JP3611182B2 - ディスク型記録再生装置の駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク型記録再生装置の駆動装置、特にハードディスクドライブ装置(以下、HDD)に好適なスピンドルモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
図2を用いて従来技術に係るHDD用スピンドルモータを説明する。
図2は従来技術に係るスピンドルモータ(20)の断面図である。
【0003】
図2において、シャフト(3)は、その下端がモータベース(7)の中央に圧入接着によって固定されている。
モータベース(7)の上面にはステータコイル(9)を巻回したステータコア(8)が同心円状に配置されている。
モータベース(7)とステータコア(8)とステータコイル(9)とは、ステータ部(11)を構成する。
【0004】
シャフト(3)の外周部には、一対のボールベアリング(2)が圧入接着によって固定されている。
ボールベアリング(2)は、外輪(2a)とボール(2b)と内輪(2c)とによって構成されている。
ボールベアリング(2)をシャフト(3)に接着するにあたっては、内輪(2c)の内周部に対向するシャフト(3)の外周部全域に接着剤が塗布され、接着が行われる。
【0005】
また、ボールベアリング(2)の外周部には、ハブ(21)が圧入接着によって固定されている。
ボールベアリング(2)をハブ(21)に接着するにあたっては、外輪(2a)の外周部に対向するハブ(21)の内周部全域に接着剤が塗布され、接着が行われる。
【0006】
さらにハブ(21)内周部には段部(21b)が設けられ、圧入されたボールベアリング(2)は段部(21b)に突き当たることで位置決めがなされる。
【0007】
またハブ(21)の、外輪(2a)に対向する内周部の領域の軸方向略中央には、のり溝(21a)が形成されている。
のり溝(21a)はハブ(21)の内周面から外周方向に掘り下げ、全周に渡って形成した溝である。
のり溝(21a)の機能を以下に説明する。
【0008】
スピンドルモータ(20)の回転時の偏芯を極小とするために、ハブ(21)と外輪(2a)との接着面の隙間は極めて小さな値となっている。
【0009】
そのために、上記の様にハブ(21)の内周部に接着剤を塗布した後、ハブ(21)にボールベアリング(2)を圧入すると、塗布した接着剤の多くの量は接着面から逃げてしまい、僅かな量の接着剤が隙間に残留するのみとなる。
残留する接着剤の量が少ないために接着力が低下することを防ぐ目的で、のり溝(21a)が形成されている。
【0010】
すなわち、圧入後、接着剤の多くはのり溝(21a)に流入し、そこに保持された状態で硬化する。
のり溝(21a)に保持され硬化した接着剤が、接するハブ(21)の内周と外輪(2a)の外周とを接着保持するので、ハブ(21)と外輪(2a)との接着強度は充分なものとなる。
【0011】
さらに、ボールベアリング(2)における外輪(2a)とボール(2b)、ボール(2b)と内輪(2c)間のガタを減らして組立て保持するために、ボールベアリング(2)をシャフト(3)およびハブ(21)に接着する際には、以下に説明するように予圧が付与されている。
【0012】
すなわち図2に見る如く、2つの内輪(2c)は互いに近接する方向に予圧が付与され、ガタ寄せがされた状態で接着固定が行われる。
なお、予圧を付与した状態で、図2に示したように上下におけるボール(2b)の外輪(2a)および内輪(2c)との接点(2d)を結ぶ直線は、シャフト(3)に向かって開く方向の角度をなすので、上記の予圧を付与する方向を「発散方向」とも呼ぶ。
【0013】
さらに、図2を用いてスピンドルモータ(20)の説明を続けると、ハブ(21)のステータ部(11)に対向する面、すなわち下面には、中空円筒状のロータヨーク(5)と、リング状のマグネット(4)とが固定されている。
マグネット(4)の磁極配置は、ステータコア(8)の配置に対応したものとなっている。
【0014】
ハブ(21)の内周上部には、シャフト(3)が貫通する磁性流体シール部(12)が設けられている。
【0015】
磁性流体シール部(12)の内周部と、シャフト(3)の外周部との間の微小な寸法の隙間には磁性流体(12a)が充填され、空間を封止している。
空間を封止する理由は、ボールベアリング(2)に充填されている潤滑油が空間の外部に飛散して浮遊し、ディスク記録媒体の表面に付着するなどの不具合を防止するためである。
【0016】
磁性流体シール部(12)の上方の、ハブ(21)の内周部には、磁性流体シール部(12)を保護するためのカバー(13)が設けられている。
【0017】
また、ハブ(21)の外周部には、図示しないものの、データを記録すべき磁気ディスクが実装される構造となっている。
【0018】
図2のスピンドルモータ(20)は、図示しない制御回路から駆動電流を印加することでロータ部(22)がシャフト(3)を中心として回転し、HDD用途として必要な高精度の回転性能を発揮するよう構成されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図2に示す構造のスピンドルモータ(20)において、以下に示すような解決すべき課題が存在した。
【0020】
まず、ボールベアリング(2)の真円度が出しにくく、スピンドルモータ(20)の回転時の騒音が大となり、HDDの商品価値を損なう、という不具合が生じる場合があった。
さらに真円度の不良は、HDD用スピンドルモータの重要な性能項目である非繰り返し振れ精度(以下、NRRO、Non Repeatitive RunOut)を悪化させることとなり、磁気ディスクに記録されたデータのリードおよびライトエラーを発生させ、HDDの性能維持に重大な支障を来たす、という不具合が生じる場合が有った。
【0021】
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、真円度の良好なボールベアリング(2)を備えることで、回転時の騒音が小さく、NRROが良好であるディスク型記録再生装置の駆動装置を提供することを発明の目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために、
「データを記録あるいは再生するためのディスクを保持するロータ(6)と、
前記ロータ(6)を回転駆動するステータ(11)と、
一端を前記ステータ(11)に固定したシャフト(3)と、
前記ロータ(6)の内周部に挿入した外輪(2a)と、前記シャフト(3)の外周部に外装した内輪(2c)と、前記外輪(2a)と前記内輪(2c)とにより挟持された複数のボール(2b)とを有する一対のボールベアリング(2)とを具備し、
前記ボールベアリング(2)を介して、前記シャフト(3)が前記ロータ(6)を回転自在に保持する、ディスク型記録再生装置の駆動装置において、
前記一対の内輪(2c)は、互いに近接する方向に予圧を付加して前記複数のボール(2b)に圧接し、
前記一対の外輪(2a)が挿入される前記ロータ(6)の内周部には、外側に面した端部から内部に向かって順に、
接着剤充填部(1a)と、
前記一対の外輪(2a)を圧入する一対の圧入内径部(1b)と、
前記複数のボール(2b)と前記外輪(2a)および前記内輪(2c)との接点を結ぶ直線上に位置し、前記外輪(2a)に当接しない逃げ部(1c)とを備え、
前記接着剤充填部(1a)と前記外輪(2a)との間には接着剤を充填して前記一対の外輪(2a)を前記ロータ(6)に接着したことを特徴とするディスク型記録再生装置の駆動装置。」を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明するにあたって、まず最初に、上記に説明した従来技術に係るHDD用スピンドルモータ(20)における課題に対して、本出願人が検討を加え、本実施の形態を構成する上での基礎となった検討結果を説明する。
【0024】
近年ますますHDDの低騒音化とデータの高容量化が求められており、それを実現するために駆動用スピンドルモータの低騒音化、低NRRO化が要求されてきている。
【0025】
それらの性能を改善するために本出願人が様々な実験や解析を含む検討を行った結果、ボールベアリング(2)の外輪レース面および内輪レース面の形状が騒音やNRRO悪化の大きな要因であることがわかってきた。
ここでレース面とは、外輪(2a)の内周部および内輪(2c)の外周部において、ボール(2b)が走行する走行面を指す。
【0026】
さらに、性能の善し悪しを決定する外輪レース面や内輪レース面の形状の差というのは、従来一般に実施されてきたマイクロメータによる検査で検知しうるミクロンのオーダーの寸法差ではなく、数ナノメートルから数十ナノメートルのオーダーの寸法差であることがわかってきた。
【0027】
また、外輪レース面、内輪レース面の形状において、一般的な真円度の測定方法によって算出される値では、回転性能に影響を与える寸法差を判別しがたく、ボール(2b)の数をZとして、Z±1個の頂点を有する多角形である、Z±1角形成分による真円度(以下、Z±1角形成分)で示される値が、騒音やNRROに大きく寄与していることが判明した。このことを以下に説明する。
【0028】
例えば、ボールベアリング(2)に含まれるボール(2b)の数が8個である場合には、レース面の形状に含まれる7角形または9角形成分が、回転性能に大きく寄与している。
ここで7角形成分とは、モータをある回転数で回転させた時に1回転につき7回現れる成分を指す。
例えばモータが6000回転/分で回転している場合、100Hzが1回転につき1回現れる成分であり、7角形成分は700Hzとなる。
【0029】
図3は、上記に説明した、Z+1角形成分である9角形成分とスピンドルモータ回転時の騒音との相関を説明するためのグラフである。
図3において、横軸は本出願人独自の測定方法によるスピンドルモータ回転時の騒音レベルを測定した値、縦軸はスピンドルモータに組み込まれたベアリング外輪レース面の9角形成分の測定値であり、10検体の測定結果をプロットしてある。
図示しないがZ−1角形成分である7角形成分についても、ほぼ同じ結果が得られることがわかっている。
【0030】
図3によれば両測定値は大きな相関を有し、一次相関係数は、約0.9を示している。
またHDDにおいて騒音について必要とされる性能を維持するためには、図3に示したのと同じ騒音測定方法において、30dB以下の値を達成する必要があることが、スピンドルモータおよびHDDに対する別な評価結果からわかっている。
【0031】
従って、HDD用スピンドルモータの騒音の性能を満足するためには、ボールベアリング(2)の外輪レース面の真円度のZ±1角形成分を15ナノメートル以下としなければならないことが、図3から明らかである、。
【0032】
また、ボールベアリング(2)の外輪レース面の真円度のZ±1角形成分が15ナノメートル以下であるスピンドルモータを生産するためには、まず上記の真円度の値を満足するボールベアリング(2)単品部品を使用すべきことは自明である。
【0033】
しかしながら、本出願人の検討によれば、上記の値を満足する単品部品のボールベアリング(2)を用意したとしても、スピンドルモータを先に説明した構成としてボールべアリング(2)を組み込むと外輪レース面の形状が変化し、組み込んだ後でZ±1角形成分が悪化する場合がある事が判明した。
【0034】
ボールベアリング(2)を組み込む際に外輪レース面の形状に影響を与える要素はいくつか存在するが、その中で特に大きく関与するのは、本出願人の検討によれば、ボールベアリング(2)の固定に用いる接着剤である。
【0035】
図2に示す従来技術に係るスピンドルモータ(20)において、先に説明したようにハブ(21)およびシャフト(3)に接着剤を塗布し、結果として外輪(2a)の外周部全面および内輪(2c)の内周部全面が接着面となるようにしてボールベアリング(2)を圧入接着すると、接着剤硬化後に外輪レース面および内輪レース面の真円度に変化が見られた。
【0036】
外輪レース面は内輪レース面よりも径が大きいことから影響がより大きく、接着剤硬化後に外輪レース面の真円度のZ±1角形成分が数ナノメートルから数十ナノメートル悪化するものが存在することが判明した。
【0037】
また接着剤を塗布する位置によっても真円度に対する影響は異なり、予圧を付与したときのボール(2b)と外輪(2a)との接点近傍の外輪(2a)の外周部に接着剤が存在すると、真円度が大きく悪化することもまた本出願人の検討によって判明した。
【0038】
以下に説明する本発明の一実施の形態は、上記の検討結果に基き、従来技術に係るディスク型記録再生装置の駆動装置における不具合を解消すべく構成されたものである。
【0039】
図1を用いて、本発明に係るディスク型記録再生装置の駆動装置の一実施の形態であるHDD用スピンドルモータ(10)を説明する。
図1は、本実施の形態におけるHDD用スピンドルモータ(10)の断面図である。
【0040】
なお、図2を用いて先に説明した従来技術に係るスピンドルモータ(20)と同一の構造、機能を有する構成については同一の符号を用いて説明し、また同じ説明が重複することを避けるために、一部説明を省略する。
【0041】
図1において、ボールベアリング(2)が圧入接着される部分の、ハブ(1)の内周部は以下のように構成されている。
【0042】
ハブ(1)内周部の外側から内側に向かう順に(これは後で説明するようにボールベアリング(2)が挿入されて通過する順に等しい)説明すると、まず一番外側に接着剤充填部(1a)が設けられている。
【0043】
接着剤充填部(1a)はボールベアリング(2)を挿入する際のガイドとなるべき構造であり、そのために接着剤充填部(1a)はボールベアリング(2)に対して「すきまばめ」となる値でその内径寸法が設定されている。
【0044】
挿入クリアランスに余裕のある接着剤充填部(1a)が設けられたことで、ハブ(1)にボールベアリング(2)を圧入するに際して両部材の回転軸を略平行に規制してまっすぐに挿入を行うことが容易となる。
ボールベアリング(2)がハブ(1)に対して傾いた状態で圧入が行われてボールベアリング(2)に過大な圧力が加わって破壊してしまう、という不具合が回避される。
【0045】
接着剤充填部(1a)に隣接してその内側に、圧入内径部(1b)が設けられている。
圧入内径部(1b)はボールベアリング(2)に対して「圧入ばめ」となるべき値で内径寸法が設定されている。
【0046】
圧入内径部(1b)を設けることで、ハブ(1)とボールベアリング(2)とは圧入によって確実かつ高精度に固定される。
圧入によって高い精度で固定されることで、ハブ(1)とシャフト(3)との同芯度が良好となりハブ(1)の回転時の偏芯が小さく押さえられる。
【0047】
圧入内径部(1b)の圧入代は、ハブ(1)およびボールベアリング(2)を形成する材料の線膨張係数、およびスピンドルモータ(10)の使用温度範囲を考慮して最適な値に設定される。
【0048】
圧入代を最適な値に設定することにより、特に高温時にハブ(1)とボールベアリング(2)との間に隙間が発生してNRROが悪化したり、スピンドルモータ(10)に固有の共振周波数が変化してHDDの性能に影響を与える、といった不具合が発生しない構成となっている。
【0049】
またハブ(1)内周部において圧入内径部(1b)を設ける位置は、以下の条件を満足する位置としている。
まず、ボール(2b)と外輪(2a)との接点近傍の位置を回避して設けている。
【0050】
このことを図1を用いて説明する。
先に従来技術に係るスピンドルモータ(20)において説明したように、ボールベアリング(2)を圧入接着するに際しては、内輪(2c)に対して、2つの内輪(2c)が互いに近接する方向、すなわち内側に向かって予圧をかけた状態で固定している。
【0051】
従ってボール(2b)と外輪(2a)および内輪(2c)との2つの接点(2d)を結ぶ直線は必ず同一方向の傾きを有している。
そして圧入内径部(1b)は、その直線およびその近傍を避ける位置に設けられている。
このように構成されることで、外輪レース面の中でも特にボール(2b)が実際に走行するレース面の歪みを押さえ、ボールベアリング(2)の回転性能に与える影響を少なくしている。
【0052】
さらに圧入内径部(1b)は、外輪(2a)の径方向の肉厚が最も薄い位置(本実施の形態では外輪(2a)の軸方向中央)を避けて設けてある。
このこともまた、圧入による外輪レース面(2a)の歪みを低減するためのものである。
【0053】
さらに図1を用いて説明を続けると、圧入内径部(1b)に隣接してその内側には、逃げ部(1c)が設けられている。
【0054】
逃げ部(1c)は、ボールベアリング(2)を圧入接着するに際して、後で説明するように、接着剤を塗布せず、また外部から接着剤が流入しないように構成してある。
【0055】
また、逃げ部(1c)は、ボール(2b)と外輪(2a)および内輪(2c)との2つの接点(2d)を結ぶ直線上のハブ(1)内周部に設けられている。
【0056】
従って先に説明したような従来技術に係るスピンドルモータ(20)において課題であった、接着剤硬化に伴って外輪レース面の真円度が悪化する、という不具合を低減することが出来る。
すなわち逃げ部(1c)設けることで、スピンドルモータ(10)の回転時の騒音を低減し、NRROの値を改善することが出来る。
【0057】
逃げ部(1c)における内径寸法は、ボールベアリング(2)への影響を考慮し、圧入内径部(1b)の内径寸法よりも大なるように設定される。
【0058】
逃げ部(1c)の内側に隣接して、段部(1d)が設けられている。
その機能は従来技術に係るスピンドルモータ(20)と同一であって、挿入された外輪(2a)の端面が突き当たり、ボールベアリング(2)の接着個定位置を規制するためのものである。
【0059】
ハブ(1)の内周部にボールベアリング(2)を圧入接着する手順を以下に説明する。
先に説明した従来技術に係るスピンドルモータ(20)においては、ハブ(21)にボールベアリング(2)を圧入するに先立って、ハブ(21)の内周部に接着剤の塗布を行ったが、本実施の形態においては事前の接着剤塗布は行わない。
【0060】
作業は、まず外側より内側に向かってボールベアリング(2)を圧入しつつ挿入させる。
外輪(2a)の端面が段部(1d)に突き当たって固定位置が決まると、ボールベアリング(2)の圧入を終了する。
そして接着剤充填部(1a)と外輪(2a)との隙間に外側より接着剤を注入する。
【0061】
接着剤を注入する目的は、圧入のみを用いてハブ(1)に一対のボールベアリング(2)を固定したのでは固定強度が不足することを考慮し、固定強度を補強するためである。
【0062】
注入した接着剤は、接着剤充填部(1a)と外輪(2a)との隙間に保持されるものの、その内側にある圧入内径部(1b)およびそれを超して逃げ部(1c)へ浸入することはない。
なぜならば上記のように圧入内径部(1b)と外輪(2a)とは圧入嵌合しており、接着剤が浸入可能な隙間が存在しないからである。
【0063】
従って逃げ部(1c)には接着剤が存在せず、接着剤が原因となる真円度の悪化も発生しないので、上記のように騒音低減およびNRRO改善という機能を有効に発揮できる。
【0064】
以上のようにして一対のボールベアリング(2)の外輪(2a)をハブ(1)内周に固定した後、内輪(2c)に互いに近接する方向の予圧を加えつつ、シャフト(3)外周に塗られた接着剤が硬化するのを待つ。
ボールベアリング(2)をスピンドルモータ(10)に組み込む手順の概要は以上の通りである。
【0065】
なお、図1の断面図において、ハブ(1)の内周部における構成である接着剤充填部(1a)等の符号は切断面における1箇所にのみ付してあるが、もちろんこれらの構成はハブ(1)内周部の全周に渡って設けてある。
【0066】
また一対のボールベアリング(2)の他方の側にも、シャフト(3)の軸方向中心を対称として同様に設けてあるものであることは言うまでもない。
【0067】
さらに、上記の説明および図1の記載において、接着剤充填部、圧入内径部、逃げ部はハブ(1)の内周部にのみ設けたものとして説明を行った。
これは先に説明したように、外輪レース面は内輪レース面よりも大きな内径を有するが故に、外輪(2a)の真円度悪化防止を優先して実施したものである。
【0068】
しかし、上記に説明した構成は内輪レース面に対する改善効果を発揮するように構成することももちろん可能である。
すなわちシャフト(3)の外周部に、図示しないものの、挿入外径部、圧入外径部、逃げ部を設け、それぞれが上記に説明した、接着剤充填部(1a)、圧入内径部(1b)、逃げ部(1c)と同様の機能を発揮する構成とする。
【0069】
ここで逃げ部は上記と同様に、ボール(2b)と外輪(2a)および内輪(2c)との接点(2d)を結ぶ直線上に位置することが必要であり、ボールベアリング(2)にかける予圧の方向および逃げ部の配置する位置を勘案して構成する。
そのようにシャフト(3)の外周部を構成することで、接着による内輪レース面の真円度悪化を防ぎ、スピンドルモータ(10)回転時の騒音を低減しNRROの悪化を抑制する効果を発揮する。
また、本発明は上記に説明した実施の形態である、HDD用スピンドルモータに限定して効果を発揮するものではなく、データを記録再生するためのディスクを保持した、種々のディスク型記録再生装置の駆動装置において、回転時の騒音を抑制し、また回転時のNRROを改善する効果を奏するものである。
【0070】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、ディスク型記録再生装置の駆動装置において、接着剤でボールベアリング(2)をロータ(6)に固定する際の真円度の悪化を低減することにより、駆動装置の回転騒音を減少し、NRROを低減させる効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスク型記録再生装置の駆動装置の一実施の形態の、HDD用スピンドルモータの断面図である。
【図2】従来技術に係るHDD用スピンドルモータの断面図である。
【図3】従来技術に係るHDD用スピンドルモータにおいて、外輪レース面のZ+1角形成分とスピンドルモータ回転時の騒音レベルとをプロットしたグラフである。
【符号の説明】
1 ハブ
1a 接着剤充填部
1b 圧入内径部
1c 逃げ部
1d 段部
2 ボールベアリング
2a 外輪
2b ボール
2c 内輪
2d ボールと外輪および内輪との接点
3 シャフト
4 マグネット
5 ロータヨーク
6 ロータ部
7 モータベース
8 ステータコア
9 ステータコイル
10 スピンドルモータ
11 ステータ部
12 磁性流体シール部
12a 磁性流体
13 カバー
20 スピンドルモータ
21 ハブ
21a のり溝
21b 段部
22 ロータ部
Claims (1)
- データを記録あるいは再生するためのディスクを保持するロータと、
前記ロータを回転駆動するステータと、
一端を前記ステータに固定したシャフトと、
前記ロータの内周部に挿入した外輪と、前記シャフトの外周部に外装した内輪と、前記外輪と前記内輪とにより挟持された複数のボールとを有する一対のボールベアリングとを具備し、
前記ボールベアリングを介して、前記シャフトが前記ロータを回転自在に保持するディスク型記録再生装置の駆動装置において、
前記一対の内輪は、互いに近接する方向に予圧を付加して前記複数のボールに圧接し、
前記一対の外輪が挿入される前記ロータの内周部には、外側に面した端部から内部に向かって順に、
接着剤充填部と、
前記一対の外輪を圧入する一対の圧入内径部と、
前記複数のボールと前記外輪および前記内輪との接点を結ぶ直線上に位置し、前記外輪に当接しない逃げ部とを備え、
前記接着剤充填部と前記外輪との間には接着剤を充填して前記一対の外輪を前記ロータに接着したことを特徴とするディスク型記録再生装置の駆動装置。
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JP27971099A JP3611182B2 (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | ディスク型記録再生装置の駆動装置 |
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