JP7037122B2 - ジアミンおよびその利用 - Google Patents

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Description

本発明は、ジアミンおよびその利用に関する。
近年、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のエレクトロニクスの急速な進歩に伴い、デバイスの薄型化や軽量化、更には、フレキシブル化が要求されるようになってきた。
これらのデバイスにおいては、ガラス基板上に様々な電子素子、例えば、薄膜トランジスタや透明電極等が形成されているが、このガラス材料を柔軟かつ軽量な樹脂材料に替えることで、デバイス自体の薄型化や軽量化、フレキシブル化が期待される。
そして、そのような樹脂材料の候補としてはポリイミドが注目を集めており、ポリイミドフィルムに関する種々の報告が従来よりなされている(例えば特許文献1,2参照)。
特開昭60-188427号公報 特開昭58-208322号公報 国際公開2011/149018号パンフレット
ところで、ポリイミド樹脂材料をディスプレイの基板として用いるとき、その樹脂材料が透明性に優れるだけでなく、要求性能の一つとしてリタデーション(Retardation)が低い材料であることが望ましい。
すなわち、リタデーション(位相差)とは、複屈折(直交する2つの屈折率の差)と膜厚との積をいうが、この数値、特に厚さ方向のリタデーションは視野角特性に影響する重要な数値であり、大きなリタデーション値は、ディスプレイの表示品質の低下を招く原因となり得ることから(例えば特許文献3参照)、フレキシブルディスプレイ基板にあっても、高い柔軟性(可撓性)以外に、これらの特性も求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、柔軟性及び透明性に優れるだけでなく、リタデーションが低いという特徴をも有する薄膜を与えるジアミンを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記式(1-1)で表されるジアミン化合物を、特に2,2’-ジ(トリフルオロメチル)ベンジジン等の含フッ素原子芳香族ジアミンとともに、テトラシクロブタン酸二無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物と共重合させることで、有機溶媒に可溶なポリイミドが得られること、及び当該ポリイミドを有機溶媒に溶解させることで得られる組成物から、柔軟性及び透明性に優れるだけでなく、リタデーションが低いという特徴をも有する薄膜が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、第1観点として、式(1-1)で表されることを特徴とするジアミンに関する。
Figure 0007037122000001
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
a、b、d及びeは、それぞれ独立して、0~4の整数を表し、そして
cは0~2の整数を表す。)
第2観点として、式(1-2)で表されるジアミンである、第1観点に記載のジアミンに関する。
Figure 0007037122000002
第3観点として、式(1-3)又は式(1-4)で表されるジアミンである、第2観点に記載のジアミンに関する。
Figure 0007037122000003
第4観点として、第1観点乃至第3観点のうちいずれか一項に記載のジアミンを含むジアミン成分と、酸二無水物成分との反応生成物であるポリアミック酸に関する。
第5観点として、前記ジアミン成分が、式(A1)で表されるジアミンをさらに含む、第4観点に記載のポリアミック酸に関する。
Figure 0007037122000004
(式中、B2は、式(Y-1)~(Y-34)からなる群から選ばれる2価の基を表す。)
Figure 0007037122000005
Figure 0007037122000006
Figure 0007037122000007
Figure 0007037122000008
Figure 0007037122000009
(式中、*は結合手を表す。)
第6観点として、前記酸二無水物成分が、式(C1)で表される酸二無水物を含む、第4観点又は第5観点に記載のポリアミック酸に関する。
Figure 0007037122000010
〔式中、B1は、式(X-1)~(X-12)からなる群から選ばれる4価の基を表す。
Figure 0007037122000011
(式中、複数のRは、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し、*は結合手を表す。)〕
第7観点として、第4観点乃至第6観点のうちいずれか一項に記載のポリアミック酸をイミド化して得られるポリイミドに関する。
第8観点として、第7観点に記載のポリイミドと、有機溶媒とを含む膜形成用組成物に関する。
第9観点として、第8観点に記載の膜形成用組成物から形成される薄膜に関する。
第10観点として、第9観点に記載の薄膜からなるフレキシブルデバイス用基板に関する。
第11観点として、式(2-1)で表されることを特徴とするジニトロ化合物に関する。
Figure 0007037122000012
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
a、b、d及びeは、それぞれ独立して、0~4の整数を表し、そして
cは0~2の整数を表す。)
第12観点として、式(2-2)で表されるジニトロ化合物である、第11観点に記載のジニトロ化合物に関する。
Figure 0007037122000013
第13観点として、式(2-3)又は式(2-4)で表されるジニトロ化合物である、第12観点に記載のジニトロ化合物に関する。
Figure 0007037122000014
第14観点として、式(1-1)で表されるジアミンを製造する方法であって、
Figure 0007037122000015
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
a、b、d及びeは、それぞれ独立して、0~4の整数を表し、そして
cは0~2の整数を表す。)
式(2-1)で表されるジニトロ化合物のニトロ基を還元して式(1-1)で表されるジアミンを得る段階を含む、製造方法に関する。
Figure 0007037122000016
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、a、b、c、d及びeは上記と同じ意味を表す。)
本発明の新規ジアミン化合物は、とりわけ従来既知の含フッ素原子芳香族ジアミンとともに、脂環式テトラカルボン酸二無水物と共重合させることで、有機溶媒に可溶なポリイミドを得ることができる。
また本発明のジアミン化合物から得られるポリイミドは、柔軟性及び透明性に優れ、さらに低いリタデーションを実現できる薄膜を形成できる。
さらに本発明のポリイミドを含む膜形成用組成物より得られる薄膜は、柔軟性及び透明性に優れることに加え、特に低い線膨張係数、低いリタデーションを示すことから、該樹脂膜についてもフレキシブルデバイス、特にフレキシブルディスプレイの基板として好適に用いることができる。
そして、本発明のポリイミドを用いて形成される膜は、高い透明性(高い光線透過率、低い黄色度)、低いリタデーションを示すことから、フレキシブルデバイス、特にフレキシブルディスプレイの基板として好適に用いることができる。
[ジアミン化合物]
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係るジアミンは、式(1-1)で表されるジアミンであり、特に式(1-2)で表されるジアミンが好ましく、中でも、柔軟性及び透明性に優れ、低リタデーションの薄膜等を再現性よく得ることを考慮すると、好ましくは式(1-3)又は式(1-4)で表されるジアミンである。
Figure 0007037122000017
(上記式(1-1)中、R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、R6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、a、b、d及びeは、それぞれ独立して、0~4の整数を表し、そしてcは0~2の整数を表す。)
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
上記炭素原子数1乃至5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、tert-アミル基、sec-イソアミル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
また炭素原子数1乃至5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、tert-ペントキシ基等が挙げられる。
本発明の上記式(1-1)~(1-4)で表されるジアミンは、それぞれ下記式(2-1)~(2-4)で表されるジニトロ化合物のニトロ基を還元して得ることができる。
Figure 0007037122000018
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、a、b、c、d及びeは上記と同じ意味を表す。)
具体的には、上記式(1-1)で表されるジアミンは、一例として下記スキームで示されるように、有機溶媒中、9,10-[1,2]ベンゼノアントラセン-1,4-ジアミノ化合物(以下、ベンゼノアントラセンジアミノ化合物ともいう。)と、ニトロベンゾイルハライド化合物を塩基触媒の存在下で反応させて、中間体(9,10-[1,2]ベンゼノアントラセン-1,4-ジイル ビス(ニトロベンズアミド)化合物)(式(2-1)で表される化合物)を得(第1段階)、この中間体のニトロ基を還元する(第2段階)ことで得ることができる。なお中間体である上記式(2-1)~(2-4)で表されるジニトロ化合物も本発明の対象である。
Figure 0007037122000019
(上記スキーム中、Xはハロゲン原子を表し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、a、b、c、d及びeは上記と同じ意味を表す。)
第1段階の反応において、ベンゼノアントラセンジアミノ化合物とニトロベンゾイルハライド化合物との仕込み比は、ベンゼノアントラセンジアミノ化合物1モルに対し、ニトロベンゾイルハライド化合物2~4モルが好ましい。また、ニトロベンゾイルハライド化合物は、反応液での安定性が低いことから、ベンゼンアントラセンジアミン化合物をニトロベンズハライド化合物の溶液に添加する際には、必要量を一度に添加するのではなく、数回に分けて添加することが好ましい。
塩基触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルピペリジン、2,2,6,6-テトラメチル-N-メチルピペリジン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、N-メチルモルホリン等の有機アミン類等の有機塩基が好適に用いられる。また、塩基触媒の使用量は、ベンゼノアントラセンジアミノ化合物1モルに対して2モル以上であれば特に限定されるものではないが、通常2~10モル程度である。
また、反応で副生する塩酸等の酸を中和するために、酸吸収剤を用いてもよい。酸吸収剤としては、プロピレンオキシド等のエポキシド類が挙げられる。酸吸収剤の使用量は、ベンゼノアントラセンジアミノ化合物1モルに対して2モル以上であれば特に限定されるものではないが、通常2~10モル程度である。
有機溶媒としては、反応に影響を及ぼさない溶媒であれば特に限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド(以下、DMFという)、N,N-ジメチルアセトアミド(以下、DMAcという)、N-メチル-2-ピロリドン(以下、NMPという)等のアミド類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(以下、THFという)、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、2-ブタノン、4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOという)などを用いることができる。これらの溶媒は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、溶媒中に水分が多く含まれると、エステルの加水分解が起こることから、溶媒は脱水溶媒を使用する、もしくは、脱水してから使用することが好ましい。
反応温度は、0~200℃程度とすることができるが、20~150℃が好ましい。
反応後は、溶媒を留去し、粗生成物のまま、あるいは精製して次工程に用いる。精製法は任意であり、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィ等公知の手法から適宜選択すればよい。
第2段階の反応において、中間体のニトロ基をアミノ基へ還元する方法としては、公知の方法を採用すればよく、特に制限はないが、例えば、パラジウム-炭素、酸化白金、ラネーニッケル、白金-炭素、ロジウム-アルミナ、硫化白金炭素、還元鉄、塩化鉄、スズ、塩化スズ、亜鉛などを触媒として用い、水素ガス、ヒドラジン、塩化水素、塩化アンモニウムなどによって行う方法がある。特に、中間体のエステル部位に起因する副反応を起こしにくく、容易に目的物を得ることができることから、接触水素化が好ましい。
接触水素化の水素原子源としては、水素ガスやヒドラジン、塩化水素、塩化アンモニウム、ギ酸アンモニウム等が挙げられる。
接触水素化に用いる触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、鉄、亜鉛、スズ等の金属の粉末が挙げられ、金属の粉末が活性体に担持されたものであってもよい。触媒の種類は、水素源の種類や反応条件に応じて適宜決定されるため、特に限定されないが、ニトロ基のみを還元できる触媒であればよく、好ましくは、パラジウム-炭素、酸化白金、ラネーニッケル、白金-炭素、ロジウム-アルミナ、硫化白金炭素が挙げられる。また、触媒の使用量は、水素源の種類や反応条件に応じて適宜決定されるため、特に限定されないが、原料のジニトロ体(中間体)に対して金属換算で通常0.01モル%から50モル%、好ましくは0.1モル%から20モル%である。
反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさない溶媒を用いることができる。例えば、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、n-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、2-ブタノン、4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒、水などが挙げられる。これらの溶媒は、単独、又は、2種類以上混合して使用することができる。
反応温度は、原料や生成物が分解することなく、用いる溶媒の沸点以下であれば、反応が効率よく進行する温度で行なうことができる。具体的には、-78℃から溶媒の沸点以下の温度が好ましく、合成の簡便性の観点から、0℃から溶媒の沸点以下の温度がより好ましく、さらに好ましくは0~100℃、さらにより好ましくは10~50℃である。
また、接触水素化は、オートクレーブを用いる等して、加圧条件の下で行ってもよい。
反応後は、溶媒を留去後、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィ等公知の手法を用いて精製し、目的物のジアミンを得ることができる。なお、溶媒中に酸素が多く含まれると、生成したジアミン化合物の着色が起こる場合があるため、反応および精製に使用する溶媒は脱気してから使用することが好ましい。また、より着色を防ぐために、反応後の溶媒留去前、溶媒留去後の反応液も脱気することが好ましい。
また、本発明で用いるベンゼノアントラセンジアミノ化合物は、例えば、一例として下記スキームで示されるように、公知の方法に従い得る事ができる。具体的には、まず、有機溶媒中、アントラセン化合物と1,4-ベンゾキノン化合物とをDiels-Alder反応させて、9,10-[1,2]ベンゼノアントラセン-13,16(9H,10H)-ジオン化合物(I)を得、これを酢酸溶媒中、47%臭化水素存在下、加熱条件で処理することで、ベンゼノアントラセンジオール化合物(II)を得る。その後、酢酸溶媒中、臭素酸カリウム存在下、加熱条件で処理してキノン化合物(III)を得、これをヒドロキシルアミン塩酸塩とともにアルコール溶媒中で加熱することでジオキシムとしたあと、アルコール溶媒中、塩化第一スズ及び塩酸の存在下、加熱条件で処理することで、ベンゼノアントラセンジアミノ化合物(IV)を得ることができる。
Figure 0007037122000020
(上記スキーム中、R1、R2、R3、R6、R7、a、b及びcは上記と同じ意味を表す。)
[ポリアミック酸及びポリイミド]
以上説明した本発明のジアミンは、酸二無水物との重縮合反応によりポリアミック酸とした後、熱または触媒を用いた脱水閉環反応により、対応するポリイミドとすることができる。該ポリアミック酸及びポリイミド、すなわち、本発明の上記式(1-1)で表されるジアミンを含むジアミン成分と、酸二無水成分とを反応させることで得られるポリアミック酸(ジアミン成分と酸二無水物成分との反応生成物)、並びに該ポリアミック酸のイミド化物であるポリイミドも、本発明の対象である。
柔軟性及び透明性に優れるだけでなく、リタデーションが低いという特徴をも有する薄膜等を与えるポリアミック酸及びポリイミドを再現性よく得る観点から、本発明のポリアミック酸の製造に用いるジアミン成分は、本発明の上記式(1-1)で表されるジアミンに加え、好ましくは含フッ素原子芳香族ジアミンを、より好ましくは下記式(A1)で表されるジアミンを含む。
Figure 0007037122000021
(式中、B2は、式(Y-1)~(Y-34)からなる群から選ばれる2価の基を表す。)
Figure 0007037122000022
Figure 0007037122000023
Figure 0007037122000024
Figure 0007037122000025
Figure 0007037122000026
(式中、*は結合手を表す。)
上記式(A1)で表されるジアミンの中でも、式中のB2が前記式(Y-12)、(Y-13)、(Y-14)、(Y-15)、(Y-18)、(Y-27)、(Y-28)、(Y-30)、(Y-33)で表されるジアミンが好ましく、前記B2が前記式(Y-12)、(Y-13)、(Y-14)、(Y-15)、(Y-33)で表されるジアミンが特に好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、前記ジアミン成分には、上記式(1-1)で表されるジアミン、上記式(A1)で表されるジアミン以外の、その他のジアミン化合物を用いてもよい。
上記ジアミン成分において、本発明の上記式(1-1)で表されるジアミンとともに含フッ素原子芳香族ジアミンを用いる場合における、上記式(1-1)で表されるジアミンと含フッ素原子芳香族ジアミンとのモル比率は、通常、上記式(1-1)で表されるジアミン:含フッ素原子芳香族ジアミン=1:1~1:10である。このような範囲とすることで、薄膜の脆弱化を抑制でき、また低線膨張係数の薄膜を再現性よく得ることができる。
柔軟性及び透明性に優れるだけでなく、リタデーションが低いという特徴をも有する薄膜等を与えるポリアミック酸及びポリイミドを再現性よく得る観点から、本発明のポリアミック酸の製造に用いる酸二無水物成分は、好ましくは脂環式テトラカルボン酸二無水物を、より好ましくは下記式(C1)で表される酸二無水物を含む。
Figure 0007037122000027
〔式中、B1は、式(X-1)~(X-12)からなる群から選ばれる4価の基を表す。
Figure 0007037122000028
(式中、複数のRは、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し、*は結合手を表す。)〕
上記式(C1)で表される酸二無水物の中でも、式中のB1が前記式(X-1)、(X-2)、(X-4)、(X-5)、(X-6)、(X-7)、(X-8)、(X-9)、(X-11)、(X-12)で表される酸二無水物が好ましく、前記B1が前記式(X-1)、(X-2)、(X-6)、(X-7)、(X-11)、(X-12)で表される酸二無水物が特に好ましい。
高柔軟性、高透明性、低リタデーションの薄膜等を与えるポリアミック酸及びポリイミドを再現性よく得る観点から、本発明のポリアミック酸の製造に用いる酸二無水物成分中の脂環式テトラカルボン酸二無水物の含有量は、好ましくは50mol%以上、より好ましくは60mol%以上、より一層好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、さらに一層好ましくは90モル%以上、最も好ましくは100モル%である。
なお、上記ジアミン成分として上記式(1-1)で表されるジアミンと上記式(A1)で表されるジアミンとを用い、上記酸二無水物成分として上記(C1)で表される酸二無水物を用いた場合、ポリアミック酸は下記式(4-1)で表されるモノマー単位と、下記式(4-2)で表されるモノマー単位とを有するものとなる。
Figure 0007037122000029
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、a、b、c、d、e、B1及びB2は、上記と同じ意味を表す。)
本発明のポリアミック酸を得る方法は特に限定されるものではなく、前述の酸二無水物成分とジアミン成分とを公知の手法によって反応、重合させればよい。
ポリアミック酸を合成する際の酸二無水物成分のモル数とジアミン成分のモル数との比は、酸二無水物成分/ジアミン成分=0.8~1.2である。
ポリアミック酸合成に用いられる溶媒としては、例えば、m-クレゾール、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、ポリアミック酸を溶解しない溶媒であっても、均一な溶液が得られる範囲内で上記溶媒に加えて使用してもよい。
重縮合反応の温度は、-20~150℃、好ましくは-5~100℃の任意の温度を選択することができる。
上述したポリアミック酸の重合反応により得られたポリアミック酸含有溶液は、そのまま、あるいは希釈もしくは濃縮した後、後述するポリイミドの膜を形成するための膜形成用組成物として使用することができる。また該ポリアミック酸含有溶液に、メタノール、エタノールなどの貧溶媒を加えてポリイミドを沈殿させてポリアミック酸を単離し、その単離したポリアミック酸を適当な溶媒に再溶解させ、これを後述する膜形成用組成物として使用することもできる。
ポリアミック酸含有溶液の希釈用溶媒並びに単離したポリアミック酸の再溶解用溶媒は、得られたポリアミック酸を溶解させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、m-クレゾール、2-ピロリドン、NMP、N-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、DMAc、DMF、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。
また、単独ではポリアミック酸を溶解しない溶媒であっても、ポリアミック酸が析出しない範囲であれば上記溶媒に加えて使用することができる。その具体例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-ブトキシ-2-プロパノール、1-フェノキシ-2-プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート、プロピレングリコール-1-モノエチルエーテル-2-アセテート、ジプロピレングリコール、2-(2-エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n-プロピルエステル、乳酸n-ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどが挙げられる。
本発明のポリイミドは、上記説明したポリアミック酸を、加熱により脱水閉環(熱イミド化)、または公知の脱水閉環触媒を使用して化学的に閉環して得ることができる。すなわち本発明のポリイミドは前記ポリアミック酸のイミド化物である。
加熱による方法は、100~300℃、好ましくは120~250℃の任意の温度で行うことができる。
化学的に閉環する方法は、例えば、ピリジンやトリエチルアミン、1-エチルピペリジンなどと、無水酢酸などとの存在下で行うことができ、この際の温度は、-20~200℃の任意の温度を選択することができる。
こうして得られる上記式(4-1)で表されるモノマー単位と上記記式(4-2)で表されるモノマー単位とを有するポリアミック酸から得られるポリイミドは、下記式(5-1)で表されるモノマー単位と下記式(5-2)で表されるモノマー単位とを有するものである。
Figure 0007037122000030
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、a、b、c、d、e、B1及びB2は、上記と同じ意味を表す。)
上述したポリアミック酸の閉環反応により得られたポリイミド溶液(ポリイミド含有溶液とも称する)は、そのまま、あるいは希釈もしくは濃縮した後、後述する膜形成用組成物として使用することができる。また該ポリイミド溶液に、メタノール、エタノールなどの貧溶媒を加えてポリイミドを沈殿させてポリイミドを単離し、その単離したポリイミドを適当な溶媒に再溶解させ、これを後述する膜形成用組成物として使用することができる。
再溶解用溶媒は、得られたポリイミドを溶解させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、m-クレゾール、2-ピロリドン、NMP、N-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、DMAc、DMF、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。
また、単独ではポリイミドを溶解しない溶媒であっても、ポリイミドが析出しない範囲であれば上記溶媒に加えて使用することができる。その具体例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-ブトキシ-2-プロパノール、1-フェノキシ-2-プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート、プロピレングリコール-1-モノエチルエーテル-2-アセテート、ジプロピレングリコール、2-(2-エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n-プロピルエステル、乳酸n-ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどが挙げられる。
本発明において、ポリアミック酸(ポリイミド)の数平均分子量は、得られる薄膜の柔軟性、強度等を向上させるという観点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上、より一層好ましくは15,000以上、さらに好ましくは20,000以上であり、得られるポリイミドの溶解性を確保するという観点から、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下、より一層好ましくは、50,000以下である。なお本明細書において、数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリスチレン換算値として算出される値である。
[膜形成用組成物]
上述の本発明のポリイミドと有機溶媒を含む膜形成用組成物も本発明の対象である。
<有機溶媒>
上記膜形成組成物に使用する有機溶媒は、特に限定されるものではなく、例えば、上記ポリアミック酸及びポリイミドの調製時に用いた反応溶媒の具体例と同様のものが挙げられる。より具体的には、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-エチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。なお、有機溶媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、平坦性の高い薄膜を再現性よく得ることを考慮すると、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトンが好ましい。
<膜形成用組成物>
本発明の膜形成用組成物は、均一なものであって、相分離は認められないものである。
また本発明の膜形成用組成物における固形分量の配合量は、通常0.5~30質量%程度、好ましくは5~25質量%程度である。固形分濃度が0.5質量%未満であると薄膜を作製する上において製膜効率が低くなり、また膜形成用組成物の粘度が低くなるため、表面が均一な塗膜を得られにくい。また固形分濃度が30質量%を超えると、膜形成用組成物の粘度が高くなりすぎて、やはり成膜効率の悪化や塗膜の表面均一性に欠ける虞がある。なおここでいう固形分量とは、有機溶媒以外の成分の総質量を意味し、液状のモノマー等であっても固形分として重量に含めるものとする。
なお膜形成用組成物の粘度は、作製する薄膜の厚み等を勘案し適宜設定するものではあるが、特に5~50μm程度の厚さの薄膜を再現性よく得ること目的とする場合、通常、25℃で500~50,000mPa・s程度、好ましくは1,000~20,000mPa・s程度である。
本発明の膜形成用組成物には、加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機又は無機の低分子又は高分子化合物を配合してもよい。例えば、触媒、消泡剤、レベリング剤、界面活性剤、染料、可塑剤、微粒子、カップリング剤、増感剤等を用いることができる。
なおその他成分を含む場合も含め、本発明の膜形成用組成物の固形分量において、上記ポリイミドの割合は70~100質量%とすることができる。
本発明の膜形成用組成物は、上述の方法で得られたポリイミドを上述の有機溶媒に溶解して得ることができるし、ポリイミドの調製後の反応溶液に所望により前記有機溶媒を更に加えたものとしてもよい。
[薄膜]
以上説明した本発明の膜形成用組成物を基材に塗布して乾燥・加熱することで有機溶媒を除去し、高い耐熱性と、高い透明性と、適度な柔軟性と、適度な線膨張係数とを有し、しかもリタデーションの小さい薄膜を得ることができる。
そして上記薄膜、すなわち上記ポリイミドを含有する薄膜(膜形成用組成物の固形分からなる薄膜)も本発明の対象である。
薄膜の製造に用いる基材としては、例えば、プラスチック(ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ、メラミン、トリアセチルセルロース、ABS、AS、ノルボルネン系樹脂等)、金属、ステンレス鋼(SUS)、木材、紙、ガラス、シリコンウェハ、スレート等が挙げられる。
特に、電子デバイスの基板材料として適用する場合においては、既存設備を利用することができるという観点から、適用する基材がガラス、シリコンウェハであることが好ましく、また得られる薄膜が良好な剥離性を示すことからガラスであることがさらに好ましい。なお、適用する基材の線膨張係数としては塗工後の基材の反りの観点から、好ましくは35ppm/℃以下、より好ましくは30ppm/℃以下、より一層好ましくは25ppm/℃以下、さらに好ましくは、20ppm/℃以下である。
基材への膜形成用組成物の塗布法は、特に限定されるものではないが、例えば、キャストコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法、印刷法(凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等)等が挙げられ、目的に応じてこれらを適宜用いることができる。
加熱温度は、300℃以下が好ましい。300℃を超えると、得られる薄膜が脆くなり、特にディスプレイ基板用途に適した薄膜を得ることができない場合がある。
また、得られる薄膜の耐熱性と線膨張係数特性を考慮すると、塗布した膜形成用組成物を40℃~100℃で5分間~2時間加熱した後に、そのまま段階的に加熱温度を上昇させ、最終的に175℃超~280℃で30分~2時間加熱することが望ましい。このように、溶媒を乾燥させる段階と分子配向を促進する段階の2段階以上の温度で加熱することにより、低熱膨張特性を発現させることができる。
特に、塗布した膜形成用組成物は、40℃~100℃で5分間~2時間加熱した後に、100℃超~175℃で5分間~2時間、次いで、175℃超~280℃で5分~2時間加熱することが好ましい。
加熱に用いる器具は、例えばホットプレート、オーブン等が挙げられる。加熱雰囲気は、空気下であっても窒素等の不活性ガス下であってもよく、また、常圧下であっても減圧下であってもよく、また加熱の各段階において異なる圧力を適用してもよい。
薄膜の厚さは、特にフレキシブルディスプレイ用の基板として用いる場合、通常1~60μm程度、好ましくは5~50μm程度であり、加熱前の塗膜の厚さを調整して所望の厚さの薄膜を形成する。
なおこのようにして形成された薄膜を基材から剥離する方法としては特に限定はなく、該薄膜を基材ごと冷却し、薄膜に切れ目を入れ剥離する方法やロールを介して張力を与えて剥離する方法等が挙げられる。
なお上述したように、前記ポリアミック酸含有溶液や前記ポリイミド含有溶液は、ポリイミドの膜を形成するための膜形成用組成物として、好適に用いることができる。
すなわち、基材上に塗布した上記ポリアミック酸含有溶液を加熱し、溶媒を蒸発させつつイミド化反応をさせることで、あるいは、基材上に塗布した上記ポリイミド含有溶液を加熱し、溶媒を蒸発させることで、本発明のポリイミドを含む膜を得ることができる。すなわち該膜は、上記ポリアミック酸含有溶液の固形分からなり、該固形分中のポリアミック酸のイミド化物を含む膜であるか、上記ポリイミド溶液の固形分からなるものである。この際、加熱温度は、通常40~500℃程度であり、例えば、40~150℃の範囲、180~350℃の範囲、さらに380~450℃の範囲で段階的に加熱してもよい。
なお、ポリイミドの膜と基材との密着性を更に向上させる目的で、ポリアミック酸含有溶液やポリイミド溶液に、カップリング剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
上記ポリアミック酸含有溶液やポリイミド溶液からなる膜形成用組成物並びに該組成物を用いて形成される膜も本発明の対象である。
なお、ポリアミック酸含有溶液やポリイミド溶液に配合され得る公知の添加剤や、ポリイミドの膜の形成等に係る諸条件は、先に詳述した膜形成用組成物に配合され得る添加剤や、該組成物から形成される薄膜の製造等に係る諸条件を適宜採用することができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、使用した試薬の略語並びに使用した装置及びその条件は、以下の通りである。
DAT:ジアミノトリプチセン(Diamino Triptycene)
DATDNB:ジアミノトリプチセンジニトロベンズアミド(Diamino Triptycene Dinitrobenzamide)
DATDAB:ジアミノトリプチセンジアミノベンズアミド(Diamino Triptycene Diaminobenzamide)
THF:テトラヒドロフラン
DMF:ジメチルスルホキシド
GBL:γ-ブチロラクトン
TFMB:2,2’-ジ(トリフルオロメチル)ベンジジン
TCA:2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸-1,4:2,3-二無水物
CBDA:1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
<HPLC分析条件>
カラム:Inertsil ODS-3、5μm、4.6×250mm
オーブン:40℃、 検出波長:200nm、254nm、 流速:1.0mL/分
溶離液:
DATDAB:アセトニトリル/0.5%リン酸水溶液=70/30 サンプル注入量:10μL
1HNMR分析条件>
装置:フーリエ変換型超伝導核磁気共鳴装置(FT-NMR)(INOVA-400(Varian社)400MHz、
溶媒:DMSO-d6、CDCl3
内標準物質:テトラメチルシラン(TMS)
[1]化合物の合成
<実施1-1>(DATDNBの合成)
Figure 0007037122000031
窒素雰囲気下、4-ニトロベンゾイルクロリド(33.6g)をテトラヒドロフラン(164g)に溶解し、この溶液を5℃に冷却後、ここにDAT(23.4g)、トリエチルアミン(18.3g)、テトラヒドロフラン(164g)の混合溶液を30分かけて滴下した後、室温へ昇温し18時間撹拌した。室温下、反応液に水(702g)を加え、30分撹拌後、析出物をろ過し、メタノール(234g)で洗浄した。得られたろ取物を70℃で減圧乾燥し、DATDNB粗物(57.3g)を得た。
次にこのDATDNB粗物(57.3g)をメタノール(360g)に加え、還流条件(65℃)で1時間撹拌し、室温に冷却した。析出物をろ過し、得られたろ取物を70℃にて減圧乾燥し、DATDNBを45.8g得た(収率:95.4%)。
この結晶は、1H-NMR分析結果から、DATDNBであることを確認した。
1H-NMR(DMSO-d6、δppm):10.7(s、2H)、8.5(d、4H)、8.4(d,4H)、7.5(m,4H)、7.1(s,2H)、7.0(m,4H)、5.7(s,2H).
<実施例1-2>(DATDABの合成)
反応容器にDATDNB(10.0g)、5%Pd-C(STDタイプ、wet品、エヌ・イー ケムキャット(株)製、1.0g)、ジメチルホルムアミド(70g)を仕込み、反応容器内を水素置換した後、水素圧0.8MPaの条件下、室温にて23時間撹拌した。ここまでと同じ操作をDATDNB(10.0g)スケールで2度実施した。反応完了をHPLCにて確認し、反応液を合一後、Pd-Cをろ過し、N,N-ジメチルホルムアミド(60g)でPd-Cを洗浄した。このろ液にヒドラジン1滴を添加後、室温で水(1650g)を滴下した。析出物をろ過後、ろ取物を70℃にて減圧乾燥することでDATDAB粗物(28.5g)を得た。
このDATDAB粗物(28.5g)を酢酸エチル(1140g)に加え、還流条件下(77℃)1時間撹拌後、室温まで冷却した。析出物をろ過し、酢酸エチル(285g)で2回洗浄後、ろ取物(35.0g)を70℃にて減圧乾燥することでDATDAB酢酸エチルリパルプ物(28.0g)を得た。このDATDAB酢酸エチルリパルプ物(28.0g)を室温下、N,N-ジメチルホルムアミド(84g)に溶解し、酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶媒(317g)を滴下し、1時間撹拌した。析出物をろ過し、ろ取物(42.5g)を70℃にて減圧乾燥することでDATDAB再結晶物(23.9g)を得た。
このDATDAB再結晶物(23.9g)をヘキサン(717g)に加え、還流条件下(68℃)、1時間撹拌後、室温まで冷却した。析出物をろ過し、ヘキサン(120g)で3回洗浄後、ろ取物(27.5g)を70℃にて減圧乾燥することでDATDABを22.4g得た(収率:76.0%、HPLC面百(保持時間:4.0min):99.3%)。この結晶は、1H-NMR分析結果から、DATDABであることを確認した。
1H-NMR(DMSO-d6、δppm):9.8(s、2H)、7.9(m、4H)、7.4(m,4H)、7.0(m,4H)、6.9(s,2H)、6.7(m,4H)、5.8(b,4H).5.6(s,2H).
[2]ポリイミドの製造
<実施例1-3 ポリイミドの製造[DATDAB:TFMB:TCA:CBDA=30:70:50:50(モル比)]
Figure 0007037122000032
窒素注入/排出口を有しメカニカルスターラーが取り付けられた100mLの三口反応フラスコ内に、TFMB 1.457g(0.00455モル)及びDATDAB 1.019g(0.00195モル)を仕込んだ。続いてγ-ブチロラクトン(GBL) 13.13gを加え、撹拌を開始した。TFMB及びDATDABが完全に溶解した後、TCA 0.7285g(0.00325モル)をGBL 2.813gとともに加え、窒素雰囲気下にて90℃に加熱し、7時間反応させた。その後、30℃に冷却し、CBDA 0.637g(0.00325モル)をGBL 2.813gとともに加え、窒素雰囲気にて50℃で一晩反応させた。
その後、固形分濃度が10質量%となるように、GBLを用いて反応混合物を希釈し、希釈した反応混合物に無水酢酸2.654g(0.026モル)及びピリジン1.542g(0.0195モル)を加え、窒素雰囲気下、100℃にて4時間撹拌した。
次いで、得られた反応混合物を500gのメタノール中に加えて30分間撹拌し、ろ過によって析出物であるポリイミドを回収した。この操作を3回繰り返した。
最後に、得られたポリイミド中のメタノール残渣を真空オーブンにより、120℃で8時間乾燥し、乾燥したポリイミドを得た(3.53g、収率:97.8%)。
得られたポリイミド(粉末)を、固形分濃度が12質量%となるようにGBLに溶解させた。
[3]ポリイミド溶液(ワニス)の調製及びポリイミド膜の作製
室温にて、前記ポリイミド3gを、固形分濃度が12質量%となるようにGBLに溶解し、得られたポリイミド溶液を、5μmのフィルターを用いて加圧ろ過した。
その後、ろ過したポリイミド溶液をガラス基板上に塗布し、大気下で、50℃で30分間、140℃で30分間、200℃で60分間、順次加熱し、透明のポリイミドの膜を得た。そして、得られたポリイミドの膜を機械的切断にて剥がし、評価試料とした。
上述の手順にて作製した樹脂薄膜(評価試料)の耐熱性及び光学特性、すなわち、50℃乃至200℃及び200℃乃至250℃における線熱膨張係数(CTE)、光線透過率(T400nm、T550nm)、5%重量減少温度(Td5%)、CIE b*値(黄色評価)、リタデーション(Rth、R0)並びに複屈折(Δn)に関して、下記手順に従いそれぞれ評価した。
また、上記ポリイミドの数平均分子量及び重量平均分子量についても、下記手順に従い測定した。結果を表1に示す。
1)CIE b値(CIE b*
CIE b値(CIE b*)は、日本電色工業(株)製 SA4000スペクトロメーターを用いて、室温にて、リファレンスを空気として、測定を行った。
2)光線透過率(透明性)(T400nm、T550nm
波長400nm及び550nmの光線透過率(T400nm、T550nm[%])は、(株)島津製作所 紫外可視分光光度計 UV-Visible 3600を用い、室温にて、リファレンスを空気として、測定を行った。
3)リタデーション(Rth、R0
厚さ方向リタデーション(Rth)及び面内リタデーション(R0)を、王子計測機器(株)製、KOBURA 2100ADHを用いて、室温にて測定した。
なお、厚さ方向リタデーション(Rth)及び面内リタデーション(R0)は以下の式にて算出される。
0=(Nx-Ny)×d=ΔNxy×d
th=[(Nx+Ny)/2-Nz]×d=[(ΔNxz×d)+(ΔNyz×d)/2
Nx、Ny:面内の直交する2つの屈折率(Nx>Ny、Nxを遅相軸、Nyを進相軸とも称する)
Nz:面に対して厚さ(垂直)方向の屈折率
d:膜厚
ΔNxy:面内の2つの屈折率の差(Nx-Ny)(複屈折)
ΔNxz:面内の屈折率Nxと厚さ方向の屈折率Nzの差(複屈折)
ΔNyz:面内の屈折率Nyと厚さ方向の屈折率Nzの差(複屈折)
4)線膨張係数(CTE)
各評価試料を幅5mm、長さ16mmのサイズにカットし、
これをTAインスツルメンツ社製 TMA Q400を用いて、まず10℃/minで昇温して50℃乃至300℃まで加熱(第一加熱)し、次いで10℃/minで降温して30℃まで冷却した後に、10℃/minで昇温して30℃乃至410℃まで加熱(第二加熱)した際の、第二加熱の50℃乃至200℃、並びに200℃乃至250℃における線膨張係数(CTE[ppm/℃])の値を測定することで求めた。なお、第一加熱、冷却および第二加熱を通じて、荷重0.05Nを加えた。
5)5%重量減少温度(Td5%
5%重量減少温度(Td5%[℃])は、TAインスツルメンツ社製 TGA Q500を用い、窒素中、樹脂薄膜約5乃至10mgを50乃至800℃まで10℃/minで昇温して測定することで求めた。なお、150℃における重量を重量減少0%とした。
6)膜厚
得られた樹脂薄膜の膜厚は、(株)テクロック製 シックネスゲージにて測定した。
7)面内複屈折(Δn)
前述の<3)リタデーション>により得られた厚さ方向リタデーション(Rth)の値を用い、以下の式にて算出した。
ΔN=[Rth/d(フィルム膜厚)]/1000
8)数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)
数平均分子量(以下、Mnと略す)と重量平均分子量(以下、Mwと略す)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製0.45μmのフィルタにてろ過したポリマー試料を、装置:昭和電工(株)製、Showdex GPC-101、カラム:KD803およびKD805、カラム温度:50℃、溶出溶媒:DMF、流量:1.5ml/分、検量線:標準ポリスチレン、の条件にて測定した。
Figure 0007037122000033
表1に示すように本発明の上記トリプチセン構造を有する新規なジアミンを用いて作製したポリイミド膜は、厚さ方向のリタデーションRthは800nm未満の値、面内リタデーションR0が5未満といった非常に低い値を有する結果となった。また波長400nmにおける透過率(T400nm)と波長550nmにおける透過率(T550nm)、そして50℃-200℃におけるCTE値と200℃-250℃におけるCTE値が、それぞれ異なる値となった。そしてTd5%値に示すように高い耐熱性を有することが確認された。
上記新規なジアミンは、共役系を破壊し光伝送のためのより大きな自由体積をもたらす嵩高い構造によって特異な配列方向を有すると考えられ、そしてそのことがポリイミド膜において、透過率とリタデーション(位相差)に優れた性能をもたらすと考えられる。
このように、本発明の新規な酸二無水物を用いて製造したポリイミド膜は、高い透明性(高い光線透過率)及び耐熱性、そして低いリタデーションという特性を有し、すなわちフレキシブルディスプレイ基板のベースフィルムとして必要な要件を満たすものであり、フレキシブルディスプレイ基板のベースフィルムとして特に好適に用いることができることが期待できる。

Claims (14)

  1. 式(1-1)で表されることを特徴とするジアミン。
    Figure 0007037122000034
    (式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
    及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
    a、b、d及びeは、それぞれ独立して、0~4の整数を表し、そして
    cは0~2の整数を表す。)
  2. 式(1-2)で表されるジアミンである、請求項1に記載のジアミン。
    Figure 0007037122000035
  3. 式(1-3)又は式(1-4)で表されるジアミンである、請求項2に記載のジアミン。
    Figure 0007037122000036
  4. 請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のジアミンを含むジアミン成分と、酸二無水物成分とを用いて得られるポリアミック酸。
  5. 前記ジアミン成分が、式(A1)で表されるジアミンをさらに含む、請求項4に記載のポリアミック酸。
    Figure 0007037122000037
    (式中、Bは、式(Y-1)~(Y-34)からなる群から選ばれる2価の基を表す。)
    Figure 0007037122000038
    Figure 0007037122000039
    Figure 0007037122000040
    Figure 0007037122000041
    Figure 0007037122000042
    (式中、*は結合手を表す。)
  6. 前記酸二無水物成分が、式(C1)で表される酸二無水物を含む、請求項4又は請求項
    5に記載のポリアミック酸。
    Figure 0007037122000043
    〔式中、Bは、式(X-1)~(X-12)からなる群から選ばれる4価の基を表す。
    Figure 0007037122000044
    (式中、複数のRは、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し、*は結合手を表す。)〕
  7. 請求項4乃至請求項6のうちいずれか一項に記載のポリアミック酸から得られるポリイミド。
  8. 請求項7に記載のポリイミドと、有機溶媒とを含む膜形成用組成物。
  9. 請求項8に記載の膜形成用組成物から形成される薄膜。
  10. 請求項9に記載の薄膜からなるフレキシブルデバイス用基板。
  11. 式(2-1)で表されることを特徴とするジニトロ化合物。
    Figure 0007037122000045
    (式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
    及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
    a、b、d及びeは、それぞれ独立して、0~4の整数を表し、そして
    cは0~2の整数を表す。)
  12. 式(2-2)で表されるジニトロ化合物である、請求項11に記載のジニトロ化合物。
    Figure 0007037122000046
  13. 式(2-3)又は式(2-4)で表されるジニトロ化合物である、請求項12に記載のジニトロ化合物。
    Figure 0007037122000047
  14. 式(1-1)で表されるジアミンを製造する方法であって、
    Figure 0007037122000048
    (式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数
    1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
    及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至5のアルキル基又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、
    a、b、d及びeは、それぞれ独立して、0~4の整数を表し、そして
    cは0~2の整数を表す。)
    式(2-1)で表されるジニトロ化合物のニトロ基を還元して式(1-1)で表されるジアミンを得る段階を含む、製造方法。
    Figure 0007037122000049
    (式中、R、R、R、R、R、R、R、a、b、c、d及びeは上記と同じ意味を表す。)
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