JPH1060106A - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法

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JPH1060106A
JPH1060106A JP21556196A JP21556196A JPH1060106A JP H1060106 A JPH1060106 A JP H1060106A JP 21556196 A JP21556196 A JP 21556196A JP 21556196 A JP21556196 A JP 21556196A JP H1060106 A JPH1060106 A JP H1060106A
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polycarbonate
compound
carbonic acid
monohydroxy
carbonate
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JP21556196A
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Tatsuya Sugano
龍也 菅野
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テルとをエステル交換触媒下、溶融重縮合させてポリカ
ーボネートを製造する際に副生するモノヒドロキシ化合
物を炭酸ジエステルの原料に用いる場合、不純物が実質
的に殆ど含まれていないモノヒドロキシ化合物をリサイ
クルさせることで無色透明なポリカーボネートを得るこ
とができる。 【解決手段】 ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと
をエステル交換触媒下、溶融重縮合させて末端水酸基濃
度が3モル%以上50モル%未満であるエステル交換法
芳香族ポリカーボネートを製造する際に副生するモノヒ
ドロキシ化合物を炭酸ジエステルの原料に用いる場合、
不純物が実質的に殆ど含まれていないモノヒドロキシ化
合物をリサイクルさせるポリカーホネートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
を製造する際に副生するモノヒドロキシ化合物を炭酸ジ
エステルの原料に用いる場合、不純物が実質的に殆ど含
まれていないモノヒドロキシ化合物をリサイクルさせる
ポリカーボネートの製造方法に関するものである。更に
詳しくは溶融重縮合させて芳香族ポリカーボネートを製
造する際に副生する不純物を実質的に殆ど含まないフェ
ノールをリサイクルさせてジアルキルカーボネートから
不純物を実質的に殆ど含まないアルキルアリールカーボ
ネートまたは/及びジアリールカーボネートを製造し、
ジヒドロキシ化合物とエステル交換触媒下、溶融重縮合
させるポリカーボネートの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは、耐熱性、寸法安定
性、機械的強度等に優れたエンジニアリングプラスチッ
クとして電気・家電部品、精密・機械部品、事務機器部
品、医療部品、家庭用品、スポーツ部品等に使用されて
いる。しかし、ポリカーボネート樹脂は、成形性、耐薬
品性、経済性(低価格化)、メッキ性等に欠点があり、
他の樹脂との混合、アロイ化等によってこれらの欠点の
改良が試みられている。一方、環境問題に関心が集まる
中、毒性ガスのホスゲンや排出基準規制のあるハロゲン
系の溶剤を用いて芳香族ポリカーボネートを製造するホ
スゲン法に対して、これらを用いずに設備費を低減して
芳香族ポリカーボネートを製造する溶融重縮合法が研究
または工業化されている。
【0003】溶融重縮合法で芳香族ポリカーボネートを
製造する一般的方法としては(1)ジアルキルカーボネ
ートとフェノールを原料に用いてエステル交換反応でジ
フェニルカーボネートを合成する。この過程で副生する
モノヒドロキシ化合物をジアルキルカーボネートの原料
としてリサイクルする。
【0004】(2)合成したジフェニルカーボネートと
芳香族ジヒドロキシ化合物をエステル交換触媒下、溶融
重縮合させて芳香族ポリカーボネートを製造する。この
過程で副生するフェノールは(1)の原料にリサイクル
する方法が知られている。
【0005】しかし、溶融重縮合法で製造する芳香族ポ
リカーボネートは高分子量体を得るために高温下で長時
間反応させることにより樹脂が着色するという問題があ
る。この問題を解決するため、ジフェニルカーボネート
中に含まれる塩素やキサントン含有量を低減して着色を
改善することが提案されている。(特開平4−1008
24)また、ジフェニルカーボネート中にサリチル酸フ
ェニル、それらのフェニルエステル、熱フリース転移化
合物、メチルフェニルカーボネート、水分、塩素、ナト
リウム、鉄、燐、銅、錫イオンの濃度を低減して着色を
改善することが提案されている。(特開平6−1797
44,特開平7−70307) 更に反応器の材質を鉄
含有量が少ない材質または、鉄が含まれていない材質を
用いて着色を改善することが提案されている。(特開平
6−345860、米国特許第4383092)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶融重縮合
させて芳香族ポリカーボネートを製造する際に副生する
フェノールをリサイクルさせてジアルキルカーボネート
から不純物を実質的に殆ど含まないアルキルフェノール
カーボネートまたは/及びジフェニルカーボネートを用
いた色相の改善された芳香族ポリカーボネートの製造方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の芳香
族ポリカーボネートの着色という問題点を解決するため
種々研究を重ねた結果、溶融重縮合させて芳香族ポリカ
ーボネートを製造する際に副生するフェノールをリサイ
クルさせる際に不純物を実質的に殆ど含まないフェノー
ルをリサイクルさせてジアルキルカーボネートから不純
物を実質的に殆ど含まないアルキルフェニルカーボネー
トを経由して合成したジフェニルカーボネートを用いて
溶融重縮合した芳香族ポリカーボネートはほとんど着色
していないことを見出だした。
【0008】すなわち、本発明は(1)ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステルとをエステル交換触媒存在下、溶
融重縮合させてポリカーボネートを製造する際に副生す
るモノヒドロキシ化合物を炭酸ジエステルの原料に用い
る場合、不純物が実質的に殆ど含まれていないモノヒド
ロキシ化合物をリサイクルさせることを特徴とするポリ
カーボネートの製造方法である。(2)ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステルとをエステル交換触媒及びホウ酸
又はホウ酸エステルの存在下、ポリカーボネートを製造
する際に副生するモノヒドロキシ化合物を炭酸ジエステ
ルの原料に用いる場合、不純物が実質的に殆ど含まれて
いないモノヒドロキシ化合物をリサイクルさせることを
特徴とするポリカーボネートの製造方法である。この過
程で副生するモノヒドロキシ化合物のフェノールが炭酸
ジエステルの原料としてリサイクルされる。(3)また
上記(1)、(2)記載のエステル交換触媒は含窒素塩
基性化合物又はアルカリ金属/アルカリ土類金属化合物
であり、(4)上記(1)、(2)記載のポリカーボネ
ートは芳香族ポリカーボネートである。(5)また副生
するモノヒドロキシ化合物を炭酸ジエステルの原料とし
てリサイクルさせる場合、不純物としてジドロキシ化合
物が50ppm以下、エステル交換触媒である含窒素塩
基性化合物又はアルカリ金属/アルカリ土類金属化合物
が1ppm以下、ホウ酸又はホウ酸エステルが50pp
m以下、サリチル酸フェニル、0ーフェノキシ安息香酸
及び0ーフェノキシ安息香酸フェニルの含有量の合計が
50ppm以下、ポリカーボネートオリゴマー100p
pm以下の範囲にあるモノヒドロキシ化合物のフェノー
ルをリサイクルすることにより、不純物を実質的に殆ど
含まないジフェニルカーボネートを用いて溶融重縮合反
応させて得られた芳香族ポリカーボネートはほとんど着
色していない。また、本発明に係る芳香族ポリカーボネ
ートの製法で、酸性化合物としてホウ酸またはホウ酸エ
ステル以外に亜リン酸水素アンモニウムを単独使用また
はこれらとの併用も可能である。発明で用いられる芳香
族ポリカーボネートの原料である炭酸ジエステルの代表
例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカー
ボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−
クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス
(ビフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、
ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシク
ロヘキシルカーボネートなどが挙げられる。これらのう
ち特にジフェニルカーボネートが好ましい。
【0009】本発明で用いられる芳香族ポリカーボネー
トの原料であるジヒドロキシ化合物の代表例としては、
2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチ
ルペンタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル)オクタン、4,4´−ジヒドロキシ−2,2,2−
トリフェニルエタン、2,2−ビス−(3,5−ジブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−
3−セカンダリーブチルフェニル)プロパン、2,2−
ビス−(4−ヒドロキシ−3−ターシャリーブチルフェ
ニル)プロパンなどが挙げられる。これらの中で特に
2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが
好ましい。 本発明で用いられるモノヒドロキシ化合物
は特にフェノールが好ましい。本発明で用いられる芳香
族ポリカーネートの製造に使用し得るエステル交換触媒
としては、含窒素塩基性化合物、アルカリ金属化合物お
よびアルカリ土類金属化合物の中から選ばれる1種以上
が挙げられるが、それらの中でも含窒素塩基性化合物ま
たはアルカリ金属化合物/アルカリ土類金属化合物の硼
酸塩が好ましい。 含窒素塩基性化合物の代表例として
は、4−(4−メチル−1−ピペリジニル)ピリジン、
N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチル
アミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、4−アミノ
ピリジン、2−アミノピリジン、2−ヒドロキシピリジ
ン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、4
−ヒドロキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾー
ル、2−メトキシイミダゾール、2−メルカプトイミダ
ゾール、アミノキノリン、ヘンズイミダゾール、イミダ
ゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾ
ール、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、1,8
−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン
(DBU)、4−(4−メチルピロリジニル)ピリジン
等が挙げられる。
【0010】さらに、上記含窒素塩基性化合物の対イオ
ンを形成する酸性化合物の代表例としては、炭酸、酢
酸、ギ酸、硝酸、亜硝酸、しゅう酸、硫酸、リン酸、フ
ッ素ホウ素酸、水素ホウ素酸がある。
【0011】また、アルカリ金属化合物の代表例として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ス
テアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステア
リン酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸リチウム、
ホウ酸カリウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ
素リチウム、水素化ホウ素カリウム、フェニル化ホウ素
ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、
安息香酸リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水
素二カリウム、リン酸水素二リチウム、ビスフェノール
Aの二ナトリウム塩、二カリウム塩、二リチウム塩、フ
ェノールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が
挙げられるが、好ましくはホウ酸ナトリウム、ホウ酸リ
チウム、ホウ酸カリウムなどのホウ酸アルカリ金属塩が
用いられる。
【0012】アルカリ土類金属化合物の代表例として
は、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、
炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ス
トロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸バリウム、酢酸
マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸ストロンチウム、ホウ酸マグネシウ
ムなどが挙げられるが、これらの中でもホウ酸マグネシ
ウムなどのホウ酸アルカリ土類金属塩が好ましい。
【0013】芳香族ポリカーボネートの製造に使用し得
る塩基性触媒を中和する酸性物質としてはホウ酸または
ホウ酸エステルが使用できる。また亜リン酸水素アンモ
ニウムを適宜用いることもできる。酸性物質の添加量
は、使用する触媒のモル数量に対して0.01〜500
倍モル必要とする。塩基性触媒が含窒素塩基性化合物の
場合は、好ましくは0.01〜10倍モルであり、塩基
性触媒がアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合
物の場合は、好ましくは5〜200倍モルである。0.
01倍モル未満であると熱安定化に効果がなく、500
倍モルを越えると重合度があがらなくなるので好ましく
ない。
【0014】酸性物質の添加時期は、原料モノマーであ
るジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルおよびエステル
交換触媒を仕込むときに、原料モノマーと同時に添加し
てもよく、また、反応開始後、重合体の相対粘度(ポリ
マー濃度0.5g/dl、20℃、メチレンクロリド濃
度で測定)が約1.1以上に達した任意の時点で加えて
もよい。
【0015】リサイクルするフェノールは不純物とし
て、ジヒドロキシ化合物が50ppm以下、含窒素塩基
性化合物又はアルカリ金属化合物/アルカリ土類金属化
合物が1ppm以下、ホウ酸又はホウ酸エステルまたは
亜リン酸水素アンモニウムが50ppm以下、サリチル
酸フェニル、0−フェノキシ安息香酸及び0−フェノキ
シ安息香酸フェニルの含有量の合計が50ppm以下、
ポリカーボネートオリゴマー100ppm以下の範囲に
あることが必要である。これらの範囲を越えると生成す
るポリカーボネートの着色が大きくなる。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。
【0017】(実施例1)不純物濃度が(表1)に示さ
れるフェノールをリサイクルして合成したジフェニルカ
ーボネート22.0kg(103モル)、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン22.8kg(1
00モル)、メタホウ酸リチウム・二水塩85mg水溶
液(1×10−3モル)、ホウ酸1.0g(2.4×1
−2モル)をフラスコに入れ窒素下、180℃で溶融
させ、十分に攪拌しながら昇温させ、最終的に0.1ト
ール、270℃にし、生成するフェノールを留去させ
て、無色透明な芳香族ポリカーボネートを得た。粘度平
均分子量はMv=25,000であり、末端水酸基濃度
は5モル%であった。
【0018】(実施例2)不純物濃度が表1に示される
フェノールをリサイクルして合成したジフェニルカーボ
ネート21.9kg(102.5モル)、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン22.8kg(1
00モル)、メタホウ酸リチウム・二水塩85mg水溶
液(1×10−3モル)、ホウ酸1.0g(2.4×1
−2モル)をフラスコに入れ窒素下、180℃で溶融
させ、十分に攪拌しながら昇温させ、最終的に0.1ト
ール、270℃にし、生成するフェノールを留去させ
て、無色透明な芳香族ポリカーボネートを得た。粘度平
均分子量はMv=23,000であり、末端水酸基濃度
は25モル%であった。
【0019】(実施例3)不純物濃度が表1に示される
フェノールをリサイクルして合成したジフェニルカーボ
ネート21.9kg(102.5モル)、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン22.8kg(1
00モル)、4,4−ジメチルアミノピリジン12.2
g(1×10−1モル)、ホウ酸0.1g(2.4×1
−3モル)をフラスコに入れ窒素下、180℃で溶融
させ、十分に攪拌しながら昇温させ、最終的に0.1ト
ール、270℃にし、生成するフェノールを留去させ
て、無色透明な芳香族ポリカーボネートを得た。粘度平
均分子量はMv=24,000であり、末端水酸基濃度
は20モル%であった。
【0020】(比較例1)不純物濃度が表1に示される
フェノールをリサイクルして合成したジフェニルカーボ
ネート22.0kg(103モル)、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン22.8kg(100
モル)、メタホウ酸リチウム・二水塩85mg水溶液
(1×10−3モル)、ホウ酸1.0g(2.4×10
−2モル)をフラスコに入れ窒素下、180℃で溶融さ
せ、十分に攪拌しながら昇温させ、最終的に0.1トー
ル、270℃にし、生成するフェノールを留去させて、
淡黄色の芳香族ポリカーボネートを得た。粘度平均分子
量はMv=25,000であり、末端水酸基濃度は5モ
ル%であった。
【0021】(比較例2)不純物濃度が表1に示される
フェノールをリサイクルして合成したジフェニルカーボ
ネート21.9kg(102.5モル)、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン22.8kg(1
00モル)、メタホウ酸リチウム・二水塩85mg水溶
液(1×10−3モル)、ホウ酸1.0g(2.4×1
−2モル)をフラスコに入れ窒素下、180℃で溶融
させ、十分に攪拌しながら昇温させ、最終的に0.1ト
ール、270℃にし、生成するフェノールを留去させ
て、淡黄色の芳香族ポリカーボネートを得た。粘度平均
分子量はMv=23,000であり、末端水酸基濃度は
25モル%であった。
【0022】(比較例3)不純物濃度が表1に示される
フェノールをリサイクルして合成したジフェニルカーボ
ネート21.9kg(102.5モル)、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン22.8kg(1
00モル)、4,4−ジメチルアミノピリジン12.2
g(1×10−1モル)、ホウ酸0.1g(2.4×1
−3モル)をフラスコに入れ窒素下、180℃で溶融
させ、十分に攪拌しながら昇温させ、最終的に0.1ト
ール、270℃にし、生成するフェノールを留去させ
て、無色透明な芳香族ポリカーボネートを得た。粘度平
均分子量はMv=24,000であり、末端水酸基濃度
は20モル%であった。
【0023】表2に実施例1〜3と比較例1〜3で得ら
れたポリカーボネートの初期色相と熱劣化後の色相を示
す。
【0024】
【表1】
【表2】 尚、粘度平均分子量、末端水酸基濃度、ヒートエージン
グ試験、色相(YI)不純物濃度の測定方法は以下の通
りである。
【0025】粘度平均分子量:20℃における塩化メチ
レン溶液の固有粘度〔η〕をウベローテ粘度計を用いて
測定し、次式を用いて粘度平均分子量(Mv)を計算し
た。
【0026】 〔η〕=1.11×10−4(Mv)0.82 末端水酸基濃度:13C−NMRを用いて、測定モード
・ゲーテッド・カップリングで測定し114.80pp
mと129.50ppmの比から末端水酸基濃度 ヒートエージング試験:ホットプレス急冷法で、厚み2
mm、50mm×50mmのポリカーボネートの試験片
を作成し、30日間、空気下、160℃のオーブンに放
置する。
【0027】色相(YI):上記、厚み2mm、50m
m×50mmのポリカーボネートの試験片の色相を日本
電色(株)300Aを用いて測定した。
【0028】不純物濃度:[アルカリ金属化合物、アル
カリ土類金属化合物の測定法;高周波プラズマ発光分析
装置(島津製作所ICPS−1000III)を用いて
測定した。]、[ホウ酸、ホウ酸エステルの測定法;原
子吸光(島津製作所AA−670G)を用いて測定し
た。]、[サリチル酸フェニル、0−フェノキシ安息香
酸、0−フェノキシ安息香酸フェニル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの測定法;ガスク
ロマトグラフィー(島津製作所GC−14A)を用いて
測定した。]。ポリカーボネートオリゴマーの測定法:
液体クロマトグラフィー(島津製作所LC−10AD)
を用いて測定した。
【0029】
【発明の効果】特定の不純物の少ない副生するフェノー
ルをリサイクルさせて得られる炭酸ジエステルを用いる
ことによる溶融重縮合法により無色透明なポリカーボネ
ートを得ることができた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを
    エステル交換触媒存在下、溶融重縮合させてポリカーボ
    ネートを製造する際に副生するモノヒドロキシ化合物を
    炭酸ジエステルの原料に用いる場合、不純物が実質的に
    殆ど含まれていないモノヒドロキシ化合物をリサイクル
    させることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを
    エステル交換触媒及びホウ酸又はホウ酸エステルの存在
    下、ポリカーボネートを製造する際に副生するモノヒド
    ロキシ化合物を炭酸ジエステルの原料に用いる場合、不
    純物が実質的に殆ど含まれていないモノヒドロキシ化合
    物をリサイクルさせることを特徴とするポリカーボネー
    トの製造方法。
  3. 【請求項3】エステル交換触媒が含窒素塩基性化合物又
    はアルカリ金属化合物/アルカリ土類金属化合物である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のポリカー
    ボネートの製造方法。
  4. 【請求項4】ポリカーボネートが芳香族ポリカーボネー
    トである請求項1、請求項2、請求項3記載のポリカー
    ボネートの製造方法。
  5. 【請求項5】副生するモノヒドロキシ化合物を炭酸ジエ
    ステルの原料としてリサイクルさせる場合、ジヒドロキ
    シ化合物が50ppm以下、エステル交換触媒である含
    窒素塩基性化合物又はアルカリ金属化合物/アルカリ土
    類金属化合物が1ppm以下、ホウ酸又はホウ酸エステ
    ルが50ppm以下、サリチル酸フェニル、0ーフェノ
    キシ安息香酸及び0ーフェノキシ安息香酸フェニルの含
    有量の合計が50ppm以下、ポリカーボネートオリゴ
    マー100ppm以下の範囲にあるモノヒドロキシ化合
    物を用いることを特徴とする請求項1、請求項2,請求
    項3、請求項4記載のポリカーボネートの製造方法。
  6. 【請求項6】副生するモノヒドロキシ化合物がフェノー
    ルである請求項1、請求項2,請求項3、請求項4、請
    求項5記載のポリカーボネートの製造方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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