JP5000340B2 - 綜絖用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また薄肉のため綜絖に求められる剛性及び衝撃に耐えうる材料がなかった。
また高速で糸が走行するため、樹脂製では静電気が溜まる問題があった。
また金属製の綜絖の場合は剛性による糸切れの問題があった。
しかしこの部品ではヘルド自体の軽量化がなされていない事、それにともない省エネや騒音軽減に効果が低いという問題があるため、綜絖部品全体の樹脂製が望まれていた。
(2)ポリアセタール樹脂のメルトフローレイト(ASTM D1238/加熱筒温度190℃・荷重2160g)が90〜130(g/10min)であることを特徴とする上記(1)に記載の綜絖用樹脂組成物。
(3)ポリアセタール樹脂100質量部に対して帯電防止剤を0.5〜2.0質量部含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の綜絖用樹脂組成物。
(4)ポリアセタール樹脂がポリアセタール・ホモポリマーであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の綜絖用樹脂組成物。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載された樹脂組成物からなる綜絖。
(6)射出成形品であることを特徴とする上記(5)に記載の綜絖。
また金属製に比べ剛性が低いため糸切れの問題も軽減された。
ポリアセタール樹脂のメルトフローレイトは、50〜150g/10minであることが必要である。好ましくは90〜150g/10minであり、更に好ましくは90〜130g/10minである。
50g/10min以下であると厚み0.3mm成形品では成形が困難であり、90g/10min以上であると厚み0.3mmでも良好な成形品を得ることが可能となる。また150g/10min以上であると成形品にバリが発生し、糸切れ性を悪化させる。130g/10min以下であると成形品のバリ発生を抑えられるため、糸切れ性に効果が認められる。
R1−COO(R3O)n−COR2 ・・・・・(I)
(ここでR1R2は炭素数10〜36のアルキル基もしくはアルケニル基および1つの水酸基で置換されている該アルキル基もしくはアルケニル基で、R1とR2は同一であっても異なっていても良く、R3Oは炭素数2〜6のアルキレングリコールユニットを表わす。nは1〜70を表わす。)
R4−COO(R5O)m−H ・・・・・(II)
(ここでR4は炭素数10〜36のアルキル基もしくはアルケニル基および1つの水酸基で置換されている該アルキル基もしくはアルケニル基で、R5Oは炭素数2〜6のアルキレングリコールユニットを表わす。mは1〜70を表わす。)
アミン化合物のエチレンオキサイド付加体としては、下記一般式(III)で表わされるアミン化合物のエチレンオキサイド付加体又は下記一般式(IV)で表わされるアミド化合物が挙げられる。
ポリエーテル型としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体(ランダム及びブロック)、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルとポリオレフィンのブロック共重合体、酢酸ビニルとエチレンの共重合体、ポリエーテルアミドイミド、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体などが挙げられ、第4級アンモニウム塩含有型としては、第4級アンモニウム塩含有(メタ)アクリレート共重合体、第4級アンモニウム塩含有マレイミド共重合体、第4級アンモニウム塩含有メタクリルアミド共重合体などが挙げられ、スルホン酸基含有型としては、ポリスチレンスルホン酸ソーダが挙げられ、ベダイン型としてはカルボベダイングラフト共重合体が挙げられる。これらの中ではポリエーテル型が好ましく、必要により、前記した低分子型の帯電防止剤と併用される。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の1種又は2種以上を用いることができる。具体的には、例えばn−オクタデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3′−メチル−5′−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N′−ビス−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N′−テトラメチレン−ビス−3−(3′−メチル−5′−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N′−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N′−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N′−ビス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド等がある。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びテトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。
(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物及び重合体としては、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの共重合体、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等を挙げることができる。また他に、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられ、例えばアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られたポリ−β−アラニン共重合体を挙げることができる。その他にアミノ置換トリアジン化合物と、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの付加物と、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの重縮合物を挙げることができる。
アミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの縮合物の具体例としては、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物を挙げることができる。
これらのアミノ置換トリアジン類化合物、アミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの付加物、アミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの縮合物は、1種で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
ポリアルキレングリコールとしては、下記一般式(V)で表されるポリアルキレングリコールを用いることができる。
アミド基を有する脂肪族化合物としては、下記一般式(VI)で表される脂肪族化合物である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物に更に硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー等に代表される無機顔料、縮合アゾ系、ペリノン系、フタロシアニン系、モノアゾ系等に代表される有機顔料等を配合することが出来る。
[実施例1]
メルトフローレイトが130g/10minであるポリアセタール樹脂ホモポリマー100質量部に対して、帯電防止剤としてポリエチレングリコール1質量部と、オキシエチレンステアリルエーテル0.5質量部とを添加して、押出機を用いて溶融混練し、
押出して樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種試験を行った。
[実施例2、3]
実施例1において、ポリアセタール樹脂ホモポリマーとしてメルトフローレイトが110g/10min及び75g/10minであるものを用いた以外は実施例1と同様にして実施例2、3の樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種試験を行った。
[実施例4]
実施例1で用いたポリアセタール樹脂ホモポリマーに代えてメルトフローレイトが70g/10minであるポリアセタール樹脂コポリマーを用いた以外は実施例1と同様にして実施例4の樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種試験を行った。
実施例1において、ポリアセタール樹脂ホモポリマーとしてメルトフローレイトが180g/10minであるものを用いた以外は実施例1と同様にして比較例1の樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種試験を行った。
[比較例2]
実施例1において、ポリアセタール樹脂ホモポリマーとして、メルトフローレイトが75g/10minであるものを用い、帯電防止剤を添加しないこと以外は実施例1と同様にして比較例2の樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種試験を行った。
[比較例3]
実施例1において、ポリアセタール樹脂ホモポリマーとして、メルトフローレイトが45g/10minであるものを用いた以外は実施例1と同様にして比較例3の樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて各種試験を行った。
[比較例4]
ステンレス鋼316製圧延板からの切り出し品を用いて各種試験を行った。
実施例及び比較例で使用した測定・評価法は、次の通りである。
<メルトフローレイト>
ASTM D1238で規定された測定法に準拠し、加熱筒温度190℃、荷重2160grで押し出される流出量を10分間当りに換算した。
<糸切れ性>
図1に示す往復摺動試験装置を使用し、繊維糸はポリエステル製、シルク製、ナイロン製で、糸径をφ0.2mmとした。ポリアセタール樹脂の試験片作製は、5オンスの射出能力を有する射出成形機を使用し、シリンダー温度:200℃、金型温度:80℃に設定し、射出時間:20秒、冷却時間:10秒の条件で、高さ10mm、幅20mm、厚み0.5mmの平板を成形した。ステンレス鋼316製の試験片作製は圧延板からの切り出し品とし、高さ10mm、幅30mm、厚み0.5mmの平板とした。糸が当るエッヂ部は樹脂製成形品の場合、金型寸法で面取り量を0.1mmとした。金属板は切り出し面のエッヂ部をサンドペーパー(500番)で面取りを行った。
面取りした部分は、実験前に光学顕微鏡で観察し、バリが無い事を確認した。
その面取りしたエッヂが上辺になるよう、試験片を図1で示す試験機の往復稼動部に冶具で挟み込んで固定した。
糸は張り方としては、平板のエッヂ部が頂点となるように糸を掛け、糸の片端を固定し、もう片方に100grの荷重を掛けた。試験条件としては、平板側の移動速度を100mm/秒とし、移動距離を片道10mmとした。測定は往復回数が何回かで糸が破断するかを確認した。
5オンスの射出能力を有する射出成形機を使用し、シリンダー温度:200℃、金型温度:80℃に設定し、射出時間:20秒、冷却時間:10秒の条件で、ペレットから60*60*3(mm)の平板を成形し、得られた平板から10×10×3mmを切り出し試料として、ミラージュ社製電子比重計EW−200SGを用いて、大気中と水中での重量差から測定した。
5オンスの射出能力を有する射出成形機を使用し、シリンダー温度:200℃、金型温度:80℃に設定し、射出時間:20秒、冷却時間:10秒の条件で、ペレットから60*60*3(mm)の平板を成形し、得られた平板成形片を試料として、JISK7194 4深針法 90V(油化電子社製)を用いて測定した。
(流動性[射出圧力])
5オンスの射出能力を有する射出成形機を使用し、シリンダー温度:200℃、金型温度:120℃に設定し、射出時間:20秒、冷却時間:10秒の条件で、ペレットから10×20×0.5mm平板形状の試験片を成形する際に、成形品末端まで樹脂を到達させるために必要な射出圧力を測定。
(バリ性)
得られた成形品のばりを目視確認した。判定は以下の基準に従い判定した。
ばりが認められない :○
ばりがわずかに認められる :△
ばりが認められる :×
5オンスの射出能力を有する射出成形機を使用し、シリンダー温度:200℃に設定し、射出時間:20秒、冷却時間:10秒の条件で、ペレットからダンベル試験片を成形し、温度環境23℃下で、引張試験機(インストロン社製)を用いて、ISO527−1&−2(’93)に準拠して測定した。
5オンスの射出能力を有する射出成形機を使用し、シリンダー温度:200℃、金型温度:80℃に設定し、射出時間:20秒、冷却時間:10秒の条件で、63.5×12.7×3mmの短冊試験片を成形し、63.5mmの中央部にノッチ部幅が10mmとなるようにノッチ半径0.25mmのノッチ形成し、温度環境23℃下で、東洋精機社製の手動式アイゾット衝撃試験機を用いて、ハンマー容量1J、振り上げ角127°として測定した。
Claims (6)
- メルトフローレイト(ASTM D1238/加熱筒温度190℃・荷重2160g)が50〜150(g/10min)のポリアセタール樹脂100質量部とポリエーテル型帯電防止剤0.1〜10質量部とを含むことを特徴とする綜絖用樹脂組成物。
- ポリアセタール樹脂のメルトフローレイト(ASTM D1238/加熱筒温度190℃・荷重2160g)が90〜130(g/10min)であることを特徴とする請求項1に記載の綜絖用樹脂組成物。
- ポリアセタール樹脂100質量部に対して帯電防止剤を0.5〜2.0質量部含有することを特徴とする請求項1または2に記載の綜絖用樹脂組成物。
- ポリアセタール樹脂がポリアセタール・ホモポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の綜絖用樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載された樹脂組成物からなる綜絖。
- 射出成形品であることを特徴とする請求項5に記載の綜絖。
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