JP5011792B2 - 積層体の製造方法および包装袋の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、紙の表印刷での階調表現をプラスチック基材裏印刷に可能な限り近い品質にすることで、安価な上質紙や純白ロール紙などを軟包装の基材として用いるなど、紙の用途を拡大するための積層体およびそれを用いた包装袋に関するものである。
従来、食品や医薬品などを包装する包装材料として、軟包装分野がある。これはプラスチック基材の裏に印刷し、各種バリアー層、シーラント層などを積層して用いられる。大量消費社会の担い手として、軟包装は安価で、強靭な物性を有することから、従来の買い物籠などを持たずに商品購入ができること、また流通での保存性や積載適性の向上から、物流に大きく貢献してきた。
しかしながら、家庭用ゴミ発生の60%が包装資材であり、近年包装資材の環境問題が叫ばれ、化石資源を利用したプラスチック容器は、焼却処分による熱回収しかなく、問題となっている。最も、使用量の比重の高い、プラスチック成形容器は、構造強度アップによる減量化を進め、スタンディングパウチなど軟包装への転換も加速している。しかしながら、これだけでは不充分であり、プラスチックの再商品化技術が進まない中、再商品化委託料が高騰している。
そこで、リサイクル素材での代替が望まれている。紙資源は故紙回収など再資源化しやすい素材であり、これを用いた軟包装の必要性が高まってきている。今までも、意匠や風合いから紙は一部積層されているが、補助的な程度で、紙の表印刷では殆ど実績がない。
なぜなら、プラスチック基材の裏印刷に比べ、印刷の階調表現が不足しており、精細な印刷ができないのが実状である。また、紙はプラスチックに比べ、各種物性面で劣り、特に耐水性や突刺し強度、保香性などが問題となる。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、その課題とするところは、紙の表印刷での印刷品質を高め、突刺し強度や耐水性、保香性などプラスチックに比べて劣る面を改善し、環境配慮型容器を考慮した積層体およびそれを用いた包装袋を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、純白ロール紙である紙基材(1)の片面に水性インキで直接印刷による印刷層(3)と硝化綿系メジウムからなる撥水ニス層(8)を順に設け、該印刷層(3)の反対面に、AL層(7)もしくはAL蒸着層(7a)を設け、ポリエステル樹脂もしくはポリアミド樹脂に、ポリオレフィン樹脂と相溶化剤をブレンドし、混練押出しフィルム成形されたシーラント層(2)を押出しラミネートしたことを特徴とする積層体の製造方法である。
本発明の請求項に係る発明は、請求項記載の積層体の製造方法において、前記紙基材(1)の坪量が25〜80g/mであることを特徴とする積層体の製造方法である。
本発明の請求項に係る発明は、請求項1または2記載の積層体の製造方法において、前記直接印刷が凹版印刷であることを特徴とする積層体の製造方法である。
本発明の請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれか1項記載の積層体の製造方法による積層体を用いてヒートシール部をヒートシールして製袋したことを特徴とする包装袋の製造方法である。
請求項1の発明によれば、上質紙、純白ロール紙などの基材の表印刷において、水性インキを用いることで、紙の吸収効果もあり、印刷抜けが最小限に抑えられる。また、反対面にポリエステル樹脂もしくはポリアミド樹脂に、ヒートシール性のあるポリオレフィン樹脂と相溶化剤をブレンドし、混練押出しフィルム成形されたシーラント層を押出しラミネートしたことにより、紙化率50〜90%程度までの積層体を作製することが可能になり、突刺し強度をアップさせることができるとともに、十分なバリアー性の付与が可能になるとともに、水分が付着保持されにくいため、紙の強度を落さずに加工でき、夏場の湿気の多い状態での紙の含水率の上昇を抑えることができることにより中の食品の水分劣化防止にも寄与することができる。
また、内面の強度だけ上げても、紙表側の強度が水に濡れると著しく劣化するのを解決するのに適している。
また、AL層もしくはAL蒸着層を紙基材とシーラント層の間に設けることにより、十分なバリアー性の付与が可能になる。
請求項の発明によれば、紙の坪量が25〜80g/mでないと、軟包装形態に製袋できなくなる。先ず、薄すぎると、突刺し強度にも影響し、製造時の紙切れが懸念される。他方、厚すぎると製袋などの加工が適性に行えない。好ましくは、30〜65g/mであれば、柔軟性と強度のバランスが良くなる。
請求項の発明によれば、印刷方式が凹版印刷によるものであり、中間調で印刷抜けがなくなり、印刷の階調表現が可能になり、精細な印刷ができる。このように紙の表印刷での階調表現をプラスチック基材の裏印刷に可能な限り近い品質にすることで、安価な上質紙や純白ロール紙などを軟包装の基材として用いるなど、紙の用途を拡大する。
請求項発明によれば、前記積層体を用いて食品などの内容物を縦ピローや横ピロー、ガゼット包装などの包装形態にして、流通させた後の廃棄処理が容易な環境配慮型容器を提供することが可能になる。
本発明の実施の形態を図1〜図9に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る積層体の層構成の1実施例を示す側断面図であり、図2は本発明に係る積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図であり、図3は本発明に係る積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図であり、図4は本発明に係る積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図であり、図5は本発明に係る積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図であり、図6は本発明に係る積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図であり、図7は本発明に係る積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図であり、図8は本発明に係る積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図であり、図9は本発明に係る積層体を用いて製袋した包装袋の1実施例を示す平面図である。
本発明に係る1実施例を示す積層体の層構成は、図1に示すように、水性インキからなる印刷層(3)、紙基材(1)、ポリエステル樹脂もしくはポリアミド樹脂に、ポリオレフィン樹脂と相溶化剤をブレンドし、混練押出しフィルム成形されたシーラント層(2)が順次積層された構成になっている。
前記紙基材(1)は、上質紙、純白ロール紙、コート紙、混抄紙などがあるが、これに限定されるものではない。価格面では前者ほど安く、後者ほど高いのが一般的である。発明者によれば、印刷適性では、コート紙、混抄紙は光沢・濃度は高くなるが、印刷での網点抜けが多い。また、上質紙は両面とも凹凸が大きく、浸透性は良いがやはり網点抜けが目立つ。これに対して、純白ロール紙は片面が比較的フラット化しており、価格も手ごろなため、印刷が最もし易い紙と言える。
何れの紙も坪量が25〜80g/m2でないと、軟包装形態に製袋できなくなる。薄すぎると、突刺し強度にも影響し、製造時の紙切れが懸念される。厚すぎると製袋などの加工が適性に行えない。好ましくは、30〜65g/m2であれば、柔軟性と強度のバランスが良くなる。また、紙の突刺し強度はポリエステルフィルム12μに比べ、半分位になってしまう。また、保香性についても酸素バリアー性が紙は全くないためシーラント層(2)のみで保持することになるが、ポリオレフィン樹脂の酸素バリアーは25μmで4000ml/m2・day・atmであり、ポリエステル12μmの120ml/m2・day・atmの約40倍になる。これにより、香りが逃げて、虫食いなどで包装材料破損の可能性も高く、また揚げ麺の油分の酸化が進行してしまう。
そこで、このバリアー性と強度を改善させるべく、本発明ではシーラント層(2)のポリオレフィン樹脂に強度や酸素バリアー性に優れたポリエステル樹脂を混合もしくは積層させて改良することを試みた。具体的には、混合させるには相溶化剤が必要であり、PETとPEもしくはPETとPPを任意の比率で混合し、シール性と突刺し強度、保香性の両立を図った。尚、前記ポリエステル樹脂の替りにポリアミド樹脂を使用しても構わない。
また、シールを重視するならポリオレフィン樹脂比率を高め、突刺し強度・保香性重視の場合はポリエステル樹脂比率を高めるなどシーラントの物性を任意に調整できる。ここでの添加剤は効果が認められる範囲にとどめるべきであり、過剰に添加されると強度低下となる。一般的には10%以下が好ましい。ここではポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂の比率を50%ずつ配合して製膜した結果、突刺し強度は、従来のポリオレフィン樹脂のみでは、PETに比べ50〜60%低下していたが、この発明により30%程度の低下に改善した。また、ポリエステル樹脂の使用により、保香性が高められ即席ラーメンなどの保香性もPET/PEのプラスチック構成に近づいた。さらに、開封性については、ポリオレフィン樹脂シーラントでは粘りがあるため、PE伸びでの開封となり、開封状態
が余り良くないが、相溶化シーラントでは、ポリエステル樹脂も含まれるため、硬くなり良好な開封性が得られる。
また、この他に前記紙基材(1)にシーラント層(2)を設ける方法としては、図2に示すように、ポリエステル樹脂層(4)と接着性樹脂層(5)とポリオレフィン樹脂層(6)の多層共押出し製膜されたシーラント層(2)がこの順序で設けられている。このような方法により、突刺し強度がポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)基材構成に遜色のない紙基材構成の軟包装フィルムの作製を行うことが可能になり、前述に比べ、樹脂厚が厚手の積層体となるため突刺し強度や保香性には優れる。
ところで、印刷インキについては、プラスチック基材では油性が一般的であるが、印刷の着肉状態を調べたところ、紙の表印刷においては、水性インキが吸湿性も高く、良好なことが判明した。さらに静電印刷を用いると低網点の転移性が上昇する。また、印刷のピンホールも発生しにくい。環境面を考えると、紙と水性インキの使用で訴求性がある。しかし、乾燥能力を必要とするため、同一機械での生産速度は低下する。また、紙への水性インキでの印刷で重要なのは水分の吸収と乾燥によるカールやシワの発生をいかに抑えるかにある。
詳細には、紙への水性インキの着肉は、純白ロール紙が最も良好であり、コート紙は中間調以下の網点では転移が悪い。光沢度ではコート紙が良好で、ポリエステルフィルムの裏刷りに最も近い。この原因は、紙の染込みにあり、コート紙は表面の浸透が少ないため弾いて表面にとどまり、網点形状も印刷版の形状に近い。これに対し、純白ロール紙は浸透性があるため着肉状況は良好である。この純白ロール紙にベタ版によりメジウムで紙の表層を被覆すると、弾きの傾向が現れて、着肉が悪くなる。このことは浸透性が重要なことを証明している。よって、着肉性重視なら純白ロール、光沢重視ならコート紙を用いる。もちろん溶剤系インキでも品質はやや劣るが、スピードを上げられるため使用する場合もある。
次に、ここでは印刷方式が凹版印刷によるものであり、中間調で印刷抜けが極力ないような条件で行う。具体的には印圧や速度、乾燥温度などのバランスが重要となる。
印刷圧力は1000mm幅で500kg以上、印刷速度は100m/min以上がより好ましい。乾燥オーブンは70℃以上としている。フレキソ印刷など他の方式の印刷でもあり得る。
次に、バリアー性については、図3、図4に示すように、前記紙基材(1)とシーラント層(2)との間にバリアー層として、AL層(7)もしくはAL蒸着層(7a)を設ける。紙の場合は平滑性に劣る為、アルミ(AL)蒸着やガラス蒸着をした場合には、蒸着層にクラックが生じる。製袋時の曲げやヒートシール性の改善を図るべきである。この手段としては、ALの厚さを厚くして、AL箔貼りとする。もしくは事前に紙にALを蒸着し、凹凸面に均一な膜厚でAL蒸着層(7a)を形成するなどがある。
AL層(7)は、AL1μm以上を紙基材(1)とシーラント層(2)との間に設けて使用する。これより薄いと、例えば、純白ロール紙は片艶で、艶面は印刷面となるため、AL貼り合せ面は繊維状の凹凸面側になる。この時、ALが薄いとピンホールやクラックが発生する。そこで、ALの厚さとの関係を検討した結果、最低厚さが1μm以上で、好ましくは3μm以上である。
これと同じ目的であるが、純白ロール紙の非艶面側にAL蒸着を施す。蒸着は表面の凹凸形状の表面に均一に積層されるため、上記のAL積層とは異なり、通常よりやや厚めの
設定で十分なバリアー性が付与できるようになる。
次に、本発明においては、印刷基材がプラスチックから紙になるため、耐水性が非常に劣る。一般のオーバープリントニスでも耐水の効果は若干見られるが、撥水性を有するニスであれば、水分が付着保持されにくいため、紙の強度を落さずに加工できる。また、夏場の湿気の多い状態での紙の含水率の上昇を抑えることができる。これにより中の食品の水分劣化防止にも寄与する。
図5、図6、図7、図8に示すように、水性インキからなる印刷層(3)上に撥水インキをオーバーコートニスとして使用し、撥水層(8)を設ける。これは、内面の強度だけ上げても、紙表側の強度が水に濡れると著しく劣化するため、メジウムを積層することで解決することができる。メジウムとしては、硝化綿系樹脂が適している。
以上のように、具体的な手段としては、上質紙、純白ロール紙などの紙基材(1)の表印刷において、印刷層(3)に水性インキを用いることで、紙の吸収効果もあり、印刷抜けが最小限に抑えられる。更に撥水層(8)を設けることで水分が付着保持されにくいため、紙の強度を落さずに加工できる。また、反対面にポリエステル樹脂もしくはポリアミド樹脂に、ヒートシール性のあるポリオレフィン樹脂と相溶化剤をブレンドし、混練押出しフィルム成形されたシーラント層(2)を押出しラミネートする。もしくはヒートシール可能なポリオレフィン樹脂と突刺し強度を高めたポリエステル樹脂を接着性樹脂で多層共押出しすることにより、紙化率50〜90%程度までの積層体を作製することが可能になり、突刺し強度アップさせることができる。また、印刷基材の密度は高い方が印刷再現性が良い。しかし、製袋適性については、密度は低い方がシワが入り難い。
次に、本発明のパッケージを製造する方法について詳細に説明する。先ず、所定の紙基材(1)として、前述の純白ロール紙、上質紙、コート紙などを巻取り状態で調達する。坪量は25~80g/m2程度が標準であるが、これ以外でも使用してかまわない。また、印刷面はキャレンダーロールを通すことで、平滑化および密度アップがなされて網点の再現性が向上し、印刷面が綺麗に仕上がる。
この紙のプロセス印刷を行うにあたり、印刷に最低必要な4色と特色で印刷方式は凹版印刷の1種であるグラビア印刷により行われるがフレキソ印刷でも良い。このときの使用インキは油性インキより水性インキの方は浸透力があり、印刷抜けが少ないので好ましい。
前記印刷インキは着色剤としての顔料、接着性・印刷適性向上のための樹脂、印刷での乾燥レベリングのための溶剤をベースとして、耐摩擦性、耐ブロッキング性、流動性、耐熱性、帯電防止などの添加剤が付与される。このうち、溶剤についてであるが、水性とは水:イソプロピルアルコール=30:70程度が一般的である。水比率が上がると乾燥能力の大きなオーブンが必要となる。
また、乾燥後に紙のカールが発生する。それにより、シワが発生しやすい。テンションをかけすぎると破れる恐れもあり、装置条件の適性範囲が狭いことが難点である。この対策として、包装材料としての、エクストルーダー(EXT)加工を先に行い、印刷時に厚みがある方がシワは入りにくく、破れる恐れも少ない。
ここで、シーラント層(2)についてであるが、例えば、ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂をブレンドし、先ほど述べたように相溶化剤を添加して、これらポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂の2種類の樹脂を相溶化させて溶融状態で押し出し製膜して、シーラント層(2)を形成することができる。
或いは、前記紙基材(1)にシーラント層(2)を設ける方法としては、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂を接着性樹脂により多層共押出しすることにより行なう。これにより、突刺し強度をポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)基材構成に遜色のない紙基材構成の軟包装フィルムの作製を行うことが可能になり、前述に比べ、樹脂厚が厚手の包装材料となるが突刺し強度や保香性には優れる。
前記シーラント層(2)は、図9に示すように、積層体を包装袋(A)に製袋する際に、互いに重ね合わされ、ヒートシール部(9)が熱によりヒートシールされるもので、ヒートシール強度の高いものが望ましい。シーラント層(2)に適用されるシーラント樹脂であるポリオレフィン樹脂としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂などが利用できる。中でも、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が好ましく利用できる。これに対し、添加するポリエステル樹脂は一般的なもので構わない。
以上、本発明に係る積層体について説明したが、本発明の積層体は上記のような構成のものに限定されるものではなく、包装材料としての用途を考慮し、包装材料として要求される剛性や耐久性などを向上する目的で、他の層を介在させた構成であってもよい。
また、このような構成の積層体は、例えば、次のようにして製造できる。すなわち製造方法の一つとして、純白ロール紙のマット処理面に、ポリオレフィン樹脂30〜70%とポリエステル樹脂70〜30%を相溶化剤10%程度添加して溶融状態で押し出して積層し、このポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂の押し出し樹脂からなる樹脂フィルムが固化する前にシーラントフィルムを積層することにより、積層体を得る方法が例示できる。
また、前記押し出された樹脂フィルムの前記シーラントフィルムと接する面にオゾン処理を施した後、この樹脂フィルムを該シーラントフィルムに積層することもできる。尚、ポリオレフィン樹脂が直鎖状低密度ポリエチレン樹脂で構成される場合には、オゾン処理の後、該シーラントフィルムに積層することが望ましい。また、必要に応じて、純白ロール紙/ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂の押し出し樹脂層間に接着剤などによる接着層を設けてもかまわない。
以上のような製造方法によれば、紙印刷品としては、色再現性が良好なものが得られる。また、紙基材(1)とシーラント層(2)とのラミネート強度が良好で、しかも高いヒートシール強度を有する積層体を作製することができる。
以下に、本発明の具体的実施例を挙げて、さらに詳しく説明する。
<実施例1>
図1に示すように、紙基材(1)として、坪量が40g/m2の純白ロール紙に低密度ポリエチレン樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製:商品名ミラソン14P)とポリエステル樹脂(東レ株式会社製)を相溶化剤[大阪ガス株式会社製:商品名マリコン(登録商標)]を重量比率で1〜10%添加して、混合押出しでシーラント層(2)として30μm形成し、引き続き、前記紙基材(1)表面に水性インキ(東洋インキ製造株式会社製:商品名アクワブライト)を直接印刷して印刷層(3)を設けて本発明の積層体を得た。尚、押し出し加工条件は、ダイ下340℃、加工速度は80m/min、印刷条件は、印刷版は150線、25μmの階調版とし、乾燥温度は80℃、速度は80m/minで行った。尚、条件はあくまでも目安であり、これに限定されるものではない。
<実施例2>
実施例1において、積層体を構成するブレンド樹脂の一方のポリオレフィン樹脂としてポリプロピレン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして本発明の積層体を得た。
<実施例3>
実施例1において、紙基材(1)とシーラント層(2)との中間にAL層(7)として7μmのALをウエットラミネーションで設けた以外は、実施例1と同様にして本発明の積層体を得た。
<実施例4>
実施例1において、紙基材(1)とシーラント層(2)との中間に膜厚50nmのAL蒸着層(7a)を真空蒸着法により設けた以外は、実施例1と同様にして本発明の積層体を得た。
<実施例5>
実施例3において、印刷層(3)の上に硝化綿系メジウムの撥水ニス層(8)を設けたこと以外は、実施例3と同様にして本発明の積層体を得た。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
実施例1において、紙基材(1)として、坪量が50g/m2のコート紙を用いて、油性インキ(東洋インキ製造株式会社製:商品名エコカラーF)を直接印刷し、乾燥温度は65℃であった。シーラント加工として、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)20μをサンドPE15μmで貼り合せた以外は、実施例1と同様にして比較例としての積層体を得た。
<比較例2>
比較例1において、貼り合せ材料なしで、バックPE40μmのみで加工した以外は、比較例1と同様にして比較例としての積層体を得た。
<比較例3>
比較例1において、坪量が100g/m2のコート紙を用いた以外は比較例1と同様にして比較例としての積層体を得た。
<評価>
以上のようにして得られた実施例1〜5、比較例1〜3のそれぞれの積層体を用いて、印刷品質、突刺し強度、保香性、ヒートシール強度の評価と縦ピロー包装、横ピロー包装の包装テストを行った際の充填適性を評価した。◎:優、○:良、○+:良よりやや上位、△:可、△+:可よりやや上位、×:不良、××:非常に不良。その結果を表1に示す。
表1は、印刷品質、突刺し強度、保香性、ヒートシール強度の評価結果と縦ピロー包装、横ピロー包装の包装テストを行った際の充填包装適性を評価した結果を示す表である。
<評価結果>
実施例1、2においては、バリア層がないのでバリア性は良くないが、その他の印刷品質、突刺し強度、保香性、ヒートシール強度、充填包装適性共に良好で問題はない。耐水
性は若干良くないが実用的には問題はない。実施例3においては、保香性が優れており、その他の印刷品質、突刺し強度、充填包装適性、バリア性も良好である。しかし、ヒートシール強度、耐水性が若干良くないが実用的には問題はない。実施例4においては、印刷品質、突刺し強度、保香性、ヒートシール強度、充填包装適性共に良好であり、バリア性と耐水性が若干良くないが、実用的には問題はない。全体的にバランスが取れていて実用性がある。実施例5においては、保香性が優れており、その他の印刷品質、突刺し強度、ヒートシール強度、充填包装適性、バリア性、耐水性共に良好で実施例の中で一番実用性がある。比較例1においては、ヒートシール強度、耐水性以外の印刷品質、突刺し強度、保香性、充填包装適性、バリア性が共に不良で包装材料には使用できない。比較例2においては、ヒートシール強度、耐水性以外の印刷品質、突刺し強度、保香性、充填包装適性が共に不良で、特に、突刺し強度、保香性が非常に悪く包装材料としては全く使用できない。比較例3においては、突刺し強度、保香性、ヒートシール強度、耐水性以外の印刷品質、充填包装適性、バリア性が共に不良で包装材料としては使用できない。特に、紙が厚すぎるため比較例の中では最もピロー充填包装がしにくい。
本発明に係る積層体の層構成の1実施例を示す側断面図である。 本発明に係る積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図である。 本発明に係る積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図である。 本発明に係る積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図である。 本発明に係る積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図である。 本発明に係る積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図である。 本発明に係る積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図である。 本発明に係る積層体の層構成のその他の実施例を示す側断面図である。 本発明に係る積層体を用いて製袋した包装袋の1実施例を示す平面図である。
符号の説明
A・・・包装袋
1・・・紙基材
2・・・シーラント層
3・・・印刷層
4・・・ポリエステル樹脂層
5・・・接着樹脂層
6・・・ポリオレフィン樹脂層
7・・・AL層
7a・・・AL蒸着層
8・・・撥水層
9・・・ヒートシール部

Claims (4)

  1. 純白ロール紙である紙基材の片面に水性インキで直接印刷による印刷層と硝化綿系メジウムからなる撥水ニス層を順に設け、該印刷層の反対面に、AL層もしくはAL蒸着層を設け、ポリエステル樹脂もしくはポリアミド樹脂に、ポリオレフィン樹脂と相溶化剤をブレンドし、混練押出しフィルム成形されたシーラント層を押出しラミネートしたことを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 前記紙基材の坪量が25〜80g/mであることを特徴とする請求項1記載の積層体の製造方法。
  3. 前記直接印刷が凹版印刷であることを特徴とする請求項1又は2項記載の積層体の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の積層体の製造方法による積層体を用いてヒートシール部をヒートシールして製袋したことを特徴とする包装袋の製造方法。
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