JP3967009B2 - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ポリカーボネートの製造方法に関し、詳細には、ポリカーボネート製造工程で副生するフェノールをビスフェノールA製造工程にリサイクルするポリカーボネートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、芳香族ポリカーボネートは、耐熱性、耐衝撃性、透明性などに優れたエンジニアリングプラスチックスとして、多くの分野において幅広く用いられている。
この芳香族ポリカーボネートの製造方法については、従来種々の研究が行われ、その中で、芳香族ジヒドロキシ化合物、例えばビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)とホスゲンとの界面重縮合法が工業化されている。しかしながら、この界面重縮合法においては、取り扱いに注意を有するホスゲンを用いなければならないこと、副生する塩化水素や塩化ナトリウム及び、溶媒として大量に用いる塩化メチレンなどの含塩素化合物により装置が腐食すること、ポリマー物性に悪影響を及ぼす塩化ナトリウムなどの不純物や残留塩化メチレンの分離が困難なことなどの問題があった。
【0003】
このような問題を解決するために、ホスゲンの替わりにジアリールカーボネートを用いてエステル交換法で芳香族ポリカーボネートを製造する方法が数多く提案されている。例えばビスフェノールAとジフェニルカーボネートを溶融状態で重合して、芳香族ポリカーボネートを得ることができる。この方法は、高粘度のポリカーボネートの溶融体の中から、芳香族モノヒドロキシ化合物(フェノール等)を留去しなければ重合度が上がらないことから、(1)高温・高真空条件下で重合するため、副反応によって分岐や架橋が起こりやすく、品質の良好なポリマーが得にくいこと、(2)着色を免れないこと等、種々の欠点を有していた〔松金幹夫他、プラスチック材料講座〔5〕「ポリカーボネート樹脂」日刊工業新聞社刊行(昭和44年)、第62〜67ページ参照〕。これらの欠点を克服するため、触媒や安定剤、重合方法等に関して数多くの試みがなされている。特に本出願人等は、WO95/03351号明細書において、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとの溶融混合物、または芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートを反応して得られる重合中間体を、自由に落下させながら重合する方法を開示しており、この方法によれば着色のない高品質のポリカーボネートを製造することが可能である。また、ジアリールカーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物から、固相重合により芳香族ポリカーボネートを製造する方法についても本出願人等によって提案されており(USP−4948871号明細書、USP−5204377号明細書、USP−5214073号明細書等)、高品質の芳香族ポリカーボネートが製造できることが開示されている。
【0004】
このように、エステル交換法においても、高品質のポリカーボネートが得られるようになったものの、ホスゲン法とは異なり、ポリカーボネートを製造する過程でフェノールが必然的に副生する為に、経済的には、副生フェノールの再利用が必須となっている。その為、例えば、特開平9−255772号公報や特開平10−60106号公報に示されるように、副生したフェノールをジフェニルカーボネート製造工程に回収して再利用することが試みられている。しかしながら、これら公報に記載されているように、該副生フェノールをDPC工程で再利用するためには、ポリカーボネート製造工程で副生した粗フェノールを一旦蒸留等の操作によって精製してから用いることが、DPC製造工程での配管の閉塞防止やDPC品質及び最終的に得られるポリカーボネートの品質を向上するために必要であった。例えば、特開平10−60106号公報では、副生フェノール中の不純物としてジヒドロキシ化合物が50ppm以下、エステル交換触媒である含窒素塩基性化合物又はアルカリ金属化合物/アルカリ土類金属化合物が1ppm以下、サリチル酸フェニル、O−フェノキシ安息香酸及びO−フェノキシ安息香酸フェニルの含有量の合計が50ppm以下、ポリカーボネートオリゴマーが100ppm以下の範囲にあることが記載されている。このことは、DPC製造工程にもしくはその前の工程に、フェノール蒸留塔や精留塔のような副生した粗フェノールの精製工程が必要になると共に、煩雑な操作が付加されることを意味するものであり、好ましいことではない。
【0005】
更に、上記フェノール蒸留塔や精留塔等の塔底からは、副生粗フェノール中に存在するビスフェノールA、ジフェニルカーボネート、ポリカーボネートオリゴマー等が濃縮された状態で排出される為、フェノールやビスフェノールAからポリカーボネートへの収率が低下すると共に、該排出物の処理が問題となっていた。
以上のように、エステル交換法で必然的に生成する副生フェノールを、効率よく使用する技術は未だ確立されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、粗フェノールを精製するという煩雑な操作を低減すると共に、廃棄物を低減してフェノールやビスフェノールAからポリカーボネートへの収率が向上したエステル交換法ポリカーボネートの製造方法の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような状況下にあって、本発明者らは、ポリカーボネート製造工程で副生する粗フェノールの活用を鋭意研究した結果、意外にも、粗フェノールをビスフェノールA製造工程で使用する場合には、粗フェノールを全く精製することなく、もしくは低純度の精製で使用できるという驚くべき事実を見い出したものである。ポリカーボネート製造工程で副生する粗フェノールをビスフェノールA製造工程にリサイクルすることで、副生する粗フェノールからのフェノール分離精製や廃棄物の処理等の煩雑な操作が不要になると共にフェノールやビスフェノールAからポリカーボネートへの収率が向上したのである。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1) フェノールとアセトンを反応させてビスフェノールAを製造するビスフェノールA製造工程と、該ビスフェノールA製造工程で製造されたビスフェノールAとジフェニルカーボネートとをエステル交換反応させてポリカーボネートを製造するポリカーボネート製造工程とからなり、該ビスフェノールA製造工程で用いられる原料フェノールの少なくとも一部として、該ポリカーボネート製造工程で副生したフェノールを主成分として含む粗フェノールを使用することを特徴とするポリカーボネートの連続的製造方法、
(2) 粗フェノールの純度が50wt%〜99.99wt%であることを特徴する(1)記載のポリカーボネートの連続的製造方法、
(3) 粗フェノールが、水で加水分解された後、ビスフェノールA製造工程で用いられる原料フェノールの一部として使用されることを特徴とする(1)又は(2)記載のポリカーボネートの連続的製造方法、
(4) ビスフェノールA製造工程で製造されたビスフェノールAが、製造直後の溶融状態のまま、固化することなく、ポリカーボネート製造工程に供給されることを特徴とする(1)、(2)または(3)記載のポリカーボネートの連続的製造方法、
(5) ビスフェノールA製造工程で製造されたビスフェノールAが、フェノールアダクトの状態で、ポリカーボネート製造工程に供給されることを特徴とする(1)、(2)または(3)記載のポリカーボネートの連続的製造方法、
を提供するものである。
【0009】
本発明の方法は、アセトンとフェノールとを反応させてビスフェノールAを得、得られた該ビスフェノールAとジフェニルカーボネートをエステル交換反応で重合して、フェノールを副生しながら芳香族ポリカーボネートを製造することを包含し、その際ビスフェノールA製造工程で用いられる原料フェノールの一部として、ポリカーボネート製造工程で副生したフェノールを主成分として含む粗フェノールを用いることを特徴とする方法である。本発明の方法においては、芳香族ポリカーボネートの製造の際に得られる粗フェノールが、精製することなく、もしくは低純度の簡便な精製のままで、芳香族ポリカーボネートの製造原料であるビスフェノールAの製造に有効に用いられる。それ故、本発明の方法は、粗フェノールを他の用途やジフェニルカーボネート製造の原料として使用する際に必要な、高純度の精製工程や廃棄物の回収工程が不要となる利点を有すると共に、フェノールからポリカーボネートへのトータル収率が向上するという利点も有していることから、エステル交換法での芳香族ポリカーボネートの大規模な工業生産において極めて有利に用いることができる。芳香族ポリカーボネートの製造の際に得られる粗フェノールを、そのままで、もしくは低純度の精製のままで、ビスフェノールA製造工程の原料フェノールの一部として使用できることは予想外であり、その結果、粗フェノールの高純度精製は不要になり、煩雑な作業が必要なくなったり、収率が向上することは従来の技術からは全く予測できないことである。
【0010】
本願の効果をより明確にするために、従来提案されていた副生フェノールを精製してジフェニルカーボネート製造工程で使用するプロセスを図2を用いて説明する。ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとからポリカーボネートを製造する工程1で副生した粗フェノールには、ジフェニルカーボネート、ビスフェノールA、ポリカーボネートオリゴマー等を含んでおり、そのまま、ジフェニルカーボネート製造工程に供給することはできない。その為、粗フェノールの精製が必要であり、導管143を通じてフェノール回収塔2に導入される。フェノール回収塔2の塔底からは粗フェノール中に含まれるジフェニルカーボネート、ビスフェノールA、オリゴマーが導管144を通じて排出され、塔頂からはフェノールが排出される。特開平10−60106号公報によれば、該フェノールがジフェニルカーボネート製造工程で使用されるためには、ビスフェノールA、含窒素塩基性化合物、アルカリ金属化合物/アルカリ土類金属化合物、ホウ酸またはホウ酸エステル、亜リン酸水素アンモニウム、サリチル酸フェニル、O−フェノキシ安息香酸、O−フェノキシ安息香酸フェニル等の微量不純物を含んでいれば、更に高純度化が必要であると記載されており、導管145でフェノール精製塔3に導かれる。フェノール精製塔3の塔頂や塔底からは導管145で導かれたフェノール中に含まれていた不純物が排出され、導管146から高純度フェノールが得られる。高純度フェノールは、フレッシュなフェノールと混合され、ジフェニルカーボネート製造工程に供給される。フェノール回収塔2の塔底から導管144で排出された混合物はそのまま重合工程に戻すことは出来ず、廃棄物として処理されるか、または燃料として熱回収するか、もしくは再度ジフェニルカーボネート回収のために薄膜蒸留等の操作が必要となる。その場合、薄膜蒸留塔内では塔底では、重合が発生し配管閉塞が発生しやすい。また、フェノール精製塔3の導管147、149で排出された不純物は廃棄物として処理されるかまたは燃料として熱回収が必要となる。以上のように粗フェノールをジフェニルカーボネート製造原料として使用する従来の技術では、煩雑な操作やロス及び廃物処理が必要となるのである。
【0011】
一方、本発明のプロセスでは図1に示すように、粗フェノールをそのままビスフェノールA製造工程に供給できるので、煩雑な操作や廃物処理が無く、非常にシンプルである。
以下、本発明について詳細に説明する。
最初に、本発明のジフェニルカーボネートとビスフェノールAとをエステル交換させるポリカーボネート製造工程について説明する。本発明のポリカーボネートの製造方法はエステル交換法であれば良く、特に制限はない。通常、芳香族ポリカーボネートをエステル交換法で製造する際に用いられる重合器のいずれも使用することが可能であり、撹拌槽型重合器、薄膜式重合器、スクリュー型重合器、横型撹拌重合器等を用いる方法や、多孔板から落下させながら重合させるタイプの重合方式、多孔板からガイドに沿わせて落下させながら重合させるタイプの重合方式、更には固相重合方式等、公知の種々の方法を用いることができる。高品質のポリカーボネートを製造する上では、特開平7−292097号公報記載の多孔板から落下させながら重合させる方法や、特公平7−94546号公報や特開平3−223330号公報に記載の固相重合法等が特に好ましい。また、これらの重合器を種々組み合わせて用いることも好ましい方法である。
【0012】
ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとの使用割合(仕込比率)は、重合温度その他の重合条件によって異なるが、ジフェニルカーボネートは芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、通常0.9〜2.5モル、好ましくは0.95〜2.0モル、より好ましくは0.98〜1.5モルの割合で用いられる。
本発明の方法で得られる芳香族ポリカーボネートの数平均分子量は、通常500〜100000の範囲であり、好ましくは2000〜30000の範囲である。本発明において、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートを反応させて芳香族ポリカーボネートを製造するに当たり、反応の温度は、通常50〜350℃、好ましくは100〜290℃の温度の範囲で選ばれる。
【0013】
反応の進行にともなって、フェノールが副生してくるが、これを反応系外へ除去する事によって反応速度が高められる。従って、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素や低級炭化水素ガスなど反応に悪影響を及ぼさない不活性なガスを導入して、副生したフェノールをこれらのガスに同伴させて除去する方法や、減圧下に反応を行う方法などが好ましく用いられる。好ましい反応圧力は、製造する芳香族ポリカーボネートの分子量、重合温度等によっても異なるが、例えば、数平均分子量が1000以下の範囲では、6665Pa(50mmHg)〜常圧の範囲が好ましく、数平均分子量が1000〜2000の範囲では、400Pa(3mmHg)〜6665Pa(50mmHg)の範囲が好ましく、数平均分子量が2000以上の範囲では、2666Pa(20mmHg)以下、特に1333Pa(10mmHg)以下が好ましく、更に267Pa(2mmHg)以下が好ましい。減圧下で、かつ前述した不活性ガスを導入しながら反応を行う方法も好ましく用いられる。
【0014】
副生したフェノールを反応系外に除去する際には、ジフェニルカーボネートやビスフェノールA、オリゴマー等も同伴するため、低純度のフェノールとして除去される。また、それらを部分凝縮や蒸留して、フェノールと分離されたジフェニルカーボネートやビスフェノールA、オリゴマー等を重合器に戻す方法も好ましく用いられるが、該操作では副生したフェノールに同伴されたジフェニルカーボネートやビスフェノールA、オリゴマー等を完全に除去することは出来ない。本発明においては、このようにポリカーボネート製造工程から系外に除去された副生したフェノールを主成分とするフェノールを粗フェノールといい、重合工程で副生した成分や原材料を含有するフェノールを粗フェノールと定義する。例えば、反応系外に除去された副生フェノールがそのままポリカーボネート製造工程の系外に移送されるのであれば、該副生フェノールは粗フェノールであるし、上述のようにジフェニルカーボネートやビスフェノールA、オリゴマー等を重合器に戻す為に副生フェノールを部分凝縮や蒸留して得られるフェノールも、重合工程で副生した成分や原材料を含有しておれば、粗フェノールである。本発明においては、該粗フェノールをビスフェノールA製造工程の原料フェノールの一部として使用する。その際の使用割合は、特に限定されないが、原料フェノール中の10〜100重量%の範囲にあり、好ましくは、50〜100%、更に好ましくは、70〜100%の範囲にある。
【0015】
エステル交換反応は、触媒を加えずに実施する事ができるが、重合速度を高めるため、必要に応じて触媒の存在下で行われる。重合触媒としては、この分野で用いられているものであれば特に制限はないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物類;水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウムなどのホウ素やアルミニウムの水素化物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第四級アンモニウム塩類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化合物類;リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カルシウムメトキシドなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属のアルコキシド類;リチウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、マグネシウムフェノキシド、LiO−Ar−OLi、NaO−Ar−ONa(Arはアリール基)などのアルカリ金属及びアルカリ土類金属のアリーロキシド類;酢酸リチウム、酢酸カルシウム、安息香酸ナトリウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の有機酸塩類;酸化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛フェノキシドなどの亜鉛化合物類;酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェニル、(R3 R4 R5 R6 )NB(R3R4 R5 R6 )または(R3 R4 R5 R6)PB(R3 R4 R5 R6 )で表されるアンモニウムボレート類またはホスホニウムボレート類(R3 、R4 、R5 、R6は、各々独立に水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基、環構成炭素数5〜10の炭素環式芳香族基、炭素数6〜10の炭素環式アラルキル基を表す。kは3〜11の整数を表し、R7 およびR8 は、各Xについて個々に選択され、お互いに独立に、水素または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素を表す。
【0016】
また、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 において、一つ以上の水素原子が反応に悪影響を及ぼさない範囲で他の置換基、例えばハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によって置換されたものであっても良い。)などのホウ素の化合物類;酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、テトラアルキルケイ素、テトラアリールケイ素、ジフェニル−エチル−エトキシケイ素などのケイ素の化合物類;酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムフェノキシドなどのゲルマニウムの化合物類;酸化スズ、ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズカルボキシレート、酢酸スズ、エチルスズトリブトキシドなどのアルコキシ基またはアリーロキシ基と結合したスズ化合物、有機スズ化合物などのスズの化合物類;酸化鉛、酢酸鉛、炭酸鉛、塩基性炭酸塩、鉛及び有機鉛のアルコキシドまたはアリーロキシドなどの鉛の化合物;第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級アルソニウム塩などのオニウム化合物類;酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモンの化合物類;酢酸マンガン、炭酸マンガン、ホウ酸マンガンなどのマンガンの化合物類;酸化チタン、チタンのアルコキシドまたはアリーロキシドなどのチタンの化合物類;酢酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、ジルコニウムのアルコキシド又はアリーロキシド、ジルコニウムアセチルアセトンなどのジルコニウムの化合物類などの触媒を挙げる事ができる。
【0017】
触媒を用いる場合、これらの触媒は1種だけで用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、これらの触媒の使用量は、原料のビスフェノールAに対して、通常10-8〜1wt%、好ましくは10-7〜10-1wt%の範囲で選ばれる。本発明の方法を達成する反応器及び重合器の材質に特に制限はないが、重合器の少なくとも内壁面を構成する材質は、通常ステンレススチールやニッケル、ガラス等から選ばれる。
【0018】
次に、ポリカーボネート製造工程で副生したフェノールを原料フェノールの一部として用いるビスフェノールAの製造工程について説明する。本発明において、ビスフェノールAの製造工程は、アセトンとフェノールとを酸触媒の存在下でビスフェノールAを製造するものであれば良く、その方法は特に制限されない。通常、触媒として無水塩化水素を用いる方法と陽イオン型イオン交換樹脂を用いる方法が一般的である。無水塩化水素を触媒として用いる一般的な方法は、反応工程、分離・回収工程、蒸留・精製工程からなっており、反応工程では温度が50℃前後、圧力が常圧から微加圧程度、フェノールとアセトンのモル比が約4:1で水を副生しながら縮合してビスフェノールAを生成している。分離・回収工程では、副生した水に溶解した塩酸の回収、フェノールの分離回収、異性体の分離回収が行われ、回収された塩酸、フェノール、異性体は反応工程にリサイクルされる。蒸留・精製工程では、粗ビスフェノールAの蒸留、結晶化・分離、洗浄・乾燥を行い高純度のビスフェノールAを得ている。
【0019】
後者の陽イオン型イオン交換樹脂を用いる一般的な方法は、反応工程、分離・回収工程、精製工程及び熱分解異性化工程からなっており、反応工程では、温度が50〜90℃程度、圧力が大気圧、フェノールとアセトンのモル比が約10:1で水を副生しながら縮合してビスフェノールAを生成している。分離・回収工程では、副生した水の分離、アセトン及びフェノールの分離回収が行われ、回収されたアセトン、フェノールは反応工程にリサイクルされる。精製工程では、フェノールアダクトとしてビスフェノールAを晶析し洗浄が行われた後フェノールの蒸留分離と顆粒化が行われ精製ビスフェノールAが得られる。分離されたフェノールは再使用される。晶析で分離された異性体やタール分は熱分解異性化工程に送られ、フェノールやビスフェノールA及びビスフェノールAの異性体に変換され、反応工程にリサイクルされる。
【0020】
本発明においては、該ビスフェノールA製造工程で用いられる原料フェノールの一部としてポリカーボネート製造工程で副生した粗フェノールを使用する。前述のように、副生した粗フェノールは、重合工程での温度、真空度、重合装置、部分凝縮やロスを発生しない程度の簡便な蒸留等による重合器へのリサイクルの程度によって、その純度は異なるが、未反応のジフェニルカーボネートやビスフェノールA及びオリゴマー等を0.01〜50wt%程度含有しており、その純度は50〜99.99wt%程度である。前述したように、ジフェニルカーボネート工程に副生フェノールをリサイクルする場合には、高純度に精製することが必要であったが、本発明においては、ビスフェノールA等が含有していても全く問題ない。むしろ、高純度に精製することによる煩雑さと、精製で発生するロスによるトータル収率の低下を避けるために、重合器へのリサイクルが問題なくできる程度の低純度の精製の方が好ましい。好ましい粗フェノールの純度としては、70〜99wt%、更に好ましくは80〜99wt%、特に好ましくは90〜99wt%の範囲にある。上記範囲より純度が低い場合は、重合工程での生産効率が低下したり、安定性が低下する傾向にある。
【0021】
ビスフェノールA反応工程内には、反応で副生した水と酸性触媒が存在し、かつ温度が50〜90℃の状態にあるため、供給された粗フェノール中のジフェニルカーボネートは加水分解されてフェノールになる。また、粗フェノール中のビスフェノールAはそのままの状態で次工程に移行し、オリゴマーは加水分解されてビスフェノールAとなり次工程に移行する。該反応工程で、粗フェノール中のジフェニルカーボネートやオリゴマーは加水分解されるが、未反応の状態で残存して次工程に移行しても、精製や分解等の操作がなされるため何ら問題はない。更に、未反応ジフェニルカーボネートの量が多い場合には、ジフェニルカーボネートがフェノールとアダクトを形成して、精製ビスフェノールA中に残存する可能性もあるが、ジフェニルカーボネートはポリカーボネート製造工程で使用されるモノマーであるため、ポリカーボネートの品質に対しては何ら問題はないのである。
【0022】
また、粗フェノール中のジフェニルカーボネートやオリゴマーの加水分解を進行させてからビスフェノールA製造用の原料フェノールの一部として用いることも可能である。その場合、粗フェノール中に水を添加して50〜200℃に加熱した後、ビスフェノールA製造工程の原料フェノールの一部として使用することも可能であるし、ビスフェノールA製造工程内の分離工程で回収されて反応工程に供給される、水分を含んでいる回収アセトンに混合して50〜150℃に加熱した後、ビスフェノールA製造工程の原料フェノールの一部として使用することも可能である。その際、水及び水分の量としては、粗フェノール中に存在するジフェニルカーボネートやオリゴマー等の加水分解される成分と等モル以上存在させることが好ましく、一般に、10倍モルまでが好ましい。また、反応時間も加水分解が進行するに十分な時間反応させることが好ましく、一般に、1分から3時間の範囲にある。
【0023】
また、本発明において、ビスフェノールA製造工程とポリカーボネート製造工程とは物理的に繋がっている必要は無く、ポリカーボネート製造工程で副生した粗フェノールがビスフェノールA工程で使用されればよい。しかし、好ましい形態としては、ポリカーボネート製造工程で副生した粗フェノールが配管等で物理的に連結されたビスフェノールA製造工程にリサイクルされることが好ましい。更に、ビスフェノールA製造工程で製造されたビスフェノールAをプリル化することなく、溶融状態のままで配管を経由してポリカーボネート製造工程に供給することも好ましい。また、ビスフェノールA製造工程のビスフェノールAのフェノールアダクト状態でポリカーボネート製造工程に供給することも好ましい。前者のプリル化することなく溶融状態で供給する場合には、プリル化工程とその後の粉体のハンドリングが軽減でき好ましい。ビスフェノールAをフェノールアダクトの状態で供給することは、ビスフェノールAの精製工程及びプリル化工程が簡略化出来て好ましいが、重合工程からのリサイクルフェノールの量が増大するというデメリットも生じる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。各項目の評価は以下の方法で行った。
1.フェノールの純度:(株)島津製作所製SCL−6Bを用いて高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
2.重量平均分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定した(カラム:トーソー(株)製TSK−GEL;溶媒:THF)。
3.色調:射出成形機(J100E、日本製鋼社製)を用い、芳香族ポリカーボネートをシリンダー温度290℃、金型温度90℃で、縦50mm×横50mm×厚さ3.2mmの試験片を連続成形した。得られた試験片の色調はCIELAB法(Comission Inetrnationale de l'Eclairage1976L*a*bDiagram)により測定し、黄色度をb*値で示した。b*値は大きいほど黄色度は高い。
4.溶融色APHA:175℃で溶解して、評価した。
【0025】
【実施例1】
図3に示される様な系を用いて、ビスフェノールAと芳香族ポリカーボネートを製造した。図3は、(i)アセトンとフェノールからビスフェノールAを製造するための反応搭及びビスフェノールA精製系(ビスフェノールA反応搭21及び22,25〜29からなるビスフェノール精製工程を用いて行う。)、(ii)上記ビスフェノールA反応搭21に粗フェノール貯槽18を経由してリサイクルされる粗フェノールを副生しながらポリカーボネートを製造する工程(攪拌槽型第1重合器9、10及び攪拌槽型第2重合器11からなる第1攪拌重合工程、自由落下式重合器16、ワイヤー接触落下式重合器17)からなる。
【0026】
<ポリカーボネート製造工程>
第1攪拌重合工程は攪拌槽型第1重合器9及び10を用いてバッチ的に行われた。攪拌槽第1重合工程は重合温度180℃、常圧、シール窒素ガス流量1リットル/hrの条件で行われた。重合工程を開始するにあたり、ビスフェノールA製造工程で製造精製されたビスフェノールAを、ビスフェノールA貯槽7に貯められた。ビスフェノールAは導管31より、攪拌槽型第1重合器10に40kgバッチ的に供給され、ついでジフェニルカーボネートが投入口6より40kgバッチ的に供給された。溶融状態で4時間攪拌した後、溶融物は7.8kg/hrの流量で導管34を経て連続的に撹拌槽型第2重合器11に供給された。撹拌槽型第1重合器9から撹拌槽型第2重合器11に溶融プレポリマー(a)を供給している間に、撹拌槽型第1重合器10に、貯槽7のビスフェノールA40kgを導管31からバッチ的に供給し、ついでジフェニルカーボネート40kgを投入口8からバッチ的に供給した後、上記の撹拌槽型第1重合器9における攪拌重合と同様にして重合を行い溶融プレポリマー(b)を得た。撹拌槽型第1重合器9が空になった時点で撹拌槽型第1重合器10からの溶融プレポリマー(b)の攪拌槽型第2重合器11への供給を開始し、溶融プレポリマー(b)は連続的に流量7.8kg/hrで供給された。撹拌槽型第1重合器9、10におけるバッチ重合及び溶融プレポリマー(a)及び(b)の交互供給を上記と同様の操作で繰り返し、溶融プレポリマー(a)又は(b)のいずれかを連続的に撹拌槽型第2重合器11に供給した。
【0027】
撹拌槽型第2重合器11は、反応温度240℃、反応圧力70mmHgの条件で行い、内容量20リットルを一定に保つように内容物(プレポリマーc)を抜き出し導管35及び導管37を経て自由落下式重合器16に連続的に供給した。攪拌槽型第2重合器11から留出するビスフェノールAやジフェニルカーボネート等を含む粗フェノールは、真空ポンプの負荷を低減するために、導管40から60℃に設定されたフェノール凝縮器13に供給された。フェノール凝縮器13の塔底から得られる粗フェノールは導管41を経て粗フェノール貯槽18に移送され、フェノール凝縮器搭頂部から排出されたガスは、導管42及びルーツブロワー14を経て、封液の主成分がフェノールである液封式真空ポンプ15に吸引された。ガス中のフェノールは、封液と共に導管45を経由して、粗フェノール貯槽18に移送された。
【0028】
自由落下重合器16は、孔径5mmの孔を80個有する多孔板48を備えており、自由落下距離は8mである。自由落下重合器16においては、導管37より多孔板48を有する供給位置に導入されたプレポリマー(c)を糸状の溶融物49となって落下させることによって重合される。重合温度は250℃、圧力は5mmHgで自由落下重合を行い、プレポリマー(d)を得た。プレポリマー(d)の1部は導管36及び37を経て流量50kg/hrで上記自由落下重合器16の供給位置に再循環された。自由落下重合器16から留出するビスフェノールAやジフェニルカーボネート等を含む粗フェノールは、導管44、導管42及びルーツブロワー14を経て液封式真空ポンプ15に吸引され、導管45を経由して、粗フェノール貯糟18に移送された。自由落下重合器16内のプレポリマー量は一定になるように、プレポリマー(d)の1部はワイヤー接触落下式重合器17に供給された。
【0029】
ワイヤー接触落下式重合器17は、孔径5mmの孔を80個有する多孔板50を備えており、80本の1mm径のSUS316L製ワイヤ状ガイド51が多孔板50のそれぞれの孔からワイヤー接触落下式重合器17の底部の貯槽部へ垂直に釣り下げてあり、重合材料は自由落下せず、ワイヤー51に沿って接触しながら落下する。ワイヤー接触落下距離は8mである。ワイヤー接触落下式重合器17においては、重合温度265℃、圧力0.3mmHgの条件下で、ワイヤー接触落下式重合を連続的に行い、得られた芳香族ポリカーボネートを重合器ボトムから約4.4kg/hrで抜き出した。ワイヤー接触落下式重合器17から留出するビスフェノールAやジフェニルカーボネート等を含む粗フェノールは、導管44、導管42及びルーツブロワー14を経て液封式真空ポンプ15に吸引された。液封式真空ポンプ15内の封液は、一定量を保つように導管45より抜き出され、粗フェノール貯槽18へ供給された。粗フェノール貯槽18のフェノールの純度は、90%であった
【0030】
<ビスフェノールA製造工程>
粗フェノール貯槽18とフェノール貯槽19とから、導管52,53を経由して26.3kg/hrでフェノールを送り、アセトン貯槽20から導管55を経由して送られてきた1.2kg/hrのアセトンと共に60℃に加熱され、導管54を経由してビスフェノールA反応搭21に供給した。粗フェノールとフェノールの比率(重量比)(粗フェノール/フェノール)は95/5であった。ビスフェノールA反応搭21は、触媒としてスルホン酸基を有するイオン交換樹脂が充填されてあり、ジャケットで反応温度が60℃になるように制御した。塔底からはビスフェノールA16wt%、フェノール78%、水1wt%を含む反応溶液が抜き出され、導管38を経由して軽沸分離塔22に供給された。また、該反応液中にはジフェニルカーボネートは検出されなかった。
【0031】
軽沸分離塔22の搭頂部からはアセトン、水、フェノール及び炭酸ガスが抜き出され、炭酸ガスは導管58に接続された真空ポンプから排出され、フェノールとアセトンはそれぞれ脱水搭23、アセトン回収搭24で精製されて回収される。
軽沸分離塔22の塔底部から抜き出されたフェノールとビスフェノールAとからなる溶液は、フェノールフラッシング搭25に導管62を経由して供給された。フェノールフラッシング搭25の搭頂部からはフェノールが抜き出され導管63を経由して粗フェノール貯槽に回収され、塔底からはビスフェノールA22wt%、フェノール74wt%の組成で抜き出され、ビスフェノールA晶析槽26に導管64を経由して供給される。ビスフェノールA晶析槽26は、温度50℃、滞留時間2時間に保たれており、フェノール/ビスフェノールA結晶アダクトを析出させた。ビスフェノールA晶析槽26下部から抜き出された結晶アダクトは遠心分離器27でフェノールと分離され、150℃に保持された結晶アダクト融解槽30及び導管66を経由して、脱フェノール搭28に供給された。脱フェノール搭28は、160℃、50torrに保持されており、塔頂よりフェノールが回収された。塔底からは、フェノール3.8wt%を含むビスフェノールAが抜き出され、導管68を経由してスチームストリピング搭29へ供給された。スチームストリッピング塔の条件は180℃、10torrであった。スチームストリッピング搭29の下部からは、高純度ビスフェノールAが抜き出され、導管69を経由してビスフェノールA貯槽7に移送され、ポリカーボネートの製造に使用された。
【0032】
図3のシステムは800時間連続運転し、ビスフェノールAと芳香族ポリカーボネートを製造した。800時間後に得られたビスフェノールAは、フェノール35ppm及びクロマン化合物を100ppmを含み、APHAは7と良好な物であり、粗フェノールを用いたことによる弊害は全く見られなかった。また、ポリカーボネート重合系からのフェノール回収に伴う廃棄物は発生しなかった。得られた芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量は28000であり、b*値が3.5の良好なポリカーボネートであった。
【0033】
【比較例1】
図4に示ようなポリカーボネート製造工程とジフェニルカーボネート製造工程とからなる設備を用いてポリカーボネートを製造した。図4の系は、(i)ジメチルカーボネートとフェノールからジフェニルカーボネートを製造するための第1段及び第2段反応蒸留(それぞれ連続多段蒸留塔72及び73を用いて行う。)と(ii)上記連続多段蒸留塔に粗フェノール貯槽18を経由してリサイクルされる粗フェノールを副生しながらポリカーボネートを製造する工程(攪拌槽型第1重合器9、10及び攪拌槽型第2重合器11からなる第1攪拌重合工程、自由落下式重合器16、ワイヤー接触落下式重合器17)からなる。
<ポリカーボネート製造工程>
ポリカーボネートの製造は、ビスフェノールAを投入口6及び8から供給することとジフェニルカーボネートをジフェニルカーボネート製造工程で製造されたジフェニルカーボネートが貯蔵されたジフェニルカーボネート貯槽71から、導管31を経由して供給すること以外は実施例1と同様に行った。
【0034】
<ジフェニルカーボネート製造工程>
フェノール20kgと一酸化鉛4kgを180℃で10時間加熱し、生成する水をフェノールと共に留去することにより鉛触媒を調製した。
運転の初期段階において、純度99.97wt%の新たなフェノール、新たなジメチルカーボネート及び上記の鉛触媒を含む液状混合物を導管75に設けられた導入口(図示しない)から供給し、流量23.8kg/hrにて導管76から、段数20のシーブトレーを装着した塔高6mの棚段塔からなる第1連続多段蒸留塔72の塔頂から0.5m下の位置へ供給し、第1連続多段蒸留塔72内を流下させることによって反応を行った。運転の初期段階において導管76から供給された混合物の重量組成は、ジメチルカーボネート:54.6%、フェノール:44.6%であり、鉛触媒はPbの濃度として0.43wt%だった。さらに、新たなジメチルカーボネートを、導管77から42.2kg/hrの流量で第1連続多段蒸留塔72の塔底に供給した。導管78,79,85からそれぞれリサイクルされてくる液状混合物が導管75に導入され始めた時点で、導管75に設けられた導入口からの液状混合物の供給を停止した。同時に新たなフェノールを導管81より3.45kg/hrの流量で導管78へ供給した。
【0035】
運転が定常状態に達した後の導管76の混合物の重量組成は、フェノール:44.6%、ジメチルカーボネート:49.8%、メチルフェニルカーボネート:4.8%、及び鉛触媒(上記混合物中の鉛濃度):44.6%であった[導管76の混合物は、導管78からのフェノール、第2連続多段蒸留塔73より導管80及び79を経てリサイクルされてくる液、及び蒸発缶83から導管84及び85を経てリサイクルされてくる液よりなる。]。導管76の混合物の組成及びフェノールの純度は導管75に設けられたサンプリングノズル(図示しない)より該混合物のサンプルを抜き出し測定した。導管76の混合物中のフェノール、ジメチルカボネート及びメチルフェニルカーボネートの含量及びフェノールの純度は高速液体クロマトグラフィー(SCL−6B:日本国、島津製作所製)を用いて測定した。また、導管76の混合物中の鉛触媒の含量はICP(industry coupled plasma emissionspect ral analyzer)(JY38PII:セイコー電子工業(株)製)を用いて測定した。
【0036】
第1連続多段蒸留塔72の反応条件は、塔底温度は203℃、塔頂圧力は6.5kg/cm2−G、還流比は0であった。第1連続多段蒸留塔72において、反応及び蒸留に必要な熱量は、導管77から導入された新たなジメチルカーボネートと、第2連続多段蒸留塔73の塔頂から抜き出され凝縮器86、導管80及び87を経て循環される未反応ジメチルカーボネートを含む低沸点反応混合物を蒸発器88で加熱し、導管89を経て第1連続多段蒸留塔72に送ることにより供給した。
【0037】
第1連続多段蒸留塔72の塔頂から留出するガスは導管90を経て凝縮器91で凝縮され、導管92から反応の副生物であるメタノールを含む低沸点反応混合物を42.3kg/hrの流量で連続的に抜き出した。第1連続多段蒸留塔72の塔底から連続的に抜き出した反応混合物は導管93を経て23.6kg/hrで第1蒸発缶83へ導入された。蒸発によって濃縮した鉛触媒を含む残留液は第1蒸発缶83の底部から導管84、85、75を経て予熱器94に導入され導管76を経て第1連続多段蒸留塔72へ再循環された。第1蒸発缶83から導管84を経て流れる残留液の一部を導管95、リボイラー96及び導管97を経て第1蒸発缶83へ循環させた。
【0038】
第1蒸発缶83からメチルフェニルカーボネートを含む蒸発物を、22.3kg/hrの流量で導管98をより抜き出し、導入管99を経て、段数20のシーブトレーを装着した棚段塔からなる塔高6mの第2連続多段蒸留塔73に、塔頂から1.5m下の位置に連続的に供給した。第2連続多段蒸留塔73に供給されたメチルフェニルカーボネートの大部分は塔内で液状となり、これが上記の鉛触媒と塔内を流下することによって、反応が行われる。上記の鉛触媒は、導管100に設けられたノズル(図示しない)より導管101及び99を経て、第2連続多段蒸留塔73に供給される。尚、鉛触媒は、導管99中の混合物における鉛濃度が、0.8wt%に維持されるような量用いた。運転が定常状態に達した後の導管99の混合物の流量は23.6kg/hr、重量組成は、ジメチルカーボネート43.1%、フェノール24.5%、メチルフェニルカーボネート27.1%、及び鉛触媒(上記混合物中の鉛濃度):0.80%であった。導管99の液は、導管98から供給されるメチルフェニルカーボネートを含む蒸発物、第2蒸発缶102から回収される導管100の液、及びジフェニルカーボネート精製塔74から留去されたガスを凝縮器103において凝縮して得られる導管104の液よりなる。
【0039】
第2連続多段蒸留塔73の反応条件は、塔底温度198℃、塔頂圧力280mmHg、還流比1.5の条件であった。反応及び蒸留に必要な熱量はリボイラー105で加熱した塔下部液により供給した。第2連続多段蒸留塔73の塔頂から留出するジメチルカーボネートを含む低沸点反応混合物は導管106を経て凝縮器86で凝縮された。凝縮液の1部は導管107及び108を経て第2連続多段蒸留塔73に還流された。残りの凝縮液は導管107及び80から連続的に抜き出され、予熱器94及び導管76を経て第1連続多段蒸留塔72に再循環された。なお導管80から抜き出された凝縮液の1部は導管87、蒸発器88及び導管89を経て第1連続多段蒸留塔72の下部に循環された。第2連続多段蒸留塔73の塔底から連続的に抜き出された触媒及びジフェニルカーボネートを含む高沸点反応混合物は導管109及び110を経て第2蒸発缶102へ導入された。
【0040】
第2蒸発缶102において触媒を含む蒸発凝縮液が形成された。この凝縮液の一部を導管111、リボイラー112及び導管113を経て第2蒸発缶102へ循環した。残りの凝縮液を導管33、100及び101を経て第2連続多段蒸留塔73へ循環した。一方、第2蒸発缶102で形成されたジフェニルカーボネートを98.3wt%含む蒸発物は4kg/hrの流量で導管114を経て凝縮器115に導入され、得られた凝縮液は導管116を経てジフェニルカーボネート精製塔74に供給された。蒸留に必要な熱量はジフェニルカーボネート精製塔74のリボイラー117で加熱された塔下部液により供給した。ジフェニルカーボネート精製塔74の塔頂から留出するフェノール及びメチルフェニルカーボネートを含む低沸点混合物は導管118を経て凝縮器103で凝縮された。凝縮液の1部は導管119及び120を経てジフェニルカーボネート精製塔74に還流され、残りの凝縮液は導管119、104、101及び99を経て第2連続多段蒸留塔73に再循環された。ジフェニルカーボネート精製塔74の塔底液の1部は、導管121及び122を経て抜き出され、残りは導管121、123、リボイラー117及び導管124を経て塔低に再循環された。精製されたジフェニルカーボネートは、塔74の中段から導管125、凝縮器126、及び導管127を経て3.9kg/hrの流量抜き出され精製ジフェニルカーボネート貯槽71に導入された。
【0041】
ポリカーボネート製造工程で副生した粗フェノールが粗フェノール貯槽に貯蔵されるまでの間は、上記運転を続けた。その後、第1連続多段蒸留塔72に供給するフェノールを重合系から回収された粗フェノールに切り替えた。その際、粗フェノールの純度は91wt%であった。図4の系の重合系より抜き出された副生フェノールである粗フェノール貯槽18中の粗フェノールが流量3.3kg/hrで導管82より導管78に導入し、その時点での導管81からの新たなフェノールの流量は0.15kg/hrにした。導管78の液中の粗フェノール含量は96wt%であった。第1連続多段蒸留塔72に供給するフェノールを粗フェノールに切り替えてから、15分後には第1連続多段蒸留塔72の反応成績が低下し始め、2時間後には、ジフェニルカーボネート製造工程の運転ができなくなった。その為、導管75のサンプリングノズルから採取した液の鉛触媒濃度を測定したところ、5.3wt%まで低下していた。その後、反応を停止して第1連続多段蒸留塔72を調べたところ、導管76が接続されている棚段付近に鉛触媒が析出していることが確認された。
【0042】
【比較例2】
図5に示されるプロセスを用いて、ジフェニルカーボネートと芳香族ポリカーボネートを製造した。図5は、(i)ジメチルカーボネートとフェノールからジフェニルカーボネートを製造するための第1段及び第2段反応蒸留(それぞれ連続多段蒸留塔72及び73を用いて行う。)と、(ii)上記連続多段蒸留塔に、粗フェノールを蒸留精製された精製フェノールを精製フェノール貯槽128を経由してリサイクルされる粗フェノールを副生しながらポリカーボネートを製造する工程(攪拌槽型第1重合器9、10及び攪拌槽型第2重合器11からなる第1攪拌重合工程、自由落下式重合器16、ワイヤー接触落下式重合器17)からなる。
【0043】
ポリカーボネート製造工程で副生した粗フェノールを、フェノール精製塔129で精製して精製フェノールとした後、ジフェニルカーボネート製造工程に供給する以外は比較例1と同様に行った。
ポリカーボネート製造工程で副生した粗フェノールは、粗フェノール貯槽18に保持された後、導管130を経てフェノール精製塔129に供給された。フェノール精製塔129の条件は圧力350torr、温度160℃であった。塔底部からは粗フェノール中に含まれるジフェニルカーボネート、ビスフェノールA及びポリカーボネートオリゴマーが導管131を通じて排出され、水塔の軽沸分を含むフェノールは搭頂部から導管132を経て凝縮器133に移送され、気相部から水等の軽沸成分が排出された。凝縮器133で分離された精製フェノールは、その一部は導管134を経てフェノール精製塔129に戻され、他は導管135を経て精製フェノール貯相128に移送された。精製フェノールの純度は、99.98%であった。気相部に排出された軽沸分の量はわずかであったが、塔底から排出された成分は、淡黄色に着色しており、重合系に戻すことはできないため、焼却廃棄した。焼却量はフィード原料に対して約4wt%であり、大きなロスとなり、収率が低下した。なお、ジフェニルカーボネート製造工程は安定運転後に、原料フェノールをポリカーボネート製造工程からの精製フェノールに切り替えた後も問題なく運転は継続できた。また、得られたポリカーボネートの重量平均分子量は27800、b*値が3.5であった。
【0044】
【実施例2】
図6に示すような、ポリカーボネート製造工程とビスフェノールA製造工程からなるシステムでビスフェノールAとポリカーボネートを製造した。フェノール凝縮器13及び液封式真空ポンプ15から粗フェノール貯槽18への導管45、41の途中に加水分解槽136を設置する以外は実施例1と同様に行った。
加水分解槽136へは、導管41と45を経て重合工程で副生した粗フェノールが供給される。導管138からは水が粗フェノールに対して1wt%の割合になるように供給された。加水分解槽136は温度が150℃、滞留時間が約2時間に設定された。加水分解槽136で処理された粗フェノールは導管137を経て粗フェノール槽へ移送した。
【0045】
図6のシステムは800時間連続運転し、ビスフェノールAと芳香族ポリカーボネートを製造した。800時間後に得られたビスフェノールAは、フェノール40ppm及びクロマン化合物を98ppmを含み、APHAは5と良好な物であり、粗フェノールを用いたことによる弊害は全く見られなかった。また、ポリカーボネート重合系からのフェノール回収に伴う廃棄物は発生しなかった。得られた芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量は27800であり、b*値が3.3の良好なポリカーボネートであった。
【0046】
【実施例3】
図7に示すように、攪拌槽型第2重合器11から抜き出された粗フェノールをジフェニルカーボネート回収塔155に供給し、ジフェニルカーボネート、ビスフェノールA及びオリゴマーを分離して該成分を重合工程にリサイクルする以外は、実施例1と同様に行った。
ジフェニルカーボネート回収塔155は、ジフェニルカーボネート、ビスフェノールA及びオリゴマーを主成分とする塔底液を導管156を経て攪拌槽型第2重合器11に戻し、搭頂部からはフェノールを主成分とするガスを導管157で抜き出さし、凝縮器161で凝縮させ、液相部は導管159、45を経て粗フェノール貯槽18に移送した。また、気相部は導管160を経てルーツブロア14、液封ポンプ15及び導管45を経て粗フェノール貯槽18に移送した。粗フェノール貯槽内のフェノール純度は98.5wt%であった。
【0047】
図7のシステムは800時間連続運転し、ビスフェノールAと芳香族ポリカーボネートを製造した。800時間後に得られたビスフェノールAは、フェノール43ppm及びクロマン化合物を95ppmを含み、APHAは5と良好な物であり、粗フェノールを用いたことによる弊害は全く見られなかった。また、ポリカーボネート重合系からのフェノール回収に伴う廃棄物は発生しなかった。得られた芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量は28300であり、b*値が3.4の良好なポリカーボネートであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である、粗フェノールをビスフェノールA製造工程へリサイクルする場合の系統図である。
【図2】従来の技術である、粗フェノールをジフェニルカーボネート製造工程へリサイクルする場合の系統図である。
【図3】実施例1で用いたビスフェノールAおよび芳香族ポリカーボネートの製造工程図である。
【図4】比較例1で用いたビスフェノールAおよび芳香族ポリカーボネートの製造工程図である。
【図5】比較例2で用いたビスフェノールAおよび芳香族ポリカーボネートの製造工程図である。
【図6】実施例2で用いたビスフェノールAおよび芳香族ポリカーボネートの製造工程図である。
【図7】実施例3で用いたビスフェノールAおよび芳香族ポリカーボネートの製造工程図である。
【符号の説明】
1 ポリカーボネート製造工程
2 フェノール回収塔
3 フェノール精製搭
4 ジフェニルカーボネート製造工程
5 ビスフェノールA製造工程
6、8 投入口
7 ビスフェノールA貯槽
9 攪拌槽型第1重合器A
10 攪拌槽型第1重合器B
11 攪拌槽型第2重合器
13 フェノール凝縮器
14 ルーツブロア
15 液封式真空ポンプ
16 自由落下式重合器
17 ワイヤー接触落下式重合器
18 粗フェノール貯槽
19 フェノール貯槽
20 アセトン貯槽
21 ビスフェノールA反応搭
22 軽沸分離搭
23 脱水搭
24 アセトン回収搭
25 フェノールフラッシング搭
26 ビスフェノールA晶析槽
27 遠心分離器
28 脱フェノール搭
29 スチームストリッピング搭
30 結晶アダクト融解槽
32 脱水搭
48 多孔板
49 プレポリマー溶融物
50 多孔板
51 ワイヤーガイド
71 ジフェニルカーボネート貯槽
72 第1連続多段蒸留塔
73 第1連続多段蒸留塔
74 ジフェニルカーボネート精製塔
83 第1蒸発缶
88 蒸発器
91,86,103,115,126,133.161 凝縮器
94 予熱器
96,112,117 リボイラー
102 第2蒸発缶
129 フェノール精製塔
128 精製フェノール貯槽
136 加水分解槽
155 ジフェニルカーボネート回収塔
31、33,34,35,38,36,37,40,41,42,44,45,46,47,52,53,55,56,57,58,59,60,61、62,63,64,65,66,67,68,69,70,75.76,77,78,79,80,81,82,84,85,87,89,90,92,93,95,97,98,99,100,101,104、106,107,108,109,110,111,113,114、116,118,119,120,121,122,123,124,125,127,130,131,132,134,135,137,138、139,140,141,142,143,144,145,146,147,148,149,150,151,152,153,154、156,157,158,159,160 導管

Claims (5)

  1. フェノールとアセトンを反応させてビスフェノールAを製造するビスフェノールA製造工程と、該ビスフェノールA製造工程で製造されたビスフェノールAとジフェニルカーボネートとをエステル交換反応させてポリカーボネートを製造するポリカーボネート製造工程とからなり、該ビスフェノールA製造工程で用いられる原料フェノールの少なくとも一部として、該ポリカーボネート製造工程で副生したフェノールを主成分として含む粗フェノールを使用することを特徴とするポリカーボネートの連続的製造方法。
  2. 粗フェノールの純度が50wt%〜99.99wt%であることを特徴する請求項1記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
  3. 粗フェノールが、水で加水分解された後、原料フェノールの一部として使用されることを特徴とする請求項1又は2記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
  4. ビスフェノールA製造工程で製造されたビスフェノールAが、製造直後の溶融状態のまま、固化することなく、ポリカーボネート製造工程に供給されることを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
  5. ビスフェノールA製造工程で製造されたビスフェノールAが、フェノールアダクトの状態で、ポリカーボネート製造工程に供給されることを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリカーボネートの連続的製造方法。
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