JPH11199526A - エチルベンゼンの製造方法 - Google Patents

エチルベンゼンの製造方法

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JPH11199526A
JPH11199526A JP10016428A JP1642898A JPH11199526A JP H11199526 A JPH11199526 A JP H11199526A JP 10016428 A JP10016428 A JP 10016428A JP 1642898 A JP1642898 A JP 1642898A JP H11199526 A JPH11199526 A JP H11199526A
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JP
Japan
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benzene
ethylene
catalyst
temperature
reaction
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JP10016428A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Takamatsu
義和 高松
Sadataka Kanejima
節隆 金島
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ベンゼン原料とエチレン原料を用いてエ
チルベンゼンを製造する方法に於いて、 1)ゼオライトベータ系固体触媒充填固定床反応器を用
い、2)ベンゼン、エチレンを固定床反応器の上部から
供給し、3)エチレンの一部を気相状態で触媒固定床に
導入し、4)触媒層上部を最低温度にし、下部に向かう
に従って、反応熱により連続的に温度上昇させ、下部で
は未反応ベンゼン等の芳香族化合物を蒸発させて、最高
温度に触媒固定床の温度分布を形成し、5)固定床反応
器下部から芳香族化合物を気相状態で回収し、同時にエ
チルベンゼンを液相状態で回収。 【効果】 低圧力条件、低ベンゼン/エチレンモル比条
件、シンプルな反応装置を用いて極めて高収率、高選択
にエチルベンゼンの製造。触媒の活性低下の抑制、気相
エチレンによるチャンネリング現象を防ぎ、触媒の摩耗
・粉化の抑制して長期間の安定な運転の実現。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリスチレン、ス
チレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエ
ン/スチレン、不飽和ポリエステルなどの合成樹脂や合
成ゴムのモノマーとなるスチレンの原料として有用なエ
チルベンゼンの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族炭化水素のアルキル化反応は、従
来、塩化アルミニウムに代表されるフリーデル・クラフ
ツ型触媒を使用して行われてきたが、近年、腐食性の問
題の無いゼオライトがアルキル化触媒として有効である
ことが見出され、エチルベンゼンの製造法においても、
ゼオライト触媒を用いる多くの提案がなされている。特
開平8−103658号公報には、ベータゼオライトと
無機リガンドからなり、半径100Åを越える細孔が少
なくとも25%を占める触媒組成物を用いた芳香族化合
物のアルキル化及びアルキル交換反応の例が記載されて
おり、当該公報中にはベンゼンとエチレンからのエチル
ベンゼン合成反応の例もある。しかしながら、当該実施
例によれば、180℃、圧力45バール、ベンゼン/エ
チレンのモル比=4.4の条件下で実施されたバッチ反
応例であり、反応開始時からエチレンはベンゼン中に溶
解している完全溶解状態で実施されている。
【0003】特開平5−138034号公報には、ラン
タン/ベータゼオライトを触媒とするエチルベンゼンの
製造方法が記載されており、特に液相操作用に有用であ
るが、気相または混合された液相/気相を使用すること
も可能であると記載されている。しかしながら、当該公
報中には、アルキル化反応を完全な液相反応で実施する
ために、溢流床方式を使用する。また、エチレンのベン
ゼン中への溶解を確実にするため段階的反応方式を使用
するといった記載があり、事実、当該実施例は、固定床
上昇流方式でベンゼン/エチレンモル比は9.5といっ
たベンゼン大過剰ので完全溶解状態で実施されている。
【0004】特開平3−181424号公報では、ベー
タゼオライトを使用した液相アルキル化及びトランスア
ルキル化法が開示されており、他のゼオライト触媒より
も遙かに長い時間に亘って高収率でモノアルキル化生成
物を与えることができると記載されている。しかしなが
ら、一方では、芳香族化合物対オレフィンのモル比は触
媒が早く汚染されるのを防ぐために4以上が好ましいと
の記載があり、事実、当該実施例でのエチルベンゼン合
成反応は、固定床上昇流方式でベンゼン/エチレンのモ
ル比=7、反応温度163℃、圧力31.5K/Gの条
件下で実施されたものであり、すなわち、完全溶解状態
で実施されている。
【0005】特開平4−187647号公報には、アル
キル化及びアルキル転移反応に共にモレキュラシーブ芳
香族アルキル化及びアルキル転移触媒上にて液相で行う
方法が記載されており、ベンゼン/エチレンのモル比は
4以下であり2程度も使用し得ること、又、アルキル化
触媒としてベータゼオライトが挙げられているが、実施
例ではベンゼン/エチレンのモル比は5.2である。こ
の公報には、理想化された反応条件下でベンゼン/エチ
レンのモル比=2を達成する方法が記載されているが、
この方法で、エチレンを5段階に分けて供給することに
より達成している。
【0006】特公平6−43346号公報には、蒸留反
応器に固定床酸性触媒蒸留構造体を含む蒸留塔反応器内
で、有機芳香族化合物とC2〜C20のオレフィンとを
接触させ、アルキル化生成物を形成し、生じたアルキル
化生成物および未反応有機芳香族化合物および未反応オ
レフィンを分別し、アルキル化生成物を蒸留反応器から
固定床の下の箇所で取り出す方法が記載されている。触
媒としては、Y型ゼオライトが用いられており、反応器
内にクロスに包まれて充填されている。Y型ゼオライト
は実質的に気相のエチレンの存在下では活性劣化が著し
いため、クロスを用いて触媒と気泡との接触を避けてお
り、反応部では実質的にはエチレンは完全に溶解した状
態であると考えられる。実施例によれば、底部より回収
される反応生成物のベンゼン/エチレンのモル比は最も
低い例であっても3.47であり、触媒重量基準のエチ
ルベンゼン生成速度も0.12〜0.3と極めて低い。
【0007】米国特許第5,118,896号明細書に
は、オレフィンをアルキル化剤として用いるベンゼン、
トルエン、及びキシレンから選ばれる液体芳香族化合物
の連続液相アルキル化反応を、触媒として結晶性アルミ
ノシリケートゼオライトを含み、シリカとアルミナから
なる、0.25〜0.35ml/gの細孔容積と、45
0Åより大きい細孔半径とを有し、1/64インチより
大きくない粒子径を有する触媒を用いて、反応蒸留式反
応器の固定床で行う方法が記載されている。この実施例
には、Y型ゼオライトによるトルエンのエチル化の例し
か記載されておらず、反応蒸留での実施例では、やはり
触媒はクロスに包まれて使用されている。従って、これ
らの例でも触媒層では気泡が遮断され、反応ゾーンでは
均一な液相が維持されている。この場合、気液界面積は
必然的にクロスの表面積となるため大きな値とはなり得
ず、従ってエチレンの転化を完結せしめるためには相当
な段数(触媒量)が必要であり、触媒当たりの生産性は
低いものとなるであろう。実際、当該公報の実施例によ
れば、(トルエン+ベンゼン)/エチレンのモル比が
2、触媒重量が272g、トルエンの供給速度が151
g/Hr,ベンゼンの供給速度が27g/Hrの条件下
でエチレン転化率は55%と低い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、従来
のゼオライト触媒を用いるエチルベンゼンの製造方法
は、塩化アルミニウム等のフリーデル・クラフツ型触媒
を用いる製造方法に比べて高いベンゼン/エチレンのモ
ル比条件下でアルキル化反応が実施されている。この様
な高いモル比での実施は、未反応ベンゼンのリサイクル
量を増加し、ベンゼン回収への負荷を増大させるため、
工業的見地からは不利である。それにも関わらず、従来
のゼオライト触媒を用いる製造方法が高いベンゼン/エ
チレンのモル比条件下で行われている理由は、主に以下
の3項目の問題が存在するからである。
【0009】第一に、触媒性能上の制約、すなわち核エ
チル化選択率の低さが挙げられる。例えば、従来アルキ
ル化触媒として最も広く用いられているゼオライトとし
て、Y型ゼオライトが挙げられる。Y型ゼオライトは、
良好な活性と所望の生成物に関する良好な選択率とを与
えることが知られているが、ベンゼン/エチレンのモル
比が低くなると、ベンゼンの反応率の上昇に伴ってブチ
ルベンゼン、ジフェニルエタン等の副生物の生成が著し
くなり、それによりベンゼン核のエチル化選択率が著し
く減少する。従って、低いベンゼン/エチレンのモル比
条件下でY型ゼオライト触媒を使用することは困難であ
る。
【0010】Y型ゼオライトに代えて選択率を向上する
触媒として、MCM−22やゼオライトベータが提案さ
れているが、これらの触媒も従来技術ではエチレンの完
全溶解状態が実現できる高ベンゼン/エチレンのモル比
条件下でアルキル化反応を実施しており、低ベンゼン/
エチレンのモル比条件下での性能については触れられて
はいない。この理由は、下記に記載する触媒の活性低下
や反応熱除去の問題が従来技術では解決できていないた
めと考えられる。
【0011】第二に、気相エチレンが存在する状態でゼ
オライト触媒を使用すると著しい活性低下を起こす問題
が挙げられる。そのため、従来の方法では均一液相、す
なわち、エチレンがベンゼン原料中に溶解している完全
溶解状態で実施する必要があった。本発明者らの検討結
果によれば、Y型ゼオライトによるベンゼンのエチル化
反応を低圧力で低ベンゼン/エチレンのモル比の条件、
すなわち、エチレンの気相が存在する条件で実施したと
ころ、ベンゼン核のエチル化選択率は極めて低くなり、
著しい触媒の活性低下も起こした。
【0012】この原因は、Y型ゼオライトが結晶細孔の
交差部にスパーケージとよばれる大きな空洞を持つため
気相エチレンの重合により生じるオリゴマー、ポリマー
物が結晶細孔内に留まり易いなることに起因するものと
考えられる。エチレンをベンゼンに完全に溶解させて均
一液相にするためには、高ベンゼン/エチレンのモル比
条件を採用せざるを得なくなる。もし、低ベンゼン/エ
チレンのモル比で、エチレンをベンゼン原料中に完全に
溶解させようとすると非常に高い圧力が必要となり実用
的でなくなる。これを避けるためにベンゼン原料に溶解
するだけの濃度のエチレンを多段階に分けて反応器に供
給する方法もあるが、製造装置が複雑で高価なものにな
る。従って、エチレン原料として純度の低い粗エチレン
を利用しようとすると、さらに高い圧力またはさらに高
次の多段供給が必要となり益々実用的でなくなるので、
エチレン原料は精製された純度の高いものを用いる必要
がある。
【0013】第三に、反応熱の除去の問題が挙げられ
る。ベンゼンのエチル化反応は発熱反応であり、低ベン
ゼン/エチレンのモル比条件で反応を完結させようとす
ると著しい発熱が生じる。発熱による触媒層温度の上昇
はアルキル化反応の選択率を低下させ、高温により均一
液相を維持できなくなれば触媒の著しい活性低下も避け
られなくなる。そのため、反応熱の除去は重要な問題で
あり、従来の方法は、この除熱の観点からも過剰のベン
ゼンの存在、即ち、高ベンゼン/エチレンのモル比でア
ルキル化反応を行う方法を選択している。完全溶解状態
で実施されるアルキル化反応で低ベンゼン/エチレンの
モル比を達成しようとすると、急激な反応熱上昇を避け
るためにはエチレン原料を多段に供給する必要が生じ
る。また、反応途中で反応物の冷却を行ったりする必要
も生じ、装置的に複雑となる。
【0014】一方、ベンゼン原料を反応器上部から、エ
チレン原料を反応器下部から対向流で供給し、生成物の
エチル化ベンゼンを反応器下部から回収する方式で反応
蒸留を行うことにより反応熱を蒸発潜熱で除去する方法
も提案されている。しかし、反応蒸留では気相エチレン
が連続相となり、しかも、触媒と気相との接触を避ける
触媒充填方法を採用しているため、エチレンの完全転化
は困難になると考えられる。また、生成物のエチル化ベ
ンゼンは反応器底部へ向かって流れるため、供給するエ
チレンはエチル化ベンゼンの濃度の高いところで接触す
ることになる。その結果、より多くのポリエチルベンゼ
ンが生成し、モノエチルベンゼンの選択率を低下させて
しまう不利を有する。
【0015】以上記載したように、従来の方法では、触
媒の性能、触媒の活性維持、及び反応熱の除去の問題か
ら、反応帯域では実質的にエチレンの気泡が存在しない
完全溶解状態で行わざるを得ない。このために、高ベン
ゼン/エチレンのモル比条件が採用されており、これを
避けて、より低ベンゼン/エチレンのモル比条件で実施
しようとすると、高圧反応、エチレン原料の多段供給、
高純度エチレン原料、反応途中での冷却、触媒と気相エ
チレンとの接触を避けるための複雑な装置及び触媒充填
方法等を採用せざるを得ない。これらはいずれも工業的
な実施の上で大きな問題となる。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果: ベンゼン原料とエチレン原料を用いてエチルベンゼ
ンを製造する方法において、 a)ゼオライトベータを含む固体触媒を充填した固定床
反応器を用い、 b)ベンゼン原料とエチレン原料を固定床反応器の上部
から供給し、 c)エチレン原料の少なくとも一部のエチレンが気相状
態で存在できる条件で触媒固定床に導入し、 d)ベンゼン原料とエチレン原料を導入する触媒層上部
を最も低い温度に設定し、下部に向かうに従って、反応
熱により連続的に温度を上昇させ、さらに下部の領域に
おいては未反応ベンゼンを主成分とする芳香族化合物が
蒸発を起こすことにより、最も高い温度で維持されるよ
うに触媒固定床の温度分布を形成し、 e)固定床反応器下部から未反応ベンゼンを主成分とす
る芳香族化合物を気相状態で回収し、同時に生成物であ
るエチル化ベンゼンを含む芳香族化合物を液相状態で回
収することによって、
【0017】1)低圧力条件、低ベンゼン/エチレンの
モル比条件で、且つシンプルな反応装置を用いて、発生
する反応熱を容易に除去して触媒層温度の異常上昇を抑
制することができ、極めて高い収率でしかも高選択的に
エチル化ベンゼンの製造が可能となること、 2)触媒の活性低下が著しく抑制できること、 3)気相エチレンの不均一な上昇流、いわゆるチャンネ
リング現象を防いで触媒の摩耗や粉化を抑制し長期間の
安定な運転も可能となることを見出し、かかる知見に基
づき本発明を完成した。
【0018】また、 本発明は、ベンゼン原料とエチ
レン原料を用いてエチルベンゼンを製造する上記記載
の方法において、更に、 f)エチルベンゼンを含む芳香族化合物を、ベンゼン、
エチルベンゼン、及びポリエチルベンゼンからなる各留
分に分離精製し、 g)ベンゼンとポリエチルベンゼンをフリーデル・クラ
フツ型触媒またはゼオライト触媒の存在下で接触させて
トランスアルキル化反応を行い、 h)トランスアルキル化反応の生成物からエチルベンゼ
ンを回収する工程に付する、エチルベンゼンの製造方法
も提供する。
【0019】さらに、以下の実施の態様をも包含する。 固定床反応器下部から回収される気相状態の未反応
ベンゼンを主成分とする芳香族化合物を凝縮して熱回収
した後、ベンゼン原料に加えて循環使用する点に特徴を
有する。また、 固定床反応器上部から供給されるベンゼン/エチレ
ンのモル比が1〜6の範囲である点に特徴を有する。ま
た、 得られる生成物のベンゼン環/エチル基のモル比が
1〜3の範囲である点に特徴を有する。また、 ゼオライトベータが、水素イオン及び/又はアルミ
ニウムイオン及び/又は希土類イオンを主成分とするカ
チオンを有し、かつ5〜100の範囲内から選ばれるシ
リカ/アルミナのモル比を有する点に特徴を有する。ま
た、
【0020】 ゼオライトベータを含む固体触媒がゼ
オライトベータと無機酸化物結合剤とからなる成型体で
ある点に特徴を有する。また、 ベンゼン原料に含まれる水分が200重量ppm以
下である点に特徴を有する。また、 エチレン原料がエチレンを10〜100容量%の範
囲で含む点に特徴を有する。また、 触媒固定床の最も低い温度が少なくとも下記最も高
い温度よりも50℃以上低く、最も高い温度が170〜
250℃の範囲内にあり、かつ、最も低い温度と最も高
い温度との温度差が50〜200℃の範囲内にある点に
特徴を有する。また、 蒸発するベンゼンを主成分とする芳香族化合物の分
圧が5〜20kg/cm2 Gの範囲内にある点に特徴を
有する。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。 (i) 触媒: 1)本発明に使用される触媒はゼオライトベータであ
る。ゼオライトベータは米国特許3,308,069号
明細書に記載された合成結晶性アルミノ珪酸塩であり、
該公報中に記載されたその特性X線回折像により同定さ
れる。ゼオライトベータに含まれるX線回折の反射d値
を表1に示す。
【表1】
【0022】2)本発明に用いられるゼオライトベータ
のSiO2 /Al2 3 モル比は5〜100、好ましく
は10〜80の範囲である。更に、本発明に用いられる
ゼオライトベータは、水素イオン及び/又はアルミニウ
ムイオン及び/又は希土類イオンを主成分とするカチオ
ンを有するものである(請求項6)。
【0023】即ち、本発明において触媒として用いられ
るゼオライトベータのカチオン部位は、イオン交換法に
よりナトリウムイオンを水素イオン及び/又はアルミニ
ウム、ガリウムなどの第3A族イオン及び/またはラン
タンなどの希土類イオンを主成分とすることが好まし
い。これら主成分がカチオン部位の少なくとも80%を
占めているものがさらに好ましい。また、ゼオライトベ
ータのカチオン部位に遷移金属イオンが含まれていても
よい。これらのカチオン部位は従来公知のイオン交換方
法等によってゼオライトベータに導入することができ
る。より高い活性を得るためには、ゼオライトベータを
イオン交換法により水素イオン型及び/又はアルミニウ
ムイオン型とすることが好ましい。
【0024】例えば、水素イオンのイオン交換方法は好
ましくは以下の方法により行われる。また、アルミニウ
ムカチオンへのイオン交換方法には、例えば、水素イオ
ンと同様な方法で、硝酸アルミニウム水溶液中で攪拌す
ることによって得られる。充分な有機陽イオン/ナトリ
ウムイオン比を有する場合は、ゼオライトベータはか焼
するだけでもよい。
【0025】3)合成されたゼオライトベータをか焼
し、有機物を除いた後、希硝酸水溶液中でゼオライトベ
ータを撹拌し、水素イオンへのイオン交換を行い、乾燥
し、含有水分量を10重量部以下にまで除くことによっ
て、反応系に使用するゼオライトベータが得られる。
【0026】4)触媒成型体:(請求項7) 反応器に触媒を充填するに際し、触媒は成型体であるこ
とが好ましい。成型体とするには純粋なゼオライトのみ
で成型しても良いし、アルミナ、シリカ、シリカ/アル
ミナ、又は天然産粘土のような無機酸化物を結合剤(バ
インダー)として添加して成型しても構わない。結合剤
を用いる場合の結合剤の含有量は10〜90重量%、よ
り好ましくは20〜40重量%の範囲である。結合剤と
しては特にシリカまたはアルミナが好ましい。成型方法
については、打錠成型、押し出し成型法等が当該分野で
よく知られている方法が採用できる。成型触媒の形状は
一般的には円筒状であるが、球状、板状、中空円筒状な
どの成型体も用いられる。
【0027】5)一方、当分野で公知のY型ゼオライト
を本発明の触媒に用いると著しい活性低下と選択率の低
下が起こり、触媒としての利用は不可能である。即ち、
実質的に気相エチレンが存在するエチル化反応条件下に
おいて、ゼオライトベータの耐劣化性、高選択性はY型
ゼオライトに比べて著しく高く、本発明の方法に用いる
ことができる触媒はゼオライトベータに限定される。
【0028】(ii) 反応器形式と反応条件等: 1)本発明における反応器形式は固定床・気液混相・下
降並流方式である。触媒(成型体)は反応器内に充填さ
れる。反応原料であるベンゼン等は反応器の上部より固
定床の触媒層へ50〜200℃範囲内の任意の温度に予
熱されて導入される。一方、エチレン原料もまた反応器
上部より触媒層内へ導入される。エチレン原料の導入は
反応器入り口の1段のみでよい。 2)反応器は断熱式であり、本反応が発熱反応であるた
めに反応の進行に伴って発熱が生じ、液温(触媒層温
度)は連続的に上昇する。
【0029】3)本発明では操作時の圧力が低圧である
ために、必然的に、その時の温度及び圧力条件下での気
液平衡組成で未反応ベンゼンを主成分とする芳香族化合
物の蒸発が起こる。蒸発量は、反応圧力、原料供給量、
反応熱、原料予熱温度などの反応条件に応じて、発生す
る反応熱量と液顕熱による除熱量のバランスから決ま
る。この未反応ベンゼンを主成分とする芳香族化合物が
蒸発を起こすことによる蒸発潜熱によって、アルキル化
反応の進行に伴い生じる反応熱を一部除去して反応温度
の上昇を抑制し、触媒層最高到達温度を任意の一定温度
に維持することができる。
【0030】4)本発明による温度分布の形成の仕方
は、触媒の劣化抑制、選択率の維持に極めて有効であ
る。発生した蒸気成分と生成液は、ともに反応器下部よ
りそれぞれ回収される。 5)気相・液相:本発明における反応器形式は固定床・
気液混相・下降並流方式である。 ・気相は、エチレン原料、触媒層途中で発生するベンゼ
ンを主成分とする芳香族化合物の蒸気、或いは、原料に
粗エチレンが用いられる場合の不活性気体成分である。
エチレン原料がエチレンを10〜100容量%の範囲で
含んでいる(請求項9)。 ・液相は、ベンゼン原料、或いは、反応器内で蒸気とな
って反応器下部から回収されて凝縮され再び反応器上部
へ供給されて循環使用するベンゼンを主成分とする芳香
族化合物である。ベンゼン原料に含まれる水分は200
重量ppm以下である(請求項8)。
【0031】6)固定床・気液混相・下降並流方式: ・固定床・気液混相・下降並流方式で実施する場合の気
液流動状態は、主に気相成分と液相成分の供給速度によ
り、灌液流、気泡流、脈動流、噴霧流をとることが知ら
れているが、本発明において実施される気液混相・下降
並流方式では、これら流動領域の制限を特に受けること
なく実施できる。 ・本発明においては、気液混相・下降並流方式を採用す
るために、気液上昇併流方式に比べて触媒の摺動による
摩耗や粉化は抑制される。加えて、気液混相の均一な分
散が達成できいわゆるチャンネリング現象も起こり難い
ために、エチレンの高い転化率がより容易に達成でき、
エチレン気相成分による触媒の局部的な活性低下も起こ
り難くなる。
【0032】・また、気液並流であるため、気液対向流
に比べて生成物であるエチル化ベンゼンの濃度が低い段
階でエチレンが導入できる方式となり、過剰のエチル化
反応によるポリアルキルベンゼンの生成が抑制できる効
果が発揮される。 ・生成したポリエチルベンゼンを蒸留により分離回収後
にモノエチルベンゼンに転換するためには、塩化アルミ
ニウムなどのフリーデル・クラフツ型触媒やゼオライト
触媒の存在下でベンゼンとポリエチルベンゼンとのトラ
ンスアルキル化反応を実施する。 ・本発明によるポリエチルベンゼン生成の抑制は、トラ
ンスアルキル化工程の負を荷軽減できるため有用であ
る。
【0033】(iii) 原料:本発明における原料は、ベン
ゼン原料とアルキル化剤としてのエチレン原料である。
反応熱除去のために蒸気として回収される未反応ベンゼ
ンを主成分とする芳香族化合物をベンゼン原料に加えて
再利用することも可能である(請求項2)。 1)ベンゼン:本発明に原料として用いられるベンゼン
は、低温度領域での触媒への水の吸着による触媒活性の
低下を防止するため、含水量を200重量ppm以下、
さらに好ましくは100重量ppm以下に除去しておく
ことが好ましい(請求項8)。ベンゼン原料中の不純物
として、エチレン以外のオレフィン成分、特に、シクロ
ペンタジエン或いはジシクロペンタジエンなどのジエン
類は、触媒の劣化を促進するため、反応に供給する前に
除去しておくことが好ましい。不純物の除去方法として
は、蒸留分離や活性白土等を使った吸着分離等の公知の
方法が採用できる。
【0034】2)エチレン:本発明に原料として用いら
れるエチレンは、精製された純度の高いエチレンだけで
なく、エチレン以外の成分として、水素、メタン、エタ
ン、プロパン等の成分を有意に含む、ナフサ分解炉から
生成する粗エチレンや接触分解炉のオフガスを用いるこ
ともできる。エチレン含有量は、10〜100容量%、
好ましくは30〜100容量%であり、例えばナフサ分
解炉の粗エチレンであれば、通常30〜90容量%、接
触分解炉オフガスであれば、通常10〜20容量%であ
る(請求項9)。本発明の方法の特徴の一つは、気液混
相でエチル化反応を実施できることであるため、粗エチ
レンガスを原料とする場合も比較的低圧下で反応を実施
できる。従って、本発明の方法は、高純度にするための
精製工程を省略して粗エチレンのままで実用的に使用で
きるため工業的見地から有用となる。
【0035】3)ベンゼン/エチレンのモル比:本発明
において原料として供給するベンゼン/エチレンのモル
比は1〜6、好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3
の範囲である(請求項4)。
【0036】4)ベンゼン環/エチル基のモル比:本発
明においては未反応ベンゼンの一部を蒸気として回収す
るため、得られる生成液はベンゼン/エチレンのモル比
より低いベンゼン環/エチル基のモル比を有する。ま
た、ベンゼンを主成分とする芳香族化合物から成る蒸気
を反応器へ供給して再利用する場合は、ベンゼン/エチ
レンのモル比と同じベンゼン環/エチル基のモル比の生
成液を得ることもできる。得られる生成液の好ましいベ
ンゼン環/エチル基のモル比は1〜3の範囲である(請
求項5)。ベンゼン環/エチル基のモル比が3より大き
い場合、ポリアルキルベンゼンの発生量自体が小さくな
り、本発明の特徴であるトランスアルキル化反応工程で
の負荷軽減効果が小さくなるし、ベンゼン環/エチル基
のモル比が1より小さい場合は、反応中のエチレン濃度
が高くなり、アルキル化触媒の劣化が速くなるため好ま
しくない。
【0037】(iv) 反応条件: 1)圧力:本発明における反応圧力は、所望の生成液組
成、ベンゼン/エチレンのモル比、触媒層の最高到達温
度などから、気液平衡により決定されるベンゼンを主成
分とする芳香族化合物の蒸発ガスの分圧により定める。
充分な反応速度、回収する生成液組成、循環する蒸気成
分組成などを考慮し、発生するベンゼンを主成分とする
芳香族化合物の蒸気留分の分圧として5〜20kg/c
2 G、好ましくは8〜18kg/cm2 Gの範囲が選
ばれる(請求項11)。粗エチレンガスを原料とする場
合には、気相には不活性な気体成分がベンゼンを主成分
とする芳香族化合物の蒸気留分とともに排出される。従
って、高純度のエチレンを用いる場合と同様な蒸発量と
気液平衡関係を得るためには、不活性気体成分の分圧を
補正した圧力を採用する。このように反応圧力の決定は
エチレンの純度も考慮しなければならない。
【0038】2)反応温度:触媒固定床の最も低い温度
が少なくとも上記触媒層の最高到達温度よりも50℃以
上低く、好ましくは50〜200℃の範囲内であり、最
も高い温度が170〜250℃、好ましくは190〜2
40℃の範囲内にあり、かつ、最も低い温度と最も高い
温度との温度差が50〜200℃、好ましくは60〜1
50℃の範囲内である(請求項10)。即ち、通常は、
ベンゼン核のエチル化選択率を維持するために、触媒層
の最高到達温度を170℃〜250℃、好ましくは19
0〜240℃の範囲にすることが好ましい。この温度範
囲で沸騰が生じ生成液が濃縮されるように反応圧力を定
める。反応圧力が低すぎる時には、反応速度の低下によ
りベンゼンを主成分とする芳香族化合物の蒸発量の増大
が懸念される。本発明における反応温度を触媒層の最も
高い温度として定義すると、この温度は、反応圧力と液
成分組成の沸点により決定される気液平衡温度となる。
この温度は、充分な反応速度と選択率を維持するために
170〜250℃、好ましくは190〜240℃の範囲
から選択されるのが好ましい。
【0039】本発明において、触媒層入口での温度(触
媒固定床の最も低い温度)は、少なくとも上記触媒層の
最高到達温度よりも50℃以上低く、好ましくは50℃
〜200℃低く設定される。触媒層入り口での温度を低
く保つことは、触媒層入り口でのエチレンの溶解度を高
め、エチレンの完全転化に寄与する処が大きく、また、
触媒層入り口の温度から、設定条件下における沸点であ
る最高到達温度に至るまでの温度分布が、触媒層の平均
温度をより低くするように形成することになり、高い選
択性を維持する効果を生じる。
【0040】実質的にエチレン気泡が存在する触媒層入
り口近傍での触媒活性の低下は、温度に依存するので、
活性低下の防止の観点からも、触媒層入り口温度はより
低い方が好ましい。本発明に於ける触媒層入り口温度
は、目的とする生成液組成との兼ね合いで決まるが、反
応が開始される温度として、少なくとも30℃以上であ
り、かつ触媒層の最高到達温度よりも50〜200℃低
い温度で選ばれ、好ましくは、100〜160℃であ
る。
【0041】このように、本発明においては、触媒層入
り口が最も温度が低く、下方向に向かって反応進行によ
る発熱のために温度が上昇し、所定の温度に到達すれば
蒸発が生じるために、蒸発潜熱による反応熱の除去が行
われ、それ以上の温度上昇は生じない。触媒層入り口で
の温度を低く保つことは、触媒層入り口でのエチレン溶
解度を向上せしめ、反応速度の上昇、エチレンの完全転
化に寄与する。また、本発明によれば触媒層入り口では
エチレン気泡が存在しても、温度を低くすることにより
触媒活性の低下を抑制する効果が発揮される。また、か
かる温度分布を持つことは触媒層全域の平均温度が下が
ることも意味し、ベンゼン核のエチル化選択率を高い値
に維持する効果をもたらす。
【0042】3)ベンゼン原料の重量空間時速:本発明
の1時間当たり触媒重量当たりのベンゼン原料の重量空
間時速(WHSV)は、反応圧力や反応温度などの他の
反応条件、転化率や選択率などの反応成績、連続運転時
間などを勘案して、0.1〜20程度の範囲から所定の
値を選定できる。
【0043】(iv) ポリエチルベンゼンのトランスアル
キル化反応(請求項2): 1)本発明において、アルキル化反応でモノエチルベン
ゼンと共に生成するポリエチルベンゼンは、当分野で公
知のトランスアルキル化反応を適用して、モノエチルベ
ンゼンへとさらに転換できる。本発明におけるトランス
アルキル化反応でのベンゼン/ポリエチルベンゼンの重
量比は0.58〜10の範囲内であり、好ましくは0.
58〜2.5の範囲内である。これは、ベンゼン/ポリ
エチルベンゼンの重量比が10より大きい場合、トラン
スアルキル化反応器が大きくなりすぎるため工業的に好
ましくないこと、および、本発明の特徴であるトランス
アルキル化反応での負荷軽減効果が小さくなる。一方、
ベンゼン/ポリエチルベンゼンの重量比を0.58より
小さくすることは、ポリエチルベンゼン1モルに対して
ベンゼンが1モル以下となり、反応上好ましくない。
【0044】2)トランスアルキル化触媒:トランスア
ルキル化反応で使用される触媒は、ベータ、Y型、ZS
M−5などのゼオライト触媒を用いることができる。ま
た、液相トランスアルキル化反応を実施する場合に、反
応活性が高い塩化アルミニウムを含むフリーデル・クラ
フツ型触媒で行うこともできる。塩化アルミニウム触媒
の場合、塩化アルミニウム量は、トランスアルキル化反
応に供給される量の0.1〜15重量%で使用される。
この触媒は通常液体状態で使用し、生成物への溶解度以
上の量を用いて反応する場合は循環再利用することも可
能である。本発明に使用されるトランスアルキル化反応
での触媒が、塩化アルミニウムである場合、塩素成分は
アルキル化反応でのゼオライトベータを含む触媒には触
媒毒となるため、触媒を含むトランスアルキル化反応か
らの生成物は、冷却した後、溶解度以上の触媒が存在し
ている場合は沈降分離等により不溶触媒を除去した後、
水および苛性アルカリで洗浄し、生成物中に微量溶解し
ている塩化アルミニウムおよび塩素を除去するのが望ま
しい。
【0045】3)反応条件: ・反応圧力は所望の生成物組成、ベンゼン/ポリエチル
ベンゼン重量比によって決定されるが、生成物組成の蒸
気圧以下であればよく、通常、0.5〜10kg/cm
2Gの範囲内であり、好ましくは0.5〜3kg/cm2
Gの範囲内である。 ・反応温度は通常、90〜200℃の範囲内で運転さ
れ、好ましくは90〜150℃の範囲内である。 ・反応時間は少なくとも10分間必要であり、好ましく
は20分〜3時間の範囲内である。
【0046】4)その他: ・本発明においては、生成物中に含まれる塩素を10重
量ppm程度以下、さらに好ましくは5重量ppm以下
にするのが好ましい。 ・本発明において、アルキル化反応およびトランスアル
キル化反応からの生成物は、それぞれ通常公知の蒸留操
作を行って精製することができる。即ち、生成物は、ベ
ンゼン留分、エチルベンゼン留分、ポリエチルベンゼン
留分およびタール分に分離され、ベンゼン留分はアルキ
ル化反応および/またはトランスアルキル化反応に、ま
たポリエチルベンゼン留分はトランスアルキル化反応に
それぞれ循環して使用できる。
【0047】(v)本発明のエチルベンゼンの製造法:本
発明のエチルベンゼンの製造法の1例を添付の図1に基
づいて説明する。本発明は図1に限定されるものではな
い。図1は、ゼオライトベータ触媒を用いたアルキル化
反応、フリーデル・クラフツ触媒を用いたトランスアル
キル化反応、及び蒸留精製の概略フローを示したもので
ある。図1において、ベンゼン原料を管1よりベンゼン
水分除去塔14に供給して水分を除去した後、管6より
ベンゼンを、一方、管2よりエチレン原料をそれぞれゼ
オライトベータを含む触媒を充填したアルキル化反応器
15の上部に供給する。
【0048】反応器出口でベンゼンを主成分とする蒸気
として回収される留分は、管4より熱回収設備25に送
られ、熱回収した後、管26より管6のベンゼン供給ラ
インに送られ再度アルキル化反応器15に供給される。
一方、液として回収されるベンゼン、エチルベンゼンお
よびポリエチルベンゼンを含む反応生成物は、反応器下
部の管3より熱回収設備23に送られ、反応熱を回収し
た後、管24よりベンゼン塔18に供給する。ベンゼン
留分は塔頂より管5を介してベンゼン留分中に含まれる
水分を除去するためベンゼン水分除去塔14に供給し、
再利用する。
【0049】塔底から管11によりアルキル化生成物を
エチルベンゼン塔19に供給する。エチルベンゼン塔1
9の塔頂から目的生成物であるエチルベンゼン留分を管
21より得、且つ塔底から管12よりポリエチルベンゼ
ンを含む高沸点物をポリエチルベンゼン塔20に供給す
る。ポリエチルベンゼン塔20の塔頂からポリエチルベ
ンゼン留分を回収し、トランスアルキル化反応器16に
管7のベンゼンとともに供給する。一方、ポリエチルベ
ンゼン塔20の底部から高沸点物質を管13により排出
する。トランスアルキル化反応器16には、塩化アルミ
ニウムを含むフリーデルクラフツ触媒が管22により導
入され、トランスアルキル化反応を起こす。
【0050】トランスアルキル化された生成物は、管9
より沈降・洗浄槽17に供給し、触媒成分を除去した
後、管10より分離精製のためにベンゼン塔18に供給
する。管24および管10は、図面のように別々にベン
ゼン塔18に供給してもよいし、ベンゼン塔18に供給
する前に混合してもよい。同様に、アルキル化反応器供
給の管2および管6、トランスアルキル化反応器供給の
管7および管8も反応器に供給する前に混合してもよ
い。図1では、反応熱を回収するための熱回収設備23
は、管3に設けたが、ベンゼン塔を高圧化し、管5に設
けて熱回収を行うこともできる。
【0051】以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を越えない限り、様々な変更、修飾等が
可能である。
【実施例】
【実施例1】ゼオライトベータの合成 10%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液320
g、水280g、水酸化ナトリウム8.4g、アルミン
酸ナトリウムNaAlO2 19.0gを混合、溶解し、
融合シリカ、ニップシール(日本シリカ工業製NV−3
の商品名)141.0g、種結晶としてゼオライトベー
タ15gを添加し、得られた混合物をホモジナイザーに
より毎分5000回転で30分間撹拌した。次に、この
混合物を1リットルのオートクレーブに入れ、撹拌せず
に155℃で8日間放置したところ、大量の結晶性物質
が生成した。この物質を濾過、水洗し、120℃で一昼
夜乾燥し、140gの結晶性粉末を得た。次に、この結
晶性粉末を350〜550℃迄徐々に昇温し、最終的に
は550℃で6時間か焼した。か焼した後の粉末はX線
回折によりゼオライトベータであると同定された。
【0052】ゼオライトベータの水素イオン交換 か焼したゼオライトベータ300gを0.15Nの硝酸
水溶液2700g中に添加し、室温下で3時間撹拌し、
イオン交換を行った。交換後、濾過、水洗し、その後1
20℃で乾燥して水素イオン型ゼオライトベータを得
た。その組成分析をX線マイクロアナライザー(EPM
A)を用いて行った結果、シリカ/アルミナ比は28で
あった。同じ操作を繰り返してゼオライトの合成、水素
イオン交換を数回行い、得られた水素イオン型ゼオライ
トベータを錠剤成型器により成型し、3mmφ×3mm
Lの成型触媒とした。同じ成型操作を繰り返す事によ
り、ゼオライトベータ成型触媒800gを得た。
【0053】アルキル化反応実験 内径22.1mm長さ1500mmのステンレス製反応
器であって、予熱層として反応器上部500mmの領域
に熱媒ジャケットを備え、反応器出口に保温用熱媒ジャ
ケットを備えた気液分離器を設け、気液分離器のガス成
分回収出口に圧力制御弁を備えたステンレス製反応管
に、前記ゼオライトベータ触媒の成型体130gを充填
した。触媒充填位置は反応管上部より500mmから1
350mmの位置であり、触媒層上下部には3mmφの
ステンレス製ディクソンパッキングを充填した。反応器
出口に設けた気液分離器は、触媒層出口での温度を保つ
ように保温し、ガス留分は圧力制御弁から冷却器を介し
て回収し、液は液面制御弁から液回収ドラムに生成液と
して回収する。
【0054】反応器最上部の予熱層入口よりベンゼンを
1240g/Hrの供給速度にて、窒素ガスを同じ導入
口よりマスフローコントローラーを使って5.5mol
/Hrの供給速度にてそれぞれ供給した。反応器出口の
気液分離器に設けた圧力制御弁により反応器内を14k
g/cm2Gとした。予熱層熱媒ジャケットに148℃
の熱媒を循環し、触媒層入口温度を140℃とした。そ
の後、ガス供給を窒素ガスからエチレン原料ガスへ徐々
に流量を増しながら切り替えていき、5.5mol/H
rの供給速度にて供給した。反応が開始されるに伴い触
媒層温度は次第に上昇し、触媒層中間域で触媒層最高到
達温度233℃に達した。
【0055】本反応条件では、ベンゼンを主成分とする
芳香族化合物の一部が蒸発を起こすため、これ以上の温
度上昇は抑制され触媒層出口においても233℃の温度
が維持された。反応器出口に設けた気液分離器内の温度
は、熱媒循環により保温されており225℃となった。
供給ベンゼン/エチレンモル比は2.89であり、本反
応条件では触媒層入口で供給されたエチレンが全てベン
ゼンに溶解することができず、エチレンは一部気相状態
で存在する。得られた生成液は、705g/Hrで、ガ
スクロマトグラフィーによる分析の結果、そのベンゼン
環/エチル基モル比は1.94に濃縮されており、エチ
ル化ベンゼン生成物の選択率は99.6%であった。
【0056】一方、蒸発ガス成分としては689g/H
rが得られ、そのベンゼン環/エチル基モル比は5.3
7であった。エチレン転化率は99.99%でありほぼ
完全に転化された。エチル化反応の運転時間は200時
間継続した。触媒層の温度分布、特に触媒層入口近傍の
温度変化から、緩やかに触媒活性劣化が進行しているこ
とが示唆されたが、エチレン転化率は200時間に亘っ
て全く低下せずほぼ完全転化を達成した。その結果を表
2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】この実施例1から、本発明の方法によっ
て、低ベンゼン/エチレンモル比条件で、且つ、触媒層
入口でエチレン気泡が存在している条件で、高い選択率
を維持して反応を完結せしめること、約2といった有意
に低いベンゼン/エチル基モル比の生成液を得ること、
触媒の活性低下が非常に小さいことが判る。尚、本実施
例に於ける触媒重量基準のエチルベンゼン換算生成速度
は、4.48g−エチルベンゼン/g−触媒/時に相当
する。
【0059】
【実施例2】実施例1と同様の方法にて合成され、か焼
されたゼオライトベータ粉末200gを、0.1mol
/l硝酸アルミニウム水溶液800g中に添加し、55
℃の温度で3時間攪拌し、イオン交換を行った。交換
後、濾過、水洗し、その後120℃で乾燥してアルミニ
ウムイオン型ゼオライトベータを得た。得られたアルミ
ニウムイオン型ゼオライトベータは、実施例1と同様
に、3mmφ*3mmLに成型した。上記、アルミニウ
ムイオン型ゼオライトベータを触媒とした他は、実施例
1と同様の反応を行った。得られた生成液は705g/
Hr、ベンゼン環/エチル基モル比は1.94に濃縮さ
れており、エチル化ベンゼン生成物の選択率は99.6
%であった。一方、蒸発ガス成分は689g/Hrで得
られ、ベンゼン環/エチル基モル比は5.37であっ
た。エチレン転化率は99.99%でありほぼ完全に転
化された。エチル化反応は50時間継続したが、その間
エチレン転化率は全く低下傾向が観られずほぼ完全転化
を達成した。結果を表3に示す。
【0060】
【表3】 実施例2から本発明の方法では、水素イオン型ばかりで
なくアルミニウムイオン型も触媒として用いることがで
きることが判る。
【0061】
【実施例3】内径42.8mm、長さ1600mmのス
テンレス製反応器であって、予熱層として反応器上部7
00mmの領域にに熱媒ジャケットを備え、反応器出口
に保温用熱媒ジャケットを備えた気液分離器を設け、気
液分離器のガス成分回収出口に圧力制御弁を備えた上記
ステンレス製反応管に、水素イオン型ゼオライトベータ
(ズートヘミー社製BEA−25)(シリカ結合剤32
重量部を含む1/16インチ押出成型品)590gを触
媒として充填した。触媒充填位置は反応管上部より70
0mmから1500mmの位置であり、触媒層上下部に
は3mmφのステンレス製ディクソンパッキングを充填
した。反応器出口に設けた気液分離器は、触媒層出口で
の温度を保つように保温し、ガス留分は圧力制御弁から
冷却器を介して回収し、液は液面制御弁から液回収ドラ
ムに製品液として回収する。
【0062】回収する蒸発ガス留分は予めベンゼンを入
れてあるレベル制御付き回収ドラムで凝縮する。凝縮液
はポンプにてベンゼン原料タンクへ移送しベンゼン原料
と共に反応器に送液する。反応器最上部の予熱層入口よ
りベンゼンを2480g/Hrの供給速度にて、窒素ガ
スを同導入口よりマスフローコントローラーを使って1
0mol/Hrの供給速度にてそれぞれ供給した。反応
器内圧力は、反応器出口の気液分離器に設けた圧力制御
弁により14kg/cm2Gとした。予熱層熱媒ジャケ
ットに135℃の熱媒を循環し、触媒層入口温度を12
3℃とした。その後、ガス供給を窒素ガスからエチレン
ガスへ徐々に流量を増加さながら切り替え、最終的に1
1.47mol/Hrの供給速度にて供給した。反応が
開始されるに伴い触媒層温度は次第に上昇し、触媒層中
間域で触媒層最高到達温度の232℃に達した。この温
度で未反応ベンゼンを主成分とする芳香族化合物の蒸発
が生じるため、これ以上の温度上昇は抑制され触媒層出
口においてもこの温度が維持された。
【0063】反応器出口に設けた気液分離器内の温度
は、熱媒循環により保温されており230℃となった。
蒸発が起こり始めると、気液分離器からの蒸気成分と液
留分それぞれの流出量、また、ベンゼン原料の供給量の
変動は次第に収束しはじめ、数時間後に反応系全体は安
定した。安定時のベンゼン供給量は1495g/Hr、
未反応ベンゼンを主成分とする芳香族化合物の循環流量
は984g/Hr、生成液回収流量は1816g/Hr
となった。ベンゼン/エチレン供給モル比は1.67で
あり、エチル化ベンゼン生成液中のベンゼン環/エチル
基モル比も1.67であった。安定時の触媒層最高到達
温度は232℃、反応器出口の気液分離器内温度は23
0℃、反応圧力は14kg/cm2Gであった。エチル
化反応は3000時間継続して行った。結果を表4に示
す。
【0064】
【表4】 本実施例3では、定常時の供給ベンゼン/エチレンモル
比が1.67となり、循環する芳香族化合物を併せても
ベンゼン環/エチレンモル比は2.69となり、触媒層
入口に於いて一部のエチレンは気相状態で存在してい
る。3000時間に亘って、ベンゼン環/エチル基モル
比1.67の生成液を得、エチレンの転化率は99%以
上を維持し、生成液のエチル化選択率は99.6%と高
い値を維持することができた。尚、この実施例での触媒
重量基準のエチルベンゼン換算生成速度は3.0g−エ
チルベンゼン/g−ゼオライトベータ触媒/時に相当す
る。
【0065】
【実施例4】実施例3で得られた生成液を蒸留分離して
ポリエチルベンゼンを回収し、このポリエチルベンゼン
をトランスアルキル化反応によりエチルベンゼンに転換
させエチルベンゼン製品を得る実験を行った。実施例3
で得られた、ベンゼン環/エチル基モル比が1.67で
ある生成液をベンゼン塔、エチルベンゼン塔、ポリエチ
ルベンゼン塔それぞれ30段、60段、30段のオルダ
ーショウ型蒸留装置を用いて、環流比をそれぞれ0.
6、1.0、0.1に設定して蒸留操作し、ベンゼン留
分、エチルベンゼン留分、ポリエチルベンゼン留分に分
離精製した。
【0066】トランスアルキル化反応は、最下部より1
000mmの場所に液オーバーフロー用ノズルが取り付
けられている、内径42.8mm、長さ1500mmの
ハステロイ製熱媒ジャケット式反応器を用いて行った。
オーバーフロー用ノズルからの生成液は全量抜き出し、
ベンゼン塔に供給した。触媒は塩化アルミニウムを用
い、トランスアルキル化反応器出口からの生成物中の塩
化アルミニウム濃度が0.14重量%となるように、ま
た、助触媒として、塩酸を供給ベンゼン中にガスで吹き
込み、塩化アルミニウムと等モル量を供給した。反応温
度は熱媒を循環させることにより110℃に設定した。
【0067】触媒を含むトランスアルキル化反応器出口
からの生成物は、全量を水および苛性ソーダにて洗浄、
中和処理した。処理液中の塩素濃度はイオンクロマトグ
ラフィーにて5ppm以下であることを確認した。トラ
ンスアルキル化反応器へのベンゼンおよびポリエチルベ
ンゼン供給量はそれぞれ301g/H、279g/Hで
あり、塩化アルミニウム供給量および塩酸供給量はそれ
ぞれ0.78g/Hr、0.21g/Hrであった。反
応結果は、ポリエチルベンゼン転化率が62.8%、エ
チルベンゼン選択率が99.5%であり、トランスアル
キル化反応器出口混合物の組成として、ベンゼン34.
1重量%、エチルベンゼン48.0重量%、ポリエチル
ベンゼン17.9重量%であった。
【0068】
【実施例5】原料エチレンとして、ナフサ分解炉で得ら
れた粗エチレン原料ガスを用いてエチル化反応を実施し
た。粗エチレン原料ガスの組成は、水素15.94%、
メタン35.32%、エチレン44.19%、エタン
4.44%、プロピレン0.04%、一酸化炭素0.0
7%であった。ゼオライトベータ成型触媒とその充填
量、及び、反応装置は実施例3に記載したのと同様に行
った。反応器最上部の予熱層入口よりベンゼンを251
0g/Hrの供給速度にて、窒素ガスを同じ導入口より
マスフローコントローラーを使って10mol/Hrの
供給速度にてそれぞれ供給した。反応器内圧力は、水
素、メタン、エタン、微量の一酸化炭素の不活性ガスが
存在するため31.7kg/cm2Gで行った。この反
応器内圧力は、ベンゼンを主成分とする芳香族化合物の
分圧として換算すると実施例3と同じ14kg/cm2
Gとなる。
【0069】予熱層熱媒ジャケットに140℃の熱媒を
循環し、触媒層入口温度を133℃とした。その後、ガ
ス供給を窒素ガスから粗エチレンガスへ流量を徐々に増
加させながら切り替えていき、切り替え完了時点では2
3.35mol/Hrの供給速度にて供給した。この供
給速度は、純エチレンガスの流量として10.32mo
l/Hrに相当する。反応が開始されるに伴い触媒層温
度は次第に上昇し、触媒層中間域での触媒層最高到達温
度は230℃に達した。この温度で未反応ベンゼンを主
成分とする芳香族化合物の蒸発が生じ、これ以上の温度
上昇は蒸発潜熱により抑制され触媒層出口においても2
30℃が維持された。反応器出口に設けた気液分離器内
の温度は、熱媒循環により保温されており225℃とな
った。反応器内で蒸発が起こり始めると、気液分離器か
らの蒸発成分と液留分それぞれの流出量、ベンゼン原料
の供給量の変動は次第に収束しはじめ、数時間後には反
応系全体は定常化した。
【0070】定常時のベンゼン供給量は1588g/H
r、リサイクル流量は923g/Hr、生成液回収流量
は1877g/Hrとなった。ベンゼン/エチレン供給
モル比は1.97であり、生成液中のベンゼン環/エチ
ル基モル比も1.97であった。定常時の触媒層最高温
度は232℃、反応器出口気液分離器内温度は225
℃、反応圧力は31.7kg/cm2Gであった。エチ
ル化反応の運転時間は500時間継続して行った。その
結果を表5に示す。500時間に亘って、エチレンはほ
ぼ完全に転化し、生成液としてベンゼン環/エチル基は
1.97、核エチル化選択率は99.5%を維持でき
た。核エチル化選択率が実施例3に比べてやや低下する
のは、原料ガス中に含まれるプロピレからキュメンが生
成するためである。尚、触媒重量基準のエチルベンゼン
換算生成速度は2.74g−エチルベンゼン/g−触媒
/時に相当する。
【0071】
【表5】 実施例5より本発明による方法は、従来の方法のように
エチレン完全溶解条件にこだわらないため、低純度エチ
レン原料での実施も実用的な低圧力下で実施できること
が判る。
【0072】
【比較例1】本発明によるゼオライトベータ触媒に対し
て、Y型ゼオライト触媒の反応成績を比較するために行
った実験結果を示す。エチル化反応は気液混相下降並流
方式で行った。内径22.1mm長さ800mmで上部
に予熱層として300mmに熱媒ジャケットを、反応器
出口に圧力制御弁を備えたステンレス製反応管に実施例
1と同様にして得られた水素イオン型ゼオライトベータ
触媒成型体の30gを充填した。触媒充填位置は反応管
上部より300mmから520mmの位置であり、触媒
層上下には3mmφのステンレス製ディクソンパッキン
グを充填した。反応器上部の予熱層入口よりベンゼンを
330g/Hrの供給速度にて供給し、反応器出口に設
けた圧力制御弁により反応器内を14kg/cm2Gと
し、系内を完全に液封状態とした。予熱層熱媒ジャケッ
トに140℃の熱媒を循環し、触媒層入口温度を135
℃とした。
【0073】その後、エチレンを1.45mol/Hr
の供給速度にてベンゼンと同様に反応器上部より供給し
反応を開始した。触媒層最高到達温度は触媒層中間域で
234℃に達したが、本反応条件下では一部蒸発が生じ
る為、それ以上の温度上昇は抑制され触媒層下層もその
温度を維持した。反応器出口に冷却器を設け全て液とし
て生成物を回収して、ガスクロマトグラフにより分析し
た。次に、触媒として水素イオン型Y型ゼオライト(リ
ンデゼオライト製LZY−82)(1/16インチ押出
成型体)を用いて上記と同様の実験を行った。触媒充填
量は36.3g、触媒層位置は下部より300〜520
mmであった。触媒層入口温度を135℃として反応を
開始した。ベータ型、Y型それぞれの触媒での反応成績
結果を表6に示す。
【0074】
【表6】
【0075】本比較例1の条件はベンゼン/エチレン供
給モル比が2.9であり、触媒層入口ではエチレンがベ
ンゼンに完全には溶解せず、エチレンの一部は気相状態
で存在する。ゼオライトベータを触媒として用いた場
合、エチレン転化率は99.7%とほぼ完全に転化さ
れ、核エチル化生成物の選択率は99.6%と極めて高
かった。また、30時間の連続運転時間の間この触媒性
能を維持した。一方、Y型ゼオライトを触媒として用い
た場合、核エチル化生成物の選択率は94.3%と低く
なり、エチレン転化率は反応開始で63%に過ぎず5時
間後には53%にまで低下した。上記比較例1から、低
いベンゼン/エチレンモル比で且つ低圧力の実質的にエ
チレンが気相として存在する厳しい条件では、アルキル
化ゼオライト触媒として代表的なY型ゼオライトを用い
ることはできないことが判る。
【0076】
【比較例2】本比較例は、触媒層温度の制御方法による
反応成績の比較を行うために実施した実験結果を示すも
のである。比較例1に用いたものと同じ反応装置に、実
施例1と同様にして得られた水素イオン型ゼオライトベ
ータ触媒成型体を30g充填した。触媒充填位置は下部
より300mmから520mmの位置であり、触媒層上
下には3mmφのステンレス製ディクソンパッキングを
充填した。反応器上部の予熱層入口よりベンゼンを33
0g/Hrの供給速度にて供給した。反応器出口圧力制
御弁により反応器内を14kg/cm2Gとし系内を完
全に液封状態とした。予熱層熱媒ジャケットに220℃
の熱媒を循環し、触媒層入口温度を195℃とした。そ
の後、エチレンを1.45mol/Hrの供給速度にて
ベンゼンと同様に反応器上部より供給し反応を開始し
た。触媒層最高到達温度は触媒層中間域で232℃に達
し、それ以上の温度上昇は抑制され触媒層下層もその温
度を維持した。比較例1と同様に反応器出口には冷却器
を設け、全て液として回収し、ガスクロマトグラフによ
り分析した。反応評価結果を表7に示す。
【0077】
【表7】 比較例1で示した様に、触媒層入り口温度を135℃と
する場合には、エチレン転化率は99.9%とほぼ完全
に転化され、核エチル化生成物の選択率は99.7%と
極めて高く、30時間の運転時間の間その触媒性能を維
持した。これに対して、本比較例2の様に、触媒層入口
温度が195℃と高くしかも触媒層最高到達温度232
℃との温度差が小さい場合には、エチレン転化率が90
%、核エチル化選択率が99%といずれも低く、しか
も、触媒活性劣化が著しいことが判る。
【0078】
【比較例3】本発明による下降並流反応方式と比較する
ため、従来技術の対向流反応蒸留方式の実験結果を示
す。反応蒸留方式反応器は、内径22.1mm長さ18
00mmのステンレス製反応器であって、反応器上部は
蒸留塔となっており、蒸気回収ノズルから凝縮器を介し
て還流アキュムレーターを備え、新たに供給されるベン
ゼンは、窒素加圧されたタンクからロータメーターを通
って還流アキュムレーターへと供給することができる。
【0079】凝縮器で凝縮されない未反応エチレンや不
活性ガスなどのガス成分は圧力制御弁を介して反応器外
へ排出され、これによって反応器内圧力を保つ。実施例
1と同じ触媒130gを中間部にデミスターワイヤー中
に固定した状態で充填し、上下部には汎用の蒸留充填物
を充填した。エチレンはマスフローコントローラーによ
って触媒層の下部から供給する。反応器底部からの生成
液の抜き出しは、底部の液レベルが一定になるように行
う。ベンゼン原料は予め130℃に予熱され、1240
g/Hrの供給速度にて反応器へ供給した。エチレン原
料を微量供給すると反応が開始され温度が上昇し始め
た。未反応エチレンを上部凝縮器より排出し、系内圧力
を14Kg/cm2Gに保った。徐々にエチレン供給量
を増加し、5.5mol/Hrに設定した。定常運転に
達した時点での反応圧力は14Kg/cm2G、反応器
塔頂温度は202℃、触媒層下部温度は216℃であっ
た。以下表8に反応成績を示す。
【0080】
【表8】
【0081】この比較例3のような反応蒸留方式では、
エチレンの完全転化が困難であることが判り、実施例1
と比較すれば、エチレン転化率の差が明らかである。一
方、ポリエチルベンゼンの生成量をエチルベンゼン/
(エチルベンゼン+ポリエチルベンゼン)重量比(EB
/(EB+PEB))で比較した結果、本比較例3のよ
うな反応蒸留方式では、エチレンがエチルベンゼン濃度
の高い箇所へ供給されることになり、ポリエチルベンゼ
ンの生成量が増加し好ましくないことも明らかである。
それら条件の違いを以下の表9により示す。
【0082】
【表9】
【0083】
【比較例4】下降並流反応方式と上昇並流反応方式の実
験結果を示す。内径22.1mm長さ800mmで上部
に予熱層として300mmに熱媒ジャケットを、反応器
出口に圧力制御弁を備えたステンレス製反応管に実施例
1と同様にして得られた水素イオン型ゼオライトベータ
触媒成型体の30gを充填した。触媒充填位置は反応管
上部より300mmから520mmの位置であり、触媒
層上下には3mmφのステンレス製ディクソンパッキン
グを充填した。反応器上部の予熱層入口よりベンゼンを
660g/Hrの供給速度にて供給し、反応器出口に設
けた圧力制御弁により反応器内を14kg/cm2Gと
し、系内を完全に液封状態とした。
【0084】予熱層熱媒ジャケットに148℃の熱媒を
循環し、触媒層入口温度を134℃とした。その後、エ
チレンを2.9mol/Hrの供給速度にてベンゼンと
同様に反応器上部より供給し反応を開始した。触媒層最
高到達温度は触媒層中間域で234℃に達したが、それ
以上の温度上昇は抑制され触媒層下層もその温度を維持
した。反応器出口に冷却器を設け、全て液として回収
し、ガスクロマトグラフにより分析した。一方、同様に
触媒を充填した反応器を上下逆転させて評価設備に取り
付けた。すなわち、予熱層は触媒層下部に位置し、ベン
ゼン、エチレンを触媒層下部より供給する上昇流反応で
行った。二反応方式それぞれの初期反応成績と触媒層入
口から内部に6cm離れた触媒位置での12時間反応後
の温度測定結果を表10に示す。
【0085】
【表10】
【0086】この温度測定値は、反応が発熱反応である
ため触媒劣化が進むと発熱量が小さくなることに起因し
て温度が下がるため、触媒活性劣化の指標にできる。二
方式の比較より、WHSVが22と高い条件でも、下降
並流方式はエチレンの完全転化が達成されているのに対
し、上昇並流方式では未反応エチレンが生じており完全
転化が達成できない。また、触媒層入口から内部に6c
m離れた触媒位置での温度測定結果から、下降並流方式
は12時間運転で4℃の温度低下に対し、上昇並流方式
は12時間運転で12℃もの温度低下となり、触媒活性
劣化がより速く進行していることが判る。
【0087】
【発明の効果】エチルベンゼンを製造する方法に於い
て、ゼオライトベータを含む固体触媒を充填した固定床
反応器の上部からベンゼン原料とエチレン原料を供給
し、エチレン原料の少なくとも一部のエチレンが気相状
態で存在する低ベンゼン/エチレンモル比の条件で触媒
固定床に導入し、触媒層上部を最も低い温度に設定し下
部の領域においては未反応ベンゼンを主成分とする芳香
族化合物が蒸発をおこすことにより、最も高い温度で維
持されるように触媒固定床の温度分布を形成して、反応
器下部から未反応ベンゼンを主成分とする芳香族化合物
を気相状態で回収し、生成物であるエチル化ベンゼンを
含む芳香族化合物を液相状態で回収する。
【0088】この製造方法により、低圧力条件、低ベン
ゼン/エチレンモル比条件で、シンプルな反応装置を用
いたエチルベンゼン製造が実現できる。加えて、極めて
高い収率でしかも高選択的にエチルベンゼンの製造が実
現できる。さらに、触媒の活性低下を抑制でき、また、
気相エチレンによるチャンネリング現象を防いで触媒の
摩耗や粉化を抑制して長期間の安定な運転も実現でき
る。これらの実現は、エチルベンゼンの製造を工業的に
実施する上で極めて有用となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を工業的に実施する場合の1例として、
トランスアルキル化反応を塩化アルミニウム触媒を用い
て実施する場合のアルキル化反応、トランスアルキル化
反応、蒸留精製の概略フローを示したものである。
【符号の説明】
1 (ベンゼン原料供給)管 2 (エチレン原料供給)管 3 (反応生成物回収)管 4 (ベンゼン等蒸気留分運搬)管 5 (ベンゼン留分供給)管 6、7 (水分除去後のベンゼン排出・供給)管 8 (ポリエチルベンゼン留分回収)管 9 (トランスアルキル化生成物回収)管 10 (触媒成分除去後のトランスアルキル化生成物供
給)管 11 (アルキル化生成物供給)管 12 (ポリエチルベンゼン供給)管 13 (高沸点物質排出)管 14 ベンゼン水分除去塔 15 アルキル化反応器 16 トランスアルキル化反応器 17 沈降・洗浄槽 18 ベンゼン塔 19 エチルベンゼン塔 20 ポリエチルベンゼン塔 21 (エチルベンゼン留分回収)管 22 (触媒供給)管 23、25 熱回収設備 24 (反応生成物供給)管 26 (ベンゼン供給)管

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンゼン原料とエチレン原料を用いてエ
    チルベンゼンを製造する方法に於いて、 a)ゼオライトベータを含む固体触媒を充填した固定床
    反応器を用い、 b)ベンゼン原料とエチレン原料を固定床反応器の上部
    から供給し、 c)その際に、エチレン原料の少なくとも一部のエチレ
    ンが気相状態で存在できる条件で触媒固定床に導入し、 d)ベンゼン原料とエチレン原料を導入する触媒層上部
    を最も低い温度に設定し、下部に向かうに従って反応熱
    により連続的に温度を上昇させ、さらに下部の領域にお
    いては未反応ベンゼンを主成分とする芳香族化合物が蒸
    発を起こすことにより、最も高い温度で維持されるよう
    に触媒固定床の温度分布を形成し、 e)固定床反応器下部から未反応ベンゼンを主成分とす
    る芳香族化合物を気相状態で回収し、同時に生成物であ
    るエチルベンゼンを含む芳香族化合物を液相状態で回収
    することを特徴とする、エチルベンゼンの製造方法。
  2. 【請求項2】 ベンゼン原料とエチレン原料を用いてエ
    チルベンゼンを製造する請求項1記載の方法に於いて、 更に、 f)エチルベンゼンを含む芳香族化合物を、ベンゼン、
    エチルベンゼン、及びポリエチルベンゼンからなる各留
    分に分離精製し、 g)ベンゼンとポリエチルベンゼンをフリーデル・クラ
    フツ型触媒またはゼオライト触媒の存在下で接触させて
    トランスアルキル化反応を行い、 h)トランスアルキル化反応の生成物からエチルベンゼ
    ンを回収する工程に付することを特徴とするエチルベン
    ゼンの製造方法。
  3. 【請求項3】 固定床反応器下部から回収される気相状
    態の未反応ベンゼンを主成分とする芳香族化合物を凝縮
    して熱回収した後、ベンゼン原料に加えて循環使用する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のエチル化ベン
    ゼンの製造方法。
  4. 【請求項4】 固定床反応器上部から供給されるベンゼ
    ン/エチレンのモル比が1〜6の範囲であることを特徴
    とする、請求項1〜3のいずれかに記載のエチルベンゼ
    ンの製造方法。
  5. 【請求項5】 得られる生成物のベンゼン環/エチル基
    のモル比が1〜3の範囲であることを特徴とする、請求
    項1〜4のいずれかに記載のエチルベンゼンの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 ゼオライトベータが、水素イオン及び/
    又はアルミニウムイオン及び/又は希土類イオンを主成
    分とするカチオンを有し、かつ5〜100の範囲内から
    選ばれるシリカ/アルミナのモル比を有することを特徴
    とする、請求項1〜5のいずれかに記載のエチルベンゼ
    ンの製造方法。
  7. 【請求項7】 ゼオライトベータを含む固体触媒がゼオ
    ライトベータと無機酸化物結合剤とからなる成型体であ
    ることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の
    エチルベンゼンの製造方法。
  8. 【請求項8】 ベンゼン原料に含まれる水分が200重
    量ppm以下であることを特徴とする、請求項1〜7の
    いずれかに記載のエチルベンゼンの製造方法。
  9. 【請求項9】 エチレン原料がエチレンを10〜100
    容量%の範囲で含むことを特徴とする、請求項1〜8の
    いずれかに記載のエチルベンゼンの製造方法。
  10. 【請求項10】 触媒固定床の最も低い温度が少なくと
    も下記最も高い温度よりも50℃以上低く、最も高い温
    度が170〜250℃の範囲内にあり、かつ、最も低い
    温度と最も高い温度との温度差が50〜200℃の範囲
    内にあることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに
    記載のエチルベンゼンの製造方法。
  11. 【請求項11】 蒸発するベンゼンを主成分とする芳香
    族化合物の分圧が5〜20kg/cm2 Gの範囲内にあ
    ることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載
    のエチルベンゼンの製造方法。
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