JP4987476B2 - ビスフェノールaの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビスフェノールAの製造方法、特に、フェノールおよびアセトンの連続脱水縮合によるビスフェノールAの製造方法に関する。
ビスフェノールAは、化学名2,2-ジ(4-ヒドロキシフェニル)プロパンであり、工業用原料として広く使用されており、例えば、エポキシ樹脂およびポリカルボネート等の製造に用いることができる。
ビスフェノールAは、酸性触媒の存在下での過剰フェノールおよびアセトンの脱水縮合によって合成することができ、具体的な反応式は以下の通りである。
Figure 0004987476
この反応は、発熱反応である。断熱固定床型反応器内で、有効な熱除去手段がなければ、反応器内の温度は有意に上昇し、その間に、縮合触媒としての現在のカチオン交換樹脂は高温で不活性化し、同時に副反応が強まるだろう。従って、断熱固定床型反応器内での温度上昇を防ぐために、複数の冷却流が必要とされるであろう。
例えば、中国特許出願 CN1390819Aは、脱水縮合を断熱固定床型反応器内で行う、ビスフェノールAの製造方法を開示しており、該反応器内には、2つの触媒床が備えられており、循環流としての反応混合物の一部分を2つの該触媒床の間に取り込み、反応器への供給流と混合し、反応器の上部に移す。反応混合物の残りの部分を反応器から取り出し、蒸留系内に移し、そこで、アセトン−水−フェノール留分を蒸留により除くと、得られた残分が粗ビスフェノールAであり、これを融解し、次第に結晶化すると、ビスフェノールA製造物が得られる。この方法の欠点は、循環流が脱水されないことであり、その結果、反応流内の水分量が高く、明らかに反応に逆行する。
CN1406218Aは、多段式反応器内にフェノールとアセトンを充填することを含む、ビスフェノールAの製造方法を開示しており、該反応器内では、カチオン交換樹脂を充填した少なくとも2つの断熱固定床型反応器を連続配置し、個々の反応器内の温度が90℃より高くないレベルに制御するために、個々の反応器の入り口に熱交換器を装備している。しかしながら、この特許出願は、反応温度を制御するために、個々の反応器の入り口に熱交換機を備えていることを単に指摘しているにすぎず、具体的な制御手段については、明細書中にも実施例中にも触れられていない。
現在のところ、カチオン交換樹脂は、もっとも広範囲に用いられている縮合触媒であり;結果として得られた反応流を濃縮し、発生した水、未反応アセトンおよびフェノール部を取り除き;その後、濃縮された反応流を結晶化等の処理後処置に移すと、最終的にビスフェノールA製造物が得られ、この過程中では、未反応のフェノールおよびアセトンを回収し、反応システムに戻し循環させることができる。
Qi xiwangおよびChenHongfang(Petrochemical Industry,1996,25(9);620−624)は:水はスルホン酸型酸性イオン交換樹脂触媒にとって強い毒であり、このことは、比較的堅固な水素結合網が、反応中に生成した水と触媒骨格上のスルホン酸基の間で形成され、該水素結合網が活性触媒部位をふさぎ、その結果、触媒活性が有意に阻害されることによる、と説明できることを報告した。このように、反応流中の水分量が低ければ低いほど、反応にはより好適である。さらに、水は反応生成物の一つであるため、それを除去することにより反応を前に進めることができる。
従って、反応中に生成した水を除去する方法について、多くの研究が行われてきた。
CN1118155A、CN1077187AおよびCN1080914Aは、すべて、縮合を多段式懸濁床型反応カラム内で行い、不活性ガス流を反応器の底に供給し、ガスストリッピングにより反応中に生成した水分を除去する。次に、濃縮せずに、反応流を直接結晶化すると、ビスフェノールAおよびフェノールの付加物結晶(adduct crystal)およびリカー(liquor)が形成される。固体−液体分離後、付加物結晶からフェノールを除去することにより、ビスフェノールAを得る。しかしながら、これらの方法の欠点は、多段式懸濁床型反応器が複雑な構造を持ち、組み立てが難しく、同時に不活性ガスを取り扱い循環させるための装置がその他に多数必要であろう、ということにある。
US5,087,767は、反応中に生成する水の部分を、フェノールおよびアセトンを含む反応混合物からパーベーパレーションによって除去し、該パーベーパレーションは、多孔質ガラス膜、多孔質シリカ膜、多孔質アルミナ膜および多孔質セラミック膜のような、選択的水-透過性膜によって行われる、ビスフェノールAの製造方法を開示している。該方法に従って、反応中に生成した水を、反応が起こると同時または選択的にパーベーパレーションによって迅速に除去し、その結果、アセトンとフェノールの高い転化およびビスフェノールAの高い収率が達成される。しかしながら、該方法の欠点は、分離される水の収容量に制限があることである。さらに、この方法は、連続的固定床型反応器よりバッチ型攪拌反応器に完全に適している。
発明の要約
本発明の目的は、ビスフェノールAの製造方法を提供することにある。本発明の方法では、脱水留分をプロセス中の精留ゾーンから回収し、反応器内に戻して循環することができる。このように、一方では、循環脱水留分を冷却流として用い、反応温度を制御することができ、もう一方では、反応器内の水分量を減少させることもできる。
該目的に関連して、本発明は、以下の段階:縮合触媒を充填した反応ゾーン内にフェノールおよびアセトンを入れ、反応後ビスフェノールA含有流を得;精留ゾーン内に得られたビスフェノールA含有流を移し、ビスフェノールAおよびフェノールを主に含む生成留分を得;結晶化ゾーン内に主にビスフェノールAおよびフェノールを含む生成留分を移し、ビスフェノールA生成物を得:その中で、主にフェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを含む脱水留分を精留ゾーンから得、冷却後、循環流として反応ゾーンに戻すこと:を含む、ビスフェノールAの製造方法を提供する。
本発明の方法に従って、フェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含む循環脱水留分の水分量を、2重量%より大きくないレベルに制御し、該脱水留分を、冷却水によって、または他の流れを有する熱交換によって、またはその組み合わせによって、冷却することができる。
本発明の方法に従って、該反応ゾーンは、一つの断熱固定床型反応器であるか、または、連続的に配置された2もしくはそれより多い断熱固定床型反応器を含む。該反応ゾーンが連続配置された2以上の断熱固定床型反応器を含む場合、フェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含む脱水留分を、精留ゾーンから回収して、任意の一つの反応器に、または個々の反応器に比例的に戻すことができるが、最後の反応器のみに戻すことが好ましく、その理由は、該脱水留分内のビスフェノールAの濃度が高く、該脱水留分をその他の反応器に戻した場合、バックミキシングが起こりうる;同時に、熱交換器をその他の反応器の入り口に備えて、その中の縮合温度を制御し、また、所望であれば実際に、反応流は吸着カラムを通過させて、有害な不純物を除去することもできる。
本発明の方法に従って、フェノール、ビスフェノールおよびアセトンを主に含む該脱水留分の循環流速の、該脱水留分が入る反応器への供給流の流速対する重量比は、供給流の流速は循環流速を除いて、5:1から15:1の範囲内である。該循環脱水留分は、反応器内で発生した反応熱を取り除くために主に作用するので、もし循環流速が小さすぎれば、反応熱を効果的に取り除くことができず、反応器内の温度上昇が起こり、その結果、触媒活性に影響を与えるであろう。フェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含む該脱水留分は、液体としてとり出すのが好ましい。
本発明の方法に従って、該反応ゾーンが連続配置された2つ以上の断熱固定床型反応器を含む場合、フェノールを第一反応器内に一度に供給し、アセトンを第一反応器内に一度に、または個々の反応器内に比例的に供給する。好ましくは、個々の反応器内のフェノールの濃度比を高め、同時に、全フェノールの、全アセトンに対する比率を可能な限り低いレベルに減少すために、アセトンは個々の反応器内に比例的に供給される。
先行技術で用いられている任意の固体触媒は、フェノールとアセトンの縮合に適しており、反応混合物中で不溶であるが、本発明にも用いることができる。本発明の連続反応に関するかぎり、縮合触媒はカチオン交換樹脂であり、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、架橋されたスルホン化スチレンポリマー等のように修飾され得ない、または、メルカプト修飾カチオン交換樹脂等のような修飾されうる、カチオン交換樹脂である。本発明の方法に従って、助触媒を用いて、反応を促進し、副反応を阻害し、反応の選択性を改良することができる。該助触媒は、メチルメルカプタン、エチルメルカプタンおよびチオグリコール酸等のような、アルキルメルカプタンであり得る。
本発明の方法に従って、該反応ゾーン内の縮合温度は、45−160℃、好ましくは50−130℃、より好ましくは60−100℃の範囲内である。本発明の方法に従って、温度が45℃より低ければ、反応が遅すぎるため、より多量の触媒の充填が必要であろう;これに対して、反応温度が160℃より高ければ、触媒はすぐに不活性化され、より多量の副産物が生成され、従って、ビスフェノールAの選択性は、減少するであろう。
本発明の方法に従って、該反応ゾーンの圧力は、大気圧または加圧、一般的に大気圧から6kg/m2まで(ゲージ圧、大気圧を基本にして測定した圧力を表す)である。
本発明の方法に従って、該反応ゾーン内のフェノール対アセトンのモル比は、一般的に3:1から30:1、好ましくは5:1から15:1であり、該モル比が30:1より高ければ、反応は遅くなりすぎ、これに対して該モル比が3:1より低ければ、より多くの副産物が生成し、従って、ビフェニールAの選択性が減少するであろう。
本発明の方法に従って、該精留ゾーンが、サイドドローを有する精留塔、フラッシュドラムおよび精留塔の組み合わせ、または、軽質分および水を除去する能力を持つその他の装置であり得る。
本発明の方法による第一の実施態様では、該精留ゾーンは、一つの精留塔であり、該精留塔内では、主に、フェノール、ビスフェノールおよびアセトンを含む脱水留分をサイドドローを通して回収し、該脱水留分を冷却し、供給流と混合し、反応ゾーンに戻す;ビスフェノールおよびフェノールを主に含む生成物留分を該精留塔の底部から取り出し、結晶化ゾーン内に移して、さらなる分離を通してビスフェノールA生成物が得られる;これに対して水、アセトンおよびフェノールを主に含む留分を該精留塔の塔頂部から取り出し、さらに分離して、アセトンおよびフェノールを回収し、回収したアセトンおよびフェノールを反応ゾーンに戻し循環する。
該第一実施態様に従って、該精留塔は、真空塔または常圧塔であることができ、その操作圧は、50−800mmHg(絶対圧、絶対真空を基本として測定した圧力を表す)の範囲内である。
該第一実施態様に従って、該精留塔の理論段数は、一般的に4から20の範囲内である。該数が4より小さい場合、軽質分をほとんど除去できない。数が多ければ多いほど、分離はより効率的であるが、数が多すぎれば、装置の価格が明らかに高くなる。従って、包括的に考えると、該精留塔の理論段数は、一般的に4から20の範囲内である。
該第一実施態様に従って、該精留塔は、棚段塔または充填塔であることができ、塔の供給およびサイドドローの位置は、サイドドローを通して回収される、フェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含む脱水留分中の水分量が2重量%より大きくならないように、決定されるべきである。
該第一実施態様に従って、該精留塔が棚段塔である場合、該供給部位は(カラムの頭頂部から数えて)全理論段の0−3/5にあり、サイドドローは、(カラムの供給部位から数えて)ストリッピング部の1/5から4/5にあり得る。このように、フェノールの一部、大部分のアセトンおよび水は精留塔の塔頂部から取り出され、これに対して、ビスフェノールA及びフェノールを主に含む濃縮流を精留塔の底部から取り出すことができ、同時に非常に低い水分量の脱水留分はサイドドローを通して回収される。
該第一実施態様に従って、該精留塔が充填塔である場合、供給部位より下に少なくとも2つの充填区画、供給部位の上に0から1の充填区画があり、かつ、サイドドローは第一充填区画と第二充填区画の間、供給部位の下方に隣接して位置する。供給部位の上方で塔を充填すると、該充填は、1−6の理論段に相当する。供給部位の下方に隣接した第一充填区画は、2−6理論段に相当する。第一充填区画を除いて、供給部位の下方に隣接したその他充填区画全体は、2−8理論段に相当する。このように、フェノールの一部、大部分のアセトンおよび水を塔の塔頂部から取り出し、これに対して、ビスフェノールAおよびフェノールを主に含む濃縮流を塔の底部から取り出すことができ、同時に、非常に低い水分量の脱水留分はサイドドローを通して回収される。用いうる充填は、一般不規則パッキングまたはストラクチャードパッキングである。
該第一実施態様に従って、底部流をさらに濃縮するために、該精留塔のより低い位置に熱交換器を装備し、該熱交換器は、塔のより低い位置とその底部出口を導管でつないで、底部再沸騰系を形成し、その結果、塔の底部流を濃縮すると同時にサイドドロー留分中の水分量をさらに減少させることができる;また、該精留塔の上部に熱交換器を装備することもでき、該熱交換器はカラムの上部とその頭頂部出口を導管でつなぎ、塔頂部還流系を形成し、その結果、塔内での有効な分離を容易にする。
該精留塔の塔頂部留分は、主に、アセトン、フェノールおよび水を含んでおり、フェノール、アセトンおよび水の分離に適した先行技術の任意の方法を、本発明に用いることができる。例えば、US3,049,569、CN1390187A、CN1300729A、CN1118155A等に開示された方法を用いて、アセトン、フェノールおよび水を分離することができ、分離したアセトンおよびフェノールを反応ゾーンに戻し循環させることができる。
該精留塔の底部留分は、主に、フェノールおよびビスフェノールAを含む。本発明の方法に従って、ビスフェノールAおよびフェノールを主に含む生成物留分を結晶化し分離するために結晶化ゾーン内に移し、ビスフェノール最終製造物を得る。該結晶化ゾーン内では、結晶化は一度だけ行うことができ;また、フェノールおよびビスフェノールAの分離に適した先行技術の任意の方法を、本発明に用いることもできる。例えば、US3,049,569、CN1390187A、CN1300729、CN1118155A等に開示された方法を用いて、フェノールとビスフェノールAを分離することができ、さらに、分離されたフェノールを反応ゾーンに戻して循環させることができ、これに対して、ビスフェノールA生成物を工業プロセスに用いて、エポキシ樹脂およびポリカーボネート等を製造することができる。
本発明の方法に従った他の実施態様では、該精留ゾーンは、フラッシュドラムと精留塔の組み合わせである。この場合、反応ゾーンからのビスフェノールA含有流をフラッシュドラムに移す。フェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含む脱水留分をフラッシュドラムの底部から取り出す。該脱水留分の一部を反応ゾーンに戻して循環させ、残部を精留塔に移す。フェノール、少量のアセトンおよび水を主に含む留分を該精留塔の塔頂部から取り出し、さらに分離してフェノールおよびアセトンをそれぞれ回収することができ、また、ビスフェノールAおよびフェノールを主に含む生成物留分を該精留塔の底部から取りだし、結晶化ゾーン内に移し、さらに分離を行うと、ビスフェノールA製造物が得られるが、これに対して、水、アセトンおよびフェノールを主に含む留分をフラッシュドラムの塔頂部から取り出し、分離してアセトンおよびフェノールを回収し、回収したアセトンおよびフェノールを、反応ゾーンに戻して循環させることもできる。
前記の他の実施態様では、該精留ゾーン内のフラッシュドラムの操作圧は、50−800mgHg(絶対圧)の範囲内であり、0−2理論段に相当する充填物および棚段などの塔内部は、該フラッシュドラム内に装備しており、該充填物は、一般的ランダムな充填またはストラクチャード充填であって良く、また、使用されるフラッシュドラムは、気体-液体の分離を容易にするために、棚段、金網等のような内容物を装備していて良く、該フラッシュドラムは、フラッシュ能力を有する他の装置で置き換えることもできる。
前記の他の実施態様では、反応ゾーンからの反応流を加熱し、その後、精留ゾーン内のフラッシュドラムに移す。フラッシュドラム内の圧力が安定している場合、その中の流れの温度は、フラッシュドラムの底部から取り出した留分の水分量に影響を与える。従って、フラッシュドラム内に流入させる流れの温度は、フラッシュドラムの底部から取り出された留分内の水分量が2重量%より多くならないように、決定されるべきである。
前記の他の実施態様では、フェノール、ビスフェノールおよびアセトンを主に含む脱水留分の一部を、フラッシュドラムの底部から取り出し、精留塔内に移す。該精留塔内の操作圧および理論段数は、続く結晶化および分離を容易にするために、底部生成物留分内のビスフェノールAの濃度が20−40重量%であるように決定されるべきである。
前記の他の実施態様では、フラッシュドラムの塔頂部から取り出し、主に、アセトン、フェノールおよび水を含む留分に関するかぎり、フェノール、アセトンおよび水の分離に適した先行技術の任意の方法を用いて、この留分をさらに処理することができる。例として、US3,049,569、CN1390187A、CN1300729A、CN1118155A等に開示された方法を用いて、アセトン、フェノールおよび水を分離することができ、分離されたアセトンおよび水を、反応ゾーンに戻して循環させることができる。
本発明の方法では、ビスフェノールおよびフェノールを主に含む生成物留分をさらなる結晶化および分離のために結晶化ゾーン内に移し、ビスフェノールA最終生成物を得る。該結晶化ゾーン内では結晶化は一度だけ行われ;さらに、フェノールとビスフェノールAの分離に適した先行技術の任意の結晶化法を用いることもできる。例として、US3,049,569、CN1390187A、CN1300729A、CN1118155A等に開示された方法を用い、フェノールとビスフェノールAを分離することができ、さらに、分離されたフェノールを反応ゾーンに戻して循環させることができ、これに対してビスフェノールA生成物を工業プロセスに用いて、エポキシ樹脂およびポリカーボネート等を製造することができる。
本発明の方法では、精留ゾーンと固定床式反応器を組み合わせることによって、ビスフェノールAを連続的に製造し、そうすることによって触媒活性を維持し、アセトンの転化および反応の選択性を改良することができる。本発明に従って、先行技術の固定床式反応器によるビスフェノールAの連続製造方法と比較した場合、いかなる装置も追加せずに、水および軽質分を同一の精留塔によって除去することができ、反応生成物を濃縮することができ、さらに同時に、非常に低い水分量を有する脱水留分を、サイドドローを通して取り出し、反応器に戻して循環させることができ、そうすることによって操作を非常に単純にすることができ、よって、エネルギー消費を減少することができる。さらに、本発明に従って、先行技術の固定床式反応器によるビスフェノールAの連続製造方法を再構築することができる。例えば、フラッシュドラムを元来の精留塔の上流に提供し、さらに、フラッシュドラムから取り出した非常に低い水分量の脱水留分を反応器に戻して循環させ、元の精留塔を用いて反応生成物をさらに濃縮することができる。
本発明の最良の実施態様
本発明は、図面を参照に、以下の実施例によって、さらに説明されるが、本発明は、いかなる場合もこれらの実施例に制限されるべきものではない。
本発明は、以下の段階を含むビスフェノールAの製造方法(図1を参照のこと)を提供し、該段階には:フェノール、アセトンおよび循環流を混合することによって得られた反応流1を、縮合触媒を装填した反応ゾーン内に入れ、反応後ビスフェノールAを含む流れ2を得;流れ2を精留ゾーン内に移し、その結果得られたフェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含む脱水留分3を冷却し循環流として反応ゾーンに戻し;また、水、未反応アセトンおよび未反応フェノールの一部を含む留分4を得、該留分4を回収プロセス内に移す;さらに、ビスフェノールAおよびフェノールを主に含む生成物留分5を得、さらに結晶化ゾーン内で生成物留分5から溶媒および不純物を分離して、最終的にビスフェノールA製造物を得る:段階が含まれる。
本発明の方法では、該反応ゾーンは1つの断熱固定床式反応器、または連続配置された2もしくはそれより多くの断熱固定床式反応器であり、該精留ゾーンは、サイドドローを有する精留塔、フラッシュドラムと精留塔の組み合わせ、またはその他の装置、ならびに軽質分および水を除去する能力を有するプロセス(図2および図3を参照のこと)であることができる。該反応ゾーンが連続配置された2またはそれより多くの断熱固定床式反応器を含む場合、脱水された循環流3(図1を参照のこと)を任意の一つの反応器内に、またはそれぞれの反応器内に比例的に移すことができ、また、(図には示していないが)熱交換器をそれぞれの反応器の入り口に提供して、縮合温度を制御し、さらに、所望であれば実際に、反応流を吸着カラムに通して、有害不純物を除去することもできる。
本発明に従った第一実施態様では、該反応ゾーンは連続配置された2つの断熱固定床式反応器を含み、該精留ゾーンは精留塔Tである(図2を参照のこと)。フェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含む脱水留分3は、該精留塔からサイドドローを通して引き出され、最終反応器(即ち反応器R2)内に移され、また、それぞれの反応器の入り口には、反応温度を制御するために熱交換器(図示せず)が提供されている。
本発明に従ったその他の実施態様では、該反応ゾーンは、連続配置された2つの断熱固定床式反応器を含み、該精留ゾーンはフラッシュドラムVおよび精留塔T(図3を参照のこと)を含む。フェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含む脱水留分3は、フラッシュドラムVの底部から取り出され、その一部が最終反応器(即ち反応器R2)内に移され、また、それぞれの反応器の入り口には、反応温度を制御するために熱交換器(図示せず)が提供されているが、一方、該脱水留分3の残部は、さらに濃縮するために、精留塔T内に移される。
以下の実施例に用いた触媒は、Purolite CT-124 カチオン交換樹脂(Purolite international Ltd.)である。
アセトンの転化および反応の選択性は、別々に、以下のように計算された:
アセトン転化=(供給アセトンのモル流速−放出アセトンのモル流速)/供給アセトン*100%のモル流速
反応の選択性=(放出ビスフェノールAのモル流速−供給ビスフェノールAのモル流速)/供給アセトン*100%のモル流速
実施例1
図2に示すプロセス工程図に従って、縮合触媒を装填した反応器R1内にフェノールおよびアセトンを充填した。反応流1aを冷却し、次いで、精留塔Tからの循環流および新たなアセトン流を混合すると、反応混合流3aが得られた。反応混合流3aを反応器R2内に移し、反応からの流2を精留塔T内に移す。フェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含む脱水留分3を、サイドドローを通して液体で取り出し、熱交換器E1で冷却し、循環流として反応器R2内に移す;塔の塔頂部留分を熱交換器E2で冷却し、還流して、水、未反応アセトンおよび未反応フェノールの一部を含む留分4を得る;底部再沸騰系を熱交換器E3によって形成した。主にビスフェノールAおよびフェノールを含む生成物留分5は塔底部から得られ、該生成物留分5を結晶化ゾーン内に移し、さらに処理して、ビスフェノールA生成物を得た。
2つの反応器は両方とも、同一構造、同じ大きさの固定床式反応器であり、同一触媒を装填した。それらの内径は、200mmであり、触媒床は高さ400mmであった。
精留塔は内径200mmであり、3つのθネットリング充填区画で満たされている。供給部位上方の1つの充填区画は、高さ2mであり、4理論段に相当し、供給部位下方の第一充填区画は高さが1mで、2理論段に相当し、さらに、供給部位下方の第二充填区画は、高さ2m、4理論段に相当した。
反応器R1,R2および精留塔Tの操作条件は以下の通りである:
R1およびR2では、供給温度は65℃であり、操作圧は6kg/cm2(ゲージ圧)であった。供給フェノールの流速は、3.7kg/時間であり、その全体が第一反応器R1内に供給された。供給アセトンの流速は、第一反応器R1へは0.15kg/時間、第二反応器R2へは0.15kg/時間であった。第一反応器からの放出流を65℃に冷却した。精留塔の操作圧は100mmHg(絶対圧)であった。サイドドローの流速は、40kg/時間であった。R2内での温度上昇を、6℃以内に制御した。
反応器R1およびR2ならびに精留塔Tのそれぞれの流れの組成を、(重量%ベースで)表1に示した。
Figure 0004987476
第一反応器R1内では、アセトンの転化は、83.5%であり、反応選択性は、92%であった:また、第二反応器R2では、アセトン転化は、86%であり、反応選択制は95.5%であった。
比較例1
操作および条件は、実施例1のそれらと同一であるが、反応器R2からの流れ2の一部分は脱水せず、直接冷却して、40kg/時間の循環流速で反応器R2内に循環させ;流れ2の残部を精留塔内に移し、精留塔からのサイドドローは、取り出されなかった。それぞれの流れの組成を(重量%ベースで)表2に示した。
Figure 0004987476
第一反応器R1において、アセトンの転化は、83.5%であり、反応の選択性は、92%であった;さらに、第二反応器R2では、アセトンの転化は81%であり、反応選択性は、90%であった。
比較すると、脱水後、反応器R2に入る反応流内の水分量は、2.20%から0.20%に減少し、反応選択性およびアセトンの転化は、共に、有意に改善された。
実施例2
一つの固定床式反応器を用いた、即ち、アセトン、フェノールおよび精留塔からの循環側流を混合して反応混合物3aを形成し、これを直接反応器R2内に入れた。上記の違いを除くと、その他のすべての操作は、実施例1の操作と同一であった。
精留塔では、供給部位より上は充填されておらず、供給部位の隣接下部の第一充填区画は、高さ2mであり、4理論段に相当し、供給部位から下方の第二充填区画は高さ1mであり、2理論段に相当した。
反応器R2および精留塔Tの操作条件は以下の通りであった;
反応器R2では、供給フェノールの流速は3.7kg/時間であり、供給アセトンの流速は0.3kg/時間であり、供給温度は、75℃であり、さらに、操作圧は、4kg/cm2(ゲージ圧)であった。精留塔Tの操作圧は、130mmHg(絶対圧)であり、該精留塔では還流は行われなかった。サイドドローの位置は、2つの充填区画の間にあり、循環側流の流速は、24kg/時間であった。反応温度の上昇は10℃以内に制御した。
反応器R2および精留塔Tのそれぞれの流れの組成の比較を、(重量%ベースで)表3に示した。
Figure 0004987476
反応器R2では、アセトンの転化は87%であり、反応選択性は、94%であった。
比較例2
比較例2は、実施例2とほぼ同一であるが、反応器R2内への循環流は脱水せず、直接冷却して、R2内に循環流速24kg/時間で循環した;精留塔にサイドドローは提供されず、反応器から取り出された流れを脱水した。それぞれの流れの組成の比較を、(重量%ベースで)表4に示した。
Figure 0004987476
反応器R2では、アセトンの転化は85%であり、反応選択性は91%であった。
比較すると、脱水後、反応器R2内に入る反応流の水分量は、2.15%から0.97%に減少し、反応選択性およびアセトン転化は、両方とも、有意に改良された。
実施例3
実施例3は、実施例2とほぼ同一であるが、精留塔Tは三区画充填塔であり、そのうち、1つの充填区画は供給部位の上方にあり、高さ3m、6理論段に相当し;供給部位の隣接下部の第一充填区画は高さ3mであり、6理論段に相当し;さらに、供給部位の隣接下方の第二充填区画は高さ4mであり、8理論段に相当した。
反応器R2および精留塔Tの操作条件は、以下の通りであった:
反応器R2では、供給フェノールの流速は6kg/時間であり、供給アセトンの流速は0.3kg/時間であり、供給温度は75℃であり、操作圧は5kg/cm2(ゲージ圧)であった。精留塔Tの操作圧は760mmHg(絶対圧)であり、循環側流の流速は90kg/時間であった。反応温度の上昇は、4℃以内に押さえた。
反応器R2および精留塔Tのそれぞれの流れの組成の比較を、(重量%ベースで)表5に示した。
Figure 0004987476
反応器R2内では、アセトン転化は87%であり、反応選択性は96.5%であった。
実施例4
実施例4は、実施例2とほぼ同一であるが、精留塔Tは、内径200mm、25段、段効率30%の多孔板塔であった。
反応器R2および精留塔Tの操作条件は以下の通りであった:
フェノールおよびアセトンの供給流速は、実施例2のそれと同一であった。供給温度は、70℃であり、操作圧は、5kg/cm2(ゲージ圧)であった。精留塔Tの操作圧は60mmHg(絶対圧)であり、供給部位は第六段にあり、サイドドローは第13段にあり、循環流速は40kg/時間であった。反応温度の上昇は、6℃以内に押さえた。
反応器R2および精留塔Tのそれぞれの流れの組成を、(重量%ベースで)表6に示した。
Figure 0004987476
アセトンの転化は87.5%であり、反応選択性は95%であった。
実施例5
図3に示したプロセス工程図に従って、フェノールおよびアセトンを、縮合触媒を装填した反応器R1に充填した。反応器からの流れ1aを冷却し、次に、フラッシュドラムからの循環流および新たなアセトン流と混合して反応混合流3aを得た。反応混合流3aを縮合反応器R2に移し、反応からの流れ2をフラッシュドラムV内に移した。フラッシュドラムの頭頂部から得られた留分7を回収し;フラッシュドラムの底部流の一部を脱水留分3として反応器R2内に循環させ、残部を供給流6として精留塔Tに移した。該精留塔Tの頭頂部留分4を回収したが、一方、ビスフェノールAおよびフェノールを主に含む生成物留分5は、該精留塔Tの底部で得られた。該生成物留分5を結晶化ゾーン内に移し、さらに処理してビスフェノールA生成物を得た。
反応器は実施例1のそれと同一構造、同一サイズであった。フラッシュドラムは内径300mm、高さ600mmであった。精留塔は内径200mm、2つのθネットリング充填区画で充填されており、そのうち、塔の頭頂部からの第一充填区画は高さ2mであり、4理論段に相当し、第二充填区画は高さ2m、4理論段に相当した。供給部位は、第一充填区画の上部であった。
反応器R1、R2および精留塔Tの操作条件は以下の通りであった:
R1およびR2では、供給温度は、73℃であり、操作圧は4kg/cm2(ゲージ圧)であった。供給フェノールの流速は4.5kg/時間であり、その全体を第一反応器R1に加えた。供給アセトンの流速は、第一反応器R1へは0.21kg/時間、第二反応器R2へは0.09kg/時間であった。フラッシュドラムは操作圧50mmHg(絶対圧)、循環流速40kg/時間(流れ3)であった。精留塔の操作圧は50mmHg(絶対圧)であった。
反応器R1およびR2ならびに精留塔Tのそれぞれの流れの組成の比較を、(重量%ベースで)表7に示した。
Figure 0004987476
第一反応器R1において、アセトン転化は83.5%であり、反応選択性は92%であった;第二反応器R2では、アセトン転化88%、反応選択性96%であった。この実施例は、フラッシュドラムと精留塔の組み合わせが、サイドドローを有する精留と実質上同一の効果を発揮する能力を持つことを示している。
結晶化実施例
実施例1から5および比較例1から2で得られた、ビスフェノールAおよびフェノールを主に含む生成物留分に関して、ビスフェノールAおよびフェノールの包括結晶を、一度のみ結晶化を行うことによって得た。結晶スラリーをろ過し、ろ過ケークを純粋なフェノールで洗浄し、残留フェノールを除去すると、ビスフェノールA生成物が得られた。結晶化温度は45℃であり、ろ過ケークの洗浄に用いたフェノールの重量は、ろ過ケーク重量の0.5倍であった。得られた生成物の組成を表8に示した。
Figure 0004987476
表8にデータを示したように、本発明の方法に従ってビスフェノールAおよびフェノールを主に含む生成物留分から、一度のみ結晶化した後、ビスフェノールA生成物を得ることができ、これは、明細書と完全に一致している。
本発明によるビスフェノールAの製造方法のプロセスフローダイヤグラム概要である。 本発明によるビスフェノールAの製造方法の第一実施態様のプロセスフローダイヤグラム概要である。 本発明によるビスフェノールA製造方法のその他の実施態様のプロセスフローダイヤグラム概要である。

Claims (11)

  1. ビスフェノールAの製造方法であって、以下の段階:
    縮合触媒を充填した反応ゾーン内にフェノールおよびアセトンを移し、反応後、ビスフェノールAを含む流れを得;
    得られたビスフェノールAを含む流れを精留ゾーンに移し、ビスフェノールAおよびフェノールを主に含む生成物留分を得;そして、
    ビスフェノールAおよびフェノールを主に含む生成物留分を結晶化ゾーンに移してビスフェノールA生成物を得る:段階を含み、
    フェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含み、水分量が2重量%より大きくないレベルに抑制されている、液体の脱水留分を精留ゾーンから得、該脱水留分を冷却して、循環流として反応ゾーンに戻すことを特徴とする:
    該ビスフェノールA製造方法。
  2. 該反応ゾーンが1つの断熱固定床式反応器または連続配置された2以上の断熱固定床式反応器を含む断熱固定床式反応器であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 該反応ゾーンが連続配置された2以上の断熱固定床式反応器を含む場合、フェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含む脱水留分を、任意の一つの反応器または個々の反応器に分けて戻すことを特徴とする、請求項記載の方法。
  4. 該反応ゾーンが連続配置された2以上の断熱固定床式反応器を含む場合、フェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含む脱水留分を最後の反応器のみに戻すことを特徴とする、請求項記載の方法。
  5. フェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含む該脱水留分の循環流速の、該脱水留分が入る反応器への供給流の流速に対する重量比が5:1から15:1の範囲内であることを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 該精留ゾーンが精留塔であり、フェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含む脱水留分は該精留塔のサイドドローであり、さらに、ビスフェノールAおよびフェノールを主に含む生成物留分を該精留塔の底部から取り出すことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 該精留塔の操作圧が50−800mmHg(絶対圧)の範囲内であることを特徴とする、請求項記載の方法。
  8. 該精留ゾーンがフラッシュドラムおよび精留塔からなり、反応ゾーンからのビスフェノールA含有流をフラッシュドラム内に移し、フェノール、ビスフェノールAおよびアセトンを主に含む脱水留分をフラッシュドラムの底部から取り出し、該脱水留分の一部を反応ゾーンに戻して循環させ、残部を精留塔内に移し、さらに、ビスフェノールAおよびフェノールを主に含む生成物留分を該精留塔の底部から取り出すことを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  9. 精留ゾーン内の該フラッシュドラムの操作圧が50−800mmHg(絶対圧)の範囲内であることを特徴とする、請求項記載の方法。
  10. 該反応ゾーン内のフェノールのアセトンに対するモル比が3:1から30:1の範囲内であり、該反応ゾーン内の縮合温度が50−130℃の範囲内であり、さらに、縮合圧が大気圧から6kg/cm2(ゲージ圧)であることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  11. 結晶化ゾーン内での結晶化が一度のみ行われることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
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