JPH06184455A - 非対称ジオキサジン化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法 - Google Patents

非対称ジオキサジン化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法

Info

Publication number
JPH06184455A
JPH06184455A JP23321293A JP23321293A JPH06184455A JP H06184455 A JPH06184455 A JP H06184455A JP 23321293 A JP23321293 A JP 23321293A JP 23321293 A JP23321293 A JP 23321293A JP H06184455 A JPH06184455 A JP H06184455A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
sulfo
compound
compound according
hydrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23321293A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Tatsuma
正彦 辰馬
Kingo Akahori
金吾 赤堀
Junya Hata
淳也 秦
Takashi Omura
隆 尾村
Shigeru Kawabata
繁 河端
Naoki Harada
尚樹 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP23321293A priority Critical patent/JPH06184455A/ja
Publication of JPH06184455A publication Critical patent/JPH06184455A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B62/00Reactive dyes, i.e. dyes which form covalent bonds with the substrates or which polymerise with themselves
    • C09B62/44Reactive dyes, i.e. dyes which form covalent bonds with the substrates or which polymerise with themselves with the reactive group not directly attached to a heterocyclic ring
    • C09B62/503Reactive dyes, i.e. dyes which form covalent bonds with the substrates or which polymerise with themselves with the reactive group not directly attached to a heterocyclic ring the reactive group being an esterified or non-esterified hydroxyalkyl sulfonyl or mercaptoalkyl sulfonyl group, a quaternised or non-quaternised aminoalkyl sulfonyl group, a heterylmercapto alkyl sulfonyl group, a vinyl sulfonyl or a substituted vinyl sulfonyl group, or a thiophene-dioxide group
    • C09B62/5033Dioxazine dyes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維材料を諸堅牢性良好な青色に染色又は捺
染する非対称ジオキサジン化合物を提供する。 【構成】 この化合物は、遊離酸の形で下式(I)で示
され、繊維材料の染色又は捺染に使用できる。 式中、Rはスルホ、ハロゲン又はアルコキシ、R1 、R
2 、R3 、R5 は水素又はアルキル、R4 は水素、アル
キル又はアシル、X1 、X2 は水素、ハロゲン、アルキ
ル、アルコキシ又はフェノキシ、Yはフェニレン又はナ
フチレン、Zはビニルスルホン系反応基、R6 はスル
ホ、ハロゲン、カルボキシ、アルキル又はアルコキシ、
7 、R8 は水素、スルホ、ハロゲン、カルボキシ、ア
ルキル又はアルコキシである。但しR6 がスルホのと
き、R7 、R8 の一方はハロゲン、カルボキシ、アルキ
ル又はアルコキシであり、またR6 がアルコキシのと
き、R7 、R8 の一方はスルホ、ハロゲン、カルボキ
シ、アルキル又はアルコキシである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロキシル基及び/
又はアミド基を含有する材料、特にセルロース繊維、天
然又は合成ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維、あるい
は皮革等、更にはそれらの混紡繊維を染色及び捺染する
に適し、耐光堅牢、耐湿潤堅牢かつ耐塩素堅牢な染色を
可能にする改良された新規なジオキサジン化合物、並び
にその適用に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニルスルホン系反応基を有する非対称
ジオキサジン反応染料は、例えば特開平 3-770号公報等
において公知であるが、染色性能面、例えば均染性、ビ
ルドアップ性、染色速度において不十分であり、更にレ
ベルアップが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ヒドロキシル基及び/
又はアミド基を含有する材料を染色及び捺染する上で、
前記した公知化合物は、高度化する染色性能に関する要
求を十分には満たしていないため、本発明者らは鋭意こ
のレベルアップに努め、上記課題を解決し得るビニルス
ルホン系反応基を有する非対称ジオキサジン化合物を見
いだした。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、遊離酸の形で
下記一般式(I)
【0005】
【0006】〔式中、Rはスルホ基、ハロゲン又はアル
コキシ基を、R1 、R2 、R3 及びR5 は互いに独立に
水素又は置換基を有していてもよい低級アルキル基を、
4は水素、置換基を有していてもよい低級アルキル基
又はアシル基を、 X1 及びX2 は互いに独立に水素、
ハロゲン、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はフェ
ノキシ基を、Yは置換基を有していてもよいフェニレン
又はナフチレン基を、Zは−SO2CH=CH2 又は−
SO2CH2CH2Z′(Z′はアルカリの作用で脱離す
る基を表す)を、R6 はスルホ基、ハロゲン、カルボキ
シ基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を、R7
びR8 は互いに独立に水素、スルホ基、ハロゲン、カル
ボキシ基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を表
し、但しR6がスルホ基である場合には、R7 及びR8
のいずれか一方は、ハロゲン、カルボキシ基、低級アル
キル基又は低級アルコキシ基であり、またR6 が低級ア
ルコキシ基である場合には、R7 及びR8 のいずれか一
方は、スルホ基、ハロゲン、カルボキシ基、低級アルキ
ル基又は低級アルコキシ基である〕で示される非対称ジ
オキサジン化合物及び、それを用いて繊維材料を染色又
は捺染する方法を提供するものである。
【0007】ここで、Rとしては、スルホ基、塩素、臭
素のようなハロゲン、メトキシ基、エトキシ基のような
アルコキシ基が例示されるが、中でもスルホ基が好まし
い。またRの置換位置は、−NR34 の隣接位が特に
好ましい。
【0008】R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 で表され
る置換基を有していてもよい低級アルキル基としては、
1 〜C4 のアルキル基が好ましい。アルキル基に置換
してもよい基は、例えば、ヒドロキシ、シアノ、アルコ
キシ、ハロゲン、カルバモイル、カルボキシ、アルコキ
シカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、スルホ、ス
ルファモイルなどを包含する。このような置換アルキル
基の具体例としては、2−ヒドロキシエチル、2−ヒド
ロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロ
キシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロ
キシプロピル、3,4−ジヒドロキシブチル、シアノメ
チル、2−シアノエチル、3−シアノプロピル、メトキ
シメチル、エトキシメチル、2−メトキシエチル、2−
エトキシエチル、3−メトキシプロピル、3−エトキシ
プロピル、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル、ク
ロロメチル、ブロモメチル、2−クロロエチル、2−ブ
ロモエチル、3−クロロプロピル、3−ブロモプロピ
ル、4−クロロブチル、4−ブロモブチル、カルボキシ
メチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピ
ル、4−カルボキシブチル、1,2−ジカルボキシエチ
ル、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、3
−カルバモイルプロピル、4−カルバモイルブチル、メ
トキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、
2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニ
ルエチル、3−メトキシカルボニルプロピル、3−エト
キシカルボニルプロピル、4−メトキシカルボニルブチ
ル、4−エトキシカルボニルブチル、メチルカルボニル
オキシメチル、エチルカルボニルオキシメチル、2−メ
チルカルボニルオキシエチル、2−エチルカルボニルオ
キシエチル、3−エチルカルボニルオキシプロピル、4
−メチルカルボニルオキシブチル、4−エチルカルボニ
ルオキシブチル、 スルホメチル、2−スルホエチル、
3−スルホプロピル、4−スルホブチル、スルファモイ
ルメチル、2−スルファモイルエチル、3−スルファモ
イルプロピル、4−スルファモイルブチルなどが挙げら
れる。
【0009】R4 で表されるアシル基としては、アセチ
ル基、プロピオニル基、ベンゾイル基などが例示される
が、特にアセチル基が好ましい。
【0010】本発明においては、R2 が水素、メチル基
又はエチル基である場合ならびに、R1 、R3 、R4
びR5 が水素である場合が、染料特性上特に好ましい。
【0011】R6、R7及びR8 で表される低級アルキル
基及び低級アルコキシ基としては、C1 〜C4 のアルキ
ル基及びC1 〜C4 のアルコキシ基が好ましく、メチル
基、エチル基、メトキシ基又はエトキシ基が特に好まし
い。
【0012】R6、R7及びR8 の組合せにおいて、染料
特性上特に好ましいものとしては、R6 がスルホ基であ
り、R7 が水素、R8 がメチル基、メトキシ基又はカル
ボキシ基である場合、R6 がカルボキシ基であり、R7
が水素、R8 がメチル基、メトキシ基又はスルホ基であ
る場合、R6 がメチル基又はメトキシ基であり、R7
水素、R8 がスルホ基、メチル基又はメトキシ基である
場合、及びR6 がメチル基又はメトキシ基であり、R7
がスルホ基、R8 がメチル基又はメトキシ基である場合
が挙げられる。
【0013】X1 及びX2 としては、ハロゲンが好まし
く、中でも、塩素又は臭素が特に好ましい。
【0014】Z′で表されるアルカリの作用で脱離する
基としては、例えば硫酸エステル、チオ硫酸エステル、
リン酸エステル、酢酸エステル、ハロゲンなどがこれに
該当するが、特に硫酸エステルが好ましい。
【0015】Yで表される置換基を有していてもよいフ
ェニレン基は、好ましくはメチル、エチル、メトキシ、
エトキシ、カルボキシ、塩素、臭素及びスルホの群から
選ばれる1又は2個の置換基により置換されていてもよ
いフェニレン基であり、また置換基を有していてもよい
ナフチレン基は、好ましくはスルホ1個又は2個で置換
されていてもよいナフチレン基である。Yとして具体的
には、例えば次のようなものが挙げられる。
【0016】
【0017】〔式中、星印で示した結合は、−N(R
2 )−に通じていることを意味し、以下の説明において
も同様である〕
【0018】中でも好ましいYは、以下に示すフェニレ
ンである。
【0019】
【0020】更に、特に好ましいYは、次式のm−フェ
ニレンである。
【0021】
【0022】本発明化合物は、遊離酸の形で又はその塩
の形で存在し、特にアルカリ金属塩及びアルカリ土類金
属塩、中でもソーダ塩、カリ塩及びリチウム塩が好まし
い。
【0023】本発明化合物は、例えば以下のようにして
製造することができる。下記一般式(II)
【0024】
【0025】(式中、R、R1 、R3 、R4 、X1 及び
2 は前記の意味を有する)で示されるジオキサジン中
間体と、下記一般式 (III) (式中、R2 、Y及びZは前記の意味を有する)で示さ
れるアミン化合物、及び下記一般式(IV)
【0026】
【0027】(式中、R5 、R6 、R7 及びR8 は前記
の意味を有する)で示される化合物とをそれぞれ、2,
4,6−トリハロゲノ−s−トリアジンに任意の順序で
縮合させることにより、一般式(I)の非対称ジオサジ
ン化合物が得られる。
【0028】2,4,6−トリハロゲノ−s−トリアジ
ンとの縮合反応において、その順序は特に制限されるも
のでなく、また反応条件も特に制限されないが、一次的
には温度−10℃乃至40℃でpH2乃至9、二次的に
は温度0乃至70℃でpH2乃至9、三次的には温度1
0乃至100℃でpH2乃至7に調節しながら縮合させ
て、一般式(I)で示される非対称ジオキサジン化合物
又はその塩を得ることができる。
【0029】一般式(II)で示されるジオキサジン中間
体は、それ自体公知の方法によって合成されるが、例え
ば以下のように合成することができる。
【0030】下記一般式(V)
【0031】
【0032】(式中、X1 及びX2 は前記の意味を有
し、X3 及びX4 はハロゲンを表す)で示される1,4
−ベンゾキノン化合物を、下記一般式(VI)
【0033】
【0034】(式中、R1 は前記の意味を有する)で示
されるジアミノベンゼン化合物及び下記一般式(VII)
【0035】
【0036】(式中、R、R3 及びR4 は前記の意味を
有するが、但し、Rの置換位置は、基−NR34 のo
−位又はスルホ基のp−位である)で示されるジアミノ
ベンゼン化合物と縮合させ、下記一般式(VIII)
【0037】
【0038】(式中、R、R1、R3、R4 、X1 及びX
2 は前記の意味を有するが、但し、Rの置換位置は、基
−NR34 のo−位又はスルホ基のp−位である)で
示されるジアニリド化合物を生成させ、場合によっては
酸化剤の存在下、環化させて、一般式(II)のジオキサ
ジン中間体が得られる。
【0039】また、Rがスルホ基である場合には、一般
式(II)において、Rが水素であるジオキサジン化合物
をスルホン化することによって、Rがスルホ基である一
般式(II)で示されるジオキサジン中間体を得ることが
できる。
【0040】さらに、R3 及び/又はR4 が置換基を有
していてもよい低級アルキル基である場合には、R3
び/又はR4 が置換基を有していてもよい低級アルキル
基である各々対応する一般式(VII) のジアミノベンゼン
化合物を用いて一般式(VIII)で示されるジアニリド化合
物を生成させ、場合によっては酸化剤の存在下、環化さ
せて、一般式(II)のジオキサジン中間体が得られる。
【0041】また、R4 がアシル基である場合には、R
4 がアシル基である対応する一般式(VII) のジアミノベ
ンゼン化合物を用いて一般式(VIII)で示されるジアニ
リド化合物を生成させ、場合によっては酸化剤の存在
下、環化させて、一般式(II)のジオキサジン中間体が
得られる。
【0042】一般式(IV)で示される化合物としては、
次のようなものが例示される。
【0043】
【0044】
【0045】一般式(VII) で示されるジアミノベンゼン
化合物としては、次のようなもの及びそのスルホ基に隣
接するアミノ基の置換体が例示される。
【0046】
【0047】中でも好ましい一般式(VII) のジアミノベ
ンゼン化合物は、次式で示される。
【0048】
【0049】本発明化合物は、繊維反応性を有し、ヒド
ロキシル基含有又はカルボンアミド基含有材料の染色又
は捺染に使用できる。材料は繊維材料の形で、あるいは
その混紡材料の形で使用されるのが好ましい。
【0050】ヒドロキシル基含有材料は、天然又は合成
ヒドロキシル基含有材料であることができ、例えばセル
ロース繊維材料又はその再生生成物、ポリビニルアルコ
ールなどを包含する。セルロース繊維材料は、木綿、更
にはその他の植物繊維、例えばリネン、麻、ジュート及
びラミー繊維が好ましい。再生セルロース繊維は、例え
ばビスコース・ステープル及びフィラメントビスコース
である。
【0051】カルボンアミド基含有材料は、例えば合成
及び天然のポリアミドならびにポリウレタンであること
ができ、特に繊維の形で、例えば羊毛及びその他の動物
毛、絹、皮革、ポリアミド−6,6、ポリアミド−6、
ポリアミド−11、ポリアミド−4などを包含する。
【0052】本発明化合物は、上述の材料上に、特に上
述の繊維材料上に、物理的化学的性状に応じた方法で、
染色又は捺染できる。
【0053】例えば、セルロース繊維上に吸尽染色する
場合は、炭酸ソーダ、第三燐酸ソーダ、苛性ソーダ等の
酸結合剤の存在下、場合により中性塩、例えば芒硝又は
食塩を加え、所望によっては、溶解助剤、浸透剤又は均
染剤を併用し、比較的低い温度で行われる。染料の吸尽
を促進する中性塩は、本来の染色温度に達した後に初め
て、又はそれ以前に、場合によっては分割して添加でき
る。
【0054】パジング法に従ってセルロース繊維を染色
する場合、室温又は高められた温度でパッドし、乾燥
後、スチーミング又は乾熱によって固着できる。
【0055】セルロース繊維に対して捺染を行う場合、
一相で、例えば重曹又はその他の酸結合剤を含有する捺
染ペーストで捺染し、次いで95〜160℃でスチーミ
ングすることによって、あるいは二相で、例えば中性又
は弱酸性捺染ペーストで捺染し、これを熱い電解質含有
アルカリ性浴に通過させ、又はアルカリ性電解質含有パ
ジング液でオーバーパジングし、スチーミング又は乾熱
処理して実施できる。
【0056】捺染ペーストには、例えばアルギン酸ソー
ダ又は澱粉エーテルのような糊剤又は乳化剤が、所望に
よっては、例えば尿素のような通常の捺染助剤かつ(又
は)分散剤と併用して用いられる。
【0057】セルロース繊維上に本発明化合物を固着さ
せるに適した酸結合剤は、例えばアルカリ金属又はアル
カリ土類金属と無機又は有機酸あるいは加熱状態でアル
カリを遊離する化合物との水溶性塩基性塩である。特に
アルカリ金属の水酸化物及び弱ないし中程度の強さの無
機又は有機酸のアルカリ金属塩が挙げられ、その内、特
にソーダ塩及びカリ塩が好ましい。このような酸結合剤
として、例えば苛性ソーダ、苛性カリ、重曹、炭酸ソー
ダ、蟻酸ソーダ、炭酸カリ、第一、第二又は第三燐酸ソ
ーダ、ケイ酸ソーダ、トリクロロ酢酸ソーダ等が挙げら
れる。
【0058】合成及び天然のポリアミド及びポリウレタ
ン繊維の染色は、まず酸性ないし弱酸性の染浴からpH
値の制御下に吸尽させ、次に固着させるため中性、場合
によりアルカリ性のpH値に変化させることによって行
うことができる。染色は通常60〜120℃の温度で行
えるが、均染性を達成するために通常の均染剤、例えば
塩化シアヌルと3倍モルのアミノベンゼンスルホン酸又
はアミノナフタレンスルホン酸との縮合化合物あるい
は、例えばステアリルアミンとエチレンオキサイドとの
付加生成物を用いることもできる。
【0059】本発明化合物は、繊維材料に対する染色及
び捺染において優れた性能を発揮する点に特徴がある。
特にセルロース繊維材料の染色に好適であり、この化合
物で染色したセルロース繊維材料は、良好な耐光性と耐
汗日光性、優れた耐湿潤性、例えば耐洗濯性、耐過酸化
洗濯性、耐汗性、耐酸加水分解性及び耐アルカリ性、更
に良好な耐塩素性、耐摩擦性と耐アイロン性を示す。
【0060】また優れたビルドアップ性、均染性及びウ
ォッシュオフ性、さらに良好な溶解性と吸尽・固着性を
有する点、染色温度や浴比又は染色助剤の量の変動によ
る影響を受けにくく安定した品質の染色物が得られる点
において、特徴を有する。
【0061】更には、得られた染色物のフィックス処理
時や樹脂加工時における変色が少なく、保存時の塩基性
物質との接触による変化が少ないことも特徴である。
【0062】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。例中、部及び%は、各々重量部及び重量%を表す。
【0063】実施例1 1,4−フェニレンジアミン−2,6−ジスルホン酸6
9.7部と、1,4−フェニレンジアミン−2−スルホン
酸48.9部を水に溶解させた。次に、32.0部のクロラ
ニルを添加し、常温でpHを4〜8に調節し、反応が終
了するまで攪拌した。その後塩析を行い、結晶を単離し
て乾燥させた。得られたジアニリド化合物は、遊離酸と
して下記の構造で示される。
【0064】
【0065】得られたジアニリド化合物69.9部を10
〜30%発煙硫酸4500部に0/15℃で添加し、1
5〜40℃で反応が終了するまで攪拌した。この反応混
合液を氷水に注ぎ、析出した結晶を濾別し、得られたケ
ーキに水を加え、さらに苛性ソーダ溶液でpHを3〜6
に調節した。次に食塩を用いて塩析を行い、析出した結
晶を濾別した。得られたジオキサジン中間体は、遊離酸
として下記の構造で示される。
【0066】
【0067】得られたジオキサジン中間体62.5部を水
1500部に溶解させ、5〜30℃の温度で塩化シアヌ
ル18.5部を添加し、炭酸ソーダ溶液でpH2〜7に保
ちつつ、反応が終了するまで攪拌した。次に、2−メチ
ルアニリン−5−スルホン酸18.7部を加え、pH2〜
6に保ちつつ、10〜50℃で反応させた。得られた化
合物は、遊離酸として下記の構造を有するジオキサジン
中間化合物であった。
【0068】
【0069】得られたジオキサジン中間化合物79.9部
を水に溶解させ、1−アミノベンゼン−3−β−スルフ
ァートエチルスルホン23.9部を加え、pH2〜5に保
ちつつ、50〜70℃まで昇温し、同じ条件で反応が終
了するまで攪拌した。常温まで下がった反応混合液に塩
化カリウムを添加し、析出した結晶を単離した。この化
合物は、遊離酸として下記の構造で示される非対称ジオ
キサジン化合物であった。
【0070】
【0071】実施例2 実施例1で用いたクロラニルの代わりに等モルのブロマ
ニルを用いて、実施例1と同様のジアニリド化を行うこ
とにより、遊離酸として下記構造で示されるジアニリド
化合物が得られた。
【0072】
【0073】このジアニリド化合物を実施例1と同様の
方法で環化させることにより、遊離酸として下記構造で
示されるジオキサジン中間体が得られた。
【0074】
【0075】このジオキサジン中間体を用いて実施例1
と同様の方法で、塩化シアヌルとの一次及び二次の縮合
を行い、遊離酸として下記構造で示されるジオキサジン
中間化合物を得た。
【0076】
【0077】更にこのジオキサジン中間化合物を用い
て、実施例1と同様の方法で三次の縮合を行った。得ら
れた化合物は、遊離酸として下記構造で示される非対称
ジオキサジン化合物であった。
【0078】
【0079】染色実施例1 実施例1及び2で得られたそれぞれの非対称ジオキサジ
ン化合物0.1部、0.3部及び0.6部を各々水200部に
溶解し、芒硝10部と木綿10部を加え、60℃に昇温
し、炭酸ソーダ4部を加えて1時間染色した。水洗、ソ
ーピング、水洗そして乾燥を行い、諸堅牢度、特に塩素
堅牢度に優れ、良好なビルドアップ性を有する帯赤味青
色の染色物が得られた。
【0080】実施例3〜31 実施例1で用いた1,4−フェニレンジアミン−2,6
−ジスルホン酸の代わりに、等モルの下表に示す一般式
(VII) の化合物を用い、実施例1と同様の方法により、
それぞれに対応するジオキサジン中間体(II)を得た。
この得られたジオキサジン中間体を塩化シアヌル18.5
部と反応させ、続けて実施例1の2−メチルアニリン−
5−スルホン酸の代わりに、等モルの下表に示す一般式
(IV)のアミン化合物を用いて、それぞれに対応するジ
オキサジン中間化合物を得た後、実施例1の1−アミノ
ベンゼン−3−β−スルファートエチルスルホンの代わ
りに、等モルの下表に示す一般式(III) のアミン化合物
を用いて、実施例1と同様の方法により対応する非対称
ジオキサジン化合物を得た。得られた非対称ジオキサジ
ン化合物で木綿を染色して、下表最右欄に示す色相の染
色物を得た。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】
【表7】
【0088】
【表8】
【0089】染色実施例2 実施例3〜31で得られたそれぞれの非対称ジオキサジ
ン化合物0.1部、0.3部及び0.6部を各々水200部に
溶解し、芒硝10部と木綿10部を加え、60℃に昇温
し、炭酸ソーダ4部を加えて1時間染色した。水洗、ソ
ーピング、水洗そして乾燥を行い、諸堅牢度、特に塩素
堅牢度に優れ、良好なビルドアップ性を有する帯赤味青
色の染色物が得られた。
【0090】実施例32 実施例1において、2−メチルアニリン−5−スルホン
酸と1−アミノベンゼン−3−β−スルファートエチル
スルホンの、塩化シアヌルとの縮合順序を入れ換えるこ
とによっても、実施例1と同じ化合物が得られた。
【0091】実施例33 4−メトキシアニリン−2−スルホン酸19.5部を、水
250部に炭酸ソーダで中和しながら加え、溶解させ
た。ここに5〜30℃で塩化シアヌル18.5部を加え、
反応が終了するまで攪拌した。この反応液に、実施例1
に記載の方法で得られたジオキサジン中間体62.5部を
加えた。炭酸ソーダで遊離する塩酸を中和しつつ、反応
を終了させた。得られたジオキサジン中間化合物に、1
−アミノベンゼン−3−β−スルファートエチルスルホ
ン25.3部を加え、pH2〜5に保ちながら、50〜7
0℃まで昇温し、反応が終了するまで攪拌した。この混
合液に塩化カリウムを添加し、析出した結晶を単離し
た。この化合物は、遊離酸として下記の構造を有する非
対称ジオキサジン化合物であった。
【0092】
【0093】実施例34〜57 実施例1の1,4−フェニレンジアミン−2,6−ジス
ルホン酸の代わりに、等モルの下表に示す一般式(VII)
の化合物を用いて、実施例1と同様の方法により、それ
ぞれに対応するジオキサジン中間体(II)を得た。この
得られたジオキサジン中間体を用い、また実施例33の
4−メトキシアニリン−2−スルホン酸の代わりに、等
モルの下表に示す一般式(IV)のアミン化合物を、そし
て実施例33の1−アミノベンゼン−3−β−スルファ
ートエチルスルホンの代わりに、等モルの下表に示す一
般式(III) のアミン化合物を用いて、実施例33と同様
の方法を行い、対応する非対称ジオキサジン化合物を得
た。得られた非対称ジオキサジン化合物を用いて木綿を
染色し、下表最右欄に示す色調の染色物を得た。
【0094】
【表9】
【0095】
【表10】
【0096】
【表11】
【0097】
【表12】
【0098】
【表13】
【0099】
【表14】
【0100】染色実施例3 実施例33〜57で得たそれぞれの非対称ジオキサジン
化合物0.1部、0.3部及び0.6部を各々水200部に溶
解し、芒硝10部と木綿10部を加え、60℃に昇温
し、炭酸ソーダ4部を加えて1時間染色した。水洗、ソ
ーピング、水洗、そして乾燥を行い、諸堅牢度、特に塩
素堅牢度に優れ、良好なビルドアップ性を有する帯赤味
青色の染色物が得られた。
【0101】捺染実施例 染色実施例1〜3で使用した非対称ジオキサジン化合物
のそれぞれを用いて、以下の組成を持つ色糊を作った。
【0102】 非対称ジオキサジン化合物 5部 尿 素 5部 アルギン酸ソーダ(5%)元糊 50部 熱 湯 25部 重 曹 2部 水 13部
【0103】この色糊をシルケット加工綿ブロード上に
印捺し、中間乾燥後、100℃で5分間スチーミングを
行い、湯洗い、ソーピング、湯洗い、そして乾燥した。
得られた捺染物は、諸堅牢度、特に塩素堅牢度に優れ、
良好なビルドアップ性を有していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾村 隆 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内 (72)発明者 河端 繁 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内 (72)発明者 原田 尚樹 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊離酸の形で下記一般式(I) 〔式中、Rはスルホ基、ハロゲン又はアルコキシ基を、
    1 、R2 、R3 及びR5 は互いに独立に水素又は置換
    基を有していてもよい低級アルキル基を、R4は水素、
    置換基を有していてもよい低級アルキル基又はアシル基
    を、 X1 及びX2 は互いに独立に水素、ハロゲン、低
    級アルキル基、低級アルコキシ基又はフェノキシ基を、
    Yは置換基を有していてもよいフェニレン又はナフチレ
    ン基を、Zは−SO2CH=CH2 又は−SO2CH2
    2Z′(Z′はアルカリの作用で脱離する基を表す)
    を、R6 はスルホ基、ハロゲン、カルボキシ基、低級ア
    ルキル基又は低級アルコキシ基を、R7 及びR8 は互い
    に独立に水素、スルホ基、ハロゲン、カルボキシ基、低
    級アルキル基又は低級アルコキシ基を表し、但しR6
    スルホ基である場合には、R7 及びR8 のいずれか一方
    は、ハロゲン、カルボキシ基、低級アルキル基又は低級
    アルコキシ基であり、またR6 が低級アルコキシ基であ
    る場合には、R7 及びR8 のいずれか一方は、スルホ
    基、ハロゲン、カルボキシ基、低級アルキル基又は低級
    アルコキシ基である〕で示される非対称ジオキサジン化
    合物。
  2. 【請求項2】X1 及びX2 が塩素又は臭素である請求項
    1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】Rがスルホ基である請求項1又は2に記載
    の化合物。
  4. 【請求項4】Rが−NR34 の隣接位に結合している
    請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  5. 【請求項5】R1 が水素である請求項1〜4のいずれか
    に記載の化合物。
  6. 【請求項6】R2 が水素、メチル基又はエチル基である
    請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  7. 【請求項7】R3 及びR4 が水素である請求項1〜6の
    いずれかに記載の化合物。
  8. 【請求項8】R5 が水素である請求項1〜7のいずれか
    に記載の化合物。
  9. 【請求項9】R6 がスルホ基であり、R7 が水素であ
    り、R8 がメチル基、メトキシ基又はカルボキシ基であ
    る請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
  10. 【請求項10】R6 がカルボキシ基であり、R7 が水素
    であり、R8 がメチル基、メトキシ基又はスルホ基であ
    る請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
  11. 【請求項11】R6 がメチル基又はメトキシ基であり、
    そしてR7 が水素で、R8 がスルホ基、メチル基もし
    くはメトキシ基であるか、又はR7 がスルホ基で、R8
    がメチル基もしくはメトキシ基である請求項1〜8のい
    ずれかに記載の化合物。
  12. 【請求項12】Yがメチル基、エチル基、メトキシ基、
    エトキシ基、塩素、臭素、スルホ基及びカルボキシ基の
    群から選ばれる1もしくは2個の置換基によって置換さ
    れていてもよいフェニレン基であるか、又はスルホ基で
    置換されていてもよいナフチレン基である請求項1〜1
    1のいずれかに記載の化合物。
  13. 【請求項13】Zがビニルスルホニル基又はβ−スルフ
    ァートエチルスルホニル基である請求項1〜12のいず
    れかに記載の化合物。
  14. 【請求項14】請求項1〜13のいずれかに記載の非対
    称ジオキサジン化合物を用いることを特徴とする繊維材
    料を染色又は捺染する方法。
JP23321293A 1992-10-09 1993-09-20 非対称ジオキサジン化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法 Pending JPH06184455A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23321293A JPH06184455A (ja) 1992-10-09 1993-09-20 非対称ジオキサジン化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-271753 1992-10-09
JP27175392 1992-10-09
JP23321293A JPH06184455A (ja) 1992-10-09 1993-09-20 非対称ジオキサジン化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06184455A true JPH06184455A (ja) 1994-07-05

Family

ID=26530913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23321293A Pending JPH06184455A (ja) 1992-10-09 1993-09-20 非対称ジオキサジン化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06184455A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003104989A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Sumitomo Chem Co Ltd ジオキサジン化合物の製造方法
JP2003104952A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Sumitomo Chem Co Ltd 非対称ジアニリド化合物又はその塩の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003104989A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Sumitomo Chem Co Ltd ジオキサジン化合物の製造方法
JP2003104952A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Sumitomo Chem Co Ltd 非対称ジアニリド化合物又はその塩の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4785098A (en) Water-soluble triphendioxazine compounds
JPH07116376B2 (ja) ジオキサジン化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法
JPH0788476B2 (ja) ジオキサジン化合物及びそれを用いて繊維材料を染色または捺染する方法
US6146430A (en) Asymmetric dioxazine compound and method for dyeing or printing fiber Material using the same
JP3317120B2 (ja) 非対称ジオキサジン化合物、その中間体化合物及び非対称ジオキサジン化合物の適用
JPH06184455A (ja) 非対称ジオキサジン化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法
JPH0461030B2 (ja)
JPH0458509B2 (ja)
JPS6251674A (ja) 水溶性トリフエンジオキサジン−化合物、その製造法及びこれを用いる染色法
JPH06107961A (ja) 非対称ジオキサジン化合物およびそれを用いて繊維材料を染色または捺染する方法
JPH0558034B2 (ja)
JPS63207862A (ja) 水溶性モノアゾ化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法
JPH0436190B2 (ja)
JP2754656B2 (ja) 非対称ジオキサジン化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法
JP3498338B2 (ja) ビスアゾ化合物およびそれを用いて繊維材料を染色または捺染する方法
JPH0149304B2 (ja)
JPS59174652A (ja) ビスアゾ化合物及びそれを用いて染色又は捺染する方法
JPH0673670A (ja) 非対称ジオキサジン化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法
KR930009241B1 (ko) 섬유 반응성 프탈로시아닌 화합물의 제조방법
JPH0550546B2 (ja)
JPS61123669A (ja) モノアゾ化合物およびそれを用いる染色または捺染法
JPH0826239B2 (ja) 水溶性モノアゾ化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法
JPH06128500A (ja) 非対称ジオキサジン化合物及びそれを用いて繊維材料を染色又は捺染する方法
JPS60163972A (ja) モノアゾ化合物およびそれを用いて染色または捺染する方法
JPH0455228B2 (ja)