JP5307925B2 - アウターロータ型のスピンドルモータ - Google Patents

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Description

本発明は、動圧軸受を備えたスピンドルモータに関し、特に、薄型のディスク装置やレーザビームプリンタに搭載される駆動用のスピンドルモータ等に好適に用いることができるものである。
スピンドルモータには、高速回転時の安定性や優れた耐久性が要求されており、これらの要求特性に対応するため、流体潤滑剤を用いた動圧軸受装置を搭載したスピンドルモータが一般的となっている。
一方、ハードディスクドライブ等のディスク装置やレーザビームプリンタ装置に対しては薄型化が要求されており、これらに用いられる、動圧軸受装置を搭載した駆動用スピンドルモータも可能な限り薄型化しなければならない。
そのため、従来、シャフトの軸端部側に配置していたスラスト軸受部を、ラジアル軸受部の外側であるスリーブの外周側に配置して薄型化を図ったスピンドルモータが提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−65552号公報
ところで、この従来のスピンドルモータにおいては、スリーブの内周面にラジアル軸受部を有し、また、径方向にフランジ状に突出した突出部の軸方向両面が一対のスラスト軸受部とされている。これらの軸受部の面は、極めて高精度に形成される必要があるのは言うまでもない。
しかしながら、このスピンドルモータは、ラジアル軸受面を有するスリーブに、さらにそのラジアル軸受面に対して直交する方向の2つのスラスト軸受面を形成しなければならない。
従って、一方のスラスト軸受面を形成し、その後、他方のスラスト軸受面を形成する際に加わる加工負荷により、一方のスラスト軸受面やラジアル軸受面に変形が生じる可能性がある。
その変形が生じると、各軸受面間の垂直度や水平度が悪化し、回転時に軸の振れが大きくなり、場合によっては、ロータとステータとが接触し回転不能になって信頼性を損ねたり、動圧が不均一になることから軸受寿命が短くなったりする可能性があった。また、このようなモータをディスク装置に駆動用として使用した場合、記録ディスクに対する情報の記録再生においてエラーが発生したり、高密度記録再生が困難になる可能性があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、動圧軸受を用いて厚さを薄くしても、軸の振れが小さく、長寿命であり、信頼性の高いスピンドルモータを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、動圧軸受を備えたアウターロータ型のスピンドルモータであって、軸方向に突出して設けられた環状の壁部を有するベースと、動圧軸受を介してベースに対して回動可能なハブと、環状に形成されて内周面が壁部の外周面に固定される環状部と、環状部の外周面に形成された複数の突極と、を有するコアと、複数の突極のそれぞれに巻回されて形成されるコイルと、環状に形成され、ハブに固定され、複数の突極の先端に隙間を介して対向するよう配置されるマグネットと、回転軸に沿って形成された円形部材のフランジ部と、円形部材の外周に固定される環状部材とに隙間を介して挟まれ、コアに環囲されるスラストリングと、を備える。動圧軸受は、ハブを含む回転体を支持し、軸方向に離間して配置される2カ所のラジアル動圧溝を有するラジアル軸受部と、第1スラスト動圧溝と第2スラスト動圧溝とを有するスラスト軸受部と、ラジアル軸受部とスラスト軸受部とを含む潤滑剤充填部に連続的に充填される潤滑剤と、壁部の突出方向に開放された潤滑剤充填部の開放端に向かうに従って間隔が広くなるテーパシールと、含む。潤滑剤は、2カ所のラジアル動圧溝の間において連続的に介在し、テーパシールの途中に位置する潤滑剤の液面は、マグネットに環囲され、第1スラスト動圧溝は、軸方向に対向するスラストリングとフランジ部の対向面のいずれか一方に形成され、第2スラスト動圧溝は、軸方向に対向するスラストリングと環状部材の対向面のいずれか一方に形成される。
本発明によれば、軸の振れが小さく、高い信頼性が得られ、長寿命になるという効果を奏する。
本発明のスピンドルモータの実施例1を示す断面図である。 本発明のスピンドルモータの実施例1を説明する断面図である。 本発明のスピンドルモータの実施例1における要部の拡大断面図である。 本発明のスピンドルモータの実施例2を示す断面図である。 本発明のスピンドルモータの実施例3を示す断面図である。
<実施例1>
まず、実施例1について、図1〜図3を用いて説明する。
この実施例1のスピンドルモータ50は、ハードディスク装置用の所謂インナーロータ型であり、ステータ部50Sとこのステータ部50Sに対して回転するロータ部50Rとより成る。
ロータ部50Rは、芯となる円筒状の軸部1を一体形成により有するハブ7と、軸部1の外周部に嵌着された円筒状の外筒部13とを有している。図3においては、理解容易のため、この外筒部13を点状ハッチングで示している。
ハブ7の外周側には、軸部1を囲繞するように突出した壁部であるハブフランジ部7aが形成されている。このハブフランジ部7aの外周面にはN極とS極とが交互に多極着磁された環状のマグネット11が装着されている。また、ハブフランジ部7aの内周面には、リング状のスラストリング3が圧入または接着により固定されている。
一方、ステータ部50Sは、ベース8と、このベース8に立設固定されたスリーブ4とを有している。
ベース8には、複数の突極(図示せず)を有する環状のコア9が固定されている。その各突極にはコイル10が巻回されている。また、環状コア9は、その内周面がマグネット11の外周面と所定間隙を有して対向するように配置されている。
スリーブ4は、貫通孔4bを有する略円環状であり、外筒部13が微小の間隙を有して内挿される。
また、スリーブ4の一方の端部側には径方向に突出するフランジ部4aが設けられ、他方の端部側には、貫通孔4bを塞ぐエンドプレート5が固定されている。
さらに、スリーブ4の外周部には、スラストリング3を微小の間隙を有してフランジ部4aとの間に挟み込む環状のシールプレート17が圧入固定されている。
この構成において、スリーブ4の貫通孔4bの内周面4cと、外筒部13の外周面13cと、両者の少なくとも一方に形成されたラジアル動圧溝(図示せず)と、両者の間隙に充填された潤滑性流体(以下、潤滑剤と称する)20とによりラジアル動圧軸受RBが構成されている。このラジアル動圧軸受RBは、1ヶ所または軸方向に距離を隔てて2ヶ所設けられている。
また、スラストリング3の軸方向の両端面3a,3bと、この両端面3a,3bに微小の間隙を有して対向する、フランジ部4aの軸方向端面4a1及びシールプレートの軸方向端面17aと、各対向面において、少なくともその一方に形成されたスラスト動圧溝(図示せず)と、両者の間隙に充填された潤滑剤20とによりスラスト動圧軸受が構成されている。
言い換えるならば、実施例のスピンドルモータは、スラストリング3の端面3aとフランジ部4aの軸方向端面4a1との間で第1のスラスト動圧軸受(SB1)を形成し、スラストリング3の端面3bとシールプレートの軸方向端面17aとの間で第2のスラスト動圧軸受(SB2)を形成してなるものである。
そして、第1のスラスト動圧軸受と第2のスラスト動圧軸受とで発生する動圧により、スリーブ4は軸方向に中立に浮いた状態となってロータ部50Rは他部材と接触することなく回動可能となる。
また、潤滑剤20は、エンドプレート5と軸部1及び外筒部13との間隙と、外筒部13とスリーブ4との間隙と、スリーブ4とハブ7との間隙と、スリーブ4とスラストリング3との間隙と、スラストリング3とシールプレート17との間隙と、シールプレート17とハブフランジ部7aとの間隙とよりなる潤滑剤充填部に充填されている。
また、この潤滑剤充填部の開放端となるシールプレート17とハブフランジ部7aとの間隙は、開放端側に向かうに従って間隙が広くなるテーパシール部6とされ、潤滑剤20の漏出を防止している。潤滑剤20は、その液面がテーパシール部6の途中に位置するように量が調整され充填されている。
上述したように、このスピンドルモータはハードディスク用であり、特に内径の小さいハードディスクを装着するためのモータの例であり、ハブ7の中心線上にはそのハードディスクを固定するための雌ねじ2が形成されている。
また、ハブの製造工程において、この雌ねじ2の加工後に洗浄を行うが、加工で発生する切削粉や洗浄液に含まれる異物等を十分に除去するため、この雌ねじ2は貫通孔2aの一部として形成される。
そして、組立後、この貫通孔2aから潤滑剤20が漏出するのを防止するため、この貫通孔2aには、潤滑剤20を封止する封止材16が接着剤により固着されている。この封止材16として、弾性体、例えば貫通孔2aの内径より直径が大きいゴム製のボールを用いることができ、これを貫通孔2aに圧入または接着により固着封止する。
また、軸部1とハブ7とは一体で形成されており、これにより、ラジアル軸受部に対するスラスト軸受部の直角度精度をより向上させることができる。
その結果、ラジアル軸受部やスラスト軸受部の隙間がより均一になり、回転時に負荷が発生したり回転部材の当たりが発生することがなく、より高い信頼性が得られる。
外筒部13の外周面は、研磨加工されている。さらに、この外周面における、ラジアル動圧溝を形成する範囲、あるいは、スリーブ4側に動圧溝が形成される場合はその動圧溝に対向する範囲は、特に表面粗さが小さくなるように高精度に研磨加工されている。
この外筒部13を軸部1に圧入して嵌着するが、その圧入力を低減し、歪みなくスムーズに圧入ができるように、軸部1の外周部には軸方向に延在する複数の溝1aが形成されている(図2参照)。図2においては、溝1aは周方向に等間隔で3本形成されている。
この溝1aの本数は、2本以下の場合、圧入力の減少効果が十分に得られず、圧入によって外筒部13の外周面の円筒度精度が低下してしまう。
また、逆に多くなると、加工工数が増加したり、加工装置が複雑になるので、3本とするのが最も好ましい。
また、その加工の際、ワーク逃げにより軸倒れをなるべく生じさせないために、軸部1に均等な加工圧力がかかるよう溝1aを3本同時に加工するのが望ましい。
この溝1aを設けることにより、ラジアル軸受部における潤滑剤充填部の両端側が連結される。従って、動圧の圧力バランスを整える効果が発揮され、例えば、負圧が生じたり過浮上を生じるという不具合の発生を防止することができる。
ここで、テーパシール部6の詳細構成について図3を用いて説明する。
テーパシール部6において、ハブ7のフランジ部7aの内周面7a1は、潤滑剤充填部の開放端18(図3の下方側)に向かうほど内径が小さくなる方向の傾斜面として形成されている。
一方、シールプレート17の外周面17bは、開放端18に向かうほど外径が小さくなる方向の傾斜面として形成されている。
そして、シールプレート17の外周面17bの回転軸Cに対する傾斜角度が、フランジ部7aの内周面7a1の回転軸Cに対する傾斜角度よりも大きくなるように形成されているので、両者の間隙は開放端18に向かうほど広くなっている。
このようなテーパシール部6においては、潤滑剤20に回転時に加わる遠心力は、それを潤滑剤充填部の内部側に移動させるように作用する。従って、このシール部6は、潤滑剤充填部からの潤滑剤20の漏出をより効果的に防止でき、極めて信頼性の高いシール部となっている。
また、このテーパシール部6は、潤滑剤充填部の最外径部に配置されているので、シール部6内の容量はその径に比例して大きくなっている。
従って、温度変化に伴う、シール部6における潤滑剤20の液面変化は極めて僅かであり、この実施例で用いられる動圧軸受は、極めて信頼性の高い軸受となっている。
<実施例2>
次に、実施例2のスピンドルモータ51を、図4を用いて説明する。
このスピンドルモータ51は、ハードディスク装置用の所謂アウターロータ型であり、アウターロータの構成及び下記に説明する構成以外は実施例1と同様である。
また、この実施例のスピンドルモータ51は、実施例1と同様の所謂軸回転タイプであり、また、ハードディスクの内径が大きい場合に適用される例である。
従って、ハードディスクはハブ7に設けられた複数の雌ねじ2で固定されるので、軸部1(以下、実施例2以降、軸1とも称する)に雌ネジは形成されていない。
また、当例では、軸1とハブ7とは別体としており、それにより軸1の外周面を高精度に研磨することができ、実施例1で用いた外筒部13を不要とする構成となっている。
軸1とハブ7の貫通孔7bとは圧入嵌合となっているが、この嵌合の強度と軸1の振れ精度を向上させるために、軸1が貫通孔7bと嵌合する範囲の一部を若干小径とした小径部1bを設け、また、貫通孔7b側は軸1の小径部1bが嵌合する範囲を小径部7cとして圧入するように構成されている。
小径部1b,7cの圧入しろを5〜10μmとし、それ以外の部分の圧入しろは5〜20μmとなるように両者の径を設定してある。
この実施例2の構成において、軸1の外周面1cとスリーブ4の貫通孔の内周面4cと、両者の少なくとも一方に形成されたラジアル動圧溝(図示せず)と、両者の間隙に充填された潤滑剤20とによりラジアル動圧軸受RBが構成されている。
一方、ハブフランジ部7aの内周面に固定されたスラストリング3の軸方向の両端面3a,3bと、この両端面3a,3bに微小の間隙を有して対向する、フランジ部4aの軸方向端面4a1及びスリーブ4の外周部に固定された環状のシールプレート17の軸方向端面17aと、各対向面において、少なくともその一方に形成されたスラスト動圧溝(図示せず)と、両者の間隙に充填された潤滑剤20とによりスラスト動圧軸受が構成されている。概略的にはシールプレート17とフランジ部4aとの間にスラストリング3が挟み込まれる構成となっている。
この実施例においても、スラストリング3の端面3aとフランジ部4aの軸方向端面4a1との間で第1のスラスト動圧軸受SB1を形成し、スラストリング3の端面3bとシールプレートの軸方向端面17aとの間で第2のスラスト動圧軸受SB2を形成してなるものである。
そして、第1のスラスト動圧軸受SB1と第2のスラスト動圧軸受SB2とで発生する動圧により、スリーブ4は軸方向に中立に浮いた状態となってロータ部51Rは他部材と接触することなく回動可能となる。
また、潤滑剤20は、スリーブ4にその貫通孔4bを一方の端部側で塞ぐよう固定されたエンドプレート5と軸1との間隙と、軸1とスリーブ4との間隙と、スリーブ4とハブ7との間隙と、スリーブ4とスラストリング3との間隙と、スラストリング3とシールプレート17との間隙と、シールプレート17とハブ7のハブフランジ部7aとの間隙とよりなる潤滑剤充填部に充填されている。
また、この潤滑剤充填部の開放端部となるシールプレート17とハブ7のフランジ部7aとの間隙は、開放端側に向かうに従って間隙が広くなるテーパシール部6とされ、潤滑剤20の漏出を防止している。潤滑剤20は、その液面がテーパシール部6の途中に位置するように量が調整され充填されている。
このテーパシール部6の詳細構成は、実施例1と同様であり、潤滑剤20に対して回転時に加わる遠心力は、それを潤滑剤充填部の内部側に移動させるように作用するので、漏出をより効果的に防止でき極めて信頼性の高いシール部となっている。
<実施例3>
実施例3のスピンドルモータ52の断面図を図5に示す。このスピンドルモータは、実施例2のスピンドルモータ51に対して軸固定タイプとしたものである。
この実施例3の構成において、軸1はベース8に圧入固定されている。
また、環状のスラストリング3はベース8の環状突出部8aの内周面に固定され、ステータ52S側とされている。
一方、スリーブ4はハブ7の貫通孔7dに圧入固定されると共に貫通孔が軸1に外挿してロータ側52Rとされている。
シールプレート17は、スリーブ4の外周部に固定されている。
従って、軸1の外周面1cとスリーブ4の貫通孔4bの内周面4cと、両者の少なくとも一方に形成されたラジアル動圧溝(図示せず)と、両者の間隙に充填された潤滑剤20とによりラジアル動圧軸受RBが構成されている。
この実施例3においても、スラストリング3の端面3aとフランジ部4aの軸方向端面4a1との間で第1のスラスト動圧軸受SB1を形成し、スラストリング3の端面3bとシールプレートの軸方向端面17aとの間で第2のスラスト動圧軸受SB2を形成してなるものである。
そして、第1のスラスト動圧軸受SB1と第2のスラスト動圧軸受SB2とで発生する動圧により、スリーブ4は軸方向に中立に浮いた状態となってロータ部52Rは他部材と接触することなく回動可能となる。
また、ベース8の環状突出部8aの内周面に固定されたスラストリング3における軸方向の両端面3a,3bと、この両端面3a,3bに微小の間隙を有して対向する、フランジ部4aの軸方向端面4a1及びスリーブ4の外周部に固定されフランジ部4aとの間に微小の間隙を有してスラストリング3を挟み込む環状のシールプレート17の軸方向端面17aと、各対向面において、少なくともその一方に形成されたスラスト動圧溝(図示せず)と、両者の間隙に充填された潤滑剤20とによりスラスト動圧軸受が構成されている。
また、潤滑剤20は、スリーブ4に、その貫通孔4bを一方の端部側で塞ぐよう固定されたエンドプレート5と軸1との間隙と、軸1とスリーブ4との間隙と、スリーブ4とベース8との間隙と、スリーブ4とスラストリング3との間隙と、スラストリング3とシールプレート17との間隙と、シールプレート17とベース8の環状突出部8aとの間隙とよりなる潤滑剤充填部に充填されている。
また、この潤滑剤充填部の開放端部となるシールプレート17とベース8の環状突出部8aとの間隙は、開放端18側に向かうに従って間隙が広くなるテーパシール部6とされ、潤滑剤充填部に充填された潤滑剤20の漏出を防止している。潤滑剤20は、その液面がテーパシール部6の途中に位置するように量が調整され充填されている。
ここで、テーパシール部6の詳細構成について図5を用いて説明する。
テーパシール部6において、ベース8の環状突出部8aの内周面8a1は、潤滑剤充填部の開放端18(図5の上方側)に向かうほど内径が小さくなる方向の傾斜面として形成されている。
一方、シールプレート17の外周面17bは、開放端18に向かうほど外径が小さくなる方向の傾斜面として形成されている。
そして、シールプレート17の外周面17bの回転軸Cに対する傾斜角度が、環状突出部8aの内周面8a1の回転軸Cに対する傾斜角度よりも大きくなるように形成されているので、両者の間隙は開放端18に向かうほど広くなっている。
このようなテーパシール部6においては、潤滑剤20に回転時に加わる遠心力は、それを潤滑剤充填部の内部側に移動させるように作用する。従って、このシール部6は、潤滑剤充填部からの潤滑剤20の漏出をより効果的に防止でき、極めて信頼性の高いシール部となっている。
また、このテーパシール部6は、潤滑剤充填部の最外径部に配置されているので、シール部6内の容量(環状の容量)が大変大きくなっている。
従って、温度変化に伴う、シール部6における潤滑剤20の液面変化は極めて僅かであり、この実施例で用いられる動圧軸受は、極めて信頼性の高い軸受となっている。
上述した各実施例によれば、ラジアル軸受面を有するスリーブ4がさらに有する軸受面はスラスト軸受面の一面のみであって、このスリーブ4に複数のスラスト軸受面を設けることがないので、各軸受面間の直角度が極めて高精度に得られ、軸振れが小さくなる。また、ラジアル軸受部やスラスト軸受部の隙間がより均一になり、回転時に負荷が発生したり回転部材の当たりが発生することがなり、高い信頼性が得られ、長寿命となる。
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
1 軸部(軸)、1a 溝、1b 小径部、1c 外周面、2 雌ねじ、2a 貫通孔、3 スラストリング、3a,3b (軸方向の)端面、4 スリーブ、4a フランジ部、4a1 軸方向端面、4b 貫通孔、4c 内周面、5 エンドプレート、6 テーパシール部、7 ハブ、7a ハブフランジ部、7a1 内周面、7c 小径部、8 ベース、8a 環状突出部、8a1 内周面、9 コア、10 コイル、11 マグネット、13 外筒部、13c 外周面、16 封止材、17 シールプレート、17a 軸方向端面、
17b 外周面、18 開放端、20 潤滑剤(潤滑性流体)、50〜52 スピンドルモータ、C 回転軸、RB ラジアル動圧軸受部、SB1,SB2 第1,第2のスラスト動圧軸受部

Claims (6)

  1. 動圧軸受を備えたスピンドルモータであって、
    底部と、前記底部から一体に軸方向に突出して設けられた環状の壁部と、を有するベースと、
    前記動圧軸受を介して前記ベースに対して回動可能なハブと、
    環状に形成されて前記壁部の外周面に内周面が固定され、外周面に形成された複数の突極を有するコアと、
    前記複数の突極のそれぞれに巻回されて形成されるコイルであって、前記底部と軸方向に対向するコイルと、
    環状に形成され、前記ハブに固定され、前記複数の突極の先端に隙間を介して対向するよう配置されるマグネットと、
    回転軸に沿って形成された円形部材のフランジ部と、前記円形部材の外周に固定される環状部材とに隙間を介して挟まれ、前記コアに環囲されるスラストリングと、を備え、
    前記動圧軸受は、
    前記ハブを含む回転体を支持し、軸方向に離間して配置される2カ所のラジアル動圧溝を有するラジアル軸受部と、
    第1スラスト動圧溝と第2スラスト動圧溝とを有するスラスト軸受部と、
    前記ラジアル軸受部と前記スラスト軸受部とを含む潤滑剤充填部に連続的に充填される潤滑剤と、
    前記壁部の突出方向に開放された前記潤滑剤充填部の開放端に向かうに従って間隔が広くなるテーパシールと、含み、
    前記潤滑剤は、前記2カ所のラジアル動圧溝の間において連続的に介在し、
    前記テーパシールの途中に位置する前記潤滑剤の液面は、前記マグネットに環囲され、
    前記第1スラスト動圧溝は、軸方向に対向する前記スラストリングと前記フランジ部の対向面のいずれか一方に形成され、
    前記第2スラスト動圧溝は、軸方向に対向する前記スラストリングと前記環状部材の対向面のいずれか一方に形成されることを特徴とするアウターロータ型のスピンドルモータ。
  2. 前記テーパシールは、前記潤滑剤充填部の最外径部に配置され、軸方向に開口することを特徴とする請求項1に記載のアウターロータ型のスピンドルモータ。
  3. 前記テーパシールを形成する径方向内側の壁は、開放端に向かうほど外径が小さくなる方向の傾斜面として形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のアウターロータ型のスピンドルモータ。
  4. 前記ラジアル軸受部における前記潤滑剤充填部の両端側を連結して前記潤滑剤が満たされ、軸方向に延在する通路を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアウターロータ型のスピンドルモータ。
  5. 前記テーパシールの途中に位置する前記潤滑剤の液面は、前記壁部の前記外周面のうち前記コアと接する領域より軸方向上方に位置することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のアウターロータ型のスピンドルモータ。
  6. 前記ハブは、外周面に形成され、径方向外側に最も張り出す張り出し部を有し、
    前記ベースは、前記張り出し部と空隙のみを介して対向し、前記張り出し部の一部が入る凹部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のアウターロータ型のスピンドルモータ。
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