JP5016237B2 - 電動モータおよび電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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また、請求項1に記載の発明によれば、回転軸の両端側にそれぞれ設けた各転がり軸受の各内輪を、それぞれ対応する各外輪に対して回転軸の軸方向に沿って遠ざかる方向にオフセットさせることにより、回転軸の回転によってその径方向の力が発生しても、その力の一部を逃がして径方向に作用する力を低減させることができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、電動モータの先端側の転がり軸受を他端側の転がり軸受よりも小さい転がり軸受とし、回転軸に設けられた磁石の軸方向中心は、電動モータの固定子の軸方向中心に対して他端側にオフセットしていることにより、回転軸の回転によってその径方向の力が発生しても、その力の一部を逃がして径方向に作用する力を低減させることができる。
ことを特徴としている。
例えば、変位規制部材で転がり軸受の外輪の軸方向の移動を規制した場合には、転がり軸受とハウジングとの圧入締め代を小さくしたときであっても、転がり軸受の外輪と内輪との軸受間の予圧により、外輪が軸方向にスリップして傾き、内輪と外輪との嵌合が強くなったり、弱くなったりする箇所が発生することがなくなり、転がり軸受が変位規制部材によって揺動運動することが抑制される。
また、従来では、スリップ防止のために、圧入の締め代をある程度大きくとらなければならなかったため、場合によっては軸受のフリクションが増大し、軸受の寿命を短くしたり、トルクリップルが発生する要因にもなっていたが、本願構成では、締め代を小さく設定することができるため、前記した不具合を解消することができる。
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置を示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2に連結されたステアリング軸3と、ステアリング軸3に作用する操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ4と、車速を検出する車速センサ5と、減速機構6を介してステアリング軸3に操舵補助力を付与する電動モータ7と、電動モータ7の駆動を制御する駆動制御装置(ECU)8と、ラック・ピニオン機構9を介して連結されたラック軸10とを備えており、ラック軸10の両端(図では、ラック軸10の一方側は不図示)には、タイロッド11等を介して転舵車輪(前輪)12が連結されている。
図2に示す減速機構6は、電動モータ7の回転トルクを倍力させてステアリング軸3に伝達する機能を有しており、減速歯車機構からなる。この減速機構6は、例えば、電動モータ7の回転軸(出力軸)13に連設されて同回転するウォームギア61と、ステアリング軸3に設けたウォームホイール62とを噛合して構成されている。
ウォームギア61は、例えば、回転軸13の軸上に配置されたウォームシャフト61aに一体形成されてなり、このウォームシャフト61aの端部に形成されたカップリング部61bと前記回転軸13のカップリング部13aとを連結することによって、回転軸13と同回転するようになっている。
ウォームシャフト61aは、電動モータ7側の一端部が、ボールベアリング等の転がり軸受からなる第3軸受64を介在してギアハウジング63に保持され、他端部が、ボールベアリング等の転がり軸受からなる第4軸受65を介在してギアハウジング63に保持されている。
第3軸受64の外輪64bは、ギアハウジング63の内壁に嵌合された止め輪等からなる変位規制部材66によって電動モータ7側の軸方向の移動が規制されている。
図3は、前記電動パワーステアリング装置1の電動モータ7を示す概略断面図である。
図3に示すように、この電動モータ7は、一体的に連結された2つの第1、第2モータハウジング20a,20b内に、ラジアルボールベアリング等の転がり軸受からなる一対の第1、第2軸受21,22によって両端側を回転自在に支持した前記回転軸13と、この回転軸13の外周面に固着した回転子(ロータ)23と、この回転子23の外周面と対向するようにして第2モータハウジング20bの内周面に固着した複数の固定子(ステータ)24と、回転子23の回転角度を検出するレゾルバ25を備えたブラシレスDCモータであり、駆動制御装置(ECU)8(図1参照)は、レゾルバ25から入力される回転子23の回転角度検出信号に基づいて、各固定子24の巻線(コイル)26に所定順序で電流を流して回転磁界を発生させ、この回転磁界によって回転子23を回転させる。回転子23の回転により回転軸13も一体に回転する。
また、第2軸受22も同様に、回転軸13の外周面に隙間なく圧入されたリング状の内輪30と、第2モータハウジング20b内に形成した軸受取付部20eの内周面に隙間なく圧入した外輪31と、内輪30と外輪31との間に回転自在に挟持された転動体32とで構成されている。
また、第1、第2軸受21,22の内輪27,30は、回転軸13の小径部13b,13cにそれぞれ嵌合されて、回転子23側の端部が段差面13d,13eに当接した状態に組み付けられている。
このため、前記第1軸受21は、第1モータハウジング20aの軸受取付部20dと、回転軸13の段差面13dとによって挟持された状態に組み付けられている。一方、前記第2軸受22は、第2モータハウジング20bの軸受取付部20eと、回転軸13の段差面13eとによって挟持された状態に組み付けられている。
図4は、本発明の実施形態2に係る電動パワーステアリング装置の電動モータを示す概略拡大断面図である。なお、図3に示した実施形態1に係る電動パワーステアリング装置の電動モータと同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
なお、各外輪28,31の外周面には、前記リング状の弾性部材33a,33b、34a,34bが嵌る溝が形成されている。各弾性部材33a,33b、34a,34bは、断面が四角形状に形成されている。
電動パワーステアリング装置の他の構成は、図1に示した実施形態1と同様である。
図5は、本発明の実施形態3に係る電動パワーステアリング装置の電動モータを示す概略拡大断面図である。なお、図4に示した実施形態2に係る電動パワーステアリング装置の電動モータと同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図6は、本発明の実施形態4に係る電動パワーステアリング装置の電動モータを示す概略拡大断面図である。なお、図4に示した実施形態2に係る電動パワーステアリング装置の電動モータと同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図7は、本発明の実施形態5に係る電動パワーステアリング装置の電動モータを示す概略拡大断面図である。図8は、図7の第2軸受の拡大図である。図9は、図8の矢視A−A線方向断面図である。
なお、図3に示した実施形態1に係る電動パワーステアリング装置の電動モータと同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図9に示すように、止め輪40aは、C字型の軸用止め輪からなり、金属製板ばね材から形成されて、例えば、軸受取付部20eの内壁にばね力によって圧接して固定されている。
図10は、本発明の実施形態6に係る電動パワーステアリング装置の電動モータを示す概略拡大断面図である。
なお、図3に示した実施形態1および図7に示した実施形態5に係る電動パワーステアリング装置の電動モータと同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
なお、蓋部材50は、軸受取付部20eの開口部20gを閉塞するものであればよく、その取り付け方法は、圧入等であってもよく、特に限定されない。
図11は、本発明の実施形態7に係る電動パワーステアリング装置の電動モータを示す概略拡大断面図である。
なお、図3に示した実施形態1および図10に示した実施形態6に係る電動パワーステアリング装置の電動モータと同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
また、蓋部材51は、外輪31を押圧する押圧部41aを一体形成して、筒状の軸受取付部20eに取り付けられる袋ナット状のものであってもよい。
また、変位規制部材41(蓋部材51)の雄ねじ部51aは、開口部20gの雌ねじ部20hに螺合されることにより、雌ねじ部20hに締め付けるときのねじ込み量を調整することができるため、押圧部41aの位置を変位させて調整することが可能である。変位規制部材41は、押圧部41aで第2軸受22の外輪31を押圧する位置を変位させて、外輪31を適宜な位置に配置させることができる。
図12は、本発明の実施形態8に係る電動パワーステアリング装置の電動モータを示す概略拡大断面図である。
なお、図3に示した実施形態1および図11に示した実施形態7に係る電動パワーステアリング装置の電動モータと同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図13は、本発明の実施形態9に係る電動パワーステアリング装置の電動モータを示す概略拡大断面図である。
なお、図3に示した実施形態1および図10に示した実施形態6に係る電動パワーステアリング装置の電動モータと同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
このようにテーパサークリップ43aによって、外輪31が開口部20g側に移動することを阻止してもよい。
また、本発明は、ステアリング系のステアリングホイールと転舵車輪とが機械的に切り離されて、電動モータが転舵車輪に対する転舵力のすべてを発生させる構成のもの(ステアバイワイヤ)についても適用可能である。
2 ステアリングホイール
3 ステアリング軸
6 減速機構
7,7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g,7h 電動モータ
8 駆動制御装置
9 ラック・ピニオン機構
10 ラック軸
13 回転軸
20a 第1モータハウジング(モータハウジング)
20b 第2モータハウジング(モータハウジング)
20d,20e 軸受取付部
20g 開口部
20h:雌ねじ部(ねじ部)
21 第1軸受(転がり軸受)
22 第2軸受(転がり軸受)
23 回転子
24 固定子
27,30 内輪
28,31 外輪
29,32 転動体
33a,33b、34a,34b リング状の弾性部材
40,41,42,43,66 変位規制部材
40a 止め輪
43a テーパサークリップ
50,51,52 蓋部材
50a,51a,52a 雄ねじ部(ねじ部)
Claims (7)
- 回転軸の外周面に固着した回転子の両端側の回転軸を少なくとも一対の転がり軸受によってモータハウジング内にそれぞれ回転自在に支持した電動モータであって、
前記転がり軸受は、リング状の内輪および外輪と、この内輪と外輪との間に回転自在に挟持された転動体とを有し、
前記少なくとも一対の転がり軸受の前記各内輪を、前記回転軸の外周面に圧入して隙間なく密着させるとともに、前記各外輪を、前記モータハウジング内の軸受取付部に圧入して隙間なく密着し、前記回転軸の両端側にそれぞれ設けた前記各転がり軸受の前記各内輪を、それぞれ対応する前記各外輪に対して前記回転軸の軸方向に沿って遠ざかる方向にオフセットさせ、前記各内輪間の距離よりも前記各外輪間の距離の方が小さく、
前記電動モータの先端側の前記転がり軸受を他端側の前記転がり軸受よりも小さい転がり軸受とし、前記回転軸に設けられた磁石の軸方向中心は、前記電動モータの固定子の軸方向中心に対して他端側にオフセットしている、
ことを特徴とする電動モータ。 - 前記各外輪を、リング状の弾性部材を介して前記モータハウジング内の軸受取付部に圧入して隙間なく密着した、
ことを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。 - 前記転がり軸受の軸方向の移動を規制する変位規制部材を前記モータハウジングに内設した、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電動モータ。 - 前記モータハウジングは、前記軸受取付部に連設した開口部を有し、
前記変位規制部材は、前記開口部に取り付けられた蓋部材からなる、
ことを特徴とする請求項3に記載の電動モータ。 - 前記モータハウジングは、前記軸受取付部に連設し、ねじ部が形成された開口部を有し、
前記変位規制部材は、前記ねじ部に螺合される、
ことを特徴とする請求項3に記載の電動モータ。 - 前記電動モータがブラシレスDCモータである、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電動モータ。 - 電動モータの駆動によりステアリング系に力を作用させる電動パワーステアリング装置において、
前記電動モータが請求項1乃至6のいずれかに記載の電動モータである、
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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