JP4994258B2 - 貴金属担持物並びにアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

貴金属担持物並びにアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、パラジウム金属化合物が担体上に担持された貴金属担持物、並びに貴金属担持物を触媒として使用するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの製造方法に関する。
パラジウム金属化合物は、触媒として広く工業的に利用されている。
本明細書において使用される用語「パラジウム金属化合物」は、長年にわたりパラジウムの格子が異種金属によって置換されたパラジウム金属間化合物及びパラジウムと異種金属とが固溶体を形成しているパラジウム合金を包含することを意味する。
パラジウムは、触媒として単独で使用されているが、一般的には、パラジウムが高価であること、また、高い反応性を実現するという目的に鑑み、担体上に分散して用いられる。化学工業プロセスでは、パラジウム担持触媒は、例えば、酸化反応、還元反応、水素化反応等の様々な反応に、また、自動車排ガスの浄化触媒などに広く使用されている。パラジウムは反応の特性、用途によって様々な種類の担体に担持され用いられている。担体内部まで均一に貴金属成分が担持された触媒では、反応の種類によっては、反応原料、反応生成物の拡散が担体内部の細孔の抵抗によって妨げられる場合がある。その場合、担体内部に担持された触媒成分は有効に利用されないことになる。また、反応の種類、反応装置のタイプなどによっては、粒子表面に担持された触媒成分は、反応副生物の吸着や、被毒物質の蓄積などによって活性点が覆われ失活する場合や、また、担体粒子同士の、及び壁面等との衝突による摩耗によって担体粒子が削れ、その結果触媒活性成分が脱落し触媒が失活する場合がある。そこで、反応活性を維持しながら、触媒の寿命を延ばすために、触媒の活性成分を担体の外表面には分布させず、担体のやや内部に担持させる担持法も古くから提案されている。そのような触媒の調製法としては、含浸法、イオン交換法、化学反応法(例えば可溶性パラジウムを反応によって不溶化させ担体上に沈積させる。)などが知られている。
パラジウム成分の担体上での分布を変化させた例が、日本化学会誌、(4)、p.261−268(1990)に報告されている。ここでは、担体として粒子径3mm(3000μm)の球状アルミナを用い、塩酸に溶かしたパラジウムをイオン交換によって吸着させた時に、1分後、25分後、1時間後、12時間後、20時間後の吸着時間によってパラジウムの分布や担持量が変化し、吸着が約1時間でほぼ平衡に達していることが報告されている。しかしながら、吸着時間が1分の場合でさえも、パラジウムは、担体の外表面から約300μmの深さまでには殆ど分布せず、担体の外表面から約300μmの深さから担体内部に向かって幅約150μmの範囲に帯状に分布している。さらに時間の経過とともにパラジウム担持量は増加し、1時間以上では担体全体に均一な分布となっている。
ここには、1分以内の記載はないが、1分で担体の外表面から約300μmの深さまでの範囲にはパラジウムが殆んど存在せず、そこから内部に向かって幅約150μmの範囲に帯状に分布することを考えれば、この方法では担体表面から100μmの深さまでの非常に狭い範囲内にパラジウムを実質的に存在させるような分布制御は現実的には困難である。また、担体としてシリカゲルを用い、パラジウムイオンとアンモニウムイオンとを共存させた触媒の調製例も知られているが、この場合パラジウムは担体粒子内に均一に担持されている。
担体の表面から100μmの深さまでという極めて狭い範囲のみにパラジウムが存在するパラジウム担持物は知られていなかった。
本発明は、担体に担持された貴金属Pdを効果的に利用するために、パラジウム金属化合物の担体内における分布を制御し、特定の範囲に選択的にPd金属化合物を存在させた担持物を提供することを目的とする。本発明はまた、表面近傍にパラジウム金属化合物を担持させ、内部にはパラジウム金属化合物を存在させないようにすることにより、活性の高いパラジウム担持物を提供する。また、本発明は、触媒毒物質の蓄積や摩耗による活性成分の脱落が懸念される場合には、さらに最外層にもパラジウム金属化合物が存在しない層を設けることにより、長い触媒寿命を有する貴金属担持組成物にも関する。
本発明者らは担持触媒とその反応特性について数多くの反応例を基に研究を行ってきた。高価なパラジウム等の貴金属成分を触媒成分として使用する場合の多くは、触媒成分を担体に担持することが必須である。本発明者らは、反応に反応活性を考慮して担持触媒を用いる場合、反応物等が瞬時に反応できるようにパラジウム金属化合物を担持させることが有効であることを見出した。すなわち、担体細孔内における反応物質の拡散速度が反応速度に影響を与える場合には、貴金属成分の分布が担体の外表面にできるだけ近接し、拡散の影響の大きい担体の中心部には貴金属成分が存在しない触媒を得ることが有効であることを見出した。また、本発明者らは、重質油改質、燃焼触媒等における被毒物質の蓄積が起こる反応に有効なパラジウム含有金属担持物において、または流動層、気泡塔、撹拌型反応器などにおけるように、触媒粒子の摩耗が懸念される場合には、最外層としてパラジウム金属化合物の存在しない薄い層を上記触媒粒子とともに用いる貴金属成分を担持させることにより、反応の活性低下も招くことなく、触媒の耐久性を大幅に改善できることを見出した。反応活性を低下させることなく耐久性を改善することができれば、触媒寿命を大幅に伸ばし経済性を高めることができる。従来技術では、100ミクロン未満の極めて薄い層内に貴金属成分を分布させたもの、さらに、反応活性を低下させることなく、表面にパラジウム含有金属を実質的に含まない極めて薄い層を持ち、且つパラジウムが100ミクロン未満の厚さの表層に担持され内部には存在しない金属担持物を得る技術は知られていなかった。
すなわち、本発明は、パラジウム金属化合物担持触媒の担体の表面近傍を精密に制御するための方法に関する。
本発明は以下の通りである。
(1) 厚みまたは粒径が200μm未満である担体と、該担体に担持されたパラジウム金属化合物とを含む金属担持物であって、該担体の内部に実質的にパラジウムが担持されていない層(A)を有し、且つ該担体の外表面から80μm以下の深さの領域にパラジウム金属化合物が担持された層(B)を有する貴金属担持物。
(2) 該担体の外表面に実質的にパラジウムが担持されてない層(A1)を有し、該担体の中心部に実質的にパラジウムが担持されていない層(A2)を有する(1)に記載の貴金属担持物。
(3) パラジウム金属化合物がパラジウム−鉛金属間化合物である(1) 又は(2) に記載の貴金属担持担物。
(4) パラジウム金属化合物がパラジウム−ビスマス金属間化合物である(1) 又は(2) に記載の貴金属担持担物。
(5) (1) 〜(4) のいずれかに記載の貴金属担持物を触媒とし、アルコールとアクロレイン及び/又はメタクロレインとを酸素存在下に反応させるアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの製造方法。
本発明の貴金属担持物は、パラジウム金属化合物を担体中の反応に有効な領域に存在させているため触媒活性が高く、高価な貴金属を効果的に利用することができ、また最外層としてパラジウム未担持層を設けることにより、触媒毒や摩耗に強い長期寿命を有する触媒として多くの反応に利用することができる。また、担体の表面にパラジウム成分を含まない層を極めて薄い状態に制御して設けることにより、触媒活性の大幅な低下を防ぐことができる。
本発明はパラジウムを有効に効果的に利用するためにパラジウム金属化合物を担体の特定の領域にのみ担持させ、担体の内部に実質的にパラジウムが担持されていない層を有する貴金属担持物である。また、パラジウム金属化合物を担体の特定の領域にのみ分布させて担持し、担体の内部および最外部にパラジウムが担持されていない層を有する貴金属担持物である。以下、パラジウムが実質的に担持されていない層を、パラジウム未担持層又は単に未担持層ともいう。また、パラジウム金属化合物が担持されている層をパラジウム担持層又は単に担持層ということもある。
粒子径が200μm未満の小さい粒子を担体として用いる。得られた貴金属担持物を液相反応で用いる場合には、反応速度と担体内部における反応物質の細孔内拡散速度の影響が生じるため、従来は反応に合わせて粒子径を小さくする設計がされていた。本発明ではパラジウム担持層を薄くすることにより、粒子径を小さくすることなく高い活性の触媒を得ることができる。すなわち本発明によれば、沈降による触媒の分離が容易になり、少容量の分離器を用いて分離が可能になるという利点もある。しかし、担持物中のパラジウム金属化合物が担持されていない部分の体積が大きくなりすぎると、反応器当たり反応に不必要な体積が大きくなり無駄が生じる場合もある。したがって、反応の形態に合わせて担体粒子径を設定し、必要なパラジウム担持層の厚み、パラジウムの担持されない層の厚みを設定することが好ましい。
パラジウム金属化合物は表面から80μmの深さまでの領域に分布させる。該担体の外表面からある一定の深さの範囲にパラジウムを実質的に担持しない層を設ける場合は、担体の外表面から30μmの深さまでの領域にパラジウムが実質的に担持しない層を設け、30μm〜80μmの深さにパラジウム金属化合物を担持した層を形成することが好ましい。摩耗の恐れが強く、担体内部での拡散速度が小さい場合には、外表面から10μmの深さまでの領域にパラジウムを実質的に担持しない層を設け、10μm〜25μmの深さにパラジウムを担持した層を形成することが好ましい場合もある。
一方、摩耗がなく、細孔内での拡散速度の影響が問題となる場合は、パラジウム金属化合物を担体表面近傍にさらに薄く、10μmの幅の領域内に担持させることにより、パラジウム金属化合物を効果的に使用することもできる。
担体の粒子径をさらに小さく10μm以下にすると、拡散の影響が薄れるため、本発明の効果が小さくなる場合もある。しかし、1μm以下の最外層として未担持層を設けることも可能であるため、耐久性に対する改善効果が大きく期待される。目的、反応特性によって該担体のパラジウム担持層、外表面から一定の深さの領域にパラジウム成分を実質的に担持しない層、担体内部の未担持層を設定し、最適な構成を選定し得られたパラジウム担持物を利用することが好ましい。
本発明において、「パラジウムが担持されていない」とは、後述のX線マィクロプローブ分析法や、高分解能の走査型電子顕微鏡の二次電子反射像において、相対強度10%以上のパラジウムの分布を示すピークが実質的に存在しないことを意味する。
種々の形状を持つ担体が利用できる。担体の形状の具体例としては、球状、楕円状、円柱状、錠剤状、中空円柱状、板状、棒状、シート状、ハニカム状等の様々な形状が挙げられる。担体の形状は反応形式によって適宜変えることができ、例えば固定床反応では圧力損失の少ない中空円柱状、ハニカム状の形状が選択され、液相スラリー懸濁条件では一般的に球状の形状が選択される。
本発明に用いられる担体の種類は、例えば、シリカゲル、アルミナ、活性炭、シリカ−アルミナ、シリカ−アルミナ−マグネシア、ゼオライト、結晶性メタロシリケート等の通常用いられる担体、または、ナノメーターのオーダーの細孔を有する多孔体であれば、特に制限はない。一般的に、高い担体表面積が求められる場合には、例えば活性炭が用いられ、一方、機械的強度が要求される場合には、例えば、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−アルミナ−マグネシア、ゼオライト、結晶性メタロシリケートが用いられる。このように利用目的に合わせて形状及び種類を変えて本発明の貴金属担持物を製造することができる。
担体に予めLi、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属、Be、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属及びLa、Ce、Pr等の希土類金属からなる群から選はれた少なくとも1種の金属の塩基性金属塩成分を担持させておく。担持する塩基性金属塩成分としては、例えば、硝酸塩や酢酸塩のように、焼成等の操作によって酸化物に変化するものが好ましい。
本発明で用いられる担体は、例えば、シリカゲル、アルミナ、活性炭、シリカ−アルミナ、ゼオライト、結晶性メタロシリケートにアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の可溶性塩を含浸、吸着等により担持させ、上記担体を乾燥焼成することにより得られる。または、シリカゾル溶液にアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の可溶性塩を均一に分散させ、該分散液を噴霧乾燥し、さらに該乾燥分散体を焼成することによって、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属の分散度を高めたシリカゲルを得ることができる。シリカ及びアルミナゾル溶液にアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の可溶性塩を分散させ、該分散液を噴霧乾燥後、焼成してアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属分散シリカ−アルミナを得ることができる。シリカアルミナゾルにアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の可溶性塩を分散させ、該分散液を噴霧乾燥後、該分散体を焼成して、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属分散シリカ−アルミナを得ることができる。シリカゾル溶液に硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウム等のマグネシウム及びアルミニウムの可溶性塩を溶解分散させ、さらにアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の可溶性塩を均一に分散させ、該分散液を噴霧乾燥し、さらに焼成することによってアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属含有シリカ−アルミナ−マグネシアを得ることができる。
アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩基性金属塩成分を担持させた担体の乾燥は100℃以上、好ましくは110℃以上の温度で1〜48時間行う。焼成は300〜800℃、好ましくは300〜700℃、さらに好ましくは450℃の温度で1〜48時間行う。
貴金属担持物の製造においては、担体に上記のアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩基性金属塩成分を予め担持させたものを、乾燥及び/又は焼成したものであれば使用可能である。
可溶性のパラジウム化合物としては塩化パラジウム、酢酸パラジウムなどの可溶性塩が挙げられるが、特に塩化パラジウムが好ましい。
塩化パラジウムは水に完全には溶解しないため、通常は塩酸水溶液又は食塩水にパラジウムを十分に溶解して塩化パラジウム溶液を調製する。
アルミニウム化合物溶液としては、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムなどの可溶性アルミニウム塩の水溶液が用いられる。
本発明の貴金属担持物の製造方法は、担体上に予め担持させたアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩基性金属塩成分と可溶性のパラジウム化合物との化学反応によって、パラジウム成分を不溶固定化する原理に基づく。
また、最外層としてパラジウム未担持層を形成させる方法も上記の不溶固定化の原理に基づくものである。まず、アルミニウム化合物として、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムなどの可溶性塩を用い、担体上に予め担持させたアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩基性金属塩成分との化学反応によって、担体外表面でアルミニウムを反応させ、パラジウムの反応場を消費し、更に、内部のアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩基性金属塩成分とパラジウム成分とを反応によって固定する。
アルミニウム成分の量はパラジウム金属成分を担持させない層の厚さを何ミクロンに設定するかによって異なり、また、担体に予め担持させたアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩基性金属塩成分の量によって決定される。通常、予め担持させたアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属から選ばれた少なくとも1種の金属の塩基性金属塩成分の量に対して、0.001〜2倍モル、好ましくは0.005〜1倍モルである。
パラジウム金属化合物の分布がいかなる機構により達成されるのか詳細については不明な点も多いが、パラジウム含有可溶成分の担体内における拡散速度と該成分が化学反応により不溶化する速度とが本願発明の条件下でうまくバランスされ、担体の表面近傍のごく狭い領域にパラジウム金属化合物を固定化することが可能になったと本発明者らは推定している。また、担体の外表面にパラジウムが実質的に存在しない層を有する場合は、アルミニウムと担体の外表面近傍の塩基性金属塩成分とを反応させて担体の外表面近傍の可溶性のパラジウム化合物と反応し得る塩基性金属塩成分を消費し、ついで可溶性のパラジウム化合物を担持させると、担体の外表面近傍の反応性の塩基性金属塩成分が既に消費されているために、可溶性のパラジウム化合物が担体内部の塩基性金属塩成分と反応することによって固定化されると本発明者らは推定している。
本発明の貴金属担持物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた1種以上の金属の塩基性金属塩成分を予め分散させ、乾燥及び/又は焼成して得た担体を、70℃以上の温度に保った塩化パラジウムなどのパラジウム化合物の溶液に瞬時に投入することにより得ることができる。
最外表面として未担持層を有する貴金属担持物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた1種以上の金属の塩基性金属塩成分を予め分散させ、乾燥及び/又は焼成して得た担体を、70℃以上のアルミニウム溶液に瞬時に投入しアルミニウムと反応させ表層にパラジウムが実質的に担持されていない層を形成し、次いで塩化パラジウムなどのパラジウム化合物の溶液を70℃以上で接触させることにより得ることができる。得られた担持物は最外表面にパラジウム未担持層を有し、且つ担持層の厚みが100μm未満である。
本発明の貴金属担持物の製造方法は化学反応による固定化を利用するものであって、短時間に反応が完結することから、イオン交換法により得られる担持の場合とは異なり、分布状態を制御するために、担体を反応溶液中に投入後短時間で該担体を反応溶液から取り出す必要がなく、パラジウム担持層及びパラジウム未担持層を精度良く、しかもシャープに制御することができ、パラジウム金属化合物の分布を、表面近傍に偏らせて担持させることができる画期的な方法である。担体をパラジウム化合物溶液又はアルミニウム化合物溶液中に投入すると、該化合物が表面近傍のアルカリ金属等の成分と反応し不溶化固定され、パラジウム担持層、パラジウム未担持層が形成される。したがって、この不溶化固定反応が遅いと、パラジウム又はアルミニウム成分は担体細孔内を担体の中心部まで拡散してしまい、表面のパラジウム担持層又は未担持層は広がることになる。
すなわち、本発明の貴金属担持物の製造方法の一態様においては、
(i)パラジウム化合物溶液の温度を70℃以上の温度に保持する、
(ii)アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩基性金属塩成分を予め分散させた担体を乾燥及び/又は焼成してから用いる、
(iii)乾燥及び/又は焼成した担体をパラジウム化合物溶液に加える、
(iv)担体をパラジウム化合物溶液に瞬時に加える、の各要件が満たされる。
さらに、最外層としてパラジウム未担持層を設ける場合は、
(i)アルミニウム化合物溶液の温度を70℃以上の温度に保持する、
(ii)アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩基性金属塩成分を予め分散させた担体を乾燥及び/又は焼成してから用いる、
(iii)乾燥及び/又は焼成した担体をアルミニウム化合物溶液に加える、
(iv)1)担体を70℃以上の温度に保持したアルミニウム化合物溶液に瞬時に加え、次にパラジウム化合物溶液を瞬時に加えるか、もしくは、
2)担体を70℃以上の温度に保持したアルミニウム化合物とパラジウム化合物の混合溶液に瞬時に加える、の各要件が満たされる。
上記(i)の反応温度は制御因子の一つであり、担体に予め担持させるアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩基性金属塩成分の量により異なるが、温度が低くなりすぎると反応が遅くなり金属の分布が広がる。本発明の貴金属担持物の製造においては、シャープな層を得るためには、温度は高い反応速度が得られる高温であることが好ましく、70℃以上であることが重要であり、好ましくは80℃以上、さらに好ましくは90℃以上である。反応は、加圧下で溶液の沸点以上の温度で行うこともできるが、操作の容易性から、通常は沸点以下の温度で行うことが好ましい。
上記(ii)のように、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれる1種以上の金属の塩基性金属塩成分を予め分散させた担体を用いる必要がある。貴金属担持物の製造方法は塩基性金属塩成分とアルミニウムおよびパラジウムとの不溶化固定反応によって、担体表面にパラジウム未担持層を設け、パラジウムを担体内部に固定するものである。また、担体は予め乾燥及び/又は焼成して用いる必要がある。乾燥及び/又は焼成した担体の細孔には空気等のガス成分が充填されており、これがパラジウム化合物溶液やアルミニウム化合物溶液が細孔内を担体中心部へ拡散することを阻害し、分布をシャープにする要因の一つであると推定される。
上記(iii)のように、乾燥、焼成した担体をパラジウム化合物溶液又はアルミニウム化合物溶液に加える必要がある。担体を予め単に水等に分散させ、それにパラジウム化合物溶液又はアルミニウム化合物溶液を加えることによっても、上記(i)、(ii)及び(iv)の条件が満たされていれば、パラジウム担持層、パラジウム未担持層の分布が比較的シャープな担持物を得ることができるが、担体中の塩基性金属塩成分の一部が液中に溶解する場合があり、液性を悪化させ、操作性を低下させることが起こることもあるため、このような添加方法は好ましくない。
上記(iv)のように、担体の投入は瞬時に行う。担体の投入を長時間かけて行うと、投入に要した時間履歴によると考えられる様々な分布状態を有する担持物の混合物が得られることになる。本発明において「瞬時に」とは、投入する担体の厚さ、粒径にもよるが担体の投入時間が15秒以内、好ましくは10秒以内であることを意味する。投入時間を限りなく0秒に近づけることがより好ましい。
貴金属担持物の製造方法の別の例として、担体スラリーに、アルミニウム、又はアルミニウム及びパラジウム溶液を加える例を以下に示す。
貴金属担持物の製造方法のこの態様は、
(i)アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩の溶液を70℃以上の温度に保持する、
(ii)アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩基性金属塩成分を予め分散させた担体を乾燥及び/又は焼成した担体を上記(i)の溶液に瞬時に加えスラリー化する、
(iii)該スラリーにパラジウム化合物溶液を瞬時に加える、の各要件が満たされる。
さらに、
(i)アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩の溶液を70℃以上の温度に保持する、
(ii)アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩基性金属塩成分を予め分散させた担体を乾燥及び/又は焼成した担体を上記(i)の溶液に瞬時に加えスラリー化する、
(iii)アルミニウム化合物溶液、次いでパラジウム化合物溶液を該スラリーに瞬時に加える、又はアルミニウム化合物溶液とパラジウム化合物溶液との混合溶液を該スラリーに加えることにより、最外表面にパラジウム未担持層を有するパラジウム担持物を得ることができる。
上記(i)の工程において用いるアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属の塩としては、これらの金属の有機酸塩、硝酸塩、塩化物等の無機塩などの水溶性塩から選ばれる1種以上を用いることができる。
また、本発明の貴金属担持物はアルミニウムイオン、パラジウムイオンとアルカリ金属成分等との反応により得られるものであるから、担体に分散固定化するアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属から選ばれた少なくとも1種の金属の塩基性金属塩成分の量は、表面のパラジウム未担持層の厚さ、また担持させるパラジウム金属化合物の量によって異なるが、担持させるパラジウム金属化合物に対し等モル〜100倍モル、好ましくは2〜50倍モルの範囲で選ばれる。
担体は、通常、担持させるパラジウムの量に対して5〜200倍の過剰量で用いる。
次に、パラジウム化合物を固定した担持物を、還元操作によって金属パラジウム担持物とする方法について述べる。パラジウム成分を分散固定化した担持物を水溶液等に分散させ、かき混ぜながら、ホルマリン、ギ酸、ヒドラジン、メタノール又は水素ガスなどを用い還元処理によって金属パラジウム担持物を得ることができる。
以上述べたように、この方法によってはじめて、担体の外表面近傍の特定の浅い領域にパラジウムが担持された層を有し、さらに、担体の外表面にパラジウムが担持されていない層を有するパラジウム担持物を得ることができる。
さらに、この方法によって、パラジウムの格子が異種金属によって置換されたパラジウム金属間化合物や、パラジウムに異種金属が固溶したパラジウム合金等が担持された貴金属担持物も製造することができる。本発明において、パラジウムの格子が異種金属によって置換されたパラジウム金属間化合物や、パラジウムに異種金属が固溶したパラジウム合金等を先に定義したようにパラジウム金属化合物という。
以下に、アルデヒドとアルコールから酸素存在下で酸化的カルボニル化反応によりカルボン酸エステルを製造する際に用いる触媒として有効なパラジウム鉛金属間化合物の製造方法を例に挙げて本発明を説明する。
まず、前述の本発明の貴金属担持物の製造方法により塩化パラジウムなどの可溶性のパラジウム化合物を担体に不溶固定化する。この段階でパラジウム金属化合物の分布は制御されている。次に、例えば硝酸鉛などの可溶性鉛塩溶液を用いて鉛成分を担体に担持させる。その後の還元処理によってパラジウム−鉛金属間化合物の担持物を得ることができる。さらにカルボン酸エステルの製造反応に優れた性能を示す本発明の極めて高純度のパラジウム−鉛金属間化合物触媒は、C−C脂肪酸、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と鉛イオンとの両方の存在下で、担持されたパラジウムイオン及び鉛イオンを還元処理することにより効果的に得ることができる。
この方法の原理は、パラジウムおよび鉛ならびに担体重量に対して1〜5重量%の少なくとも1種の異種元素、例えば水銀、タリウム、ビスマス、テルル、ニッケル、クロム、コバルト、インジウム、タンタル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム、タングステン、マンガン、銀、レニウム、アンチモン、スズ、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、白金、金、チタン、アルミニウム、硼素、珪素などを含んだパラジウム−鉛金属間化合物にも適用され、この原理に基づく方法により担体中の金属の分布を制御したパラジウム金属化合物担持物を得ることもできる。
パラジウム−鉛金属間化合物の製造に用いる鉛および水銀、タリウム、ビスマス、テルル、ニッケル、クロム、コバルト、インジウム、タンタル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム、タングステン、マンガン、銀、レニウム、アンチモン、スズ、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、白金、金、チタン、アルミニウム、硼素又は珪素の化合物としては、有機酸塩、有機錯体、無機酸塩、水酸化物などが挙げられる。鉛化合物としては、例えば、硝酸鉛、酢酸鉛などが好適である。
パラジウム−鉛金属間化合物の場合においてもパラジウムの担持量は特に限定はないが、担体重量に対して通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。鉛の担持量も特に限定はなく担体重量に対して通常0〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。
アルデヒドとアルコールからカルボン酸エステルを得る触媒として特に有効な、パラジウム−鉛金属間化合物の場合には、担持されたパラジウム及び鉛の各量よりも、むしろ担持されたパラジウムと鉛の原子比が重要である。即ち、パラジウム−鉛金属間化合物の場合には、パラジウム及び鉛を担体に担持させてなる触媒のPd/Pb原子比は、3/0.1〜3/3、好ましくは3/0.1〜3/2.0、さらに好ましくは3/0.8〜3/1.5の範囲から選ばれる。
パラジウム−鉛金属間化合物を形成する還元工程に添加するC−C脂肪酸としてはプロピオン酸、酢酸、酪酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸等を用いることができるが、入手容易な酢酸等が好ましい。C−C脂肪酸は、触媒の担持パラジウムを基準に好ましくは0.1〜30倍モル程度、より好ましくは1〜15倍モルの量で添加することができ、低級脂肪酸の溶解度の範囲内で使用することができる。
パラジウム−鉛金属間化合物を形成する還元処理工程に添加するアルカリ又はアルカリ土類金属は水酸化物でも脂肪酸の塩でも用いることができるが、操作性等から脂肪酸塩が好ましい。
パラジウム−鉛金属間化合物担持物を形成する還元処理は、室温〜200℃の温度で行うことができる。沸点以上の場合は液相に保つために必要な圧力をかけておく。好ましくは室温〜160℃、常圧から数気圧の条件で還元を行う。また、還元処理の時間は処理条件により変わるが、一般に0.5〜50時間である。通常は24時間以内に処理が完了するように条件を設定するのが操作性から好ましい。
鉛を含むパラジウム金属化合物の他に、金属種としてビスマス、タリウム、水銀、テルル、銅、金等を含むパラジウム金属化合物も同様に用いることができ、担体上にこれらの金属の分布が制御された金属化合物担持物を得ることができる。
パラジウム金属化合物担持物は広く触媒反応に触媒として使用することができ、例えば、アルデヒドとアルコールとの間の酸化的カルボン酸エステル生成反応、アセチレン類のオレフィン類への部分水素化、アセチレン類のパラフィン類への完全水素化、ジオレフィン類のモノオレフィン化、オレフィンの選択水素化、脂肪族脱ハロゲン化、芳香族脱ハロゲン化、酸クロリドの還元、芳香族ニトロ化合物のアミンへの水素化、芳香族カルボニルの水素化、安息香酸の環水素化、フェノールのシクロヘキサンへの水素化、芳香族ケトンの芳香族アルコールへの水素化、芳香族ケトンのアルキル芳香族への水素化、芳香族カルボニルの水素化分解、芳香族カルボニルの脱カルボニル、芳香族ニトリルの芳香族アミンへの水素化、芳香族ニトリルの芳香族アルデヒドへの水素化、シクロヘキセンの不均化、オレフィンの移動、アニリン類の還元N−メチル化、芳香族ニトロ化合物のヒドラゾベンゼン化合物への水素化、ニトロヘキサン類のシクロオキサノン類への水素化、ニトロオレフィン類のアルキルアミン類への水素化、オキシム類の第一アミンへの水素化、脱ベンジル反応、エポキシドのアルコールへの水素化、還元アミノ化、キノン類のヒドロキノン類への水素化、芳香族エステル類の環水素化、フラン環の水素化、ピリジン化合物の環の水素化、硝酸塩のヒドロキシアミンへの水素化、過酸化物の水素化、脂肪族ニトロ化合物の水素化、アセトオキシレーション、カルボニレーション、脱水素、液相酸化、デオキソ反応、一酸化炭素の酸化、NOの還元などの反応の触媒として利用することができる。
以下に、実施例及び比較例によって、本発明をより具体的に説明する。
<EPMAによるパラジウム分布の測定>
得られた貴金属担持物を樹脂に包埋し研磨して得た試料を、X線マイクロプローブ(EPMA)(日本電子(株)製JXA−8800R)を用い、下記の測定条件で粒子断面の深さ方向の線分析に付した。
加速電圧:15kVスキャン方法:ステージスキャン測定ステップ間隔:0.2〜0.3μm測定時間/1ステップ:150msec電子ビーム直径設定:0μm電子線電流値:2X10−8A分光結晶:Pd=PETH、Pb=PETH、Si=TAP
担体製造参考例
水性シリカゾルとして、日産化学社製スノーテックスN−30(SiO分:30重量%)に硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウムをそれぞれAl/(Si+Al)の割合が10モル%、Mg/(Si+Mg)の割合が10モル%となるように加え溶解させた後、該溶液を130℃の温度に設定した噴霧乾燥機で噴霧乾燥して平均粒子径60μmの球状担体を得た。この球状担体を空気中で300℃で2時間、次いで600℃で3時間焼成した後、これを本発明において用いる担体とした。
参考例1
担体100重量部に対しパラジウムとして5重量部となる量の塩化パラジウムを用いて塩化パラジウム15重量%及び塩化ナトリウム10重量%の水溶液を調製した。その水溶液の温度を90℃に維持した。次に担体製造参考例で得られた乾燥状態の担体を上記溶液に瞬時に投入し、90℃でさらに1時間撹拌した。次いで、上澄み液をデカントし、パラジウムを吸着させた担体を数回蒸留水で洗浄した。蒸留水を加え90℃でかき混ぜた状態でPdに対して3倍モル量のヒドラジン水溶液をかき混ぜながら約30分かけてゆっくりと滴下して、還元処理を24時間行い、パラジウム担持触媒を得た。
得られた触媒を樹脂に包埋し研磨して得た試料を、X線マイクロプローブ(EPMA)(日本電子(株)製 JXA−8800R)を用い、粒子断面の線分析に付した。結果を図1に示す。図1から明らかな様に、Pdが表面近傍の15ミクロン以内の深さの領域内で担持され、内部には存在していないことが確認できた。
比較例1
パラジウムを吸着させる温度を室温とした以外は参考例1と同様の操作でパラジウム担持触媒を得た。
得られた触媒のEPMA分析結果を図2に示す。図2から、Pdが表面から内部まで一様に分布し、担持されていることがわかる。
実施例1
参考例1の担体100重量部に対しアルミニウムとして0.35重量部となる硝酸アルミニウム水溶液を90℃に加温し撹拌し、これに次に担体製造参考例で得られた乾燥状態の担体を瞬時に投入し、90℃でさらに15分間撹拌した。次に、担体100重量部に対しパラジウムとして5重量部となる量の塩化パラジウムを用いて塩化パラジウム15重量%及び塩化ナトリウム10重量%の水溶液を調製し、90℃に加温したものを瞬時に加え、90℃でさらに1時間撹拌し、塩化パラジウムを担体に完全に吸着させた。次いで、液をデカントし、パラジウムを吸着させた担体を数回蒸留水で洗浄した。次に該担体を酢酸Naをパラジウムに対し18倍量の18wt%に調製した水溶液に投入し得られた混合物を撹拌した。次に酢酸鉛をPdに対しPd/Pb=3/1.3となるような量で加え、約30分間90℃でかき混ぜた。次にPdとPbの合計量に対して3倍モル量のヒドラジン水溶液をかき混ぜながら約30分かけゆっくりと滴下して、還元処理を24時間行った。
得られた触媒を上記の方法で分析したところ、粉末X線回折パターンにおける最大強度ピークのX線回折角(2θ)が38.625°のパラジウム一鉛金属間化合物であった。
得られた触媒を樹脂に包埋し研磨して得た粒子を、X線マイクロプローブ(EPMA)(日本電子(株)製 JXA−8800R)を用い、粒子断面の線分析に付した。結果を図3に示す。図3から明らかな様に、Pdが表面近傍2ミクロンの深さの領域内には存在せず、15ミクロン以下の深さの領域内に担持され、内部には存在していないことが確認できた。
実施例2
実施例1の触媒200gを、触媒分離器を備えた、液相部が1.2リットルの撹拌型ステンレス製反応器に仕込み、撹拌羽の先端速度4m/sの速度で内容物を撹拌しながら、アルデヒドとアルコールからの酸化的カルボン酸エステルの生成反応を実施した。酢酸鉛をその反応系での濃度が30ppmとなる量で添加した36.7重量%のメタクロレイン/メタノール溶液を0.54リットル/hr、2〜4重量%NaOH/メタノール溶液を0.06リットル/hrで連続的に反応器に供給し(上記2種の溶液よりなる反応系のメタクロレイン濃度は約33重量%)、反応温度80℃、反応圧力5kg/cmで反応器出口酸素分圧が0.2atmとなるように空気を吹き込み、反応系のpHが7.1となるように反応器に供給するNaOH濃度をコントロールした。反応生成物は、反応器出口からオーバーフローにより連続的に抜き出し、ガスクロマトグラフィーにより比較評価した。20時間経過後、目的生成物であるメタクリル酸メチル(MMA)の選択率は91.4%、MMAの生成速度は5.02mol/hr/Kg−触媒であった。2000時間反応後の目的生成物であるメタクリル酸メチル(MMA)の選択率は91.8%、MMAの生成速度は5.11mol/hr/Kg−触媒であった。2000時間後のPd担持量を初期Pd担持量と比較したところ、パラジウムのロスは0.1%以下であった。
比較例2
実施例1の触媒を比較例1の触媒に変えた以外は、実施例2と同様の操作条件で反応を行った。20時間経過後、目的生成物であるメタクリル酸メチル(MMA)の選択率は91.1%、MMAの生成速度は4.32mol/hr/Kg−触媒であった。2000時間反応後の目的生成物であるメタクリル酸メチル(MMA)の選択率は91.3%、MMAの生成速度は3.89mol/hr/Kg−触媒であった。触媒を回収し2000時間後のPd担持量を初期Pd担持量と比較したところ、パラジウムのロスは5.2%であった。
参考例2
富士シリシア社製シリカゲル担体(CARIACT−10、150μm径)100重量部を、カリウムとして5重量部の酢酸カリウム水溶液に投入し、含浸、乾燥させた。さらに600℃で3時間空気中で焼成した。次に、パラジウムに対しアルミニウムとして0.6倍モルの硝酸アルミニウム水溶液を90℃に加温し撹拌し、これに次に担体を瞬時に投入した。生成混合物を90℃でさらに15分間撹拌した。混合物の温度を室温に下げ、その温度で該混合物に担体100重量部に対しパラジウムとして5重量部となる量の塩化パラジウムを用いて塩化パラジウム15重量%及び塩化ナトリウム10重量%の水溶液を室温で調製し、撹拌しながら加え、塩化パラジウムを担体に完全に吸着させた。ついで、液をデカントし、パラジウムを吸着させた担体を数回蒸留水で洗浄した。蒸留水を加え、80℃でかき混ぜた状態でPdに対して3倍モル量のヒドラジン水溶液をかき混ぜながら約30分かけゆっくりと滴下して、還元処理を24時間行い、パラジウム担持触媒を得た。
得られた触媒を樹脂に包埋し研磨して得た試料を、X線マイクロプローブ(EPMA)(日本電子(株)製 JXA−8800R)を用い、粒子断面の線分析に付し、パラジウムの分布を測定したところ、担体は表面から5ミクロンの深さの領域内にパラジウムの未担持層を有し、パラジウムは30ミクロンの深さの領域内で担持され、内部には存在していなかった。
参考例3
住友化学工業株式会社製球状アルミナ担体KHD(3mm径)100重量部を、カリウムとして4重量部の硝酸カリウム水溶液に投入し、含浸、乾燥させた。
さらに600℃で3時間空気中で焼成した。次に、塩化パラジウムが担体100重量部当たりパラジウムとして5重量部となるように塩化パラジウム15重量%及び塩化ナトリウム10重量%の水溶液を、70℃で撹拌し、次にこれに担体を瞬時に投入し、70℃でさらに1時間撹拌した。次いで、液をデカントし、パラジウムを吸着させた担体を数回蒸留水で洗浄した。蒸留水を担体に加え、生成混合物を70℃でかき混ぜた状態でPdに対して3倍モル量のヒドラジン水溶液をかき混ぜながら約30分かけゆっくりと滴下して、還元処理を24時間行いパラジウム担持触媒を得た。
得られた触媒を樹脂に包埋し研磨して得た試料を、X線マイクロプローブ(EPMA)(日本電子(株)製 JXA−8800R)を用い、粒子断面の線分析に付し、パラジウムの分布を測定したところ、パラジウムは表面から50ミクロン以下の深さの領域内で担持され、内部には存在してなかった。
実施例3
パラジウムに対し、等モルの塩化マグネシウムを溶解した水溶液を90℃に加温し撹拌した。この水溶液に担体製造参考例の乾燥状態の担体を瞬時に投入し、90℃でさらに10分間撹拌した。温度を90℃に維持したまま、パラジウムに対し0.2倍モルのアルミニウムを含む硝酸アルミニウムと、担体100重量部当たり3重量部のパラジウムを含むように塩化パラジウム15重量%及び塩化ナトリウム10重量%の混合水溶液を準備した。次に担体スラリーを撹拌しながらそれに上記のパラジウム溶液を加え、パラジウムを担体に完全に吸着させた。次いで、液をデカントし、パラジウムを吸着させた担体を数回蒸留水で洗浄後、蒸留水を1−プロパノールに置換した。60℃に加温後、担体100重量部に対し2.3重量部のビスマスを含むトリフェニルビスマスの1プロパノール溶液を添加し、かき混ぜた状態でPdに対して3倍モル量のヒドラジンを含む1−プロパノール溶液を約30分かけゆっくりと滴下して、還元処理を24時間行いパラジウム−ビスマス担持触媒を得た。
得られた触媒を樹脂に包埋し研磨して得た試料をX線マイクロプローブ(EPMA)(日本電子(株)製 JXA−8800R)を用い、粒子断面の線分析に付したところ、担体は表面から3ミクロンの深さの領域にはPdの未担持層を有し、表面から15ミクロン以下の深さの領域にPdが担持され、内部には存在していなかった。
実施例4
実施例3の触媒200gを、触媒分離器を備え、液相部が1.2リットルの撹拌型ステンレス製反応器に仕込み、撹拌羽の先端速度4m/sの速度で内容物を撹拌しながら、アルデヒドとアルコールとの間の酸化的カルボン酸エステルの生成反応を実施した。酢酸鉛を反応系で20ppmとなる量を添加した36.7重量%のアクロレイン/メタノール溶液を0.54リットル/hr、2〜4重量%NaOH/メタノール溶液を0.06リットル/hrで連続的に反応器に供給し(上記2種の溶液よりなる反応系のアクロレイン濃度は約33重量%)、反応温度80℃、反応圧力5kg/cmで反応器出口酸素分圧が0.2atmとなるように空気を吹き込み、反応系のpHが7.1となるように反応器に供給するNaOH濃度をコントロールした。反応生成物は、反応器出口からオーバーフローにより連続的に抜き出し、ガスクロマトグラフィーにより比較評価した。20時間経過後、目的生成物であるアクリル酸メチル(MA)の選択率は92.2%、MAの生成速度は5.92mol/hr/Kg-触媒であった。2000時間反応後、目的生成物であるアクリル酸メチル(MA)の選択率は92.6%、MAの生成速度は5.97mol/hr/Kg−触媒であった。2000時間後のPd担持量を初期Pd担持量と比較したところ、パラジウムのロスは0.1%以下であった。
パラジウム金属化合物を担体の表面に近傍に担持させることで反応活性が高い貴金属担持物が得られる。さらに、パラジウムを含まない最外層を設けることによって、摩耗等によるパラジウム金属化合物のロスが抑制できる貴金属担持物が得られる。担体表面近傍に貴金属成分を担持させると、上述のアルデヒドとアルコールとの間のエステル生成反応の例で見られるように、触媒活性が高く、かつ触媒成分のロスが低くなる。したがって、従来の触媒と比べて、この特異的な反応だけでなく、一般的により幅広い多くの反応でも経済性の大きな改善が得られる。
参考例1のパラジウム担持触媒の粒子断面のX線マイクロプローブを用いる線分析の結果である。 比較例1のパラジウム担持触媒の粒子断面のX線マイクロプローブを用いる線分析の結果である。 実施例1のパラジウム担持触媒の粒子断面のX線マイクロプローブを用いる線分析の結果である。

Claims (5)

  1. 厚みまたは粒径が200μm未満である担体と、該担体に担持されたパラジウム金属化合物とを含む金属担持物であって、該担体の内部に実質的にパラジウムが担持されていない層(A)を有し、且つ該担体の外表面から80μm以下の深さの領域にパラジウム金属化合物が担持された層(B)を有する貴金属担持物。
  2. 該担体の外表面に実質的にパラジウムが担持されてない層(A1)を有し、該担体の中心部に実質的にパラジウムが担持されていない層(A2)を有する請求項1に記載の貴金属担持物。
  3. パラジウム金属化合物がパラジウム−鉛金属間化合物である請求項1又は2に記載の貴金属担持担物。
  4. パラジウム金属化合物がパラジウム−ビスマス金属間化合物である請求項1又は2に記載の貴金属担持担物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の貴金属担持物を触媒とし、アルコールとアクロレイン及び/又はメタクロレインとを酸素存在下に反応させることを特徴とするアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの製造方法。
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