁GVOPで確実に減圧可能な領域を調整できる。
ステップ201において、ホイルシリンダ圧PFLとマスタシリンダ液圧PMCとの差圧が所定液圧α1以下であると判断された場合、ステップ202が実行される。一方、ホイルシリンダ圧PFLとマスタシリンダ圧PMCとの差圧が所定液圧α1以下ではないと判断された場合は、ステップ203が実行される。
ステップ202では、各車輪速センサVWFL、VWFR、VWRL、VWRRからの入力に基づいてECUで演算されたスリップが、所定値β1以上であるかを判断する。ステップ202にてスリップが所定値β1以上と判定された場合、ステップ203が実行される。一方、スリップが所定値β1より小さい場合には、ステップ204が実行される。
一方、ステップ203では、例えば処理を行っている車輪が左前(FL)輪に関しての場合、1系統で連通するもう一方の車輪(RR)のホイルシリンダ圧(PWCRR)がマスタシリンダ圧PMCより高圧であるかどうかを判断する。1系統で連通するもう一方の車輪(RR)のホイルシリンダ圧(PWCRR)がマスタシリンダ圧PMCより高圧側である場合、ステップ205が実行される。反対に低圧側である場合、ステップ208が実行される。
また、ステップ204では該当車輪(左前)のホイルシリンダ圧(PWCFL)が1系統の連通するもう一方の車輪(右後)のホイルシリンダ圧(PWCRR)に対して高圧側かどうかを判断する。判断方法はたとえば、それぞれのホイルシリンダ液圧の大小関係より判断する方法などが考えられる。
ステップ204にて該当車輪(左前)のホイルシリンダ圧(PWCFL)が1系統の連通するもう一方の車輪(右後)のホイルシリンダ圧(PWCRR)に対して高圧側である場合には、ステップ206が実行される。具体的には、ゲート弁GVOPが開弁状態、吸入弁GVIPが閉弁状態、保持弁SIFLが開弁状態とされ、該当車輪(左前)のホイルシリンダ圧を発生させているブレーキ液は、ホイルシリンダ圧(PWCFL)とマスタシリンダ液圧PMCとの差圧を利用して、ホイルシリンダ液圧路H2FL、高圧油路H1P、液圧通路H0Pの流路にて流出し、ホイルシリンダ圧が減圧される。
一方、ステップ204にて該当車輪(左前)のホイルシリンダ圧(PWCFL)が1系統の連通するもう一方の車輪(右後)のホイルシリンダ圧(PWCRR)に比して低圧側である場合には、ステップ205が実行される。
ステップ205では、保持弁SIFLが閉弁され、減圧弁SOFLが開弁されることにより、ホイルシリンダ液圧路H2FL、減圧路H3P、リザーバRSVPの流路にて流出し、ホイルシリンダ圧が減圧される。また、1系統のうち、もう一方の保持弁SIRRは閉弁し、ホイルシリンダ液圧路H2RRと高圧油路H1Pは遮断される。
ステップ207では、高圧油路過増圧防止手段が実行される。高圧油路過増圧防止手段とは、ホイルシリンダから減圧されたブレーキ液がポンプPMPPにより高圧油路H1Pへ余分に流れ込むことで高圧になることを防止するものであり、詳細については後述する。
ステップ208では保持弁SIFLが閉弁され、減圧弁SOFLが開弁され、ゲート弁GVOPが開弁される。この状態では連通する1系統の両方の車輪ホイルシリンダ圧(PWCFL,PWCRR)が共にマスタシリンダ液圧PMCよりも低圧となる状態であり、ゲート弁GVOPを開弁する。
次に実際に、図3に示す実施例1におけるBA制御中ABS制御波形の例使って、減圧制御の流れを説明する。
図3における時間t2にて右後車輪速VWRRのスリップ量がABS介入閾値下回り、ABS制御が開始され、まずロックを回避するための減圧要求が発生する。このとき、右後車輪RRにおける図4のBA制御中ABS減圧制御処理(図4においてXX=RR、YY=FL)におけるステップ201にて、同系統の他方輪FLより低圧であることから、ステップ203に移行する。ステップ203において、ホイルシリンダ圧PWCFLは、マスタシリンダ圧PMCより高圧であることから、ステップ205へ移行する。ステップ205において、RR輪保持弁SIRRが閉弁され、減圧弁SORRが開弁されることにより、減圧要求値に応じた減圧が実行される。
このとき、減圧弁SORRを開弁することにより右後輪RRのホイルシリンダWCRRから流出したブレーキ液は、リザーバRSVP、ポンプPMPPを経由して高圧油路H1Pへ吐出される。このとき、ゲート弁GVOP、保持弁SIRRは閉弁、保持弁SIFLは開弁しているため、高圧油路H1P流れ込んだブレーキ液は、そのまま保持弁SIFLを通って左前輪のホイルシリンダ通路H2FLへ流れ込むことになり、BA制御またはABS制御手段で意図した以上の増圧が発生することになる。
このため、ステップ205実行後にステップ207が実行され、図5に示すような高圧油路過増圧防止手段によって演算された平衡開弁時間tvbだけ、ゲート弁を開弁する処理によって、高圧油路H1Pのブレーキ液量の平衡を保つ。本処理の詳細は後述する。
図3における時間t3にて、左前車輪速VWFLのスリップ量がABS介入閾値を下回ると、減圧要求が発生する。このとき、左前輪FLにおける図4のBA制御中ABS減圧制御処理(図4においてXX=FL、YY=RR)では、ステップ201→202→204→206となり、ゲート弁GVOPが開弁され、かつ吸入弁GVIPが閉弁され、かつ保持弁SIFLが開弁され、減圧要求値に応じた減圧が実行される。
このとき、同系統の他方輪である右後輪RRは、時間t2の時点で減圧を行い、保持弁SIRRが閉弁されており、右後輪ホイルシリンダ液圧路H2RRと高圧油路H1Pが遮断されているため、ゲート弁GVOPが開弁しても右後輪RRのホイルシリンダWCRRが減圧することは無い。
次に時間t4にて、左前車輪速VWFLのスリップ量がABS制御の減圧閾値を下回り、減圧要求が発生する。ABS制御の減圧閾値は、各車輪速センサVWFL,VWFR,VWRL,VWRRからの入力に基づいて作成された擬似車体速VIに対して、所定のスリップ量にて演算され、前記ABS介入閾値よりもスリップ量閾値が小さく設定されており、車輪速がこの閾値を下回ると、該当輪に減圧要求が発生する。
このとき、図4のBA制御中ABS減圧制御処理(図4においてXX=FL、YY=RR)では、上記と同じでステップ201→202→204→206となり、ゲート弁GVOPが開弁され、かつ吸入弁GVIPが閉弁され、かつ保持弁SIFLが開弁され、減圧要求値に応じた減圧が実行される(以下、ゲート弁GVOPを用いた減圧制御を第1減圧手段と記載する)。しかしながら、時間t4〜t5間のように、時間t4における減圧によってもなお車輪スリップがさらに大きくなる場合、さらに減圧要求が発生する。
ところがこの領域では、ホイルシリンダ圧PWCFLとマスタシリンダ圧PMCとの差圧が小さくなっており、ゲート弁GVOP開弁による減圧が満足に行えず、ABS制御を行うためのホイルシリンダ液圧の制御性が劣化する。
そこで時間t5にて、ステップ201において、ホイルシリンダ圧PWCFLとマスタシリンダ圧PMCとの差圧が所定(α1)以上の条件が成立せず、ステップ203が実行される。ステップ203にて同系統の一方のホイルシリンダ圧PWCRRはマスタシリンダ圧以上ではないため、ステップ208が実行され、ゲート弁GVOPが開弁状態、保持弁SIFLが閉弁状態、減圧弁SOFLが開弁状態とされ、ホイルシリンダ圧PWCFLは減圧要求どおりに減圧される(以下、減圧弁SOFLを用いた減圧制御を第2減圧手段と記載する)。
すなわち時間t5のタイミングでホイルシリンダ圧PWCFLの主となる減圧制御弁をゲート弁GVOPから減圧弁SOFLへ切り替え、ホイルシリンダ液圧の制御性を確保することができる。
時間t6にて、右後車輪速VWRRのスリップ量がABS制御の減圧閾値を下回り、減圧要求が発生する。このときの図4のBA制御中ABS減圧制御処理(図4においてXX=RR、YY=FL)では、ステップ201→203となる。ステップ203にて同系統の一方のホイルシリンダ圧PWCFLがマスタシリンダ圧以上であると判断されるため、ステップ205が実行される。ステップ205では、該当車輪である右後RRにおける保持弁SIRRが閉弁され、減圧弁SORRが開弁し、ホイルシリンダ圧PWCRRは減圧要求どおりに減圧される。
時間t7にて、左前車輪速VWFLのスリップ量がABS制御の減圧閾値を下回り、減圧要求が発生する。このときの動作は上記時間t4と同様である。しかし、その後の時間t7〜t8のように、スリップが急激に大きくなった場合、時間t5での動作として前述した差圧による制御切り替え判定では切り替えが遅い場合がある。
このため、時間t8にて左前車輪速VWFLのスリップ量が減圧手段切り替え閾値β1を下回ると、上記差圧による制御切り替え判定の判定結果にかかわらず、制御を切り替える。減圧手段切り替え閾値β1はABSの減圧閾値よりもスリップ量が大きめに設定されている。すると、時間t8における図4のBA制御中ABS減圧制御処理(図4においてXX=FL、YY=RR)では、ステップ201→202なり、202にてスリップ量≧β1となり、ステップ203が実行される。ステップ203以降の処理は時間t5の場合と同じであるため省略する。
時間t9にて左前車輪速VWFLのスリップ量がABSの減圧閾値を下回り、減圧要求が発生する。このときの動作は上記時間t4と同様であるが、減圧したことによって時間t10にてホイルシリンダ圧PWCFLとホイルシリンダ圧PWCRRとの上下関係が逆転している。
時間t9直前では、ゲート弁GVOPは閉弁かつ、左前輪の保持弁SIFLは開弁かつ、右後輪の保持弁SIRRは閉弁しており、時間t9の左前輪に対する減圧要求によって、ゲート弁GVOPを開弁することでホイルシリンダ圧PWCFLの減圧を行う。しかしながら、t10の減圧要求に対して、さらにゲート弁GVOPを開弁すると、ホイルシリンダ圧PWCFLと同時に減少する高圧油路H1Pの液圧が、ホイルシリンダ圧PWCRRよりも低圧となる。その結果、右後輪ホイルシリンダ液圧路H2RRのブレーキ液は、保持弁SIRRと並列に設置されたチェック弁CVRRを通って流出し、ホイルシリンダ圧PWCRRは高圧油路H1Pの液圧、すなわちフロントホイルシリンダ圧PWCFLまで意図せず減圧してしまい、ABS制御として必要な各輪独立した液圧制御性を失ってしまう。
上記の問題は、高圧油路H1Pの液圧を、1系統のホイルシリンダWCFL,WCRRのうち、液圧の高い方にあわせることで解決可能であり、図2のステップ204の処理によって実現される。
時刻t10での左前輪の減圧要求に対し、図4のBA制御中ABS減圧制御処理(図4においてXX=FL、YY=RR)では、ステップ201→202→203→204となり、ステップ204にて、ホイルシリンダ圧PWCFLが、同一系統のもう一方のホイルシリンダ圧PWCRRに対して高圧側であることを条件とし、時間t10ではホイルシリンダ圧PWCFLが、同一系統のもう一方のホイルシリンダ圧PWCRRに対して低圧側と判断されるため、ステップ205が実行される。
ステップ205にて左前輪の減圧制御が、減圧弁SIFLが開弁することによって行われ、かつ、処理は後述する増圧制御手段の説明で行うが、同一系統のもう一方の保持弁SIRRが開弁することで、高圧油路H1Pの液圧をホイルシリンダ圧PWCRRとする。すなわち時間t10のタイミングでホイルシリンダ圧PWCFLの主となる減圧制御弁をゲート弁GVOPから減圧弁SOFLへ切り替え、かつ、ホイルシリンダ圧PWCRRの主となる減圧制御弁を減圧弁SORRからゲート弁GVOPへ切り替える。
時間t11では、右後車輪速VWRRのスリップ量がABS制御の減圧閾値を下回り、減圧要求が発生する。このとき、図4のBA制御中ABS減圧制御処理(図4においてXX=RR、YY=FL)では、ステップ201→202→204となり、ゲート弁GVOPが開弁し、かつ吸入弁GVIPが閉弁される。すなわち、t10の時点で、ホイルシリンダ圧PWCRRの主となる減圧制御弁がゲート弁GVOPへ切り替えられているため、減圧がゲートGVOPで行われる。
また、ステップ205が実施された際には、ステップ207が実行され、高圧油路過増圧防止手段によって、平衡開弁時間tvbを算出し、算出された時間分ゲート弁を開弁することによって、同一系統のもう一つ側のホイルシリンダの増圧を防ぐ。
図5は、高圧油路過増圧防止手段のフローチャートである。なお、図5に示す処理はブレーキの各系統P,Sについて実施される。説明ではP系統に関しての処理を例として記述する。
図5のステップ301では、ABS制御による減圧弁開弁時間tvを読み込み、ステップ302にて減圧弁流出ブレーキ液量ΔQを推定する。減圧弁流出ブレーキ液量ΔQは、減圧弁の減圧前ホイルシリンダ圧PWC0と開弁時間tvとの関係で定めることが出来る。ECUには前記関係で減圧弁流出ブレーキ液量ΔQが、予め設定された換算テーブルを参照する算出手段または、予め設定された演算式に基づいた算出手段によって定められている。ECUは前記算出手段を利用して、減圧前ホイルシリンダ圧PWC0と開弁時間tvとに基づいて減圧弁流出ブレーキ液量ΔQを推定する。
次に、ステップ303にて、減圧弁流出ブレーキ液量ΔQを高圧油路H1Pからゲート弁GVOPより流出させるための、平衡開弁時間tvbを算出する。平衡開弁時間tvbもまた、減圧弁流出ブレーキ液量ΔQ、および、ホイルシリンダ圧PFLとの関係で定めることが出来る。ECUには前記関係で、平衡開弁時間tvbが前記減圧弁流出ブレーキ液量ΔQおよび、高圧油路H1Pの液圧とマスタシリンダ圧PMCとの差圧PWCMCに応じて、予め設定された換算テーブルを参照する算出手段または、予め設定された演算式に基づいた算出手段によって定められている。
ECUは前記算出手段を利用して、減圧弁流出ブレーキ液量ΔQとマスタシリンダ圧PMCとの差圧PWCMCとに基づいて、平衡開弁時間tvbを算出する。ECUは演算された平衡開弁時間tvbに従い、ゲート弁を平衡開弁時間tvbだけ開弁する。
ここで、高圧油路過増圧防止手段として、ゲート弁から流出させる理由について説明する。高圧油路H1Pが過剰に高圧になるのを回避するには、高圧油路H1Pに吐出されるブレーキ液を少なくするか、もしくは、過剰に吐出されたブレーキ液を抜けばよい。すなわち、ポンプPMPPの吸入側において吸入弁GVIPを絞るか、ゲート弁GVOPから流出させるかのどちらかを取りうる。
しかしながら、マスタシリンダ圧以上でかつ高圧側であるホイルシリンダ圧の制御では、保持動作を吸入弁GVIPで行う為(後述するフローチャートのステップ410参照)、過増圧防止手段を吸入弁GVIPで実行すると、吸入弁GVIPに二つの指令が出力されることで競合が生じ,制御不可能となる為である。
〔BA制御中ABS増圧制御〕
次に、本実施例におけるBA制御中ABS制御実行時に、図2のステップ104にて減圧要求が無く、ステップ106のBA制御中ABS増圧制御が実施される場合について、図6、図7を用いて説明する。
図6はBA制御中ABS増圧制御が実施される場合の制御フローチャートの一例である。なお図4と同じく、図6中PWCXX、PWCYYにおいて、XXは演算車輪、YYは演算輪に対して同系統で連通するもう一方の車輪をあらわしている。たとえば、実施例のようなX配管の場合、XX=FLのときYY=RRのようになる。以下、例として左前輪に関して(XX=FL、YY=RRの場合について)説明するが、これを別系統に置き換えて考えても、上記BA制御中ABS制御の成立性は変わらない。
まず図6のステップ401にて、増圧要求が発生しているかどうかを判断する。増圧要求が発生している場合はステップ402が実行される。一方、増圧要求が無い場合は、すでにステップ104にて減圧要求が無いことも分かっているため、保持要求である。この場合はステップ408が実行される。
ステップ402は、ホイルシリンダ圧PFLとマスタシリンダ液圧PMCとの差圧が所定液圧α2以上であると判断された場合、ステップ404が実行され、反対に、ホイルシリンダ圧PFLとマスタシリンダ液圧PMCとの差圧が所定液圧α2以上では無い判断された場合はステップ403が実行される。
ステップ403は、たとえば処理を行っている車輪が左前(FL)輪に関しての場合、1系統で連通するもう一方の車輪(RR)のホイルシリンダ圧(PWCRR)がマスタシリンダ圧PMCより高圧であるかどうかを判断する。1系統で連通するもう一方の車輪(RR)のホイルシリンダ圧PWCRRがマスタシリンダ圧PMCより高圧側である場合、ステップ405が実行される。反対に低圧側である場合、ステップ407が実行される。
一方、ステップ404では、該当車輪(左前)のホイルシリンダ圧PWCFLが1系統の連通するもう一方の車輪(右後)のホイルシリンダ圧PWCRRに対して高圧側かどうかを判断する。この判断は前記ステップ204と同様の判断による。
ステップ404にて該当車輪(左前)のホイルシリンダ圧PWCFLが1系統の連通するもう一方の車輪(右後)のホイルシリンダ圧PWCRRに対して高圧側である場合には、ステップ406が実行され、ゲート弁GVOPを閉弁状態、吸入弁GVIPが開弁状態とし、前記ポンプアップ増圧状態とすることでホイルシリンダ圧PWCFLが増圧できる。
ステップ404にて該当車輪(左前)のホイルシリンダ圧PWCFLが1系統の連通するもう一方の車輪(右後)のホイルシリンダ圧PWCRRに対して低圧側であると判断された場合には、ステップ405が実行される。
ステップ405は、保持弁SIFLが開弁され、減圧弁SOFLは閉弁する。これにより、該当車輪のホイルシリンダ圧PWCFLと高圧油路H1Pの液圧との差圧を利用して、ホイルシリンダWCFLに流入させることで増圧できる。
また、ステップ407は、同系統のいずれのホイルシリンダWCFL、WCRRもマスタシリンダ圧PMCに比して小さい(小さいと見てよい)と判断された場合に実行され、この場合、ステップ405の原理と同じく、保持弁SIFLが開弁され、減圧弁SOFLは閉弁し増圧し、且つゲート弁GVOPを開弁する。
次に実際に、図7の本実施例におけるBA制御中ABS制御波形の例を使って、増圧制御の流れを説明する。
図7は、図3と同じ動作をしている動作例であり、時間の区切り方を、主として増圧のタイミングに重点をおいて示している。また、図7においても図3と同じく、説明の都合上、第一系統であるFL輪、RR輪に関しての例を示しているが、これを第二系統に置き換えても、図7中のFL輪とRR輪の上下関係を逆に考えても、上記BA制御中ABS制御の成立性は変わらない。
図7中時間t1(これは図3の時間t1と同時間)にてBA制御要求が発生し、前記ポンプアップ増圧にてホイルシリンダ圧PWCFL,PWCRRがマスタシリンダ圧PMCより高圧状態に導かれ、その後、前記図3の時間t2にてBA制御中ABS制御へ移行し、時間t3、t4にて減圧制御が行われ、この減圧制御によってスリップが回復すると、前記ABS制御手段によってスリップ率を最適に制御するために、増圧制御が行われる。
時間t12にて左前輪に発生する増圧において、図6のBA制御中ABS減圧制御処理(図6においてXX=FL、YY=RR)では、ステップ401にて増圧要求と判断し、ステップ402が実行され、ステップ402にて、ホイルシリンダ圧PFLとマスタシリンダ液圧PMCとの差圧が所定液圧α2以上であると判断され、ステップ404が実行される。
次に、ステップ404では、高圧側と判断されるため、ステップ406が実行され、ゲート弁GVOPが閉弁かつ、吸入弁GVIPが開弁し、前記ポンプアップ増圧状態となり、増圧が行われる。
時間t13にて右後輪に発生する増圧において、図6のBA制御中ABS減圧制御処理(図6においてXX=RR、YY=FL)では、ステップ401→ステップ402となり、ステップ402にて、ホイルシリンダ圧PFLとマスタシリンダ液圧PMCとの差圧が所定液圧α2以上ではないと判断され、ステップ205が実行される。
ステップ405では、保持弁SIRRが開弁しかつ減圧弁SORRは閉弁し、ホイルシリンダ圧PWCRRと高圧油路H1Pの液圧との差圧を利用して、増圧される。
時間t14にて左前輪に発生する増圧において、図6のBA制御中ABS減圧制御処理(図6においてXX=FL、YY=RR)では、事前(図3の時間t5)の減圧にて、ホイルシリンダ圧PFLがマスタシリンダ圧PMCより低くなっている。そのため、ステップ402→403となり、次にステップ403にて1系統で連通するもう一方の車輪(RR)のホイルシリンダ圧PWCRRがマスタシリンダ圧PMCより低圧と判断され、ステップ407が実行される。その結果、ステップ407にて保持弁SIFLが開弁しかつ減圧弁SOFLは閉弁し、ホイルシリンダ圧PWCRRとマスタシリンダ圧PMCとの差圧を利用して、増圧される。
時間t15にて左前輪に発生する増圧において、図6のBA制御中ABS減圧制御処理(図6においてXX=FL、YY=RR)では、ホイルシリンダ圧PWCRRとマスタシリンダ圧PMCとの差圧が小さくなっているため、時間t14で実行した増圧方法では増圧が行えず、ABS制御を行うためのホイルシリンダ液圧の制御性が劣化する。
その為、ステップ402にてホイルシリンダ圧PFLとマスタシリンダ液圧PMCとの差圧が所定液圧α2以上と判断され、ステップ404→406と実施することで、再び前記ポンプアップ増圧を行うことにより増圧を可能とする。すなわちこのタイミングでホイルシリンダ圧PWCFLの主となる増圧制御弁を保持弁SIFLから吸入弁GVIP(モータMOT)へ切り替える。
時間t16にて右後輪のホイルシリンダ圧PWCRRが左前輪ホイルシリンダ圧PWCFLを上回る。このタイミングは図3のタイムチャートにて示した、時間t10と同じである。このときに発生する増圧において、図6のBA制御中ABS減圧制御処理(図6においてXX=RR、YY=FL)では、ステップ401→402→404となり、ステップ404にて高圧側と判断され、ゲート弁GVOPが閉弁される。
一方、同時間t16(図3のタイムチャートにて示した時間t10)では、前記図4のBA制御中ABS減圧制御において、左後輪処理ではステップ205が実施され、保持弁SIFLは閉弁かつ減圧弁SOFLが開弁されて減圧が行われる。
このため、時間t11にて左前輪に発生する増圧において、図6のBA制御中ABS減圧制御処理(図6においてXX=FL、YY=RR)では、ステップ401→402→403→405となり、保持弁SIFLを開弁し、減圧弁SOFLを閉弁することにより、ホイルシリンダ圧PWCFLと高圧油路H1Pの液圧との差圧を利用して、増圧される。
すなわち、時間t17において、図3の時間t10の動作で前述したような、ホイルシリンダ圧PWCFLの主となる減圧制御弁をゲート弁GVOPから減圧弁SOFLへ切り替え、かつ、ホイルシリンダ圧PWCRRの主となる減圧制御弁を減圧弁SORRからゲート弁GVOPへ切り替えると同時に、ホイルシリンダ圧PWCFLの主となる増圧制御弁を吸入弁GVIP(モータMOT)から保持弁SIFLへ切り替え、かつ、ホイルシリンダ圧PWCRRの主となる増圧制御弁を保持弁SIRRから吸入弁GVIP(モータMOT)へ切り替えている。
次に図6ステップ401にて増圧要求が無い場合、すなわち、保持要求の動作を説明する。以下、例として左前輪に関して(XX=FL、YY=RRの場合について)説明するが、これを別系統に置き換えて考えても、上記BA制御中ABS制御の成立性は変わらない。
ステップ401にて増圧要求が無い場合にステップ408が実行される。ステップ408では、該当車輪(左前)のホイルシリンダ圧PWCFLがマスタシリンダ圧PMCより高圧かどうかを判断する。該当車輪(左前)のホイルシリンダ圧PWCFLがマスタシリンダ圧PMCより高圧である場合、ステップ409が実行され、反対に該当車輪(左前)のホイルシリンダ圧PWCFLがマスタシリンダ圧PMC以下である場合、ステップ411が実行される。
ステップ409では、該当車輪(左前)のホイルシリンダ圧PWCFLが1系統の連通するもう一方の車輪(右後)のホイルシリンダ圧PWCRRに対して高圧側かどうかを判断する。この判断は前記ステップ204と同様の判断による。
ステップ409にて、該当車輪(左前)のホイルシリンダ圧PWCFLが1系統の連通するもう一方の車輪(右後)のホイルシリンダ圧PWCRRに対して高圧側と判断された場合には、減圧弁SOFLを閉弁、かつ吸入弁GVPを閉弁することで、ポンプアップ増圧による増圧を停止し、ホイルシリンダ圧PWCFLを保持する。
一方、該当車輪(左前)のホイルシリンダ圧PWCFLが1系統の連通するもう一方の車輪(右後)のホイルシリンダ圧PWCRRに対して低圧側と判断された場合には、保持弁SIFLを閉弁、かつ減圧弁SOFLを閉弁することで、高圧油路H1Pからホイルシリンダ液圧路H2FLへのブレーキ液の流入および、ホイルシリンダ液圧路H2FLから減圧路H3Pへのブレーキ液の流出を遮断し、ホイルシリンダ圧PWCFLを保持する。
このように、本実施例1にあっては、従来技術のように、高圧油路のリリーフ手段に高価なリリーフ弁やソレノイド弁を用いることがないため、従来に比べて、廉価な構成でBA制御とABS制御とを同時に制御できる。
ところで、上記の実施例1においては、各ホイルシリンダ圧を液圧センサによって検出していたが、実施例1からホイルシリンダ圧センサを取り除いた構成でもよい。各輪のホイルシリンダ圧は、マスタシリンダ圧センサ検出値と各制御弁の駆動信号とポンプ駆動状態によって推定することは公知の技術あり、この推定値を実施例1における各輪ホイルシリンダ圧に置き換えて考えればよい。
以下、実施例1に基づく技術的思想の創作に係る作用効果について下記に列挙する。
(1)ゲート弁を閉弁状態、吸入弁を開弁状態、保持弁を開弁状態、減圧弁を閉弁状態とし、ポンプを駆動してマスタシリンダにより発生した制動力を補助するブレーキアシスト制御を実行するブレーキアシスト手段と、マスタシリンダ、ホイルシリンダ、ポンプ、リザーバとの導通状態を制御する処理と、ポンプを作動状態とする処理とを含み、車輪のロックを回避すべくホイルシリンダの液圧を増減圧制御するアンチロックブレーキ制御を実行するアンチロックブレーキ手段とを備えた制動力制御装置において、ECUは、ブレーキアシスト制御中であって、かつ、ホイルシリンダの液圧がマスタシリンダの液圧より高圧のときは、アンチロックブレーキ制御による減圧要求に対し、ゲート弁を開弁状態としてホイルシリンダの減圧動作を行う第1減圧手段と、ブレーキアシスト制御中であって、かつ、ホイルシリンダの液圧がマスタシリンダの液圧より低圧のときは、アンチロックブレーキ制御による減圧要求に対し、ゲート弁を開弁状態、吸入弁を閉弁状態、保持弁を閉弁状態、減圧弁を開弁状態としてホイルシリンダの減圧動作を行う第2減圧手段とを有することとした。
すなわち、ゲート弁,保持弁及びポンプの吐出側との間で構成される油路を高圧油路としたとき、ブレーキアシスト制御中における高圧油路の液圧は、アンチロックブレーキ制御の減圧要求時に第1減圧手段が実行されることで、ゲート弁が開弁して減圧される。これにより、高圧油路の液圧はアンチロックブレーキ制御の減圧要求時の液圧、すなわち車輪ロック圧以上とならない。よって、高圧油路に対して余剰な液圧を加えることが無く、リリーフ弁やソレノイド弁のように高価なリリーフ手段が無くともブレーキアシスト制御とアンチロックブレーキ制御とを同時に制御することができる。
(2)第1減圧手段実行時に、ホイルシリンダの液圧およびマスタシリンダの液圧との差圧が所定値以下となった場合に、第2減圧手段に切り替えることとした。
よって、ホイルシリンダの液圧とマスタシリンダの液圧との差圧が少なくなり、第1減圧手段による減圧が困難となった場合でも、第2減圧手段は大気圧であるリザーバに対してブレーキ液を流す手段であることから、アンチロックブレーキ制御からの減圧要求に対して、確実に減圧動作を実施することができる。
(3)ECUは、各輪の車輪スリップ量相当値を演算するスリップ演算手段を有し、第1減圧手段実行時に、車輪スリップ量相当値が所定値以上となった場合に、第2減圧手段に切り替えることとした。
例えば、車輪スリップ量相当値が急激に大きくなった場合に、上記(2)に記載の判断では応答性が確保できない場合や、また、ホイルシリンダ液圧の検出誤差により上記(2)による判断が遅れる場合が考えられる。今、ブレーキアシスト制御中のABS制御であることから、原則としてブレーキペダルは運転者により踏み込まれており、マスタシリンダには有る程度の液圧が発生していると考えられる。このとき、リザーバはほぼ大気圧であることから、マスタシリンダの液圧よりもリザーバの液圧の方が低いため、減圧速度を確保することが可能となり、応答性の向上を図ることができる。
(4)ゲート弁よりホイルシリンダ側において連通する1系統2輪分のホイルシリンダのうち、液圧の高いホイルシリンダを高圧側ホイルシリンダと判断し、液圧の低いホイルシリンダを低圧側ホイルシリンダと判断する判断手段を備え、ECUは、高圧側ホイルシリンダに対してのみ第1減圧手段の実行を許可し、低圧側ホイルシリンダに対してはマスタシリンダとホイルシリンダとの液圧の関係に関わらず、常に、第2減圧手段を実行することとした。
すなわち、低圧側ホイルシリンダの減圧要求に対してゲート弁を開いてしまうと、高圧側ホイルシリンダの液圧も一緒に低下してしまう。よって、低圧側ホイルシリンダでは常に第2減圧手段により減圧弁から減圧することで、1系統の2つのホイルシリンダの液圧を独立に制御することができる。
(5)第2減圧手段によりホイルシリンダから流出したブレーキ液量である減圧弁流出液量を演算する減圧弁流出液量演算手段と、ゲート弁から減圧弁流出液量分を流出させるのに必要な開弁時間である平衡開弁時間を演算する平衡開弁時間演算手段と、ゲート弁よりホイルシリンダ側において連通する1系統2輪分のホイルシリンダのうち、液圧の高いホイルシリンダを高圧側ホイルシリンダと判断し、液圧の低いホイルシリンダを低圧側ホイルシリンダと判断する判断手段と、を備え、ECUは、低圧側ホイルシリンダにおいて第2減圧手段が実行されたときは、平衡開弁時間の間、ゲート弁を開弁状態とする過増圧防止手段を有することとした。
低圧側ホイルシリンダから第1減圧手段により減圧されると、低圧側ホイルシリンダ内のブレーキ液はリザーバに流れ込む。このリザーバはポンプの吸入孔と連通していることから、リザーバに流れ込んだ分だけ高圧側ホイルシリンダに吐出されて意図以上に高圧となる虞がある。そこで、低圧側ホイルシリンダから流出した減圧弁流出液量分をゲート弁から平衡開弁時間の間だけ流出させることで、高圧側ホイルシリンダに流れ込むことを防止することができる。
(6)ECUは、ブレーキアシスト制御中であって、かつ、ホイルシリンダの液圧がマスタシリンダの液圧より高圧のときは、アンチロックブレーキ手段により増圧要求に対し、吸入弁を開弁状態として前記ブレーキアシスト手段による増圧を行う第1増圧手段と、ブレーキアシスト制御中であって、かつ、ホイルシリンダの液圧がマスタシリンダの液圧より低圧のときは、アンチロックブレーキ制御による増圧要求に対し、ゲート弁を開弁状態、吸入弁を閉弁状態、保持弁を開弁状態、減圧弁を閉弁状態としてホイルシリンダの増圧動作を行う第2増圧手段とを有することとした。
よって、ブレーキアシスト制御中においてアンチロックブレーキ制御の増圧要求に確実に対応することができる。
(7)ゲート弁よりホイルシリンダ側において連通する1系統2輪分のホイルシリンダのうち、液圧の高いホイルシリンダを高圧側ホイルシリンダと判断し、液圧の低いホイルシリンダを低圧側ホイルシリンダと判断する判断手段を備え、ECUは、高圧側ホイルシリンダに対してのみ第1増圧手段の実行を許可し、低圧側ホイルシリンダに対してはマスタシリンダとホイルシリンダとの液圧の関係に関わらず、常に、第2増圧手段を実行することとした。
低圧側ホイルシリンダを増圧するときは、高圧側ホイルシリンダの液圧との差圧を利用することで増圧でき、高圧側ホイルシリンダを増圧するときは、ポンプにより増圧できる。これにより、一つのポンプで1系統の2つのホイルシリンダの液圧を独立に制御することができる。
実施例1の制動力制御装置である。 実施例1において実行される制御フローチャートである。 実施例1において想定される制御波形の一例で、減圧タイミングに注目しているタイミングチャートである。 実施例1において減圧制御時に実行される制御フローチャートである。 実施例1における高圧油路過増圧防止手段のフローチャートである。 実施例1において想定される制御波形の一例で、増圧タイミングに注目しているタイミングチャートである。 実施例1において増圧、保持制御時に実行される制御フローチャートである。
符号の説明
MC マスタシリンダ
PSM マスタシリンダ液圧センサ
WCFL,WCFR,WCRL,WCRR 各輪ホイルシリンダ
PSFL,PSFR,PSRL,PSRR 各輪ホイルシリンダ圧センサ
VWFL,VWFR,VWRL,VWRR 各輪車輪速度センサ
GVOP,GVOS 各系統ゲート弁
GVIP,GVIS 各系統吸入弁
SIFL,SIFR,SIRL,SIRR 各輪保持弁
SOFL,SOFR,SORL,SORR 各輪減圧弁
RSVP,RSVS 各系統リザーバ
PMPP,PMPS 各系統ポンプ
MOT ポンプ駆動モータ
ECU コントロールユニット

Claims (7)

  1. 運転者の制動操作に対応する液圧を発生させるマスタシリンダと、
    前記マスタシリンダと導通可能な吸入孔を有するポンプと、
    前記マスタシリンダと前記ポンプの吸入孔との導通状態を制御する吸入弁と、
    前記マスタシリンダおよび前記ポンプの吐出孔の双方と導通可能なホイルシリンダと、
    前記マスタシリンダと前記ホイルシリンダとを結ぶブレーキ回路の途中にあって、これらの導通状態を制御するゲート弁と、
    前記ゲート弁よりホイルシリンダ側において連通する1系統2輪分のホイルシリンダへの導通状態をそれぞれ制御する保持弁と、
    前記ホイルシリンダおよび前記ポンプの吸入孔の双方と導通可能なリザーバと、
    前記ホイルシリンダと前記リザーバとの導通状態を制御する減圧弁と、
    前記ゲート弁を閉弁状態、前記吸入弁を開弁状態、前記保持弁を開弁状態、前記減圧弁を閉弁状態とし、前記ポンプを駆動して前記マスタシリンダにより発生した制動力を補助するブレーキアシスト制御を実行するブレーキアシスト手段と、
    前記マスタシリンダ、前記ホイルシリンダ、前記ポンプ、前記リザーバとの導通状態を制御する処理と、前記ポンプを作動状態とする処理とを含み、車輪のロックを回避すべく前記ホイルシリンダの液圧を増減圧制御するアンチロックブレーキ制御を実行するアンチロックブレーキ手段と、
    を備えた制動力制御装置において、
    前記アンチロックブレーキ手段は、前記ブレーキアシスト制御中であって、かつ、前記ホイルシリンダの液圧が前記マスタシリンダの液圧より高圧のときは、前記アンチロックブレーキ制御による減圧要求に対し、前記ゲート弁を開弁状態として前記ホイルシリンダの減圧動作を行う第1減圧手段と、
    前記ブレーキアシスト制御中であって、かつ、前記ホイルシリンダの液圧が前記マスタシリンダの液圧より低圧のときは、前記アンチロックブレーキ制御による減圧要求に対し、前記ゲート弁を開弁状態、前記吸入弁を閉弁状態、前記保持弁を閉弁状態、前記減圧弁を開弁状態として前記ホイルシリンダの減圧動作を行う第2減圧手段と、
    を有することを特徴とする制動力制御装置。
  2. 請求項1記載の制動力制御装置において、
    前記第1減圧手段実行時に、前記ホイルシリンダの液圧および前記マスタシリンダの液圧との差圧が所定値以下となった場合に、前記第2減圧手段に切り替えることを特徴とする制動力制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の制動力制御装置において、
    前記アンチロックブレーキ制御手段は、各輪の車輪スリップ量相当値を演算するスリップ演算手段を有し、前記第1減圧手段実行時に、前記車輪スリップ量相当値が所定値以上となった場合に、前記第2減圧手段に切り替えることを特徴とする制動力制御装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか一つに記載の制動力制御装置において、
    前記ゲート弁よりホイルシリンダ側において連通する1系統2輪分のホイルシリンダのうち、液圧の高いホイルシリンダを高圧側ホイルシリンダと判断し、液圧の低いホイルシリンダを低圧側ホイルシリンダと判断する判断手段を備え、
    前記アンチロックブレーキ制御手段は、前記高圧側ホイルシリンダに対してのみ前記第1減圧手段の実行を許可し、前記低圧側ホイルシリンダに対しては前記マスタシリンダと前記ホイルシリンダとの液圧の関係に関わらず、常に、前記第2減圧手段を実行することを特徴とする制動力制御装置。
  5. 請求項4に記載の制動力制御装置において、
    前記第2減圧手段により前記ホイルシリンダから流出したブレーキ液量である減圧弁流出液量を演算する減圧弁流出液量演算手段と、
    前記ゲート弁から前記減圧弁流出液量分を流出させるのに必要な開弁時間である平衡開弁時間を演算する平衡開弁時間演算手段と、
    を備え、
    前記アンチロックブレーキ手段は、前記低圧側ホイルシリンダにおいて前記第2減圧手段が実行されたときは、前記平衡開弁時間の間、前記ゲート弁を開弁状態とする過増圧防止手段を有することを特徴とする制動力制御装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか一つに記載の制動力制御装置において、
    前記アンチロックブレーキ手段は、前記ブレーキアシスト制御中であって、かつ、前記ホイルシリンダの液圧が前記マスタシリンダの液圧より高圧のときは、前記アンチロックブレーキ手段により増圧要求に対し、前記吸入弁を開弁状態として前記ブレーキアシスト手段による増圧を行う第1増圧手段と、
    前記ブレーキアシスト制御中であって、かつ、前記ホイルシリンダの液圧が前記マスタシリンダの液圧より低圧のときは、前記アンチロックブレーキ制御による増圧要求に対し、前記ゲート弁を開弁状態、前記吸入弁を閉弁状態、前記保持弁を開弁状態、前記減圧弁を閉弁状態として前記ホイルシリンダの増圧動作を行う第2増圧手段と、
    を有することを特徴とする制動力制御装置。
  7. 請求項6に記載の制動力制御装置において、
    前記ゲート弁よりホイルシリンダ側において連通する1系統2輪分のホイルシリンダのうち、液圧の高いホイルシリンダを高圧側ホイルシリンダと判断し、液圧の低いホイルシリンダを低圧側ホイルシリンダと判断する判断手段を備え、
    前記アンチロックブレーキ制御手段は、前記高圧側ホイルシリンダに対してのみ前記第1増圧手段の実行を許可し、前記低圧側ホイルシリンダに対しては前記マスタシリンダと前記ホイルシリンダとの液圧の関係に関わらず、常に、前記第2増圧手段を実行することを特徴とする制動力制御装置。
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