JP2009255032A - ハニカム構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】同等の貴金属触媒担持量で比較した場合、従来のハニカム構造体に比べて、高いNOx処理性能を有するハニカム構造体を提供することを目的とする。
【解決手段】無機粒子と、無機バインダとを含み、長手方向に沿って、一方の端面から他方の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された柱状のハニカムユニットからなるハニカム構造体であって、前記セル壁には、貴金属触媒およびNOx吸蔵触媒が担持され、前記セル壁の表面は、前記セル壁の厚さの中心部に比べて、前記貴金属触媒の量が多いことを特徴とするハニカム構造体が提供される。
【選択図】図4

Description

本発明は、ハニカム構造体に関する。
従来より、自動車の排ガス中に含まれるNOx等を処理するために使用される排ガス処理装置には、ハニカム構造体が使用されている(例えば、特許文献1)。
ハニカム構造体のセル壁等の基本骨格部分は、例えばアルミナ等で構成され、セル壁には、白金等の貴金属触媒と、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩等からなるNOx吸蔵触媒とが担持される。一般に、貴金属触媒は、排ガスの雰囲気が酸化性である場合(例えば、ディーゼルエンジンの通常運転時)、ハニカム構造体に流通された排ガス中のNOおよびNO2等のNOxをNO3に酸化させる役割を有し、NOx吸蔵触媒は、この反応によって生じたNO3を一時的に吸蔵する役割を有する。NOx吸蔵触媒に吸蔵されたNO3は、排ガスの雰囲気が還元性になった際(例えば、ディーゼルエンジンのリッチスパイク時)に、貴金属触媒を介してN2に還元され、系外に排出される。
従って、このような構成のハニカム構造体中に、自動車の排ガスを流通させることにより、排ガス中に含まれるNOxを処理することができる。
国際公開WO2005/063653パンフレット
ところで従来のハニカム構造体において、NOxの酸化還元反応を活性化させる貴金属触媒は、各セル壁の表面からその深さ方向に沿って、実質的に均一に担持されている。
しかしながら、ハニカム構造体に担持されたこれらの全ての貴金属触媒が、同等に排ガス中のNOxの処理反応に利用されるわけではない。すなわち、実際には、セル壁表面および該表面からごく僅かの深さ領域に担持された貴金属触媒のみが、排ガス中のNOxの処理反応に寄与し、その他の領域に担持された貴金属触媒は、ほとんど使用されないことが多いと考えられる。
このことは、ハニカム構造体を用いた実際の排ガス処理の際に、ハニカム構造体に担持された貴金属触媒量から予想されるほど、十分なNOx処理が行われない可能性のあることを示唆している。また、実際にも、貴金属触媒が担持されたハニカム構造体によるNOx処理の効率が、予想を下回る場合がしばしば確認されている。従って、NOx処理を確実に行うため、多量の貴金属触媒をハニカム構造体に担持させているのが現状である。
また、通常の場合、ハニカム構造体に担持される貴金属触媒には、白金のような高価な材料が使用されるため、このような貴金属触媒の非効率的な使用には、コスト的な面で大きな問題がある。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、同等の貴金属触媒担持量で比較した場合、従来のハニカム構造体に比べて、高いNOx処理性能を有するハニカム構造体を提供することを目的とする。また、処理性能を一定とした状態で比較した場合、従来のハニカム構造体に比べて、ハニカム構造体に担持させる貴金属触媒量を低下させることが可能なハニカム構造体を提供することを目的とする。
本発明では、無機粒子と、無機バインダとを含み、長手方向に沿って、一方の端面から他方の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された柱状のハニカムユニットからなるハニカム構造体であって、
前記セル壁には、貴金属触媒およびNOx吸蔵触媒が担持され、前記セル壁の表面は、前記セル壁の厚さの中心部に比べて、前記貴金属触媒の量が多いことを特徴とするハニカム構造体が提供される。
ここで当該ハニカム構造体において、前記セル壁の表面から、前記セル壁の厚さの30μmの深さまでの領域に含まれる前記貴金属触媒の量は、前記セル壁の厚さの中心部よりも多くなっていても良い。
特に、前記セル壁の表面から、前記セル壁の厚さの10μmの深さまでの領域に含まれる前記貴金属触媒の量は、前記セル壁の厚さの中心部よりも多くなっていても良い。
ここで当該ハニカム構造体において、前記貴金属触媒が担持された領域において、前記貴金属触媒の量は、前記セル壁の深さ方向に向かって実質的に一定であっても良い。
あるいは前記貴金属触媒が担持された領域において、前記貴金属触媒の量が前記セル壁の深さ方向に向かって徐々に低下しても良い。
また、前記貴金属触媒は、白金、パラジウムおよびロジウムからなる群から選定された少なくとも一つを含んでも良い。
また、前記無機粒子は、アルミナ、セリア、ジルコニア、チタニア、シリカ、ゼオライト、およびムライトからなる群から選定された少なくとも一つを含んでも良い。
また、前記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、およびアタパルジャイトからなる群から選定された少なくとも一つを含んでも良い。
また、前記ハニカムユニットは、さらに無機繊維を含んでも良い。
また、前記無機繊維は、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウムおよびホウ酸アルミニウムからなる群から選定された少なくとも一つを含んでも良い。
また、前記NOx吸蔵触媒は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含んでも良い。
また、前記NOx吸蔵触媒は、カリウム、ナトリウム、バリウム、カルシウム、およびマグネシウムからなる群から選定された少なくとも一つを含んでも良い。
当該ハニカム構造体は、前記複数の柱状のハニカムユニットと、該ハニカムユニット同士を接合する接着層とを有しても良い。
本発明では、同等の貴金属触媒担持量で比較した場合、従来のハニカム構造体に比べて、高いNOx処理効率を有するハニカム構造体を提供することができる。また、処理効率を一定とした状態で比較した場合、従来のハニカム構造体に比べて、ハニカム構造体に担持させる貴金属触媒量を低下させることが可能となる。
以下、図面により本発明の形態を説明する。
図1には、本発明によるハニカム構造体の一例を模式的に示す。また、図2には、図1に示すハニカム構造体の基本単位である、ハニカムユニットの一例を模式的に示す。
図1に示すように、本発明によるハニカム構造体100は、2つの開口面(端面)110および115を有する。また、ハニカム構造体100の両端面100および115を除く外周面には、コート層120が設置される。
ハニカム構造体100は、例えば、図2に示す柱状のセラミック製ハニカムユニット130を、接着層150を介して複数個(図1の例では、縦横4列ずつ16個)接合させた後、外周側を所定の形状(図1の例では、円柱状)に切削加工することにより構成される。
図2に示すように、ハニカムユニット130は、該ハニカムユニットの長手方向に沿って一端から他端まで延伸し、両端面が開口された複数のセル(貫通孔)121と、該セルを区画するセル壁123とを有する。セル壁123には、例えば白金等からなる貴金属触媒と、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含むNOx吸蔵触媒と(いずれも図示されていない)が担持されている。
このような構成のハニカムユニット130を組み合わせて構成されるハニカム構造体100を、例えばディーゼルエンジンの排気ガスラインの途中に設置し、実際にハニカム構造体100に排気ガスを流通させた場合、以下のような現象が生じる。
まずリーン運転状態では(ディーゼルの通常運転時)、ハニカム構造体の一方の端面(例えば端面110)からハニカムユニット130の各セル121に流入した排気ガスは、該セルを通過する際に、セル壁123に担持されている貴金属触媒と接触する。これにより、例えば、排ガス中に含まれるNOガスは、貴金属触媒の働きにより、以下のように反応する:
2NO + O → 2NO (1)式

この反応により生じたNOは、以下の反応により、当該貴金属触媒の近傍にあるNOx吸蔵触媒に吸蔵される。

2NO + Ba + O →Ba(NO (2−1)式
2NO + 2K + O →2KNO (2−2)式

その後、NOxが処理された排ガスは、セル121の他方の端部に達し、ハニカム構造体100の他方の端面(例えば端面115)から排出される。
一方、エンジンの運転がリッチスパイク状態に切り替わると、前述のリーン状態においてNOx吸蔵触媒に吸蔵されたNOxが以下の反応により、還元される。

4HC + 2CO + 6NO
3N + 6CO + 2HO (3)式

還元されたNは、その後、ハニカム構造体100の他方の端面(例えば端面115)から排出される。
このように、ハニカム構造体では、該ハニカム構造体のセル壁に担持された貴金属触媒およびNOx吸蔵触媒の働きにより、排ガス中に含まれるNOxを処理することができる。
ここで、従来のハニカム構造体では、貴金属触媒は、各セル壁の厚さ方向(図2のX方向およびY方向)およびセルの延伸方向(図2のZ方向)にわたって、実質的に均一に担持されている。
図3は、従来のハニカム構造体の貴金属触媒の分布状態を模式的に示した図である。図において、横軸Xは、いずれかのハニカムユニットのセル壁表面からの深さを表しており、縦軸Mは、対応するセル壁に担持されている貴金属触媒量を表している。dは、セル壁の厚さであり、このため、dより右側の領域は、セル(貫通孔)121'に対応する。また、「セル壁の表面」は、X=0の位置と、X=dの位置の2箇所に存在することに留意する必要がある。
この図3に示すように、従来のハニカム構造体の場合、セル壁の厚さd全体にわたって、貴金属触媒が均一に担持されている。また、この傾向は、ハニカムユニットの長手方向に垂直ないずれの断面においても、実質的に同じである。
しかしながら、このような貴金属触媒の担持状態では、各領域に担持された貴金属触媒をNOxの処理反応に等しく活用することは難しい。通常の場合、排ガスは、各セル121'を通ってハニカム構造体内を長手方向に沿って流通するため、セル壁123'の内部に担持された貴金属触媒は、排ガスと接触する頻度が低いからである。
このことは、ハニカム構造体を用いた実際の排ガス処理の際に、ハニカム構造体に担持された貴金属触媒量から予想されるほど、十分なNOx処理が行われない可能性のあることを示唆している。また実際にも、ハニカム構造体によるNOx処理の効率が、予想を下回る場合がしばしばある。従って、NOxが未処理のまま放出されることを確実に回避するためには、本来必要な量以上の貴金属触媒をハニカム構造体に担持させなければならないことになる。
また、通常の場合、ハニカム構造体に担持される貴金属触媒には、白金のような高価な材料が使用されるため、このような貴金属触媒の非効率的な使用には、コスト的な面で大きな問題がある。
これに対して、本発明によるハニカム構造体では、図4に本発明のハニカム構造体100の貴金属触媒の分布状態を模式的に示すように、セル壁123の貴金属触媒担持量は、セル壁表面からの深さが0(ゼロ)〜dの範囲で、変化している。すなわち、セル壁の表面側の貴金属触媒量は、セル壁123の中心(X座標がd/2の位置)側の貴金属触媒量よりも多くなっている。
セル壁の深さ方向に対するこのような貴金属触媒担持量の変化により、本発明によるハニカム構造体100は、NOxの処理に際し、従来のハニカム構造体100に比べて、より有効に貴金属触媒を活用することができる。中心側に担持された貴金属触媒が少ないため、ほぼ全ての貴金属触媒が有効に活用されるためである。
従って、本発明では、従来のハニカム構造体と貴金属触媒量を同等とした場合、NOxの処理効率を向上させることが可能となる。また、処理効率を同等とした場合には、従来のハニカム構造体に比べて、担持する貴金属触媒の量を有意に抑制することができる。
なお、前述の例(図4)では、セル壁123の表面からの深さXと貴金属触媒担持量Mとの関係は、「V字型」となるように変化している。しかしながら、本発明の態様は、これに限られない。
図5は、本発明のハニカム構造体の貴金属触媒の別の分布状態を模式的に示した図である。この図には、本発明によるハニカム構造体100に適用することが可能な、セル壁123の表面からの深さXと貴金属触媒担持量Mとの間の関係の別の一例を示している。図4の場合と同様、図5において、dはセル壁123の厚さである。従って、dより右側の領域は、セル121(貫通孔)に対応する。また、「セル壁の表面」は、距離X=0の位置と、X=dの位置の2箇所に存在する。
図5(a)の変化挙動では、セル壁表面からの深さXが0≦X≦pの領域と、d−p≦X≦pの領域において、他の領域によりも貴金属触媒量が多くなっている。なお、pは、0<p<d/2の範囲であれば良い。例えば、p=d/20〜3d/20の場合、貴金属触媒量が同等でも、有意に高いNOx処理効率が得られることが本実験(実施例)で示されている。
図5(b)の変化挙動では、セル壁表面からの深さが0≦X≦pの領域において、貴金属触媒量は、セル壁の深さの増加とともに低下している。d−p≦X≦pの領域での貴金属触媒量の変化挙動も同様である。ただし、セル壁表面からの深さがp<X<d−pの領域では、貴金属触媒量は、一定(最小)となっている。
なお、図には示さないが、この他、セル壁表面からの距離Xが0〜d/2の領域と、d/2〜dの領域において、貴金属触媒量の変化挙動が鏡面対称になっていないような場合も、本発明の態様として含まれ得ることは明らかであろう。例えば、図5(a)の変化において、0≦X≦pの領域とd−p≦X≦pの領域において、貴金属触媒量Mが異なる場合が考えられる。同様に、図5(b)の変化において、0≦X≦pの領域とd−p≦X≦pの領域において、貴金属触媒量Mの勾配の絶対値、およびセル壁表面(X=0,d)での貴金属触媒量Mが異なる場合が考えられる。
すなわち、本発明において重要なことは、セル壁の表面側の貴金属触媒量がセル壁123の中心側の貴金属触媒量よりも多くなるように、セル壁123に貴金属触媒が担持されていることであり、これが満たされる限り、セル壁123の深さ方向における貴金属触媒量の変化傾向は、いかなる態様であっても良い。
本発明のハニカム構造体100は、無機粒子と、無機バインダとを含み、長手方向に沿って、一方の端面から他方の端面に延伸する複数のセル121がセル壁123によって区画された柱状のハニカムユニット130からなるハニカム構造体であって、前記セル壁123は、貴金属触媒およびNOx吸蔵触媒が担持され、前記セル壁123の表面は、前記セル壁123の厚さの中心部に比べて、前記貴金属の量が多く担持されている。
前記セル壁表面から、前記セル壁の厚さの30μmの深さまでの領域に含まれる前記貴金属触媒の量は、前記セル壁123の厚さの中心部よりも多いことが望ましい。また、前記セル壁表面から、前記セル壁の厚さの10μmの深さまでの領域に含まれる前記貴金属触媒の量は、前記セル壁123の厚さの中心部よりも多いことがさらに好ましい。
本発明のハニカム構造体100(ハニカムユニット130)のセル壁123の厚さは、0.1〜0.4mmが好ましい。上記セル壁123の厚さの30μmの深さまでの領域は、セル壁123の望ましい厚さから、セル壁123の望ましい厚さに対して3/40〜3/10の領域となり、また、前記セル壁123の厚さの10μmの深さまでの領域は、セル壁123の望ましい厚さに対して、1/40〜1/10の領域と考えることができ、上記領域において、前記貴金属触媒の量は、前記セル壁123の厚さの中心部よりも多いことが望ましいということになる。
上記ハニカム構造体100(ハニカムユニット130)のセル壁123の厚さを0.2mmとした場合、上記セル壁123の厚さの30μmの深さまでの領域は、セル壁123の厚さに対して3/20の領域となり、上記セル壁123の厚さの10μmの深さまでの領域は、セル壁123の厚さに対して、1/20の領域となる。
また、本発明のハニカム構造体100(ハニカムユニット130)は、前記セル壁123の厚さの30μmの深さまでの領域において、前記貴金属触媒が担持された領域で、前記貴金属触媒の量が、前記セル壁の深さ方向に向かって、実質的に一定であっても良く、あるいは前記セル壁123の厚さの30μmの深さまでの領域において、前記貴金属触媒が担持された領域で、前記貴金属触媒の量が、前記セル壁の深さ方向に向かって、徐々に低下していても良い。
さらに本発明のハニカム構造体100(ハニカムユニット130)は、前記セル壁123の厚さの10μmの深さまでの領域において、前記貴金属触媒が担持された領域で、前記貴金属触媒の量が、前記セル壁の深さ方向に向かって、実質的に一定であっても良く、あるいは前記セル壁123の厚さの10μmの深さまでの領域において、前記貴金属触媒が担持された領域で、前記貴金属触媒の量が、前記セル壁の深さ方向に向かって、徐々に低下していても良い。
上記のような構造とすることにより、従来のハニカム構造体に比べて、本発明のハニカム構造体100に担持させる貴金属触媒の量を低減することができる。
ここで、ハニカムユニット130は、無機粒子および無機バインダを含むが、さらに無機繊維を含んでいても良い。
無機粒子としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ゼオライト、ムライト等からなる粒子が望ましい。これらの粒子は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。また、これらの中では、アルミナ、セリアが特に望ましい。
無機バインダとしては、無機ゾルや粘土系バインダ等を用いることができ、上記無機ゾルの具体例としては、例えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス等が挙げられる。また、粘土系バインダとしては、例えば、白土、カオリン、モンモリロナイト等のクレイ型バインダ、セピオライト、アタパルジャイト等の複鎖構造型粘土等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
これらのなかでは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライトおよびアタパルジャイトからなる群から選択された少なくとも1種が望ましい。
また、ハニカムユニット130に無機繊維を加える場合、無機繊維の材料としては、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウムまたはホウ酸アルミニウム等が望ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記材料の中では、アルミナが望ましい。
ハニカムユニット130に含まれる無機粒子の量について、望ましい下限は30重量%であり、より望ましい下限は40重量%であり、さらに望ましい下限は50重量%である。一方、望ましい上限は90重量%であり、より望ましい上限は80重量%であり、さらに望ましい上限は75重量%である。無機粒子の含有量が30重量%未満では、浄化に寄与する無機粒子の量が相対的に少なくなる。一方、90重量%を超えると、ハニカムユニットの強度が低下する可能性がある。
無機バインダは、固形分として、5重量%以上含まれることが好ましく、10重量%以上含まれることがより好ましく、15重量%以上含まれることがさらに好ましい。一方、無機バインダの含有量は、固形分として、50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、35重量%以下であることがさらに好ましい。無機バインダの量が固形分として5重量%未満では、製造したハニカムユニットの強度が低くなることがある。一方、無機バインダの量が固形分として50重量%を超えると、原料組成物の成型性が悪くなることがある。
ハニカムユニット130に無機繊維が含まれる場合、無機繊維の合計量について、望ましい下限は3重量%であり、より望ましい下限は5重量%であり、さらに望ましい下限は8重量%である。一方、望ましい上限は50重量%であり、より望ましい上限は40重量%であり、さらに望ましい上限は30重量%である。無機繊維の含有量が3重量%未満ではハニカムユニットの強度向上の寄与が小さくなり、50重量%を超えるとNOx浄化に寄与する無機粒子の量が相対的に少なくなる。
前述のハニカムユニット130の長手方向に対して垂直な断面の形状は、特に限定されるものではなく、ハニカムユニット130を接着層150を介して接合することが可能であれば、いかなる形状であっても良い。ハニカムユニット130の形状は、正方形、長方形、六角形、扇形などであっても良い。
また、ハニカムユニット130のセル121の長手方向に対して垂直な断面の形状は、特に限られず、正方形以外に、例えば三角形、多角形としても良い。
ハニカムユニット130のセル密度は、15.5〜186個/cm(100〜1200cpsi)の範囲であることが好ましく、46.5〜170個/cm(300〜1100cpsi)の範囲であることがより好ましく、62.0〜155個/cm(400〜1000cpsi)の範囲であることがさらに好ましい。
ハニカムユニット130のセル壁123の厚さ(貴金属触媒設置前)は、特に限定されないが、強度の点から望ましい下限は、0.1mmであり、望ましい上限は、0.4mmである。
前述のように、このようなハニカムユニット130のセル壁123には、貴金属触媒およびNOx吸蔵触媒が担持されている。貴金属触媒としては、特に限られないが、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が使用される。また、NOx吸蔵触媒としては、カリウム、ナトリウムのようなアルカリ金属、および/またはバリウム、カルシウム、マグネシウムのようなアルカリ土類金属を含む(例えば炭酸塩等)。
本発明のハニカム構造体100の形状は、いかなる形状であっても良い。例えば、ハニカム構造体100の形状は、図1に示すような円柱の他、楕円柱、四角柱、多角柱等であっても良い。
ハニカム構造体100のコート層120および接着層150を形成するペースト(接着層用ペーストおよびコート層用ペースト)は、例えば、無機粒子と無機バインダとで構成されるが、さらに無機繊維を含んでも良い。
コート層120は、通常の場合、無機バインダおよび無機粒子を含み、さらに有機バインダを含むペーストを原料として形成される。有機バインダには、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース等を使用することができ、これらは単独で使用しても、2種類以上のものを混合して使用しても良い。有機バインダの中では、カルボキシルメチルセルロースが望ましい。
その後、コート層ペーストをハニカム構造体100の外周面に塗布した後、乾燥固化することにより、コート層120が形成される。原料となるペーストには、必要に応じて、酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加しても良い。コート層の厚さは、0.1mm〜2.0mmが好ましい。
また、本発明のハニカム構造体100において、接着層150には、コート層120と同じ材料が使用される。ただし、接着層150は、コート層120と異なる材料であっても良い。
以上の記載では、図1のような、接着層150を介して複数のハニカムユニット130を接合することにより構成されるハニカム構造体100を例に説明した。図6には、本発明のハニカム構造体の他の例を示す。なお、ハニカム構造体200は、複数のセル122がセル壁124を隔てて長手方向に並設された単一のハニカムユニットから構成されていること以外、ハニカム構造体100と同様である。なお、ハニカム構造体200の外周面には、コート層が形成されても、されなくても良い。
このようなハニカム構造体100、200は、例えば、ディーゼルエンジン等から排出される排気ガスの処理装置に適用することができる。
このような構成のハニカム構造体200においても、セル壁124の表面側の貴金属触媒量がセル壁124の中心側の貴金属触媒量よりも多くなるように、貴金属触媒を担持させた場合、前述のような効果が発揮されることは、当業者には明らかであろう。
(ハニカム構造体の作製方法)
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法を説明する。なお、ここでは、前述のハニカム構造体100の製造方法を例に説明する。
まず、無機粒子、無機バインダを主成分とし、さらに必要に応じて無機繊維を添加した原料ペーストを用いて押出成形等を行い、ハニカムユニット成形体を作製する。
原料ペーストには、これらの他に有機バインダ、分散媒および成形助剤を成形性にあわせて適宜加えてもよい。有機バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂等から選ばれる1種以上の有機バインダが挙げられる。有機バインダの配合量は、無機粒子、無機バインダおよび無機繊維の合計100重量部に対して、1〜10重量部が好ましい。
分散媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(ベンゼンなど)およびアルコール(メタノールなど)などを挙げることができる。成形助剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸およびポリアルコール等を挙げることができる。
原料ペーストは、特に限定されるものではないが、混合・混練することが好ましく、例えば、ミキサーやアトライタなどを用いて混合してもよく、ニーダーなどで十分に混練してもよい。原料ペーストを成型する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押出成形などによってセルを有する形状に成形することが好ましい。
次に、得られた成形体は、乾燥することが好ましい。乾燥に用いる乾燥機は、特に限定されるものではないが、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機および凍結乾燥機などが挙げられる。また、得られた成形体は、脱脂することが好ましい。脱脂する条件は、特に限定されず、成形体に含まれる有機物の種類や量によって適宜選択するが、おおよそ400℃、2時間が好ましい。更に、得られた成形体は、焼成することが好ましい。焼成条件としては、特に限定されるものではないが、600〜1200℃が好ましく、600〜1000℃がより好ましい。この理由は、焼成温度が600℃未満では焼結が進行せずハニカムユニットとしての強度が低くなり、1200℃を超えると、焼結が過剰に進行し、ハニカムユニットの単位体積あたりの比表面積が小さくなるためである。
次に、得られたハニカムユニットのセル壁に、貴金属触媒が担持される。貴金属触媒は、ハニカムユニットを白金を含む溶液に浸漬させる方法、いわゆる「含浸法」によりセル壁に担持されることが好ましい。本発明では、前述のように、セル壁の表面側の貴金属触媒量がセル壁の中心側の貴金属触媒量よりも多くなるように、セル壁に貴金属触媒を担持させる必要がある。「含浸法」では、以下の理由により、そのような状態で貴金属触媒をセル壁に設置することが比較的に容易に行えるからである。
物質の表面は、通常、OHH、OHおよびOの官能基が付着した状態である。例えば、無機粒子にアルミナを用いたハニカムユニットの表面は、酸性であるため、OHH基がO基に比べて多く存在している。これらの官能基の単位体積当たりの量は、ハニカムユニットの比表面積に依存し、比表面積が大きくなるほど、単位体積当たりの官能基の量も増大する。また、このような状態の表面を有するハニカムユニットを、負に帯電している白金イオンを含む含浸溶液に浸漬させると、白金イオンは、セル壁表面のOHH基と結合する傾向にあるので、セル壁表面に白金が付着する。さらに、ハニカムユニットの比表面積を増加させると、単位体積当たりのOHH基の量も上昇するため、この場合、白金は、セル壁のより表面側に付着するようになる。従って、ハニカムユニットの比表面積を変化させることにより、単位体積当たりのOHH基の量を制御し、これにより貴金属触媒のセル壁への浸透深さを制御することができる。
本発明では、ハニカムユニットを構成する無機粒子の比表面積は、50m/g〜300m/gの範囲であることが好ましい。また含浸溶液には、例えばジニトロジアミン白金硝酸溶液のような硝酸溶液が使用される。
なお、貴金属触媒の担持は、本段階ではなく、ハニカムユニット同士を接合させて、ハニカム構造体を作製した後に実施しても良い。
次に、ハニカムユニットのセル壁に、NOx吸蔵触媒が担持される。NOx吸蔵触媒は、例えば、炭酸バリウムの酢酸水溶液中に、ハニカムユニットを含浸させることにより、各セル壁に担持することができる。
次に、以上の工程で得られたハニカムユニットの側面に、後に接着層となる接着層用ペーストを均一な厚さで塗布した後、この接着層用ペーストを介して、順次他のハニカムユニットを積層する。この工程を繰り返し、所望の寸法の(例えば、ハニカムユニットが縦横4個ずつ配列された)ハニカム構造体を作製する。なお前記接着層用ペーストには、前述の原料ペーストを使用しても良い。
接着層用ペーストとしては、特に限定されるものではないが、例えば、無機バインダと無機粒子を混ぜたものや、無機バインダと無機繊維を混ぜたものや、無機バインダと無機粒子と無機繊維を混ぜたものなどを用いることができる。また、これらにさらに有機バインダを加えてもよい。有機バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどから選ばれる1種以上が挙げられる。
ハニカムユニットを接合させる接着層の厚さは、0.3〜2mmが好ましい。接着層の厚さが0.3mm未満では十分な接合強度が得られないおそれがあるためである。また接着層の厚さが2mmを超えると、圧力損失が大きくなることがある。なお、接合させるハニカムユニットの数は、ハニカム構造体の大きさに合わせて適宜選定される。
次にこのハニカム構造体を加熱して、接着層用ペーストを乾燥、固化して、接着層を形成させるとともに、ハニカムユニット同士を固着させる。
次にダイヤモンドカッター等を用いて、ハニカム構造体を、例えば円柱状に切削加工し、必要な外周形状のハニカム構造体を作製する。
次に、ハニカム構造体の外周面(側面)にコート層用ペーストを塗布後、これを乾燥、固化して、コート層を形成する。コート層用ペーストは、特に限定されないが、接着層用のペーストと同じものであっても異なるものであっても良い。また、コート層用ペーストは、接着層用のペーストと同じ配合比としてもよく、異なる配合比としても良い。コート層の厚みは、特に限定されるものではない。
複数のハニカムユニットを接着層によって接合させた後(ただし、コート層を設けた場合は、コート層を形成させた後)に、このハニカム構造体を加熱処理することが好ましい。この処理により、接着層用のペーストおよびコート層用ペーストに有機バインダが含まれている場合、これらの有機バインダを脱脂除去することができる。脱脂条件は、含まれる有機物の種類や量によって適宜選定されるが、通常の場合、700℃、2時間程度である。
以上の工程により、図1に示す形状の接合型のハニカム構造体を作製することができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
まず、γアルミナ粒子(平均粒径2μm)2250重量部、アルミナファイバ(平均繊維径6μm、平均繊維長100μm)680重量部、アルミナゾル(固形分30重量%)2600重量部を混合し、得られた混合物に対して、有機バインダとしてメチルセルロース320重量部、可塑剤、界面活性剤および潤滑剤を少量加え、さらに、混合、混練して混合組成物を得た。次に、この混合組成物を用いて、押出成形機により押出成形を行い、生の成形体を得た。
次に、マイクロ波乾燥機および熱風乾燥機を用いて、生の成形体を十分乾燥させた後、400℃で2時間保持し、脱脂を行った。その後、700℃で2時間保持して焼成を行い、四角柱状の多孔質ハニカムユニット(寸法:縦35mm×横35mm×長さ50mm)を得た。この多孔質ハニカムユニットのセル密度は、93個/cmであり、セル壁厚は、0.2mmであった。またγアルミナ粒子の比表面積は、200m/gであった。
次に、ダイヤモンドカッターを用いて、四角柱状の多孔質ハニカムユニットを軸方向に沿って切削加工し、円柱状のハニカムユニット(寸法:直径30mm×長さ50mm)の評価用サンプルを得た。
次に、得られた円柱状ハニカムユニット(評価用サンプル)のセル壁に白金を担持した。含浸溶液には、ジニトロジアミン白金硝酸溶液を使用した。円柱状ハニカムユニット(評価用サンプル)の単位体積当たりの白金担持量は、3g/Lとした。
次に、得られた円柱状ハニカムユニット(評価用サンプル)を炭酸バリウムと炭酸カリウムの酢酸水溶液に含浸させた後、このハニカムユニットを600℃で1時間保持した。この処理により、各セル壁に、炭酸バリウムと炭酸カリウムの混合物(等モル比)からなるNOx吸蔵触媒を担持させた。円柱状ハニカムユニット(評価用サンプル)の単位体積当たりのNOx吸蔵触媒の重量は、0.2モル/Lとした。
前述のようにして作製された実施例1に係るハニカムユニット(評価用サンプル)を用いて、白金の担持状態を評価した。白金の担持状態評価には、EPMA装置(日本電子製JXA−8500F)を使用した。評価および観察の結果、白金の担持領域は、実質的にセル壁表面から10μmまでの領域であった。なお実施例1に係るハニカムユニット(評価用サンプル)の場合、セル壁の深さ方向における白金の担持量の変化は、実質的に図5(a)で表される態様であった(p=10μm)。
(実施例2)
次に、実施例1と同様の方法により、実施例2に係るハニカムユニット(評価用サンプル)を作製した。なお、実施例2においては、γアルミナの比表面積は、180m/gであった。実施例1と同様の方法により、セル壁の深さ方向における白金の担持量の変化を評価した。評価および観察の結果、白金の担持領域は、実質的にセル壁表面から20μmまでの領域であった。なお実施例2に係るハニカムユニット(評価用サンプル)の場合、セル壁の深さ方向における白金の担持量の変化は、実質的に図5(a)で表される態様であった(p=20μm)。その他の条件は、実施例1の場合と同様である。
(実施例3)
次に、実施例1と同様の方法により、実施例3に係るハニカムユニット(評価用サンプル)を作製した。なお、実施例3においては、γアルミナの比表面積は、170m/gであった。実施例1と同様の方法により、セル壁の深さ方向における白金の担持量の変化を評価した。評価および観察の結果、白金の担持領域は、実質的にセル壁表面から30μmまでの領域であった。なお実施例3に係るハニカムユニット(評価用サンプル)の場合、セル壁の深さ方向における白金の担持量の変化は、実質的に図5(a)で表される態様であった(p=30μm)。その他の条件は、実施例1の場合と同様である。
(実施例4)
次に、実施例1と同様の方法により、実施例4に係るハニカムユニット(評価用サンプル)を作製した。なお、実施例4においては、円柱状ハニカムユニット(評価用サンプル)の単位体積当たりの白金重量は、2g/Lとした。その他の条件は、実施例1の場合と同様である。
(実施例5)
次に、実施例2と同様の方法により、実施例5に係るハニカムユニット(評価用サンプル)を作製した。なお、実施例5においては、円柱状ハニカムユニット(評価用サンプル)の単位体積当たりの白金重量は、2g/Lとした。その他の条件は、実施例2の場合と同様である。
(実施例6)
次に、実施例3と同様の方法により、実施例6に係るハニカムユニット(評価用サンプル)を作製した。なお、実施例6においては、円柱状ハニカムユニット(評価用サンプル)の単位体積当たりの白金重量は、2g/Lとした。その他の条件は、実施例3の場合と同様である。
(比較例1)
次に、実施例1と同様の方法により、比較例1に係るハニカムユニット(評価用サンプル)を作製した。ただし、比較例1においては、含浸溶液に、テトラアミン白金硝酸溶液を使用した。また比較例1においては、γアルミナの比表面積は、170m/gであった。円柱状ハニカムユニット(評価用サンプル)の単位体積当たりの白金担持量は、3g/Lとした。実施例1と同様の方法により、セル壁の深さ方向における白金の担持量の変化を評価した。評価および観察の結果、白金は、セル壁内部にまで実質的に均一に担持されていることが確認された。
表1には、各実施例および比較例における白金担持量(g/L)、アルミナの比表面積(m/g)、白金担持領域のセル壁表面からの深さ、およびセル壁の厚さ(200μm)に対する白金担持領域の占める割合等をまとめて示した。なお、表において、「セル壁の厚さに対する白金担持領域の占める割合」は、セル壁の一つの表面側の白金担持領域のみに着目した値である。すなわち、例えば、図5(a)のような白金担持量分布の場合、この割合には、0≦X≦pの領域のみが含まれ、d−p≦X≦dの領域は、含まれない。
Figure 2009255032
(NOx処理性能の評価)
上記方法で作製した実施例1〜実施例6および比較例1に係るハニカムユニット(評価用サンプル)を用いて、NOx処理性能の評価を行った。NOx処理性能の評価は、車両用ディーゼルエンジンのリーンとリッチスパイクのそれぞれの運転条件を模擬した混合ガスをハニカムユニット(評価用サンプル)に流通させ、NOx処理を行い、ハニカムユニット(評価用サンプル)から排出されたガス中に含まれるNO(一酸化窒素)量を測定することにより実施した。
表2には、リーン運転時のガスとリッチスパイク時のガスのそれぞれの組成を示す。試験の際には、最初にハニカム構造体にリーンガスを110秒間導入し、次にリッチガスを10秒間導入するサイクルを、排出ガス中に含まれるNO濃度がほとんど変化しなくなるまで繰り返した。SV値で50000/hrとした。
Figure 2009255032
NO濃度の測定には、HORIBA製の装置(MEXA−7100D)を使用した。この装置のNOの検出限界は、0.1ppmである。
試験温度(ハニカムユニット(評価用サンプル)および模擬ガス温度)は、200℃、300℃または400℃のいずれかとし、試験期間中一定とした。
NOx処理性能の評価には、NOx浄化率Nを用いた。ここでNOx浄化率Nは、

N(%)={(ハニカムユニットに導入する前の混合ガス中のNO濃度−
ハニカムユニットから排出された排出ガス中のNO濃度)}/
(ハニカムユニットに導入する前の混合ガス中のNO濃度)×100 (4)

により算出した。
結果を前述の表1の右端の欄に示す。これらの結果から、本発明によるハニカム構造体(実施例1〜6のハニカムユニット)は、いずれの温度においても、従来のハニカム構造体(比較例1のハニカムユニット)に比べて、高いNOx浄化率を示すことが明らかとなった。
本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図である。 図1のハニカム構造体を構成するハニカムユニットの一例を模式的に示した斜視図である。 従来のハニカム構造体のセル壁表面からの深さ方向における距離と貴金属触媒量の関係を模式的に示した図である。 本発明によるハニカム構造体のセル壁表面からの深さ方向における距離と貴金属触媒量の関係を模式的に示した図である。 本発明によるハニカム構造体におけるセル壁表面からの深さ方向における距離と貴金属触媒量の別の関係を模式的に示した図である。 本発明のハニカム構造体の他の例を示した斜視図である。
符号の説明
100,200 ハニカム構造体
110,115 端面
120 コート層
121,122 セル
123,124 セル壁
130 ハニカムユニット
150 接着層
200 ハニカム構造体。

Claims (13)

  1. 無機粒子と、無機バインダとを含み、長手方向に沿って、一方の端面から他方の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された柱状のハニカムユニットからなるハニカム構造体であって、
    前記セル壁には、貴金属触媒およびNOx吸蔵触媒が担持され、前記セル壁の表面は、前記セル壁の厚さの中心部に比べて、前記貴金属触媒の量が多いことを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記セル壁の表面から、前記セル壁の厚さの30μmの深さまでの領域に含まれる前記貴金属触媒の量は、前記セル壁の厚さの中心部よりも多いことを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記セル壁の表面から、前記セル壁の厚さの10μmの深さまでの領域に含まれる前記貴金属触媒の量は、前記セル壁の厚さの中心部よりも多いことを特徴とする請求項2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記貴金属触媒が担持された領域において、前記貴金属触媒の量は、前記セル壁の深さ方向に向かって実質的に一定であることを特徴とする請求項2または3に記載のハニカム構造体。
  5. 前記貴金属触媒が担持された領域において、前記貴金属触媒の量が前記セル壁の深さ方向に向かって徐々に低下することを特徴とする請求項2または3に記載のハニカム構造体。
  6. 前記貴金属触媒は、白金、パラジウムおよびロジウムからなる群から選定された少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  7. 前記無機粒子は、アルミナ、セリア、ジルコニア、チタニア、シリカ、ゼオライトおよびムライトからなる群から選定された少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  8. 前記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、およびアタパルジャイトからなる群から選定された少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  9. 前記ハニカムユニットは、さらに無機繊維を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  10. 前記無機繊維は、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウムおよびホウ酸アルミニウムからなる群から選定された少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項9に記載のハニカム構造体。
  11. 前記NOx吸蔵触媒は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  12. 前記NOx吸蔵触媒は、カリウム、ナトリウム、バリウム、カルシウム、およびマグネシウムからなる群から選定された少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項11に記載のハニカム構造体。
  13. 当該ハニカム構造体は、前記複数の柱状のハニカムユニットと、該ハニカムユニット同士を接合する接着層とを有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
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