JP4539026B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者により行われるステアリングホイール等の操舵部材の操作に応じて車両を操舵せしめるための車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の操舵は、車室の内部において運転者によりなされる操舵部材の操作(一般的にはステアリングホイールの回転操作)を、操舵用の車輪(一般的には左右の前輪)の操舵のために車室の外部に配した舵取機構に伝えて行われる。
【0003】
このような車両用操舵装置として、近年、車室内部の操舵部材を車室外部の舵取機構から機械的に分離して配すると共に、舵取機構の一部に操舵アクチュエータを付設し、該操舵アクチュエータを、前記操舵部材の操作方向及び操作量の検出結果に基づいて動作させ、舵取機構に操舵力を加えて前記操舵部材の操作に応じた操舵を行わせる構成とした分離式の操舵装置、所謂、ステアバイワイヤ式の操舵装置が開発されつつある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この種の分離式の操舵装置は、操舵部材の操作量と舵取機構の動作量との対応関係を機械的な制約を受けずに自在に変更することができ、車速の高低、旋回程度、加減速の有無等、走行状態に応じた操舵特性の変更制御に柔軟に対応し得る上、車室内部の操舵部材を操作する運転者の足回り空間の確保が容易であり、アクセル操作、ブレーキ操作等、操舵以外の運転操作性の向上を図り得るという利点を有しており、自動車技術の発展のために有用なものとして注目されている。なお、前記操舵アクチュエータとしては、操舵特性の変更制御の容易性を考慮して、一般的に電動モータが用いられている。
【0005】
一方、このような分離式の操舵装置においては、操舵アクチュエータ、走行状態を検出する各種のセンサ、及びこれらのセンサの検出結果に基づいて前記操舵アクチュエータを制御する操舵制御部のフェイルセーフ対策が必要であり、操舵部材の操作に応じて回転する入力側部材と舵取機構の動作に連動回転する出力側部材との間に、電磁クラッチ、噛み合いクラッチ等のクラッチ手段を介装し、このクラッチ手段をフェイル発生時に係合動作させ、操舵部材の操作力を舵取機構に機械的に伝達可能として、マニュアル操舵が行えるようにしている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−218000号公報
【特許文献2】
特開2001−341655号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、以上の如き車両用操舵装置は、フェイルの発生時という限定された機会のみに係合動作させるために、電磁クラッチ、噛み合いクラッチ等の複雑な構成を有するクラッチ手段を備えており、操舵装置の全体構成が複雑となり、また製品コストの増大を招来するという問題があった。
【0008】
また前記クラッチ手段は、入力側部材及び出力側部材の一方又は両方を他方に向けて延長した部分に介装されているため、この延長部分及びクラッチ手段の存在が運転者の足回り空間の確保を阻害し、分離式の操舵装置における前述した利点の1つ、即ち、運転操作性の向上効果が十分に得られないという問題があった。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、フェイル発生時等の連結必要時には、入力側部材と出力側部材とを確実に連結することができる一方、連結不要時には、入力側部材と出力側部材とを完全に切り離すことができ、運転者の足回り空間の確保に支障を来すことのない車両用操舵装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車両用操舵装置は、操舵部材と、該操舵部材から機械的に分離して配された舵取機構と、該舵取機構に操舵力を加える操舵アクチュエータと、該操舵アクチュエータを前記操舵部材の操作に応じて駆動制御する操舵制御部と、前記操舵部材の操作に応じて回転する入力側部材と、前記舵取機構の動作に連動回転する出力側部材とを備える車両用操舵装置において、前記操舵部材は、コラム軸の先端に嵌着固定され、該コラム軸を回転自在に支承するコラムハウジングを介して車室の内部に支持してあり、前記入力側部材は、前記コラムハウジングの外部に突出して設けてあり、前記コラム軸と一体回転する部材であって、前記入力側部材への連結が可能な第1の連結部を一側端部に、前記出力側部材への連結が可能な第2の連結部を他側端部に夫々有し、前記操舵アクチュエータ又は操舵制御部のフェイル発生時に連結状態を得るべく、前記入力側部材と前記出力側部材との間に着脱自在な連結部材を備え、該連結部材は、前記第1,第2の連結部の一方を、軸長方向の嵌め込みにより前記入力側部材又は出力側部材に連結し、また他方を、径方向への嵌め込みにより前記出力側部材又は入力側部材に連結することにより、前記入力側部材と前記出力側部材との間に介装可能になしてあることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、舵取機構に操舵力を加える操舵アクチュエータ、又は該操舵アクチュエータを駆動制御する操舵制御部のフェイル発生時に、舵取機構の動作に連動回転する出力側部材と、車室の内部に支持したコラムハウジングから突出する入力側部材とを、これらと別体に設けた連結部材を使用して連結する。連結部材は、例えば、一側に設けた第1の連結部を軸長方向の嵌め込みにより入力側部材に連結し、この状態で他側に設けた第2の連結部を、径方向の外側から出力側部材に合わせ、該出力側部材に径方向の嵌め込みにより連結して、車体に対して各別に位置決めされた状態にある入力側部材と出力側部材との間に介装する。入力側部材と出力側部材の連結が不要な場合、第1,第2の連結部による連結を逆の手順で解除し、入力側部材と出力側部材との間から連結部材を取り外し、入力側部材と出力側部材とを完全に切り離す。取り外された連結部材は、例えば、車室の内部又は外部に設けた保管場所に保管しておく。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る車両用操舵装置の全体構成を示す模式図である。
【0015】
図示の車両用操舵装置は、車体の左右に配された一対の操舵用の車輪10,10を操舵させるための舵取機構1と、該舵取機構1から機械的に分離して配され、操舵のために回転操作されるステアリングホイール(操舵部材)2とを備え、更にステアリングホイール2の操作に応じた操舵を実現すべく舵取機構1に付設された操舵モータM1 を制御し、またステアリングホイール2に操舵反力を加えるべく反力モータM2 を制御する操舵制御部3を備える分離式の操舵装置、所謂、ステアバイワイヤ式の操舵装置として構成されており、操舵動作中の各種のフェイル発生時に、舵取機構1とステアリングホイール2との間に機械的な連結状態を得るべく、これらの間に介装して用いられる連結部材4を備えている。
【0016】
舵取機構1は、車室の床面Fの下位置に車体の左右方向に延設された筒形をなすハウジングH1 と、該ハウジングH1 の内部に軸長方向への移動自在に支持された操舵軸11とを備えており、ハウジングH1 の両側に突出する操舵軸11の両端部を、操舵用の車輪10,10のナックルアーム12,12に各別のタイロッド13,13を介して連結し、操舵軸11の両方向への移動によりタイロッド13,13を介してナックルアーム12,12を押し引きし、前記車輪10,10を左右に操舵せしめる構成となっている。
【0017】
操舵モータM1 は、操舵軸11を支持するハウジングH1 の一側半部の外位置に取り付けられ、該ハウジングH1 の内部において、ボールねじ機構等の運動変換機構を介して操舵軸11の中途に伝動構成されており、操舵制御部3から図示しない駆動回路に与えられる制御指令に従って回転駆動されるようになしてある。操舵制御部3は、ステアリングホイール2の回転操作に応じた操舵を行わせるべく前記制御指令を発し、操舵モータM1 を駆動せしめる操舵制御動作を行う。
【0018】
このように駆動される操舵モータM1 の回転は、前記運動変換機構により操舵軸11の軸長方向の移動に変換されて前述した操舵がなされる。この操舵により変化する操舵用の車輪10,10の実舵角は、操舵軸11と一側のタイロッド13との連結部の変位を検出すべく構成された実舵角センサ17により検出され、操舵制御部3に与えられている。また、一側のタイロッド13には、軸方向に作用する軸力を検出するタイロッド軸力センサ18が付設されており、この検出結果は、操舵に伴って舵取機構1に実際に加わる操舵反力を示す信号として、操舵制御部3に与えられている。
【0019】
前記ハウジングH1 の他側半部には、これと交叉するようにピニオンハウジングH3 が連設されており、該ピニオンハウジングH3 の内部には、軸心回りでの回動自在にピニオン軸14が支持されている。ピニオンハウジングH3 の内部に位置するピニオン軸14の下半部には、図示しないピニオンが一体形成され、ハウジングH1 との交叉部において、前記操舵軸11の該当部位に形成された図示しないラック歯に噛合させてある。
【0020】
ピニオン軸14の上端部は、ピニオンハウジングH3 の上部に突出され、両端にユニバーサルジョイント15,15を備える中間軸16を介して出力側伝動軸(出力側部材)6に連結されている。この伝動軸16は、車室の床面Fを貫通する貫通孔を経て車室の内部に適長突出させてあり、後述する入力側伝動軸5に対向させてある。以上の構成により、操舵のために操舵軸11が軸長方向に移動した場合、この移動は、前記ラック歯及びピニオンの噛合部においてピニオン軸14の軸回りの回転に変換され、この回転が中間軸16を介して出力側伝動軸6に伝達される。このように出力側伝動軸6は、操舵軸11の移動、即ち、舵取機構1の動作に伴って軸回りに回転する。
【0021】
また逆に、出力側伝動軸6に回転力が加えられた場合、この回転力は、中間軸16を介してピニオン軸14に加えられ、この回転力は、前記ピニオン及びラック歯の噛合部において運動変換され、操舵軸11に軸長方向の移動力が加えられる。
【0022】
以上の如き舵取機構1から分離して配されたステアリングホイール2は、コラム軸20の先端に嵌着固定され、該コラム軸20を回転自在に支承するコラムハウジングH2 を介して車室内部の適宜部位に支持されている。コラムハウジングH2 の中途部には、ステアリングホイール2に操舵反力を加えるべく回転駆動される反力モータM2 が付設されている。該反力モータM2 の出力軸は、コラムハウジングH2 の内部に延設され、ウォームギヤ減速装置等の減速装置(図示せず)を介してコラム軸20の中途部に伝動構成されており、反力モータM2 が回転駆動された場合、この回転力が前記減速装置による減速下にてコラム軸20に付加され、該コラム軸20の上端に固定されたステアリングホイール2に操舵反力が付与されるようになしてある。
【0023】
反力モータM2 は、操舵制御部3から図示しない駆動回路に与えられる制御指令に従って駆動される。操舵制御部3は、舵取機構1に実際に加わる操舵反力に基づいて前記制御指令を発し、ステアリングホイール2に適正な操舵反力を付与すべく反力モータM2 を駆動せしめる反力制御動作を行う。
【0024】
この操舵反力に抗して回転操作されるステアリングホイール2の操作角は、コラムハウジングH2 の中途部に付設された操舵角センサ21により検出され、操舵制御部3に与えられている。更に、操舵制御部3には、車速、ヨーレート、横加速度、前後加速度等、操舵に影響を与える走行状態の検出結果が、車両の各部に設置された走行状態センサ22から与えられている。
【0025】
以上の如きステアリングホイール2の回転軸となるコラム軸20は、コラムハウジングH2 の下方に適長突出する入力側伝動軸(入力側部材)5に連結されている。なお入力側伝動軸5は、操舵部材としてのステアリングホイール2の操作に応じて回転する部材であればよく、例えば、コラム軸20の軸端部を一体に延長して構成することもできる。このような入力側伝動軸5の下端部は、舵取機構1から延設されて床面F上に突出する出力側伝動軸6の上端部に、十分な離隔距離を有して略同軸上に対向させてあり、これらの対向端部には、連結部材4との連結のための連結筒50,60が一体形成されている。
【0026】
連結部材4は、入力側伝動軸5の連結筒50への連結が可能な第1の連結部41を一側端部に備え、また出力側伝動軸6の連結筒60への連結が可能な第2の連結部42を他側に備える軸体である。図2は、連結部材4の第1の実施の形態を連結筒50,60と共に示す斜視図である。
【0027】
入力側伝動軸5の連結筒50及び出力側伝動軸6の連結筒60は、夫々の軸端部を適宜に拡径して構成された筒体であり、連結筒50の軸心部には、矩形断面を有する嵌合孔51が、一端面を連結筒50の先端に開口させ、また一側面を連結筒50の周面に開口させて形成されており、更に連結筒60の軸心部には、矩形断面を有する嵌合孔61が、一端面のみを連結筒60の先端に開口させて形成されている。
【0028】
連結部材4の第1,第2の連結部41,42は、連結筒50,60に夫々設けられた嵌合孔51,61への嵌め込みが可能なサイズを有する矩形ブロックであり、連結部材4の両端部に夫々同軸的に突設されている。第1の連結部41は、更に、相対向する2面の略中央に一部を突出させた小径の係合球43,43を備えており、このような第1の連結部41が嵌め込まれる嵌合孔51の相対向する2面には、係合球43,43に対応する略半球形の係合凹部52,52が形成されている。
【0029】
図3は、図2に示す連結部材4の第1の連結部41による連結手順の説明図である。第1の連結部41の係合球43,43は、図3(a)に示す如く、夫々の突出面に開口を有する装着孔44,44の内部に、これらの底面との間に介装された押しばね45,45により外向きに付勢して装着され、例えば、装着孔44,44の開口縁をかしめることにより抜け止めされている。
【0030】
以上の如き第1の連結部41は、図3(a)に示す如く、連結筒50の嵌合孔51に対し、係合球43,43の突出面と係合凹部52,52の形成面とが整合するように位置決めし、図3(b),(c)に示す如く嵌合孔51内に嵌め込むことにより連結される。この嵌め込みの間、係合球43,43は、嵌合孔51の内面との当接部からの作用力により、図3(b)に示す如く、押しばね45,45のばね力に抗して各別の装着孔44,44の内部に押し込まれ、図3(c)に示す如く、所定の嵌め込み位置に達したとき押しばね45,45のばね力により外部に突出し、各別の係合凹部52,52と係合することとなり、第1の連結部41と連結筒50との連結状態は、この状態で維持される。
【0031】
第1の連結部41が嵌め込まれる嵌合孔51は、連結筒50の周面にも開口を有しており、以上の如き第1の連結部41と連結筒50との連結は、図2中に矢符により示すように、連結筒50の径方向への第1の連結部41の嵌め込みにより実現することも可能である。
【0032】
連結部材4の他端に設けられた第2の連結部42は、出力側伝動軸6の連結筒60に設けられた嵌合孔61の開口端に対して位置決めし、該嵌合孔61内に軸長方向に嵌め込むことにより連結筒60に連結される。第1の連結部41と連結筒50との連結は、以上の如き第2の連結部42の連結を終えた後、図2に示す如く、連結筒50の嵌合孔51の外側に位置決めし、径方向に嵌め込むことにより実現される。これにより、定寸の軸体として構成された連結部材4を、車室の内部に各別に位置決めされた入力側伝動軸5と出力側伝動軸6との間に介装することができる。
【0033】
このような連結部材4の介装状態は、前述の如く係合凹部52,52に係合する係合球43,43の作用により維持され、入力側伝動軸5の回転は、矩形断面を有する嵌合孔51と第1の連結部41との嵌合部を経て連結部材4に伝達され、更に、矩形断面を有する第2の連結部42と嵌合孔61との嵌合部を経て出力側伝動軸6に伝達される。この伝動時に加わる周方向の力の作用により係合球43,43の係合が解除される虞れはない。
【0034】
また連結部材4は、連結時とは逆に、まず入力側伝動軸5の連結筒50から第1の連結部41を径方向外向きに抜き出し、出力側伝動軸6の連結筒60から第2の連結部42を軸長方向に抜き出すことにより取り外すことができる。このように連結部材4は、入力側伝動軸5と出力側伝動軸6との間に着脱自在に介装すべく用いられる。なお取り外された連結部材4は、車室の内部又は外部に設けた適宜の収納位置に収納しておき、入力側伝動軸5と出力側伝動軸6との連結必要時に取り出して使用される。
【0035】
連結部材4の両端の第1,第2の連結部41,42は、図2及び図3に示す形態に限らず他の形態にて実現することができる。図4は、連結部材4の第2の実施の形態を示す連結手順の説明図である。
【0036】
この実施の形態において、入力側伝動軸5の先端部には、非磁性体製の連結筒50が連設されており、該連結筒50には、矩形断面を有する浅底の嵌合孔53が形成され、該嵌合孔53の底面には、磁性体製の底板54が固設されている。
【0037】
連結部材4の第1の連結部41も非磁性体製の円筒体であり、嵌合孔53と略同形の矩形断面を有する深底の嵌合孔46が形成されている。該嵌合孔46の内部には、矩形ブロック状をなす磁石47が軸長方向への摺動自在に収納されており、この磁石47は、嵌合孔46の開口側を横断するように差し込まれた非磁性体製のストッパ板48により、開口側からの抜け出し不可に拘束されている。
【0038】
以上の如き第1の連結部41は、図4(a)に示す如く、連結筒50の端面に同軸上に対向するように位置決めされ、この状態でストッパ板48を引き抜き、磁石47の拘束を解除することにより連結筒50と連結される。即ち、ストッパ板48の引き抜きにより磁石47は、対向する嵌合孔53の底面に固設された磁性体製の底板54に引き付けられて嵌合孔46内にて摺動し、図4(b)に示す如く底板54に磁着せしめられ、第1の連結部41の嵌合孔46と連結筒50の嵌合孔53との双方に嵌め合わされた状態となり、第1の連結部41と連結筒50とは、矩形断面を有する磁石47を介して回転伝達可能に連結される。
【0039】
連結部材4の他端の第2の連結部42と出力側伝動軸6との連結も全く同様の構成により実現することができる。この構成によれば、定寸の軸体として構成された連結部材4の両端を、車室の内部に各別に位置決めされた入力側伝動軸5及び出力側伝動軸6の軸端部に同軸的に位置決めし、夫々の側にてストッパ板48を引き抜くという簡易な手順により連結状態が得られる。
【0040】
図5は、連結部材4の第3の実施の形態を示す連結手順の説明図である。この実施の形態において、入力側伝動軸5の先端部には、外周面にスプラインが形成された連結部 50aが連設されており、連結部材4の第1の連結部41は、連結部 50aと同径であり、外周面にスプラインが形成された連結部 41aと、該連結部 41aにスプライン嵌合された結合筒 41bとを備えている。
【0041】
以上の如き第1の連結部41は、図5(a)に示す如く、連結部 41aと連結部 50aとが同軸上に対向するように入力側伝動軸5に対して位置決めされ、この状態で連結部 41aに沿って結合筒 41bを滑らせ、該結合筒 41bの半部を連結部 50aに係合せしめることにより、図5(b)に示す連結状態が得られる。この連結状態は、連結部 41aの該当部位に貫通形成されたピン孔に抜け止めピン49を差し込み、該抜け止めピン49を結合筒 41bの端面に当接させ、該結合筒 41bの抜け出しを拘束して維持されている。
【0042】
連結部材4の他端の第2の連結部42と出力側伝動軸6との連結も全く同様の構成により実現することができる。この構成によれば、定寸の軸体として構成された連結部材4の両端を、車室の内部に各別に位置決めされた入力側伝動軸5及び出力側伝動軸6の軸端部に同軸的に位置決めし、夫々の側にて結合筒 41bを移動させ、抜け止めピン49を差し込むという簡易な手順により連結状態が得られる。抜け止めピン49は、結合筒 41bの軸長方向の移動を防止する作用をなすのみであり、回転伝達に何ら寄与しないから、樹脂製のピン、細径の割りピン等の適宜の構成にて実現することができ、高い寸法精度が要求されることもない。
【0043】
以上の如く構成された本発明に係る車両用操舵装置において、操舵モータM1 を対象とする操舵制御部3の操舵制御動作は、例えば、前記操舵角センサ21により検出されるステアリングホイール2の操作角度に所定の制御ゲインを乗じて目標舵角を求め、この目標舵角と、前記実舵角センサ17により検出される操舵用の車輪10,10の実舵角との偏差に基づくフィードバック制御により行われる。
【0044】
このとき走行状態センサ22により検出される走行状態は、前記制御ゲインの選定に用いられる。この制御ゲインは、例えば、車速の増大に伴って減少し、またヨーレート、横加速度により定まる車両の旋回程度の増大に伴って減少する値として設定されている。これにより、前記目標舵角は、高速走行中に小、低速走行中に大となり、また旋回走行中には、急旋回となるに従って小さくなり、このような目標舵角に基づく操舵モータM1 の制御により、走行状態に応じた操舵特性が得られる。
【0045】
また反力モータM2 を対象とする操舵制御部3の反力制御動作は、例えば、前記タイロッド軸力センサ18からの入力に基づいて舵取機構1に加わる実反力を求め、求められた実反力に所定の制御ゲインを乗じてステアリングホイール2に加えるべき目標反力を算出し、この目標反力に対応する駆動電流を反力モータM2 に供給せしめて行われる。
【0046】
このとき走行状態センサ22により検出される走行状態は、前記制御ゲインの補正に用いられる。この補正は、例えば、車速及び旋回程度が大きくなるに従って制御ゲインを大とし、また、前後加速度により求められる減速程度が大きくなるに従って制御ゲインを大とするように行われる。また、操舵角センサ21により検出されるステアリングホイール2の操作角度を前記目標反力の補正に用い、反力モータM2 の駆動電流の増加特性を変更することも可能である。以上の反力制御動作によりステアリングホイール2には、コラム軸20に加わる反力モータM2 の回転力が操舵反力として付加される。この操舵反力は、舵取機構1に加わる実反力を走行状態に応じて補正したものであり、ステアリングホイール2を操作する運転者に良好な操舵感を体感させることができる。
【0047】
このような操舵制御及び反力制御によりなされる通常の操舵中には、連結部材4は不要であり、図1中に実線により示す如く、入力側伝動軸5と出力側伝動軸6との間から取り外されており、車両の運転者は、アクセル操作、ブレーキ操作等の運転操作を、入力側伝動軸5と出力側伝動軸6との間に確保される広い足回り空間内において実施することができ、快適な運転が可能となる。
【0048】
一方、以上の如き操舵制御及び反力制御動作の実施中に操舵制御部3は、入力側の各センサ、出力側の操舵モータM1 及び反力モータM2 、並びに、操舵制御部3自身に対するフェイル判定を行っており、この判定の結果、いずれかがフェイル状態にあると判定された場合、警報音の鳴動、音声メッセージの発生等の警報動作を行わせ、フェイル状態にあることを運転者に報知した後、フェイル状態下での誤った操舵制御及び反力制御動作を停止する。
【0049】
以上の如き警報を聴取した運転者は、例えば、速やかに車両を路肩に寄せて停車させる等の対応を行った後、連結部材4を所定の収納場所から取り出し、入力側伝動軸5と出力側伝動軸6との間に前述の如く介装する。これにより、ステアリングホイール2の回転操作に応じたコラム軸20の回転は、入力側伝動軸5及び連結部材4を介して出力側伝動軸6に伝達され、更に、中間軸16及びピニオン軸14を介して操舵軸11に伝達されて該操舵軸11に軸長方向の移動力が付加されることとなり、マニュアル操舵が可能となる。これにより運転者は、至近の目的地までの運転が可能となり、例えば、修理工場、サービスセンターに車両を移送し、故障修理を依頼することもできる。
【0050】
前述の如く構成された連結部材4は、限定された足元空間内において、共に固定位置にある入力側伝動軸5と出力側伝動軸6との間にて容易に介装することができる。連結部材4は、両端に第1,第2の連結部41,42を備える単純な軸体であり、操舵装置の全体構成の複雑化及び製品コストの増大を最小限に抑えることができる。また連結部材4は、第1,第2の連結部41,42の連結解除により、入力側伝動軸5と出力側伝動軸6との間から容易に取り外すことができ、フェイル状態を解除した後の初期状態への復帰を実現することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る車両用操舵装置においては、操舵部材の操作に応じて回転する入力側部材と、舵取機構の動作に連動回転する出力側部材との間に着脱自在に介装される連結部材を備えたから、通常操舵時には、連結部材の取り外しにより入力側部材と出力側部材とを完全に切り離し、運転者の足回りに十分な空間を確保することができ、またフェイル発生時等の連結必要時には、連結部材により入力側部材と出力側部材とを確実に連結してマニュアル操舵を行わせることが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用操舵装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】連結部材の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図3】図2に示す連結部材の第1の連結部による連結手順の説明図である。
【図4】連結部材の第2の実施の形態を示す連結手順の説明図である。
【図5】連結部材の第3の実施の形態を示す連結手順の説明図である。
【符号の説明】
1 舵取機構
2 ステアリングホイール(操舵部材)
4 連結部材
5 入力側伝動軸(入力側部材)
6 出力側伝動軸(出力側部材)
41 第1の連結部
42 第2の連結部
Claims (1)
- 操舵部材と、該操舵部材から機械的に分離して配された舵取機構と、該舵取機構に操舵力を加える操舵アクチュエータと、該操舵アクチュエータを前記操舵部材の操作に応じて駆動制御する操舵制御部と、前記操舵部材の操作に応じて回転する入力側部材と、前記舵取機構の動作に連動回転する出力側部材とを備える車両用操舵装置において、
前記操舵部材は、コラム軸の先端に嵌着固定され、該コラム軸を回転自在に支承するコラムハウジングを介して車室の内部に支持してあり、前記入力側部材は、前記コラムハウジングの外部に突出して設けてあり、前記コラム軸と一体回転する部材であって、
前記入力側部材への連結が可能な第1の連結部を一側端部に、前記出力側部材への連結が可能な第2の連結部を他側端部に夫々有し、前記操舵アクチュエータ又は操舵制御部のフェイル発生時に連結状態を得るべく、前記入力側部材と前記出力側部材との間に着脱自在な連結部材を備え、
該連結部材は、前記第1,第2の連結部の一方を、軸長方向の嵌め込みにより前記入力側部材又は出力側部材に連結し、また他方を、径方向への嵌め込みにより前記出力側部材又は入力側部材に連結することにより、前記入力側部材と前記出力側部材との間に介装可能になしてあることを特徴とする車両用操舵装置。
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