JP4980838B2 - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両の操舵装置に関し、特に車両のステアリングと操舵輪との機械的な連結を排除したステアバイワイヤ式の操舵装置に関する。
車両の乗員により操作されるステアリングと車両の操舵輪との間の機械的な連結を排除した上で、ステアリングの操舵角等をセンサにより検出し、この検出される操舵角等に基づいて操舵輪を転舵させるようにした、いわゆるステアバイワイヤ式の操舵装置が周知である。車両の操舵装置としてこうしたステアバイワイヤ式の操舵装置を採用することで、車室内のステアリングの位置や角度を自由に変更することが可能になるなど、車両設計の自由度を大きく高めることができるようになる。そして従来、この種の操舵装置としては、例えば特許文献1に記載の装置がある。
この特許文献1に記載の操舵装置にも見られるように、こうしたステアバイワイヤ式の操舵装置にあっては通常、ステアリングに操舵方向と逆方向の力を付与する反力アクチュエータを設け、この反力アクチュエータを通じて、路面状態や車両の走行状態に応じた操舵反力をステアリングに付与するようにしている。そして、同文献1に記載の操舵装置では特に、
・操舵アクチュエータとしての電動モータと駆動車輪とを連結するタイロッドの変位量、車両の速度、及びステアリングの操舵角をパラメータとした所定の演算式から上記ステアリングに付与すべき操舵反力を算出する。
・この算出した操舵反力を上記反力アクチュエータを通じてステアリングに付与する。
といった手法を採用して、上記路面状態や車両の走行状態に応じたステアリングの操舵感覚を再現するようにしている。これにより、ステアバイワイヤ式とはいえ、ステアリングと車両の操舵輪とが機械的に連結された、いわゆるリンク式の操舵装置に近い操舵感覚が得られるようになり、ステアリングを操作する乗員にとっても、その違和感等は好適に解消されるようになる。
特開平10−226346号公報
このように、反力アクチュエータを通じて、路面状態や車両の走行状態に応じた操舵反力をステアリングに付与するようにすることで、ステアバイワイヤ式の操舵装置であってもリンク式の操舵装置に近い操舵感覚が得られるようになる。ただし、この特許文献1に記載のステアバイワイヤ式の操舵装置をはじめ、従来一般のステアバイワイヤ式の操舵装置では通常、車両のキースイッチがオフとされた時点で、エンジンが停止されるとともに上記反力アクチュエータを含む車載機器への電力供給が停止される。すなわち、車両のエンジンや車載機器への電力供給が停止に至って以降はステアリングに反力が付与されなくなり、ステアリングが軽い力で回転するようになる。このため、ステアリングを支えとして乗車あるいは降車する乗員(運転者)にとってはその利便性が大きく損なわれることともなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ステアバイワイヤ式の車両構造をとりながら、乗車時あるいは降車時におけるステアリングの利便性を効率よく維持することのできる車両の操舵装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両の操舵輪との機械的な連結が排除されたステアリングの操舵角を検出し、この検出される操舵角に基づいて前記操舵輪を転蛇させる車両の操舵装置において、前記車両の乗員による車室外から車室内への移動もしくは車室内から車室外への移動に伴う操作が検知されている期間内に前記ステアリングに外力が加えられたことが検知されるとき、前記乗員の移動に伴う操作が検知されている期間に限って、前記ステアリングを回転不能に固定するようにしたことを要旨としている。
また、請求項2に記載の発明は、車両の操舵輪との機械的な連結が排除されたステアリングの操舵角を検出し、この検出される操舵角に基づいて前記操舵輪を転蛇させる車両の操舵装置において、前記車両の乗員による車室外から車室内への移動もしくは車室内から車室外への移動に伴う操作が検知されている期間内に前記ステアリングに外力が加えられたことが検知されるとき、前記乗員の移動に伴う操作が検知されている期間、もしくは予め設定された解除条件が満たされる期間に限って、前記ステアリングを回転不能に固定するようにしたことを要旨としている。
これらの構成によれば、乗員が車両に乗車しようとして車室外から車室内へ移動する際に、あるいは車両から降車しようとして車室内から車室外へ移動する際に、それら移動に伴う操作、すなわち移動に伴って車両に施される操作が検知されている期間内にステアリングに外力が加えられるようなことがあると、ステアリングが回転不能に固定されるようになる。このため、たとえステアバイワイヤ式の操舵装置であれ、乗車時あるいは降車時に乗員がステアリングを支えとして掴むなどした時点で同ステアリングが固定されるようになり、こうした乗降時におけるステアリングの利便性が好適に維持されるようになる。しかも同構成によれば、こうしてステアリングが回転不能に固定されても、こうした状態が維持される期間は、
・乗員の移動に伴う操作が検知されている期間。あるいは、
・同じく乗員の移動に伴う操作が検知されている期間、もしくは予め設定された解除条件が満たされる期間。
に限られるため、ステアリングの固定に必要とされる電力消費を最小限に抑えることができるようにもなる。すなわち、バッテリの負担を軽減した効率のよい利便性の確保が可能となる。
なお、上記乗員による車室外から車室内への移動に伴う操作、特にその開始操作としては、例えば、
(a1)運転席のドアを閉状態から開状態とする操作。
(a2)運転席のドアをアンロックする操作。
(a3)運転席のドアをアンロックすべくアウトサイドドアハンドルを把持する、もしくはこれに触れる操作。
(a4)車両と電子キーとの間の無線通信を通じて車両の各種制御を実行する電子キーシステムを搭載し、この車両の各種制御として車両ドアの周辺に設定された通信エリアへの電子キーの進入を検知した際に車両ドアをアンロックするアンロック制御を実行する車両にあっては、乗員が電子キーを携帯して上記通信エリアに進入する操作。
等々、のいずれかがあり、また、同じく乗員による車室外から車室内への移動に伴う操作の特に終了操作としては、例えば、
(b1)運転席のドアを開状態から閉状態とする操作。
(b2)乗員が運転席に着座する操作(動作)。
(b3)車両のキーシリンダにキーを挿入する操作。
等々、のいずれかがある。すなわちこの場合、同移動(乗車)に伴う操作が検知されている期間とは、上記(a1)〜(a4)のいずれかが検知されてから上記(b1)〜(b3)のいずれかが検知されるまでの期間となる。
一方、上記乗員による車室内から車室外への移動に伴う操作、特にその開始操作としては、例えば、
(c1)運転席のドアを閉状態から開状態とする操作。
(c2)運転席のドアをアンロックする操作。
(c3)車両のキースイッチをオンからオフとする操作。
(c4)車両の変速機のシフトレバーのポジションをパーキングポジションへと変更する操作。
(c5)車両のパーキングブレーキにより車輪をロックさせる操作。
等々、のいずれかがあり、また、同じく乗員による車室内から車室外への移動に伴う操作の特に終了操作としては、例えば、
(d1)運転席のドアを開状態から閉状態とする操作。
(d2)運転席のドアをロックする操作。
(d3)運転席のドアをロックすべくアウトサイドハンドルを把持する、もしくはこれに触れる操作。
(d4)車両と電子キーとの間の無線通信を通じて車両の各種制御を実行する電子キーシステムを搭載し、この車両の各種制御として車両ドアの周辺に設定された通信エリアへの電子キーの進入を検知した際に車両ドアをアンロックするアンロック制御を実行する車両にあっては、乗員が電子キーを携帯して上記通信エリアから退出する操作。
等々、のいずれかがある。すなわちこの場合、同移動(降車)に伴う操作が検知されている期間とは、上記(c1)〜(c5)のいずれかが検知されてから上記(d1)〜(d4)のいずれかが検知されるまでの期間となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両の操舵装置において、前記ステアリングにその操舵方向と逆向きの力を操舵反力として付与する反力アクチュエータを備え、前記ステアリングの固定が、この反力アクチュエータからステアリングへの反力の付与として行われることを要旨としている。
前述のように、ステアバイワイヤ式の操舵装置にあっては通常、ステアリングに操舵方向と逆方向の力を付与する反力アクチュエータが設けられている。このため、同構成によるように、この反力アクチュエータを利用してステアリングの固定を行うようにすれば、ステアリングを固定するための装置を新たに設ける必要がなくなることから、請求項1または2に記載の車両の操舵装置の実現も容易となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の操舵装置において、前記ステアリングの固定の解除が、同固定にかかる力の漸減処理として行われることを要旨としている。
特に乗員の乗車時、上記車室外から車室内への移動に伴う操作が検知されている期間が経過した後、すぐにステアリングの固定を解除するようにすると、たとえば同期間が経過したときに乗員がステアリングを把持していたような場合に、乗員はステアリングの操舵感が突然軽くなったと感じ、違和感を覚えるおそれがある。この点、同構成によるように、上記固定にかかる力を漸減しつつステアリングの固定を解除するようにすれば、ステアリングの操舵感が突然軽くなるようなことはなくなるため、こうした違和感を解消することができるようになる。
本発明にかかる車両の操舵装置によれば、ステアバイワイヤ式の車両構造をとりながら、乗車時あるいは降車時における支えとしてのステアリングの利便性を効率よく維持することができるようになる。
以下、本発明にかかる車両の操舵装置の一実施形態について図1〜図4を参照して説明する。はじめに、図1を参照して、この実施形態にかかる操舵装置の概要について説明する。
同図1に示されるように、ステアバイワイヤ式であるこの操舵装置では、乗員(運転者)によって操作されるステアリング11と車両の操舵輪31との間の機械的な連結が排除されており、乗員によって操作されるステアリング11の操作量がまずは操舵機構10に設けられるセンサを通じて検出される。そして、この検出されるステアリング11の操作量や各種車両情報に基づき制御部20を通じて転舵機構30の駆動量が算出され、この算出された駆動量に基づいて操舵輪31が転舵される。
ここで、上記ステアリング11は、乗員が把持する部分であるステアリングホイール11aと、このステアリングホイール11aにその回転軸として取り付けられるステアリングシャフト11bとから構成されている。そして、操舵機構10には、このステアリングシャフト11bにその回転角、すなわちステアリング11の操舵角θを検出するための舵角センサ13、及び同シャフト11bに働くトルク、すなわち乗員がステアリングホイール11aに付与する操舵トルクTθを検出するためのトルクセンサ14がそれぞれ設けられている。また同操舵機構10には、ステアリングホイール11aの操作方向、すなわち回転方向と逆向きのトルクをステアリングシャフト11bに付与する反力アクチュエータ12が設けられている。この反力アクチュエータ12は、永久磁石からなって上記ステアリングシャフト11bの基端側の部分に固定して設けられるロータ12aと、通電可能なコイルからなってこのロータ12aと所定の間隙を隔ててこれを取り囲むステータ12bとにより構成される、いわゆるブラシレスモータからなる。すなわち、この反力アクチュエータ12は、ステータ12bに供給される電力に応じた電磁力をロータ12aに作用させることによってステアリングシャフト11bに操舵力となる上記トルクを付与するように機能する。
また、上記制御部20には、当該操舵装置を搭載する車両の運転状態を検出するための各種センサが設けられている。すなわちここでは、車両の速度を検出するための車速センサ21、及び車両のドア(ここでは主に運転席のドア)の開閉を検出する車両ドア開閉センサ22等が設けられている。そして、操舵機構10に設けられている上記舵角センサ13、トルクセンサ14をはじめとするこれら各センサ21,22の検出信号は、マイクロコンピュータを中心に構成されて上記反力アクチュエータ12や転舵機構30の各種制御を司る制御装置23に入力される。この制御装置23は、基本的に上記各センサ13,14,21の出力に基づいて操舵機構10の上記反力アクチュエータ12による操舵反力の付与態様を制御するとともに、上記舵角センサ13の出力に基づいて操舵輪31の舵角を求め、この求めた舵角に基づき転舵機構30を駆動して操舵輪31の転舵角度を制御する部分である。
そして、上記転舵機構30は、この制御装置23による制御のもとに操舵輪31を実際に転舵する部分であり、この転舵機構30には上記操舵機構10で検出されたステアリングシャフト11bの操作量に基づき駆動力を発生する転舵アクチュエータ32が設けられている。この転舵アクチュエータ32は、タイロッド33とナックルアーム34とをそれぞれ介して操舵輪31に連結されており、上記制御装置23からの指令に基づきタイロッド33をスライド駆動させることによって操舵輪31を指令された角度だけ転舵させる。
ところで、こうしたステアバイワイヤ式の操舵装置では通常、車両のキースイッチ41がオフとされた時点で、エンジンが停止されるとともに、車両のバッテリ40からの反力アクチュエータ12や転舵アクチュエータ32等への電力供給も停止される。すなわち、こうして電力供給が停止されて以降は、反力アクチュエータ12からステアリング11への反力の付与が行われなくなるため、ステアリング11が軽い力で回転するようになる。このため、車両の乗員が車両のキースイッチ41をオフ操作した後に運転席のドアを開けて車両から降車しようとする際に、あるいはその後に戻って車両に乗車しようとする際に、ステアリング11を支えとすることができず、その利便性が大きく損なわれるといった懸念がある。
そこで、本実施形態の操舵装置では、乗員の乗車、あるいは降車にかかる操作が検知されている期間内にステアリング11に外力が加えられたことが検知されることを条件に、制御装置23及び反力アクチュエータ12を通じてステアリング11を回転不能に固定するようにしている。
そして、ここでは特に、乗員が車両に乗車する際、あるいは車両から降車する際には運転席のドアが乗員により開閉されることに着目して、乗員の乗車、すなわち乗員による車室外から車室内への移動に伴う操作の開始/終了、及び乗員の降車、すなわち乗員による車室内から車室外への移動に伴う操作の開始/終了を運転席のドアの開閉の有無に基づき判断することとしている。具体的には、
・運転席のドアが閉状態から開状態となった旨が車両ドア開閉センサ22によって検知されたとき、制御装置23は乗員による車両への乗車にかかる操作、あるいは車両からの降車にかかる操作が開始された旨を判断する。
・逆に、運転席のドアが開状態から閉状態となった旨が同じく車両ドア開閉センサ22によって検知されたとき、制御装置23は乗員による車両への乗車にかかる操作、あるいは車両からの降車にかかる操作が終了した旨を判断する。
といった態様で、車両の乗員による車室外から車室内への移動もしくは車室内から車室外への移動に伴う操作が検知されている期間を判断する。すなわち、乗員による車両への乗車、あるいは車両からの降車にかかる開始操作として運転席のドアが閉状態から開状態とされる操作を採用するとともに、その終了操作として運転席のドアが開状態から閉状態とされる操作を採用するようにしている。
一方、制御装置23は、上記ステアリング11に外力が加えられたか否かを、上記舵角センサ13を通じて検出されるステアリング11の操舵角θの変化に基づいて判定する。
そして、同ステアリング11に外力が加えられた旨が判定される場合、制御装置23は、ステアリング11の操舵角θが元の位置(角度)に維持されるように上記反力アクチュエータ12の駆動を制御することで、ステアリング11を回転不能に固定する。
図2は、こうした乗員の車両への乗車、あるいは車両からの降車に際して上記制御装置23を通じて実行されるステアリング制御についてその処理手順をフローチャートとして示したものである。
同図2に示されるように、このステアリング制御では、はじめに、上記車両ドア開閉センサ22の出力に基づき、運転席のドアを閉状態から開状態とする操作が検知されたか否かが判断される(ステップS1)。すなわち、このステップS1の判断処理を通じて、乗員による車室外から車室内への移動(乗車)もしくは車室内から車室外への移動(降車)に伴う操作が開始されたか否かが判断される。
そして、運転席のドアを閉状態から開状態とする操作が検知された旨が判断された場合には(ステップS1:YES)、舵角センサ13により検出されているステアリング11の操舵角θに変化が生じたか否かか判断される(ステップS2)。ちなみに、このステップS2の処理において、ステアリング11の操舵角θに変化が生じていない旨(ステップS2:NO)が判断されている期間内にステップS3において運転席のドアを開状態から閉状態とする操作が検知された場合(ステップS3:YES)、このステアリング制御にかかる処理はそのまま終了される。
一方、ステップS3において運転席のドアを開状態から閉状態とする操作が検知される以前に(ステップS3:NO)、上記ステアリング11の操舵角θに変化が生じた旨が判断された場合には(ステップS2:YES)、反力アクチュエータ12を通じてステアリング11を上述の態様で固定する処理が実行される(ステップS4)。そしてこの場合には、続くステップS5の処理として、ステアリング11の固定を開始してから一定時間が経過したか否かが判断される。具体的には、制御装置23の内部タイマを通じてステアリング11の固定を開始した時点からの経過時間Tが計測されるとともに、この経過時間Tが所定時間T1以上となったことに基づいて、ステアリング11の固定を開始してから一定時間が経過した旨が判断される。またこのとき、ステップS6において運転席のドアを開状態から閉状態とする操作が併せて監視されており、上記ステップS4のステアリング11の固定処理は、ステアリング11の固定を開始してから一定時間が経過しておらず(ステップS5:NO)、かつ運転席のドアを開状態から閉状態とする操作が検知されない期間(ステップS6:NO)に限って維持される。そして、上記一定時間が経過したこと(ステップS5:YES)、あるいは運転席のドアを開状態から閉状態とする操作が検知されたこと(ステップS6:YES)のいずれかの条件が満たされた時点で、ステップS7の処理としてステアリング11の固定が漸次解除される。
このステップS7の固定解除処理では、ステアリング11を固定するために上記反力アクチュエータ12からステアリング11に付与する反力を徐々に弱めていき、最終的にはこの反力を「0」にするといった処理が行われる。ちなみに、たとえば運転席のドアを開状態から閉状態とする操作が検知された時点ですぐにステアリングの固定を解除したとすると、仮に乗員がステアリング11を掴むなどしていた場合に、ステアリング11の操舵感が突然軽くなったと感じ、違和感を覚えるおそれがある。これに対し、このステアリング固定処理では、運転席のドアを開状態から閉状態とする操作が検知された時刻t13から時刻t14にかけてステアリング11の固定が漸次解除されるため、ステアリングの操舵感が突然軽くなるようなことがなくなり、こうした違和感が解消されるようになる。
図3及び図4は、制御装置23によるこうしたステアリング制御に基づく当該操舵装置の動作例をそれぞれタイミングチャートとして示したものであり、以下、これら図3及び図4を参照して、同操舵装置としての動作をさらに詳述する。なお、これらの例はいずれも、運転席のドアを開状態から閉状態とする操作が検知される以前にステアリング11の操舵角θが変化した、すなわち乗員がステアリング11を支えとして乗車もしくは降車した場合の動作例を示している。
例えばいま、乗員が車両に乗車しようとして、時刻t11で運転席のドアを開けたとすると、図3(A)に示されるように、車両ドア開閉センサ22を通じて運転席のドアを閉状態から開状態とした操作が検知される。すなわち、この時刻t11をもって、乗員による車室外から車室内への移動に伴う操作が開始された旨が判断される。そして、この時刻t11以降、ステアリング11の操舵角θの変化、すなわち乗員がステアリング11を支えとして掴むなどの行為を行っているか否かが監視される。
その後、図3(B)に示されるように、時刻t12に、乗員がステアリング11を掴むなどによりステアリング11の操舵角θに変化が生じたとすると、図3(C)に示されるように、同時刻t12をもってステアリング11の固定が開始される。すなわち、運転席のドアが閉状態から開状態となったことの検知、及びステアリング11の操舵角θに変化が生じたことの検知の論理積条件としてステアリング11が回転不能に固定される。これにより、乗員が車両へ乗車しようとするときに、違和感なくステアリング11を支えとすることができるようになる。
そして、こうしてステアリング11の固定が開始されると、同時刻t12から図3(D)に示される態様にて上記経過時間Tの計測が開始される。ただし、この図3の例では、計測される経過時間Tが上記所定時間T1に達する以前の時刻t13にて、乗員が運転席のドアを閉めたとする。この場合、上記車両ドア開閉センサ22を通じて運転席のドアを開状態から閉状態とした操作が検知され(図3(A))、同時刻t13をもって上記経過時間Tがリセットされるとともに(図3(D))、上記ステアリング11の固定が同時刻t13から時刻t14にかけて漸次解除される(図3(C))。これにより上述のように、ステアリングの操舵感が突然軽くなるようなことがなくなり、乗員の違和感が解消されるようになる。なお、ここでは乗員の乗車時を例に挙げて説明したが、乗員の降車時にも同様に、運転席のドアが閉状態から開状態となったことの検知、及びステアリング11の操舵角θに変化が生じたことの検知の論理積条件が満たされれば、ステアリング11が回転不能に固定され、これを支えとして降車することができるようになる。
一方、図4に示されるように、例えばいま、乗員がその乗車に際し、時刻t21で運転席のドアを開けた後(図4(A))、時刻t22でステアリング11を支えとして掴むなどの行為を行いつつ運転席に着座したとする。すなわちこの場合も、図4(B)に示されるように、時刻t22をもってステアリング11の操舵角θの変化が検知されることとなる。したがってこのときも、図4(C)に示されるように、運転席のドアが閉状態から開状態となったことの検知、及びステアリング11の操舵角θに変化が生じたことの検知の論理積条件が満たされる時刻t22をもって、ステアリング11の固定が開始されるとともに、図4(D)に示される態様にて、経過時間Tの計測が開始される。ただしここでは、乗員による運転席ドアの閉じ操作が遅れ、該閉じ操作が検知される以前に、時刻t23にて、この計測される経過時間Tが上記所定時間T1に達したとする。すなわちこの場合には、運転席ドアが開状態から閉状態となったことの検知を待つことなく、この時刻t23から時刻t24にかけて、ステアリング11の固定が漸次解除されるようになる。なお、こうした処理も、乗員の乗車時に限らず、降車時にも同様に実行される。また、図3の例も含めて、上記所定時間T1としては、乗員の通常の乗車もしくは降車に際し、ステアリング11を支えとして利用する場合に必要とされるであろう十分な時間が経験値として設定されている。さらに、上記ステアリング11の固定が漸次解除される時間、すなわち固定にかかる力の漸減処理に要する時間(時刻t13〜t14、時刻t23〜t24)も、同固定にかかる力の解除に際して乗員が違和感を覚えない程度の時間として経験的に設定されている。
ステアリング制御として、このような処理が行われることにより、乗員の乗車時あるいは降車時におけるステアリング11の利便性が好適に維持されるようになるとともに、上記反力アクチュエータ12によりステアリング11を固定する際に必要とされるバッテリ40の消費電力も最小限に抑えられるようになる。
以上説明したように、本実施形態かかる車両の操舵装置によれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)運転席のドアを閉状態から開状態とする操作が検知されてから、同じく運転席のドアを開状態から閉状態とする操作が検知されるまでの期間内にステアリング11の操舵角θに変化がきたしたことが検知されたとき、すなわち同期間内に乗員がステアリング11を支えとして掴むなどした時点でステアリング11を固定するようにした。これにより、たとえステアバイワイヤ式の操舵装置であれ、乗員の乗降時におけるステアリング11の利便性が好適に維持されるようになる。
(2)こうしたステアリング11の固定を、運転席のドアを閉状態から開状態とする操作が検知されてから同じく運転席のドアを開状態から閉状態とする操作が検知されるまでの期間、もしくはステアリング11の固定を開始してから所定時間T1が経過するまでの期間に限り実行するようにした。これにより、ステアリング11の固定に必要とされる反力アクチュエータ12の消費電力を最小限に抑えることができるようになる。すなわち、バッテリ40の負担を軽減した効率のよい利便性の確保が可能となる。
(3)ステアリング11の固定を解除する際、反力アクチュエータ12からステアリング11に作用させる力を漸減するようにした。これにより、ステアリング11の操舵感が突然軽くなるようなことはなくなるため、乗員が感じる違和感を解消することができるようになる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、上記ステアリング11に外力が加えられているか否かを判定する方法として、ステアリング11の操舵角θの変化量に基づき判定する方法を例示した。これに代えて、例えば図5に示すようなステアリングホイール11aを撮像対象として含むカメラを車室内に設け、このカメラを通じて逐次取得されるステアリングホイール11aの画像データに基づき上記ステアリング11が動いたと判断されるとき、ステアリング11に外力が加えられた旨を判定するようにしてもよい。具体的には、カメラを通じて逐次取得される画像データを所要に処理しつつ、図5に示すステアリングホイール11aのうち、例えば乗員の把持する部分であるグリップ部11cと車両のホーンスイッチが設けられるパッド部11dとを連結するスポーク部11eの動きを監視する。そして、このスポーク部11eが実線で示す位置から二点鎖線で示す位置に変化したことを検知した時点で上記ステアリング11が動いたと判断して、上記ステアリング11に外力が加えられたと判定する。なお、この際の動きの検知対象は、上記スポーク部11eに限らず、ステアリング11に予め付した適宜のマーク等であってもよい。
・上記実施形態あるいは上記例のように、ステアリング11が実際に動いたことを検知した際に上記ステアリング11に外力が加えられたと判定する方法の他、例えばステアリングホイール11aに乗員が触れたと判断されるとき、ステアリング11に外力が加えられたと判定するようにしてもよい。具体的には、図6に示すように、例えばステアリングホイール11aのグリップ部11cの内部に同グリップ部11cの外周の静電容量を検出する静電容量センサ50を設ける。そして、この静電容量センサ50を通じて乗員の静電容量Ctが検出されるとき、すなわち合成静電容量が変化したときに上記ステアリング11に乗員が触れたと判断して、上記ステアリング11に外力が加えられたと判定する。
・上記実施形態では、ステアリング11の操舵角θが元の位置(角度)に維持されるように反力アクチュエータ12を駆動させることでステアリング11を擬似的に固定するようにしたが、ステアリング11をいわば機械的に固定するようにしてもよい。具体的には、図7に示すように、ステアリングシャフト11bの外周に、ステアリングシャフト11bの外径よりも若干大きい内径を有するとともに、切り欠き60aが形成された筒状のロック部60を設ける。そして、上記固定時には、ソレノイド等の電磁アクチュエータによりこのロック部60の内径が縮小する方向にロック部60を弾性変形させ、このときロック部60とステアリングシャフト11bとの間に発生する摩擦力を利用してステアリング11を固定する。
・上記実施形態では、乗員による車室外から車室内、あるいは車室内から車室外への移動に伴う操作の開始操作として、
(a1)運転席のドアを閉状態から開状態とする操作。
が行われたことを検知するようにしたが、これ以外にも、例えば乗員の乗車時(車室外から車室内への移動時)であれば、
(a2)運転席のドアをアンロックする操作。
(a3)運転席のドアをアンロックすべくアウトサイドドアハンドルを把持する、もしくはこれに触れる操作。
(a4)車両と電子キーとの間の無線通信を通じて車両の各種制御を実行する電子キーシステムを搭載し、この車両の各種制御として車両ドアの周辺に設定された通信エリアへの電子キーの進入を検知した際に車両ドアをアンロックするアンロック制御を実行する車両にあっては、乗員が電子キーを携帯して上記通信エリアに進入する操作。
等々のいずれかの操作を開始操作としてこれを検知するようにしてもよい。そしてこうした移動にかかる終了操作としても、
(b1)運転席のドアを開状態から閉状態とする操作。
の他、特に乗員の乗車時であれば、
(b2)乗員が運転席に着座する操作(動作)。
(b3)車両のキーシリンダにキーを挿入する操作。
等々のいずれかの操作を終了操作としてこれを検知するようにしてもよい。すなわちこの場合、この移動(乗車)に伴う操作が検知されている期間とは、上記(a1)〜(a4)のいずれかが検知されてから上記(b1)〜(b3)のいずれかが検知されるまでの期間となる。
・上記実施形態では、同じく乗員の移動に伴う操作の開始操作として、乗員の降車時(車室内から車室外への移動時)にも、
(c1)運転席のドアを閉状態から開状態とする操作。
が行われたことを検知するようにしたが、こうした降車時であれば、他にも、
(c2)運転席のドアをアンロックする操作。
(c3)車両のキースイッチをオンからオフとする操作。
(c4)車両の変速機のシフトレバーのポジションをパーキングポジションへと変更する操作。
(c5)車両のパーキングブレーキにより車輪をロックさせる操作。
等々のいずれかの操作を開始操作としてこれを検知するようにしてもよい。そして、こうした移動にかかる終了操作としても、
(d1)運転席のドアを開状態から閉状態とする操作。
の他、特に乗員の降車時であれば、
(d2)運転席のドアをロックする操作。
(d3)運転席のドアをロックすべくアウトサイドハンドルを把持する、もしくはこれに触れる操作。
(d4)車両と電子キーとの間の無線通信を通じて車両の各種制御を実行する電子キーシステムを搭載し、この車両の各種制御として車両ドアの周辺に設定された通信エリアへの電子キーの進入を検知した際に車両ドアをアンロックするアンロック制御を実行する車両にあっては、乗員が電子キーを携帯して上記通信エリアから退出する操作。
等々のいずれかの操作を終了操作としてこれを検知するようにしてもよい。すなわちこの場合、この移動(降車)に伴う操作が検知されている期間とは、上記(c1)〜(c5)のいずれかが検知されてから上記(d1)〜(d4)のいずれかが検知されるまでの期間となる。なお、ここで、上記降車時の開始操作としては、上記(c1)〜(c5)の他、
(c6)車両の速度を所定回転速度から0km/hと減速する操作。
(c7)車両のエンジンの回転速度を所定の回転速度から0rpmへと減速する操作。
等々の操作を含めるようにしてもよい。またこれらの場合、図2のステップS3に対応する移動終了操作の判断処理とステップS6に対応する移動終了操作の判断処理とで上記(b1)〜(b3)のいずれかと上記(d1)〜(d4)のいずれかとの各異なる操作を検知対象とするようにしてもよい。
・上記実施形態では、ステアリング11の固定を解除するにあたり、同固定にかかる力を漸減する処理を実行するようにしたが、例えば乗員の降車時にあっては運転席ドアを閉めた時点で乗員によるステアリング11を支えとする動作は行われない。このため、こうした降車時であることを判別可能であれば、その判断に基づいてこうした固定にかかる力の漸減処理を割愛するようにしてもよい。
・上記実施形態では、ステアリング11の固定が開始されてから所定時間T1が経過したときにステアリング11の固定を解除するようにした。これに代えて、舵角センサ13によるステアリング11の操舵角θの変化の検知回数が所定回数以上となったとき、あるいは先の図5に例示したステアリング11の動き検出することが可能な操舵装置であれば、ステアリング11が動いたことの検知回数が所定回数以上となったときにステアリング11の固定を解除するようにしてもよい。また、先の図6に例示した乗員によるステアリング11への接触を検知することが可能な操舵装置であれば、乗員によるステアリング11への接触検知回数が所定回数以上となったときにステアリング11の固定を解除するようにしてもよい。
・上記実施形態では、運転席のドアを開状態から閉状態とする操作等の終了操作が検知されたときと、ステアリング11の固定が開始されてから所定時間T1が経過したときとのいわば論理和条件のもとにステアリング11の固定を解除する処理を実行するようにした。これに代えて、上記運転席のドアを開状態から閉状態とする操作等の終了操作が検知されたときに限って、同固定を解除する処理が実行されるようにしてもよい。すなわち、乗員の移動に伴う操作が検知されている期間に限って、ステアリング11を回転不能に固定するようにしてもよい。
(付記)
次に、上記実施形態及びその変形例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両の操舵装置において、前記乗員による車室外から車室内への移動に伴う操作について、その開始操作が、
(a1)運転席のドアを閉状態から開状態とする操作。
(a2)運転席のドアをアンロックする操作。
(a3)運転席のドアをアンロックすべくアウトサイドドアハンドルを把持する、もしくはこれに触れる操作。
(a4)車両と電子キーとの間の無線通信を通じて車両の各種制御を実行する電子キーシステムを搭載し、この車両の各種制御として車両ドアの周辺に設定された通信エリアへの前記電子キーの進入を検知した際に前記車両ドアをアンロックするアンロック制御を実行する車両にあっては、乗員が前記電子キーを携帯して前記通信エリアに進入する操作。
のいずれかからなり、その終了操作が、
(b1)運転席のドアを開状態から閉状態とする操作。
(b2)乗員が運転席に着座する操作。
(b3)車両のキーシリンダにキーを挿入する操作。
のいずれかからなることを特徴とする車両の操舵装置。同構成によるように、乗員による車室外から車室内への移動に伴う操作の開始操作として上記(a1)〜(a4)のいずれか、且つ終了操作として上記(b1)〜(b3)のいずれかを検知対象とすることで、特に乗員による車室外から車室内への移動に伴う操作が検知されている期間を的確に認識することが可能となる。
(ロ)請求項1〜4、もしくは付記イのいずれか一項に記載の車両の操舵装置において、前記乗員による車室内から車室外への移動に伴う操作について、その開始操作が、
(c1)運転席のドアを閉状態から開状態とする操作。
(c2)運転席のドアをアンロックする操作。
(c3)車両のキースイッチをオンからオフとする操作。
(c4)車両の変速機のシフトレバーのポジションをパーキングポジションへと変更する操作。
(c5)車両のパーキングブレーキにより車輪をロックさせる操作。
のいずれかからなり、その終了操作が、
(d1)運転席のドアを開状態から閉状態とする操作。
(d2)運転席のドアをロックする操作。
(d3)運転席のドアをロックすべくアウトサイドハンドルを把持する、もしくはこれに触れる操作。
(d4)車両と電子キーとの間の無線通信を通じて車両の各種制御を実行する電子キーシステムを搭載し、この車両の各種制御として車両ドアの周辺に設定された通信エリアへの前記電子キーの進入を検知した際に前記車両ドアをアンロックするアンロック制御を実行する車両にあっては、乗員が前記電子キーを携帯して上記通信エリアから退出する操作。
のいずれかからなることを特徴とする車両の操舵装置。同構成によるように、乗員による車室内から車室外への移動に伴う操作の開始操作として上記(c1)〜(c5)のいずれか、且つ終了操作として上記(d1)〜(d4)のいずれかを検知対象とすることで、特に乗員による車室内から車室外への移動に伴う操作が検知されている期間を的確に認識することが可能となる。
(ハ)請求項2に記載の車両の操舵装置において、前記予め設定された解除条件が、ステアリング11の固定を開始した時点からの経過時間が所定時間以上となることであることを特徴とする車両の操舵装置。具体的には、同構成によるように、予め設定された解除条件としては、ステアリング11の固定を開始した時点からの経過時間が所定時間以上となることを条件とすることができる。
(ニ)請求項2に記載の車両の操舵装置において、前記予め設定された解除条件が、
(e1)前記ステアリングの操舵角の変化の検知回数が所定回数以上となること。
(e2)前記ステアリングが動いたことの検知回数が所定回数以上となること。
(e3)前記車両の乗員による前記ステアリングへの接触回数が所定回数以上となること。
のいずれかの条件からなることを特徴とする車両の操舵装置。具体的には、同構成によるように、予め設定された解除条件としては、
(e1)ステアリングの操舵角の変化の検知回数が所定回数以上となったこと。
(e2)ステアリングが動いたことの検知回数が所定回数以上となったこと。
(e3)車両の乗員による前記ステアリングへの接触回数が所定回数以上となったこと。
のいずれかの条件とすることができる。
本発明にかかる車両の操舵装置の一実施形態についてその概略の構成を模式的に示すブロック図。 同実施形態の操舵装置によるステアリング制御についてその処理手順を示すフローチャート。 (A)〜(D)は、図2に示したステアリング制御に基づく同実施形態の操舵装置としての動作例を示すタイミングチャート。 (A)〜(D)は、図2に示したステアリング制御に基づく同実施形態の操舵装置としての動作例を示すタイミングチャート。 同実施形態の操舵装置におけるステアリングに外力が加えられたことを検知する手段の変形例を示す平面略図。 同実施形態の操舵装置におけるステアリングに外力が加えられたことを検知する手段の他の変形例を示す平面略図。 同実施形態の操舵装置におけるステアリングを回転不能に固定する手段の変形例を示す略図。
符号の説明
10…操舵機構、11…ステアリング、11a…ステアリングホイール、11b…ステアリングシャフト、11b…シャフト、11c…グリップ部、11d…パッド部、11e…スポーク部、12…反力アクチュエータ、12a…ロータ、12b…ステータ、13…舵角センサ、14…トルクセンサ、20…制御部、21…車速センサ、22…車両ドア開閉センサ、23…制御装置、30…転舵機構、31…操舵輪、32…転舵アクチュエータ、33…タイロッド、34…ナックルアーム、40…バッテリ、41…キースイッチ、50…静電容量センサ、60…ロック部、60a…切り欠き。

Claims (4)

  1. 車両の操舵輪との機械的な連結が排除されたステアリングの操舵角を検出し、この検出される操舵角に基づいて前記操舵輪を転蛇させる車両の操舵装置において、
    前記車両の乗員による車室外から車室内への移動もしくは車室内から車室外への移動に伴う操作が検知されている期間内に前記ステアリングに外力が加えられたことが検知されるとき、前記乗員の移動に伴う操作が検知されている期間に限って、前記ステアリングを回転不能に固定するようにした
    ことを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 車両の操舵輪との機械的な連結が排除されたステアリングの操舵角を検出し、この検出される操舵角に基づいて前記操舵輪を転蛇させる車両の操舵装置において、
    前記車両の乗員による車室外から車室内への移動もしくは車室内から車室外への移動に伴う操作が検知されている期間内に前記ステアリングに外力が加えられたことが検知されるとき、前記乗員の移動に伴う操作が検知されている期間、もしくは予め設定された解除条件が満たされる期間に限って、前記ステアリングを回転不能に固定するようにした
    ことを特徴とする車両の操舵装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両の操舵装置において、
    前記ステアリングにその操舵方向と逆向きの力を操舵反力として付与する反力アクチュエータを備え、前記ステアリングの固定が、この反力アクチュエータからステアリングへの反力の付与として行われる
    ことを特徴とする車両の操舵装置。
  4. 前記ステアリングの固定の解除が、同固定にかかる力の漸減処理として行われる
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の操舵装置。
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