JP4281203B2 - 車両の液圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液圧発生装置と各車輪のホイールシリンダとの間にモジュレータを介装し、このモジュレータを介してホイールシリンダから排出したブレーキ液を減圧用リザーバに貯蔵し、この減圧用リザーバに吸込側を連通接続すると共に液圧発生装置に連通接続した液圧ポンプによってブレーキ液を吸い込み、液圧発生装置とモジュレータとの間に吐出する車両の液圧制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来、マスタシリンダとホイールシリンダとの間にモジュレータを介装し、モジュレータを介してホイールシリンダから排出したブレーキ液を減圧用リザーバに貯蔵する車両の液圧制御装置において、減圧用リザーバ内に貯蔵したブレーキ液を液圧ポンプによって適宜排出し、制動操舵制御、ブレーキアシスト制御、アンチスキッド制御等における液圧制御を適切且つ確実に行ない得るようにした液圧制御装置が知られている。
【0003】
更に、例えば国際公開WO97/37879号公報には、ポンプ7の吸込側が多方向制御弁4を介してマスタブレーキシリンダ8に接続され、ポンプ7の吐出側が流入弁3を介して圧力調整弁17、ひいては車輪ブレーキHR等に接続された自動車のアンチロック装置が開示されており、ポンプ7の吸込側と多方向制御弁4との間に圧力媒体貯蔵器10及び絞り9が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の国際公開WO97/37879号公報に記載のアンチロック装置においては、ポンプ7の吸込側と多方向制御弁4との間に圧力媒体貯蔵器10及び絞り9が設けられており、これによりポンピング脈動が低減されることが示唆されているが、圧力媒体貯蔵器10は一定容量であり、これが満杯になれば、脈動低減効果がなくなることになる。これを回避するためには圧力媒体貯蔵器10の容量を大きくすればよいが、そうすると小型化の要請に反することになる。
【0005】
そこで、本発明は、液圧発生装置と液圧ポンプの吸込側との間に脈動低減リザーバを備えた車両の液圧制御装置において、脈動低減リザーバに流入するブレーキ液を適切に制御し、小型の脈動低減リザーバを満杯とすることなく確実に脈動を低減し得るようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は請求項1に記載のように、車両の各車輪に装着したホイールシリンダと、少くともブレーキペダルの操作に応じてブレーキ液圧を出力する液圧発生装置と、該液圧発生装置と前記ホイールシリンダを連通接続する主液圧路に介装し前記ホイールシリンダ内のブレーキ液圧を調整するモジュレータと、該モジュレータと前記液圧発生装置との間の前記主液圧路を開閉する第1の開閉弁と、前記モジュレータを介して前記ホイールシリンダから排出したブレーキ液を貯蔵する減圧用リザーバと、吸込側を前記減圧用リザーバに連通接続すると共に前記液圧発生装置に連通接続し、吐出側を前記第1の開閉弁と前記モジュレータの間の前記主液圧路に連通接続する液圧ポンプと、該液圧ポンプの吸込側と前記液圧発生装置とを連通接続する補助液圧路に介装し該補助液圧路内の脈動を低減する脈動低減リザーバと、該脈動低減リザーバと前記液圧発生装置の間の前記補助液圧路を開閉する第2の開閉弁と、前記脈動低減リザーバ内のブレーキ液量を推定する液量推定手段と、該液量推定手段が推定した前記脈動低減リザーバ内のブレーキ液量が所定量以上となったときに前記第2の開閉弁を閉位置とする制御手段とを備えることとしたものである。
【0007】
前記制御手段は、請求項2に記載のように、前記ブレーキペダルの操作開始時には前記第2の開閉弁を開閉制御して前記脈動低減リザーバ内に流入するブレーキ液量を制御するように構成するとよい。例えば、ブレーキペダルの操作開始時には第2の開閉弁を断続駆動するとよい。これにより、ブレーキペダルの操作開始時にブレーキ液が脈動低減リザーバ内に流入し運転者の予測以上にブレーキペダルが入り込むといった現象を回避することができる。
【0008】
更に、前記制御手段を、請求項3に記載のように、前記ブレーキペダルの操作開始時における前記ブレーキペダルの操作状態に応じて、前記第2の開閉弁の開閉割合を制御するように構成するとよい。例えば、ブレーキペダルの操作開始時にブレーキペダルの操作が急激であれば、第2の開閉弁の開位置の割合が多くなるように開閉制御し、ブレーキペダルの操作が緩やかであれば、第2の開閉弁の開位置の割合が少なくなるように開閉制御するとよい。
【0009】
また、請求項4に記載のように、前記液圧発生装置は、前記ブレーキペダルの操作に応じてブレーキ液圧を出力するマスタシリンダを具備したものとし、更に前記マスタシリンダの出力ブレーキ液圧を検出する液圧センサを備え、前記液量推定手段を、前記液圧センサの検出ブレーキ液圧と前記第2の開閉弁の開位置時間に基づき前記脈動低減リザーバ内に流入するブレーキ液量を推定するように構成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の望ましい実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係り、各車輪を代表する車輪WLのホイールシリンダWCに対する液圧制御装置を示すもので、少くともブレーキペダルBPの操作に応じてブレーキ液圧を出力する液圧発生装置BGを有する。この液圧発生装置BGは、例えばマスタシリンダを含み、図6に示すように構成されており、ブレーキペダルBPの非操作時にもブレーキ液圧を出力し得る。そして、液圧発生装置BGとホイールシリンダWCを連通接続する主液圧路MFに、ホイールシリンダWC内のブレーキ液圧を調整するモジュレータMDが介装されている。
【0011】
モジュレータMDと液圧発生装置BGとの間の主液圧路MFには、第1の開閉弁SC(以下、単に開閉弁SCという)が介装されており、この開閉弁SCによって主液圧路MFが開閉制御されるように構成されている。開閉弁SCは所謂カットオフ弁として機能するもので、本実施形態ではリニアソレノイド弁で構成されているが、常開型の2ポート2位置電磁開閉弁としてもよい。また、モジュレータMDは減圧用リザーバRSに連通接続されており、ホイールシリンダWCからモジュレータMDを介して排出されるブレーキ液が減圧用リザーバRSに貯蔵されるように構成されている。
【0012】
本実施形態のモジュレータMDは、図1に示すように、主液圧路MFに介装された常開型の2ポート2位置電磁開閉弁PCa(以下、単に開閉弁PCaという)と、減圧用リザーバRSを開閉弁PCaとホイールシリンダWCの間の主液圧路MFに連通接続する排出液圧路RFに介装された常閉型の2ポート2位置電磁開閉弁PCb(以下、単に開閉弁PCbという)から成る。尚、開閉弁PCaと並列に逆止弁CVpが介装されている。この逆止弁CVpは、液圧発生装置BG方向へのブレーキ液の流れを許容しホイールシリンダWC方向へのブレーキ液の流れを制限するものである。
【0013】
また、モータMで駆動される液圧ポンプHPが配設され、その吸込側が逆止弁CVsを介して減圧用リザーバRSに連通接続されている。この液圧ポンプHPによりブレーキ液が吸い込まれ、開閉弁SCとモジュレータMDの間の主液圧路MFに戻される。また、液圧ポンプHPの吸込側と液圧発生装置BGとを連通接続する補助液圧路MFcに、逆止弁CVr及び脈動低減リザーバRDが介装されており、これによって補助液圧路MFc内の脈動が低減されるように構成されているが、これについては、さらに詳細に後述する。
【0014】
減圧用リザーバRS及び脈動低減リザーバRDは、何れもハウジング内にピストンRSa,RDaとスプリングRSb,RDbを備え、スプリングRSb,RDb側が大気に連通し、ハウジングとピストンRSa,RDaとの間にブレーキ液を収容する液室が郭成され、その容量が変化し得るように構成されている。逆止弁CVs,CVrは、液圧ポンプHP方向へのブレーキ液の流れを許容し減圧用リザーバRS及び脈動低減リザーバRD方向へのブレーキ液の流れを制限するものである。
【0015】
更に、脈動低減リザーバRDと液圧発生装置BGの間の補助液圧路MFcには、常閉の第2の開閉弁SI(以下、単に開閉弁SIという)が介装されている。そして、電子制御装置ECUに、脈動低減リザーバRD内のブレーキ液量を推定する液量推定手段と、この液量推定手段が推定した脈動低減リザーバ内のブレーキ液量が所定量以上となったときに開閉弁SIを閉位置とする制御手段が構成されている。
【0016】
また、液圧発生装置BGと開閉弁SCとの間の主液圧路MFには圧力センサPSが設けられており、液圧発生装置BGの出力液圧、例えばマスタシリンダ液圧が検出される。而して、このマスタシリンダ液圧と開閉弁SIの開位置時間に基づき、液量推定手段によって脈動低減リザーバRD内に流入するブレーキ液量を推定することができる。尚、電子制御装置ECUは、図示は省略するが、バスを介して相互に接続されたCPU、ROM、RAM、入力ポート及び出力ポート等から成るマイクロコンピュータを備え、入力ポートを介して圧力センサPS、車輪速度センサ、前輪舵角センサ、ヨーレイトセンサ、横加速度センサ等(図示せず)の検出信号が入力される。
【0017】
上記の構成になる液圧制御装置において、例えばトラクション制御等が開始し自動加圧が行なわれる場合には、開閉弁SCが閉位置とされると共に開閉弁SIが開位置とされ、モータMによって液圧ポンプHPが駆動される。従って、液圧発生装置BGから補助液圧路MFcを介してブレーキ液が間欠的に液圧ポンプHPに吸い込まれる。このため、逆止弁CVrも断続的に開閉することになる。このとき、液圧ポンプHPに吸い込まれるブレーキ液が急激にその動きを止められるのに対し、液圧発生装置BGからは連続してブレーキ液が供給され、液圧ポンプHPの吐出流量以上の量のブレーキ液が補助液圧路MFcに流入しようとするため、補助液圧路MFc内の液圧は急激に上昇し、連続的なサージ圧が発生する。これが吸込脈動と呼ばれる現象であり、その振幅は補助液圧路MFc内の液圧の数倍の値となる。
【0018】
本実施形態によれば、ピストンRDa及びスプリングRDbの作動によって脈動低減リザーバRDの容量が変化し、液圧ポンプHPの吐出流量以上のブレーキ液が収容されるので、補助液圧路MFc内の液圧が高圧となることが回避される。そして、液量推定手段によって推定された脈動低減リザーバRD内のブレーキ液量が所定量以上となったときには、開閉弁SIが閉位置とされるので、脈動低減リザーバRDが満杯となることなく、確実に脈動が低減される。
【0019】
而して、本実施形態においては、イグニッションスイッチ(図示せず)が閉成されると電子制御装置ECUにより図2乃至図4等のフローチャートに対応したプログラムの実行が開始し、アンチスキッド制御、加圧制御等の一連の処理が行なわれる。図2はブレーキ液圧制御の処理を示すもので、先ずステップ101にて圧力センサPS、車輪速度センサ(図示せず)等の検出信号が読み込まれる。次に、ステップ102に進み、車輪速度センサ(図示せず)等の検出信号に基づき、各車輪の車輪速度Vwが演算されると共に、ステップ103にてこれらが微分され各車輪の車輪加速度DVw(符号が逆の車輪減速度を含む)が求められる。
【0020】
続いて、ステップ104に進み、各車輪の車輪速度Vwに基づき推定車体速度Vsが求められ、更にステップ105において、推定車体速度Vsが微分され、推定車体加速度(符号が逆の推定車体減速度を含む)DVsが演算される。そして、ステップ106に進み、上記ステップ102乃至105で求められた各車輪の車輪速度Vw、推定車体速度Vs等に基づきアンチスキッド制御(ABS制御)のための液圧制御が行なわれるが、これについては説明を省略する。続いて、ステップ107においてトラクション制御、ブレーキアシスト制御等のための加圧制御が行なわれるが、これについては図5を参照して後述する。
【0021】
そして、ステップ108に進み、脈動低減リザーバRD内の液量(残量)の推定が行なわれ(これについては図4を参照して後述する)、更に、ステップ109にてモータMの制御が行なわれる。モータMの制御は、図3に示すように、ステップ201において先ずアンチスキッド制御中か否かが判定され、アンチスキッド制御中であればステップ203に進み、モータMがオンとされて液圧ポンプHPが駆動される。アンチスキッド制御中でなければステップ202に進み、更に自動加圧中か否か、即ち制動操舵等の加圧制御に基づき自動加圧が行なわれているか否かが判定され、自動加圧中であればステップ203に進み、モータMがオンとされる。アンチスキッド制御及び自動加圧の何れも実行中でなければステップ204に進み、減圧用リザーバRSの液量が0か否かが判定され、0であればステップ205に進み、モータMがオフとされ、液圧ポンプHPは停止する。減圧用リザーバRSの液量が0でなければステップ203に進み、モータMのオン状態が維持される。
【0022】
図4は、上記ステップ108で行なわれる脈動低減リザーバ液量推定の処理を示すもので、先ずステップ301において、液圧発生装置BGの出力液圧として圧力センサPSの検出信号に基づき例えばマスタシリンダ液圧Pm(n)が演算される。尚、Pm(n)は今回(n)の演算サイクルにおけるマスタシリンダ液圧の値を示し、Pm(n-1)は前回(n−1)の演算サイクルにおけるマスタシリンダ液圧の値を示す。そして、一点鎖線で囲繞したステップ302乃至309にて同一の脈動低減リザーバRDを含む液圧系に属する一対の車輪、即ちリザーバ系統輪の一方側が処理された後、ステップ310にてリザーバ系統輪の他方側が同様に処理される。例えば、後述の図6に示すようにブレーキ液圧系が2系統に分割されている場合に、脈動低減リザーバRDを共通にする液圧系統(例えば図6の車輪FR,RL)に関してステップ302乃至309の処理が行なわれた後、ステップ310にて他方側の液圧系統(例えば図6の車輪FL,RR)の処理が同様に行なわれる。
【0023】
図4のステップ302においては、一方側の液圧系統の車輪の何れかに対し、図2のステップ106、107及び109で実行されるABS制御、加圧制御及びモータ制御の何れかが制御中か否かが判定され、何れかが制御中である場合にはステップ303にて制御中の時間を表すカウンタT2がインクリメント(+1)された後、ステップ304に進む。ステップ304においては、開閉弁SIを駆動する信号の出力状態が判定され、駆動信号が出力されている場合、即ちオンとされて開位置にある場合には、ステップ305にて開閉弁SIのオン時間を表すカウンタT1がインクリメント(+1)された後ステップ306に進む。開閉弁SIの駆動信号が出力されていなければ、ステップ307にてカウンタT1がクリア(0)された後ステップ306に進む。
【0024】
而して、ステップ306においては、先ず脈動低減リザーバRDの流入側の流量Q1(演算サイクル1回当りの値)が以下の式に基づいて演算される。即ち、Q1=a・〔Pm(n-1)−P1〕1/2
但し、a及びP1は定数で、Pm(n-1)は前回のマスタシリンダ液圧の値を示す。この流量Q1にカウンタT1の値を乗ずると、演算時までの脈動低減リザーバRDへの流入量V1(cc)となる。そして、この流入量V1から、脈動低減リザーバRDの流出側の流量Q2にカウンタT2の値を乗じた値、即ち脈動低減リザーバRDからの流出量(Q2・T2)を減ずると、脈動低減リザーバRDの液量(残量)Vd(n) となる。尚、流量Q1は演算式を用いて演算する代わりに、マップから算出してもよく、また脈動低減リザーバRDの圧力P1は、脈動低減リザーバRDのスプリングのばね定数と液量Vd(n) から演算してもよい。
【0025】
上記の脈動低減リザーバRDの流出側の流量Q2は、例えば、モータMの定格電圧(例えば12v)における液圧ポンプHPの吐出量Eに対し、そのときモータMに印加されている電圧Vと、液圧ポンプHPのブレーキ液が吐出される部分の目標液圧Ptに基づいて演算した負荷Fによって補正することによって求められる。即ち、Q2=E・(V/12)・F(cc)として求められる。
【0026】
一方、ステップ302において、ABS制御、加圧制御及びモータ制御の何れも制御中でないと判定されると、ステップ308にてカウンタT1,T2がクリア(0)されると共に、ステップ309にて脈動低減リザーバRDの液量Vd(n) の値がクリア(0)された後、ステップ310に進む。
【0027】
図5は、上記ステップ107で行なわれる加圧制御の処理を示すもので、先ずステップ401において加圧制御中か否かが判定される。この加圧制御の開始条件は、例えば、ブレーキペダルBPが非操作状態で、車輪の加速スリップ若しくは横すべりが検出されたとき(即ち、トラクション制御若しくは制動操舵制御が開始されるとき)、又はブレーキペダルBPが操作状態で、マスタシリンダ液圧が所定値以上のとき(即ち、ブレーキアシスト制御が開始されるとき)である。一方、加圧制御の終了条件は、上記のトラクション制御、制動操舵制御、ブレーキアシスト制御の開始条件を充足しないときであるが、適宜ヒステリシスを設定するとよい。
【0028】
ステップ401において加圧制御中と判定されたときには、更にステップ402において、初回特定制御開始判定用のフラグAの状態(初期値は0)が判定される。フラグAがセット(1)されていなければ、ステップ403以降に進み初回判定が行なわれる。即ち、ステップ403において、脈動低減リザーバRDの液量Vd(n) (初期値は0)が所定量hと比較され、これに満たない場合にはステップ404に進み、ブレーキペダルBPが操作されたか否かが判定される。ブレーキペダルBPが操作されたと判定された場合にはステップ405に進み、更にパルス駆動出力完了、即ち初回特定制御の終了を表すフラグBの状態が判定される。フラグBがセットされていなければ(0であれば)、ステップ406以降に進み開閉弁SIがパルス駆動される。
【0029】
即ち、ステップ406において、今回(n)の演算サイクルにおけるマスタシリンダ液圧Pm(n)と前回(n−1)の演算サイクルにおけるマスタシリンダ液圧Pm(n-1)との差(即ち、マスタシリンダ液圧の変化勾配)が所定値jと比較される。この差〔Pm(n)−Pm(n-1)〕が所定値jを下回っている場合には、緩やかなブレーキ操作であるので、開閉弁SIがパルス駆動Aとされ、所定値j以上である場合には、急激なブレーキ操作であるので、開閉弁SIがパルス駆動Bとされる。ここで、パルス駆動Aは、開閉弁SIのオン時間、即ち開位置の時間が小で、オフ時間、即ち閉位置の時間が大に設定され、従って吸込流量割合が小とされる。一方、パルス駆動Bは、開閉弁SIの開位置の時間が大で、閉位置の時間が小に設定され、従って吸込流量割合が大とされる。
【0030】
而して、急激なブレーキ操作時のパルス駆動Bに比べ緩やかなブレーキ操作時のパルス駆動Aの方が、吸込流量割合が小とされるので、ブレーキペダルBPの操作開始時の入り込みを適切に防止することができ、運転者に対し違和感のないブレーキフィーリングを与えることができる。このようにパルス駆動が行なわれ、ステップ409においてこれが完了したか否かが判定され、完了と判定されると、ステップ410に進みフラグBがセット(1)され、ステップ411にて開閉弁SCがオンとされて閉位置となる。ステップ409においてパルス駆動が完了していないと判定された場合には、フラグBはセットされることなく、そのままステップ411に進み、次のサイクルで上記のパルス駆動が行なわれる。
【0031】
一方、ステップ402においてフラグAがセット(1)されていると判定された場合には、ステップ412において脈動低減リザーバRDの液量Vd(n) が所定量hと比較され、これに満たない場合にはステップ413に進み、開閉弁SIがオンとされて開位置となる。この状態で、更にステップ414に進み、開閉弁SCがデューティ制御される。これに対し、ステップ412において脈動低減リザーバRDの液量Vd(n) が所定量h以上と判定された場合にはステップ416に進み、開閉弁SIがオフとされて閉位置となる。これにより、脈動低減リザーバRDは液圧発生装置BGに対し遮断された状態となり、液圧発生装置BGからブレーキ液が供給されることなくステップ414において開閉弁SCがデューティ制御される。この場合において、開閉弁SCのデューティは、別途記憶されている〔Pt(n)−Pm(n)〕のマップ値に基づいて設定される。尚、Pm(n)はマスタシリンダ液圧で、Pt(n)はその目標液圧を示す。
【0032】
また、ステップ403において脈動低減リザーバRDの液量Vd(n) が所定量h以上と判定された場合、ステップ404においてブレーキペダルBPが非操作状態と判定された場合、もしくはステップ405においてフラグBがセットされていると判定された場合にも、ステップ415にてフラグAがセット(1)された後、ステップ416に進み開閉弁SIがオフとされて閉位置となる。これにより、液圧発生装置BGと脈動低減リザーバRDとの連通が遮断された状態となり、液圧発生装置BGからブレーキ液が供給されることなくステップ414において開閉弁SCがデューティ制御される。
【0033】
而して、脈動低減リザーバRD内のブレーキ液が満杯となることを確実に防止することができる。尚、ステップ401において加圧制御中でないと判定された場合には、ステップ417において、フラグA及びBの何れもリセット(0)され、且つ開閉弁SI及び開閉弁SCの何れもオフとされて夫々閉位置及び開位置とされた後、図2のメインルーチンに戻る。
【0034】
図6は上記の構成を備えた車両全体を示すもので、車輪FL,FR,RL,RRに夫々ホイールシリンダWfl,Wfr,Wrl,Wrrが装着されている。車輪FLは運転席からみて前方左側の車輪を示し、以下車輪FRは前方右側、車輪RLは後方左側、車輪RRは後方右側の車輪を示しており、本実施形態では所謂X配管が構成されているが、前後配管としてもよい。
【0035】
そして、前述の液圧発生装置BGとしてマスタシリンダMC及びバキュームブースタVBを備えた装置が用いられ、ブレーキペダルBPの操作に応じてバキュームブースタVBを介してマスタシリンダMCが倍力駆動され、低圧リザーバLRS内のブレーキ液が昇圧されて車輪FR,RL側及び車輪FL,RR側の二つのブレーキ液圧系統にマスタシリンダ液圧が出力されるように構成されている。マスタシリンダMCは二つの圧力室を有するタンデム型のマスタシリンダで、一方の圧力室は車輪FR,RL側のブレーキ液圧系統に連通接続され、他方の圧力室は車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統に連通接続されている。そして、マスタシリンダMCの出力側には、マスタシリンダ液圧を検出する圧力センサPSが設けられている。
【0036】
本実施形態のバキュームブースタVBは、従前のバキュームブースタと同様の構成であり、可動壁B1を介して定圧室B2と変圧室B3が形成されており、可動壁B1はブレーキペダルBPに連結されている。可動壁B1には、定圧室B2と変圧室B3との間の連通を断続するバキュームバルブ(図示せず)と、変圧室B3と大気との間の連通を断続するエアバルブ(図示せず)から成る弁機構B4が設けられている。そして、定圧室B2は常時エンジンのインテークマニホールド(図示は省略し、図6にEGで表す)に連通し負圧が導入されるように構成されている。一方、変圧室B3は、弁機構B4によって、定圧室B2と遮断され大気に連通する状態と、定圧室B2と連通して負圧が導入される状態が選択されるように構成されている。而して、ブレーキペダルBPの操作に応じて弁機構B4のバキュームバルブ及びエアバルブが開閉し、定圧室B2と変圧室B3との間にブレーキペダルBPの操作力に応じた差圧が生じ、その結果、ブレーキペダルBPの操作力に応じて増幅された出力がマスタシリンダMCに伝達される。
【0037】
本実施形態のバキュームブースタVBにおいては、更に、定圧室B2内に補助可動壁B5が配置され、可動壁B1との間に補助変圧室B6が形成されている。補助可動壁B5はブレーキペダルBPの移動と共にマスタシリンダMC方向に移動し得るが、ブレーキペダルBPとは無関係にマスタシリンダMC方向に移動しこれを駆動し得るように構成されている。即ち、補助変圧室B6は、ブースタ切換弁SBの作動に応じて、大気に連通する状態と、エンジンのインテークマニホールド(図示せず)に連通して負圧が導入される状態が選択されるように構成されている。ブースタ切換弁SBは3ポート2位置電磁切換弁で構成されており、図6に示すように、オフ時(常態)の第1位置で補助変圧室B6が定圧室B2と共にエンジンのインテークマニホールド(図6にEGで表す)に連通接続され、オンとされた第2位置で補助変圧室B6が大気(図6にARで表す)に連通するように切換えられる。
【0038】
而して、ブースタ切換弁SBを介して補助変圧室B6に負圧が導入されておれば補助可動壁B5は可動壁B1に対し一定の距離に維持され、ブレーキペダルBPの移動と共にマスタシリンダMC方向に移動するが、補助変圧室B6が大気に連通すると、負圧の定圧室B2との間に差圧が生じ、その結果、ブレーキペダルBPの操作とは無関係に(仮令、ブレーキペダルBPが非操作状態であっても)、補助可動壁B5の移動に応じてマスタシリンダMCが駆動される。
【0039】
本実施形態の車輪FR,RL側のブレーキ液圧系統においては、一方の圧力室は主液圧路MF及びその分岐液圧路MFr,MFlを介して夫々ホイールシリンダWfr,Wrlに接続されている。主液圧路MFにはリニアソレノイド弁で構成された第1の開閉弁SC1(以下、単に開閉弁SC1という)が介装されており、常時は開位置とされている。尚、開閉弁SC1を、リニアソレノイド弁に代えて、常開の2ポート2位置の電磁開閉弁で構成し、これに並列にリリーフ弁(図示せず)を設けることとしてもよい。また、一方の圧力室は補助液圧路MFcを介して後述する逆止弁CV5,CV6の間に接続されている。
【0040】
補助液圧路MFcには常閉の2ポート2位置の電磁開閉弁で構成された第2の開閉弁SI1(以下、単に開閉弁SI1という)及び逆止弁CV11、CV12が介装され、これらの逆止弁CV11、CV12の間に脈動低減リザーバRD1が連通接続されている。この脈動低減リザーバRD1によって、前述のように補助液圧路MFc内の脈動が低減される。分岐液圧路MFr,MFlには夫々、常開型の2ポート2位置電磁開閉弁PC1及びPC2(以下、単に開閉弁PC1,PC2という)が介装されている。また、これらと並列に夫々逆止弁CV1,CV2が介装されている。
【0041】
逆止弁CV1,CV2は、マスタシリンダMC方向へのブレーキ液の流れを許容しホイールシリンダWfr,Wrl方向へのブレーキ液の流れを制限するもので、これらの逆止弁CV1,CV2及び開位置の開閉弁SC1を介してホイールシリンダWfr,Wrl内のブレーキ液がマスタシリンダMCひいては低圧リザーバLRSに戻されるように構成されている。而して、ブレーキペダルBPが解放されたときに、ホイールシリンダWfr,Wrl内の液圧はマスタシリンダMC側の液圧低下に迅速に追従し得る。また、ホイールシリンダWfr,Wrlに連通接続される排出側の分岐液圧路RFr,RFlに、夫々常閉型の2ポート2位置電磁開閉弁PC5,PC6(以下、単に開閉弁PC5,PC6という)が介装されており、分岐液圧路RFr,RFlが合流した排出液圧路RFは減圧用リザーバRS1に接続されている。
【0042】
車輪FR,RL側のブレーキ液圧系統においては、上記開閉弁PC1,PC2,PC5,PC6によってモジュレータが構成されている。また、開閉弁PC1,PC2の上流側で分岐液圧路MFr,MFlに連通接続する液圧路MFpに、液圧ポンプHP1が介装され、その吸込側には逆止弁CV5,CV6を介して減圧用リザーバRS1が接続されている。また、液圧ポンプHP1の吐出側は、逆止弁CV7及びダンパDP1を介して夫々開閉弁PC1,PC2に接続されている。液圧ポンプHP1は、液圧ポンプHP2と共に一つの電動モータMによって駆動され、吸込側からブレーキ液を導入し所定の圧力に昇圧して吐出側から出力するように構成されている。
【0043】
マスタシリンダMCは液圧路MFcを介して液圧ポンプHP1の吸込側の逆止弁CV5と逆止弁CV6との間に連通接続されている。逆止弁CV5は減圧用リザーバRS1へのブレーキ液の流れを阻止し、逆方向の流れを許容するものである。また、逆止弁CV6,CV7は液圧ポンプHP1を介して吐出されるブレーキ液の流れを一定方向に規制するもので、通常は液圧ポンプHP1内に一体的に構成されている。而して、開閉弁SI1は、図6に示す常態の閉位置でマスタシリンダMCと液圧ポンプHP1の吸込側との連通が遮断され、開位置でマスタシリンダMCと液圧ポンプHP1の吸込側が連通するように切り換えられる。
【0044】
更に、開閉弁SC1に並列に、ホイールシリンダWfr,Wrl方向へのブレーキ液の流れを許容し逆方向の流れを禁止する逆止弁AV1が介装されている。また、液圧ポンプHP1の吐出側にダンパDP1が配設され、後輪側のホイールシリンダWrlに至る液圧路にプロポーショニングバルブPV1が介装されている。
【0045】
車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統においても同様に、減圧用リザーバRS2、脈動低減リザーバRD2、ダンパDP2及びプロポーショニングバルブPV2をはじめ、リニアソレノイド弁の開閉弁SC2(第1の開閉弁)、常閉型の2ポート2位置電磁開閉弁SI2(第2の開閉弁),PC7,PC8、常開型の2ポート2位置電磁開閉弁PC3,PC4、逆止弁CV3,CV4,CV8乃至CV10、並びに逆止弁AV2が配設されている。液圧ポンプHP2は、電動モータMによって液圧ポンプHP1と共に駆動され、電動モータMの起動後は両液圧ポンプHP1,HP2は連続して駆動される。開閉弁SC1,SC2,SI1,SI2並びに開閉弁PC1乃至PC8は前述の電子制御装置ECUによって駆動制御され、制動操舵制御を初めとする各種制御が行なわれる。
【0046】
先ず、通常のブレーキ作動時においては、各電磁弁は図6に示す常態位置にあり、電動モータMは停止している。この状態でブレーキペダルBPが踏み込まれると、バキュームブースタVBによってマスタシリンダMCが倍力駆動され、マスタシリンダMCの二つの圧力室から、マスタシリンダ液圧が夫々車輪FR,RL側及び車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統に出力され、開閉弁SC1,SC2並びに開閉弁PC1乃至PC8を介して、ホイールシリンダWfr,Wrl,Wfl,Wrrに供給される。車輪FR,RL側及び車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統は同様の構成であるので、以下、代表して車輪FR,RL側のブレーキ液圧系統について説明する。
【0047】
例えば、ブレーキ作動中にアンチスキッド制御に移行し、例えば車輪FR側がロック傾向にあると判定されると、開閉弁SC1は開位置のままで、開閉弁PC1が閉位置とされると共に、開閉弁PC5が開位置とされる。而して、ホイールシリンダWfrは開閉弁PC5を介して減圧用リザーバRS1に連通し、ホイールシリンダWfr内のブレーキ液が減圧用リザーバRS1内に流出し減圧される。
【0048】
ホイールシリンダWfrがパルス増圧モードとなると、開閉弁PC5が閉位置とされると共に開閉弁PC1が開位置とされ、マスタシリンダMCからマスタシリンダ液圧が開位置の開閉弁PC1を介してホイールシリンダWfrに供給される。そして、開閉弁PC1が断続制御され、ホイールシリンダWfr内のブレーキ液は増圧と保持が繰り返されてパルス的に増大し、緩やかに増圧される。ホイールシリンダWfrに対し急増圧モードが設定されたときには、開閉弁PC2,PC5が閉位置とされた後、開閉弁PC1が開位置とされ、マスタシリンダMCからマスタシリンダ液圧が供給される。そして、ブレーキペダルBPが解放され、ホイールシリンダWfrの液圧よりマスタシリンダ液圧の方が小さくなると、ホイールシリンダWfr内のブレーキ液が逆止弁CV1及び開位置の開閉弁SC1を介してマスタシリンダMC、ひいては低圧リザーバLRSに戻る。このようにして、車輪毎に独立した制動力制御が行なわれる。
【0049】
あるいは、トラクション制御に移行し、例えば車輪FRの加速スリップ防止制御が行なわれる場合には、開閉弁SC1が閉位置に切り換えられると共に、開閉弁SI1が開位置に切り換えられ、ホイールシリンダWrlに接続された開閉弁PC2が閉位置とされ、開閉弁PC1が開位置とされる。また、ブースタ切換弁SBが第2位置に切り換えられ、補助変圧室B6が大気に連通し、補助可動壁B5がブレーキペダルBPの操作とは無関係に移動し、マスタシリンダMCが倍力駆動される。従って、液圧ポンプHP1の吸込側には加圧されたブレーキ液が充填された状態となる。即ち、開位置の開閉弁SI1を介して導入されたマスタシリンダMCからのブレーキ液が吸引され、前述のバキュームブースタVBによって液圧ポンプHP1の吸込側が昇圧される。この状態で、電動モータMによって液圧ポンプHP1が駆動されると、開閉弁PC1を介して駆動輪側のホイールシリンダWfrに対し直ちに加圧ブレーキ液が供給される。尚、開閉弁PC1が閉位置とされれば、ホイールシリンダWfrの液圧が保持される。
【0050】
而して、ブレーキペダルBPが非操作状態であっても、例えば車輪FRの加速スリップ防止制御時には、バキュームブースタVBにより液圧ポンプHP1の吸込側は直ちに加圧され、この加圧された状態で液圧ポンプHP1が駆動され、車輪FRの加速スリップ状態に応じて開閉弁PC1,PC5の断続制御により、ホイールシリンダWfrに対し、パルス増圧、パルス減圧及び保持の何れかの液圧モードが設定される。これにより、車輪FRに制動力が付与されて回転駆動力が制限され、加速スリップが防止され、適切にトラクション制御を行なうことができる。
【0051】
上記のように液圧ポンプHP1が駆動されている間、脈動低減リザーバRD1によって補助液圧路MFc内の脈動を確実に低減することができる。そして、前述のように、脈動低減リザーバRD1内のブレーキ液量が所定量以上となったときには開閉弁SIが閉位置とされる。従って、脈動低減リザーバRD1が満杯となることなく、確実に脈動が低減される。
【0052】
更に、車両の制動操舵制御時においては、車輪FR,RL側のブレーキ液圧系統では、開閉弁SC1が閉位置に切換えられると共に、開閉弁SI1が開位置に切換えられ、電動モータMが駆動され、液圧ポンプHP1からブレーキ液が吐出される。そして、開閉弁PC1,PC2,PC5,PC6が適宜開閉制御され、ホイールシリンダWfr,Wrlの液圧がパルス増圧、減圧又は保持され、車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統でも同様に制御される。而して、前後の車輪間の制動力配分が車両のコーストレース性を維持し得るように制御される。
【0053】
この場合においても、前述と同様に、バキュームブースタVBにより液圧ポンプHP1の吸込側は直ちに加圧され、円滑な液圧制御に移行する。即ち、電動モータMによって液圧ポンプHP1が駆動されると、開閉弁PC1を介して駆動輪側のホイールシリンダWfrに対し直ちに加圧ブレーキ液が供給される。例えば、過度のオーバーステアを防止する場合には、旋回外側の前輪に制動力が付与される。また、脈動低減リザーバRD1によって補助液圧路MFc内の脈動を低減することができ、脈動低減リザーバRD1内のブレーキ液量が所定量以上となったときには開閉弁SIが閉位置とされるので、脈動低減リザーバRD1が満杯となることなく、確実に脈動が低減される。
【0054】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、本発明の車両の液圧制御装置においては、液圧発生装置とホイールシリンダを連通接続する主液圧路に介装しホイールシリンダ内のブレーキ液圧を調整するモジュレータと、このモジュレータと液圧発生装置との間の主液圧路を開閉する第1の開閉弁と、モジュレータを介してホイールシリンダから排出したブレーキ液を貯蔵する減圧用リザーバと、吸込側を減圧用リザーバに連通接続すると共に液圧発生装置に連通接続し、吐出側を第1の開閉弁とモジュレータの間の主液圧路に連通接続する液圧ポンプと、この液圧ポンプの吸込側と液圧発生装置とを連通接続する補助液圧路に介装し補助液圧路内の脈動を低減する脈動低減リザーバと、この脈動低減リザーバと液圧発生装置の間の補助液圧路を開閉する第2の開閉弁を備え、推定手段により脈動低減リザーバ内のブレーキ液量を推定し、制御手段により推定結果のブレーキ液量が所定量以上となったときに第2の開閉弁を閉位置とするように構成されているので、小型の脈動低減リザーバであっても、これを満杯とすることなく確実に脈動を低減することができる。
【0055】
更に、前記制御手段を請求項2に記載のように構成すれば、ブレーキペダルの操作開始時にブレーキ液が脈動低減リザーバ内に流入することによって生ずるブレーキペダルの入り込みを適切に防止し、良好な操作フィーリングを確保することができる。
【0056】
上記に加え、前記制御手段を請求項3に記載のように構成すれば、ブレーキペダルの操作状態に応じて適切にブレーキペダルの入り込みを防止し、一層良好な操作フィーリングを確保することができる。
【0057】
また、請求項4に記載のように構成すれば、脈動低減リザーバ内に流入するブレーキ液量を適切に推定することができ、脈動低減リザーバを満杯とすることなく確実に脈動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における液圧制御装置を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるブレーキ液圧制御の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態におけるモータ制御の処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態における脈動低減リザーバ液量推定の処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態における加圧制御の処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る液圧制御装置の全体構成図である。
【符号の説明】
BP ブレーキペダル, BG 液圧発生装置,
MC マスタシリンダ, M モータ,
HP,HP1,HP2 液圧ポンプ,
RS,RS1,RS2 減圧リザーバ,
RD,RD1,RD2 脈動低減リザーバ,
WC,Wfr,Wfl,Wrr,Wrl ホイールシリンダ,
WL,FR,FL,RR,RL 車輪, ECU 電子制御装置,
PCa,PCb,PC1〜PC8 開閉弁, MD モジュレータ
SC,SC1,SC2 第1の開閉弁,
SI,SI1,SI2 第2の開閉弁,
Claims (4)
- 車両の各車輪に装着したホイールシリンダと、少くともブレーキペダルの操作に応じてブレーキ液圧を出力する液圧発生装置と、該液圧発生装置と前記ホイールシリンダを連通接続する主液圧路に介装し前記ホイールシリンダ内のブレーキ液圧を調整するモジュレータと、該モジュレータと前記液圧発生装置との間の前記主液圧路を開閉する第1の開閉弁と、前記モジュレータを介して前記ホイールシリンダから排出したブレーキ液を貯蔵する減圧用リザーバと、吸込側を前記減圧用リザーバに連通接続すると共に前記液圧発生装置に連通接続し、吐出側を前記第1の開閉弁と前記モジュレータの間の前記主液圧路に連通接続する液圧ポンプと、該液圧ポンプの吸込側と前記液圧発生装置とを連通接続する補助液圧路に介装し該補助液圧路内の脈動を低減する脈動低減リザーバと、該脈動低減リザーバと前記液圧発生装置の間の前記補助液圧路を開閉する第2の開閉弁と、前記脈動低減リザーバ内のブレーキ液量を推定する液量推定手段と、該液量推定手段が推定した前記脈動低減リザーバ内のブレーキ液量が所定量以上となったときに前記第2の開閉弁を閉位置とする制御手段とを備えたことを特徴とする車両の液圧制御装置。
- 前記制御手段は、前記ブレーキペダルの操作開始時には前記第2の開閉弁を開閉制御して前記脈動低減リザーバ内に流入するブレーキ液量を制御するように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両の液圧制御装置。
- 前記制御手段は、前記ブレーキペダルの操作開始時における前記ブレーキペダルの操作状態に応じて、前記第2の開閉弁の開閉割合を制御するように構成したことを特徴とする請求項2記載の車両の液圧制御装置。
- 前記液圧発生装置は、前記ブレーキペダルの操作に応じてブレーキ液圧を出力するマスタシリンダを具備して成り、該マスタシリンダの出力ブレーキ液圧を検出する液圧センサを備え、前記液量推定手段が、前記液圧センサの検出ブレーキ液圧と前記第2の開閉弁の開位置時間に基づき前記脈動低減リザーバ内に流入するブレーキ液量を推定するように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両の液圧制御装置。
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