JP2005145880A - ビニル芳香族化合物の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エチルベンゼンを脱水素してスチレンを製造するに当たり、脱水素反応ガスを冷却して得られた凝縮液を油水分離する油水分離槽における不溶性ポリマーの固形物の滞留、蓄積を防止して、固形物に起因する機器類の性能低下や計器類の作動不良を防止する。
【解決手段】アルキルベンゼンを脱水素してビニル芳香族化合物を製造する脱水素反応工程と、脱水素反応工程の生成ガスを冷却して凝縮させる凝縮工程と、凝縮工程からの凝縮液を油水の比重差により油水分離する油水分離工程とを備えるビニル芳香族化合物の製造方法において、凝縮液を油水分離槽1に導入して油水分離するに当たり、油水分離室1A内の油水界面付近の液を抜き出し、ストレーナ5Sで固形物を除去して循環させる。油水分離槽1の油水分離室1Aの液面高さの20〜80%の高さから液を抜き出す液抜き出し手段が設けられているビニル芳香族化合物の製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、エチレン等のアルキルベンゼンを脱水素してスチレン等のビニル芳香族化合物を製造する方法及び装置に係り、詳しくは、系内で生成する固形物(不溶性ポリマー)の滞留、蓄積による機器類の性能低下や計器類の作動不良を防止する方法及び装置に関する。
スチレン等のビニル芳香族化合物は、脱水素反応器にてスチームの存在下にエチルベンゼン等の原料アルキルベンゼンを脱水素することにより製造される。例えば、スチレンは、脱水素反応器にてスチームの存在下にエチルベンゼンを脱水素してスチレンを含む脱水素反応ガスを得、この脱水素反応ガスを多段に設けた熱交換器を通して冷却し、粗スチレン及び水を主成分とする凝縮液を気液分離し、この凝縮液を油水分離槽で油水の比重差により油水分離し、スチレンを含む油相を更に蒸留工程で精製することにより製造される。
スチレンモノマー等のビニル芳香族化合物は、その活性なビニル基の存在のために非常に重合しやすい。このため、スチレン等のビニル芳香族化合物の製造工程では、脱水素反応器の下流工程の取り扱い機器や配管において、特にその滞留部を中心としてしばしばスチレンモノマー等の重合が発生し、重合により生成した不溶性ポリマーが固形物として系内に滞留、蓄積することによる機器類の性能低下や計器類の作動不良が問題となっている。例えば、系内で生成した不溶性ポリマーは、多くの場合、凝縮液により洗い流されて油水分離槽に流入し、槽内に浮遊するようになるが、油水分離槽には、通常、液面計、温度計等の計器類が設けられているため、これらの計器類のノズル部に不溶性ポリマーが侵入、固着することによる作動不良や誤作動が問題となっている。また、油水分離槽内に滞留する不溶性ポリマー量が多い場合には、油水分離槽における凝縮液の実質的な滞留時間が減少し、油水分離性が悪くなる恐れもある。また、油水分離槽の油相下部又は水相上部に不溶性ポリマーが滞留することによっても油水分離性が悪くなり、更に液面計等の計器類の指示が不正確になることによっても油水分離性は悪くなる。
油水分離槽における油水分離性が悪くなり、水相に油分が混入すると、後段の水処理設備の汚れや混入したスチレンから生成したポリマーの沈着などにより水処理設備の処理効率も悪化する。一方、油相に水分が混入すると、後工程、例えばスチレン精製工程のフェニルアセチレン除去設備の触媒に悪影響を与えることがある。
特に近年、スチレン製造用触媒の性能は向上しつつあり、これによりエチルベンゼン転化率の向上が可能となり、脱水素反応ガスを冷却して得られる凝縮液中のスチレン濃度も上昇し、このスチレン濃度の上昇に伴い、このような不溶性ポリマーの副生量も増加する傾向にある。また、脱水素反応条件としてもより過酷な条件が採用されるようになってきており、このことからも不溶性ポリマーの副生量は増加する傾向にある。このため、不溶性ポリマーに起因する上述のような問題の解決が強く望まれている。
従来、不溶性ポリマーの生成を防止するために、フェノール類、アミン類、ニトロフェノール類、ヒドロキシアミン類などの重合抑制剤を脱水素反応ガスに、その凝縮開始部付近(脱水素反応ガスの温度が約140〜60℃の範囲)において注入する方法があるが、スチレン製造工程の脱水素反応器下流の熱交換器及び付近の配管にはマンホールやノズルなどの滞留部が多く、重合制御剤の注入で不溶性ポリマーの生成を完全に防止することは困難である。
また、生成した不溶性ポリマーの滞留を防止する方法として、脱水素反応器の下流の装置、配管に有機液体又は有機液体と水との混合物を注入して洗い流す方法がある(特開2002−265397号公報)。しかし、洗い流された不溶性ポリマーは油水分離槽に流入し、結果として油水分離槽における上記問題を引き起こすこととなる。
また、脱水素反応ガスの凝縮液を油水分離槽に導入して下層の凝縮水と表層液とに比重差で分離するに当たり、この油水分離槽の滞留時間が長いと重合物の成長が起こるので滞留時間を所定時間以下に設定すること、この油水分離槽に重合防止剤を存在させることも知られているが(特公昭57−41448号公報)、油水分離槽よりも上流側で生成し、油水分離槽内に流入した不溶性ポリマーによる問題を解決することはできない。
特開2002−265397号公報 特公昭57−41448号公報
本発明は、エチルベンゼン等のアルキルベンゼンを脱水素してスチレン等のビニル芳香族化合物を製造するに当たり、系内、特に脱水素反応ガスを冷却して得られた凝縮液を油水分離する油水分離槽における不溶性ポリマーの固形物の滞留、蓄積を防止して、このような固形物に起因する機器類の性能低下や計器類の作動不良を防止するビニル芳香族化合物の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明のビニル芳香族化合物の製造方法は、アルキルベンゼンを脱水素してビニル芳香族化合物を製造する脱水素反応工程と、該脱水素反応工程の生成ガスを冷却して凝縮させる凝縮工程と、該凝縮工程からの凝縮液を油水の比重差により油水分離する油水分離工程とを備えるビニル芳香族化合物の製造方法において、該油水分離工程において、該凝縮液から油水混合液を抜き出し、該油水混合液中の固形物を除去することを特徴とする。
本発明者らは、スチレン等のビニル芳香族化合物の製造工程において、脱水素反応ガスを冷却して得られる凝縮液を油水分離する油水分離槽における不溶性ポリマーの固形物の問題を解決すべく検討を行った結果、油水分離槽より上流側で生成し、油水分離槽に流入した不溶性ポリマー或いは油水分離槽内で生成した不溶性ポリマーのうち、ガスを巻き込んで比重が軽くなった固形物は、上層の油相の表面近くに浮遊し、油相と共に抜き出され、油相の抜き出しポンプのストレーナで捕捉され、一方、鉄錆等を多く巻き込んで比重の増した固形物は、下層の水相側に沈降し、水相と共に抜き出され、水相の抜き出しポンプのストレーナで捕捉されるが、油水分離槽中の固形物には、これら液相又は水相中に含まれて油水分離槽から抜き出されるものの他に、鉄錆などを取込み油相下部及び/又は水相上部に浮遊するものも多く存在することを見出した。この油相下部及び/又は水相上部に存在する固形物は、このままでは油水分離槽から抜き出されることはなく、油水分離槽内に滞留、蓄積する。
本発明においては、この油相下部及び/又は水相上部に存在する固形物を、油水混合液と共に抜き出し、この油水混合液中の固形物を除去することにより、油水分離槽内における固形物の滞留、蓄積を防止する。
なお、本発明において、油水混合液は油相中に水滴を含む液、或いは、水相中に油滴を含む液といった、油と水とを共に含む液を指す。
本発明においては、脱水素反応ガスを冷却して得られた凝縮液を油水分離槽に導入して油水分離するに当たり、この油水分離槽内の油水界面付近の液体を油水混合液として抜き出すことが好ましく、固形物をストレーナ等で除去した油水混合液は、脱水素反応工程と油水分離工程との間に循環させることが好ましい。
本発明のビニル芳香族化合物の製造装置は、アルキルベンゼンを脱水素してビニル芳香族化合物を製造する装置であって、脱水素反応ガスを冷却し、得られた凝縮液を油水の比重差により油水分離する油水分離室を備えるビニル芳香族化合物の製造装置において、該油水分離室の液面高さの20〜80%の高さから液を抜き出す液抜き出し手段を設けたことを特徴とするものであり、油水分離槽から油水界面付近の油水混合液を効率的に抜き出して、油水分離槽内における固形物の滞留、蓄積を有効に防止することができる。
本発明のビニル芳香族化合物の製造装置は、この液抜き出し手段で抜き出された液を固液分離して分離液を該油水分離室よりも上流側に循環する手段を備えることが好ましく、より具体的には、該凝縮液が導入される油水分離槽を備え、該油水分離槽内に溢流壁が立設されており、該油水分離槽内の該溢流壁の一側に前記油水分離室が形成され、他側に溢流室が形成されており、該油水分離室に該凝縮液を導入する手段と、該油水分離室の底部から水相を抜き出す手段と、該溢流室の底部から油相を抜き出す手段とが設けられていることが好ましい。
本発明によれば、エチルベンゼン等のアルキルベンゼンを脱水素してスチレン等のビニル芳香族化合物を製造するに当たり、系内、特に脱水素反応ガスを冷却して得られた凝縮液を油水分離する油水分離槽における不溶性ポリマーの固形物の滞留、蓄積を防止して、このような固形物に起因する機器類の性能低下や計器類の作動不良を防止することができ、スチレン等のビニル芳香族化合物を長期に亘り安定かつ効率的に製造することができる。
また、油水分離槽において良好な油水分離性のもとに油相と水相とを分離することができるため、液相への水分の混入を防止して後段の生成物の精製工程を安定に運転すると共に、水相への油分の混入を防止して後段の水処理工程を安定に運転することができる。
以下に図面を参照して本発明のビニル芳香族化合物の製造方法及び製造装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明のビニル芳香族化合物の製造方法及び製造装置の実施の形態を示す系統図である。なお、以下においては、本発明をスチレンモノマーの製造に適用した場合を例示して本発明を説明するが、本発明はこれに限らず、ジビニルベンゼン、メチルスチレン、ブチルスチレン等の各種ビニル芳香族化合物の製造に有効に適用することができる。
スチレンの製造工程では一般に脱水素反応器から得られた脱水素反応ガスを多段の熱交換器に通して冷却し、ガスと粗スチレン及び水を含む凝縮液とに気液分離した後、粗スチレン及び水を含む凝縮液を油水分離槽で油水の比重差により油水分離して油相は更に蒸留工程で精製してスチレンを回収し、一方、水相は水処理装置で処理した後、再度スチーム源として脱水素反応工程に循環する。
本発明においては、例えば図1に示す如く、脱水素反応ガスを冷却して得られた凝縮液を油水分離する油水分離槽に、槽内の油水界面付近の油水混合液を抜き出すための液抜き出しノズルを設け、この油水混合液を抜き出して油水混合液中の固形物を除去する。
図1において、1は油水分離槽であり、槽内には溢流壁2が立設され、槽内の一側に油水分離室1A、他側に溢流室1Bが形成されている。脱水素反応ガスを冷却し、気液分離して得られる粗スチレン及び水を含む凝縮液は、配管11より、油水分離槽1の油水分離室1Aに導入される。油水分離槽1内に導入された凝縮液は、油水分離槽1の油水分離室1Aで比重差により油相と水相とに分離し、上層の油相は溢流壁2を溢流して溢流室1Bに流入する。溢流室1Bの油相は、粗スチレン抜き出しポンプ3Pにより配管13を経て引き抜かれ、後段の精製工程へ送給される。この粗スチレン抜き出しポンプ3Pの吸い込み側にはストレーナ3Sが設けられており、引き抜かれた油相中の固形物が分離除去される。一方、油水分離室1Aの底部からは、水相が水抜き出しポンプ4Pにより配管14を経て引き抜かれ、後段の水処理工程へ送給される。この水抜き出しポンプ4Pの吸い込み側にはストレーナ4Sが設けられており、引き抜かれた水相中の固形物が分離除去される。なお、12はベントガスの排気配管である。
油水分離槽1の油水分離室1A側の壁面には、油水分離室1A内の油水界面付近の液を抜き出すための液抜き出しノズルが設けられており、油水分離室1A内の油水界面付近の液が、循環ポンプ5Pにより配管15を経て抜き出され、油水分離槽1への凝縮液導入配管11に循環される。この循環ポンプ5Pの吸い込み側にはストレーナ5Sが設けられており、引き抜かれた油水混合液中の固形物が分離除去される。
図1の油水分離槽1では、油相中の固形物、水相中の固形物のみならず、油水界面付近の固形物も油水混合液と共に引き抜かれて除去されるため、油水分離槽1内の固形物の滞留、蓄積は防止される。
通常、このような油水分離槽1では、油水分離室1Aの液面高さLに対して、油水の界面高さLが20〜80%、特に40〜60%の高さの範囲を維持するように、適宜水相の抜き出し量を調節して運転される。従って、油水界面の油水混合液を抜き出すための液抜き出しノズルは、油水分離槽1の油水分離室1Aの液面高さLの20〜80%、特に40〜60%の高さ位置に設けられることが好ましい。
この液抜き出しノズルからの油水混合液の抜き出しは、連続的に行っても良く、間欠的に行っても良い。また、ストレーナ5Sは2個以上の複数個を並列に設置して、適宜切り換えを行うことにより、逆洗と固液分離とを交互に行って、連続処理可能とすることもできる。
この液抜き出しノズルからの油水混合液の抜き出し時には、油水分離室1Aからの水相の抜き出し量を調節することにより、液抜き出しノズルの設置位置の上下の所定範囲で油水界面レベルを上下させるようにすることが、油水分離室1A内の油相下部及び水相上部の固形物を油水混合液と共に効率的に抜き出す上で好ましい。
油水分離槽1からの油水混合液の抜き出し量には特に制限はなく、油水分離槽1内の油水界面付近の固形物を十分に排出し得る程度であれば良いが、通常の場合、1時間当たりの抜き出し液量として、油水分離槽の滞液量(図1では油水分離室1A内の液量と溢流室1B内の液量との合計)の1/100〜1/1の液量とすることが好ましい。抜き出し液量がこの範囲よりも少ないと油水分離槽内の固形物を十分に除去し得ず、多いと相対的に油水分離槽内の液量、滞留時間が少なくなって、油水分離性、油水分離処理効率が悪くなる。
油水分離槽1の平均滞留時間は通常0.2〜2時間程度に設定される。
図1は本発明の実施の形態の一例を示すものであって、本発明は何ら図示のものに限定されるものではない。
例えば、油水分離槽は比重差を利用して油水分離を行うものであれば良く、何ら図1のオーバーフロータイプのものに限定されるものではない。また、油水分離槽から抜き出して固形物を除去した後の油水混合液は、油水分離槽の入口側に循環する他、更に上流側の多段に設けた脱水素反応ガス冷却用の熱交換器のうちの任意の熱交換器の入口又は出口側に循環しても良く、気液分離器の入口又は出口側に循環しても良い。
また、固形物の除去手段としてもストレーナに何ら限定されず、サイクロン、シックナー、遠心分離器等を用いることもできる。図1に示す如く、ストレーナを用いる場合、通常、油水分離槽内の固形物の粒径は主に0.1〜5mm程度であることから、目開き0.1〜0.5mm程度のストレーナを用いることが好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例1
市販されているスチレン製造用の酸化鉄系触媒を用い、固定床流通式の3段脱水素反応器(触媒量は3段ともほぼ同量)にてオイル(エチルベンゼン99%以上)からのスチレンの製造を行った。1段脱水素反応器入口温度580〜620℃、2段脱水素反応器入口温度600〜630℃、3段脱水素反応器入口温度610〜640℃、3段合計のLHSV0.3h-1、3段脱水素反応器出口圧力0.045MPa、スチーム/オイル重量比1.2の反応条件とした。エチルベンゼンの転化率は60〜70モル%となった。
得られた脱水素反応ガスを多段の熱交換器を通して約50℃まで冷却して気液分離した後、スチレン及び水を含む凝縮液を、図1に示すような、槽内に溢流壁2が設けられたオーバーフロータイプの油水分離槽1で油水分離し、油相は粗スチレン抜き出しポンプ3Pで抜き出して粗スチレンタンクへ移送した。また、水相は水抜き出しポンプ4Pで抜き出して、水処理装置へ送給した。また、油水分離槽1の油水分離室1Aの液面の高さLの1/2の高さの位置に設けた液抜き出しノズルから、目開き0.25mmのストレーナ5Sを通して循環ポンプ5Pで油水混合液を抜き出し、油水分離槽1の入口側に戻した。ストレーナ5Sは2個並列に設け、目詰まりによる差圧上昇が認められる前に適宜切り替えて、連続処理が行えるようにした。油水分離室1Aの油水の界面は、差圧式界面計で検出し、水相の抜出量を調節することにより、油水分離室1Aの液面の高さLに対して、油水の界面の高さLが45〜60%の高さの範囲で上下に変動するようにした。油水分離槽1の平均滞留時間は1時間で、循環ポンプ5Pの1時間当たりの流量は油水分離槽1の滞液量の約1/10であった。循環ポンプ5P入口のストレーナ5Sは1〜10日で差圧が上昇したため、適宜切り替えを行いながら運転した。
その結果、11ヶ月間連続して運転を行ったが、各計器は異常値を示すことはなかった。11ヶ月後、油水分離槽1を開放点検したところ、槽内には不溶性ポリマーは殆ど存在しなかった。
比較例1
循環ポンプによる液抜き出しを行うことなく、その他は実施例1と同様に運転したところ、8ヶ月経過後、油水分離槽の界面レベルを制御する差圧式界面計が正常値を示さなくなった。差圧式界面計を取り外して点検したところ、差圧式界面計の取り出しノズルは不溶性ポリマーで閉塞していた。11ヶ月後、油水分離槽を開放点検したところ、槽内には多量の不溶性ポリマーが堆積していた。
本発明は、スチレンやジビニルベンゼン、メチルスチレン、ブチルスチレン等の各種ビニル芳香族化合物の製造工程に適用することができ、系内の固形物の滞留、蓄積に起因する機器類の性能低下や計器類の作動不良を防止して、スチレン等のビニル芳香族化合物の安定生産を行える。
本発明のビニル芳香族化合物の製造方法及び製造装置の実施の形態を示す系統図である。
符号の説明
1 油水分離槽
1A 油水分離室
1B 溢流室
2 溢流壁
3S,4S,5S ストレーナ
3P 粗スチレン抜き出しポンプ
4P 水抜き出しポンプ
5P 循環ポンプ

Claims (9)

  1. アルキルベンゼンを脱水素してビニル芳香族化合物を製造する脱水素反応工程と、該脱水素反応工程の生成ガスを冷却して凝縮させる凝縮工程と、該凝縮工程からの凝縮液を油水の比重差により油水分離する油水分離工程とを備えるビニル芳香族化合物の製造方法において、
    該油水分離工程において、該凝縮液から油水混合液を抜き出し、該油水混合液中の固形物を除去することを特徴とするビニル芳香族化合物の製造方法。
  2. 請求項1において、前記凝縮液を油水分離槽に導入して油水分離する方法であって、該油水分離槽内の油水界面付近の液体を前記油水混合液として抜き出すことを特徴とするビニル芳香族化合物の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、該固形物を除去した油水混合液を、前記脱水素反応工程と油水分離工程との間に循環させることを特徴とするビニル芳香族化合物の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記油水混合液中の固形物をストレーナにより除去することを特徴とするビニル芳香族化合物の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、該ビニル芳香族化合物がスチレンであることを特徴とするビニル芳香族化合物の製造方法。
  6. アルキルベンゼンを脱水素してビニル芳香族化合物を製造する装置であって、脱水素反応ガスを冷却し、得られた凝縮液を油水の比重差により油水分離する油水分離室を備えるビニル芳香族化合物の製造装置において、
    該油水分離室の液面高さの20〜80%の高さから液を抜き出す液抜き出し手段を設けたことを特徴とするビニル芳香族化合物の製造装置。
  7. 請求項6において、該液抜き出し手段で抜き出された液を固液分離する固液分離手段と、固液分離手段の分離液を前記油水分離室よりも上流側に循環する循環手段とを備えることを特徴とするビニル芳香族化合物の製造装置。
  8. 請求項6又は7において、該凝縮液が導入される油水分離槽を備え、該油水分離槽内に溢流壁が立設されており、該油水分離槽内の該溢流壁の一側に前記油水分離室が形成され、他側に溢流室が形成されており、該油水分離室に該凝縮液を導入する手段と、該油水分離室の底部から水相を抜き出す手段と、該溢流室の底部から油相を抜き出す手段とが設けられていることを特徴とするビニル芳香族化合物の製造装置。
  9. 請求項6ないし8のいずれか1項において、該ビニル芳香族化合物がスチレンであることを特徴とするビニル芳香族化合物の製造装置。
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