JP6569911B2 - 錠剤カセット - Google Patents
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Description
また、錠剤の整列箇所である環状間隙を錠剤一つ分ずつ区切るために、環状間隙に突き出た羽根状の隔壁が、整列盤の外周面に等ピッチで多数形成されており、隣り合う隔壁の間が、整列盤の上から落ちてきた錠剤を一個ずつ収める区画室になっている。
そして、回転する整列盤によって錠剤が環状間隙の中を運ばれて排出口の直上まで来ると、その薬剤は排出口から落下して排出されるとともに、その薬剤より上の薬剤は仕切板によって排出口へ入り込むのを阻止されるので、錠剤の二重落下が防止されて、回転量に応じて薬剤が一つずつ排出される。
また、円形や球形あるいは正多角形や正多面形といった謂わば定形剤から外れた菱形板状の異形剤や、中央部の膨らんだ紡錘状の異形剤、一錠未満の単位で服用できるよう一錠を裁断等で2分割して作られた半錠なども、錠剤カセットで取り扱われることがある。
すなわち、順を追って詳述すると(特許文献1〜5参照)、仕切板を用いる錠剤カセットの場合、定形剤であれば、一個が錠剤カセットの容器部と整列盤との環状間隙における隔壁間の区画室に収まっていると、先に区画室に収まった錠剤の上に他の錠剤が来ても、他の錠剤は区画室内の錠剤や隔壁に乗り上げて一部分と言えども区画室に入れないことから、仕切板の位置調整が多少粗くても錠剤が無理なく上下へ的確に仕切られて、錠剤の逐次落下・逐次排出が確実に遂行されるので、仕切板の調整が比較的容易である。
しかも、仕切板に代えて新たに採用された上記の無端ベルトは、変形容易な弾性体または可撓性部材からなり、前記排出口の上方であって前記隔壁より高い所に設けられていて、前記区画室のうち前記整列盤の軸回転にて前記排出口に近づいて来た区画室の上に出ている錠剤が当接すると反発力にて該錠剤を外周側から内周側へ押すことにより該錠剤の前記排出口への落下を阻止するようになっている。
しかしながら、無端ベルト採用の錠剤カセットは、無端ベルトを張るために二カ所以上で支持しなければならないうえ、無端ベルトの円滑な循環運動のため各支持部に軸回転部材を組み込む必要がある。
そこで、排出口の上方で錠剤を外周側から内周側へ優しく押して錠剤の二重落下を防止するという無端ベルト式の特質を引き継ぎながらも支持部材の個数は少なくて済む錠剤カセットを実現することが技術的な課題となる。
多数の錠剤を収容しうる容器部と、軸回転可能な状態で前記容器部の中に設けられた整列盤と、前記整列盤の外周面に多数形成されていて前記容器部と前記整列盤との環状間隙を等ピッチで多数の区画室に区切る羽根状の隔壁とを備え、前記容器部の底部のうち前記環状間隙の下面をなす部分の一部に排出口が形成されていて、前記整列盤の軸回転にて前記区画室の中に入った錠剤を前記排出口から逐次落下させる錠剤カセットにおいて、
変形容易な弾性体または可撓性部材からなる円板状の二重落下防止部材と、前記二重落下防止部材を円中心で支持して面内回転可能にする支持部材とを具備し、前記容器部の側壁のうち前記排出口の上方であって前記隔壁より高い所に形成された貫通穴に前記二重落下防止部材の周縁部を遊挿させる状態で前記支持部材が前記容器部の外部に装備されると、前記区画室のうち前記整列盤の軸回転にて前記排出口に近づいて来た区画室の中で他の錠剤に乗っている錠剤が前記二重落下防止部材に当接して前記排出口への落下を阻止されるようになっている、ことを特徴とする。
図1〜2に示した実施例1は、上述した解決手段1,2,4(出願当初の請求項1,2,4)を具現化したものであり、図3に示した実施例2は、上述した解決手段3,5(出願当初の請求項3,5)を具現化したものである。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具や,ヒンジ等の連結具などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
すなわち、最上部の蓋11蓋を開けて補充された多数の錠剤を内部空間に収容する容器部12と、その中に軸回転可能に設けられていて外部からの駆動を回転伝動軸32にて受ける整列盤30とを備えており、それら容器12部と整列盤30と間が、錠剤の整列箇所である環状間隙(15…15)になっている。また、その環状間隙の下端部を画する容器底部13に、錠剤を落下させる排出口14が貫通形成されている。
そして、錠剤カセット10は、図示しないベース等(駆動部)に装着されると整列盤30の回転伝動軸13が駆動部の回転伝動軸と係合して回転駆動され、整列盤30の軸回転に連れて区画室15の室の中に入った錠剤を排出口14から逐次落下させるようになっている。
さらに、整列盤30には緩衝部材33が装着されており、緩衝部材33は整列盤30の外周面のうち隔壁31…31より上の所を一巡している。
以下、各部を詳述する。
円板状補強部材23は、この例では、円板状変形部材22と径が同じで厚みが薄い円板状の補強部材であり、金属や硬質プラスチックの薄い平板を円環状に打ち抜くといったことで作られ、円中心支持部材21の下から円中心支持部材21の軸受に外嵌めされて、円板状変形部材22の直下に位置することで円板状変形部材22を下支えするとともに、円板状変形部材22と一緒に軽快に面内回転しうるものとなっている。
さらに、二重落下防止ユニット20を容器部12に装着する際には、上記の貫通穴12aに円板状変形部材22及び円板状補強部材23の周縁部を外から中へ遊挿しながら二重落下防止ユニット20を容器部12に装着する。
これに対し、最下の錠剤の上に乗っかっていた錠剤は、例えその一部が区画室15の中に入り込んでいたとしても、区画室26より上に出ていた部分が、円板状変形部材22によって環状間隙の外周側から内周側へ押されるとともに、その反作用として緩衝部材33によって環状間隙の内周側から外周側へ押される。そのため、最下でない錠剤は、何れも容易に凹む円板状変形部材22と緩衝部材33とによって優しく挟持される。
そのため、最下でない二重落下防止対象の錠剤は、持ち上げ気味に保持されて、確実に而も傷つくことなく排出口14の上方を運ばれる。さらに、二重落下防止対象の錠剤の下部が円板状補強部材23と干渉したときにも、円板状変形部材22の上向き気味変形による持ち上げ作用と、緩衝部材33の変形による逃がし作用とによって、優しく挟持され、やはり傷つくことなく排出口14の上方を運ばれる。
それから、排出口14の上を通過した後に、円板状変形部材22の当接部位・作用部分と緩衝部材33の当接部位・作用部分とが離隔して、錠剤の挟持が緩み更には解消されると、解放された錠剤が落下して下の区画室15に速やかに入り込む。
こうして、錠剤の逐次排出が迅速かつ的確に行われる。
上記実施例1,2では、錠剤カセットが着脱部になっていてベース等(駆動部)に手動で装着されることで錠剤フィーダが出来上がるようになっていたが、錠剤カセットと駆動部との連携態様はそれに限定される訳でなく、例えば、錠剤カセットだけでなく駆動部も可動式や可搬式になっていても良く、錠剤カセットと駆動部との対応付けや装着および離脱が自動的に行われるようになっていても良く、錠剤カセットが駆動部に固設されて錠剤フィーダが一体的なものになっていても良い。
また、着脱式の場合、一個の錠剤カセットを幾つかの駆動部に付け替えて使用することや、一個の駆動部に幾つかの錠剤カセットを付け替えて使用することも可能である。
さらに、上述した円板状の錠剤やそれを裁断した半錠に限らず、異形剤やカプセル剤など各種の錠剤を不都合なく取り扱うことができる。
13…容器底部、14…排出口、15…区画室(環状間隙)、
20…二重落下防止ユニット、
21…円中心支持部材、22…円板状変形部材(二重落下防止部材)、
23…円板状補強部材、25…ユニット枠部、
30…整列盤、31…隔壁、32…回転伝動軸、33…緩衝部材(環状溝)、
40…二重落下防止ユニット、
42…円板状変形部材(二重落下防止部材)、43…円板状補強部材
Claims (5)
- 多数の錠剤を収容しうる容器部と、軸回転可能な状態で前記容器部の中に設けられた整列盤と、前記整列盤の外周面に多数形成されていて前記容器部と前記整列盤との環状間隙を等ピッチで多数の区画室に区切る羽根状の隔壁とを備え、前記容器部の底部のうち前記環状間隙の下面をなす部分の一部に排出口が形成されていて、前記整列盤の軸回転にて前記区画室の中に入った錠剤を前記排出口から逐次落下させる錠剤カセットにおいて、
変形容易な弾性体または可撓性部材からなる円板状の二重落下防止部材と、前記二重落下防止部材を円中心で支持して面内回転可能にする支持部材とを具備し、前記容器部の側壁のうち前記排出口の上方であって前記隔壁より高い所に形成された貫通穴に前記二重落下防止部材の周縁部を遊挿させる状態で前記支持部材が前記容器部の外部に装備されると、前記区画室のうち前記整列盤の軸回転にて前記排出口に近づいて来た区画室の中で他の錠剤に乗っている錠剤が前記二重落下防止部材に当接して前記排出口への落下を阻止されるようになっている、ことを特徴とする錠剤カセット。 - 前記二重落下防止部材より固く且つ薄い円板状の補強部材が、前記支持部材により円中心で支持されて前記二重落下防止部材の直下に位置するとともに面内回転可能になっている、ことを特徴とする請求項1記載の錠剤カセット。
- 前記補強部材の径が前記二重落下防止部材の径より小さいことを特徴とする請求項2記載の錠剤カセット。
- 前記整列盤の外周面のうち前記二重落下防止部材の外周面と対向することのある一周部分に環状溝が彫り込み形成されており、変形容易な弾性体または可撓性部材からなる環状の緩衝部材が前記環状溝に嵌挿されていることを特徴とする請求項1記載の錠剤カセット。
- 前記整列盤の外周面のうち前記二重落下防止部材および前記補強部材のうち何れか一方または双方の外周面と対向することのある一周部分に環状溝が彫り込み形成されており、変形容易な弾性体または可撓性部材からなる環状の緩衝部材が前記環状溝に嵌挿されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載された錠剤カセット。
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