JP4802446B2 - 装置、及びこの装置を用いたジフェニルカーボネート又は芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

装置、及びこの装置を用いたジフェニルカーボネート又は芳香族ポリカーボネートの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、フェノール及び/又はジフェニルカーボネートを留出する装置に関する。
一般に、ジフェニルカーボネート(DPC)とビスフェノールA(BPA)とを用いて、芳香族ポリカーボネート(PC)を製造する方法は、以下のとおりである。
まず、ジフェニルカーボネート(DPC)は、塩化カルボニルとフェノール(PL)とを、触媒存在下で気液反応させて、製造される。これを中和洗浄した液から、蒸留工程においてフェノール(PL)などの不純物を除去して、精製ジフェニルカーボネート(DPC)を回収する。
次に、製造した上記ジフェニルカーボネート(DPC)にビスフェノールA(BPA)を溶解させ、触媒を加えて、真空減圧下で加熱攪拌すると、エステル交換反応が起こり、副生したフェノール(PL)を留出しつつ重合が進行し、芳香族ポリカーボネート(PC)が製造される。
ところで、これらの工程には、フェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)を留出する装置がある。例えばジフェニルカーボネート(DPC)を製造する工程においては、還流させつつジフェニルカーボネート(DPC)を蒸留して精製し、芳香族ポリカーボネート(PC)を製造する工程においては、フェノール(PL)をジフェニルカーボネート(DPC)と蒸留分離しながら除去する。これらの蒸留操作は、蒸留温度を下げるために、真空設備を設けて減圧下で行われる(特許文献1参照)。
特開平9−38402号公報
しかしながら、減圧下で蒸留すると、どうしてもフェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)等の留出成分が、真空設備に引っ張られて、真空設備に連結される配管の途中に液溜まりを生じたり、この溜まった留出成分が固まったりして、真空状態を維持できなくなる場合があった。また、留出したフェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)等の留出成分をポンプによって還流させる場合、還流用の配管内で留出成分が固化するなどの原因によって詰まるおそれもあった。
そこでこの発明は、フェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)が留出する装置において、配管内で液溜まりや固化を生じにくくすることを目的とする。
この発明は、フェノール(PL)及び/又はジフェニルカーボネート(DPC)を留出する装置において、配管が、その配管内の流体に圧力をかける設備側が下向きとなる傾斜を有しており、かつ、立ち上がり部分の高さの合計が1m以下である装置によって上記の課題を解決したのである。
フェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)等から構成される留出物を凝縮する凝縮器から真空設備へ繋がる真空配管に傾斜を持たせることで、留出物が重力によって真空設備側へと移行していき、配管内にとどまることを少なくできる。また、フェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)を蒸留塔に還流させる還流配管の水平部分に傾斜を持たせることで、溜まった留出物が傾斜に沿って落ちやすくなり、配管内にとどまりにくくすることができ、装置全体の運転を停止している間、留出物の劣化を防ぐことができる。
また、このような傾斜のある配管の、傾斜とは上下の向きが逆に立ち上がる部分の高さの合計が1m以下とすることで、立ち上がる部分に溜まる液体分及び固体分を最小限に抑え、配管が完全に閉塞したり、圧力損失が大きくなりすぎたりすることを回避できる。
以下、この発明を詳細に説明する。
この発明にかかる装置は、フェノール(PL)及び/又はジフェニルカーボネート(DPC)を留出する装置である。この装置としては、図1に示すような、蒸留塔1、留出する物質を凝縮する凝縮器2、系内を減圧にする真空設備12、及び、凝縮器2と真空設備12とを繋ぐ真空配管11を有する装置が挙げられる。以下、この装置を「蒸留装置」という。
また、上記蒸留装置に還流部が形成される場合、この還流部を形成する、蒸留塔1、留出する物質を凝縮する凝縮器2、凝縮液タンク25、送液ポンプ22、及び、送液ポンプ22と蒸留塔1とを連結する還流配管21も、この発明にかかる装置として取り扱うことができる。以下、この還流部を「還流装置」という。
まず、上記の蒸留装置について、図1を用い、ジフェニルカーボネート(DPC)の蒸留を例として説明する。上記の蒸留装置は、フェノール(PL)と塩化カルボニルとによって製造されたジフェニルカーボネート(DPC)を蒸留した留出物を蒸留塔1より留出させ、これを凝縮器2で凝縮させるものである。このジフェニルカーボネート(DPC)にはフェノール(PL)が含まれている。
上記の真空設備12は、ガスを吸引して排出し、蒸留塔1を減圧状態にするための設備である。このような真空設備12としては、例えば真空ポンプが挙げられる。
この真空設備12に繋がる真空配管11は、凝縮器2側から真空設備12側へ向かって下向きの傾斜を有している。上記の傾斜は、真空配管11の水平部分のうちできるだけ長い区間にわたっていることが望ましい。また、上記の傾斜は、水平方向から下向きに0°より大きく、90°以下であればよいが、上記真空設備へ向かって水平方向に2m進むときには、1cm以上、下方向に進むものであると望ましく、5cm〜1m下方向に進むものであればより望ましい。さらに、傾斜のある水平部分には、完全水平部分及び立ち上がる部分が無ければより望ましく、傾斜が真空配管11の端から端まで一定であればさらに望ましい。なお、上記水平部分は、水平状態、及び水平状態から少し傾斜した状態の部分をいう。また、上記完全水平部分とは、鉛直方向に対して直角方向の部分をいう。
上記の傾斜は、途中に上記の完全水平部分や立ち上がる部分があってもよいが、その立ち上がる部分の高さの合計は1m以下であることが望ましく、10cm以下であればさらに望ましく、そのような部分は無いことが最も望ましい。この立ち上がる部分の高さの合計が1mを超えると、上記の立ち上がる部分に上記の留出物が溜まった場合に生じる圧力損失が大きくなりすぎ、減圧吸引しきれなくなるおそれがある。ここで、上記の立ち上がる部分とは、上記の傾斜とは逆に、凝縮器2から真空設備12へ向かって上方に傾斜を有する部分をいう。ここには、上記の留出物が液体又は固体として溜まりやすく、溜まった場合には圧力損失を生じ、溜まりすぎると管そのものを閉塞させてしまうおそれもあるため、無い方が望ましい。そのため、上記の傾斜は凝縮器2側から真空設備12側へ向かって下方向のみであればより望ましい。
上記の凝縮器2では、フェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)などを凝縮する。凝縮された留出物は、系外に抜き出されるか、蒸留塔1に還流するために上記還流装置の凝縮液タンク25に送られる。
上記蒸留塔1内の圧力は1〜200Torrであることが望ましく、5〜100Torrであればより望ましい。そのとき、蒸留塔1内のガスを引く真空配管11内の真空減圧された圧力は蒸留塔1内の圧力に近いか、それ以下であることが望ましく、1〜100Torrであればより望ましい。
さらに、蒸留塔1の塔頂から凝縮器2への配管構造は、以下の条件を満たしていることが望ましい。配管の内径は、actualガス線速が0.01〜20m/secとなる範囲であることが望ましい。また、蒸留塔1の塔頂から凝縮器2までの配管の長さは短いほどよく、10m以下であることが望ましく、0mであればもっとも望ましい。さらに、配管の曲折部は少ないほどよく、5箇所以下であることが望ましい。これらの条件から、凝縮器2は、蒸留塔1の塔頂に塔頂コンデンサーとして設けられているともっとも望ましい。これらの条件が満たされていると、真空設備12による蒸留塔1の真空減圧状態がより安定化されるようになる。
留出されたフェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)のガスは、凝縮器2の上から下へと流れるように供給されることが望ましい。また、凝縮器2の内部と出口部とは、ガス線速が小さくなるように、大口径であることが望ましい。ガス線速が大きいと、圧損原因となり、蒸留塔1の真空減圧が保持できなくなるおそれがある。
上記の凝縮器2と真空配管11との間には、ミストを捕捉するためのミストキャッチャー15が設けられていると望ましい。ミスト状のフェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)が真空配管11に混入して溜まったり、固化したりすることを、できるだけ防ぐためである。
上記の真空配管11は、上記の留出物の融点以上に内部を加熱、保温する設備又は方法を有していることが望ましい。その設備又は方法としては、例えば、上記真空配管を、二重管構造や、蒸気又は電気によるトレース構造にする方法が挙げられる。なお、上記留出物が複数の成分からなっている場合には、それらの中で最も高い融点を持つ物質の融点以上であることが望ましい。また、上記真空配管内は減圧状態であるが、ここで融点とは減圧状態における融点である。真空配管11内が上記の留出物の融点以上であると、凝縮器2で凝縮しきれずに真空配管11に混入したフェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)が、固化することなく液体か気体のままであり続けるので、真空配管11の内部が詰まる可能性をさらに低く出来る。そのため、ジフェニルカーボネート(DPC)の融点である80℃以上であって、蒸留塔1の塔頂部の温度以下であると工程の運用上望ましい。
また、上記の真空配管11には、下側に向けて少なくとも一つの液抜き口14が設けられていることが望ましい。真空配管11内で液化したり、露となったりした上記の留出物を、真空配管11内に留まらせずに、抜き取ることが必要だからである。この液抜き口14のうち、少なくとも一つは、真空配管11の真空設備12に接続している部分に近接していることが望ましい。真空配管11が傾斜を有しているため、その傾斜の一番下に出来るだけ近いところから抜き出さないと、それより先で上記留出物が溜まる可能性があるからである。このような液の抜き取りは、真空設備12による真空減圧中に行うのではなく、装置全体を停止して行ってもよい。さらに、真空配管11の長さが3mを超える場合は、真空配管11の途中にも液抜き口14が設けられていると、液溜まりを回避しやすくなり、より望ましい。
さらに、上記の真空配管11には、凝縮器2側に、加熱流体を供給可能な供給口13を設けてあることが望ましい。この供給口13を設ける位置は、凝縮器2に近いところほど望ましいが、真空配管11と凝縮器2との間に、ミストキャッチャー15が存在している場合は、ミストキャッチャー15と凝縮器2の間ではなく、真空配管11がミストキャッチャー15に接続されているところに出来るだけ近いことが望ましい。この供給口13を設けることにより、ここから上記加熱流体を流し込み、液抜き口14から抜き出すことができ、真空配管11を洗浄することができる。そのため、供給口13と液抜き口14の間が、真空配管11のうちの出来るだけ長い領域を占めることが望ましい。また、傾斜があるため、位置エネルギーの高い方から供給した方が効率がよい。このため、供給口13は、真空配管11の上側を向いて開いているのが望ましい。
上記加熱流体とは、真空配管11内の温度において流体であるものをいい、液体でも気体でもよい。上記加熱流体としては、例えば、水蒸気、フェノール(PL)、窒素などが挙げられ、水蒸気又はフェノール(PL)蒸気であるとより望ましい。フェノール(PL)蒸気を用いると、真空配管11内部でジフェニルカーボネート(DPC)が固化していた際に溶解させることができるのでさらに望ましい。これらのうちの一つだけでも、複数の混合体であってもよい。ただし、上記加熱流体は、真空配管11の素材やジフェニルカーボネート(DPC)等とは、真空配管11内の温度圧力条件下で、ほとんど反応しないものであることが望ましく、まったく反応しないものであるとより望ましい。
また、上記の真空配管11には、凝縮器2、真空設備12、ミストキャッチャー15などと連結する部分に、弁16,17が設けられていると望ましい。上記加熱流体によって洗浄する際、弁によってさえぎられていると、真空配管11の外に上記加熱流体が漏れることを防ぐことができる。
さらに、上記の真空配管11には、フリーズコンデンサが設けられていることが望ましい。このフリーズコンデンサは、2基以上が並列に設置されていて、それぞれを切り替えられるとなお望ましい。上記フリーズコンデンサが設置されていると、凝縮器2で捕捉できなかった留出成分を強制的に固化して捕集することができ、それ以降の真空配管11で、閉塞、又は圧損の上昇を抑制でき、望ましい。
また、ジフェニルカーボネート(DPC)からフェノール(PL)等の低沸点化合物を蒸留除去する場合は、蒸留塔1から流出する蒸発ガスを液化するために、凝縮器2を2基以上直列に繋いで使用することも効果的である。その際、各凝縮器2の温度は蒸留塔1から離れるに従い、徐々に低温化させるのが好ましい。特に、最初の凝縮器2はジフェニルカーボネート(DPC)等の高沸点成分を積極的に凝縮させるために、80〜150℃に調整し、液化された凝縮液は蒸留塔1へ循環する。ついで、最初の凝縮器2で液化されなかった未凝縮ガスは、2段目以降の凝縮器2で0〜80℃に調整され、ほぼ完全に液化される。ここで液化された凝縮液は、必要に応じて一部を蒸留塔1へ還流し、残り乃至は全量を留出する。このように凝縮器2を2基以上設置すると、万が一、ジフェニルカーボネート(DPC)が蒸留塔1から多量に留出しても凝縮器2内で固化閉塞することなく、運転が継続でき、長時間安定して蒸留を行うことができる。ジフェニルカーボネート(DPC)の凝固点は80℃であり、フェノール(PL)の凝固点(40℃)より高いため、通常のフェノール(PL)等低沸点化合物のみを凝縮させる凝縮器2の温度条件下においては、ジフェニルカーボネート(DPC)が大量に存在すると、凝縮器2内でジフェニルカーボネート(DPC)が固化するおそれがある。従って、凝縮器2を2基以上設置し、高融点であるジフェニルカーボネート(DPC)を強制的に凝縮除去した後、未凝縮ガスを凝縮させたほうが、固化防止になり、蒸留塔1の真空度を安定させることができる。また、蒸留留去させる軽沸分として、フェノール(PL)以外に、フェノール(PL)より低沸点化合物を多く含有する場合は、この複数段の凝縮器2を用いるのがより望ましい。
次に、上記の還流装置について、図1を用い、ジフェニルカーボネート(DPC)の還流を例として説明する。この還流装置の例は、蒸留塔1から留出した、フェノール(PL)や、フェノール(PL)から製造されるジフェニルカーボネート(DPC)等の留出物を、凝縮器2で凝縮して一旦凝縮液タンク25に溜め、これを送液ポンプ22によって、蒸留塔1の上部に還流することで、高沸点成分の蒸発を抑止しつつ、蒸留分離の効率を高めるものである。
上記の送液ポンプ22によって上記留出物を蒸留塔1に還流するための還流配管21の水平部分は、蒸留塔1側から送液ポンプ22側へ下向きの傾斜を有していることが必要である。この傾斜を有する水平部分の途中には、完全水平部分や立ち上がる部分は無い方が好ましく、傾斜が一定であればより望ましい。このとき、上記の傾斜は、送液ポンプ22へ向けて水平方向に2m進むときに1cm以上、下方向に進むものであると望ましく、5cm〜1m下方向に進むものであればより望ましい。もし完全水平部分や立ち上がる部分がある場合には、傾斜による高度差が、立ち上がる部分の高さの差の合計よりも大きいことが必要であり、かつ、立ち上がる部分の高さの合計が、1m以下であることが望ましく、10cm以下であればさらに望ましい。なおここで、上記の立ち上がる部分とは、上記の傾斜とは逆に、蒸留塔1側から送液ポンプ22側へ向かって上方に傾斜する部分をいう。
また、送液ポンプ22の位置にもよるが、図1に示すように、還流配管21の、上記の傾斜を有する水平部分と送液ポンプ22との間に、垂直又は垂直に近い勾配である部分があってもよい。このとき、送液ポンプ22の前後で溜まる液を抜き出すため、上記の送液ポンプ22の吸入口付近と、吐出口付近との配管には、液抜き口23,24を設けてもよい。
上記の還流配管21は、上記の留出物の融点以上に内部を加熱、保温する設備を有していることが望ましい。なお、上記の留出物が複数の成分からなっている場合には、それらの中で最も高い融点を持つ物質の融点以上に加熱、保温することができると望ましい。上記還流配管が上記の留出物の融点以上であると、上記留出物が固化することなく、液体か気体のままであり続けるので、内部で詰まる可能性をさらに低く出来る。このように加熱、保温する設備としては、二重管構造や、蒸気、電気によるトレース構造をしているものが挙げられる。
この還流配管21の蒸留塔1に近い箇所に、供給口27が設けられていると望ましい。装置全体の運転を停止した場合に、この供給口27から上記加熱流体を流し込み、液抜き口24から抜き出すことで、還流配管21を洗浄することができる。またその際に、上記加熱流体が蒸留塔1に流れ込まないように、還流配管21と蒸留塔1との間に弁26が設けられていると望ましい。
なお、上記したような、フェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)を留出する蒸留装置は、ジフェニルカーボネート(DPC)からフェノール(PL)などの不純物を除去して精製ジフェニルカーボネート(DPC)を回収する蒸留工程の他に、ジフェニルカーボネート(DPC)とビスフェノールA(BPA)とを真空減圧下で反応させて副生するフェノール(PL)を回収しつつ芳香族ポリカーボネート(PC)を重合するPC製造工程などで、フェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)を回収するために用いることができる。さらに、同様にフェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)を留出する工程であれば利用可能である。
また、上記したような、フェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)を還流させる還流装置は、例示した蒸留塔1から留出したフェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)を蒸留塔1に戻して、供給されたフェノール(PL)やジフェニルカーボネート(DPC)に含有されていた高沸点成分の蒸発を抑え、蒸留分離効率を高める工程のほか、同様に還流の必要がある工程であれば利用可能である。なお、上記高沸点成分は蒸留塔1の下部から別に抜き出す。
また、これらの装置がジフェニルカーボネート(DPC)の製造に用いられる場合は、還流配管21の、上記傾斜を有する水平部分以外の箇所に、ジフェニルカーボネート(DPC)を系外に取り出す取り出し口28があるとよい。
このような工程によって精製されたジフェニルカーボネート(DPC)は、ビスフェノールA(BPA)とともに、芳香族ポリカーボネート(PC)を製造する原料として使用される。
また、これらの工程において、上記したそれぞれの装置を用いることにより、それぞれに設けられている供給口13、27から上記加熱流体を供給する洗浄方法によって、管内が閉塞した場合でも容易に閉塞を解除することが出来る。
この発明にかかる装置の配置例図
符号の説明
1 蒸留塔
2 凝縮器
11 真空配管
12 真空設備
13 供給口
14 液抜き口
15 ミストキャッチャー
16,17 弁
21 還流配管
22 送液ポンプ
23,24 液抜き口
25 凝縮液タンク
26 弁
27 供給口
28 取り出し口

Claims (9)

  1. フェノール及び/又はジフェニルカーボネートを留出する装置において、
    上記装置は、留出する物質を凝縮する凝縮器、系内を減圧にする真空設備、及び、上記
    凝縮器と上記真空設備とを繋ぐ真空配管を有し、
    上記真空配管は、上記凝縮器側から上記真空設備側へ向かって、水平方向に2m進むと
    1cm以上下方に進む、下向きの傾斜を有しており、
    かつ、上記凝縮器側から上記真空設備側へ向かって上方に立ち上がる部分の高さの合計
    が1m以下であり、
    上記凝縮器と上記真空配管との間に、ミストキャッチャーを設け、
    上記真空配管は、上記蒸留塔からの留出物の融点以上に内部を加熱保温する設備を有し

    上記真空配管の上記真空設備側に、少なくとも一つの液抜き口を設けた装置。
  2. 上記真空配管の上記凝縮器側に、加熱流体を供給可能な供給口を設けた、請求項1に記
    載の装置。
  3. 請求項1又は2に記載の装置に設けた上記供給口から、上記加熱流体を供給することに
    より、上記真空配管を洗浄する、装置の洗浄方法。
  4. 上記加熱流体が、水蒸気、フェノール、窒素のうち少なくとも一つを含む、請求項3に
    記載の装置の洗浄方法。
  5. 上記装置は、さらに、蒸留塔、凝縮液タンク、送液ポンプ、及び、上記凝縮器から得ら
    れる凝縮液の少なくとも一部を上記送液ポンプから、上記蒸留塔に循環させる還流配管を
    有しており、
    上記還流配管の水平部分は、上記送液ポンプ側から上記蒸留塔側へ上向きの傾斜を有し
    ている請求項1又は2に記載の装置。
  6. 上記還流配管が、上記凝縮液の融点以上に内部を加熱保温する設備を有している、請求
    項5に記載の装置。
  7. 上記送液ポンプの吸入口付近及び/又は吐出口付近の配管に、液抜き口を設けた、請求
    項5又は6に記載の装置。
  8. 塩化カルボニルとフェノールとを、触媒存在下で気液反応させてジフェニルカーボネートを製造し、これを中和洗浄した液から、請求項1、2、5、6又は7のいずれかに記載の装置を用いて、還流させつつジフェニルカーボネートを蒸留して精製することで、不純物を除去する、ジフェニルカーボネートの製造方法。
  9. 塩化カルボニルとフェノールとを、触媒存在下で気液反応させてジフェニルカーボネートを製造し、
    製造したジフェニルカーボネートにビスフェノールAを溶解させ、触媒を加えて、真空減圧下で加熱攪拌してエステル交換反応を起こし、
    副生したフェノールを請求項1、2、5、6又は7のいずれかに記載の装置を用いて、ジフェニルカーボネートと蒸留分離しながら除去しつつ、重合を進行させる、芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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