JP4067944B2 - 末端が封止されたポリカーボネート製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融法により実施される芳香族ポリカーボネートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、芳香族ポリカーボネートは、耐熱性、耐衝撃性、透明性などに優れたエンジニアリングプラスチックスとして、多くの分野において広く用いられている。この芳香族ポリカーボネートの製造法については、従来種々の研究が行なわれてきており、その中で、芳香族ジヒドロキシ化合物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)とホスゲンとの界面重縮合法が工業化されている。
しかしながら、この界面重縮合法においては、有毒なホスゲンを用いなければならないこと、副生する塩化水素や塩化ナトリウム及び、溶媒として大量に用いる塩化メチレンなどの含塩素化合物により装置が腐食すること、ポリマー物性に悪影響を及ぼす塩化ナトリウムなどの不純物や残留塩化メチレンの分離が困難なことなどの問題があった。
【0003】
一方、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートから、ホスゲンや塩化メチレン溶媒を用いることなく芳香族カーボネートを製造する方法が検討されている。例えば、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートを溶融状態でエステル交換し、副生するフェノールを抜き出しながら重合する溶融法がある。溶融法は、界面重合法と異なり、溶媒を使用しないなどの利点がある一方、エステル交換により、重縮合を行なっていくために、ビスフェノールAに由来するヒドロキシ基がポリカーボネートの着色の原因となったり熱安定性を減じたりするといった問題があり、ヒドロキシ基を減らす必要があった。
【0004】
その為、溶融法で製造されるポリカーボネートのヒドロキシ末端基を安定な末端に変換する方法が提案されている。例えば特開平03−231919や特開平10−36497では、末端封止剤(変換)剤として有機カルボン酸エステルや炭酸エステル化合物を用いる方法が示されている。しかしこれらの方法は重合終了前に重合器中に末端封止剤を添加しているために、封止剤と重合器中のポリカーボネートが反応してポリカーボネートの分子量低下が発生し、重合時間が長くなるという問題があった。また、重合時間の増大はポリカーボネートの着色にもつながっていた。
【0005】
さらに高温減圧下の重合終了前の反応器への封止剤の添加の設備が必要となっていた。そこで、重合反応終了後反応器から取出された溶融ポリカーボネート樹脂を、それに続く押出し機による混練中に末端封止剤を導入して、分子量を低下させることなく、末端を封止することにより末端ヒドロキシ基濃度を減じることができれば、既存の設備をそのまま使用することができるため、押出し機中での末端封止する方法が望まれている。
【0006】
また末端ヒドロキシ基の封止にカルボン酸ハライドを用いる方法として、例えば特開平06−306158や公知文献(J.Appl.Polym.Sci.,77,1338(2000))に発生する塩化水素をトラップする方法が紹介されているが、本方法も押出機での混練において分子量の低減は少ないものの樹脂の著しい変色があり、実用には使えないことがわかった。
他方、芳香族スルホン酸化合物を用いる方法も提案されている。例えば特開平05−9287のように酸性化合物の一例としてイオウ含有酸性化合物が使われているが、ここで使われている末端封止剤は重合器中に導入するのであって、押出機に直接導入するものではなく、他方イオウ含有酸性化合物で推奨されているp−トルエンスルホン酸エステルを単独で、もしくは末端封止剤とともに押出機に導入しても改善効果はないことがわかった。
【0007】
なお、ポリカーボネート樹脂は分解によりヒドロキシ末端を生成するため、分解によってフェニル末端量が減少し、ヒドロキシ末端が増加する結果となる。そのためポリカーボネート樹脂の分解は分子量減少に伴う衝撃強度の低下だけでなく末端ヒドロキシ基の増加につながるため、ポリカーボネート樹脂の分解を抑えることが必要である。
【0008】
【特許文献1】
特開平03−231919号公報
【特許文献2】
特開平10−36497号公報
【特許文献3】
特開平06−306158号公報
【特許文献4】
特開平05−9287
【非特許文献1】
J.Appl.Polym.Sci.,77,1338(2000)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このようにして押出機を通過するわずかな時間の混練の間にポリカーボネート樹脂の分子量を減少させること無く、ポリカーボネートの末端ヒドロキシ基を効果的に封止する方法は従来見つかっておらず、効率的な生産の上でも望まれていた。
本発明の課題は、ポリカーボネート末端のヒドロキシ基を、押出機を通す工程で効率的に封止しポリカーボネート樹脂の安定性を向上させることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明者は鋭意検討を行った結果、カルボン酸無水物のうち、とりわけ芳香族モノカルボン酸無水物が押出機でのヒドロキシ基の封止に非常に効果があることがわかり、当発明に至った。
さらに混合時に芳香族スルホン酸を触媒量添加すると予想外に末端封止効果が現れることがわかり、鋭意検討の結果当発明に至った。
即ち本発明は、エステル交換法により重合したポリカーボネート樹脂を反応器からとりだし押出機にて造粒する過程で、芳香族モノカルボン酸無水物、および芳香族スルホン酸を添加し混練を行うことによりポリカーボネートの末端ヒドロキシ基を効率的に封止したポリカーボネート製造方法である。
【0011】
本発明は、
(1)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとから溶融重合法により製造されたヒドロキシ末端を有する芳香族ポリカーボネートに、下記一般式(1)で表される芳香族モノカルボン酸無水物、および下記式(2)の芳香族スルホン酸化合物を溶融混練することによって、ヒドロキシ末端を封止されたことを特徴とする末端封止芳香族ポリカーボネートの製造方法。
【0012】
【化3】
【0013】
(式中、R1及びR2は各々独立に水素原子、炭素数1から20を有する炭化水素基、炭素数1から20を有するアルコキシ基、芳香族基、芳香族オキシ基、芳香族アルキル基、ニトロ基、ハロゲンを示す。m及びnは1から5の整数で、mが2以上の場合は各R1は相互に異なるものであってもよいし、nが2以上の場合は各R2は相互に異なるものであってもよい。Ar1及びAr2は各々独立に炭素数6から14の芳香族炭化水素を示す。)
【0014】
【化4】
【0015】
(式中、R3は水素原子または炭素数1から15を有する炭化水素、Ar3は炭素数6から11の芳香族炭化水素を示し、pは1から5の整数で、pが2以上の場合は各R3は相互に異なる物であってもよい。nは0または1である。)
【0016】
(2) 該反応が、芳香族ポリカーボネートのヒドロキシ基末端基に対する芳香族モノカルボン酸無水物のモル比が0.5から1.5にあることを特徴とする前記(1)に記載の末端封止芳香族ポリカーボネートの製造方法。
(3) 該反応が、芳香族モノカルボン酸無水物式(1)に対して芳香族スルホン酸式(2)のモル比が0.001から0.1であることを特徴とする前記(1)から(2)のいずれかに記載の末端封止芳香族ポリカーボネートの製造方法。
(4) 該反応が、最終重合器から溶融状態のままで連続的に芳香族ポリカーボネートが供給されている押出機に、連続的に芳香族モノカルボン酸無水物および芳香族スルホン酸が供給されることを特徴とする前記(1)から(3)のいずれかに記載の末端封止芳香族ポリカーボネートの製造方法。
【0017】
(5) 該押出機が、2軸混練押出機であることを特徴とする前記(1)から(4)のいずれかに記載の末端封止芳香族ポリカーボネートの製造方法。
(6) 該温度条件が、250℃から280℃であることを特徴とする前記(1)から(5)のいずれかに記載の末端封止芳香族ポリカーボネートの製造方法。
(7) 該反応が、添加剤の添加と同時に実施されることを特徴とする、前記(1)から(6)のいずれかに記載の末端封止芳香族ポリカーボネートの製造方法。
に係わる。
【0018】
【発明の実施の形態】
押出機に導入される該エステル交換法のポリカーボネートは、公知方法で製造できる。具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートを反応せしめる方法により製造できる。
また該エステル交換法のポリカーボネートには必要に応じて各種添加剤を配合して良く、各種添加剤としては例えば耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、可塑剤、他樹脂やゴム等の重合体、顔料、染料、充填剤、強化剤、難燃剤等を挙げることができる。
【0019】
一般にエステル交換法のポリカーボネートはヒドロキシ基の末端の割合が10モル%から50モル%、フェニル基の末端の割合は50モル%から90モル%であり、ヒドロキシ基の割合が20モル%を超えると長期の加熱条件下で樹脂の着色が著しくなる。本発明のエステル交換法のポリカーボネートは末端封止剤によってヒドロキシ基の末端を封止することにより熱安定性を向上させている。すなわち末端封止反応前のヒドロキシ基の割合が10モル%から50モル%に対し、反応後に導入された末端が封止剤である割合が30モル%から50モル%、未反応のヒドロキシ基の末端の割合は5モル%から20モル%である。
また該ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)の範囲は10000から40000であり、10000以下では衝撃強度が低下して実用にならず、また40000を超えると溶融粘度が高くなりすぎて成型が困難になる。
【0020】
本発明で用いられる式(1)で表される芳香族モノカルボン酸無水物としては、例えば安息香酸無水物、2−メチル安息香酸無水物、3−メチル安息香酸無水物、4−メチル安息香酸無水物、2−エチル安息香酸無水物、3−エチル安息香酸無水物、4−エチル安息香酸無水物、2−プロピル安息香酸無水物、3−プロピル安息香酸無水物、4−プロピル安息香酸無水物、2−イソプロピル安息香酸、3−イソプロピル安息香酸無水物、4−イソプロピル安息香酸無水物、2−n−ブチル安息香酸無水物、3−n−ブチル安息香酸無水物、4−n−ブチル安息香酸無水物、2−イソブチル安息香酸無水物、3−イソブチル安息香酸無水物、4−イソブチル安息香酸無水物、2−t−ブチル安息香酸無水物、3−t−安息香酸無水物、4−t−安息香酸無水物、
【0021】
2−メトキシ安息香酸無水物、3−メトキシ安息香酸無水物、4−メトキシ安息香酸無水物、2−エトキシ安息香酸無水物、3−エトキシ安息香酸無水物、4−エトキシ安息香酸無水物、2−ニトロ安息香酸無水物、3−ニトロ安息香酸無水物、4−ニトロ安息香酸無水物、2,4−ジメチル安息香酸無水物、2,5−ジメチル安息香酸無水物、2,6−ジメチル安息香酸無水物、3,5−ジメチル安息香酸無水物、2、4−ジ−t−ブチル安息香酸無水物、2,5−ジ−t−ブチル安息香酸無水物、2,6−ジ−t−ブチル安息香酸無水物、3,5−ジ−t−ブチル安息香酸無水物、2,4−ジメトキシ安息香酸無水物、2,5−ジメトキシ安息香酸無水物、2,6−ジメトキシ安息香酸無水物、3,5−ジメトキシ安息香酸無水物、
【0022】
1−ナフトエ酸無水物、2−ナフトエ酸無水物等の対称無水物、および安息香酸2−メチル安息香酸混合無水物、安息香酸3−メチル安息香酸混合無水物、安息香酸4−メチル安息香酸混合無水物、安息香酸2−t−ブチル安息香酸混合無水物、安息香酸3−t−ブチル安息香酸混合無水物、安息香酸4−t−ブチル安息香酸混合無水物、安息香酸2−メトキシ安息香酸混合無水物、安息香酸3−メトキシ安息香酸混合無水物、安息香酸4−メトキシ安息香酸混合無水物、安息香酸ニトロ安息香酸混合無水物、2−メチル安息香酸3−メチル安息香酸混合無水物、2−メチル安息香酸4−メチル安息香酸混合無水物、3−メチル安息香酸4−メチル安息香酸混合無水物等の混合無水物が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種類以上混合して用いても良い。
【0023】
本発明に用いられる(2)芳香族スルホン酸としては、例えばベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、4−t−ブチルベンゼンスルホン酸などが挙げられる。
本発明ではポリカーボネート中に、(1)芳香族モノカルボン酸無水物はポリカーボネート中の末端ヒドロキシル基量に対しモル比が0.5から1.5、好ましくは0.8から1.2である。末端ヒドロキシル基に対する(1)芳香族モノカルボン酸無水物のモル比が0.5以下では反応性が低く、1.5以上ではポリカーボネート樹脂の分解が顕著になる。
【0024】
式(2)で表される芳香族スルホン酸は、少量で良く、(1)芳香族モノカルボン酸無水物に対してモル比が0.001から0.1好ましくは0.003から0.01であり、該モル比が0.001よりすくないと所期の結果が得られず、また0.1より多いとポリカーボネートの分解が顕著になる。
押出し温度は200℃から320℃、好ましくは250℃から280℃が望ましく、200℃以下では押出し樹脂圧力が増加して押出し困難になる。一方320℃を超えるとポリカーボネート樹脂の分解、低分子量化が顕著になる。
【0025】
本発明では反応機から押出機に溶融樹脂を導入する際に、溶融樹脂を取出すことなく連続に末端封止剤を添加するのが特徴であり、取出した樹脂に末端封止剤を添加して再押出をして再反応させる必要がない。
また本発明では末端封止剤を、添加剤と同時に添加できることが特徴で、既存の添加剤添加装置をそのまま用いることができる。
また本発明の押出し機は2軸押出し機が好ましい。
【0026】
【実施例】
以下、実施例に基づき、本発明をより詳細に説明する。なお、例中の「部」は特にことわらない限り重量部を表す。
本発明において物性測定は以下の方法によって測定した。
(i)ポリカーボネート末端基の定量:サンプル0.3gを5mlの重水素置換クロロホルムに溶解し、23℃で核磁気共鳴分析装置の1H−NMR(バルカー社製EX−400)を用いて末端基を測定した。ヒドロキシ基末端濃度(モル%)は全末端数に対するヒドロキシ基の割合により計算した。
(ii)分子量の定量:サンプル0.8gを20mlのジクロロメタンに溶解し、23℃でゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析装置のGPC(東ソー社製SC8080)を用いて、テトラヒドロフランを展開溶媒として分子量を測定した。なお分子量減少率は反応後の重量平均分子量(Mw)と反応前の重量平均分子量(Mw)との変化量に対する反応前の重量平均分子量(Mw)の割合を示す。
【0027】
長期耐熱着色(Δb)は140℃のギアオーブン中500時間放置した後、色の変化を測定した。
耐衝撃試験はシャルピー試験により行い、その結果は、耐衝撃性に優れるものを○印、耐衝撃性が低下したものを△印、大きく低下したものを×印で示した。またポリカーボネート樹脂の押出による効果の確認は2軸のスクリューを備えたプラストミル混合機(東洋精機製)を用いて行い、樹脂の加熱は混合機のブロックに内蔵されたヒーターによって行なった。
さらにPCM30(株式会社池貝)2軸スクリュー式押出機で押出の効果の確認を行なった。
【0028】
【実施例1〜7】
エステル交換法によって製造されたポリカーボネート(分子量Mw=15000、末端OH濃度32%、2.57mmol)60gを280℃に温度制御されたプラストミル(東洋精機製)に半量仕込み、アセトンに溶解させた表1に示す安息香酸無水物化合物等0.581g(2.57mmol)、およびp−トルエンスルホン酸・一水和物0.0015g(0.008mmol)をいれ、さらに残り半量のポリカーボネートを仕込み6分間(スクリュー回転数25rpmで1分間、90rpmで5分間)攪拌反応させた。
その結果は表1に示す通り、末端が封止されたポリカーボネートが18モル%〜22モル%となり、末端ヒドロキシ基が12モル%乃至18モル%まで減少しヒドロキシ基量を減じる効果が見られた。
また反応機から連続して溶融ポリカーボネート樹脂を2軸の押出機に導入し、同時に添加剤を好ましくは5%以内で添加することにより、耐熱安定性と耐衝撃性に優れた末端封止ポリカーボネート樹脂を得ることができた。その結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【比較例1〜2】
実施例1と同様の反応を行い、芳香族モノカルボン酸の代わりに、表2に示す芳香族ジカルボン酸無水物を仕込む以外はまったく同様の操作で実験を繰り返した。その結果、まったくヒドロキシ基封止反応が起こらなかった。
【0031】
【比較例3】
実施例1と同様の反応を行い、芳香族モノカルボン酸の代わりに、表2に示す脂肪族モノカルボン酸無水物を仕込む以外はまったく同様の操作で実験を繰り返した。その結果、表2に示す通り、ポリカーボネートを分解して分子量が低下していることがわかった。
【0032】
【比較例4〜6】
実施例1と同様の反応を行い、芳香族モノカルボン酸の代わりに、表2に示す脂肪族ジカルボン酸無水物を仕込む以外はまったく同様の操作で実験を繰り返した。その結果、表2に示す通り、まったくヒドロキシ基封止反応が起こらなかった。以上の結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
【実施例8〜9】
実施例1と同様の反応を行い、混練温度を260度とした以外はまったく同様の操作で実験を繰り返した。結果は、表3に示す。
【0035】
【実施例10】
実施例9と同様の反応を行い、末端封止剤のモル比を1.2とした以外はまったく同様の操作で実験を繰り返した。結果は、表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【実施例11】
エステル交換法によって製造されたポリカーボネート(分子量Mw=15000、末端OH濃度32%)750gと安息香酸無水物7.26g、p−トルエンスルホン酸・1水和物0.02gをハンドブレンドし、株式会社池貝PCM30押出機(シリンダー温度250℃、スクリュー回転数150rpm、押出量7kg/hr)で押出した。結果は、表4に示す。
【0038】
【比較例7】
実施例11と同様の操作を行い、安息香酸無水物とp−トルエンスルホン酸・1水和物の代わりに2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートを用いた以外はまったく同様の操作で実験を繰り返した。結果は、表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを溶融重合法により製造するにあたり、ポリカーボネートの分子量を減少させること無く、かつ押出機で容易にポリカーボネート末端のヒドロキシ基を有効に封止することができた。
Claims (7)
- 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとから溶融重合法により製造されたヒドロキシ末端を有する芳香族ポリカーボネートに、下記一般式(1)で表される芳香族モノカルボン酸無水物、および下記式(2)の芳香族スルホン酸化合物を200℃から320℃の温度条件で溶融混練することによって、ヒドロキシ末端を封止されたことを特徴とする末端封止芳香族ポリカーボネートの製造方法。
- 該反応が、芳香族ポリカーボネートのヒドロキシ基末端基に対する芳香族モノカルボン酸無水物のモル比が0.5から1.5にあることを特徴とする請求項1に記載の末端封止芳香族ポリカーボネートの製造方法。
- 該反応が、芳香族モノカルボン酸無水物(1)に対して芳香族スルホン酸(2)のモル比が0.001から0.1であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の末端封止芳香族ポリカーボネートの製造方法。
- 該反応が、最終重合器から溶融状態のままで連続的に芳香族ポリカーボネートが供給されている押出機に、連続的に芳香族モノカルボン酸無水物および芳香族スルホン酸が供給されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の末端封止芳香族ポリカーボネートの製造方法。
- 該押出機が、2軸混練押出機であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の末端封止芳香族ポリカーボネートの製造方法。
- 該温度条件が、250℃から280℃であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の末端封止芳香族ポリカーボネートの製造方法。
- 該反応が、添加剤の添加と同時に実施されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の末端封止芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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