JP6592926B2 - ラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム及びそれを用いたラミネートチューブ容器並びにレーザー印字体 - Google Patents

ラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム及びそれを用いたラミネートチューブ容器並びにレーザー印字体 Download PDF

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本発明は、ラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムとして必要な強度や腰を有し、酸素、水蒸気等に対するガスバリア性や耐内容物性に優れ、医薬品、化粧品、練り歯磨き、マヨネーズ、練りわさび、練りからし、ケチャップ等の調味料類、あるいは、ホイップクリーム等のクリーム類、飲食品、その他の充填包装に適する、レーザー光により印字できるラミネートチューブ容器用の多層フィルム、及びそれを用いたラミネートチューブ容器、並びにそれらにレーザーによる印字を施した印字体に関する。
従来、缶、瓶、プラスチックボトル、包装袋等の包装容器、及びそれら包装体を包装する包装材の表面に、予め文字、記号、図等の絵柄を印刷インキ層で形成する以外に、例えば、製造年月日、メーカー、品名、消費期限等の付加情報を、後からインク等で印字する方法が広く知られている。
包装容器や包装袋等の包装体並びに包装材は、各種用途に用いられ、使用される目的、使用状況等に応じて、多種多様な要求、要望に応えられるように材料の選択、積層構成あるいは構造を変更し、包装体として用いられている。
そのため、包装体は包装の形態、利用状況に応じた材料の変更等により多種多様な積層構造を有する。
このような多種多様な包装材に対して、包装材毎に必要とされる付加情報を適切かつ的確に印字できる技術が求められている。
包装容器や包装袋並びに包装材等の包装体は、その表裏両面の大部分に予め印刷層が形成されており、箱、缶等の容器に比して余白部分が少ないために、インク層による表示部分を確保することが難しく、その一方で、既存の印刷層に重ねて、包装袋の外表面にインク層表示を行った場合には、包装袋の見映えが損なわれる他、インク層表示の読み取りが困難になる等の不都合がある。医薬品、化粧品、飲食品等の内容物の充填包装に適したラミネートチューブ容器として、表面ポリオレフィン系樹脂層、中間層又はガスバリア性フィルム、および、裏面ポリオレフィン系樹脂層を順次に積層したラミネートチューブ用多層フィルムが知られている。
そして、例えば、ラミネートチューブ用多層フィルムの両端部の最外層である表面ポリオレフィン系樹脂層の面と、最内層である裏面ポリオレフィン系樹脂層の面とを重ね合わせ、その対向面をヒートシールして筒状胴部を製造し、該筒状胴部の一方の開口部に口部、肩部等からなる頭部を形成し、更に必要ならば、その口部にキャップを螺合させて容器を製造し、該容器を構成する筒状胴部の他方の開口部から内容物を充填し、その開口部を密閉シールして底部シール部を形成して、ラミネートチューブ容器を製造している。
このようなラミネートチューブ容器においては、その胴部外周表面に、所望の絵柄模様と共に、品名、製造者、販売者、製造年月日、その他等の所定の事項を表示する印刷層が形成されている。上記印刷層は、一般的に、ラミネートチューブ容器を構成する表面樹脂層を形成する樹脂フィルム等の原反フィルムの裏面側の中間層の裏面に、予め、グラビア印刷方式等により形成される。その後、これと、内面樹脂層等を構成する材料とを積層して積層材を製造し、次いで、該積層材を使用して、ラミネートチューブ容器を製造している。
このように付加情報を印字する場合、ラミネートチューブ容器用の多層フィルム積層体の表面シーラント層に、所要の文字、記号等を表示することになり、また、このインク層のバインダをヒートシール層と同系の材料により構成する必要があり、さらに、印字領域は限られている。
特に、印字領域が狭く、印刷する層が限定される包装体であるラミネートチューブ容器において、付加情報を適切かつ正確に、任意の位置にかつ鮮明に印字し、視認性を向上させたラミネートチューブ容器用の多層フィルム積層体やラミネートチューブ容器を提供することが求められている。
また、そのラミネートチューブ容器が、食品等に直接に接触することから、多層フィルム積層体の外表面あるいは原反フィルムの裏面側にインク層表示を施したときには、インク層に含まれる顔料、ビヒクル等が食品に触れたり、食品中の油脂類がインク成分を溶解するという衛生上の問題も解決すべき課題であった。
包装容器や包装袋等の包装体並びに包装材に、付加情報を印字する技術として、印刷法、インクジェットプリンター、又はレーザー照射等があり、包装袋の表面に、あるいは包装材の積層構造の層間に付加情報を印字することが知られている。
包装容器や包装材に前もって決められた絵柄や固定情報を印刷する際には、インクジェット印刷や汎用の印刷法により、層間に印刷層を形成できるが、情報が変更される付加情報は、前もって設定することができないこともあり、包装後の包装袋表面に印字されることがある。
そのため、印刷の乾き具合、包装体とインクとの適合性、高速で移動する包装体の印字面の接触等により印刷がかすれ、判読不明等の状態になる等、適切かつ的確に印字できないことが問題となっている。
これらの問題を解決するため、特に、レーザー照射による付加情報の印字が注目されている。
レーザーによる印字は、レーザー光により発色する発色剤を樹脂中に含有させた樹脂組成物で成形したもの、あるいはそのような樹脂組成物層を表面に形成したプラスチック成形品等の表面に直接、レーザー印字画像を形成するものであり、レーザー印字画像の表面を擦過することにより、印字が薄れたり、消去されたりしてしまうという問題があった。
レーザー光により印字する技術として、YAGレーザーまたはYVO4レーザー等を照射することによりフィルム上へ印字することが知られている。そして、レーザーにより印字できるレーザー印字用多層積層フィルムとしては、レーザー照射により変色する染料などの特殊インキを中間層(発色層)として使用するフィルムが知られている(特許文献1)。
一般的なインキも、YAGまたはYVO4レーザーの照射により若干変色する。したがって、このような通常用いられているインキを中間層(発色層)として使用することも知られている(特許文献2)。
しかしながら、この方法においては強力なレーザー光を照射することによって中間層に印字部を形成する必要がある。すなわち、十分な視認性を得るために、レーザー照射部分の中間層が、その深さ方向(フィルムの一方の表面から他方の表面に向かう方向)の全厚さにわたって、全て蒸散するまでレーザー出力を高める必要がある。
したがって、強力なレーザー光の照射によって、ベースとなるフィルムに穴があく等の問題がある。また、強力なレーザー光を照射する必要があることから印字スピードが遅いという問題がある。
ラミネートチューブ容器は、合成樹脂や紙、アルミ箔を重ね合わせ、接着剤を用いて貼り合わせることにより、あるいは、合成樹脂を熱により溶着させて形成させるラミネートチューブ用多層フィルムを用い、胴体部分と肩部を別々に作り接合して製造される。ラミネートチューブ容器は、金属チューブと比較して弾力性や復元性が高いことから内容物が搾り出しやすい点や、印刷がしやすいことから幅広いデザインが可能な点が利点として挙げられる。
しかしながら、多層の樹脂やアルム箔を重ね合わせることから、ラミネートチューブ用多層フィルムは、レーザー印字に際して、その厚さが大きな障害となり、これまでに顧客ニーズに応えた満足できる製品はなかった。
特開2007−55110号公報 特開2007−217048号公報
本発明は、多種多様な積層構造を有する包装材料において、特に、ガスバリア性を付与したラミネートチューブ容器用の多層フィルム積層体、及び、ラミネートチューブ容器等において、包装時に、付加情報を印刷する上での従来の問題を解決するためのものである。
そして本発明は、安価な材料からなり、製造が容易であり、印字位置の変更が容易であって、かつベースとなるフィルムにダメージを与えない程度の低出力のレーザーを照射することにより、適当な太さで読み取り易い印字線が得られること、さらには、付加情報を適切かつ正確に、包装作業を止めることなく、任意の位置にかつ鮮明に印字し、視認性を向上させたラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム、及び、それを用いたラミネートチューブ容器、並びにそれらの印字体を提供することを目的とする。
また本発明は、良好な、印刷加工性、包装材料としての耐久性や意匠性、かつ低コストで生産することができる等の効果を発揮するラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム、及び、それを用いたラミネートチューブ容器等を提供することを目的とする。
本発明者らは、ガスバリア性を付与したラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム等について種々研究した結果、包装しながら付加情報を印刷する上での従来の問題を解決するために、入手が容易で汎用性の高い着色インキ、例えば白色インキと、低出力のレーザー光を用いて発色する廉価なレーザー発色材料を有する発色インキを用い、印刷層として発色インキを活用するものである。
そして、低出力のレーザー光により印字可能な発色インキ層のみの領域を形成し、該領域に視認側となる基材フィルム層側から低出力のレーザー光を照射することにより、基材フィルム層と印刷層との間の印字画像の領域の表面にのみ発色したインキ成分が広がることにより発色域を形成し、発色インキ層上の適切かつ正確な任意の位置に、レーザー発色剤が発色したインキ成分で、適度な太い線を有する鮮明なレーザー印字画像を形成することができるラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムを見出した。
本発明は、基材上に、絵柄印刷層、発色インキ層を積層し、かつガスバリア性層を備える積層構造の両側最表面にシーラント層を有するラミネートチューブ容器用のレーザー印
字用多層フィルムである。
そして、絵柄印刷層のみの領域と、レーザー印字される発色インキ層のみの領域をそれぞれ形成した印刷層を有するラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムにおいて、発色インキ層は、レーザー光の照射により発色する発色材料を含む層であり、特に、ビスマス系化合物を含み、さらに、金属酸化物又は複合酸化物、あるいは銅系化合物又はモリブデン系化合物から選ばれる1種類又は2種類以上の化合物を含むインキ組成物からなる層である。そして、レーザー印字用多層フィルムの視認側となる基材と発色インキ層との間の発色インキ層の表面のみに、レーザー光による発色域を形成してレーザー印字用多層フィルムとしたものであり、上記の目的を達成できるものである。
本発明は、以下の点を特徴とする。
1.基材上に印刷層が積層され、かつガスバリア性層を備えた積層構造の両側最表面にシーラント層を有するラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムであって、印刷層は、絵柄印刷層のみの領域と、レーザー印字される発色インキ層のみの領域を形成した層を有し、発色インキ層は、レーザー光の照射により発色する発色材料を含むレーザー光により印字可能な層である、ラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
2.上記発色インキ層に接して、さらに着色下地層(1)が積層された、上記1に記載のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
3.上記着色下地層(1)に接して、さらに着色下地層(2)が積層された、上記2に記載のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
4.発色材料が、ビスマス系化合物である、上記1〜3のいずれかに記載のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
5.ビスマス系化合物が、水酸化ビスマス、酸化ビスマス、次炭酸ビスマスおよび硝酸ビスマスから選ばれる1種類または2種類以上の化合物である、上記4に記載のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
6.発色インキ層が、金属酸化物又は複合酸化物あるいはそれらの群から選ばれる1種類または2種類以上の化合物を含む、上記1〜5のいずれかに記載のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
7.発色インキ層が、銅系化合物、モリブデン系化合物あるいはそれらの群から選ばれる1種類または2種類以上の化合物を含む、上記1〜5のいずれかに記載のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
8.ガスバリア性層がガスバリア性透明蒸着層であって、基材にガスバリア性透明蒸着層を備える透明蒸着フィルムとしたものである、上記1〜7のいずれかに記載のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
9.ガスバリア性層がアルミニウム箔であって、発色インキ層の基材とは反対側に位置する、上記1〜7のいずれかに記載のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
10.上記1〜9のいずれかに記載のレーザー印字用多層フィルムを用いたラミネートチューブ容器。
11.上記1〜9のいずれかに記載のレーザー印字用多層フィルムあるいは上記10に記載のラミネートチューブ容器に、YAGまたはYVO4レーザー光、または、ファイバーレーザー光を基材に近い側から照射することにより、発色したインキ組成物が前記基材及び前記発色インキ層の表面に広がり、レーザー印字画像を有するレーザー印字体。
本発明のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムは、レーザー印字のための高価な特殊インキを用いる必要がなく、低出力のレーザー光により印字可能な発色
インキ層と必要な部分に絵柄印刷層を設けた積層構成とすることができ、さらに包装材とすることができる。
本発明は、発色材料にビスマス系化合物等を含む発色インキ層を用いることで、あるいはさらに金属酸化物、複合酸化物、銅系化合物、タングステン系化合物を含有することで、低出力のレーザーで発色可能とすることができる。そして、付加情報をレーザー印字するため発色インキ層を、絵柄印刷層の下地層として機能させることができ、安価な材料からラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムを効率的に製造することができる。
本発明のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムに、YAGまたはYVO4レーザー光、ファイバーレーザー光を、基材側から照射することにより、印刷層を形成する発色材料を含有するインキ成分が、低出力のレーザー照射によって発色したり一部炭化し、基材と発色インキ層との境界に発色域が広がるため、弱い出力で、すなわち印刷層を全層厚にわたって全て蒸散させるまでレーザー出力を高める必要なしに、かつ下地としての着色下地層とのコントラストにより、基材側からの視認性に優れたレーザー印字画像を鮮明に形成することができる。
さらに、本発明の印字体は、レーザー印字画像が、そのフィルム表面ではなく、内部、すなわち基材と印刷層との間に形成される。したがって、この画像は耐摩耗性に優れることから、擦れ等による消失を効果的に防止することができ、且つ、その付加情報の変更を防止することができる。
これらの点から、本発明のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムによれば、チューブのヒートシールされる部分以外の領域にも付加情報を形成することができるため、例えば、製造年月日、メーカー、品名、賞味期限、生産地等の可変情報を従来のインクジェットプリンターによる印字と比べて読み取りやすく、かつ多くの情報量をレーザー印字画像として印字することができる。
ラミネートチューブ容器の内容物に接する層以外の、少なくとも内層側の発色インキが、レーザー光照射により印字可能な印字層となることにより、多層フィルムの表面にインキを接触させることなく印字することができ、またラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムの内容物由来の油脂分により印字されたインキを溶解させることなく、衛生性に優れたものを得ることができる。
また、ラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムの製造工程は、普通の印刷工程と同じであり、レーザー印字のためのさらなる層を設ける必要がないことから、製造工程を簡素化できる。
すなわち、これまで、ラミネートチューブ容器の印字はインクジェット印刷、熱転写印刷を行うことが多かったが、印刷の場合はインキが外面にあることから、コスレや摩擦によってインキが落ち、油を含む食品が付着した場合はインキが滲む、取れるなどの問題があったものを、レーザーによって発色するインキを包材内面に設けることによって、コスレ、摩擦、油成分によるインキ落ち等を防止したことを特徴とするものである。
本発明のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムの層構成について、その一例を示す概略的断面図である。 本発明のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムの層構成について、別の一例を示す概略的断面図である。 本発明のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムの層構成について、さらに、別の一例を示す概略的断面図である。 本発明の図1に示す本発明に係るラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムを使用し、これにレーザー光を照射してレーザー印字画像を形成した印字体の層構成について、その一例を示す概略的断面図である。
本発明に係るラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム、それを用いたラミネートチューブ容器、及びそれらの印字体の層構成について例示し、図面を参照しながら、以下に詳しく説明する。
図1に示されるように、本発明のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム、基材上に、絵柄印刷層や、発色インキ層が積層され、かつガスバリア性層を備える積層構造の両側最表面に、シーラント層を有する多層フィルムであって、絵柄印刷層のみの領域と、発色インキ層のみの領域をそれぞれ形成した印刷層を有する多層フィルムにおいて、発色インキ層は、レーザー光により印字可能なインキ層である構成を基本とする。
別の態様においては、図2に示されるように、金属箔によりバリア性を持たせたものでも良く、さらに、絵柄印刷層は、それぞれ同じかまたは異なるインキからなる、基材との接着性に優れている絵柄印刷層であればよく、2層またはそれ以上積層した構成であってもよい。
また、図3に示されるように、発色インキ層に接して、その画像を鮮明にするため等の着色下地層を設けてもよい。
さらに、基材に対して、基材/レーザー印字層を形成した後、白インキを重ねることも可能で、また窓のように部分的にレーザー印字層を印刷してもよい。
上記のように、白インキ層を重ねることにより、つぎのような効果も期待できる。
すなわち、レーザーによる発色は、1.レーザー発色成分自体がレーザーを吸収し発色、2.レーザー発色成分がレーザーを吸収し、その時に発生する熱によって周辺の有機物が炭化し発色(黒くなる)する、の2つの機構によって発色する。
そして、レーザー印字層にはレーザーを非常に吸収しやすい成分が入っている。
また、白インキのベースである酸化チタンもレーザーによって発色、発熱する。そのため、レーザー印字によりレーザー印字層自体も発色するが、白インキを重ねることによって、レーザー光をより効率的に吸収し、その相乗効果によって発色濃度を上げ印字性を向上することができる。
図4に示されるように、本発明の印字体は、本発明の多層フィルムに、YAGまたはYVO4レーザーを基材側から照射することにより製造されるものであって、印刷下地層の表面に、炭化したインキ成分が広がった印字部を有する。
(基材)
本発明において、基材は、その使用目的、用途等に応じた樹脂フィルムであって、好ましくは、印刷層を積層した際に、該印刷下地層とのラミネート強度(接着強度)が、絵柄印刷層とのラミネート強度より幾分小さい任意の樹脂フィルムを使用することができる。
具体的には、基本素材となり、更に、レーザー印字画像等を透視し得るものとなることから、機械的、物理的、化学的に優れた強度を有し、耐突き刺し性等に優れ、その他、耐熱性、防湿性、透明性等に優れた樹脂フィルムを使用することができる。
本発明における樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂等の各種の樹脂フィルムから選択することができる。
なお、上記の各種の樹脂1種ないしそれ以上を使用した製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離型性、難燃性、抗菌性、電機的特性、強度、ラミネート強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極微量から数十質量%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、その他等を使用することができ、更に、改質用樹脂等も使用することができる。
発色インキ層と基材とのラミネート強度、密着性を調整するために、必要に応じて、いずれかの表面に、積層前に所望の表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等の前処理を施すことができる。
また、印刷下地層と基材との間に、例えば、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層等を設けてもよい。
上記の樹脂フィルムとしては、未延伸フィルム、あるいは、一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれも使用することができる。
本発明において、上記の樹脂フィルムとしては、例えば、上記の樹脂1種類ないしそれ以上を使用し、押出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の製膜法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、更には2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法により、各種の樹脂のフィルムを製造し、更に、例えば、テンター方式、あるいは、スティックラー方式等を利用して一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
また、本発明において、樹脂フィルムの厚さは、強度、耐突き刺し性等について、必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると、コストを上昇する欠点もあり、逆に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性等が抵下して好ましくない。
本発明においては、上記の点を考慮して、10〜100μm、好ましくは10〜50μmが望ましい。
本発明において、基材を形成する樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びPET基材に透明蒸着層を形成したものを特に好適に用いることができる。該ポリエチレンテレフタレートフィルムは、特に包装材料としての用途において、安定性、加工性、コスト、耐熱性及び耐薬品性等の点で優れており、また、後述の印刷層として好適に使用される印刷インキを積層する際に、該印刷層との好ましいラミネート強度を得ることができる。
基材として透明蒸着層を形成したPETを用いる場合は、ガスバリア性層を別に設ける必要はないが、必要に応じてバリア層を積層してもよい。
(易開封性及び易引裂性の付与)
本発明のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムは、使用に際して易開封性や易引裂性も要求されることから、基材としては、このような要望に適した材料を用いることもできる。
このような材料としては、例えば、試験速度100mm/分における剥離強度が5N/15mm未満となるように調整可能な易開封性フィルムを用いることが好ましい。そのような易開封性フィルムとしては、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを主成分とするポリオレフィン系フィルムが好適に使用できる。
特に、基材としては、ヒートシール性ポリエチレンテレフタレートからなる単層構造の包装材料、又は、ヒートシール性ポリエチレンテレフタレートフィルムと他のフィルムを
積層した多層構造の包装材料、あるいは中間層もポリエチレンテレフタレートフィルムとした多層構造の包装材料が好ましく用いられる。
また、エチレン重合体の引裂き性の改良のために、アイオノマー樹脂を組み合わせることもできる。
さらに、易開封性手段として、注出口部の先端側の開封位置に、ハーフカット線や端部にノッチ、あるいは全面に微細な多数の孔を形成してもよい。
(印刷層)
本発明において、印刷層は、絵柄印刷層のみの領域と、レーザー印字される発色インキ層のみの領域をそれぞれ形成した層を有するもので、白色を含む汎用の色インキ、及びレーザー発色インキを、基材上に印刷や塗布等により積層して設けられる層である。
本発明において、絵柄印刷層は、基材に例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を、通常の印刷法を用いて形成されたものである。
一方、本発明の発色インキ層は、レーザー光により発色するものであって、発色インキ層は、低出力のレーザー光により発色する発色材料を含む発色インキが好適に用いられ、その発色材料として顔料成分には無機化合物が用いられる。好ましい顔料成分としては白色顔料等の無機化合物を含むものである。
発色インキ層は、発色インキ層に、更に別の発色インキ層を設けて印刷下地層を多層化することにより鮮明な印字画像を得ることもできる。
本発明で用いるレーザー光により発色する発色材料としては、種々のものを用いることができる。
具体的には、ビスマス系化合物、黄色酸化鉄、無機鉛化合物、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、水銀、コバルト、銅、ニッケル等の金属化合物、真珠光沢顔料、珪素化合物、雲母類、カオリン類、珪砂、硅藻土、タルク、酸化チタン被覆雲母類、二酸化錫被覆雲母類、アンチモン被覆雲母類、スズ+アンチモン被覆雲母類、スズ+アンチモン+酸化チタン被覆雲母類等の1種または2種以上を使用することができる。
本発明では、低出力のレーザー光により発色する発色材料として、特に、ビスマス系化合物が適している。
ビスマス系化合物としては、例えば、酸化ビスマス、硝酸ビスマス、オキシ硝酸ビスマス等の硝酸ビスマス系、塩化ビスマス等のハロゲン化ビスマス系、オキシ塩化ビスマス、硫酸ビスマス、酢酸ビスマス、クエン酸ビスマス、水酸化ビスマス、チタン酸ビスマス等が挙げられ、なかでも、入手が容易であり、安価であるという観点から、硝酸ビスマス、水酸化ビスマスが望ましい。
ビスマス系化合物は、1種又は2種以上の化合物を含むことができる。また、本発明はビスマス系化合物を少なくとも含む発色材料を用いるものであって、レーザー光により発色する発色材料であれば、ビスマス系化合物以外のものを併用することもできる。
本発明は、望ましくはビスマス系化合物を含む発色材料を用いるものであって、さらにレーザー光により発色する別の発色材料、及び/又は発色効率を上げるための無機化合物を用いることができる。
発色効率を上げるための無機化合物としては、金属酸化物、複合酸化物又は金属塩あるいはそれらの1種類又は2種類以上の化合物を用いる。
低出力のレーザー光の照射であってもこれらの無機化合物を併用することにより、無機化合物が発色材料としても機能し、発熱効率を上げて発色材料の発色を助け、あるいは発色材料と白色顔料を含む白色インキの白色度をアップするように機能することからこれらの無機化合物を添加することが好ましい。
本発明においては、汎用の白色インキ顔料を、発色効率を上げるための無機化合物を含
む材料として用いることができる。好ましくは、金属酸化物として、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化スズ、酸化ネオジム、マイカ、ゼオライト、カオリナイト等を1種又はそれ以上を含有することができる。
そして特に好ましい金属酸化物は、酸化チタンである。
本発明においては、発色効率を上げるための無機化合物として金属酸化物に限ることなく、銅系化合物、モリブデン系化合物、銅・モリブデン複合酸化物、銅・タングステン化合物、金属塩等が発色成分としても機能することから好適に用いることができる。
銅系化合物としては、例えば、銅、酸化銅、ハロゲン化銅、ギ酸、クエン酸、サリチル酸、ラウリル酸、シュウ酸、マレイン酸等の有機酸銅、リン酸銅、ヒドロキシリン酸銅等を好適に用いることができる。
モリブデン系化合物として、モリブデン、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、塩化モリブデン、モリブデン酸金属(金属:K、Zn、Ca、Ni、ビスマス、Mg等)を好適に用いることができる。
金属塩として、硫酸、硝酸、シュウ酸、炭酸等の酸とバリウム、コバルト、マグネシウム、ニッケル、鉄等の金属との塩を用いることができる。
本発明は、特に、発色インキ層を形成するインキ組成物の発色材料として、ビスマス系化合物を含有するものであって、その他に発色効率を上げるための無機化合物として酸化チタンを含む白色インキ含量が好適に用いられる。
低出力のレーザー光により発色するビスマス系化合物の発色材料は、インキ組成物に対して固形分換算で0.1〜95.0質量%の範囲で含有される。本発明においては、その発色材料の含有量は、1〜30質量%であることが好ましい。1質量%未満では、発色、印字が不十分、不鮮明となることから好ましくない。また、含有量が増加するほど印字の発色は濃くなっていくが、30質量%以上にしてもその濃度上昇による視認性の差が顕著に認識できるものではなく、むしろ、コストアップや、印刷下地層が硬くなり、ひび割れ、強度低下を導き、レーザー光の照射により発色する発色材料自体の顔料色が印刷下地層に色を付けてしまうこと等から好ましくない。
低出力のレーザー光による発色効率を上げるための無機化合物の含有量は、インキ組成物に対して無機化合物の固形分換算の1〜99質量%である。
含有量が増加するほど印字の発色は濃くなって行くが、その含有量は、5〜65質量%であることが好ましい。5質量%より少ないと発色、印字が不十分、不鮮明となり、65質量%を越えると、無機化合物の増加によりコストアップ、発色インキ層が脆弱になり、強度低下を導くこと等から好ましくない。
発色インキ層は、膜厚が0.05〜20μmが好ましく、より好ましくは0.1〜7μm程度である。膜厚が0.05μm未満であるとレーザー光照射により発色する発色材料による発色、印字が不十分、不鮮明となる場合がある。
一方、膜厚が増加するほど印字の発色は濃くなるが、膜厚が20μmを越えると、レーザー光の照射により発色する発色材料による発色、印字は十分ではあるが、発色材料を多量に使用するためのコストアップ、発色インキ層の強度低下、レーザー光照射により発色する発色材料自体の顔料色が発色インキ層に色を付けること等の理由から好ましくない。なお、発色材料の使用量が同量の場合、添加濃度が高く、膜厚が薄い方が、印字の視認性は若干向上する。
本発明の発色インキ層の発色インキは、必要に応じて慣用の溶剤で希釈し、基材上に印刷または塗布することにより、印刷層を形成することができる。
発色インキ成分として金属酸化物が多いと、フィルムがレーザー照射によるダメージを
受け易くなる。逆に、金属酸化物が少ないと、印字画像が不鮮明になり易い。
本発明においては、発色インキ層に印字画像を形成した場合に、その画像の視認性を向上させる目的で、発色インキ層にさらに複数の着色下地層を設けることができる。
この場合、コントラストが大きく異なる色を配し、さらには画像の背面を遮光することができるため、被包装体の色合いや透明度、照明具合によらず、印字画像の視認性を常時、確保することができる。
本発明の着色下地層としては、発色インキ層のレーザー光の照射により発色する色や発色インキ層自体の色等によって、印字が鮮明に視認できるように、着色剤の色や顔料を任意に選択することができる。
例えば、発色インキ層が透明性の高い灰色であり、レーザーによる発色が黒色、内容物が黒色である場合は、白色の着色剤を選択することにより、高い視認性が得られる。
白色の着色下地層には、例えば、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、リトポン、三酸化アンチモン、アナタス形酸化チタン、ルチル形酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の白色顔料の1種または2種以上を使用することができる。
着色下地層は、膜厚が0.05〜20μmが好ましく、より好ましくは0.1〜7μmである。膜厚が0.05μm未満であると着色が不十分となり、視認性も不十分となる。一方、膜厚が増加するほど印字の発色は濃くなり視認性は向上するが、膜厚が20μmを越えると、コストアップ、着色下地層の強度低下等の理由から好ましくない。
なお、着色下地層全体に対する着色成分の含有量が同量の場合、添加濃度を低くして、膜厚を厚くした方が、着色の濃度および印字の視認性は向上する。
印刷層の各層を構成するバインダ樹脂としては、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。さらに、一般的な印刷インキのバインダ樹脂も使用可能である。
これらの樹脂は単独で、または2種以上混合して使用される。特に、レーザー発色インキ層として用いられるレーザー発色インキにおいて、バインダ樹脂としてウレタン樹脂が好適に使用される。該バインダ樹脂は、上述の基材上に積層する際に、該基材との好ましいラミネート強度を与え、レーザー光による印字において、発色インキの成分が下地層と基材との間に適度に広がり、文字として認識できるようになる。
基材と印刷層とのラミネート強度を所望の範囲に調整するために、必要に応じて、インキ中に、任意の添加剤を添加してもよく、滑材、ブロッキング防止剤、充填剤、硬化剤等を添加する。
その他、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、ワックス、シランカップリング剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防錆剤、可塑剤、難燃剤、顕色剤等の各種添加剤を添加することもできる。これら添加剤は、特に印刷適性、印刷効果等の改善を目的に使用され、その種類、使用量は、印刷方法、印刷基材、印刷条件により適宜選択できる。
また、基材の積層面にコロナ処理等の表面処理を施したり、または無処理の面上に印刷層を積層したりすること等により、ラミネート強度を調整してもよい。
本発明において、下地印刷層は、それぞれ同じかまたは異なるインキからなる印刷層を、2層またはそれ以上積層した構成であってもよい。
ここで、基材と接する側に発色インキ層を形成する。発色インキ層は、該基材との間のラミネート強度が、ラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムを構成する印刷層中で最も弱くなるように、バインダ樹脂の種類、含有量、積層方法等を選択してもよい。
印刷層の総厚としては、インキの塗布量が、乾燥後の塗布量として1.5〜4.5g/m2、より好ましくは2.7〜3.3g/m2であることが好ましい。これよりも印刷層が厚いと、フィルムがレーザー照射によるダメージを受け易くなる。逆に、これよりも薄いと、印字画像が不鮮明になり易い。
また、本発明において規定するラミネート強度を、基材と印刷層(絵柄印刷層と発色インキ層)、印刷層とアルミニウム箔又はシーラント層等その他の層との相互間で得るためには、絵柄印刷層又は発色インキ層、印刷下地層を多層とすることも可能である。
印刷層の積層方法は、グラビアロールコート法、リバースロールコート法、ナイフコート法、キスコート法、その他の公知の方法で印刷する他、インクジェット、浸漬、スピンコーティング等の方法を用いることができるが、本発明においては印刷により積層する方法が好ましい。
印刷に際して、印刷後のフィルムを巻き取ることができる印刷機を用いれば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷のいずれの方式でもかまわない。特に、印刷下地として全面または一部にベタ印刷することにより、製造工程を簡略化することができる。
白色インキを多量に容易に塗布することが可能で、印刷下地として全面または一部にベタ印刷することが可能なことにより、隠蔽性が上がり、製造工程を簡略化することができる点で、グラビア印刷法が適している。
本発明において、レーザー光により鮮明で印字ムラの生じないラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムを得るためには、インキの塗布量が、乾燥後の塗布量として1.5〜4.5g/m2であることが適している。
(シーラント層)
本発明において、シーラント層は、ラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムの最内層及び最外層に設けられるものである。
シーラント層は、ヒートシール性樹脂層に使用するヒートシール性樹脂であり、具体的には、熱によって溶融し相互に融着し得る樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン系触媒を使用して重合した直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン系触媒を使用して重合したエチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂を、単独で、または2種又はそれ以上を混合して使用することができる。
上記シーラント層を構成するヒートシール性樹脂の中でも、特に、直鎖状(線状)低密度ポリエチレンをメタロセン系触媒等シングルサイト触媒を用いて重合したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定しているため、ヒートシールの安定性のほか、耐内容物性、耐ストレスクラッキング性、低温ヒートシール性、熱間シール性に優れており、特に、本発明の液状・ペースト状・ゼリー状内容物のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムのシーラント層に好適に使用することができる。
上記のヒートシール樹脂層には、上記の直鎖状(線状)低密度ポリエチレンのほか、充填される内容物や、充填後の加熱処理、流通条件等により、CPP(無延伸ポリプロピレン)、LDPE、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリエステル系樹脂等のフィルムまたは押出しコート層を適宜選択して使用することができる。
シーラント層の積層方法は、特に限定されないが、シーラント層を形成する熱可塑性樹脂を、印刷層上に押出しコーティングすることにより積層することができる。また、該熱可塑性樹脂からなるフィルムを、ドライラミネート法またはサンドイッチラミネート法等により積層してもよい。
ドライラミネート用接着剤としては、ウレタン系接着剤、ポリエステルポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリエーテル系接着剤、ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等を用いることができる。また、サンドイッチラミネート用接着性樹脂としては、任意の熱可塑性樹脂を用いることができる。
そして、本発明においては、上記のようなヒートシール性樹脂等を使用し、押出しラミネート法等により押出しラミネートして、シーラント層を形成することができる。
本発明において、上記シーラント層の厚さは、ラミネートチューブ容器に充填する内容物に応じて適宜に設定することができるが、5〜300μm程度が好ましく、50〜200μmがより好ましい。
また、発色インキ層とシーラント層との間に、例えば、プライマーコート層、アンダーコート層、アンカーコート層等を設けてもよい。
本発明のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムを構成するアンカーコート層としては、溶剤型、水性型のいずれも使用できる。
その例として、(塩素化)ポリプロピレン系、変性ポリオレフィン系、エチルビニルアルコール系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ポリウレタン系、ポリエステル系ポリウレタンエマルジョン、ポリ塩化ビニルエマルジョン、ウレタンアクリルエマルジョン、シリコンアクリルエマルジョン、酢酸ビニルアクリルエマルジョン、アクリルエマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、クロロプレンラテックス、ポリブタジェンラテックスのゴム系ラテックス、ポリアクリル酸エステルラテックス、ポリ塩化ビニリデンラテックス、ポリブタジエンラテックス、あるいはこれらのラテックスのカルボキシル変性物や水溶性物質、例えば、ポリビニルアルコール、水溶性エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキサイド、水性アクリル樹脂、水性アポキシ樹脂、水性セルロース誘導体、水性ポリエステルおよび水性リグニン誘導体等水性イソシアネート等の水性若しくは水分散型エマルジョン若しくはディスパージョンのアンカーコート剤が用いられる。
例えば、最外層がポリエチレン系の溶融押出し樹脂層の場合、基材との接着性を考慮すると、ポリエチレン系や変性ポリオレフィン系のエマルジョン若しくはディスパージョンが好ましい。
包装材料としての用途において、内容物と接する最内層となる場合、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好適に使用される。
特に、上記基材がPETフィルムからなり、上記インキ中のバインダ樹脂として、ウレタン樹脂が使用されている場合は、シーラント層を形成する樹脂として、ポリエチレンを使用し、これを、発色インキ層上にドライラミネート法(DL)により積層した層構成の
ラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムとすることにより、基材又はシーラント層と該印刷層との好適なラミネート強度の関係が得られる。
レーザー照射によって明瞭な印字画像が得られるように、基材と印刷層との間に凸状に隆起できる強度に設定することが必要である。
(ガスバリア性層)
本発明においては、ガスバリア性層として、金属箔や金属酸化物の蒸着層を用いることができる。ガスバリア性層としては、基材フィルム層の上に無機酸化物の透明蒸着層を形成した透明蒸着層付き基材フィルムを用いることもできる。
また、ラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムの積層構成層に無機酸化物の透明蒸着層を形成して設けることや、あるいは透明蒸着層を有する樹脂フィルムを積層配置して用いることもできる。
また、ガスバリア性層としてアルミ箔等の金属箔を用いる場合、金属箔は、発色インキ層の基材とは反対側に配置することができる。また、ガスバリア性層として、必要に応じて、基材フィルムの上に塩化ビニリデン樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂等のガスバリア性樹脂コーティング膜を使用することができる。
前記の無機酸化物の蒸着膜としては、基本的に金属の酸化物をアモルファス(非晶質)化した透明薄膜であれば使用可能である。例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物をアモルファス(非晶質)化した透明薄膜を使用することができる。
そして、包装用材料等に適するものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物をアモルファス(非晶質)化した薄膜を挙げることができる。
(ガスバリア性層を構成する蒸着層)
本発明のガスバリア性層を構成する蒸着層について説明する。
本発明において蒸着層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を用いて形成することができる。
本発明において、無機酸化物の蒸着膜としては、具体的には、金属の酸化物を原料とし、これを加熱して樹脂のフィルムないしシートの上に蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて樹脂のフィルムないしシートの上に蒸着する酸化反応蒸着法、さらに、酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて無機酸化物の非結晶の薄膜を形成することができる。
上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビーム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
本発明において、金属または金属酸化物の薄膜層の厚さとしては、使用する金属、または金属酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜3000Å位、好ましくは、100〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。また、本発明においては、金属または金属酸化物の薄膜層は、1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層したものでもよく、また、使用する金属、または、金属酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した材料による薄膜層を構成することも
できる。
本発明のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムには、酸化ケイ素の蒸着膜が、特に、CVD法による酸化ケイ素の蒸着膜が好ましい。
(レーザー光による印字方法)
本発明において、印字は、YAG(イットリウム(Y)・アルミニウム(A)・ガーネット(G))レーザー光(波長=1.064μm)、または、YVO4(イットリウム・バナデート)レーザー光(波長=1.064μm)、ファイバーレーザー(波長=1.06〜1.07μm)を用いて行うことが好ましい。
これらのレーザーは、透明体を透過する性質を有し、その性質を利用し、さらに、印字時の煙等の発生が抑えられ、また、発色濃度やフィルムに与える影響等を調整することができる。その結果、レーザー印字画像を形成しても穴あき等がない極めて鮮明なレーザー印字画像を形成することができる。
これらのレーザーを、ラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムの基材側から照射することにより、低出力で、フィルムに与えるダメージを最小限に抑えつつ、印刷層のインキ成分をガス化及び炭化させて、基材と印刷層との間に空隙を形成し、印刷層表面に、レーザー印字画像を効率よく形成することができる。
そして、レーザー印字画像が、印刷層表面に形成されることにより、基材側からの視認性に優れたものが得られる。
本発明において、このような印字を行うパルス条件としては、例えば、YVO4レーザー機(キーエンス MD−V9600)により、平均出力0.8〜5.0W、より好ましくは1.5〜3.0W、さらに、Qスイッチ周波数10〜30KHz、スキャンスピード300〜4000mm/s、より好ましくは2500〜3500mm/sのパルス条件が使用される。
この条件下で印字を行うことにより、レーザー印字用多層積層フィルムに穴をあけることなく、高速印字が可能であり、且つ、明瞭な印字画像が得られる。
(レーザー光による印字体の形成)
本発明のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムへの印字工程において、レーザーの平均出力を低く設定しても、または、スキャンスピードを速く設定しても、鮮明な印字画像、例えば太くて明瞭な文字を印字することができる。
本発明の印字体において、レーザーのスポット照射により、基材と印刷層との間に形成される空隙の直径は、望ましくは40μm〜1mm、より好ましくは400〜700μmである。
この空隙に炭化したインキ成分が広がって、印刷下地層の白色インキを背景とすることで鮮明な印字画像が得られる。空隙の直径がこれよりも小さいと、印字画像の欠損や、線幅の細りが発生し、視認性を欠く。逆にこれよりも大きいと、画像がつぶれる等のため好ましくない。
本発明において、レーザー印字画像は、文字、数字、記号、絵柄等を含むが、これらに限定されない。
本発明のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルムにおいて、レーザー光による印字は、発色インキ層のみからなる領域に印字するものである。そして、レーザー光による印字を施さない、所望のカラー印刷層を設けた絵柄印刷層及び発色インキ層が重ねられた領域は、湿熱性下の雰囲気でも基材との密着性があり、ラミネート強度が大きく剥離が生じないことと合わせ、印字部領域に確実に鮮明な印字を得ることができる。
(ラミネートチューブ容器)
上記のレーザー印字用多層フィルムを用いたラミネートチューブ容器について説明する。ラミネートチューブ容器は、上記多層フィルムからなる積層材を使用して、この積層材を二つ折にし、そのヒートシール性樹脂層の面を対向させて重ね合わせ、その端部をヒートシールして筒状の包装体を形成し、次いで底部をシールして内容物を充填し、さらに天部をシールすることにより製造することができる。
その製袋方法としては、上記のような積層材を、折り曲げるかあるいは重ね合わせて、その内層の面を対向させ、さらにその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型等のヒートシール形態によりヒートシールしてラミネートチューブ容器を製造することができる。
上記において、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を制限するものではない。
<実施例1>
(1)レーザー印字インキとして、発色剤(酸化ビスマス)10質量%と 白色顔料としての酸化チタン40質量%、ウレタン系樹脂10質量%とを含むレーザー印字用インキを作成した。
(2)厚さ12μmの両面をコロナ処理したポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、文字・絵柄を形成するため、イソシアネート系硬化剤3質量%を添加したウレタン系インキを、グラビア方式により印刷した。さらに、上記レーザー印字インキにイソシアネート系硬化剤3質量%を添加して、グラビア方式により印刷して発色インキ層を形成した。
(3)上記発色インキ層上に、二液硬化型ウレタン系接着剤を用いて、グラビアロールコート法によりコートして、接着剤層を形成し(乾燥状態で、4g/m2)、次いで、当該接着剤層の面に、厚さ15μmのアルミ箔をドライラミネーション法により積層した。
(4)上記アルミ箔上に、二液硬化型ウレタン系接着剤を用いて、グラビアロールコート法によりコートして、接着剤層を形成し(乾燥状態で、4g/m2)、次いで、当該接着剤層の面に、厚さ130μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネーション法により積層した。
(5)上記積層フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルム面に、二液硬化型ウレタン系接着剤を用いて、グラビアロールコート法によりコートして、接着剤層を形成し(乾燥状態で、4g/m2)た。次いで、当該接着剤層の面に、厚さ110μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネーション法により積層した。
これにより、「(表面側)直鎖状低密度ポリエチレンフィルム/接着剤層/ポリエチレンテレフタレートフィルム/絵柄印刷層・レーザー印字層/接着剤層/アルミ箔(バリア層)/接着剤層/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(シーラント層)(内面側)」の層構成を有する包装用積層体Aを得た。
(6)上記包装用積層体Aの表面側の直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの内面と外面を円筒状に屈曲、外面と内面の重ね合せ部をヒートシールし筒状胴部を形成した。
次いで、当該筒状胴部の一方の開口部に、低密度ポリエチレンからなる肩部、口部からなる頭部を接合して、チューブ容器を作製した。
(7)さらに、上記包装用積層体Aの表面側(シーラント層とは反対側)から、クラス4の装置であるYVO4レーザー機((株)キーエンス製、MD−V9600)を用いて、1064nmの波長を有するYVO4レーザー光を、平均出力11.25W、スキャンスピー
ド3000mm/s、Qスイッチ周波数30KHzの条件で照射した。
(8)その結果、レーザー照射後に印字部(黒色部)が形成された。
この黒色化は、上記レーザー照射により、上記発色剤がレーザー光を吸収することにより発色剤自体が発熱し、結晶構造が変化して上記発色剤自体が黒色化することにより、レーザー発色印字記録が行われたものである。
さらに、レーザー照射により上記の発色剤がレーザー光を吸収し、発色剤自体が発熱すると、レーザー記録用インキ組成物中の樹脂成分等を炭化させて黒色化し、レーザー発色印字記録が行われたものである。そして、主にこれら2つのレーザー発色印字記録機構により、レーザー印字が可能となったものである。
また、レーザー記録用インキ組成物中の酸化チタンも、レーザー照射により、レーザー光を吸収し、酸化チタン自体が発熱して、レーザー記録用インキ組成物中の樹脂成分等を炭化させて黒色化することにより、レーザー発色印字記録が行われる。
この場合、上記の発色剤による発熱の方が、酸化チタンによる発熱よりも大きいことから、炭化させて黒色化しレーザー発色印字記録を行う機構において、発色剤による発熱に起因する影響の方が、酸化チタンによる発熱に起因する影響よりも大きいものとなる。
<実施例2>
レーザー印字層を形成後、さらに着色下地層(1)として、酸化チタンを含む白インキ(東洋インキ社製:NEWLPスーパーR631Aシロ)にイソシアネート系硬化剤(LP硬化剤)3質量%添加したインキを重ね刷りし、2層構成とした以外は、実施例1と同様に作製した。
<実施例3>
実施例2の白インキ上に、さらに着色下地層(2)として酸化チタンを含む白インキ(東洋インキ社製:NEWLPスーパーR631Aシロ)にイソシアネート系硬化剤(LP硬化剤)3%質量添加したインキを重ね刷りし、3層構成とした以外は、実施例2と同様に作製した。
<比較例1>
レーザー印字インキを印刷しない以外は実施例2と同様に作製した
[レーザー印字方法]
実施例1〜3および比較例1のレーザー印字用多層フィルムについて、下記条件化で、表面側からYVO4レーザー光を照射し、レーザー印字画像を形成してレーザー印字付き多層積層フィルムを得た。
レーザー照射条件:YVO4レーザー機((株)キーエンス製MD−V9600A)にて平均出力11.25W、Qスイッチ周波数30KHz、スキャンスピード3000mm/sにて印字
[評価方法]
実施例1〜3、及び比較例1に示した各積層フィルムに対し、レーザー光を照射することにより、レーザー発色インキ層に印字した。
得られたレーザー印字画像について、着色線幅、その色および視認性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006592926
実施例1〜3のレーザー印字用の多層フィルムは、太い線幅で黒色、視認性良好な印字画像を形成した。
これに対し、比較例1の多層フィルムは、線幅が若干狭く、またレーザーによる変色が弱く茶褐色であることに加え、視認性も不明瞭で劣るものであった。
1.基材
2.ガスバリア性層(透明蒸着層)
3.印刷層
3a.絵柄印刷層
3b.発色インキ層
4a.、4b.シーラント層
5.金属箔
6.着色下地層
A.印字部

Claims (10)

  1. 基材上に印刷層が積層され、かつガスバリア性層を備えた積層構造の両側最表面にシーラント層を有するラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム(但し、アルミペースト含有インキ層を有する場合を除く。)であって、
    印刷層は、絵柄印刷層のみの領域と、レーザー印字される発色インキ層のみの領域を形成した層を有し、
    発色インキ層は、レーザー光の照射により発色する発色材料を含むYAGまたはYVO 4 レーザー光、または、ファイバーレーザー光により印字可能な層であり、
    該発色インキ層に接して、さらに酸化チタンを含む白インキからなる膜厚0.1〜7μmの着色下地層(1)が積層され、
    発色インキ層、着色下地層(1)、ガスバリア性層がこの順に積層された、ラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
  2. 上記着色下地層(1)に接して、さらに着色下地層(2)が積層された、請求項1に記載のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
  3. 発色材料が、ビスマス系化合物である、請求項1または2に記載のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
  4. ビスマス系化合物が、水酸化ビスマス、酸化ビスマス、次炭酸ビスマスおよび硝酸ビスマスから選ばれる1種類または2種類以上の化合物である、請求項3に記載のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
  5. 発色インキ層が、金属酸化物または複合酸化物あるいはそれらの群から選ばれる1種類または2種類以上の化合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
  6. 発色インキ層が、銅系化合物、モリブデン系化合物あるいはそれらの群から選ばれる1種類または2種類以上の化合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のラミネート
    チューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
  7. ガスバリア性層がガスバリア性透明蒸着層であって、基材にガスバリア性透明蒸着層を備える透明蒸着フィルムとしたものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
  8. ガスバリア性層がアルミニウム箔であって、発色インキ層の基材とは反対側に位置する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のラミネートチューブ容器用のレーザー印字用多層フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のレーザー印字用多層フィルムを用いたラミネートチューブ容器。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のレーザー印字用多層フィルムあるいは請求項9に記載のラミネートチューブ容器に、YAGまたはYVO4レーザー光、または、ファイバーレーザー光を基材に近い側から照射することにより、発色したインキ組成物が前記基材及び前記発色インキ層の表面に広がり、レーザー印字画像を有するレーザー印字体。
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