JP4984023B2 - 新規ジアミン化合物およびその製造法 - Google Patents

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Description

本発明はジアミン化合物、ジニトロ化合物およびヒドロキシ化合物の製造方法に関する。
従来、正の誘電異方性を有するネマチック型液晶を、液晶配向膜を有する透明電極付き基板でサンドイッチ構造にし、必要に応じて液晶分子の長軸が基板間で0〜360度連続的に捻れるようにしてなる、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、IPS(In Plane Switching)型などの液晶セルを有する液晶表示素子が知られている(特許文献1および2参照)。
このような液晶セルにおいては、液晶を基板面に対し所定の方向に配向させるため、基板表面に液晶配向膜を設ける必要がある。この液晶配向膜は、通常、基板表面に形成された有機膜表面をレーヨンなどの布材で一方向にこする方法(ラビング法)により形成されている。かかる有機膜としては、耐熱性および電気特性の点から、ジアミン化合物と二酸無水物を重縮合反応してなるポリイミド樹脂からなる膜が広く用いられる。
ところで、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型などの液晶セルにおいては、液晶配向膜は、液晶分子を基板面に対して所定の角度、通常3〜10°、で傾斜配向させる、プレチルト角特性を有する必要がある。なお、本発明における「プレチルト角」とは、基板面と平行な方向からの液晶分子の傾きの角度を表す。
また、上記とは別の液晶表示素子の動作モードとして、負の誘電異方性を有する液晶分子を基板に垂直、すなわち、プレチルト角 約90°、に配向させる垂直(ホメオトロピック)配向モードも知られている。この動作モードでは、基板間に電圧を印加すると、液晶分子は、基板法線方向から基板面内の一方向に向かって傾く。
上記の各種モードで要求される高いプレチルト角を発現させるには、液晶配向膜として、オクタデシル基のような嵩高い置換基を有するポリイミド樹脂を用いればよいことが知られている。かかる置換基の中でも、嵩高く、且つ剛直なステロイド骨格は、高いプレチルト角を発現させるのに、特に有用である。このような嵩高い置換基を有するポリイミド樹脂は、その合成に際して、嵩高い置換基を有するジアミン化合物または二酸無水物を用いることにより、得ることができる。
本発明の目的は、ステロイド骨格を置換基として有するポリイミド樹脂を合成するのに用いることができるジアミン化合物、ジニトロ化合物およびヒドロキシ化合物と、その製造法を提供することにある。
特開昭56−91277号公報 特開平1−120528号公報 特許第2893671号 特開2004−331937号公報
本発明の目的は、液晶配向膜として有用なポリイミド樹脂の合成に用いられるジアミン化合物およびその前駆体であるジニトロ化合物およびヒドロキシ化合物並びにそれらの製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、下記式(I)で表されるジアミン化合物(以下、「化合物(I)」という場合がある。)により達成される。
Figure 0004984023
ここで、Rは下記式(Ory−1)から(Ory−7)のそれぞれで表わされる構造から選ばれる少なくとも1つの有機基である。
Figure 0004984023
は単結合あるいは二重結合でありそしてRは単結合であるか、あるいは−C(=O)−、−O−R −または−C(=O)−R −(ここで、R は炭素数2〜10の直鎖の炭化水素基または脂環式炭化水素基であり、R
Figure 0004984023
の側である。)で表される2価の有機基である。
本発明の上記目的および利点は、第2に、下記式(II)
Figure 0004984023
ここでRおよびRの定義は上記式(I)と同じである、
で表される化合物(以下、「化合物(II)」という場合がある。)によって達成される。
本発明の上記目的および利点は、第3に、
下記式(III)で表されるヒドロキシ化合物によって達成される。
Figure 0004984023
ここで、RおよびRの定義は上記式(I−1)〜(I−4)と同じである。
本発明の上記目的および利点は、第4に、
上記式(II)で表わされるジニトロ化合物を、(i)亜鉛粉末と塩化アンモニウム、(ii)ヒドラジン一水和物とラネーニッケルまたは(iii)塩化スズ二水和物で還元して上記式(I)においてRが二重結合であるジアミン化合物を生成せしめるかあるいは(iv)パラジウム炭素の存在下接触水添せしめて上記式(I)においてRが単結合であるジアミン化合物を生成せしめる、ことを特徴とするジアミン化合物の製造法によって達成される。
本発明の上記目的および利点は、第5に、
上記式(III)で表される化合物(以下、「化合物(III)」という場合がある。)あるいは下記式(IV)で表される化合物(以下、「化合物(IV)」という場合がある。)
Figure 0004984023
ここで、Rの定義は上記式(I)に同じである、
に、3,5−ジニトロベンゾイルハライドあるいは2,4−ジアミノハロベンゼンを反応せしめることを特徴とする上記式(II)で表わされる化合物の製造方法により達成される。
本発明の上記目的および利点は、第6に、化合物(IV)を下記式(V)で表される化合物(以下、「化合物(V)」という場合がある。)
Figure 0004984023
ここで、Rの定義は上記式(I−3)、(I−4)に同じであり、Xはハロゲン原子である、
とを反応せしめることを特徴とする上記式(III)で表わされる化合物の製造方法により達成される。
本発明の上記目的および利点は、第7に、
上記式(IV)で表わされる化合物と下記式(VI)で表される化合物(以下、「化合物(VI)」という場合がある。)
Figure 0004984023
ここで、Rの定義は上記式(II)に同じであり、Xはハロゲン原子である、
を反応せしめることを特徴とする上記式(II)で表わされる化合物の製造方法によって達成される。
本発明の製造法によれば、新規なジアミン化合物を有利に製造することができる。
以上のように本発明によれば、化合物(IV)より上記式(I)で表されるジアミン化合物を製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の新規なジアミン化合物である化合物(I)は、上記式(I)で表される。上記式(I)中、Rは上記式(Ory−1)から(Ory−7)のそれぞれで表わされる構造から選ばれる少なくとも1つの有機基であり、Rは単結合あるいは二重結合であり、Rは単結合であるか、あるいは−C(=O)−、−O−R −または−C(=O)−R −(ここで、R は炭素数2〜10の直鎖の炭化水素基または脂環式炭化水素基であり、R
Figure 0004984023
の側である。)で表される2価の有機基である。化合物(I)の好ましい具体例としては、下記式(I−1)〜(I−4)で表される化合物が挙げられる。ここで、Rは、炭素数2〜10の直鎖の炭化水素基または脂環式炭化水素基である。
Figure 0004984023
化合物(I)が(I−1)あるいは(I−2)で表わされる化合物である場合、下記反応式(1)、(2)に示されているように、化合物(IV)と、2,4−ジアミノハロベンゼンあるいは3,5−ジニトロベンゾイルハライドなどのジニトロ化合物とを反応せしめ、次いで得られた生成物(II)を還元することにより、高純度で得ることができる。また、化合物(I)が(I−3)あるいは(I−4)で表わされる化合物である場合は、下記反応式(3)に示されているように、化合物(IV)と、化合物(V)とを反応せしめて、化合物(III)を得た後に、上記(I−1)あるいは(I−2)で表される化合物を生成する場合と同様の処方を行うことにより、高純度で得ることができる。
さらに化合物(I)が(I−3)あるいは(I−4)で表わされる化合物である場合は、下記反応式(4)に示されているように、化合物(V)とジニトロ化合物とを反応させて化合物(VI)を生成し、それと化合物(IV)とを反応せしめ、次いで得られた生成物を上記(I−1)あるいは(I−2)で表される化合物を生成する場合と同様の処方を行うことにより、高純度で得ることができる。
Figure 0004984023
上記反応式(1)および(3)中、化合物(IV)としては、RがOry−1〜Ory−7で表される構造を有する化合物のそれぞれ、またはそれらの2種以上の混合物を用いることができるが、好ましくは上記の化合物全ての混合物である天然のγ−オリザノールを用いることが望ましい。
上記反応式(3)および上記反応式(4)中、化合物(V)(Xはハロゲン原子である)としては具体的には、2−フルオロエタノール、2−クロロエタノール、2−ブロモエタノール、2−ヨードエタノール、3−フルオロプロパノール、3−クロロプロパノール、3−ブロモプロパノール、3−ヨードプロパノール、4−フルオロブタノール、4−クロロブタノール、4−ブロモブタノール、4−ヨードブタノール、5−フルオロペンタノール、5−クロロペンタノール、5−ブロモペンタノール、5−ヨードペンタノール、6−フルオロヘキサノール、6−クロロヘキサノール、6−ブロモヘキサノール、6−ヨードヘキサノール、7−フルオロヘプタノール、7−クロロヘプタノール、7−ブロモヘプタノール、7−ヨードヘプタノール、8−フルオロオクタノール、8−クロロオクタノール、8−ブロモオクタノール、8−ヨードオクタノール、9−フルオロノナノール、9−クロロノナノール、9−ブロモノナノール、9−ヨードノナノール、10−フルオロデカノール、10−クロロデカノール、10−ブロモデカノール、10−ヨードデカノール、2−(フルオロメチル)シクロヘキサノール、3−(フルオロメチル)シクロヘキサノール、4−(フルオロメチル)シクロヘキサノール、2−(クロロメチル)シクロヘキサノール、3−(クロロメチル)シクロヘキサノール、4−(クロロメチル)シクロヘキサノール、2−(ブロモメチル)シクロヘキサノール、3−(ブロモメチル)シクロヘキサノール、4−(ブロモメチル)シクロヘキサノール、2−(ヨードメチル)シクロヘキサノール、3−(ヨードメチル)シクロヘキサノール、4−(ヨードメチル)シクロヘキサノール、1−(フルオロメチル)−2−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1−(フルオロメチル)−3−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1−(フルオロメチル)−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1−(クロロメチル)−2−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1−(クロロメチル)−3−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1−(クロロメチル)−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1−(ブロモメチル)−2−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1−(ブロモメチル)−3−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1−(ブロモメチル)−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1−(ヒドロキシメチル)−2−(ヨードメチル)シクロヘキサン、1−(ヒドロキシメチル)−3−(ヨードメチル)シクロヘキサン、1−(ヒドロキシメチル)−4−(ヨードメチル)シクロヘキサンが挙げられる。これらの中では、2−ブロモエタノール、2−ヨードエタノール、3−ブロモプロパノール、3−ヨードプロパノール、4−ブロモブタノール、4−ヨードブタノール、5−ブロモペンタノール、5−ヨードペンタノール、6−ブロモヘキサノール、6−ヨードヘキサノール、7−ブロモヘプタノール、7−ヨードヘプタノール、8−ブロモオクタノール、8−ヨードオクタノール、9−ブロモノナノール、9−ヨードノナノール、10−ブロモデカノール、10−ヨードデカノール、4−(ブロモメチル)シクロヘキサノール、4−(ヨードメチル)シクロヘキサノール、1−(ブロモメチル)−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1−(ヒドロキシメチル)−4−(ヨードメチル)シクロヘキサンが好ましく、より好ましくは、6−ブロモヘキサノール、1−(ブロモメチル)−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンである。
上記反応式(3)あるいは(4)中の置換反応において、化合物(V)の使用量は、用いる化合物(IV)あるいはジニトロ化合物に対して、好ましくは80〜300%モル、より好ましくは100〜150%モルである。
この置換反応は適宜の溶剤中において行うことができる。
溶剤として、例えばヘキサン、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。
この反応は、好ましくは0〜120℃、より好ましくは40〜80℃、反応時間は3時間〜2日間である。
上記反応式(1)あるいは(4)におけるジニトロ化合物としては、具体的には2,4−ジニトロハロベンゼンまたは3,5−ジニトロベンゾイルハライドが挙げられ、より具体的には2,4−ジニトロフルオロベンゼン、2,4−ジニトロクロロベンゼン、2,4−ジニトロブロモベンゼン、2,4−ジニトロヨードベンゼン、3,5−ジニトロベンゾイルフルオリド、3,5−ジニトロベンゾイルクロリド、3,5−ジニトロベンゾイルブロミド、3,5−ジニトロベンゾイルヨージドが挙げられる。これらの中では2,4−ジニトロフルオロベンゼン、2,4−ジニトロクロロベンゼン、3,5−ジニトロベンゾイルクロリド、3,5−ジニトロベンゾイルブロミドが好ましい。
上記反応式(1)、あるいは(4)におけるジニトロ化合物の使用量並びに、上記反応式(5)における化合物(VI)の使用量は、用いる化合物(IV)あるいは化合物(V)あるいは化合物(IV)に対して、好ましくは80〜130%モル、より好ましくは100〜110%モルである。
この置換反応は適宜の溶剤中において行うことができる。
溶剤として、例えばヘキサン、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。
この反応は、好ましくは−15〜150℃、より好ましくは0〜40℃の温度で行われる。反応時間は好ましくは1時間〜5日間である。
上記反応式(2)の、還元反応は化合物(II)より目的物である化合物(I)を得る反応であり、かかる反応としては、例えばヒドラジン一水和物と触媒を用いる反応、水素ガスと触媒を用いる反応、亜鉛粉末と塩化アンモニウムを用いる反応、塩化鉄(III)とヒドラジン一水和物を用いる反応、塩化スズ二水和物を用いる反応などが挙げられる。
上記反応式(2)の、化合物(I)においてRが単結合であるものを得る反応の中では、ヒドラジン一水和物と触媒を用いる反応、水素ガスと触媒を用いる反応が高純度で目的物が得られるために好ましい。用いることのできる触媒は、パラジウム炭素、塩化鉄(III)、白金などが挙げられる。その使用量は化合物(II)の好ましくは1〜70重量%である。
上記反応式(2)の、化合物(I)において、Rが二重結合であるものを得る反応の中では、塩化アンモニウムと亜鉛粉末を用いる反応、ヒドラジン一水和物とラネーニッケルを用いる反応、あるいは塩化スズ二水和物を用いる反応が高純度で目的物が得られるために好ましい。その触媒の添加量は化合物(II)の好ましくは1〜70重量%である。
またこの反応は溶媒中で行うことができる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどを用いることができる。反応温度は好ましくは−15〜130℃であり、反応時間は好ましくは3時間〜2日間である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
シリカゲル乾燥管を取り付けた容量500mlの三口フラスコに化合物(IV)(式(IV)中、Rが(Ory−1)ないし(Ory−7)のそれぞれで表わされる構造の化合物の混合物)15g、炭酸カリウム8g、テトラブチルアンモニウムブロミド50mg、テトラヒドロフラン250mlを加え攪拌し、氷浴上で冷却した。その後、2,4−ジニトロクロロベンゼン6gを加え、室温で1日間攪拌した。
反応液をろ過し、ろ液に水1Lを加えて攪拌し、析出した固体を吸引ろ過し、塩化カルシウム上で減圧乾燥した。
これをエタノールで再結晶することにより下記式(II−A)で表されるジニトロ化合物(以下、「化合物(II−A)」という場合がある。)16gを純度良く得た(収率83%)。この生成物のH−NMRスペクトル(溶媒:CDCl、90MHz、以下同じ)を図1に示す。
Figure 0004984023
化合物(II−A)7gと塩化アンモニウム2g、99%エタノール120ml、蒸留水12ml、亜鉛粉末12gを加えた後、加熱還流を4時間行った。
反応液を熱いままろ過し、ろ液を放冷し淡黄色結晶を析出させた。これをろ別し減圧乾燥することで、下記式(I−A)で表されるジアミン化合物(以下、「化合物(I−A)という場合がある。)3gを収率良く得た(収率46%)。この生成物のH−NMRスペクトルを図2に示す。
Figure 0004984023
実施例2
化合物(II−A)7gと50%含水した5%パラジウム炭素6g、99%エタノール120mlを300mlフラスコに入れ、加熱しながら、ヒドラジン一水和物5.6gを滴下し、加熱還流を3時間行った。
反応液を熱いままろ過し、ろ液を放冷し淡黄色結晶を析出させた。これをろ別し減圧乾燥することで、下記式(I−B)で表されるジアミン化合物(以下、「化合物(I−B)」という場合がある。)2gを収率良く得た(収率31%)。この生成物のH−NMRスペクトルを図3に示す。
Figure 0004984023
実施例3
滴下漏斗を備えた反応器に、化合物(IV)(式(IV)中、Rが(Ory−1)ないし(Ory−7)のそれぞれで表わされる構造の化合物の混合物)60g、3,5−ジニトロベンゾイルクロリド25gを加え、脱気後窒素置換を3回行った。THF400mlを加え攪拌し氷浴で冷却する。ピリジン16gを滴下ろうとより加え1時間攪拌後室温に戻し、さらに12時間撹拌した。
THFをエバポレーターで留去し、クロロホルム400ml、超純水400mlで分液抽出する。得られた有機相を400mlの飽和食塩水で洗浄した後、エバポレーターで濃縮し粘性のある黄色液体を得た。これをエタノール1Lより再結晶することにより、黄色粉体である下記式(II−B)で表されるジニトロ化合物(以下、「化合物(II−B)」という場合がある。)78gを収率よく得た(収率98%)。この生成物のH−NMRスペクトルを図4に示す。
Figure 0004984023
ジムロートを備えた反応器に、化合物(II−B)4g、塩化スズ二水和物11gを加え、脱気後窒素置換3回行う。エタノール500mlを加え6時間、加熱還流下攪拌する。
室温に戻し、2Mアンモニアエタノール溶液25mlを加え、室温で3時間攪拌する。
エバポレーターでエタノールを留去し、クロロホルム500ml、超純水500mlで分液抽出する。
抽出した有機層をエバポレーターで濃縮してエタノール500mlより再結晶することにより、淡燈色フレーク状の固体として下記式(I−C)で表されるジアミン化合物(以下、「化合物(I−C」という場合がある。)2gを収率よく得た(収率51%)。この生成物のH−NMRスペクトルを図5に示す。
Figure 0004984023
実施例4
シリカゲル乾燥管を付けた容量1Lの三口フラスコに化合物(IV)(式(IV)中、Rが(Ory−1)ないし(Ory−7)のそれぞれで表わされる構造の化合物の混合物)18g、N−メチル−2−ピロリドン200mlを加え、60℃で1時間攪拌した。この溶液に炭酸カリウム5g、ヨウ化カリウム1g、6−ブロモヘキサノール6gを加え、100℃で5時間攪拌した。
反応液をろ過し、ろ液に蒸留水5Lを加えて攪拌し、析出した粉末を吸引ろ過し、塩化カルシウム上で減圧乾燥し、淡黄色固体を得た。この固体をクロロホルムに再溶解させ、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して下記式(III−A)で表されるヒドロキシ化合物(以下、「化合物(III−A)」という場合がある。)14gを収率良く得た(収率68%)。この生成物のH−NMRスペクトルを図6に示す。
Figure 0004984023
容量500mlの三口フラスコに化合物(III−A)10g、乾燥テトラヒドロフラン100ml、3,5−ジニトロベンゾイルクロリド4gを加えた。氷浴上で冷却し、ピリジン2gをゆっくりと滴下した。滴下終了後1時間氷浴上で攪拌し、その後室温で3時間攪拌した。
反応溶液をろ過し、ろ液に蒸留水1Lを加え、Nバブリングによりテトラヒドロフランとピリジンを除去し、析出した固体をろ取した。得られた個体をクロロホルム−エタノール混合溶媒にて再結晶を行い、黄色結晶である下記式(II−C)で表されるジニトロ化合物(以下、「化合物(II−C)」という場合がある。)11gを収率良く得た(収率84%)。この生成物のH−NMRスペクトルを図7に示す。
Figure 0004984023
容量200mlの三口フラスコに、化合物(II−C)8gと塩化アンモニウム2g、99%エタノール120ml、蒸留水12ml、亜鉛粉末12gを加えた後、加熱還流を7時間行った。反応液を熱いままろ過し、ろ液を放冷し淡黄色結晶が析出した。これをろ別し減圧乾燥することで、下記式(I−D)で表されるジアミン化合物(以下、「化合物(I−D)」という場合がある。)4gを収率良く得た(収率54%)。この生成物のH−NMRスペクトルを図8に示す。
Figure 0004984023
実施例1で得られた化合物(II−A)のH−NMRスペクトル図 実施例1で得られた化合物(I−A)のH−NMRスペクトル図 実施例2で得られた化合物(I−B)のH−NMRスペクトル図 実施例3で得られた化合物(II−B)のH−NMRスペクトル図 実施例3で得られた化合物(I−C)のH−NMRスペクトル図 実施例4で得られた化合物(III−A)のH−NMRスペクトル図 実施例4で得られた化合物(II−C)のH−NMRスペクトル図 実施例4で得られた化合物(I−D)のH−NMRスペクトル図

Claims (9)

  1. 下記式(I)で表されるジアミン化合物。
    Figure 0004984023
    ここで、Rは下記式(Ory−1)から(Ory−7)のそれぞれで表わされる構造から選ばれる少なくとも1つの有機基であり、
    Figure 0004984023
    は単結合あるいは二重結合でありそしてRは単結合であるか、あるいは−C(=O)−、−O−R −または−C(=O)−R −(ここで、R は炭素数2〜10の直鎖の炭化水素基または脂環式炭化水素基であり、R
    Figure 0004984023
    の側である。)で表される2価の有機基である。
  2. 下記式(I−1)から(I−4)のそれぞれで表される、請求項1に記載のジアミン化合物。
    Figure 0004984023
    ここで、R およびR の定義は請求項1における式(I)と同じである
  3. 下記式(II)で表されるジニトロ化合物。
    Figure 0004984023
    ここで、RおよびRの定義は請求項1における式(I)と同じである。
  4. 下記式(II−1)から(II−4)のそれぞれで表される、請求項3に記載のジニトロ化合物。
    Figure 0004984023
    ここで、RおよびRの定義は請求項2における式(I−1)〜(I−4)と同じである。
  5. 下記式(III)で表されるヒドロキシ化合物。
    Figure 0004984023
    ここで、RおよびRの定義は請求項2における式(I−1)〜(I−4)と同じである。
  6. 請求項3における式(II)で表わされるジニトロ化合物を、(i)亜鉛粉末と塩化アンモニウム、(ii)ヒドロジンとラネーニッケルまたは(iii)塩化スズ二水和物で還元して請求項1における式(I)においてRが二重結合であるジアミン化合物を生成せしめるかあるいは(iv)パラジウム炭素の存在下接触水添せしめて請求項1における式(I)においてRが単結合であるジアミン化合物を生成せしめる、ことを特徴とするジアミン化合物の製造法。
  7. 下記式(IV)で表される化合物あるいは請求項5における式(III)で表される化合物と、3,5−ジニトロベンゾイルハライドあるいは、2,4−ジニトロハロベンゼンを反応せしめることを特徴とする請求項3における式(II)で表される化合物の製造方法。
    Figure 0004984023
    ここでRの定義は請求項1における式(I)に同じである。
  8. 請求項7における式(IV)で表される化合物と下記式(V)で表される化合物を反応せしめることを特徴とする請求項5における式(III)で表される化合物の製造方法。
    Figure 0004984023
    ここで、Rの定義は請求項2における式(I−3)、(I−4)に同じであり、Xはハロゲン原子である。
  9. 請求項7における式(IV)で表される化合物と下記式(VI)で表される化合物を反応せしめることを特徴とする請求項3における式(II)で表わされる化合物の製造方法。
    Figure 0004984023
    ここで、Rの定義は請求項3における式(II)に同じであり、Xはハロゲン原子である。
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