JP5020174B2 - 薬剤手撒き装置 - Google Patents

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Description

この発明は、多数のマスが縦横に即ち多行多列に並んで形成された予備撒きカセットと該カセットから一括して薬剤を受け取る作動部材とを具えた薬剤手撒き装置に関し、詳しくは、作動部材が多列コンベアと単列コンベアとを具えており、多列コンベアが多行多列の区画室を具えており、単列コンベアが一列の区画室を具えている薬剤手撒き装置に関する。
処方箋データや派生した調剤データに基づいて自動で錠剤等の薬剤を分包する錠剤分包機などの薬剤分包機に組み込んで使用される薬剤手撒き装置として、多行多列に並んだ多数のマスを具備しており筐体から引き出し可能に設けられた予備撒きカセットと、それより列数の多い多行多列に並んだ多数の区画室を具備しており前記筐体内に設けられて前記予備撒きカセットから一括して薬剤を受け取る多列コンベアと、その行数より個数の多い一列に並んだ多数の区画室を具備しており前記筐体内に設けられて前記多列コンベアから一列分ずつ薬剤を受け取る単列コンベアとを具えたものが実用化されている(例えば特許文献1,2参照)。
その具体的な構成を、図面を引用しながら、本発明の説明に役立つ程度に説明する。図8は、薬剤手撒き装置14を装備した薬剤分包機10の構造を示し、(a)が正面図、(b)が右側面図である。また、図9は、薬剤手撒き装置14の構造を示し、(a)が正面図、(b)が予備撒きカセット20を筐体11に収納した状態の右側面図、(c)が予備撒きカセット20を引き出した状態の右側面図である。さらに、図10は、(a)が予備撒きカセット20を収納した状態の平面図、(b)が予備撒きカセット20を取り除いて見た多列コンベア30と単列コンベア40の平面図、(c)が予備撒きカセット20と多列コンベア30を取り除いて見た単列コンベア40の平面図、(d)が多列コンベア30における仕切用の固定板34の輪郭の正面図、(e)が多列コンベア30の無端ベルト31の正面図、(f)が多列コンベア30における仕切用の固定板34の正面図である。
薬剤分包機10は(図8参照)、錠剤分包機を図示したが、筐体11の上段部の引出体の棚に着脱自在に設置された多数の錠剤フィーダから排出された薬剤をホッパ13にて収集し筐体11の下段部の包装機12にて分包すなわち分包紙に区分包装するようになっている。薬剤手撒き装置14は、筐体11の中段部に内装されるが、手撒き時には筐体11の前面から必要部分を引き出すことができ、手撒き終了後には押し戻し操作やスイッチ操作で筐体11の中に収納され、その状態では薬剤分包機10の分包動作に連動して薬剤をホッパ13へ逐次排出するようになっている。
薬剤手撒き装置14は(図9,図10参照)、上段の予備撒きカセット20と、中段の多列コンベア30と、下段の単列コンベア40とを具えている。
予備撒きカセット20は、カセット枠21とマス22と引出部材23とシャッタ作動部材24とモータ25とを具えており、カセット枠21は引出部材23によって支持されて筐体11の前面パネルの開口から前方へ引き出し可能になっており、図示しないスイッチ操作に応じて作動するモータ25によってカセット枠21が筐体11から出入りするようになっている。多数のマス22は、何れも薬剤投入のため上面が解放されており、何れも底面が両開きや片開きのシャッタを装備していて、シャッタ作動部材24によって全マス同時に開閉されるようになっており、多行多列に例えば前後方向6行・左右方向11列に並んだ状態でカセット枠21に取り付けられている。
多列コンベア30は、収納状態の予備撒きカセット20の直下に位置して筐体11に内蔵されており、無端ベルト31と可動板32と区画室33と固定板34とモータ35とを具えている。区画室33は、左右の列の間を可動板32(隔板)にて画され、前後の行の間を固定板34(仕切板,側板)にて画されて、マス22とほぼ同じ面積を占有しており、底面を幅広の無端ベルト31にて画されている。無端ベルト31は、可撓性・弾性に富んだ合成ゴムや軟質プラスチック等から作られ、左右に配された長い支軸に掛け回して張設されて、モータ35の作動によって循環動作するようになっている。
多列コンベア30において、固定板34は無端ベルト31から分離して固定設置されているが、可動板32は、無端ベルト31と同じ材質の小さな板体からなり、無端ベルト31の外周面に立てて植設され、無端ベルト31に随伴して左右方向に移動するようになっている。多列コンベア30が区画室33に予備撒きカセット20から一括して薬剤を受け取るために、区画室33の行数はマス22の行数と同じであるが、区画室33の列数は無端ベルト31の上側部分だけでもマス22の列数と同じかそれ以上設けられている。このような配置の区画室33は、マス22より列数の多い多列に並んだものとなっている。
単列コンベア40は、多列コンベア30の一端(図では左端)の直下に位置して筐体11に内蔵されており、無端ベルト41と可動板42と区画室43と固定板44とモータ45とを具えている。区画室43は、前後の室の間を可動板32(隔板)にて画され、左右両側を固定板44(側板)にて画されて、区画室33と同じかそれ以上の面積を占有しており、底面を幅狭の無端ベルト41にて画されている。無端ベルト41は、やはり可撓性・弾性に富んだ合成ゴムや軟質プラスチック等から作られ、前後に配された短い支軸に掛け回して張設されて、モータ45の作動によって循環動作するようになっている。
単列コンベア40において、固定板44は無端ベルト41から分離して固定設置されているが、可動板42は、無端ベルト41と同じ材質の小さな板体からなり、無端ベルト41の外周面に立てて植設され、無端ベルト41に随伴して前後方向に移動するようになっている。単列コンベア40が区画室43に多列コンベア30から左端の一列分ずつ薬剤を受け取るために、区画室43の並びは一列であるが、区画室43の個数は、無端ベルト41の上側部分だけでも、多列コンベア30において多行多列に配置された区画室33の各列における区画室33の個数すなわち行数と同じかそれより多い。このような配置の区画室43は、区画室33の行数より個数の多い一列に並んだものとなっている。
なお、図示は割愛したが、2度撒きの文字や,使用すべきマスの個数,縦横のマス数,使用すべきマスの位置,マス群の周囲の囲みなどを示す表示器を予備撒きカセット20に付設したものや(例えば特許文献1,2参照)、予備撒きカセットを出し入れ可能な枠体の上面に装備した開閉式の蓋体について、薬品名を選択可能に表示させるとともに選択薬剤の手撒き範囲を点灯させるもの(例えば特許文献3参照)、予備撒きカセットを出し入れ可能な枠体の上面の手撒部に薬剤投入用の区画貫通孔を形成するとともに点灯部材を付設しておいて、手撒き範囲だけ点灯させるとともに手撒き範囲の薬剤だけ予備撒きカセットに移し替えるようになったものもある(例えば特許文献4参照)。
そして、このような薬剤手撒き装置14では、手撒きに先立って予備撒きカセット20が筐体11から引き出され、そのマス22に指示箋や表示に従って薬剤が手撒され、手撒き後は、予備撒きカセット20が筐体11に戻され、収納状態の薬剤手撒き装置14から一括して薬剤が多列コンベア30に移し替えられる。すなわち、多数のマス22に区分けされた薬剤は、各マス22からその直下に一つずつ対応して位置する区画室33に落下するので、手撒き時の区分状態を維持したまま移し替えられる。
それから、薬剤分包機10の自動分包に連動して、多列コンベア30の区画室33のうち先頭の一列分の薬剤が単列コンベア40の区画室43に区分状態を維持しながら移し替えられ、さらに単列コンベア40の区画室43のうち先頭の一室分の薬剤がホッパ13を介して包装機12に投入される。そして、一室分ずつ小分けした薬剤の投入が繰り返されて、単列コンベア40が空になると、多列コンベア30から先頭一列分の薬剤が単列コンベア40に移し替えられ、一室分ずつ小分けした薬剤の投入が再開される。こうして、薬剤が手撒き時の区分に従って自動で薬剤手撒き装置14から一区分ずつ分包に供される。
特開平3−240604号公報 特開平06−080103号公報 特開2007−209600号公報 特開2007−297066号公報
[特許文献5] 特開2008−169692号
このような従来の薬剤手撒き装置では、多列コンベア30においては無端ベルト31と可動板32とが、また単列コンベア40においては無端ベルト41と可動板42とが、共に可撓性部材・弾性部材から作られていたため、コンベア端で折り返しながら区画室33,43から薬剤を落下排出するときに区画室33,43が開口を広げる態様で大きく変形することから、薬剤が落下せずに区画室33,43の中に残ることが無いので、薬剤の移載や排出が円滑かつ確実に行われる。
しかしながら、無端ベルト31,41に多数の可動板32,42を適切に植設するのは例え同質の可撓性部材・弾性部材を貼り合わせるのであっても作業負担が重いうえ工材費が嵩む。
区画室33の多い多列コンベア30における可動板32ほどではないが、単列コンベア40にも多数の可動板42が組み込まれているので、植設作業の量が多い。
そこで、単列コンベアを容易かつ安価に製造できるよう単列コンベアの構造を改良することが基本的な技術課題となる。
ところで、単列コンベア製造の容易化やコスト低減のため、区画室を画する部材とそれを順送りする無端ベルトとを別体にすると、コンベア端で折り返しながら区画室から薬剤を落下排出するときに区画室が開口を広げる態様で大きく変形することにより薬剤が円滑かつ確実に落下排出されるという利点が失われてしまう。また、無端ベルトは可撓性・弾性を捨てる訳にはいかないが、区画室を画する部材は、可撓性部材・弾性部材でなく、通常の使用状態ではほとんど変形しない固めの部材たとえば硬質プラスチック等で作ることも可能であり、そのようにした場合、上記の利点喪失が一層悪化してしまう。
そこで、それを補うべく改良を重ねることが更なる技術課題となる
本発明の薬剤手撒き装置は(解決手段1,当初請求項1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、多行多列に並んだ多数のマスを具備した予備撒きカセットと、それより列数の多い多行多列に並んだ多数の区画室を具備していて前記予備撒きカセットから一括して薬剤を受け取る多列コンベアと、その行数より個数の多い一列に並んだ多数の区画室を具備していて前記多列コンベアから一列分ずつ薬剤を受け取る単列コンベアとを具えた薬剤手撒き装置において、前記単列コンベアが、平行配置されていて一緒に駆動される一対の無端ベルトに前記多列コンベアの区画室の行数より多くの区画部材を揺動許容態様で装架したものであり、前記区画部材が、前記単列コンベアの一区画分の区画室を一体形成したものであることを特徴とする。
また、本発明の薬剤手撒き装置は(解決手段2,当初請求項2)、上記解決手段1の薬剤手撒き装置であって、前記区画部材の上縁部分であって他の区画部材と隣り合う二カ所のうちの一方である後縁には、両隣のうち一方の区画部材の前縁の上方に達する張出が形成されており、前記二カ所のうちの他方である前縁には、両隣のうち他方の区画部材の後縁の張出との干渉を避ける切欠状の逃げが形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明の薬剤手撒き装置は(解決手段3,当初請求項3)、上記解決手段2の薬剤手撒き装置であって、前記区画部材が、箱体の外底面の前端部(即ち外底部のうち前記前縁の下方に当たる部分)に挟付部の設けられたものであり、前記挟付部が、前記箱体の外底面から突き出た基端部とそこから前記箱体の外底面に沿って延びた先端部とを具備したものであり、前記区画部材の前記無端ベルトへの装架が、前記箱体の外底面と前記挟付部との間に前記無端ベルトを緩く嵌め込むことによりなされて、揺動許容態様になっていることを特徴とする。
また、本発明の薬剤手撒き装置は(解決手段4,当初請求項4)、上記解決手段3の薬剤手撒き装置であって、前記単列コンベアの両端部のうち薬剤排出側に、前記区画部材の揺動前期にその後縁と接触する覆体が設けられており、前記覆体における後縁接触部のうち最終接触部位に、凹凸または突起が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の薬剤手撒き装置は(解決手段5)、上記解決手段1〜4の薬剤手撒き装置であって、前記区画部材の区画室は、開口が広く内底が狭い錐台状になっていることを特徴とする。
また、本発明の薬剤手撒き装置は(解決手段6)、上記解決手段1〜5の薬剤手撒き装置であって、前記区画部材の区画室の内側面に縦線状の突起が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の薬剤手撒き装置は(解決手段7)、上記解決手段1〜6の薬剤手撒き装置であって、前記区画部材の区画室の内底が粗面になっていることを特徴とする。
このような本発明の薬剤手撒き装置にあっては(解決手段1)、単列コンベアを一対の無端ベルトと複数の区画部材との組み合わせで構成するとともに、それぞれの区画部材には一区画分の区画室を一体形成したものを採用して、区画部材を無端ベルト対に装架して無端ベルト対を平行配置すれば、単列コンベアの要部が出来上るようにしたことにより、単列コンベアの工材費が削減されるうえ、組み立て作業負担が軽減され、基本的な技術課題が解決される。
また、区画室を画する区画部材を無端ベルト対に装架するに際して揺動許容態様で装架したことにより、区画部材が、ベルトと共に水平から鉛直へ進行方向を変えるコンベア端では、ベルトの曲り方より短時間で大きく揺動し、その勢いで薬剤を強く放り出すので、更なる技術課題も解決される。
したがって、この発明によれば、単列コンベアの製造が容易かつ安価な薬剤手撒き装置であって薬剤排出の円滑なものを実現することができる。
なお、通常の使用状態ではほとんど変形しない固形物にて区画部材を作れば、単列コンベアの組み立て作業がより容易になる。
また、本発明の薬剤手撒き装置にあっては(解決手段2)、多列コンベアから一列分の薬剤を受け取るときには、区分状態を維持した受け取りのために、多列コンベアの一列分以上の個数の区画部材がほぼ真っ直ぐに整列して受取態勢をとるが、その態勢で隣り合っている区画部材の間は、一方の前縁の上方に他方の後縁が張り出しているので、上から見下ろして隙間を見いだすことができない。すなわち、区画部材と無端ベルトとが別体になっても、薬剤受取時には、一体物・連続物と同様、隙間なく連なる。
予備撒きカセットの各マスからほぼ真っ直ぐ下向きに落ちてくる薬剤を各区画室に受け入れる多列コンベアに比べて、単列コンベアは、多列コンベアの端で傾いた区画列部材から放り出された薬剤を同一ピッチ配置の各区画室に受け入れるため、各区画室に可能な限り広い受入口を具えることが求められるところ、この薬剤手撒き装置の単列コンベアにあっては、上述のように区画部材の間も無駄にすることなく、薬剤受取態勢の区画部材の上方空間が総て各区画室に割り振られて、各区画室の受入口が既定ピッチ下では最も広がるので、区画部材と無端ベルトとが別体になっても薬剤受取能力は高く維持される。
したがって、この発明によれば、薬剤排出ばかりか薬剤受取も円滑な単列コンベアの製造が容易かつ安価な薬剤手撒き装置を実現することができる。
さらに、本発明の薬剤手撒き装置にあっては(解決手段3)、区画部材の無端ベルトへの装架が嵌め込みによって容易になされるうえ、その嵌め込み時に無端ベルトの縁が挟付部の基端部に当接することによって、無端ベルトと区画部材との相対位置が確定するので、嵌め込みに随伴して的確に組み上がる。そして、区画部材の端から中央へ向かう無端ベルトの位置変動が、区画部材の挟付部の基端部との当接によって、適切に規制されることとなる。しかも、装架時の嵌め込みを緩くすることにより、無端ベルトの嵌め込み箇所を挟み付ける挟付部が区画部材の底部前端部に設けられていることと相まって、揺動許容態様が装架に随伴して簡便に具現化され、区画部材の底部前端部が揺動中心になる。
このように、区画部材の底部前端部を揺動中心にしたことにより、コンベア端の薬剤排出位置で区画部材が揺動する際、区画部材の箱体が浮き上がり気味に大きく揺動するので、薬剤の放出力が強化される。しかも、上縁については前縁が低いので、区画部材の前方への揺動に応じて薬剤が排出しやすくなっている。これに対し、上縁のうち後縁は前縁より高いうえ張出まで付いているので、区画部材が前方に揺動しても薬剤を後方に逃がす可能性はまず無い。このように薬剤受取能力維持のための構造を利用して簡便に薬剤排出能力を向上させたことにより、薬剤受取も薬剤排出も円滑な単列コンベアの製造が容易かつ安価な薬剤手撒き装置であって薬剤排出のより円滑なものを実現することができる。
また、本発明の薬剤手撒き装置にあっては(解決手段4)、排出薬剤の不所望な飛び散りが覆体によって防止されるばかりか、覆体の存在を利用して区画部材の後縁が覆体に接触するようにしたことにより、区画部材の揺動が前期には抑制され接触終了後には一気に進行するので、薬剤排出能力が向上する。さらには、覆体に凹凸や突起を形成したことにより、区画部材の揺動の増進前には区画部材に振動や衝撃が作用して、区画室への薬剤の付着や引っ掛かりが解消されるので、薬剤排出能力が更に向上する。
したがって、この発明によれば、薬剤受取も薬剤排出も円滑な単列コンベアの製造が容易かつ安価な薬剤手撒き装置であって薬剤排出能力の極めて高いものを実現することができる。
本発明の薬剤手撒き装置にあっては(解決手段5〜7)、区画部材の区画室について、錐台状にして薬剤が区画室の内面に引っ掛かり難くしたり、内側面に縦線状の突起を形成したり内底を粗面にして接触面積を減少させて薬剤が区画室の内面に付き難くしたり、又はそれらを併用することにより、区画部材を傾けたり逆さにすれば、薬剤が区画室の中にとどまることなく、薬剤が確実に区画室の中から外に出て落下する。
したがって、この発明によれば、容易かつ安価に製造しうる単列コンベアに組み込まれる区画部材を一体成形容易化のため固くしても薬剤の移載や排出が円滑かつ確実に行われる薬剤手撒き装置を実現することができる。
このような本発明の薬剤手撒き装置を実施するための第1実施形態は、多行多列に並んだ多数のマスを具備しており引き出して又は引き出さなくても薬剤を手撒きできる態様で筐体に装備された予備撒きカセットと、それより列数の多い多行多列に並んだ多数の区画室を具備しており前記筐体内に設けられて前記予備撒きカセットから一括して薬剤を受け取る多列コンベアと、その行数より個数の多い一列に並んだ多数の区画室を具備しており前記筐体内に設けられて前記多列コンベアから一列分ずつ薬剤を受け取る単列コンベアとを具えた薬剤手撒き装置において、前記単列コンベアが、平行配置されていて一緒に駆動される一対の無端ベルトに前記多列コンベアの区画室の行数より多くの区画部材を軸支させたものであり、前記区画部材が、前記単列コンベアの一区画分の区画室を一体形成したものであることを特徴とする。
ところで、既述したように、無端ベルト31,41に多数の可動板32,42を適切に植設するのは例え同質の可撓性部材・弾性部材を貼り合わせるのであっても作業負担が重いうえ工材費が嵩む。
特に、区画室33の多い多列コンベア30については、固定板34で仕切られているため、可動板32が小さく分割されて多数になっているので、植設作業の量が多い。
そこで、多列コンベアを容易かつ安価に製造できるよう多列コンベアの構造を改良することも技術課題となる。
多列コンベアに係る上記技術課題をも解決するために創案されたものが次の第2実施形態の薬剤手撒き装置である。
すなわち、本発明の薬剤手撒き装置は(第2実施形態)、上記解決手段や上記第1実施形態の薬剤手撒き装置であって、前記多列コンベアが、平行配置されていて一緒に駆動される一対の無端ベルトに前記予備撒きカセットのマスの列数より多くの区画列部材を装架したものであり、前記区画列部材が、前記多列コンベアの一列分の区画室を一体形成したものであることを特徴とする。
このような第2実施形態の薬剤手撒き装置にあっては、多列コンベアを一対の無端ベルトと複数の区画列部材との組み合わせで構成するとともに、それぞれの区画列部材には一列分の区画室を一体形成したものを採用して、区画列部材を無端ベルト対に装架して無端ベルト対を平行配置すれば、多列コンベアの要部が出来上るようにしたことにより、多列コンベアの工材費が削減されるうえ、組み立て作業負担が大幅に軽減される。
したがって、この実施形態によれば、多列コンベアの製造が容易かつ安価な薬剤手撒き装置を実現することができる。
また、無端ベルトは可撓性・弾性を捨てる訳にはいかないが、区画列部材は、可撓性部材・弾性部材でなく、通常の使用状態ではほとんど変形しない固めの部材たとえば硬質プラスチック等で作ることも可能なので、そのような固形部材にて区画列部材を作れば、多列コンベアの組み立て作業がより容易になる。
なお、区画列部材を固くすると、コンベア端で折り返しながら区画室から薬剤を落下排出するときに区画室が開口を広げる態様で大きく変形することにより薬剤が円滑かつ確実に落下排出されるという利点が失われてしまうので、それを補うべく改良を重ねることが更なる技術課題となるが、この更なる技術課題をも解決するために創案されたものが以下の第3〜5実施形態である。
すなわち、本発明の薬剤手撒き装置は(第3実施形態)、上記解決手段や上記第1,2実施形態の薬剤手撒き装置であって、前記区画列部材の区画室は、開口が広く内底が狭い錐台状になっていることを特徴とする。
また、本発明の薬剤手撒き装置は(第4実施形態)、上記解決手段や上記第1〜3実施形態の薬剤手撒き装置であって、前記区画列部材の区画室の内側面に縦線状の突起が形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明の薬剤手撒き装置は(第5実施形態)、上記解決手段や上記第1〜4実施形態の薬剤手撒き装置であって、前記区画列部材の区画室の内底が粗面になっていることを特徴とする。
このような第3〜5実施形態の薬剤手撒き装置にあっては、区画列部材の区画室について、錐台状にして薬剤が区画室の内面に引っ掛かり難くしたり、内側面に縦線状の突起を形成したり内底を粗面にして接触面積を減少させて薬剤が区画室の内面に付き難くしたり、又はそれらを併用することにより、区画列部材を傾けたり逆さにすれば、薬剤が区画室の中にとどまることなく、薬剤が確実に区画室の中から外に出て落下する。
したがって、この発明によれば、容易かつ安価に製造しうる多列コンベアに組み込まれる区画列部材を一体成形容易化のため固くしても薬剤の移載や排出が円滑かつ確実に行われる薬剤手撒き装置を実現することができる。
ところで、特許文献1,2には、多列コンベア30において多行多列の区画室33の前後の行の間を仕切る固定板34として、左右に延びた細長い単板が図示されている(図10(d)も参照)。この仕切用の固定板34がやはり左右に張られた無端ベルト31に外嵌されるものであることを考慮すると(図10(e)を参照)、仕切用の固定板34には長穴34aが貫通形成されていることが判る(図10(f)を参照)。仕切用の固定板34は、長穴34aの中で無端ベルト31が循環動作してもしなくても、僅かな遊びによる以外ほとんど移動しないことから、長穴34aに挿通された無端ベルト31だけでも同じ所に支持されるので、専用の支持部材など設けるまでもなく、固定されていた。
そして、このような仕切用の固定板も、区画列部材の一体形成化によって多列コンベアの区画室が一列分まとめて作られることから、区画室の行間の画成の機能が区画列部材によって果たされるので、改良装置の多列コンベアには装備する必要が無くなる。
とは言え、薬剤手撒き装置の性能向上をも図るべく、改良版の多列コンベアを高速動作させてみると、固定板が無いままでは、区画列部材の姿勢が大きく揺れ動き、区画室の位置が不所望に乱れてしまうことが観察される。
加減速の激しい間欠駆動下では、区画室を画成する部材が柔らかい可動板などから固い一体形成の区画列部材に変更されて剛性が向上した利点が、無端ベルトが幅広から幅狭のベルト対に変更されて剛性が低下した事によって減殺されて、区画列部材の揺れや区画室の位置ずれが発現してしまうと、推察される。
そこで、区画室の位置を安定させるべく、無端ベルトの剛性不足を補って余りあるほど十分に区画列部材の剛性を活用するよう、多列コンベアの構造に改良を重ねることが更なる技術課題となる。
この課題も解決するために創案されたのが次の第6実施形態の薬剤手撒き装置である。
すなわち、本発明の薬剤手撒き装置は(第6実施形態)、上記第2〜5実施形態の薬剤手撒き装置であって、前記多列コンベアの前記区画列部材が、前記多列コンベアの一列分の区画室を一体形成した固形物であって区画室間の隔壁に区画室を避けて溝を形成したものであり、その溝に挿通されて前記区画列部材の移動について案内および規制を行う固定板が、前記多列コンベアに設けられていることを特徴とする。
この実施形態の薬剤手撒き装置にあっては、多列コンベアを一対の無端ベルトと複数の区画列部材との組み合わせで構成するとともに、それぞれの区画列部材には一列分の区画室を一体形成したものを採用して、それも固形物を採用して、区画列部材を無端ベルト対に装架して無端ベルト対を平行配置すれば、多列コンベアの要部が出来上るようにしたことにより、多列コンベアの製造がより容易かつ安価になっていることを前提として、それに加え、固い区画列部材については区画室間の隔壁に区画室を避けて溝を形成しておくとともに、多列コンベアに追加した固定板を区画列部材の溝に挿通させて、区画列部材の移動が案内および規制されるようにしたことにより、区画列部材が横揺れしないで且つ上下動もあまりしないで固定板の長手方向へ円滑に移動するようになる。そして、区画列部材が固いので、そこに形成されている区画室は位置が安定することとなる。そのため、多列コンベアを連続動作でも間欠動作でも安定して高速動作させることが可能になる。しかも、固定板は、薄いので、区画室の間を無駄に広げることなく、幅の狭い溝に収まる。
さらに、固定板が案内専用になった点でも、固定板を仕切に用いる従来品より良くなっている。すなわち、区画列部材の区画室間の隔壁に溝を形成するに際して区画室を避けたことにより、溝壁にもなった隔壁が隣同士の区画室の連通を防止していることから、区画室内の薬剤と溝内の固定板とが隔壁を介在させて分離されている。そして、このように区画室間の仕切機能は総て区画列部材に任せて、固定板は規制を伴った案内機能の発揮に専念できるようにもしたことにより、区画列部材が移動しても薬剤と固定板との擦れ合いが生じないため、多列コンベアを高速に動作させても薬剤を傷めるおそれが無い。
したがって、この実施形態によれば、多列コンベアの製造がより容易かつ安価な薬剤手撒き装置を実現するに際して、区画列部材の剛性を活用して無端ベルトの剛性不足を補償するよう固定板の役割と係合構造を改めたことにより、高速動作時も多列コンベアにおける区画室の位置が安定している薬剤手撒き装置を提供することができる。
また、本発明の薬剤手撒き装置は(第7実施形態)、上記第6実施形態の薬剤手撒き装置であって、前記多列コンベアの前記固定板が、前記無端ベルトより高いところに配置されて両端部を支持されている上側固定板と、前記無端ベルトより低いところに配置されて両端部を支持されている下側固定板とに分かれていることを特徴とする。
この場合、多列コンベアにおける案内用の固定板を上側固定板と下側固定板とに分けたことにより、区画列部材が固くて従来の仕切用固定板の長穴に押し込めないものであっても、区画列部材の循環移動経路をほぼ一巡・一周するよう案内用の固定板を配することができる。また、両端支持により、案内用の固定板を、無端ベルトに接触させなくても、固定させることができる。そのため、固定板を多列コンベアに追加するのが容易になる。
さらに、本発明の薬剤手撒き装置は(第8実施形態)、上記第6,7実施形態の薬剤手撒き装置であって、前記多列コンベアの前記区画列部材が、長箱体の外底面の両端部それぞれに挟持部の設けられたものであり、前記挟持部が、前記長箱体の外底面から突き出た基端部とそこから前記長箱体の外底面に沿って延びた先端部とを具備したものであり、前記区画列部材の前記無端ベルトへの装架が、前記長箱体の外底面と前記挟持部との間に前記無端ベルトを圧入することによりなされていることを特徴とする。
この場合、区画列部材の無端ベルトへの装架が圧入によって容易かつ確実になされるうえ、その圧入時に無端ベルトの縁が挟持部の基端部に当接することによって、無端ベルトと区画列部材との相対位置が確定するので、圧入に随伴して的確に組み上がる。そして、区画列部材の剛性と挟持の圧力とによって無端ベルトの各部の位置が規制されることとなる。特に、区画列部材の端から中央へ向かう無端ベルトの位置変動は、区画列部材の挟持部の基端部との当接によって、強く規制されることとなる。このように、多列コンベアの製造がより容易かつ安価な薬剤手撒き装置を実現するに際して、区画列部材の剛性を活用して無端ベルトの剛性不足を補償するよう両者の係合構造に圧入挟持構造を採用したことにより、高速動作時も多列コンベアにおける区画室の位置が安定している薬剤手撒き装置を提供することができる。
このような本発明の薬剤手撒き装置について、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1により説明する。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ベース,フレーム,ボルト等の締結具,ヒンジ等の連結具,モータドライバ等の電気回路,コントローラ等の電子回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
また、それらの図示に際し従来と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、さらに、それらについて背景技術の欄で述べたことは以下の実施例についても共通するので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
本発明の薬剤手撒き装置の一実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1(a)は、薬剤手撒き装置50の正面図である。
この薬剤手撒き装置50は(図1(a)参照)、多行多列に並んだ多数のマス22を具備しており筐体11から引き出し可能に設けられた予備撒きカセット20と、それより列数の多い多行多列に並んだ多数の区画室93を具備しており筐体11の内部に設けられて予備撒きカセット20から一括して薬剤を受け取る多列コンベア80と、その行数より個数の多い一列に並んだ多数の区画室73を具備しており筐体11の内部に設けられて多列コンベア80から一列分ずつ薬剤を受け取る単列コンベア60とを具えている。
これらのうち予備撒きカセット20は既述した従来品を引き継いだものなので、以下、既述した従来の単列コンベア40と相違する単列コンベア60と、既述した従来の多列コンベア30と相違する多列コンベア80について、その構造を順に詳述する。
先ず、単列コンベア60の構造を、図面を引用して説明する。
図1は、(b)が単列コンベア60の要部の斜視図、(c)が区画部材70の斜視図、(d)がコンベア部61の斜視図である。
また、図2は、(a)が連結ギヤ65のギヤ一個の斜視図、(b)が区画部材70の挟付部72の斜視図、(c)が無端ベルト62を省いて見た区画部材70の挟付部72と連結ギヤ65との斜視図、(d)が無端ベルト62の転回部分と区画部材70の挟付部72と連結ギヤ65のギヤ一個との斜視図、(e)が無端ベルト62の後方・非排出側の転回部分と区画部材70の箱体71および挟付部72と連結ギヤ65との正面図、(f)が無端ベルト62の水平な上側部分と区画部材70の箱体71および挟付部72との正面図、(g)が無端ベルト62の上側部分と区画部材70の箱体71および挟付部72との下面図である。さらに、図3(a)〜(c)は何れも単列コンベア60におけるコンベア部61の先頭部分・薬剤排出側部分と一個の区画部材70との斜視図であり、図4(a)〜(d)はいずれも単列コンベア60の要部の右側面図である。
単列コンベア60は(図1〜図4参照)、循環動作するコンベア部61と、多列コンベア80の区画室93の行数(図では6行)より多く(図では14個)の区画部材70と、区画部材70の位置ずれを規制する移動案内用の固定板66(側板)と、先頭位置・薬剤排出位置に来た区画部材70の上方を覆う覆体67(被囲板)とを具えており、下段の単列コンベア40に代えて、中段の多列コンベア80の先頭側・薬剤排出側の端部の直下に設置されている。
コンベア部61は(図1(d)参照)、平行配置された一対の無端ベルト62と、このベルト対を一緒に循環駆動する連結ギヤ65を一対以上とを具えている。
無端ベルト62は、内周面に歯形63の形成された幅狭の歯付ベルトであり、合成ゴム等のフレキシブルな素材から作られた市販のいわゆるタイミングベルトで足りるので、安価であり、入手も容易である。
連結ギヤ65は、ギヤ幅Vが無端ベルト62の幅Sの半分(S/2)であるギヤを連結ロッドの両端に固定したものであり、一端のギヤが無端ベルト62の対の一方の歯形63に噛合し、他端のギヤが無端ベルト62の対の他方の歯形63に噛合している。図示のように一対だけでも足りるが、多列コンベア80の直下のものを水平かつ平行に配置すれば、一対以上設けても良い。何れか一つの連結ギヤ65がモータ45にて軸回転駆動され(図1(a)参照)、他は無端ベルト62を介して従動するようになっている。
区画部材70は(図1(c)参照)、例えば硬質プラスチックから射出成型等で一体形成されて、通常の使用状態では変形しない又は変形を無視できる固形物となっている。区画部材70には、単列コンベア40の区画室43に相当する区画室73が形成されているが、一区画分だけ即ち一室だけが一体形成されている。区画部材70は、箱体71の上面を解放して箱体71の内部空間を区画室73にしたものであり、区画室73は、何れも、内側面に開口側で広がるような傾斜がつけられて、開口が広く内底が狭い錐台状になっている。図示の例では四面すべてが傾斜しているが、対向二面だけ傾斜させて残りの二面は傾けないのでも良い。
何れの区画部材70も、区画室73の内側面には縦線状の突起78が形成されている。この突起78は、区画室73の内側面の全域に形成しても良く、一部に限定しても良いが、限定する場合でも傾斜部分の内側面には突起78を形成しておくのが望ましい。突起78の高さは0.2〜0.5mm程度が典型的であるが、他の値でも良い。さらに、区画部材70は区画室73の内底が粗面になっている。その粗面はザラザラした触感を生じる程度に微小突起を散りばめたものが望ましく、微小突起と谷底との高低差は0.1mm程度が典型的であるが、他の値でも良い。
区画部材70の上縁部分であって薬剤受取態勢で整列(図1(b)参照)したときに他の区画部材と隣り合う二カ所のうちの一方である後縁75には外向きの張出が形成されており(図1(c)参照)、その張出が両隣のうち一方の区画部材の前縁の上方に達するようになっている(図1(b)参照)。また、上述した二カ所のうちの他方である前縁77には切欠状の逃げが形成されており(図1(c)参照)、この前縁77の逃げにより、両隣のうち他方の区画部材から延びて来た他方の区画部材の後縁の張出と前縁77とが干渉するのを回避するようになっている(図1(b)参照)。区画部材70の上縁部分のうち残りの左縁74と右縁76は(図1(c)参照)、図示のように張出が形成されていても良く、形成されていなくても良い。
さらに(図1(c),図2,図3参照)、区画部材70の底部のうち前縁77の下方に当たる底部前端部には挟付部72が設けられている。挟付部72は、箱体71と一緒に形成しても良く、箱体71に後付しても良いが、基端部72aが箱体71の外底面から下方へ突き出し、中間部72bが左右方向に向きを変えて箱体71の底面とほぼ平行な状態になり、先端部72cが箱体71の端面のほぼ直下まで延びている。図示の場合、一つの基端部72aから先端部72cが逆向き二方向に出て逆さT字状になっているが、例えばL字状のものと反転L字状のものといった二つに分かれていても良い。いずれにしても、挟付部72の中間部72bと先端部72cを合わせた長さJは、無端ベルト62の幅Sの半分より少しだけ短くなっている(J≦S/2)。
挟付部72の中間部72bと先端部72cとにおいて、区画部材70の外底面と対向する側の歯部72dは、断面形状が連結ギヤ65の歯の一つとほぼ等しいものに形成されていることから、歯付ベルトである無端ベルト62の歯形83の谷に適合していてそこに納まり易い形をしているので、挟付部72と箱体71との間に無端ベルト62の歯形63の谷のところを差し込むことで、無端ベルト62が区画部材70に位置ずれすることなく挟持様に挟み付けられるようになっている。もっとも、挟持様とはいっても、挟付部72と箱体71との間隙が無端ベルト62の谷部の厚さとほぼ同じか僅かに狭い程度なので、無端ベルト62は挟付部72と箱体71との間隙に緩く嵌め込めるようになっている。
そして、その嵌め込み状態では、無端ベルト62の可撓性・弾性に起因した局部変形容易性に基づき、区画部材70が挟付部72を中心して或る程度までなら揺動しうるものとなる。また、区画部材70の外底面と対向しない側の補強部72eも、区画部材70の揺動許容態様を損なわずに歯部72dを補強するよう、その幅Kが歯部72dの幅と同じで、幅狭なものとなっている。具体的には挟付部72の全体すなわち基端部72aと中間部72bと先端部72cに係る幅Kが、無端ベルト62の歯形63のピッチQの半分以下(≦Q/2)と狭くなっている。そのため、区画部材70が、無端ベルト62の上側では揺動しないでベルト上に乗っているが(図3(a)参照)、先頭・薬剤排出側で無端ベルト62が転回するときには、それに伴って同じだけ傾動するばかりか(図3(b)参照)、挟付部72中心の揺動θ(数十゜程度、例えば10゜〜20゜〜30゜)も加わって(図3(c)参照)、大きく傾くようになっている。
このような区画部材70の挟付部72の一方に一対の無端ベルト62の一方を嵌め込み、区画部材70の挟付部72の他方に一対の無端ベルト62の他方を嵌め込むことで、区画部材70が無端ベルト62に架け渡たされるようになっているので(図3参照)、連結ギヤ65のギヤ対に張設した一対の無端ベルト62に対し、多数の区画部材70を等ピッチで架け渡すことで(図1(b)参照)、単列コンベア60が出来上がると同時に、単列コンベア60における区画部材70の一列の配置が確立される(図1(a),図4)参照)。また(図2参照)、その際、連結ギヤ65における幅Vのギヤが無端ベルト62の幅Sの外側の半分S/2を支持するとともに、区画部材70の挟付部72の長さJの部分が無端ベルト62の幅Sの内側の半分未満(<S/2)に掛かることで、区画部材70の挟付部72と連結ギヤ65のギヤとの干渉が適切に回避されるようになっている。
覆体67は(図1(b),図4参照)、例えば長方形状の金属板を一定曲率で又は曲率を変えながら曲げ加工して作られ、単列コンベア60の両端部のうち薬剤排出側に設置されて、先頭位置・薬剤排出位置に移動して来た区画部材70の後縁75と接触するようになっている。その接触は、区画部材70の揺動前期にだけ行われて、自由に揺動したときよりも揺動量を少なく抑制するようになっており、揺動後期には区画部材70が覆体67から離れて自由に揺動するよう、覆体67の曲率や設置位置が調整されている。この覆体67において後縁75の接触する部分のうち、離脱する直前に接触している部位である最終接触部位には、凹凸部68が形成されている。凹凸部68は、表面に例えば1mm高さの突起が幾つか形成されている部材からなり、覆体67に付加されている。
次に、多列コンベア80の構造を、図面を引用して説明する。図5は、(a)が多列コンベア80の要部の斜視図、(b)が無端ベルト81の斜視図、(c)が区画列部材90の斜視図である。また、図6は、(a)が連結ギヤ84のギヤ一個の斜視図、(b)が区画列部材90の挟持部94の斜視図、(c)が無端ベルト81を省いて見た区画列部材90の挟持部94と連結ギヤ84のギヤ一個との斜視図、(d)が無端ベルト81の転回部分と区画列部材90の挟持部94と連結ギヤ84のギヤ一個との斜視図、(e)が無端ベルト81の転回部分と区画列部材90の長箱体91および挟持部94と連結ギヤ84との正面図、(f)が無端ベルト81の上側部分と区画列部材90の長箱体91および挟持部94との正面図、(g)が無端ベルト81の上側部分と区画列部材90の長箱体91および挟持部94との下面図である。さらに、図7は、(a)が区画列部材90を避けて縦に切断した多列コンベア80の右側面図、(b)が区画列部材90も縦に切断した多列コンベア80の右側面図、(c)が多列コンベア80の正面図である。
多列コンベア80は(図5〜図7参照)、平行配置された一対の無端ベルト81と、このベルト対を一緒に循環駆動する連結ギヤ84を一対以上と、予備撒きカセット20のマス22の列数(図では11列)より多く(図では24個)の区画列部材90と、区画列部材90の移動について案内および規制を行う固定板85,87とを具えており、中段の多列コンベア30に代えて、上段の予備撒きカセット20の直ぐ下、下段の単列コンベア40の斜め上に設置されている。
無端ベルト81は、内周面に歯形83の形成された幅狭の歯付ベルト82であり、合成ゴム等のフレキシブルな素材から作られた市販のいわゆるタイミングベルトで足りるので、安価であり、入手も容易である。
連結ギヤ84は、ギヤ幅Wが無端ベルト81の幅Tの半分(T/2)であるギヤを連結ロッドの両端に固定したものであり、一端のギヤが無端ベルト81の対の一方の歯形83に噛合し、他端のギヤが無端ベルト81の対の他方の歯形83に噛合している。図示のように一対だけでも足りるが、予備撒きカセット20の直下のものを平行に配置すれば、一対以上設けても良く、何れか一つの連結ギヤ84がモータ35にて軸回転駆動され、他は無端ベルト81を介して従動するようになっている。
区画列部材90は、例えば硬質プラスチックから射出成型等で一体形成されて、通常の使用状態では変形しない又は変形を無視できる固形物となっている。区画列部材90には、多列コンベア30の区画室33に相当する区画室93が形成されているが、一列分(図では6室)の区画室93が纏めて一体形成されている。区画列部材90の形状は、上面の解放された長箱体91の内部空間に等ピッチで隔壁92を配して、同じ形状の区画室93を列設したようになっている。
区画列部材90において隣り合う区画室93の間の隔壁92には、溝96が形成されている。溝96は、恰もすり割りフライスで彫り込んだかのように隔壁92を破ることなく薄い二枚に切り分けた状態で隔壁92のほぼ上半分に形成されている。
区画列部材90の区画室93は、何れも、内側面に開口側で広がるような傾斜がつけられて、開口が広く内底が狭い錐台状になっている。図示の例では四面すべてが傾斜しているが、対向二面だけ傾斜させて残りの二面は傾けないのでも良い。区画室93の内側面には縦線状の突起95が形成されている。突起95は、区画室93の内側面の全域に形成しても良く、一部に限定しても良いが、限定する場合でも傾斜部分の内側面には突起95を形成しておくのが望ましい。突起95の高さは0.2〜0.5mm程度が典型的であるが、他の値でも良い。さらに、区画列部材90は区画室93の内底が粗面になっている。その粗面はザラザラした触感を生じる程度に微小突起を散りばめたものが望ましく、微小突起と谷底との高低差は0.1mm程度が典型的であるが、他の値でも良い。
さらに、区画列部材90は、外底面(底壁外面・裏面・下面)の両端部それぞれに、挟持部94が設けられている。挟持部94は、長箱体91と一緒に形成しても良く、長箱体91に後付しても良いが、基端部94aが長箱体91の外底面から突き出し、中間部94bが長箱体91の長手方向に向きを変えて長箱体91の底面とほぼ平行な状態になり、先端部94cが長箱体91の端面のほぼ直下まで延びている。挟持部94の中間部94bと先端部94cを合わせた長さL3は、無端ベルト81の幅Tの半分より少しだけ短くなっている(L3≦T/2)。
挟持部94の中間部94bと先端部94cとにおいて、区画列部材90の外底面と対向する側の歯部94dは、断面形状が連結ギヤ84の歯の一つとほぼ等しいものに形成されていることから、歯付ベルト82の歯形83の谷に適合していてそこに納まり易い形をしているので、挟持部94と長箱体91との間に歯付ベルト82の谷のところを差し込むことで、無端ベルト81が区画列部材90の端部に位置ずれすることなく挟持されるようになっている。また、区画列部材90の外底面と対向しない側の補強部94eは、断面形状が連結ギヤ84の歯の一つの根元部とほぼ等しいものに形成されていることから、その幅が強度向上のため広くても、具体的には基端部94aや中間部94bにおける幅L2が無端ベルト81の歯形83のピッチPより広くても更には先端部94cにおける幅L3が無端ベルト81の歯形83のピッチPに近くても、歯付ベルト82の歯形83の山と不所望に干渉すること無く歯部94dを補強するものとなっている。
このような区画列部材90の一端に一対の無端ベルト81の一方を挟持させ、区画列部材90の他端に一対の無端ベルト81の他方を挟持させることで、区画列部材90が無端ベルト81に架け渡たされるようになっているので、連結ギヤ84のギヤ対に張設した一対の無端ベルト81に対し、多数の区画列部材90を等ピッチで架け渡すことで、多列コンベア80が出来上がると同時に、多列コンベア80における区画室93の多行多列の配置が確立される。また、その際、連結ギヤ84における幅Wのギヤが無端ベルト81の幅Tの外側の半分T/2を支持するとともに、区画列部材90の挟持部94の長さL1の部分が無端ベルト81の幅Tの内側の半分未満(<T/2)に掛かることで、区画列部材90の挟持部94と連結ギヤ84のギヤとの干渉が適切に回避されるようになっている。
固定板85,87は、一見すると固定板34に似ているが、固定板34とは別のものである。すなわち。固定板34が仕切用であるのに対し固定板85,87には仕切の役目が全くなくガイド専用品になっている点と、仕切用の固定板34が一枚で無端ベルト31を一周していたのに対し固定板85,87が上側固定板85と下側固定板87とに分かれている点と、上側固定板85が両端部を支持部材86にて支持されている点と、下側固定板87が両端部を支持部材88にて支持されている点で、固定板85,87は仕切用の固定板34と相違している。
固定板85,87は、何れも、区画列部材90の溝96に遊挿可能な薄い板体から作られ、両端部を除いて大部分が細長い真っ直ぐに延びたものであり、両端部は同じ方にほぼ直角に向きを変えた形状になっている。上側固定板85は、無端ベルト81より高いところに配置されて、区画列部材90の溝96に挿通され、上向きになっている区画列部材90の移動について案内および規制を行う。下側固定板87は、無端ベルト81より低いところに配置されて、区画列部材90の溝96に挿通され、下向きになっている区画列部材90の移動について案内および規制を行う。無端ベルト81の折り返し箇所で横になった区画列部材90については、上側固定板85の端部が溝96の一側に挿通されるとともに、下側固定板87の端部が溝96の他側に挿通されるよう、両端部が形成されているので、固定板85,87は共同で一周分の案内および規制を行うようになっている。
上側固定板85は無端ベルト81の上半分とほぼ平行に配置され、下側固定板87は無端ベルト81の下半分とほぼ平行に配置され、何れも溝96に挿通されているので、区画列部材90について、無端ベルト81の循環動作による巡回移動は円滑に行われるよう案内がなされるが、それ以外の動きは規制される。具体的には、区画列部材90の長手方向における横ずれ様の変位や,上下方向における浮き沈み様の動きに加えて,挟持部94を支点とした揺動も、規制されるようになっている。このような固定板85,87の配置についてはは、安定重視の観点から対称配置が好ましく、多数の区画室93と予備撒きカセット20のマス22との位置合わせ重視の観点から上側固定板85の複数設置・多数設置が好ましく、この例では(図7(a),(b)参照)、5本の上側固定板85が溝96を全域で埋め尽くし、下側固定板87は中央に一本だけ設置されている。
この実施例1の薬剤手撒き装置50について、その使用態様及び動作を説明する。多列コンベア80の機能は従来の多列コンベア30と同じであり、単列コンベア60の機能は従来の単列コンベア40と同じなので、基本的な使い方や動作は既述したのと同様である。
すなわち、薬剤手撒き装置50でも、手撒きに先立って予備撒きカセット20が筐体11から引き出され、そのマス22に指示箋や表示に従って薬剤が手撒きされ、手撒き後は、予備撒きカセット20が筐体11に戻され、収納状態の予備撒きカセット20から一括して薬剤が多列コンベア80に移し替えられる。そのとき、多数のマス22に区分けされた薬剤は、各マス22からその直下に一つずつ対応して位置する区画室93に落下するので、手撒き時の区分状態を維持したまま移し替えられる。
それから、薬剤分包機10の自動分包に連動して、多列コンベア80の区画列部材90の区画室93のうち先頭の一列分の薬剤すなわち区画列部材90一本分の薬剤が単列コンベア60の区画室73に区分状態を維持しながら移し替えられ、さらに単列コンベア60の区画室73のうち先頭の一室分の薬剤がホッパ13を介して包装機12に投入される。そして、一室分ずつ小分けした薬剤の投入が繰り返されて、単列コンベア60が空になると、多列コンベア80から先頭一列分の薬剤が単列コンベア60に移し替えられ、一室分ずつ小分けした薬剤の投入が再開される。こうして、薬剤が手撒き時の区分に従って自動で薬剤手撒き装置50から各区分ずつ分包に供される。
このように薬剤手撒き装置50の基本的な動作は多列コンベア80及び単列コンベア60も含めて従来同様であるが、改良品である多列コンベア80と単列コンベア60の動作については、以下、順に、詳述する。
先ず中段の多列コンベア80について述べると、モータ35が作動して連結ギヤ84が軸回転し、それによって無端ベルト81が循環し、それに運ばれて区画列部材90が進行するが、区画室93の開口を上に向けている薬剤受取位置では、区画列部材90が、無端ベルト81の上側部分に支えられると同時に、5本の上側固定板85によって適切な位置にだけ案内されて不所望な位置ずれや揺れは規制されるので、多列コンベア80の区画室93は個数が多くても区分状態を損なうことなく一括して確実に予備撒きカセット20のマス22から薬剤を受け取ることができる。
そして、無端ベルト81の更なる循環動作に伴って、上述した薬剤受取位置から、やがて、無端ベルト81の転回部分で区画室93の開口を横や斜め下に向ける先頭位置・排出位置に、すなわちコンベア端の折り返し位置に、区画列部材90が到達する。すると、そこでは、規制を伴った案内の役目が上側固定板85から下側固定板87に移るとともに、そこに来た区画列部材90の区画室93から薬剤が滑り落ちるが、区画室93は、開口が広くなっているうえ、内側面には縦線状の突起95が形成され、内底粗面には微小突起が形成されているので、薬剤は円滑かつ確実に落下排出される。
なお、薬剤が通常より貼り付き易いものの場合、区画列部材90が先頭の排出位置に来る度に、モータ35の正転逆転を短周期で繰り返し切り替える反転振動動作をモータ35に行わせることにより、先頭位置・排出位置に最も近い連結ギヤ84を振動的に微小角で揺動させ、先頭の排出位置に来た区画列部材90を激しく揺さぶって、薬剤を区画列部材90から振り落とす、という動作制御を行うのも良い。そのとき、他の連結ギヤ84はブレーキ等で動かないようにしておくともっと良い。
それから、後続の区画列部材90の区画室93から薬剤を排出させるために、更に無端ベルト81が循環動作を繰り返すと、先の区画列部材90は、無端ベルト81の下側部分に支えられながら、下側固定板87の案内によって安定して移動し、もう一つのコンベア端の折り返し位置に達し、そこで進行方向を変えながら案内役も下側固定板87から上側固定板85に替え、その後、再び、薬剤受取位置に戻って来る。
区画列部材90と無端ベルト81との挟持も圧入等によって長期に亘り適切に維持されるので、無端ベルト81が不所望に揺れたり曲がったり内外に寄ったりすることも無い。
こうして、区画列部材90が何時でも固定板85,87によって案内され、その安定効果が無端ベルト81にも及ぶので、低速や標準速度で動作させたときはもちろん、高速動作させたときであっても、多列コンベア80における区画室93の位置が安定し、手撒き時の区分状態を損なうことなく、薬剤の移し替えが適切に行われる。
次に、下段の単列コンベア60の動作について述べる。モータ45が作動して連結ギヤ65が軸回転し、それによって無端ベルト62が循環し、それに運ばれて区画部材70が進行するが、空の区画室73の開口を上に向けて停止した薬剤受取位置では(図4(a)参照)、区画部材70が、一列に並んで無端ベルト62の水平な上側部分に箱体71の底を乗せて支えられて正置状態・非揺動状態になると同時に、二枚の固定板66によって適切な位置にだけ案内されて不所望な横ずれが規制される。しかも、そのとき、隣り合う区画部材70については、前の区画部材70の後縁75が後ろの区画部材70の前縁77に重なって、無駄なく区分がなされる。そのため、単列コンベア60における多数の区画部材70が別体になっていても、多列コンベア80における一列分(図では6個)の区画室93から、単列コンベア60の区画部材70の区画室73それぞれに、区分状態を損なうことなく、確実に、薬剤8を受け取ることができる。
そして、無端ベルト62の更なる循環動作に伴って、上述した薬剤受取位置から、薬剤8を収納した区画部材70のうち先頭のものが、無端ベルト62の転回部分である先頭位置・排出位置に、進行する(図4(b)参照)。そこはコンベア端であり区画部材70が半回転して折り返すところなので、先頭の区画部材70は、先ず前方へ傾斜して揺動しようとするが、しばらくは、その後縁75が覆体67に接触して、傾動が小さめに規制されるので、穏やかに少しだけ揺動するにとどまる。そして(図4(c)参照)、先頭の区画部材70は、コンベアの最端位置に到達したかそこを少し越えたとき、例えば転回角度が90゜以上になったとき、後縁75が凹凸部68に当たって、振動や衝撃を受ける。
それから、直ちに、先頭の区画部材70の後縁75が覆体67からも凹凸部68からも離脱して、先頭の区画部材70は、自由に揺動できる状態になるので、短時間のうちに下方へ大きく揺動して、下向きの状態に近づく(図4(d)参照)。この素早い大きな振り回しにより、先頭の区画部材70の中から薬剤8が放り出されるかの如く勢い良く滑り落ちる。このような振り回しや直前の振動や衝撃によって区画室73への薬剤8の貼り付きが防止されるのに加え、区画室73の開口が広くなっているうえ、区画室73の内側面には縦線状の突起78が形成されており、さらに区画室73の内底粗面には微小突起が形成されいるので、薬剤8は円滑かつ確実に落下排出される。
それから、更に無端ベルト62が循環動作を繰り返すと、後続の区画部材70の区画室73からも薬剤8が排出される。
こうして、単列コンベア60から一室分ずつ小分けして薬剤8をホッパ13経由で包装機12に投入することも、手撒き時の区分状態を損なうことなく適切に行われる。
[その他]
なお、上記実施例では、単列コンベア60において覆体67の後縁当接部には凹凸部68が部材付加にて形成されていたが、覆体67を裏面からポンチ等で叩いて曲げ加工することで形成しても良く、凹凸に代えて又は加えて単一の若しくは複数の突起を形成しても良く、凹凸または突起を最終接触部位に限らず他の部位にまで形成しても良い。
また、上記実施例では、予備撒きカセット20のマス22が6行11列に並んでいたが、一日3回で7日分の薬剤の手撒きを重視してマス22を3行7列に並べても良く、一日4回で10日分の薬剤の手撒きを重視してマス22を4行10列に並べても良く、一日4回で14日分の薬剤の手撒きを重視してマス22を8行14列に並べても良く、筐体内に装備可能であれば、その他の行数列数でマス22の縦横配置がなされても良い。
さらに、上記実施例では、多列コンベア80において無端ベルト81の両外側には何も無かったが、無端ベルト81の位置ずれを防止する規制板などを追加しても良い。そのような規制部材は、連結ギヤ84に付設しても良く(図7(b)の鍔体84a参照)、無端ベルト81の直ぐ脇に固定設置しても良く、区画列部材90の両端の位置ずれを規制するところまで拡張しても良い。
本発明の薬剤手撒き装置は、図8に示した錠剤分包機に組み込める他、散薬分包機や錠剤散薬混合タイプの薬剤分包機にも組み込むことができる。また、筐体に薬剤手撒き装置と包装機とを装備して、手撒き式の分包機にすることもできる。
また、筐体に薬剤手撒き装置を装備する具体的な態様は、上記実施例のように予備撒きカセットを筐体から引き出し可能に実装する態様に限られる訳ではない。予備撒きカセットのマスに薬剤を手撒きできれば良いので、例えば、予備撒きカセットを筐体上面に固定しても良く、予備撒きカセットを筐体の天板に着脱するのでも良い。
本発明の一実施例について、薬剤手撒き装置の構造を示し、(a)が薬剤手撒き装置の正面図、(b)が単列コンベアの要部の斜視図、(c)が区画部材の斜視図、(d)がコンベア部の斜視図である。 単列コンベアの構造を示し、(a)が連結ギヤのギヤ一個の斜視図、(b)が区画部材の挟付部の斜視図、(c)が無端ベルトを省いて見た区画部材の挟付部と連結ギヤとの斜視図、(d)が無端ベルトの転回部分と区画部材の挟付部と連結ギヤのギヤ一個との斜視図、(e)が無端ベルトの転回部分と区画部材の箱体および挟付部と連結ギヤとの正面図、(f)が無端ベルトの上側部分と区画部材の箱体および挟付部との正面図、(g)が無端ベルトの上側部分と区画部材の箱体および挟付部との下面図である。 単列コンベアの構造を示し、(a)〜(c)何れも単列コンベア要部の斜視図である。 単列コンベアの構造と動作状態を示し、(a)〜(d)いずれも単列コンベア要部の右側面図である。 多列コンベアの構造を示し、(a)が要部の斜視図、(b)が無端ベルトの斜視図、(c)が区画列部材の斜視図である。 多列コンベアの構造を示し、(a)が連結ギヤのギヤ一個の斜視図、(b)が区画列部材の挟持部の斜視図、(c)が無端ベルトを省いて見た区画列部材の挟持部と連結ギヤのギヤ一個との斜視図、(d)が無端ベルトの転回部分と区画列部材の挟持部と連結ギヤのギヤ一個との斜視図、(e)が無端ベルトの転回部分と区画列部材の長箱体および挟持部と連結ギヤとの正面図、(f)が無端ベルトの上側部分と区画列部材の長箱体および挟持部との正面図、(g)が無端ベルトの上側部分と区画列部材の長箱体および挟持部との下面図である。 (a)が区画列部材を避けて縦に切断した多列コンベアの右側面図、(b)が区画列部材も縦に切断した多列コンベアの右側面図、(c)が多列コンベアの正面図である。 薬剤手撒き装置を装備した薬剤分包機の構造を示し、(a)が正面図、(b)が右側面図である。 従来の薬剤手撒き装置の構造を示し、(a)が正面図、(b)が予備撒きカセット収納状態の右側面図、(c)が予備撒きカセット引出状態の右側面図である。 従来の薬剤手撒き装置の構造を示し、(a)が予備撒きカセット収納状態の平面図、(b)が予備撒きカセットを取り除いた多列コンベアと単列コンベアの平面図、(c)が予備撒きカセットと多列コンベアを取り除いた単列コンベアの平面図、(d)が多列コンベアにおける仕切用の固定板の輪郭の正面図、(e)が多列コンベアの無端ベルトの正面図、(f)が多列コンベアにおける仕切用の固定板の正面図である。
符号の説明
10…薬剤分包機、
11…筐体、12…包装機、13…ホッパ、14…薬剤手撒き装置、
20…予備撒きカセット、
21…カセット枠、22…マス、
23…引出部材、24…シャッタ作動部材、25…モータ、
30…多列コンベア(コンベヤー)、
31…無端ベルト、32…可動板(隔板)、33…区画室、
34…固定板(仕切板,側板)、34a…長穴、35…モータ、
40…単列コンベア(コンベヤー)、
41…無端ベルト、42…可動板(隔板)、
43…区画室、44…固定板(側板)、45…モータ、
50…薬剤手撒き装置、
60…単列コンベア(コンベヤー)、
61…コンベア部、62…無端ベルト、63…歯形、
65…連結ギヤ、66…固定板(側板)、
67…覆体(被囲板)、68…凹凸部、
70…区画部材、71…箱体、72…挟付部、
73…区画室、74…左縁、75…後縁(張出部)、
76…右縁、77…前縁(逃げ部)、78…突起、
80…多列コンベア(コンベヤー)、
81…無端ベルト、82…歯付ベルト、
83…歯形、84…連結ギヤ、85…上側固定板(案内板)、
86…支持部材、87…下側固定板(案内板)、88…支持部材、
90…区画列部材、91…長箱体、92…隔壁、
93…区画室、94…挟持部、95…突起、96…溝

Claims (4)

  1. 多行多列に並んだ多数のマスを具備した予備撒きカセットと、それより列数の多い多行多列に並んだ多数の区画室を具備していて前記予備撒きカセットから一括して薬剤を受け取る多列コンベアと、その行数より個数の多い一列に並んだ多数の区画室を具備していて前記多列コンベアから一列分ずつ薬剤を受け取る単列コンベアとを具えた薬剤手撒き装置において、前記単列コンベアが、平行配置されていて一緒に駆動される一対の無端ベルトに前記多列コンベアの区画室の行数より多くの区画部材を揺動許容態様で装架したものであり、前記区画部材が、前記単列コンベアの一区画分の区画室を一体形成したものであることを特徴とする薬剤手撒き装置。
  2. 前記区画部材の上縁部分であって他の区画部材と隣り合う二カ所のうちの一方である後縁には、両隣のうち一方の区画部材の前縁の上方に達する張出が形成されており、前記二カ所のうちの他方である前縁には、両隣のうち他方の区画部材の後縁の張出との干渉を避ける切欠状の逃げが形成されていることを特徴とする請求項1記載の薬剤手撒き装置。
  3. 前記区画部材が、箱体の外底面の前端部に挟付部の設けられたものであり、前記挟付部が、前記箱体の外底面から突き出た基端部とそこから前記箱体の外底面に沿って延びた先端部とを具備したものであり、前記区画部材の前記無端ベルトへの装架が、前記箱体の外底面と前記挟付部との間に前記無端ベルトを緩く嵌め込むことによりなされて、揺動許容態様になっていることを特徴とする請求項2記載の薬剤手撒き装置。
  4. 前記単列コンベアの両端部のうち薬剤排出側に、前記区画部材の揺動前期にその後縁と接触する覆体が設けられており、前記覆体における後縁接触部のうち最終接触部位に、凹凸または突起が形成されていることを特徴とする請求項3記載の薬剤手撒き装置。
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