JP4931870B2 - 薬剤手撒き装置 - Google Patents
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Description
予備撒きカセット20は、カセット枠21とマス22と引出部材23とシャッタ作動部材24とモータ25とを具えており、カセット枠21は引出部材23によって支持されて筐体11の前面パネルの開口から前方へ引き出し可能になっており、図示しないスイッチ操作に応じて作動するモータ25によってカセット枠21が筐体11から出入りするようになっている。多数のマス22は、何れも薬剤投入のため上面が解放されており、何れも底面が両開きや片開きのシャッタを装備していて、シャッタ作動部材24によって全マス同時に開閉されるようになっており、多行多列に例えば前後方向6行・左右方向11列に並んだ状態でカセット枠21に取り付けられている。
このような従来の薬剤手撒き装置では、多列コンベア30においては無端ベルト31と可動板32とが、また単列コンベア40においては無端ベルト41と可動板42とが、共に可撓性部材・弾性部材から作られていたため、コンベア端で折り返しながら区画室33,43から薬剤を落下排出するときに区画室33,43が開口を広げる態様で大きく変形することから、薬剤が落下せずに区画室33,43の中に残ることが無いので、薬剤の移載や排出が円滑かつ確実に行われる。
特に、区画室33の多い多列コンベア30については、固定板34で仕切られているため、可動板32が小さく分割されて多数になっているので、植設作業の量が多い。
そこで、多列コンベアを容易かつ安価に製造できるよう多列コンベアの構造を改良することが基本的な技術課題となる。
とは言え、薬剤手撒き装置の性能向上をも図るべく、改良版の多列コンベアを高速動作させてみると、固定板が無いままでは、区画列部材の姿勢が大きく揺れ動き、区画室の位置が不所望に乱れてしまうことが観察される。
そこで、区画室の位置を安定させるべく、無端ベルトの剛性不足を補って余りあるほど十分に区画列部材の剛性を活用するよう、多列コンベアの構造に改良を重ねることが更なる技術課題となる。
したがって、この発明によれば、多列コンベアの製造がより容易かつ安価な薬剤手撒き装置を実現するに際して、区画列部材の剛性を活用して無端ベルトの剛性不足を補償するよう固定板の役割と係合構造を改めたことにより、高速動作時も多列コンベアにおける区画室の位置が安定している薬剤手撒き装置を提供することができる。
したがって、この発明によれば、固定板を多列コンベアに追加するのが容易になる。
したがって、この発明によれば、多列コンベアの製造がより容易かつ安価な薬剤手撒き装置を実現するに際して、区画列部材の剛性を活用して無端ベルトの剛性不足を補償するよう両者の係合構造に圧入挟持構造を採用したことにより、高速動作時も多列コンベアにおける区画室の位置が安定している薬剤手撒き装置を提供することができる。
また、本発明の薬剤手撒き装置は(第3実施形態)、上記解決手段や上記実施形態1,2の薬剤手撒き装置であって、前記区画列部材の区画室の内側面に縦線状の突起が形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明の薬剤手撒き装置は(第4実施形態)、上記解決手段や上記実施形態1〜3の薬剤手撒き装置であって、前記区画列部材の区画室の内底が粗面になっていることを特徴とする。
したがって、この発明によれば、容易かつ安価に製造しうる多列コンベアに組み込まれる区画列部材を一体成形容易化のため固くしても薬剤の移載や排出が円滑かつ確実に行われる薬剤手撒き装置を実現することができる。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ベース,フレーム,ボルト等の締結具,ヒンジ等の連結具,モータドライバ等の電気回路,コントローラ等の電子回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
また、それらの図示に際し従来と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、さらに、それらについて背景技術の欄で述べたことは以下の実施例についても共通するので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
多列コンベア80は(図1〜図3参照)、平行配置された一対の無端ベルト81と、このベルト対を一緒に循環駆動する連結ギヤ84を一対以上と、予備撒きカセット20のマス22の列数(図では11列)より多く(図では24個)の区画列部材90と、区画列部材90の移動について案内および規制を行う固定板85,87とを具えており、中段の多列コンベア30に代えて、上段の予備撒きカセット20の直ぐ下、下段の単列コンベア40の斜め上に設置されている。
連結ギヤ84は、ギヤ幅Wが無端ベルト81の幅Tの半分(T/2)であるギヤを連結ロッドの両端に固定したものであり、一端のギヤが無端ベルト81の対の一方の歯形83に噛合し、他端のギヤが無端ベルト81の対の他方の歯形83に噛合している。図示のように一対だけでも足りるが、予備撒きカセット20の直下のものを平行に配置すれば、一対以上設けても良く、何れか一つの連結ギヤ84がモータ35にて軸回転駆動され、他は無端ベルト81を介して従動するようになっている。
区画列部材90において隣り合う区画室93の間の隔壁92には、溝96が形成されている。溝96は、恰もすり割りフライスで彫り込んだかのように隔壁92を破ることなく薄い二枚に切り分けた状態で隔壁92のほぼ上半分に形成されている。
区画列部材90と無端ベルト81との挟持も圧入等によって長期に亘り適切に維持されるので、無端ベルト81が不所望に揺れたり曲がったり内外に寄ったりすることも無い。
上記実施例では、予備撒きカセット20のマス22が6行11列に並んでいたが、一日3回で7日分の薬剤の手撒きを重視してマス22を3行7列に並べても良く、一日4回で10日分の薬剤の手撒きを重視してマス22を4行10列に並べても良く、一日4回で14日分の薬剤の手撒きを重視してマス22を8行14列に並べても良く、筐体内に装備可能であれば、その他の行数列数でマス22の縦横配置がなされても良い。
また、上記実施例では、多列コンベア80において無端ベルト81の両外側には何も無かったが、無端ベルト81の位置ずれを防止する規制板などを追加しても良い。そのような規制部材は、連結ギヤ84に付設しても良く(図3(b)の鍔体84a参照)、無端ベルト81の直ぐ脇に固定設置しても良く、区画列部材90の両端の位置ずれを規制するところまで拡張しても良い。
また、筐体に薬剤手撒き装置を装備する具体的な態様は、上記実施例のように予備撒きカセットを筐体から引き出し可能に実装する態様に限られる訳ではない。予備撒きカセットのマスに薬剤を手撒きできれば良いので、例えば、予備撒きカセットを筐体上面に固定しても良く、予備撒きカセットを筐体の天板に着脱するのでも良い。
11…筐体、12…包装機、13…ホッパ、14…薬剤手撒き装置、
20…予備撒きカセット、
21…カセット枠、22…マス、
23…引出部材、24…シャッタ作動部材、25…モータ、
30…多列コンベア(コンベヤー)、
31…無端ベルト、32…可動板(隔板)、33…区画室、
34…固定板(仕切板,側板)、34a…長穴、35…モータ、
40…単列コンベア(コンベヤー)、
41…無端ベルト、42…可動板(隔板)、
43…区画室、44…固定板(側板)、45…モータ、
50…薬剤手撒き装置、
80…多列コンベア(コンベヤー)、
81…無端ベルト、82…歯付ベルト、
83…歯形、84…連結ギヤ、85…上側固定板(案内板)、
86…支持部材、87…下側固定板(案内板)、88…支持部材、
90…区画列部材、91…長箱体、92…隔壁、
93…区画室、94…挟持部、95…突起、96…溝
Claims (3)
- 多行多列に並んだ多数のマスを具備した予備撒きカセットと、それより列数の多い多行多列に並んだ多数の区画室を具備していて前記予備撒きカセットから一括して薬剤を受け取る多列コンベアと、その行数より個数の多い一列に並んだ多数の区画室を具備していて前記多列コンベアから一列分ずつ薬剤を受け取る単列コンベアとを具えた薬剤手撒き装置において、前記多列コンベアが、平行配置されていて一緒に駆動される一対の無端ベルトに前記予備撒きカセットのマスの列数より多くの区画列部材を装架したものであり、前記区画列部材が、前記多列コンベアの一列分の区画室を一体形成した固形物であって区画室間の隔壁に区画室を避けて溝を形成したものであり、その溝に挿通されて前記区画列部材の移動について案内および規制を行う固定板が、前記多列コンベアに設けられていることを特徴とする薬剤手撒き装置。
- 前記多列コンベアの前記固定板が、前記無端ベルトより高いところに配置されて両端部を支持されている上側固定板と、前記無端ベルトより低いところに配置されて両端部を支持されている下側固定板とに分かれていることを特徴とする請求項1記載の薬剤手撒き装置。
- 前記多列コンベアの前記区画列部材が、長箱体の外底面の両端部それぞれに挟持部の設けられたものであり、前記挟持部が、前記長箱体の外底面から突き出た基端部とそこから前記長箱体の外底面に沿って延びた先端部とを具備したものであり、前記区画列部材の前記無端ベルトへの装架が、前記長箱体の外底面と前記挟持部との間に前記無端ベルトを圧入することによりなされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された薬剤手撒き装置。
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