JP4997680B2 - 非対称ジアニリド化合物又はその塩の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非対称トリフェノジオキサジン反応染料の中間体化合物等として有用な非対称ジアニリド化合物又はその塩の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、非対称ジアニリド化合物は低反応性アミン及び高反応性アミン混合物の水溶液中にベンゾキノン化合物を添加することにより製造されていた(特開平9−202788号公報の実施例1を参照)。
しかしながら、上記従来方法では、高反応性アミン化合物の2モルとベンゾキノン化合物の1モルが反応した対称形のジアニリド化合物が多量に副生し、目的とする非対称ジアニリド化合物の収率が低いという問題点があった。
又、必要に応じて酸化剤の存在下に、副生した対称形ジアニリド化合物と目的物である非対称ジオキサジン化合物との混合物を環化してトリフェノジオキサジン化合物を得、該トリフェノジオキサジン化合物に繊維反応基を導入して製造される非対称トリフェノジオキサジン反応染料には、副生した対称形のジアニリド化合物由来の対称形トリフェノジオキサジン反応染料が比較的多く含まれていた。そして、この対称形トリフェノジオキサジン反応染料が比較的多く含まれた反応染料を用いてセルロース繊維を染色すると、得られる染色物の塩素堅牢度が低下するという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、高収率で非対称ジアニリド化合物を製造することができ、且つトリフェノジオキサジン反応染料としたときに塩素堅牢度の優れた染色物を与えるような非対称ジアニリド化合物の製造方法を提供すべく鋭意検討した結果、低反応性アミン及びベンゾキノン化合物が存在する水中に高反応性アミン化合物を添加することによって上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、遊離酸の形で表すと、下式(2)
【0005】
【化5】
【0006】
(式中、R1はH原子又は炭素数1〜4のアルキルを表す。)
で示される低反応性アミン化合物及び下式(3)
【0007】
【化6】
【0008】
(式中、TはCl原子又はBr原子を表す。)
で示されるキノン化合物が存在する水中に、下式(4)
【0009】
【化7】
【0010】
(式中、R2はH原子又は炭素数1〜4のアルキルを表し、AはH原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のアルコキシを表す。)
で示される高反応性アミン化合物を添加することを特徴とする、遊離酸で表すと、下式(1)
【0011】
【化8】
【0012】
(式中、T、R1、R2及びAは、それぞれ前記の意味を表す。)で示される非対称ジアニリド化合物又はその塩の製造方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、低反応性アミン化合物(2)及びベンゾキノン化合物(4)が存在する水中に高反応性アミン化合物(3)を添加する方法であるが、添加及び熟成時の反応液の状態はスラリーであってもよく、溶液であってもよい。
本発明においては、例えば、低反応性アミン化合物(2)の半量及びベンゾキノン化合物(4)の全量が存在する水中に、低反応性アミン化合物(2)の残りの半量と高反応性アミン化合物(3)の全量とを同時に添加してもよい。
【0014】
高反応性アミン化合物(3)を添加するときの好ましい温度は10〜40℃の範囲であり、好ましいpHは4〜8の範囲である。上記pH範囲に調整する際のアルカリとしては、例えば炭酸ソーダや苛性ソーダ等が使用される。
高反応性アミン化合物(3)の好ましい添加時間は、10〜20時間である。高反応性アミン(3)はその単位時間当りの添加量が一定になるようにしてもよいが、単位時間当りの添加量が添加の後期になる程少なくなるように添加することがより好ましい。好ましい添加時間は10〜20時間の範囲である。
【0015】
ベンゾキノン化合物(4)と低反応性アミン化合物(2)及び高反応性アミン化合物(3)の混合物とのモル比は1:1.8〜1:2.4の範囲が好ましい。
高反応性アミン化合物(3)の添加終了後、10〜40℃の範囲で、低反応性アミン化合物(2)及び高反応性アミン化合物(3)のいずれか一方が消失するまで熟成することが好ましい。
【0016】
必要に応じ、例えば、反応混合物に食塩、ボウショウ、塩化カリウム又は硫酸カリウム等の中性塩を加えて塩析後、濾過により対称ジアニリド化合物と非対称ジアニリド化合物とを分離する。このようにして得られた非対称ジアニリド化合物(1)は、例えば特開平9−202788号公報の実施例1等に記載の方法により、非対称トリフェノジオキサジン反応染料に導くことができる。
【0017】
使用するアミン化合物及び得られる非対称ジアニリド化合物は、遊離酸の形でも塩の形でもよく、又、それらの混合物の形であってもよい。好ましくは、アルカリ金属塩の形、アルカリ土類金属塩の形、及びそれらを含有する混合物の形であり、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩及びそれらを含有する混合物が特に好ましい。
【0018】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、「部」は重量部を表す。
【0019】
実施例1
遊離酸の形で表すと、下式(5)
【0020】
【化9】
【0021】
で示される低反応性アミン化合物26.8部を水500部に加え、水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整して水溶液を得た。
別途、下式(6)
【0022】
【化10】
【0023】
で示されるベンゾキノン化合物24.6部と界面活性剤1部を水350部に加えて攪拌し、均一な分散液を得た。
更に別の容器に、遊離酸の形で表すと、下式(7)
【0024】
【化11】
【0025】
で示される高反応性アミン化合物21.8部を水200部に加え、水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整して水溶液を得た。
【0026】
次に、低反応性アミン化合物(5)の水溶液とベンゾキノン化合物(6)の分散液とを混合して15℃に保った混合液を得た。続いて、高反応性アミン化合物(7)の水溶液を上記混合液中へ20時間かけて反応温度が約15℃を保つように滴下した。高反応性アミン化合物(7)の水溶液の滴下速度は反応が進むに伴って遅くなるように5回調節した。又、滴下中は、反応液のpHが6を保つように炭酸ソーダ溶液を適宜加えた。滴下終了後、約2時間攪拌した後、遊離酸の形で表すと、下式(8)
【0027】
【化12】
【0028】
で示される非対称ジアニリド化合物を収率50%で得た。
【0029】
実施例2
上記低反応性アミン化合物(5)の37.6部を水500部に加えて水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整して水溶液を得た。
別の容器にベンゾキノン化合物(6)の29.5部と界面活性剤1部とを水350部に加えて攪拌し、均一な分散液を得た。
更に別の容器に、遊離酸の形で表すと、下式(9)
【0030】
【化13】
【0031】
で示される高反応性アミン化合物の18.8部を水200部に加えて水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整して水溶液を得た。
【0032】
次に、低反応性アミン化合物(5)の水溶液の半分量とベンゾキノン化合物(6)の分散液を混合して15℃に保った混合液を得た。続いて、高反応性アミン化合物(9)の水溶液を15時間かけて上記混合液へ一定速度で滴下した。その際、滴下5時間目に低反応性アミン化合物(5)の水溶液の1/4量を加えた。更に、滴下10時間目に低反応性アミン化合物(5)の水溶液の1/4量を加えた。高反応性アミン化合物(9)の滴下の間はpHが6を保つように炭酸ソーダ水溶液を適宜加えた。又、滴下の間は反応温度を15℃に保った。高反応性アミン化合物(9)の水溶液の滴下終了後、約2時間攪拌した後、遊離酸の形で表すと、下式(10)
【0033】
【化14】
【0034】
で示される非対称ジアニリド化合物を収率45%で得た。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、非対称ジアニリド化合物(1)が従来法に比べて高い収率で得られる。又、本発明によれば、対称形のジアニリド化合物の副生量が従来法に比べて少なく、且つ得られた反応混合物を塩析することによって容易に対称形のジアニリド化合物を除去することができるので、環化反応及び繊維反応性基の導入反応により得られる非対称トリフェノジオキサジン反応染料とした場合に、該反応染料によりセルロース繊維を染色したときの染色物の塩素堅牢度が、従来法により製造された非対称ジアニリド化合物(1)を環化反応後、得られた環化反応混合物に繊維反応性基を導入して得た反応染料を用いてセルロース繊維を染色したときの染色物の塩素堅牢度に比べて、格段に優れるという効果を奏する。
Claims (5)
- 遊離酸の形で表すと、下式(2)
で示される低反応性アミン化合物及び下式(3)
で示されるベンゾキノン化合物が存在する水中に、遊離酸の形で表すと、下式(4)
で示される高反応性アミン化合物を10〜40℃の範囲で添加することを特徴とする、遊離酸の形で表すと、下式(1)
で示される非対称ジアニリド化合物又はその塩の製造方法。 - R1及びR2が、H原子である請求項1に記載の方法。
- Tが、Cl原子である請求項1又は2に記載の方法。
- Aが、炭素数1〜4のアルコキシである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- Aが、メトキシである請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
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