JP3735845B2 - 新規ジアミン化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、耐熱性高分子、例えばポリイミド、ポリアミド、ポリアミノビスマレイミド等の製造原料として使用し得る新規ジアミン化合物およびその製造方法に関する。特には、本発明は、液晶セルの配向膜として用いられるポリイミドの製造原料として好適に用いられる新規ジアミン化合物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミンの重縮合により得られるポリイミドは、耐熱性、物理的特性および耐薬品性に優れ、誘電率も低いポリマーとして知られている。このような性質から、ポリイミドは様々な用途に用いられており、特に電気、電子材料分野においては、保護材料、絶縁材料等として広く用いられている。
【0003】
とくに液晶表示素子の配向膜用途においては、塗膜表面の平坦性と耐久性ゆえにこれまでポリイミドがもっぱら用いられてきた。しかし、液晶表示素子の高密度化、高性能化等が図られる中で、ポリイミドの表面特性が特に重視され、従来のポリイミドにはない新たな特性の付与が必要となってきている。そこで以下この点について本発明の技術背景として詳しく説明する。
【0004】
液晶表示素子は、液晶に対する電圧の印加により液晶の配向の変化を利用した表示素子であり、小型軽量、消費電力が小さい等の特性が注目され、近年各種ディスプレー用の表示素子としてめざましい発展を遂げている。なかでも正の誘導異方性を有するネマチック型液晶を、ポリイミド等からなる液晶配向膜を有する透明電極付き基板でサンドイッチ構造にし、液晶分子の長軸が基板間で90度連続的に捻れるようにしてなるTwisted Nematic(TN)型液晶セルを有する液晶表示素子(以下「TN型表示素子」という。)はその代表的なものである。このTN型表示素子における液晶の配向は、ラビング処理が施された液晶配向膜により形成されている。
【0005】
TN型表示素子は、コントラストおよび視覚依存性に劣るため、最近、コントラスト及び視覚依存性に優れた液晶表示素子であるSTN(Super Twisted Nematic)型表示素子およびSH(Super Homeotropic)型表示素子等が開発されている。STN型表示素子は、液晶としてネマチック型液晶に光学活性物質であるカイラル剤をブレンドしたものを用い、液晶分子の長軸を基板間で180度以上連続的に捻ることにより生じる複屈折効果を利用するものである。また、SH型表示素子は液晶分子長軸方向の誘電異方性が負の液晶を垂直配向させて、電圧印加により液晶分子を倒して単純マトリックス駆動で動作させるものである。
【0006】
これらの液晶表示素子においては、液晶分子の長軸方向を基板表面に均一に平行に配向させること、さらに液晶分子を基板に対して一定の傾斜配向角(以下「プレチルト角」という。)を持って配向させることが重要である。
【0007】
このように液晶分子を配向させる代表的な方法として、基板表面にポリイミド等の有機薄膜をもうけ、その表面を綿、ナイロン、ポリエステル等の布で一定方向にラビングし、ラビング方向に液晶分子を配向させる方法がある。しかし、ポリイミドのラビングにより得られるプレチルト角は通常1〜3度であり、それ以上の高いプレチルト角を得ることは困難である。
【0008】
また、これらの液晶表示素子は、その原理上、膜厚ムラ、ラビングムラ等からプレチルト角のばらつきが生じ、これが表示ムラとなって現れる。従って、ラビングにより、広い範囲でプレチルト角の制御ができ、しかも塗布膜厚のムラあるいはラビングムラによるプレチルト角の変化が小さい工業的に有用な液晶配向剤の開発が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、新規なジアミン化合物を提供することである。
本発明の他の目的は、ポリイミドを各種の液晶表示素子の液晶配向膜の素材に用いたときに、該膜がポリイミドが本来有する優れた耐久性および平坦性に加え、高いプレチルト角を発現し、しかもプレチルト角安定性に優れるようなポリイミドの製造原料となり得る新規なジアミン化合物を提供することである。
本発明のさらなる他の目的は、上記の新規ジアミン化合物の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば
下記式(I)
【0011】
【化3】
【0012】
(式(I)中、R1aおよびR1bは、各々独立に、水素原子またはメチル基であり、R2は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、R3は酸素原子またはステロイド骨格に酸素原子が直接結合している−COO−あるいは−CH2O−で示される二価の基である)
で示される新規ジアミン化合物、および
下記式(IV)
【0013】
【化4】
【0014】
(式(IV)中、R1a、R1b、R2およびR3は前記式(I)の場合と同意である)
で示される芳香族ジニトロ化合物を還元することを特徴とする上記新規ジアミン化合物の製造方法が提供されて、本発明の目的および利点が達成される。
【0015】
以下、本発明を詳述するが、それにより本発明の目的、構成、利点および効果が明らかとなろう。
【0016】
本発明の新規ジアミン化合物の構造を示す前記式(I)において、各符号の定義は下記のとおりである。
(1)R1aおよびR1b:
水素原子またはメチル基である。なおR1aとR1bは同一であっても異っていてもよい。
(2)R2:
水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。上記アルキル基の具体例としてメチル基、エチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,4,5−トリメチルヘキシル基、1,5−ジメチル−4−エチルヘキシル基等を挙げることができる。(3)R3:
酸素原子(−O−)またはステロイド骨格に酸素原子が直接結合している−COO−あるいは−CH2O−で示される二価の基である。
【0017】
本発明のジアミン化合物の具体例として下記式(I−1)〜(I〜12)で示されるものを挙げることができる。
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
なかでも式(I−1)、(I−5)および(I−6)で示されるジアミン化合物が好ましい。
【0022】
次に、本発明のジアミン化合物の製造方法について説明する。
本発明の式(I)で示されるジアミン化合物は、該ジアミン化合物に対応する、前記式(IV)で示される芳香族ジニトロ化合物(以下「芳香族ジニトロ化合物(IV)」という。)を還元することにより得ることができる。
【0023】
上記芳香族ジニトロ化合物(IV)は、下記式(II)
【0024】
【化8】
【0025】
(式(II)中、R1a、R1bおよびR2は式(I)の場合と同意である)
で示される2個の水酸基を有するステロイド骨格を有する化合物(以下、「水酸基含有ステロイド化合物(II)」という。)と下記式(III)
【0026】
【化9】
【0027】
(式(III)中、Yはハロゲン原子、ハロメチル基、カルボキシル基またはハロホルミル基である)
で示される芳香族ニトロ化合物(以下、「芳香族ニトロ化合物(III)」という。)を反応させることにより得られる。
【0028】
以下の説明において、水酸基含有ステロイド化合物(II)と芳香族ニトロ化合物(III)との反応により、芳香族ジニトロ化合物(IV)を生成させる反応工程を第1の工程と称し、芳香ジニトロ化合物(IV)を還元して前記式(I)で示される本発明の新規ジアミン化合物を生成させる反応工程を第2の工程と称する。
【0029】
なお、第1の工程で使用する水酸基含有ステロイド化合物(II)の構造を示す前記式(II)および第1の工程で生成し、第2の工程で使用する芳香族ジニトロ化合物(IV)のR1a、R1b、R2およびR3は、前記式(I)の場合に記載された好ましい態様を含めてそのまま適用される。
【0030】
水酸基含有ステロイド化合物(II)の具体例として下記式(II−1)および(II−2)を挙げることができる。
【0031】
【化10】
【0032】
このような水酸基含有ステロイド化合物(II)は、それ自体公知であり、市販されているかあるいは公知の方法で合成することができる。
【0033】
以下、前記式(I)のR3の種類ごとに本発明のジアミン化合物の製造方法をより具体的に説明する。
(1)R3が−COO−である場合。
第1の工程は、前記式(III)のYがカルボキシル基またはハロホルミル基である芳香族ニトロ化合物(III)と前記水酸基含有ステロイド化合物(II)を溶媒および触媒の存在下にエステル化反応させることにより行われる。
【0034】
ここで芳香族ニトロ化合物(III)としては、例えば2−ニトロ安息香酸、3−ニトロ安息香酸、4−ニトロ安息香酸、2−メチル−3−ニトロ安息香酸、2−メチル−6−ニトロ安息香酸、3−メチル−2−ニトロ安息香酸、3−メチル−4−ニトロ安息香酸、4−メチル−3−ニトロ安息香酸、5−メチル−2−ニトロ安息香酸、2−ニトロ安息香酸クロライド、3−ニトロ安息香酸クロライド、4−ニトロ安息香酸クロライド、2−ニトロ安息香酸ブロマイド、3−ニトロ安息香酸ブロマイド、4−ニトロ安息香酸ブロマイド、2−ニトロ安息香酸ヨーダイド、3−ニトロ安息香酸ヨーダイド、4−ニトロ安息香酸ヨーダイド、2−ニトロ安息香酸フルオライド、3−ニトロ安息香酸フルオライド、4−ニトロ安息香酸フルオライド等を挙げることができる。
【0035】
溶媒としては、水酸基含有ステロイド化合物(II)、芳香族ニトロ化合物(III)およびエステル化反応によって生成した芳香族ジニトロ化合物(IV)を溶解することができ、かつ反応中に溶媒自体が変質しない溶媒を好ましく用いることができる。使用できる溶媒として、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;水等を挙げることができる。
【0036】
触媒としては、通常エステル反応用触媒として用いられる酸触媒あるいは塩基触媒を用いることができ、触媒の種類は、芳香族ニトロ化合物(III)の種類により適宜選択される。ここで、酸触媒として、例えば塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸無水物、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、三ふっ化ほう素ジエチルエーテル錯体、三ふっ化ほう素ジブチルエーテル錯体等が挙げられる。また、塩基触媒として、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、ジメチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、テトラメチル尿素、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
【0037】
触媒は、触媒の種類に従って適切な量使用され、通常、芳香族ニトロ化合物(III)に対して0.001〜5.0倍モル、好ましくは0.1〜2.5倍モルの範囲で用いられる。
【0038】
エステル化反応温度は、通常、−50〜250℃、好ましくは0〜200℃であり、反応時間は、通常、0.1〜20時間、好ましくは0.5〜10時間である。
【0039】
第1の工程で生成した芳香族ジニトロ化合物(IV)を還元する第2の工程では、第1の工程の反応混合物をそのまま第2の工程に供することもできるし、芳香族ジニトロ化合物(IV)を反応混合物から精製分離して、第2の工程に供することもできる。
【0040】
第1の工程の反応混合物から芳香族ジニトロ化合物(IV)を精製分離する方法として、例えば再結晶、昇華等の方法を挙げることができる。ここで再結晶に用いられる溶媒としては、加温時に芳香族ジニトロ化合物(IV)の良溶媒であり、冷却時にその貧溶媒となるもので、かつ再結晶操作で変質しないものが好ましく、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ヘキサノール等のアルコール類が挙げられる。
【0041】
第2の工程で行われる還元は、例えば水素ガス、ヒドラジン、塩酸等を用いて触媒の存在下に行うことができる。そのような触媒は良く知られており、均一系触媒、不均一系触媒のいずれも用いることができる。
【0042】
使用できる触媒として、例えばVIII族の金属すなわち鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金等の金属を活性主体とする金属触媒、具体的には担体に上記金属が担持された触媒、上記金属の錯体触媒を挙げることができる。
【0043】
触媒の使用量は、その種類によって異るが、例えば触媒が上記のVIII族の金属を活性主体とする触媒の場合、芳香族ジニトロ化合物(IV)に対して0.0001〜100重量%、特には0.001〜20重量%の範囲で用いることが好ましい。
【0044】
第2の工程の還元を行う別法として、亜鉛、スズ、炭化スズ(II)、硫化ナトリウム、ナトリウムヒドロスルフィド、亜二チオン酸ナトリウム、硫化アンモニウム等の還元剤を用いる方法も好適である。この場合、還元剤は、芳香族ジニトロ化合物(IV)に対して0.001〜5倍モル、特には0.1〜2.5倍モル使用することが好ましい。
【0045】
還元を行うときの溶媒は、還元反応前の芳香族ジニトロ化合物(IV)と、反応後の生成したジアミン化合物とを共に溶解させることができ、かつ還元反応により変質しないものが好ましく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;塩化メチレン、塩化エチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルカン類が好適に使用できる。
【0046】
還元反応時の温度は、通常、−50〜250℃、好ましくは0〜200℃で行われる。水素を用いる際、その圧力は、ゲージ圧力で、通常0〜300kg/cm2G、好ましくは0〜200kg/cm2Gの範囲で、0.5〜200時間、好ましくは1〜50時間還元が行われる。反応原料として用いる水素は、必ずしも純粋である必要はなく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを含むもの、あるいは、一酸化炭素、メタン、水等の不純物を含むのもでも良好に反応せしめることができる。
【0047】
(2)R3が酸素原子である場合。
第1の工程は、前記式(III)のYがハロゲン原子である芳香族ニトロ化合物(III)と前記水酸基含有ステロイド化合物(II)とを溶媒中、触媒の存在下で脱ハロゲン化水素反応することにより行われる。
【0048】
ハロゲン原子を含む芳香族ニトロ化合物(III)としては、1−クロロ−2−ニトロベンゼン、1−クロロ−3−ニトロベンゼン、1−クロロ−4−ニトロベンゼン、1−ブロモ−2−ニトロベンゼン、1−ブロモ−3−ニトロベンゼン、1−ブロモ−4−ニトロベンゼン、1−ヨード−2−ニトロベンゼン、1−ヨード−3−ニトロベンゼン、1−ヨード−4−ニトロベンゼン、1−フルオロ−2−ニトロベンゼン、1−フルオロ−3−ニトロベンゼン、1−フルオロ−4−ニトロベンゼン、2−クロロ−3−ニトロトルエン、2−クロロ−4−ニトロトルエン、2−クロロ−5−ニトロトルエン、2−クロロ−6−ニトロトルエン、4−クロロ−2−ニトロトルエン、4−クロロ−3−ニトロトルエン、2−ブロモ−3−ニトロトルエン、2−ブロモ−4−ニトロトルエン、2−ブロモ−5−ニトロトルエン、2−ブロモ−6−ニトロトエルン、4−ブロモ−2−ニトロトルエン、4−ブロモ−3−ニトロトルエン、2−フルオロ−3−ニトロトルエン、2−フルオロ−4−ニトロトルエン、2−フルオロ−5−ニトロトルエン、2−フルオロ−6−ニトロトルエン、3−フルオロ−4−ニトロトルエン、4−フルオロ−2−ニトロトルエン、4−フルオロ−3−ニトロトルエン、5−フルオロ−2−ニトロトルエン、3−クロロ−4−ニトロトルエン、5−クロロ−2−ニトロトルエン、3−ブロモ−4−ニトロトルエン、5−ブロモ−2−ニトロトルエン、2−ヨード−3−ニトロトルエン、2−ヨード−4−ニトロトルエン、2−ヨード−5−ニトロトルエン、3−ヨード−4−ニトロトルエン、4−ヨード−2−ニトロトルエン、4−ヨード−3−ニトロトルエン、5−ヨード−2−ニトロトルエン等が挙げられる。
【0049】
前記脱ハロゲン化水素反応に用いることのできる溶媒としては、ハロゲン原子を含む芳香族ニトロ化合物(III)、水酸基含有ステロイド化合物(II)および反応により生成した芳香族ジニトロ化合物(IV)を溶解させることができかつ反応により変質しないものが好ましく用いられる。
【0050】
このような溶媒の具体例として、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、アニソール等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができる。
【0051】
上記脱ハロゲン化水素反応に用いる触媒としては、銅粉、塩化銅(I)、臭化銅(I)、よう化銅(I)等の銅類;テトラブチルアンモニウムフルオライド、テトラエチルアンモニウムフルオライド、アセチルコリンクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルコリンクロライド、ベンジルセチルジメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、クロロコリンクロライド、コリンクロライド、n−デシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジメチルベンジルフェニルアンモニウムクロライド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウロリルコリンクロライド、メタコリンクロライド、(2−メトキシエトキシメチル)トリエチルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリエチルアンモニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、スクシニルコリンクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラアルミニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、
【0052】
トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、アセチルコリンブロマイド、ベンゾイルコリンブロマイド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、ブロモコリンブロマイド、セチルジメチルエチルアンモニウムブロマイド、コリンブロマイド、デシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ジデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジミスチリルアンモニウムブロマイド、ジメチルジパルミチルアンモニウムブロマイド、ジメルチジステアリルアンモニウムブロマイド、ドデシルチリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、フェニルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラアルミニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルアンモニウムブロマイド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、トリメチルビニルアンモニウムブロマイド、アセチルコリンヨーダイド、アセチルオチオコリンヨーダイド、ベンゾイルコリンヨーダイド、ベンゾイルチオコリンヨーダイド、ベンジルトリエチルアンモニウムヨーダイド、ブチルコリンヨーダイド、ブチルチオコリンヨーダイド、N,N−ジメチルメチレンアンモニウムヨーダイド、エチルトリメチルアンモニウムヨーダイド、エチルトリプロピルアンモニウムヨーダイド等の第四級アンモニウム化合物類;
【0053】
1−アザ−15−クラウン 5−エーテル、1−アザ−18−クラウン 6−エーテル、ベンゾ−12−クラウム 4−エーテル、ベンゾ−15−クラウン 5−エーテル、ベンゾ−18−クラウン 6−エーテル、12−クラウン 4−エーテル、15−クラウン 5−エーテル、18−クラウン 6−エーテル、4,13−ジアザ−18−クラウン 6−エーテル、ジベンゾ−18−クラウン 6−エーテル、ジベンゾ−24−クラウン 8−エーテル、N,N'−ジベンジル−4,13−ジアザ−18−クラウン 6−エーテル、ジシクロヘキサノ−18−クラウン 6−エーテル、4'−ニトロベンゾ−15−クラウン 5−エーテル、4'−ニトロベンゾ−18−クラウン 6−エーテル、N−フェニルアザ−15−クラウン 5−エーテル、1,4,7,10−テトラアザシクロドデセンテトラハイドロクロライド等のクラウンエーテル類が挙げられる。
【0054】
触媒は、触媒の種類に応じて適宜な量が使用される。通常、ハロゲン原子を含有する芳香族ニトロ化合物(III)に対して、0.001〜5.0倍モル、好ましくは0.1〜2.5倍モル使用される。
【0055】
脱ハロゲン化水素反応の反応温度は、通常、−50〜250℃、好ましくは0〜200℃の温度で行われ、反応時間は、通常、0.1〜20時間、好ましくは0.5〜10時間である。
【0056】
以上の脱ハロゲン化水素反応終了後、芳香族ジニトロ化合物(IV)を含有する反応混合物を直接還元工程へ供してもよいし、該反応混合物から芳香族ジニトロ化合物(IV)を精製、分離して還元工程へ供してもよい。
【0057】
上記の精製、分離の方法は、R3が−COO−である場合に記載した方法を、そのまま使用することができる。
【0058】
(3)R3が−CH2O−である場合。
前記式(III)のYがハロメチル基である芳香族ニトロ化合物(III)と水酸基含有ステロイド化合物(II)とを溶媒中、塩基性化合物の存在下に脱ハロゲン化水素反応を行うことにより芳香族ジニトロ化合物(IV)を得ることができる。
【0059】
上記のハロメチル基を含有する芳香族ニトロ化合物(III)として、例えばα−クロロ−2−ニトロトルエン、α−クロロ−3−ニトロトルエン、α−クロロ−4−ニトロトルエン、α−ブロモ−2−ニトロトルエン、α−ブロモ−3−ニトロトルエン、α−ブロモ−4−ニトロトルエン、α−ヨード−2−ニトロトルエン、α−ヨード−3−ニトロトルエン、α−ヨード−4−ニトロトルエン等を挙げることができる。
【0060】
上記脱ハロゲン化水素反応に用いる溶媒としては、ハロメチル基を含有する芳香族ニトロ化合物(III)、水酸基含有ステロイド化合物(II)および芳香族ジニトロ化合物(IV)を溶解し、かつ反応により変質しないものが好ましい。このような溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、アニソール等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げることができる。
【0061】
また、上記塩基性化合物として、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、テトラメチル尿素等を挙げることができる。
【0062】
上記塩基性化合物の量は、その種類に応じて適切な量が使用される。通常、ハロメチル基を含有する芳香族ニトロ化合物(III)1重量部に対して、0.001〜5.0重量部、好ましくは0.1〜2.5重量部用いられる。
【0063】
脱ハロゲン化水素反応の温度は、通常、−50〜250℃、好ましくは0〜200℃で行われ、反応時間は、通常、0.1〜20時間、好ましくは0.5〜10時間である。
【0064】
以上の脱ハロゲン化水素反応終了後、芳香族ジニトロ化合物(IV)を含有する反応混合物を直接還元工程へ供してもよいし、該反応混合物から芳香族ジニトロ化合物(IV)を精製、分離して還元工程へ供してもよい。
【0065】
上記の精製、分離の方法は、R3が−COO−である場合に記載した方法をそのまま使用することができる。
【0066】
以上詳述した本発明の新規ジアミン化合物は、単独であるいは別種のジアミン化合物と組合わせてポリイミドを製造する原料とすることができる。
【0067】
上記ポリイミドを液晶表示素子の配向膜の素材として使用する場合、本発明の新規ジアミン化合物は、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、1,4−シクロヘキサンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェニルチオ)ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ウンデカン−1,12−ジオールビス(4−アミノベンゾエート)、1,4−ブタンジオールビス(4−アミノベンゾエート)、5−(6−)アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4−メチル−1,3−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、メタキシリレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、イソホロンジアミンおよび下記式
【0068】
【化11】
【0069】
【化12】
【0070】
(式中、R4、R5、R6およびR7は各々独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基またはフェニル基等のアリール基の如き炭素数1〜12の炭化水素基を示し、pは1〜4、qは1〜20、rは1〜4の整数を示す)
で示されるジアミン等の別種のジアミン化合物と組合せて用い、組合せの中に、本発明のジアミンを単独で使用する場合を含めて、本発明の新規ジアミンが占める割合は、好ましくは0.01〜100モル%、より好ましくはTN型液晶セル用として用いるときは1〜20モル%、STN型液晶セル用として用いるときは5〜30モル%、SH型液晶セル用として用いるときは50〜100モル%である。
【0071】
【実施例】
以下、実施例を以って本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0072】
実施例1
ジニトロ化合物の合成
乾燥した10リットルのセパラブルフラスコに、3,6−コレスタンジオール405g(1.0モル)および4−ニトロ安息香酸クロリド409g(2.2モル)を加え、テトラヒドロフラン8000gに溶解させた。次いで、氷冷下攪拌を行いながらピリジン237g(3.0モル)を滴下した。滴下終了後、5時間室温で攪拌した。その後、反応液を大量に水にあけ析出物を濾別した。得られた固体をよく水洗し、さらにメチルエチルケトンにより再結晶を行い淡黄色結晶の芳香族ジニトロ化合物576gを得た(収率82%)。
【0073】
新規ジアミン化合物の合成
得られた芳香族ジニトロ化合物の351.5g(0.5モル)を1,2−ジメトキシエタン1リットルに溶解させ、5重量%パラジウムカーボン(エヌ・イー・ケムキャット社製)3.5gとヒドラジン1水和物100g(2モル)を添加し、6時間、84℃で加熱還流した。その後、80℃に保温しつつ濾過を行いパラジウムカーボンを除き、ろ液に2−プロパノール1リットルを加え、室温まで冷却した。析出物をろ別し、エタノールで再結晶を行い、新規ジアミン化合物193gを得た。(収率79%)。この新規ジアミン化合物をジアミン化合物1とする。ジアミン化合物1は前記式(I−1)で示される化合物である。ジアミン化合物1の1H−NMRスペクトル、IRスペクトルおよびマススペクトルをそれぞれ図1〜3に示した。なおこのジアミン化合物1の融点は299〜300℃であった。
【0074】
実施例2
実施例1の3,6−コレスタンジオールの代わりに3,7−コレスタンジオールを用いて実施例1と同様にジニトロ化合物の合成を行い、次いで新規ジアミン化合物の合成を行い、新規ジアミン化合物169gを得た。この新規ジアミン化合物をジアミン化合物2とする。新規ジアミン化合物2は前記式(I−2)で示される化合物である。
【0075】
実施例3
実施例1の4−ニトロ安息香酸クロリドの代わりに、3−ニトロ安息香酸クロリドを用いる以外は、実施例1と同様にジニトロ化合物の合成を行い、次いで新規ジアミン化合物の合成を行い、新規ジアミン化合物185gを得た。この新規ジアミン化合物をジアミン化合物3とする。ジアミン化合物3は前記式(I−3)で示される化合物である。
【0076】
実施例4
ジニトロ化合物の合成
実施例1のジニトロ体の合成を繰り返し、芳香族ジニトロ化合物576gを得た。
新規ジアミン化合物の合成
乾燥した3リットルのグラスライニング製のオートクレーブに、上記芳香族ジニトロ化合物351.5g(0.5モル)を1,2−ジメトキシエタン1リットルに溶解した溶液を加えた。さらに10重量%パラジウムカーボン35gを加えた後、気相を完全に窒素置換した。次に、気相を水素置換した後、攪拌を行い還元反応を開始し、67.2リットルの水素が吸収されるまで10時間反応させた。その後、反応溶液を取り出し濾過によりパラジウムカーボンを除き、ろ液に2−プロパノール1リットルを加え室温下に2時間放置した。得られた析出物を濾別し、エタノールで再結晶を行い、新規ジアミン化合物179gを得た。この新規ジアミン化合物をジアミン化合物4とする。ジアミン化合物4は前記式(I−1)で示される化合物である。
【0077】
実施例5
ジニトロ化合物の合成
乾燥した10リットルのセパラブルフラスコに、3,6−コレスタンジオール405g(1.0モル)、1−ブロモ−4−ニトロベンゼン444g(2.2モル)、テトラブチルアンモニウムブロマイド71gおよび炭酸カリウム304gを加え、テトラヒドロフラン8000gに溶解させた。次いで、5時間室温で攪拌し、反応液を大量に水にあけ、析出物を濾別した。得られた固体をよく水で洗い、メチルエチルケトンにより再結晶を行い芳香族ジニトロ化合物449gを得た(収率71%)。
【0078】
新規ジアミン化合物の合成
上記で得られた芳香族ジニトロ化合物を実施例1の新規ジアミン化合物の合成と同様の操作を繰り返し、新規ジアミン化合物155gを得た。この新規ジアミン化合物をジアミン化合物5とする。ジアミン化合物5は前記式(I−5)で示される化合物である。
【0079】
実施例6
ジニトロ化合物の合成
乾燥した101リットルのセパラブルフラスコに、3,6−コレスタンジオール405g(1.0モル)、α−ブロモ−4−ニトロトルエン475g(2.2モル)、テトラブチルアンモニウムブロマイド71g(0.22モル)および炭酸カリウム304g(2.2モル)を加え、テトラヒドロフラン8000gに溶解させた。次いで、5時間室温で攪拌し、反応液を大量の水にあけ、析出物を濾別した。得られた固体をよく水で洗い、その後メチルエチルケトンにより再結晶を行い芳香族ジニトロ化合物531gを得た。(収率77%)
【0080】
新規ジアミン化合物の合成
芳香族ジニトロ化合物として上記で得られた芳香族ジニトロ化合物を用いる以外は実施例1の新規ジアミン化合物の合成と同様の操作を繰り返し、新規ジアミン化合物163gを得た。この新規ジアミン化合物をジアミン化合物6とする。ジアミン化合物6は前記式(I−6)で示される化合物である。
【0081】
応用例1
実施例1で得られたジアミン化合物1を0.39g(0.6ミリモル)、p−フェニレンジアミン3.10g(28.7ミリモル)および2,3,5−トリカルボキシルシクロペンチル酢酸二無水物6.53g(29.1ミリモル)をN−メチル−2−ピロリドン90gに溶解させ、室温で6時間反応させた。
次いで、反応混合物を大過剰のメタノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後、メタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて、対数粘度(30℃、N−メチル−2−ピロリドン中で測定。以下同じ。)1.2dl/gのポリアミック酸8.90gを得た。
次に、このポリアミック酸5.00gを95.00gのγ−ブチロラクトンに溶解し、2.31gのピリジンと3.00gの無水酢酸を添加し、120℃で3時間反応させて、対数粘度1.2dl/gのポリイミド4.89gを得た。
得られたポリイミドをγ−ブチロラクトンに溶解して固形分濃度4重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過し、液晶配向剤を調製した。
【0082】
この溶液を、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に、回転数3000rpmで3分間スピンナーを用いて塗布し、180℃で1時間乾燥し、乾燥膜厚500オングストロームの塗膜を形成した。
この塗膜にナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロールの回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/秒、ラビング回数2回でラビング処理を行った。
次に、一対のラビング処理された基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径17μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷法により塗布した後、一対の基板を液晶配向膜面が相対するように、しかもラビング方向が逆平行になるように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。
次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマティック型液晶(メルク社製、ZLI−2293)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を、偏光板の偏光方向がそれぞれの基板の液晶配向膜のラビング方向と一致するように張り合わせ、液晶表示素子を作製した。
得られた液晶表示素子の配向性は良好であり、プレチルト角は3.0゜を示した。
また、上記の一連の液晶表示素子の製造工程において、液晶配向膜の膜厚のブレおよびラビング条件のブレによってプレチルト角が変動する幅は小さかった。
【0083】
【発明の効果】
本発明の新規ジアミン化合物を用いて製造されたポリイミドは、液晶表示素子の液晶配向膜として好適である。すなわち、該ポリイミドからなる液晶配向膜は高いプレチルト角を発現すると共に、液晶表示素子の製造条件の不可避的な変動に対して安定したプレチルト角を発現する。
【0084】
以上説明した本発明の新規ジアミン化合物およびその製造方法の好ましい態様を下記する。
1. 式(I)のR2がメチル基、エチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,4,5−トリメチルヘキシル基、1,5−ジメチル−4−エチルヘキシル基である新規ジアミン化合物。
2. 新規ジアミン化合物が式(I−1)、(I−5)または(I−6)で示されるジアミン化合物である上記1の新規ジアミン化合物。
3. 芳香族ジニトロ化合物(IV)をVIII族の金属を活性主体とする金属触媒の存在下に水素還元して新規ジアミン化合物を製造する方法。
4. 芳香族ジニトロ化合物(IV)が水酸基含有ステロイド化合物(II)と芳香族ニトロ化合物(III)との反応生成物である新規ジアミンを製造する方法。
5. 水酸基含有ステロイド化合物(II)が式(II−1)または(II−2)で示されるものである新規ジアミン化合物を製造する方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたジアミン化合物1の1H−NMRスペクトルを示す図である。
【図2】実施例1で得られたジアミン化合物1のIRスペクトルを示す図である。
【図3】実施例1で得られたジアミン化合物1のマススペクトルを示す図である。
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- 1995-03-28 JP JP06985295A patent/JP3735845B2/ja not_active Expired - Lifetime
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