JPH0912843A - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH0912843A
JPH0912843A JP16427595A JP16427595A JPH0912843A JP H0912843 A JPH0912843 A JP H0912843A JP 16427595 A JP16427595 A JP 16427595A JP 16427595 A JP16427595 A JP 16427595A JP H0912843 A JPH0912843 A JP H0912843A
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polycarbonate resin
aromatic
arom
resin composition
compd
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JP16427595A
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Tatsuya Sugano
龍也 菅野
Yoshimichi Okano
善道 岡野
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、溶融時の耐熱安定性に優れた性質を
有する熱可塑性樹脂組成物とその製造方法に関する。 【構成】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、溶融エステル
交換法により製造される芳香族ホモポリカーボネート1
〜99重量%及び芳香族ポリエステル99〜1重量%を
含有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融時の耐熱安定性に
優れた性質を有する熱可塑性樹脂組成物とその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、寸法
安定性、機械的強度等に優れたエンジニアリングプラス
チックとして電気・家電部品、家庭用品、精密・機械部
品、事務機器部品、医療部品、スポーツ部品等に使用さ
れている。しかし、ポリカーボネート樹脂は、成形性、
耐薬品性、経済性(低価格化)等に欠点があり、他の樹
脂との混合、アロイ化等によってこれらの欠点の改良が
試みられている。
【0003】特にポリカーボネート樹脂の成形性を改良
し、更に耐薬品性を高めるため、ポリエチレンテレフタ
レートやポリブチレンテレフタレートを混合すること
は、すでに特開昭48−54160、特開昭49−10
7354に開示されている。
【0004】しかし、上記のような芳香族ポリエステル
樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂の組成物は射出成形
やフィルム成形における溶融時の耐熱安定性が低下する
という問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶融時の耐
熱安定性に優れた性質を有する熱可塑性樹脂組成物とそ
の製造方法に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の従来
の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の問題点を解決す
るため種々研究を重ねた結果、溶融エステル交換法芳香
族ホモポリカーボネートと芳香族ポリエステル特に、ポ
リブチレンテレフタレートを混合することにより、溶融
時の耐熱安定性に優れる芳香族ポリカーボネート樹脂組
成物が得られること、更に、エステル交換法芳香族ホモ
ポリカーボネートとして、含窒素塩基性化合物又はアル
カリ金属化合物/アルカリ土類金属化合物を触媒に用い
て重合され、ホウ酸又はホウ酸エステル及び/又は亜リ
ン酸水素アンモニウムを含有した末端水酸基濃度が3モ
ル%以上60モル%未満であるエステル交換法芳香族ホ
モポリカーボネートを使用することにより、より耐熱安
定性に優れる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が得ら
れることを見いだした。
【0007】即ち、本発明に係る第1の芳香族ポリカー
ボネート樹脂組成物は、溶融エステル交換法芳香族ホモ
ポリカーボネート1〜99重量%及び芳香族ポリエステ
ル99〜1重量%を含有してなる芳香族ポリカーボネー
ト樹脂組成物である。
【0008】また、本発明に係る第2の芳香族ポリカー
ボネート樹脂組成物は、含窒素塩基性化合物又はアルカ
リ金属化合物/アルカリ土類金属化合物を触媒として重
合され、ホウ酸又はホウ酸エステル及び/又は亜リン酸
水素アンモニウムを含有した溶融エステル交換法芳香族
ホモポリカーボネート1〜99重量%及び芳香族ポリエ
ステル99〜1重量%を含有してなる芳香族ポリカーボ
ネート樹脂組成物である。
【0009】また、本発明に係る第3の芳香族ポリカー
ボネート樹脂組成物は、含窒素塩基性化合物又はアルカ
リ金属化合物/アルカリ土類金属化合物を触媒として重
合され、ホウ酸又はホウ酸エステル及び/又は亜リン酸
水素アンモニウムを含有し、末端水酸基濃度が3モル%
以上60モル%未満である溶融エステル交換法芳香族ホ
モポリカーボネート1〜99重量%及び芳香族ポリエス
テル99〜1重量%を含有してなる芳香族ポリカーボネ
ート樹脂組成物である。
【0010】また、本発明に係る第4の芳香族ポリカー
ボネート樹脂組成物は、含窒素塩基性化合物又はアルカ
リ金属化合物/アルカリ土類金属化合物を触媒として重
合され、ホウ酸又はホウ酸エステル及び/又は亜リン酸
水素アンモニウムを含有し、末端水酸基濃度が3モル%
以上60モル%未満である溶融エステル交換法芳香族ホ
モポリカーボネート1〜99重量%及び芳香族ポリエス
テル99〜1重量%を含有してなる芳香族ポリカーボネ
ート樹脂組成物であって、更に、難燃剤を含む樹脂組成
物である。
【0011】溶融エステル交換法芳香族ホモポリカーボ
ネートの末端水酸基濃度の制御は、原料のジアリールカ
ーボネートとジヒドロキシ化合物との仕込みモル比を変
えることによっておこなうことが可能である。例えば、
ビスフェノールAとジフェニルカーボネートを原料とし
て溶融エステル交換法により芳香族ホモポリカーボネー
トを製造する場合には、生成した芳香族ホモポリカーボ
ネートの末端はビスフェノールAに由来するフェノール
性水酸基とジフェニルカーボネートに由来するフェニル
基となる。従って、溶融エステル交換反応を行う際に、
ビスフェノールAのモル比を大きくすると生成する芳香
族ホモポリカーボネートの末端はフェノール性水酸基濃
度が大きくなり、逆にジフェニルカーボネートのモル比
を大きくすると生成する芳香族ホモポリカーボネートの
末端はフェニル基濃度が大きくなる。このように原料の
仕込みモル比を変えることによりフェノール性水酸基末
端濃度を自由に制御できるが、フェノール性水酸基末端
濃度は60モル%を越えると色相、耐熱安定性が悪化す
るので好ましくない。また、溶融エステル交換法ではホ
スゲン法と違って、フェノール性水酸基末端を3モル%
未満にすることは困難である。そこで、本発明で用いら
れる溶融エステル交換法によって得られるポリカーボネ
ート樹脂の水酸基末端は3モル%以上60モル%未満が
望ましい。尚従来一般に使用されている芳香族ホモポリ
カーボネート、特にホスゲン法で製造された芳香族ホモ
ポリカーボネートは、原料の仕込み時又は、反応途中に
モノヒドロキシ化合物を添加して末端をフェニル基で封
止しており、フェノール性水酸基とフェニル基の末端濃
度比は3モル%以下である。
【0012】本発明に従い、含窒素塩基性化合物又はア
ルカリ金属化合物/アルカリ土類金属化合物を触媒とし
て溶融エステル交換法により重合され、ホウ酸又はホウ
酸エステル及び/又は亜リン酸水素アンモニウムを含有
した末端水酸基濃度が3モル%以上60モル%未満であ
る溶融エステル交換法芳香族ホモポリカーボネートと芳
香族ポリエステル、特にポリブチレンテレフタレートを
混合することにより、混練時のエステル交換によって副
生するブチレンカーボネートの生成が抑制されるので溶
融時の耐熱安定性が著しく改善された芳香族ポリカーボ
ネート樹脂組成物を得ることができる。
【0013】本発明で使用される芳香族ホモポリカーボ
ネートは、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、
塩基性触媒及び、塩基性触媒を中和する酸性物質を添加
し、溶融エステル交換縮重合を行うことで得られる。
【0014】本発明で用いられる芳香族ホモポリカーボ
ネートの原料である炭酸ジエステルの代表例としては、
ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビ
ス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカー
ボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ビフェニ
ル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカ
ーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシル
カーボネートなどが挙げられる。これらのうち特にジフ
ェニルカーボネートが好ましい。
【0015】本発明で用いられる芳香族ホモポリカーボ
ネートの原料であるジヒドロキシ化合物の代表例として
は、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−4−
メチルペンタン、4,4´−ジヒドロキシ−2,2,2
−トリフェニルエタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキ
シフェニル)オクタン、2,2−ビス−(3,5−ジブ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−イソプロピ
ルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキ
シ−3−セカンダリーブチルフェニル)プロパン、2,
2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−ターシャリーブチル
フェニル)プロパンなどが挙げられる。
【0016】本発明で用いられる芳香族ホモポリカーボ
ネートの製造に使用し得る塩基性触媒で好ましいものと
しては、含窒素塩基性化合物、アルカリ金属化合物およ
びアルカリ土類金属化合物の中から選ばれる1種以上が
挙げられる。ここで含窒素塩基性化合物の中でも電子供
与性アミン化合物がより好ましく、又、アルカリ金属化
合物およびアルカリ土類金属化合物の中でも、アルカリ
金属化合物の硼酸塩、アルカリ土類金属化合物の硼酸塩
がより好ましい。
【0017】電子供与性アミン化合物の代表例として
は、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−(4
−メチル−1−ピペリジニル)ピリジン、4−ジエチル
アミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、2−ヒドロ
キシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、2−アミノピ
リジン、4−アミノピリジン、2−メトキシピリジン、
4−メトキシピリジン、2−メトキシイミダゾール、2
−ジメチルアミノイミダゾール、2−メルカプトイミダ
ゾール、アミノキノリン、ヘンズイミダゾール、イミダ
ゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾ
ール、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、1,8
−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン
(DBU)、4−(4−メチルピロリジニル)ピリジン
等が挙げられる。これらの内、好ましいものとしては、
N,N−ジメチル−4−アミノピリジンが挙げられる。
【0018】さらに、上記電子供与性アミン化合物の対
イオンを形成する酸の代表例としては、炭酸、酢酸、ギ
酸、硝酸、亜硝酸、しゅう酸、硫酸、リン酸、フッ素ホ
ウ素酸、水素ホウ素酸がある。
【0019】また、アルカリ金属化合物の代表例として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ス
テアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステア
リン酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸リチウム、
ホウ酸カリウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ
素リチウム、水素化ホウ素カリウム、フェニル化ホウ素
ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、
安息香酸リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水
素二カリウム、リン酸水素二リチウム、ビスフェノール
Aの二ナトリウム塩、二カリウム塩、二リチウム塩、フ
ェノールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が
挙げられるが、好ましくはホウ酸ナトリウム、ホウ酸リ
チウム、ホウ酸カリウムなどのホウ酸アルカリ金属塩や
酢酸カリウムが用いられる。特に、硼酸リチウムが好ま
しい。
【0020】アルカリ土類金属化合物の代表例として
は、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、
炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸バリウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸バリウム、酢酸
マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸ストロンチウム、ホウ酸マグネシウ
ムなどが挙げられるが、これらの中でもホウ酸マグネシ
ウムなどのホウ酸アルカリ土類金属塩が好ましい。
【0021】芳香族ホモポリカーボネートの製造に使用
し得る塩基性触媒を中和する酸性物質としてはホウ酸、
亜リン酸水素アンモニウムを用いることができ、これら
の1種または2種の組み合わせでもよい。
【0022】酸性物質の添加量は、使用する触媒のモル
数量に対して0.01〜500倍モル必要とする。塩基
性触媒が含窒素塩基性化合物の場合は、好ましくは0.
01〜10倍モルであり、塩基性触媒がアルカリ金属化
合物又はアルカリ土類金属化合物の場合は、好ましくは
5〜200倍モルである。0.01倍モル未満であると
熱安定化に効果がなく、500倍モルを越えると重合度
があがらなくなるので好ましくない。
【0023】酸性物質の添加時期は、原料モノマーであ
るジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルおよびエステル
交換触媒を仕込む際に、原料モノマーと同時に添加して
もよく、また、反応開始後、重合体の相対粘度(ポリマ
ー濃度0.5g/dl、20℃、メチレンクロリド濃度
で測定)が約1.1以上に達した任意の時点で加えても
よい。
【0024】ビスフェノールAとジフェニルカーボネー
トを原料として、溶融エステル交換法によって得られる
芳香族ホモポリカーボネートの末端はフェノール性水酸
基とフェニル基である。ここで、原料であるビスフェノ
ールAの仕込みモル数に対するジフェニルカーボネート
の仕込みモル数の比を大きくすることでフェノール性水
酸基末端の割合を大きくすることが出来る。このように
原料の仕込みモル比を変えることによりフェノール性水
酸基末端濃度を自由に制御できるが、フェノール性水酸
基末端濃度は60モル%を越えると色相、耐熱安定性が
悪化するので好ましくない。また、溶融エステル交換法
ではホスゲン法と違って、フェノール性水酸基末端を3
モル%未満にすることは困難である。そこで、本発明で
用いられる溶融エステル交換法によって得られるポリカ
ーボネート樹脂の水酸基末端は3モル%以上60モル%
未満が望ましい。
【0025】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物が、含有できる難燃剤の例としては、臭素化ビスフェ
ノールオリゴマーや無機または有機アンチモン化合物を
挙げる事ができる。無機アンチモン化合物は、酸化アン
チモン(SB);リン酸アンチモン;KSb(O
H);NHSbF;SbS;等を包含する。一
方、有機アンチモン化合物は、例えば有機酸とのアンチ
モンエステル、環式アルキル亜アンチモン酸エステル、
アリールアンチモン酸化合物等などであり、代表的な有
機アンチモン化合物の例はKSb酒石酸塩、Sbカプロ
ン酸塩、Sb(OCHCH);Sb[OCH(CH
)CHCH;Sbポリメチレングリコレー
ト、トリフェニルアンチモンなどを包含する。これらの
アンチモン化合物で、好ましいものとしては、酸化アン
チモンを挙げる事ができる。
【0026】又、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂
組成物には、安定剤、酸化防止剤として、トリス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフ
ォネート−ジエチルエステル等のリン系化合物及び/又
はヒンダートフェノール系化合物を混合することがで
き、更に、リン酸金属塩、亜リン酸金属塩なども混合す
ることができる。
【0027】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物を製造するに際しては、従来から公知の方法で各成分
を混合することができる。例えば、各成分をターンブル
ミキサーやヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ス
ーパーミキサーで代表される高速ミキサーで分散混合し
た後、押出機、バンバリーミキサー、ロール等で溶融混
練する方法が適宜選択される。
【0028】
【実施例】以下に本発明を実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。
【0029】まず、実施例の中で使用した溶融エステル
交換法芳香族ホモポリカーボネートの製造方法を、(合
成例1)に示す。更に、製造した溶融エステル交換法芳
香族ホモポリカーボネートの粘度平均分子量の測定方
法、末端水酸基濃度の算出方法又、芳香族ホモポリカー
ボネート樹脂組成物の溶融時の耐熱安定性評価手段であ
る溶融流動性及び荷重たわみ温度の試験方法を(試験方
法)に示す。
【0030】(合成例1)溶融エステル交換法芳香族ホ
モポリカーボネートの製造方法:2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン22.8kg(100モ
ル)、ジフェニルカーボネート21.9kg(102.
5モル)とメタホウ酸リチウム・二水塩85mg(1×
10−3モル)の水溶液、ホウ酸1.0g(2.4×1
−2モル)をフラスコに入れ窒素下、180℃で溶融
させよく攪拌し徐々に減圧にしながら昇温させ、最終的
に0.1torr、270℃にし、生成するフェノール
を留去させて、無色透明な芳香族ポリカーボネートを得
た。粘度平均分子量はMv=23,000であり、末端
水酸基濃度は30モル%であった。
【0031】(試験方法) 粘度平均分子量:20℃における塩化メチレン溶液の固
有粘度〔η〕をウベローテ粘度計を用いて測定し、次式
を用いて粘度平均分子量(Mv)を計算した。
【0032】 〔η〕=1.11×10−4(Mv)0.82 末端水酸基濃度:13C−NMRを用いて、測定モード
・ゲーテッド・カップリングで測定し、114.80p
pmと129.50ppmの比から末端水酸基濃度を算
出した。
【0033】溶融流動性 :メルトインデクサー(T
AKARA社製 L244)を使用し、次に示す条件で
測定を行った。
【0034】内径:1mmφ、ランド長:10mm 測定温度:280℃、荷重:2160g 荷重たわみ温度:ASTM試験方法D648に準じて試
験を行った。
【0035】(実施例1)合成例1で得られた溶融エス
テル交換法芳香族ホモポリカーボネート樹脂70重量部
とポリブチレンテレフタレート(ジュラネックス200
2:商標、ポリプラスチックス社)30重量部をヘンシ
ェルミキサーで混合したのち、二軸押出機(池見鉄工社
製 PCM−30)を用いて溶融混練し、ペレット化し
た。そしてペレットを80℃で5時間乾燥した後、28
0℃にて所定時間滞留させメルトインデックス(溶融流
動性)を測定した。更に280℃に所定時間滞留させた
樹脂組成物から射出成形機(名機 SJ45/70、金
型温度50℃)を用いて、物性測定用試験片(ASTM
ダンベル)を作成し、荷重たわみ温度を測定した。その
結果を表1に示す。
【0036】(比較例1)ホスゲン法芳香族ホモポリカ
ーボネート樹脂(ユーピロンS3000:商標三菱瓦斯
化学(株))70重量部とポリブチレンテレフタレート
(ジュラネックス2002 :商標、ポリプラスチック
ス社)30重量部をヘンシェルミキサーで混合したの
ち、二軸押出機(池見鉄工社製 PCM−30)を用い
て溶融混練し、ペレット化した。そしてペレットを80
℃で5時間乾燥した後、280℃にて所定時間滞留させ
メルトインデックス(溶融流動性)を測定した。更に2
80℃に所定時間滞留させた樹脂組成物から射出成形機
(名機 SJ45/70、金型温度50℃)を用いて、
物性測定用試験片(ASTMダンベル)を作成し、荷重
たわみ温度を測定した。結果を表1に示す。
【0037】(比較例2)合成例1で得られた溶融エス
テル交換法芳香族ホモポリカーボネート樹脂のみを使用
した他は、比較例1と同様に実験を行った。結果を表1
に示す。
【0038】(比較例3)ポリブチレンテレフタレート
(ジュラネックス2002 :商標、ポリプラスチック
ス社)のみを使用した他は、比較例1と同様に実験を行
った。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】含窒素塩基性化合物又はアルカリ金属化
合物/アルカリ土類金属化合物を触媒として重合され、
ホウ酸又はホウ酸エステル及び/又は亜リン酸水素アン
モニウムを含有した末端水酸基濃度が3モル%以上60
モル%未満である溶融エステル交換法芳香族ホモポリカ
ーボネートと芳香族ポリエステル特に、ポリブチレンテ
レフタレートを混合することにより、溶融時の耐熱安定
性が著しく改善できる。特に、ホウ酸又はホウ酸エステ
ル及び/又は亜リン酸水素アンモニウムを含有すること
により、ポリブチレンテレフタレートとのエステル交換
によって副生するブチレンカーボネートの生成を抑制す
ると考えられる。従って、この樹脂組成物はその優れた
溶融時の耐熱安定性により工業的に有用性である。(以
下余白)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融エステル交換法により製造される芳香
    族ホモポリカーボネート1〜99重量%及び芳香族ポリ
    エステル99〜1重量%を含有する芳香族ポリカーボネ
    ート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】芳香族ホモポリカーボネートが含窒素塩基
    性化合物又はアルカリ金属化合物/アルカリ土類金属化
    合物を触媒として重合され、ホウ酸又はホウ酸エステル
    及び/又は亜リン酸水素アンモニウムを含有する請求項
    1記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】芳香族ホモポリカーボネートの末端水酸基
    濃度が3モル%以上60モル%未満である請求項1、2
    記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】該芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が難
    燃剤を含むことを特徴とする請求項1、2、3記載の芳
    香族ポリカーボネート樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013545865A (ja) * 2010-12-21 2013-12-26 サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップ ポリカーボネートを生産する方法
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