JP4560938B2 - 車両の運動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクション制御、制動操舵制御等の種々の制御を行なう車両の運動制御装置に関し、特に、ブレーキペダルの操作とは無関係にバキュームブースタを駆動してブレーキ液圧を発生する自動液圧発生装置とホイールシリンダの各々との間に液圧制御弁を介装し、車両の運動状態に応じて自動液圧発生装置を駆動制御すると共に液圧制御弁を駆動制御し、ホイールシリンダに対し自動加圧制御を行ない得る車両の運動制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
車両の運動制御装置における制御用のブレーキ力を得る手段としては、種々の手段が知られているが、このうち、真空倍力装置、即ちバキュームブースタを利用したものが、例えば特表平10−508552号公報に開示されている。同公報には、ドライバの意思に関係なく作動可能な空圧ブレーキ力ブースタと、その下流に接続され、液圧装置を介して個々のホイールブレーキに接続する圧力チャンバを有するマスタブレーキシリンダを具備し、液圧装置が、リターンポンプ、定圧アキュムレータ、マスタブレーキシリンダとホイールブレーキ間に挿置された第1バルブ、及びマスタブレーキシリンダとリターンポンプ間に挿置された第2バルブを有し、安定制御駆動及び/又はトラクションスリップ制御するためのアンチロック付き自動車ブレーキ装置の操作方法が開示されている。そして、ブレーキ力ブースタによって供給する圧力が不充分な場合には第1バルブを閉位置に切り換えると共に、リターンポンプによってホイールブレーキを増圧することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報に開示された自動車ブレーキ装置の操作方法においては、ブレーキ力ブースタ(バキュームブースタ)によって供給する圧力が不充分な場合にはリターンポンプによってホイールブレーキを増圧することとされているが、これを行なうには第1バルブ及び第2バルブが必須である。即ち、安定制御駆動及び/又はトラクションスリップ制御を行なうために必要な液圧制御弁装置を構成するバルブに加えて、第1バルブ及び第2バルブが必要となり、コストアップは不可避である。
【0004】
そこで、本発明は、ブレーキペダルの非操作時にバキュームブースタを駆動しホイールシリンダに対し自動加圧制御を行なう車両の運動制御装置において、少くともバキュームブースタ及び液圧ポンプを適切に制御することにより、簡単な構成でバキュームブースタの負圧が小さいときにも適切に車両の運動制御を行うことを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は請求項1に記載のように、車両の各車輪に装着するホイールシリンダと、ブレーキペダルの操作とは無関係にブレーキ液圧を発生する自動液圧発生装置と、該自動液圧発生装置と前記ホイールシリンダの各々との間に介装し、前記ホイールシリンダの各々のブレーキ液圧を制御する液圧制御弁装置と、前記車両の運動状態に応じて前記自動液圧発生装置を駆動制御すると共に、前記液圧制御弁装置を駆動制御し、少くとも前記ブレーキペダルの非操作時に前記ホイールシリンダに対し自動加圧制御を行ない前記車両の運動制御を行なう制御手段とを備えた車両の運動制御装置において、前記液圧制御弁装置を介して前記ホイールシリンダに接続しブレーキ液を貯蔵する補助リザーバと、該補助リザーバに吸入側を接続し、前記液圧制御弁装置の上流側に吐出側を接続する液圧ポンプを備え、前記自動液圧発生装置は、前記ホイールシリンダにブレーキ液圧を供給するマスタシリンダと、負圧を導入する定圧室、及び該定圧室又は大気に連通する変圧室を有し、該変圧室と大気との連通、及び前記変圧室と前記定圧室との連通を制御し、前記変圧室と前記定圧室との間の差圧に応じて前記マスタシリンダを倍力駆動するバキュームブースタと、前記変圧室を前記定圧室に対して遮断した状態で前記変圧室を大気に連通する駆動位置、前記変圧室を前記定圧室及び大気に対して遮断した状態に保持する保持位置、並びに前記駆動位置及び前記保持位置を解除する解除位置を、前記ブレーキペダル操作とは無関係に切換えるブースタ駆動装置を具備して成り、前記制御手段は、前記補助リザーバ内のブレーキ液の量が所定量以上であるときに、前記ブースタ駆動装置を前記駆動位置から前記保持位置に切換えて前記保持位置に維持した状態で、前記液圧ポンプを駆動し前記補助リザーバ内のブレーキ液を前記マスタシリンダに供給するように構成したものである。
【0006】
尚、前記制御手段は、前記液圧ポンプ及び前記液圧制御弁装置の作動状況等を監視することによって、前記補助リザーバ内のブレーキ液が所定量以上か否かを判定することができるが、例えば、請求項2に記載のように、前記ブースタ駆動装置を前記駆動位置とした後の経過時間に基づき、前記補助リザーバ内のブレーキ液の量が所定量以上であるか否かを判定するように構成することができる。また、請求項3に記載のように、前記補助リザーバに収容されたブレーキ液の量を検出する液量検出手段を具備したものとし、前記制御手段を、前記液量検出手段の検出結果に基づき、前記補助リザーバ内のブレーキ液の量が所定量以上であるか否かを判定するように構成してもよい。
【0007】
例えば、請求項4に記載のように、前記液圧制御弁装置は、前記ホイールシリンダを前記マスタシリンダのみに連通する増圧モード、前記ホイールシリンダを前記補助リザーバのみに連通する減圧モード、前記ホイールシリンダと前記マスタシリンダ及び前記補助リザーバの両者との連通を遮断する保持モード、並びに前記ホイールシリンダを前記マスタシリンダ及び前記補助リザーバの両者に連通する連通モードを設定し、前記制御手段は、前記車両の各車輪のうち、同一液圧系統の制御対象車輪と非制御対象車輪に関し、前記制御対象車輪のホイールシリンダに対し増圧制御中でないときに、前記液圧制御弁装置を駆動して前記非制御対象車輪のホイールシリンダに対し前記連通モードを設定し、前記ブースタ駆動装置を前記保持位置とするときには前記液圧制御弁装置を駆動して前記非制御対象車輪のホイールシリンダに対し前記保持モードを設定するように構成するとよい。この場合には、前記制御手段は、請求項5に記載のように、前記連通モードとした合計時間が所定時間を越えたときに、前記補助リザーバ内のブレーキ液の量が所定量以上であると判定するように構成することができる。
【0008】
また、請求項6に記載のように、前記液圧制御弁装置は、前記ホイールシリンダを前記マスタシリンダのみに連通する増圧モード、前記ホイールシリンダを前記補助リザーバのみに連通する減圧モード、前記ホイールシリンダと前記マスタシリンダ及び前記補助リザーバの両者との連通を遮断する保持モード、並びに前記ホイールシリンダを前記マスタシリンダ及び前記補助リザーバの両者に連通する連通モードを設定し、前記制御手段は、前記ホイールシリンダに対し自動加圧制御を行なう前の所定時間の間に、前記液圧制御弁装置を駆動して前記車両の全てのホイールシリンダに対し前記連通モードを設定し、前記ブースタ駆動装置を前記駆動位置とした後の経過時間が所定時間を越えたときに、前記ブースタ駆動装置を前記保持位置に切換えるように構成してもよい。
【0009】
前記液圧制御弁装置は、請求項7に記載のように、前記ホイールシリンダと前記マスタシリンダとの間に介装する常開の第1の開閉弁と、前記ホイールシリンダと前記補助リザーバとの間に介装する常閉の第2の開閉弁を備え、前記増圧モードでは前記第1の開閉弁を開位置とすると共に前記第2の開閉弁を閉位置とし、前記減圧モードでは前記第1の開閉弁を閉位置とすると共に前記第2の開閉弁を開位置とし、前記保持モードでは前記第1及び第2の開閉弁を閉位置とし、前記連通モードでは前記第1及び第2の開閉弁を開位置とするように構成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の望ましい実施形態を図面を参照して説明する。先ず、図1を参照して本発明の一実施形態を含む車両の全体構成を説明する。エンジンEGはスロットル制御装置TH及び燃料噴射装置FIを備えた内燃機関で、スロットル制御装置THにおいてはアクセルペダルAPの操作に応じてメインスロットルバルブMTのメインスロットル開度が制御される。また、電子制御装置ECUの出力に応じて、スロットル制御装置THのサブスロットルバルブSTが駆動されサブスロットル開度が制御されると共に、燃料噴射装置FIが駆動され燃料噴射量が制御されるように構成されている。本実施形態のエンジンEGは変速制御装置GSを介して車両前方の車輪FL,FRに連結されており、所謂前輪駆動方式が構成されているが、本発明における駆動方式をこれに限定するものではない。
【0011】
制動系については、車輪FL,FR,RL,RRに夫々ホイールシリンダWfl,Wfr,Wrl,Wrrが装着されており、これらのホイールシリンダWfl等にブレーキ液圧制御装置BCが接続されている。尚、車輪FLは運転席からみて前方左側の車輪を示し、以下車輪FRは前方右側、車輪RLは後方左側、車輪RRは後方右側の車輪を示している。尚、ブレーキ液圧制御装置BCについては図2を参照して後述する。
【0012】
車輪FL,FR,RL,RRには車輪速度センサWS1乃至WS4が配設され、これらが電子制御装置ECUに接続されており、各車輪の回転速度、即ち車輪速度に比例するパルス数のパルス信号が電子制御装置ECUに入力されるように構成されている。更に、後述するリザーバ液量センサFS、ブレーキペダルBPが踏み込まれたときオンとなるブレーキスイッチBS、車両前方の車輪FL,FRの舵角δf を検出する前輪舵角センサSSf、車両の横加速度を検出する横加速度センサYG、車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサYS、並びにメインスロットルバルブMT及びサブスロットルバルブSTの開度を検出するスロットルセンサSS等が電子制御装置ECUに接続されている。尚、ヨーレイトセンサYSにおいては、車両重心を通る鉛直軸回りの車両回転角(ヨー角)の変化速度即ちヨー角速度(ヨーレイト)が検出され実ヨーレイトγa として電子制御装置ECUに出力される。
【0013】
本実施形態の電子制御装置ECUは、図1に示すように、バスを介して相互に接続されたプロセシングユニットCPU、メモリROM,RAM、入力ポートIPT及び出力ポートOPT等から成るマイクロコンピュータCMPを備えている。上記車輪速度センサWS1乃至WS4、ブレーキスイッチBS、前輪舵角センサSSf、ヨーレイトセンサYS、横加速度センサYG、スロットルセンサSS等の出力信号は増幅回路AMPを介して夫々入力ポートIPTからプロセシングユニットCPUに入力されるように構成されている。また、出力ポートOPTからは駆動回路ACTを介してスロットル制御装置TH及びブレーキ液圧制御装置BCに夫々制御信号が出力されるように構成されている。
【0014】
マイクロコンピュータCMPにおいては、メモリROMは図4乃至図9に示したフローチャートを含む種々の処理に供するプログラムを記憶し、プロセシングユニットCPUは図示しないイグニッションスイッチが閉成されている間当該プログラムを実行し、メモリRAMは当該プログラムの実行に必要な変数データを一時的に記憶する。尚、スロットル制御等の各制御毎に、もしくは関連する制御を適宜組合せて複数のマイクロコンピュータを構成し、相互間を電気的に接続することとしてもよい。
【0015】
上記のブレーキ液圧制御装置BCを含む制動系は、図2に示すように、ブレーキペダルBPの操作に応じてバキュームブースタVBを介してマスタシリンダMCが倍力駆動され、マスタリザーバLRS内のブレーキ液が昇圧されて車輪FR,RL側及び車輪FL,RR側の二つのブレーキ液圧系統にマスタシリンダ液圧が出力されるように構成されており、所謂X配管が構成されている。マスタシリンダMCは二つの圧力室を有するタンデム型のマスタシリンダで、一方の圧力室は車輪FR,RL側のブレーキ液圧系統に連通接続され、他方の圧力室は車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統に連通接続されている。尚、バキュームブースタVBについては図3を参照して後述する。
【0016】
本実施形態の車輪FR,RL側のブレーキ液圧系統においては、一方の圧力室は主液圧路MF及びその分岐液圧路MFr,MFlを介して夫々ホイールシリンダWfr,Wrlに接続されている。分岐液圧路MFr,MFlには夫々、常開型の2ポート2位置電磁開閉弁PC1及びPC2(以下、単に電磁弁PC1,PC2という)が介装されている。また、ホイールシリンダWfr,Wrlに連通接続される排出側の分岐液圧路RFr,RFlに、夫々常閉型の2ポート2位置電磁開閉弁PC5,PC6(以下、単に電磁弁PC5,PC6という)が介装されており、分岐液圧路RFr,RFlが合流した排出液圧路RFは補助リザーバRS1に接続されている。
【0017】
更に、電磁弁PC1,PC2と並列に夫々逆止弁CV1,CV2が介装されている。逆止弁CV1,CV2は、マスタシリンダMC方向へのブレーキ液の流れを許容しホイールシリンダWfr,Wrl方向へのブレーキ液の流れを制限するもので、これらの逆止弁CV1,CV2を介してホイールシリンダWfr,Wrl内のブレーキ液がマスタシリンダMCひいてはマスタリザーバLRSに戻されるように構成されている。而して、ブレーキペダルBPが解放されたときに、ホイールシリンダWfr,Wrl内の液圧はマスタシリンダMC側の液圧低下に迅速に追従し得る。
【0018】
車輪FR,RL側のブレーキ液圧系統においては、電磁弁PC1,PC2の上流側で分岐液圧路MFr,MFlに連通接続する液圧路MFpに、液圧ポンプHP1が介装され、その吸込側には逆止弁CV5を介して補助リザーバRS1が接続されている。液圧ポンプHP1は、液圧ポンプHP2と共に一つの電動モータMによって駆動され、吸込側からブレーキ液を導入し所定の圧力に昇圧して吐出側から出力するように構成されている。補助リザーバRS1は、マスタシリンダMCのマスタリザーバLRSとは独立して設けられるもので、アキュムレータということもでき、ピストンとスプリングを備え、後述する種々の制御に必要な容量のブレーキ液を貯蔵し得るように構成されている。そして、本実施形態では、補助リザーバRS1内のブレーキ液の液量をピストンのストロークによって検出するリザーバ液量センサFSが設けられている。
【0019】
液圧ポンプHP1の吐出側は、逆止弁CV6及びダンパDP1を介して夫々電磁弁PC1,PC2に接続されている。逆止弁CV5は補助リザーバRS1へのブレーキ液の流れを阻止し、逆方向の流れを許容するものである。また、逆止弁CV6は液圧ポンプHP1を介して吐出されるブレーキ液の流れを一定方向に規制するもので、通常は液圧ポンプHP1内に一体的に構成されている。尚、液圧ポンプHP1の吐出側にダンパDP1が配設され、後輪側のホイールシリンダWrlに至る液圧路にプロポーショニングバルブPV1が介装されている。
【0020】
車輪FL,RR側のブレーキ液圧系統においても同様に、常開型の2ポート2位置電磁開閉弁PC3,PC4、常閉型の2ポート2位置電磁開閉弁PC7,PC8、逆止弁CV3,CV4,CV7,CV8、補助リザーバRS2、ダンパDP2及びプロポーショニングバルブPV2が設けられており、液圧ポンプHP2は電動モータMによって液圧ポンプHP1と共に駆動される。
【0021】
而して、上記の電磁弁PC1乃至PC8によって本発明にいう液圧制御弁装置が構成され、これらの電磁弁PC1乃至PC8が前述の電子制御装置ECUによって駆動制御され、制動操舵制御を初めとする各種制御が行なわれる。例えば、車輪FRのホイールシリンダWfrの液圧制御に関し、増圧モード(及び、通常のブレーキ作動時)では開閉弁PC1が開位置とされると共に開閉弁PC5が閉位置とされ、減圧モードでは開閉弁PC1が閉位置とされると共に開閉弁PC5が開位置とされ、保持モードでは開閉弁PC1及びPC5が共に閉位置とされ、連通モードでは開閉弁PC1及びPC5が共に開位置とされる。
【0022】
次に、バキュームブースタVBは図3に示すように構成され、その内部には、少くともブレーキペダル非操作時にバキュームブースタVBを自動的に駆動するブースタ駆動装置BDが設けられている。バキュームブースタVBの基本構成は従来同様であり、可動壁B1により定圧室B2と変圧室B3が形成されており、可動壁B1はパワーピストンB4と一体的に連結されている。定圧室B2は常時エンジンEGの吸気管(図示せず)に連通し負圧が導入されるように構成されている。パワーピストンB4は、後述する固定コアD2及びリアクションディスクB9を介して出力ロッドB10に力伝達可能に連結され、出力ロッドB10はマスタシリンダMCに連結されている。
【0023】
パワーピストンB4内には、定圧室B2と変圧室B3との間の連通を断続するバキュームバルブV1と、変圧室B3と大気との間の連通を断続するエアバルブV2とから成る弁機構B5が設けられている。バキュームバルブV1は、パワーピストンB4に形成された環状弁座V11と、この環状弁座V11に着脱可能な弾性弁体V12とを備える。エアーバルブV2は、弾性弁体V12に装着された弾性弁座V21と、この弾性弁座V21に着脱可能な弁体V22とを備える。弁体V22は、ブレーキペダルBPに連動可能な入力ロッドB6に連結され、スプリングB7の付勢力により弾性弁座V21に着座する方向に付勢される。また、スプリングB8の付勢力により、バキュームバルブV1の弾性弁体V12は環状弁座V11に着座する方向に付勢されると共に、エアバルブV2の弾性弁座V21は弁体22に着座する方向に付勢されている。
【0024】
而して、ブレーキペダルBP(図2)の操作に応じて弁機構B5のバキュームバルブV1及びエアバルブV2が開閉し、定圧室B2と変圧室B3との間にブレーキペダルBPの操作力に応じた差圧が生じ、その結果、ブレーキペダルBPの操作に応じて増幅された出力がマスタシリンダMCに伝達される。
【0025】
ブースタ駆動装置BDはソレノイドD1、固定コアD2及び可動コアD3を有し、ソレノイドD1は、通電時に可動コアD3を固定コアD2に向けて吸引するもので、図1に示す電子制御装置ECUに電気的に接続されている。固定コアD2は、パワーピストンB4とリアクションディスクB9の間に配設され、パワーピストンB4からリアクションディスクB9へ力伝達可能となっている。可動コアD3は、ソレノイドD1内で固定コアD2と対向するように配置され、固定コアD2との間に磁気ギャップD4が形成されている。可動コアD3は、エアバルブV2の弁体V22に係合しており、可動コアD3が固定コアD2に対し磁気ギャップD4を減少させる方向に相対移動すると、エアバルブV2の弁体V22が一体的に移動するように構成されている。
【0026】
而して、ブースタ駆動装置BDは、変圧室B3を大気に連通する駆動位置、変圧室B3を定圧室B2及び大気に対して連通を遮断した状態に保持する保持位置、並びに駆動位置及び保持位置を解除する解除位置を、ブレーキペダルBPの操作とは無関係に切換えるように構成されている。尚、解除位置では、バキュームブースタVBはブレーキペダル操作に応じて弁機構B5によって駆動される。
【0027】
入力ロッドB6は、第1入力ロッドB61と第2入力ロッドB62とから構成されている。第1入力ロッドB61は、ブレーキペダルBPに一体的に連結されている。第2入力ロッドB62は、第1入力ロッドB61に対し相対移動可能で、パワーピストンB4によってキー部材B11を介して出力ロッドB10側に力伝達可能に構成されている。従って、第2入力ロッドB62のみが前進駆動されると第1入力ロッドB61は残置され、これらの第1及び第2入力ロッドB61,B62によって所謂ペダル残置機構が構成されている。
【0028】
而して、バキュームブースタVB(ブースタ駆動装置BDを含む)及びマスタシリンダMCによって自動液圧発生装置が構成されており、この自動液圧発生装置によって、少なくともブレーキペダル非操作時に制御対象車輪に対し自動加圧制御(例えば制動操舵制御やトラクション制御)を行なう際の、バキュームブースタVB等の作動について、以下に説明する。
【0029】
電子制御装置ECUにより自動加圧制御が開始されると、ソレノイドD1が通電され、可動コアD3が磁気ギャップD4側に移動し、エアバルブV2の弁体V22がスプリングB7の付勢力に抗して可動コアD3と一体的に移動する。その結果、スプリングB8によりバキュームバルブV1の弾性弁体V12が環状弁座V11に着座し、変圧室B3と定圧室B2との連通状態が遮断される。その後、エアバルブV2の弁体V22が更に移動するため、弁体V22が弾性弁座V21から離脱し、変圧室B3に大気が導入される。これにより、変圧室B3及び定圧室B2間に差圧が発生し、パワーピストンB4、固定コアD2、リアクションディスクB9及び出力ロッドB10がマスタシリンダMC(図2)側に前進し、その結果、マスタシリンダMCから自動的にブレーキ液圧が出力される。
【0030】
そして、パワーピストンB4がキー部材B11に係合した後、キー部材B11に係合する第2入力ロッドB62がパワーピストンB4と一体的に前進する。このとき、第1入力ロッドB61にはパワーピストンB4の前進力が伝達されないため、初期位置に維持される。つまり、ブースタ駆動装置BDによりバキュームブースタVBが自動的に駆動されている間に、ブレーキペダルBPは初期位置に維持される。
【0031】
上記のブースタ駆動装置BD、開閉弁PC1乃至PC8及び電動モータMは電子制御装置ECUによって駆動制御され、制動操舵制御(オーバーステア抑制制御又はアンダーステア抑制制御)等の運動制御が行われる。イグニッションスイッチ(図示せず)が閉成されると、6msの演算周期で図4のフローチャートに対応した運動制御のプログラムが実行される。
【0032】
先ずステップ101にてマイクロコンピュータCMPが初期化され、各種の演算値がクリアされる。次にステップ102において、車輪速度センサWS1乃至WS4の検出信号が読み込まれると共に、前輪舵角センサSSfの検出信号(舵角δf )、ヨーレイトセンサYSの検出信号(実ヨーレイトγa )、横加速度センサYGの検出信号(実横加速度であり、Gyaで表す)及びスロットルセンサSSの検出信号等が読み込まれる。
【0033】
次に、ステップ103に進み、各車輪の車輪速度Vw** (**は各車輪FR等を表す)が演算されると共に、これらが微分され各車輪の車輪加速度DVw** が求められる。続いて、ステップ104において各車輪の車輪速度Vw** の最大値が車両重心位置での推定車体速度Vsoとして演算される(Vso=MAX( Vw**))。
また、各車輪の車輪速度Vw** に基づき各車輪毎に推定車体速度Vso**が求められ、必要に応じ、車両旋回時の内外輪差等に基づく誤差を低減するため正規化が行われる。更に、推定車体速度Vsoが微分され、車両重心位置での推定車体加速度(符号が逆の推定車体減速度を含む)DVsoが演算される。
【0034】
そして、ステップ105において、上記ステップ103及び104で求められた各車輪の車輪速度Vw** と推定車体速度Vso**(あるいは、正規化推定車体速度)に基づき各車輪の実スリップ率Sa** がSa** =(Vso**−Vw** )/Vso**として求められる。次に、ステップ106おいて、車両重心位置での推定車体加速度DVsoと横加速度センサYGの検出信号の実横加速度Gyaに基づき、路面摩擦係数μが近似的に(DVso2 +Gya2)1/2 として求められる。更に、路面摩擦係数を検出する手段として、直接路面摩擦係数を検出するセンサ等、種々の手段を用いることができる。
【0035】
続いて、ステップ107,108にて車体横すべり角速度Dβが演算されると共に、車体横すべり角βが演算される。この車体横すべり角βは、車両の進行方向に対する車体のすべりを角度で表したもので、次のように演算し推定することができる。即ち、車体横すべり角速度Dβは車体横すべり角βの微分値dβ/dtであり、ステップ107にてDβ=Gya/Vso−γa として求めることができ、これをステップ108にて積分しβ=∫(Gya/Vso−γa )dtとして車体横すべり角βを求めることができる。
【0036】
続いて、ステップ109に進み制動操舵制御モードとされ、制動操舵制御に供する目標スリップ率が設定され、ステップ118の液圧サーボ制御により、車両の運転状態に応じて各車輪に対する制動トルクが制御される。この制動操舵制御は、後述する全ての制御モードにおける制御に対し重畳される。この後ステップ110に進み、アンチスキッド制御開始条件を充足しているか否かが判定され、開始条件を充足し制動操舵時にアンチスキッド制御開始と判定されると、初期特定制御は直ちに終了しステップ111にて制動操舵制御及びアンチスキッド制御の両制御を行なうための制御モードに設定される。
【0037】
ステップ110にてアンチスキッド制御開始条件を充足していないと判定されたときには、ステップ112に進み前後制動力配分制御開始条件を充足しているか否かが判定され、制動操舵制御時に前後制動力配分制御開始と判定されるとステップ113に進み、制動操舵制御及び前後制動力配分制御の両制御を行なうための制御モードに設定され、充足していなければステップ114に進みトラクション制御開始条件を充足しているか否かが判定される。制動操舵制御時にトラクション制御開始と判定されるとステップ115にて制動操舵制御及びトラクション制御の両制御を行なうための制御モードに設定され、制動操舵制御時に何れの制御も開始と判定されていないときには、ステップ116にて制動操舵制御開始条件を充足しているか否かが判定される。
【0038】
ステップ116において制動操舵制御開始と判定されるとステップ117に進み制動操舵制御のみを行なう制御モードに設定される。そして、これらの制御モードに基づきステップ118にて液圧サーボ制御が行なわれた後ステップ102に戻る。尚、前後制動力配分制御モードにおいては、車両の制動時に車両の安定性を維持するように、後輪に付与する制動力の前輪に付与する制動力に対する配分が制御される。ステップ116において制動操舵制御開始条件も充足していないと判定されると、ステップ119にて全ての電磁弁のソレノイドがオフとされ図2に示す定常状態とされた後ステップ102に戻る。尚、ステップ111,113,115,117に基づき、必要に応じ、車両の運転状態に応じてスロットル制御装置THのサブスロットル開度が調整されエンジンEGの出力が低減され、駆動力が制限される。
【0039】
図5は図4のステップ109における制動操舵制御に供する目標スリップ率の設定の具体的処理内容を示すもので、制動操舵制御にはオーバーステア抑制制御及びアンダーステア抑制制御が含まれ、各車輪に関しオーバーステア抑制制御及び/又はアンダーステア抑制制御に応じた目標スリップ率が設定される。先ず、ステップ201,202においてオーバーステア抑制制御及びアンダーステア抑制制御の開始・終了判定が行なわれる。
【0040】
ステップ201で行なわれるオーバーステア抑制制御の開始・終了判定は、図10のマップに斜線で示す制御領域にあるか否かに基づいて行なわれる。即ち、判定時における車体横すべり角βと車体横すべり角速度Dβの値に応じて制御領域に入ればオーバーステア抑制制御が開始され、制御領域を脱すればオーバーステア抑制制御が終了とされ、図10に矢印の曲線で示したように制御される。また、図10に二点鎖線で示した境界から制御領域側に外れるに従って制御量が大となるように各車輪の制動力が制御される。図10のマップにおいて、二点鎖線は制御開始判定のしきい値を表し、一点鎖線の直線はプレ制御が開始するしきい値を表す。尚、プレ制御とは、図4に記載の各制御モードの制動制御が開始する前(制御領域に入る前)に行なうもので、制御前制御とも呼ばれる。
【0041】
一方、ステップ202で行なわれるアンダーステア抑制制御の開始・終了判定は、図11に斜線で示す制御領域にあるか否かに基づいて行なわれる。即ち、判定時において目標横加速度Gytに対する実横加速度Gyaの変化に応じて、一点鎖線で示す理想状態から外れて制御領域に入ればアンダーステア抑制制御が開始され、制御領域を脱すればアンダーステア抑制制御が終了とされ、図11に矢印の曲線で示したように制御される。
【0042】
続いて、ステップ203にてオーバーステア抑制制御が制御中か否かが判定され、制御中でなければステップ204にてアンダーステア抑制制御が制御中か否かが判定され、これも制御中でなければそのままメインルーチンに戻る。ステップ204にてアンダーステア抑制制御と判定されたときにはステップ205に進み、各車輪の目標スリップ率が後述するアンダーステア抑制制御用に設定される。ステップ203にてオーバーステア抑制制御と判定されると、ステップ206に進みアンダーステア抑制制御か否かが判定され、アンダーステア抑制制御でなければステップ207において各車輪の目標スリップ率は後述するオーバーステア抑制制御用に設定される。また、ステップ206でアンダーステア抑制制御が制御中と判定されると、オーバーステア抑制制御とアンダーステア抑制制御が同時に行なわれることになり、ステップ208にて同時制御用の目標スリップ率が設定される。
【0043】
ステップ207におけるオーバーステア抑制制御用の目標スリップ率の設定には、車体横すべり角βと車体横すべり角速度Dβが用いられる。また、アンダーステア抑制制御における目標スリップ率の設定には、目標横加速度Gytと実横加速度Gyaとの差が用いられる。この目標横加速度GytはGyt=γ(θf)・Vsoに基づいて求められる。ここで、γ(θf)はγ(θf)={θf/( N・L)}・Vso/(1+Kh ・Vso2 )として求められ、Kh はスタビリティファクタ、Nはステアリングギヤレシオ、Lはホイールベースを表す。
【0044】
ステップ205における各車輪の目標スリップ率は、旋回外側の前輪がStufoに設定され、旋回内側の前輪がStufiに設定され、旋回内側の後輪がSturiに設定される。ここで示したスリップ率(S)の符号については "t"は「目標」を表し、後述の「実測」を表す "a"と対比される。 "u"は「アンダーステア抑制制御」を表し、 "r"は「後輪」を表し、 "o"は「外側」を、 "i"は「内側」を夫々表す。
【0045】
ステップ207における各車輪の目標スリップ率は、旋回外側の前輪がStefoに設定され、旋回内側の後輪がSteriに設定される。ここで、 "e"は「オーバーステア抑制制御」を表す。そして、ステップ208における各車輪の目標スリップ率は、旋回外側の前輪がStefoに設定され、旋回内側の前輪がStufiに設定され、旋回内側の後輪がSturiに夫々設定される。即ち、オーバーステア抑制制御とアンダーステア抑制制御が同時に行なわれるときには、旋回外側の前輪はオーバーステア抑制制御の目標スリップ率と同様に設定され、旋回内側の車輪は何れもアンダーステア抑制制御の目標スリップ率と同様に設定される。尚、何れの場合も旋回外側の後輪(即ち、前輪駆動車における従動輪)は推定車体速度設定用のため非制御とされている。
【0046】
オーバーステア抑制制御に供する旋回外側の前輪の目標スリップ率Stefoは、Stefo=K1 ・β+K2 ・Dβとして設定され、旋回内側の後輪の目標スリップ率Steriは”0”とされる。ここで、K1 ,K2は定数で、加圧方向(制動力を増大する方向)の制御を行なう値に設定される。一方、アンダーステア抑制制御に供する目標スリップ率は、目標横加速度Gytと実横加速度Gyaの偏差ΔGy に基づいて以下のように設定される。即ち、旋回外側の前輪に対する目標スリップ率StufoはK3 ・ΔGy と設定され、定数K3 は加圧方向(もしくは減圧方向)の制御を行なう値に設定される。また、旋回内側の後輪に対する目標スリップ率SturiはK4 ・ΔGy に設定され、定数K4 は加圧方向の制御を行なう値に設定される。
【0047】
図6は図3のステップ118で行なわれる液圧サーボ制御の処理内容を示すもので、各車輪についてホイールシリンダ液圧のスリップ率サーボ制御が行なわれる。先ず、前述のステップ205,207又は208にて設定された目標スリップ率St** がステップ301にて読み出され、これらがそのまま各車輪の目標スリップ率St** として読み出される。
【0048】
続いてステップ302において、各車輪毎にスリップ率偏差ΔSt** が演算されると共に、ステップ303にて車体加速度偏差ΔDVso**が演算される。ステップ302においては、各車輪の目標スリップ率St** と実スリップ率Sa** の差が演算されスリップ率偏差ΔSt** が求められる(ΔSt** =St** −Sa** )。また、ステップ303においては車両重心位置での推定車体加速度DVsoと制御対象の車輪における車輪加速度DVw** の差が演算され、車体加速度偏差ΔDVso**が求められる。このときの各車輪の実スリップ率Sa** 及び車体加速度偏差ΔDVso**はアンチスキッド制御、トラクション制御等の制御モードに応じて演算が異なるが、これらについては説明を省略する。
【0049】
次に、ステップ304に進み、各制御モードにおけるブレーキ液圧制御に供する一つのパラメータY**がGs** ・ΔSt** として演算される。ここでGs** はゲインであり、車体横すべり角βに応じて設定される。また、ステップ305において、ブレーキ液圧制御に供する別のパラメータX**がGd** ・ΔDVso**として演算される。このときのゲインGd** は一定の値である。この後、ステップ306に進み、各車輪毎に液圧モードが設定されるが、これについては図7を参照して後述する。続いて、ステップ307において、ブースタ駆動処理、即ちブースタ駆動装置BDの駆動制御が行われるが、これについては図8を参照して後述する。
【0050】
上記の液圧モードに応じて、ステップ308にて液圧制御ソレノイドの駆動処理が行なわれ、開閉弁PC1乃至PC8のソレノイドが駆動され、各車輪の制動力が制御される。そして、ステップ309にてモータMの駆動処理が行なわれるが、これについては図9を参照して後述する。尚、上記の実施形態ではスリップ率によって制御することとしているが、オーバーステア抑制制御及びアンダーステア抑制制御の制御目標としてはスリップ率のほか、各車輪のホイールシリンダのブレーキ液圧等、各車輪に付与される制動力に対応する目標値であればどのような値を用いてもよい。尚、上記の図5及び図6は制動操舵制御に関するものであり、トラクション制御においても液圧サーボ制御による自動加圧制御が行なわれるが、説明は省略する。
【0051】
図7は、図6のステップ306の液圧モード設定の処理を示すもので、先ずステップ401においてプレ制御中か否かが判定される。尚、プレ制御中か否かの判定は図10の制御マップに基づいて行なわれる。プレ制御中であれば、ステップ402に進み、全車輪に関する液圧モードが連通モードとされ、開閉弁PC1乃至PC8の全てが開位置とされる。この連通モードは、できるだけ早く補助リザーバ内の液量を増加させるために設定されるモードであり、補助リザーバRS1及びRS2は、開位置の開閉弁PC1乃至PC8を介して、マスタシリンダMC(及び液圧ポンプの吐出側)に連通する。ステップ401においてプレ制御中でないと判定されれば、ステップ403に進み、制動制御中か否かが判定される。即ち、図4に記載の各制御モードによる制動制御中か否かが判定される。
【0052】
ステップ403において制動制御中と判定された場合には、ステップ404に進み、判定対象の当該車輪(例えば車輪FR)が制動制御中か否か、即ち、制御対象車輪(制御輪)か否かが判定され、そうであればステップ405に進む。ステップ405においては、前述のステップ305及び304で求められたパラメータX**及びパラメータY**に基づき、図12に示す制御マップに従って液圧モードが設定される。この制御マップには予め急減圧モード領域、パルス減圧モード領域、保持モード領域、パルス増圧モード領域及び急増圧モード領域の各領域が設定されており、ステップ405にてパラメータX**及びパラメータY**の値に応じて、何れの領域に該当するかが判定される(尚、図7のステップ405内には簡略して増圧、減圧及び保持としている)。
【0053】
一方、ステップ404において当該車輪が制動制御中でないと判定された場合、即ち非制御対象車輪(非制御輪)である場合には、ステップ407に進み、ブースタ保持フラグFbの状態が判定される。このブースタ保持フラグFbは、全ての連通モードが完了し、後述するようにブースタ駆動装置BDを保持位置に設定する準備が完了したときにセット(1)されるものである。従って、このフラグは連通モード完了フラグということもできるが、後述するプレ制御時には、ブースタ駆動装置BDが駆動位置とされた時から所定時間Kp時間経過したときにセットされるので、ブースタ駆動装置BDを保持位置に切り換えるためのフラグという意味でブースタ保持フラグFbとしている。尚、前述のステップ405の後のステップ406ではブースタ保持フラグFbがリセット(0)される。
【0054】
而して、ステップ407においてブースタ保持フラグFbがセットされていると判定された場合には、ステップ408に進み保持モードとされ、ブースタ保持フラグFbがセットされていないと判定された場合には、ステップ409に進む。ステップ409においては、同一の液圧系統の制御輪(例えば車輪FRが非制御輪であるときの車輪RL)が増圧制御中か否かが判定され、そうであればステップ408に進み、非制御輪である当該車輪(車輪FR)は保持モードとされる。
【0055】
ステップ409において同一の液圧系統の制御輪(車輪RL)が増圧モードでないと判定されると、ステップ410に進み、連通モードの合計時間Tt(以下、連通時間Ttという)が所定時間Ktを経過したか否かが判定され、所定時間Ktを経過しておれば、当該車輪(車輪FL)は保持モードとされ、ステップ412においてブースタ保持フラグFbがセット(1)される。連通時間Ttが所定時間Ktを経過していなければ、ステップ402に進み、当該車輪(車輪FR)は連通モードとされる。尚、ステップ402における連通モードの設定は、前述のようにプレ制御の場合は全車輪を対象とし、それ以外は各車輪を対象とする。
【0056】
上記のステップ410において、本実施形態では連通時間Ttが所定時間Ktを経過したか否かを判定することとしているが、これに代えて、補助リザーバRS1又はRS2内のブレーキ液の液量が所定量以上となった時、もしくは所定量以上となって所定時間経過後か否かを判定することとしてもよい。この場合において、本実施形態では、補助リザーバ(例えばRS1)に収容されたブレーキ液の量を検出する液量検出手段として、リザーバ液量センサFSを備えているので、この検出結果に基づいて、補助リザーバ(例えばRS1)のブレーキ液の液量が所定量以上か否かを判定することができる。あるいは、ステップ410において、ブースタ駆動装置BDが駆動位置とされた時から所定時間経過したか否かを判定することとしてもよい。
【0057】
一方、ステップ403において制動制御中でないと判定された場合には、ステップ413に進み、全車輪が増圧モードとされ、通常のブレーキ作動が行なわれる。そして、ステップ414においてブースタ保持フラグFbがリセット(0)される。
【0058】
図8は、図6のステップ307のブースタ駆動処理を示すもので、先ずステップ501において、プレ制御中、トラクション制御中、及び制動操舵制御中の何れかであるか否か、即ち自動加圧制御中であるか否かが判定される。自動加圧制御中であれば、ステップ502に進み、ブースタ保持フラグFbの状態が判定される。このブースタ保持フラグFbがセットされておれば、ブースタ駆動装置BDが保持位置とされ、変圧室B3は定圧室B2及び大気に対して連通を遮断した状態に保持される。ブースタ保持フラグFbがセットされていなければ、ステップ504に進み、ブースタ駆動装置BDは駆動位置とされ、変圧室B3が大気に連通される。ステップ501において、プレ制御中、トラクション制御中及び制動操舵制御中の何れでもないと判定されたときには、ステップ505に進み、ブースタ駆動装置BDは解除位置とされ、バキュームブースタVBは弁機構B5によって駆動され得る状態となる。
【0059】
図9は、図6のステップ309のモータ駆動処理を示すもので、先ずステップ601において、アンチスキッド制御中か否かが判定され、アンチスキッド制御中であれば、ステップ602に進み、液圧ポンプHP1,HP2駆動用の電動モータMがオンとされる。ステップ601において、アンチスキッド制御中でないと判定され場合には、ステップ603に進み、更にトラクション制御中又は制動操舵制御中か否かが判定される。トラクション制御中又は制動操舵制御中であれば、ステップ604に進み、ブースタ保持フラグFbの状態が判定される。そして、ブースタ保持フラグFbがセットされておれば、ステップ605に進み電動モータMがオンとされ、ブースタ保持フラグFbがセットされていなければ、ステップ606に進み電動モータMがオフとされる。尚、ステップ603においてトラクション制御中及び制動操舵制御中の何れでもないと判定された場合にも、ステップ606に進み電動モータMがオフとされる。
【0060】
次に、トラクション制御(TRC)における作動例を、図13のタイミングチャートを参照して説明する。図13において、先ずa点でトラクション制御が開始し、非制御輪(例えば車輪FR)が保持モードとされ、ブースタ駆動装置BDが駆動位置とされ、バキュームブースタVBが倍力作動を開始する。これにより、マスタシリンダ液圧はf点近傍の上限値となるまで増圧され、増圧モードにある(具体的には、非制動状態のトラクション制御中で図2の状態にある)制御輪(例えば車輪RL)のホイールシリンダ液圧は、若干の時間遅れを経て増圧が開始する。次に、b点で制御輪が保持モードとされると、非制御輪は連通モードとされる。これにより、マスタシリンダMCから開位置の開閉弁(例えばPC1,PC5)を介して補助リザーバ(例えばRS1)内にブレーキ液が導入される。
【0061】
このように、制御輪が増圧制御中でないときに非制御輪が連通モードとされ(図13のb−c間、d−e間、及びf−i間)、その間に補助リザーバ(例えばRS1)内にブレーキ液が導入され、補助リザーバ内の液量が急増する。これに対し、制御輪が増圧制御中であるときには、所謂回り込みが生じ、制御輪の制動力制御に悪影響を及ぼすおそれがあるので、これを回避するため、制御輪が増圧制御中でないときに非制御輪が連通モードとされる。
【0062】
そして、i点で連通時間Ttが所定時間Ktを越えると(これらの時間は図13には示していない)、ブースタ駆動装置BDが保持位置とされ、バキュームブースタVBは(制御が終了するk点まで)、変圧室B3が大気及び負圧と遮断された状態に保持され、定圧室B2に負圧が供給されている状態に保持される。同時に、電動モータMが駆動されて液圧ポンプHP1及びHP2が起動され、ブレーキ液がマスタシリンダMCに供給される。而して、液圧ポンプ(例えばHP1)の出力ブレーキ液圧によりバキュームブースタVBの可動壁B1が後退し、変圧室Bが密閉された状態でその容積が減少する。その結果、変圧室B3内の圧力は、その容積減少分だけ増加して大気圧よりも高くなり、その倍力作動によりマスタシリンダ液圧がi点での液圧から更に増圧されることになる。このように、ブースタ駆動装置BDが保持位置とされると共に、液圧ポンプ(例えばHP1)が起動された後は、補助リザーバ(例えばRS1)からブレーキ液が汲み上げられることになるので、それまでに十分なブレーキ液を補助リザーバ内に収容しておく必要がある。このため、上記の所定時間Ktは、これ以前に補助リザーバRS1内のブレーキ液が所定量Kf以上となるように設定される。
【0063】
而して、j点で、制御輪に関し増圧モードが選択されると(この間、非制御輪は保持モード)、増圧したマスタシリンダ液圧が制御輪のホイールシリンダに付与され、ホイールシリンダ液圧は、図13の最下段に示すように通常のホイールシリンダ液圧の最大値P1より大の値P2に上昇する。尚、図13の最下段の破線はマスタシリンダ液圧を示し、バキュームブースタVBの変圧室B3内の圧力もマスタシリンダ液圧と同様の特性である。そして、k点でトラクション制御が終了すると、制御輪及び非制御輪が減圧モードとされると共に、ブースタ駆動装置BDは解除位置とされ、マスタシリンダ液圧及びホイールシリンダ液圧は急激に低下する。尚、液圧ポンプ(電動モータM)は制御輪及び非制御輪が通常の状態(増圧モード)となった時点でオフとされる。
【0064】
図14のタイミングチャートは、プレ制御の作動例を示すもので、先ずs点でプレ制御が開始すると、制御輪及び非制御輪が共に連通モードとされ、ブースタ駆動装置BDが駆動位置とされ、バキュームブースタVBが倍力作動を開始する。これにより、マスタシリンダMCから開位置の開閉弁(例えばPC1,PC5及びPC2,PC6)を介して補助リザーバ(例えばRS1)内にブレーキ液が導入され、補助リザーバRS1内の液量が急増し、所定量Kf以上となる。そして、t点でトラクション制御(TRC)又は制動操舵制御(VSC)が開始すると、制御輪は設定されたモード(図14では増圧モード)とされ、非制御輪は保持モードとされる。
【0065】
この後、制御輪のホイールシリンダ液圧が制御されるが、ブースタ駆動装置BDが駆動位置とされた後所定時間Kpを経過したu点で、ブースタ駆動装置BDが保持位置とされると共に、電動モータMが駆動されて液圧ポンプHP1及びHP2が起動され、ブレーキ液がマスタシリンダMCに供給される。この結果、バキュームブースタVBの倍力作動によりマスタシリンダ液圧がu点の液圧から更に増圧されることになる。この間、例えばv点では制御輪は減圧モードとされるが、液圧ポンプHP1の出力ブレーキ液圧によって倍力比が増大したバキュームブースタVBにより、マスタシリンダ液圧は高圧に維持されている。尚、所定時間KpはバキュームブースタVBの特性に応じて設定される。
【0066】
而して、w点で、制御輪に関し増圧モードが選択されると、通常時より増圧したマスタシリンダ液圧が制御輪のホイールシリンダに付与され、ホイールシリンダ液圧は、図14の最下段に示すように通常のホイールシリンダ液圧の最大値より大の最大値に増圧される。そして、x点でトラクション制御又は制動操舵制御が終了すると、制御輪及び非制御輪が減圧モードとされると共に、ブースタ駆動装置BDは解除位置とされ、マスタシリンダ液圧及びホイールシリンダ液圧は急激に低下する。
【0067】
以上のように、本実施形態によれば、ブースタ駆動装置BDを保持位置とした状態で、液圧ポンプ(例えばHP1)を駆動して補助リザーバ(例えばRS1)内のブレーキ液をマスタシリンダMCに供給するように構成されているので、液圧ポンプの出力ブレーキ液圧により、バキュームブースタVBの変圧室B3の容積が密閉された状態で減少し、変圧室B3内の圧力は、その容積減少分だけ増加して大気圧よりも高くなる。その結果、単に変圧室B3に大気を導入するだけのものに比べ、マスタシリンダ液圧、ひいてはホイールシリンダのブレーキ液圧が大きくなり、制御輪に対し大きな制動力を付与することができる。このように、従前のような第1バルブ及び第2バルブを用いることなく、制御輪に対し大きな制動力を付与することができ、バキュームブースタの負圧が小さいときにも適切に車両の運動制御を行なうことができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、請求項1に記載の車両の運動制御装置においては、補助リザーバ内のブレーキ液の量が所定量以上であるときに、ブースタ駆動装置を駆動位置から保持位置に切換えて保持位置に維持した状態で、液圧ポンプを駆動し補助リザーバ内のブレーキ液をマスタシリンダに供給するように構成されているので、液圧ポンプの出力ブレーキ液圧により、バキュームブースタの変圧室の容積が密閉状態で減少し、変圧室内の圧力はその容積減少分だけ増加して大気圧よりも高くなる。その結果、マスタシリンダ液圧ひいてはホイールシリンダのブレーキ液圧も確保される。従って、従前のような第1バルブ及び第2バルブを用いることなく、簡単な構成で、バキュームブースタの負圧が小さいときにも適切に車両の運動制御を行なうことができる。
【0069】
また、請求項2又は3に記載のように構成すれば、補助リザーバ内のブレーキ液の量が所定量以上であることを適切に判定することができるので、適切なタイミングで液圧ポンプを駆動することができる。
【0070】
更に、請求項4に記載のように構成すれば、連通モードにより急速にブレーキ液を補助リザーバ内に導入することができるので、自動加圧制御時に確実にバキュームブースタの倍力作動を確保することができる。この場合には、請求項5に記載のように構成することができ、これにより、補助リザーバ内のブレーキ液の量が所定量以上であることを適切に判定することができるので、適切なタイミングで液圧ポンプを駆動することができる。
【0071】
あるいは、請求項6に記載のように構成すれば、プレ制御時にも、連通モードにより急速にブレーキ液を補助リザーバ内に導入することができるので、自動加圧制御に移行したときには確実にバキュームブースタの倍力作動を確保することができる。
【0072】
また、液圧制御弁装置は、請求項7に記載のように構成すれば、電磁弁の数は従前のままで、容易に連通モードを設定することができるので、安価な装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における車両の運動制御装置を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるブレーキ液圧系を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に供するバキュームブースタの一部を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態における運動制御処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態における制動操舵制御に供する目標スリップ率設定の処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態における液圧サーボ制御の処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態における液圧モード設定の処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態におけるブースタ駆動処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態におけるモータ駆動処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態におけるオーバステア抑制制御の開始・終了判定領域を示すグラフである。
【図11】本発明の一実施形態におけるアンダーステア抑制制御の開始・終了判定領域を示すグラフである。
【図12】本発明の一実施形態に供する制御マップを示すグラフである。
【図13】本発明の一実施形態におけるトラクション制御の一例を示すタイムチャートである。
【図14】本発明の一実施形態におけるプレ制御の一例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
BP ブレーキペダル, MC マスタシリンダ,
VB バキュームブースタ, BD ブースタ駆動装置,
M 電動モータ, HP1,HP2 液圧ポンプ,
LRS マスタリザーバ, RS1,RS2 補助リザーバ,
Wfr,Wfl,Wrr,Wrl ホイールシリンダ, ECU 電子制御装置,
FR,FL,RR,RL 車輪, PC1〜PC8 電磁弁

Claims (7)

  1. 車両の各車輪に装着するホイールシリンダと、ブレーキペダルの操作とは無関係にブレーキ液圧を発生する自動液圧発生装置と、該自動液圧発生装置と前記ホイールシリンダの各々との間に介装し、前記ホイールシリンダの各々のブレーキ液圧を制御する液圧制御弁装置と、前記車両の運動状態に応じて前記自動液圧発生装置を駆動制御すると共に、前記液圧制御弁装置を駆動制御し、少くとも前記ブレーキペダルの非操作時に前記ホイールシリンダに対し自動加圧制御を行ない前記車両の運動制御を行なう制御手段とを備えた車両の運動制御装置において、前記液圧制御弁装置を介して前記ホイールシリンダに接続しブレーキ液を貯蔵する補助リザーバと、該補助リザーバに吸入側を接続し、前記液圧制御弁装置の上流側に吐出側を接続する液圧ポンプを備え、前記自動液圧発生装置は、前記ホイールシリンダにブレーキ液圧を供給するマスタシリンダと、負圧を導入する定圧室、及び該定圧室又は大気に連通する変圧室を有し、該変圧室と大気との連通、及び前記変圧室と前記定圧室との連通を制御し、前記変圧室と前記定圧室との間の差圧に応じて前記マスタシリンダを倍力駆動するバキュームブースタと、前記変圧室を前記定圧室に対して遮断した状態で前記変圧室を大気に連通する駆動位置、前記変圧室を前記定圧室及び大気に対して遮断した状態に保持する保持位置、並びに前記駆動位置及び前記保持位置を解除する解除位置を、前記ブレーキペダル操作とは無関係に切換えるブースタ駆動装置を具備して成り、前記制御手段は、前記補助リザーバ内のブレーキ液の量が所定量以上であるときに、前記ブースタ駆動装置を前記駆動位置から前記保持位置に切換えて前記保持位置に維持した状態で、前記液圧ポンプを駆動し前記補助リザーバ内のブレーキ液を前記マスタシリンダに供給するように構成したことを特徴とする車両の運動制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記ブースタ駆動装置を前記駆動位置とした後の経過時間に基づき、前記補助リザーバ内のブレーキ液の量が所定量以上であるか否かを判定するように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両の運動制御装置。
  3. 前記補助リザーバに収容されたブレーキ液の量を検出する液量検出手段を具備し、前記制御手段は、前記液量検出手段の検出結果に基づき、前記補助リザーバ内のブレーキ液の量が所定量以上であるか否かを判定するように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両の運動制御装置。
  4. 前記液圧制御弁装置は、前記ホイールシリンダを前記マスタシリンダのみに連通する増圧モード、前記ホイールシリンダを前記補助リザーバのみに連通する減圧モード、前記ホイールシリンダと前記マスタシリンダ及び前記補助リザーバの両者との連通を遮断する保持モード、並びに前記ホイールシリンダを前記マスタシリンダ及び前記補助リザーバの両者に連通する連通モードを設定し、前記制御手段は、前記車両の各車輪のうち、同一液圧系統の制御対象車輪と非制御対象車輪に関し、前記制御対象車輪のホイールシリンダに対し増圧制御中でないときに、前記液圧制御弁装置を駆動して前記非制御対象車輪のホイールシリンダに対し前記連通モードを設定し、前記ブースタ駆動装置を前記保持位置とするときには前記液圧制御弁装置を駆動して前記非制御対象車輪のホイールシリンダに対し前記保持モードを設定するように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両の運動制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記連通モードとした合計時間が所定時間を越えたときに、前記補助リザーバ内のブレーキ液の量が所定量以上であると判定するように構成したことを特徴とする請求項4記載の車両の運動制御装置。
  6. 前記液圧制御弁装置は、前記ホイールシリンダを前記マスタシリンダのみに連通する増圧モード、前記ホイールシリンダを前記補助リザーバのみに連通する減圧モード、前記ホイールシリンダと前記マスタシリンダ及び前記補助リザーバの両者との連通を遮断する保持モード、並びに前記ホイールシリンダを前記マスタシリンダ及び前記補助リザーバの両者に連通する連通モードを設定し、前記制御手段は、前記ホイールシリンダに対し自動加圧制御を行なう前の所定時間の間に、前記液圧制御弁装置を駆動して前記車両の全てのホイールシリンダに対し前記連通モードを設定し、前記ブースタ駆動装置を前記駆動位置とした後の経過時間が所定時間を越えたときに、前記ブースタ駆動装置を前記保持位置に切換えるように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両の運動制御装置。
  7. 前記液圧制御弁装置は、前記ホイールシリンダと前記マスタシリンダとの間に介装する常開の第1の開閉弁と、前記ホイールシリンダと前記補助リザーバとの間に介装する常閉の第2の開閉弁を備え、前記増圧モードでは前記第1の開閉弁を開位置とすると共に前記第2の開閉弁を閉位置とし、前記減圧モードでは前記第1の開閉弁を閉位置とすると共に前記第2の開閉弁を開位置とし、前記保持モードでは前記第1及び第2の開閉弁を閉位置とし、前記連通モードでは前記第1及び第2の開閉弁を開位置とするように構成したことを特徴とする請求項4又は6記載の車両の運動制御装置。
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