JP2005059772A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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賢司 東
Tomoyasu Kada
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Abstract

【課題】 操舵部材の操作に応じて回転する入力側部材と舵取機構の動作に連動回転する出力側部材とを必要時にのみ連結又は連結遮断することが可能な簡素な構成の連結装置を備える車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】 入力側部材としての入力軸61の軸端部にクラッチ筒63を連設し、出力側部材としての出力軸62の軸端部に押しばね66により突出方向に付勢されたクラッチ軸65を取付け、クラッチ筒63とクラッチ軸65との嵌合部に、第1の一方向クラッチ7と第2の一方向クラッチ8とを並設して、ストッパピン67の係合解除に応じて押しばね66のばね力により軸長方向に突出移動するクラッチ軸65が、第1,第2の一方向クラッチ7,8のスプラグ70,80に当接するように構成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、運転者により行われるステアリングホイール等の操舵部材の操作に応じて車両を操舵せしめるための車両用操舵装置に関する。
車両の操舵は、車室の内部において運転者によりなされる操舵部材の操作(一般的にはステアリングホイールの回転操作)を、操舵用の車輪(一般的には左右の前輪)の操舵のために車室の外部に配した舵取機構に伝えて行われる。
このような車両用操舵装置として、近年、車室内部の操舵部材を車室外部の舵取機構から機械的に分離して配すると共に、舵取機構の一部に操舵アクチュエータを付設し、この操舵アクチュエータを操舵部材の操作方向及び操作量の検出結果に基づいて動作させ、舵取機構に操舵力を加えて、前記操舵部材の操作に応じた操舵を行わせる構成とした分離式の操舵装置、所謂、ステアバイワイヤ式の操舵装置が開発されつつある(例えば、特許文献1参照)。
この種の操舵装置は、操舵部材の操作量と舵取機構の動作量との対応関係を、機械的な制約を受けることなく自在に変更することができ、車速の高低、旋回程度、加減速の有無等、走行状態に応じた操舵特性の変更制御に柔軟に対応し得るという利点を有しており、自動車技術の発展のために有用なものとして注目されている。なお、前記操舵アクチュエータとしては、操舵特性の変更制御の容易性を考慮して、一般的に電動モータが用いられている。
一方、このような分離式の操舵装置においては、操舵アクチュエータ、操舵部材の操作方向及び操作量を含めて車両の走行状態を検出する各種のセンサ、並びに、これらのセンサの検出結果に基づいて操舵アクチュエータを制御する操舵制御部に対するフェイルセーフ対策が重要であり、従来から、前記操舵アクチュエータ、センサ及び操舵制御部を二重系とする一方、操舵部材の操作に応じて回転する入力側部材と舵取機構の動作に伴って回転する出力側部材との間に、電磁クラッチ等の連結装置を介装し、この連結装置をフェイル発生時に連結動作させ、操舵部材の操作力を舵取機構に機械的に伝達可能として、マニュアル操舵が行えるようにしている(例えば、特許文献2参照)。
また、車両用の操舵装置として広く普及しているパワーステアリング装置においては、近年、横風、スリップ等の現象が操舵に与える影響を排除すべく、舵取機構に付設された操舵補助用のアクチュエータ(油圧シリンダ、電動モータ等)を操舵部材の操作の如何に拘らず動作させる制御、所謂、アクティブ制御が実施されている。
この種の制御の実施中には、運転者による操舵部材の操作との干渉を避けるべく、操舵部材と舵取機構との連結を一時的に遮断するようにしており、このために分離式の操舵装置と同様の連結装置が用いられることがある。
特開平10−218000号公報 特開2001−341655号公報
ところが、分離式の操舵装置おいて前述の如く備えられる連結装置は、フェイルの発生時という限定された機会に操舵部材と舵取機構とを連結する動作をなし得ればよく、またアクティブ制御が実施されるパワーステアリング装置に備えられる連結装置は、限られた制御機会に操舵部材と舵取機構とを連結する動作をなし得ればよいのに対し、このような連結装置として一般的に用いられている電磁クラッチは、前記連結又は連結遮断動作を行わせるための動作回路及び制御部を含めた構成が複雑であり、所謂、オーバスペックによる操舵装置の全体構成の複雑化及び製品コストの増大を招来するという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、操舵部材の操作に応じて回転する入力側部材と舵取機構の動作に連動回転する出力側部材とを必要時にのみ連結又は連結遮断することが可能な簡素な構成の連結装置を備える車両用操舵装置を提供することを目的とする。
本発明の第1発明に係る車両用操舵装置は、操舵部材の操作に応じて回転する入力側部材と、舵取機構の動作に連動回転する出力側部材との間に、両部材を回転伝達可能に連結する連結装置を備える車両用操舵装置において、前記連結装置は、前記入力側部材の一方向の回転を前記出力側部材に伝達可能に構成された第1の連結手段と、前記入力側部材の他方向の回転を前記出力側部材に伝達可能に構成された第2の連結手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、入力側部材と出力側部材とを連結するための連結装置として、互いに異なる方向への回転伝達が可能に構成された第1,第2の連結手段、具体的には、異なる向きの回転に対してクラッチ作用をなす2つの一方向クラッチを備えて構成する。この種の連結手段は、簡素な構成を有する上、連結又は連結遮断が容易である。
また第2発明に係る車両用操舵装置は、第1発明における第1の連結手段及び第2の連結手段が、同軸上にて内外に嵌合する前記入力側部材及び出力側部材の嵌合周上に各複数のスプラグを並設してなる一方向クラッチと、前記入力側部材及び出力側部材の一方又は両方を、前記スプラグの作用位置と非作用位置との間にて移動させる移動手段とを備えることを特徴とする。
この発明においては、入力側部材と出力側部材を同軸上に内外に嵌合させ、この嵌合周上にスプラグを並べて第1,第2の連結手段を簡素に構成する。連結又は連結遮断は、入力側部材及び出力側部材の一方又は両方を軸長方向に移動させる移動手段により簡易に実現する。
本発明に係る車両用操舵装置においては、操舵部材の操作に応じて回転する入力側部材と舵取機構の動作に連動回転する出力側部材とを限定された機会にのみ連結又は連結遮断可能な連結装置を簡素に実現することができ、車両用操舵装置の全体構成の複雑化及び製品コストの上昇を最小限に抑えることが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る車両用操舵装置の全体構成を示す模式図である。
本図に示す車両用操舵装置は、車体の左右に配された一対の操舵用の車輪10,10に舵取動作を行わせるための舵取機構1と、該舵取機構1から機械的に分離して配され、操舵のために回転操作されるステアリングホイール(操舵部材)2と、舵取機構1に操舵力を加えるための操舵モータ3と、ステアリングホイール2に操舵反力を加えるための反力モータ4と、後述の如く操舵モータ3に対する操舵制御動作及び反力モータ4に対する反力制御動作をなす操舵制御部5とを備える分離式の操舵装置として構成されており、更に、このような制御動作中の各種のフェイル発生時に機械的な連結状態を得るべく、舵取機構1とステアリングホイール2との間に介装された連結装置6を備えている。
舵取機構1は、公知のラック・ピニオン式の舵取機構であり、車体の左右方向に延設された筒形をなすラックハウジング14の内部に軸長方向への移動自在に支持されたラック軸11を備え、ラックハウジング14の両側外部に突出するラック軸11の両端部を、操舵用の車輪10,10のナックルアーム12,12に各別のタイロッド13,13を介して連結してなり、ラック軸11の両方向への移動によりタイロッド13,13を介してナックルアーム12,12を押し引きし、前記車輪10,10を左右に操舵する構成となっている。
舵取機構1に操舵力を加える操舵モータ3は、ラックハウジング14の一側半部の外位置に取り付けてあり、ボールねじ機構等の運動変換機構を介してラックハウジング14の内部のラック軸11に伝動構成されている。この操舵モータ3は、操舵制御部5から図示しない駆動回路に与えられる制御指令に従って回転駆動されるようになしてあり、このように駆動される操舵モータ3の回転は、ラックハウジング14内部の運動変換機構によりラック軸11の軸長方向の移動に変換されて前述した操舵がなされる。
この操舵により変化する操舵用の車輪10,10の実舵角は、ラック軸11と一側のタイロッド13との連結部の変位を検出すべく構成された実舵角センサ50により検出され、操舵制御部5に与えられている。また、一側のタイロッド13には、軸方向に作用する軸力を検出するタイロッド軸力センサ51が付設されており、この検出結果は、操舵に伴って舵取機構1に実際に加わる操舵反力を示す信号として、操舵制御部5に与えられている。
ラックハウジング14の他側半部には、これと交叉するように短寸円筒形をなすピニオンハウジング15が連設されており、該ピニオンハウジング15の内部には、軸心回りでの回動自在にピニオン軸16が支承されている。ピニオン軸16の下半部には、図示しないピニオンが一体形成され、ラックハウジング14との交叉部において、前記ラック軸11の該当部位に形成された図示しないラック歯に噛合させてある。
また、ピニオンハウジング15の上部に突出するピニオン軸16の上端部には、中間軸17を介して伝動軸18が連結されている。該伝動軸18は、軸回りでの回動自在に支持され前記ステアリングホイール2の配設位置に向けて上方に延長されている。以上の構成により、操舵のためにラック軸11が軸長方向に移動した場合、この移動は、前記ラック歯及びピニオンの噛合部においてピニオン軸16の軸回りの回転に変換され、この回転が中間軸17を介して伝動軸18に伝達される。即ち、伝動軸18は、ラック軸11の移動、即ち、舵取機構1の動作に伴って軸回りに回転する。
また逆に、伝動軸18に回転力が加えられた場合、この回転力は、中間軸17を介してピニオン軸16に伝わり、該ピニオン軸16の下半部のピニオン及びラック歯の噛合部において運動変換されてラック軸11に軸長方向の移動力が付加される。
以上の如き舵取機構1から機械的に分離されたステアリングホイール2は、回転軸となるコラム軸20の上端部に嵌着固定され、図示しない車室の内部に運転者に対面するように配してある。コラム軸20は、車体の適宜部位に固定支持されたコラムハウジング21の内部に、軸回りでの回動自在に支承されている。
ステアリングホイール2に操舵反力を加える反力モータ4は、コラムハウジング21の中途部外側に取り付けてあり、ウォームギヤ機構等の減速機構を介してコラムハウジング21の内部のコラム軸20に伝動構成されている。この反力モータ4は、操舵制御部5から図示しない駆動回路に与えられる制御指令に従って回転駆動されるようになしてあり、このように駆動される反力モータ4の回転は、コラムハウジング21内部の減速機構による減速下にてコラム軸20に加えられ、該コラム軸20の上端に固定されたステアリングホイール2に操舵反力が付加される。
このように付加される操舵反力に抗して回転操作されるステアリングホイール2の操作角は、コラムハウジング21の中途部に付設された操舵角センサ52により検出され、操舵制御部5に与えられている。更に、操舵制御部5には、車速、ヨーレート、横加速度、前後加速度等、操舵に影響を与える走行状態の検出結果が、車両の各部に設置された走行状態センサ53から与えられている。
このように、操舵部材としてのステアリングホイール2の操作に応じて回転するコラム軸20は、コラムハウジング21の下方に突出され、舵取機構1から延設された前記伝動軸18の上端部に対向させてあり、この対向部に連結装置6が介装されている。
図2及び図3は、連結装置6の第1の実施の形態を示す側断面図であり、図2は、非連結時の状態を示し、図3は、連結時の状態を示している。図示の如く連結装置6は、円筒形をなすハウジング60と、該ハウジング60の両端壁を夫々貫通し、同軸上での回転自在に支持された入力軸(入力側部材)61及び出力軸(出力側部材)62とを備えている。この連結装置6は、図1に示す如く、ハウジング60の外部への入力軸61の突出端をコラム軸20の下端部に、同じく出力軸62の突出端を伝動軸18の上端部に夫々フランジ結合することにより、コラム軸20と伝動軸18との間に介装されて用いられるが、コラム軸20及び伝動軸18を入力側部材及び出力側部材として利用して以下に示す連結装置6を構成することも可能である。
一方、ハウジング60の内部に延設された入力軸61の一端部には、円筒形をなすクラッチ筒63が連設されている。またハウジング60の内部に延設された出力軸62の端部には、円筒形をなす保持筒64が連設されており、該保持筒64には、短寸のクラッチ軸(出力側部材)65が同軸上に保持されている。クラッチ軸65は、基部外周に適長に亘って設けられたスプライン部 65aを備えており、該スプライン部 65aを保持筒64に内嵌係合し、該保持筒64及び出力軸62と一体回転可能であり、軸長方向への相対移動可能に保持されている。
保持筒64の外部に突出するクラッチ軸65の中途部には、全周に亘る係合溝 65bが周設されており、該係合溝 65bには、ハウジング60の周壁に固定されたソレノイド68から内向きに突出するストッパピン67が係合させてある。またクラッチ軸65の先端側には、端部に向けてテーパ状に縮径するクラッチ面 65cが設けられている。
以上の如く構成されたクラッチ軸65は、保持筒64の底面との間に介装された押圧ばね66のばね力により先端に向けて押圧付勢されており、この押圧によるクラッチ軸65の飛び出しが係合溝 65bに係合するストッパピン67により規制されている。ストッパピン67は、ソレノイド68の励磁に応じて径方向外向きに退避するように動作し、この退避により係合溝 65bとの係合が解除され、この係合解除に応じてクラッチ軸65は、押圧ばね66のばね力により保持筒64から突出し、クラッチ筒63への進入長さを増すように動作し、図3に示す如き連結状態が得られる。
クラッチ軸65が進入するクラッチ筒63の内部には、該クラッチ筒63の内面と前記クラッチ軸65の先端部に設けられたクラッチ面 65cとの間にてクラッチ作用をなす第1,第2の一方向クラッチ(第1,第2の連結手段7,8)が軸長方向に並設されている。
図4は、第1,第2の一方向クラッチ7,8の横断面図である。クラッチ筒63の内奥側に位置する第1の一方向クラッチ7は、図3のA−A線による横断面である図4(a)に示す如く、複数のスプラグ70,70…を内外2重のリング形をなす保持器71により周方向に適宜の間隔を隔てて保持して構成されている。スプラグ70,70…は、図示の如く、径方向に相対向する位置に、周方向の同向きに連続的に外径を増すように成形された係合面を有する繭形のブロックであり、これらのスプラグ70,70…の保持器71による保持は、内外に向けた各スプラグ70,70…の係合面の増径の方向が周方向同向きとなるように並べ、各別の中心軸回りでの自転可能になされている。
このように構成された第1の一方向クラッチ7において、前述の如き係合解除によりクラッチ筒63内にクラッチ軸65が進入せしめられた場合、夫々のスプラグ70,70…の係合面は、図示の如く、クラッチ筒63の内面とクラッチ軸65の外面(クラッチ面 65c)とに夫々当接した状態となる。なおこの当接は、図2に示す如く、クラッチ軸65と出力軸62とのスプライン結合が維持されたまま、即ち、クラッチ軸65と出力軸62との一体回転が維持されたままの状態で生じる。また図4(a)中には、クラッチ筒63とクラッチ軸65との嵌合周の一部のみが示されているが、スプラグ70,70…は、嵌合周の全周に亘って配してあり、夫々の配設位置において前述した当接状態が実現される。
この状態においてクラッチ筒63とクラッチ軸65との間に相対回転が生じた場合、両者に当接する各スプラグ70,70…は、夫々の当接部での摩擦により自転する。この自転の方向は、前記相対回転の方向に応じて異なり、図中に白抜矢符により示す如く、クラッチ筒63が時計回りに回転せしめられた場合、各スプラグ70,70…も、図中に矢符により示す如く時計回りに自転する。この自転の向きは、各スプラグ70,70…の係合面が増径する向きであり、各スプラグ70,70…は、クラッチ筒63及びクラッチ軸65との当接部に強く押し付けられるようになり、クラッチ筒63の回転は、各スプラグ70,70…を介してクラッチ軸65に伝達され、クラッチ筒63が連設された入力軸61から、クラッチ軸65と一体回転する出力軸62への回転伝達がなされる。
一方、クラッチ筒63が反時計回りに回転せしめられた場合、各スプラグ70,70…は、夫々の係合面が減径する向きに自転するため、これらのスプラグ70,70…は、クラッチ筒63及びクラッチ軸65との当接面において滑り、クラッチ筒63からクラッチ軸65、即ち、入力軸61から出力軸62への回転伝達はなされない。このように第1の一方向クラッチ7は、入力軸61の一方向の回転を出力軸62に伝える動作をなす。
クラッチ筒63の開口側に位置する第2の一方向クラッチ8は、図3のB−B線による横断面である図4(b)に示す如く、複数のスプラグ80,80…と、これらを保持する内外2重のリング形をなす保持器81とを備えている。スプラグ80,80…の形状は、第1の一方向クラッチ7のスプラグ70,70…と同様であるが、保持器81によるこれらのスプラグ80,80…の保持は、各スプラグ80,80…の係合面の増径の方向が、第1の一方向クラッチ7のスプラグ70,70…におけるそれらと逆向きとなるようになされている。
このように構成された第2の一方向クラッチ8においても、クラッチ筒63内にクラッチ軸65が進入せしめられた場合、各スプラグ80,80…の係合面がクラッチ筒63の内面とクラッチ軸65の外面とに夫々当接した状態となり、この状態でのクラッチ筒63の回転は、各スプラグ80,80…の自転が夫々の係合面の増径の方向に生じた場合にのみクラッチ軸65に伝えられる。ここで第2の一方向クラッチ8のスプラグ80,80…は、第1の一方向クラッチ7のスプラグ70,70…と逆向きに保持されているため、第2の一方向クラッチ8は、入力軸61の他方向の回転のみを出力軸62に伝える動作をなす。
このように入力軸61と出力軸62とは、クラッチ筒63とクラッチ軸65との間に構成された第1,第2の一方向クラッチ7,8の作用により両方向への回転伝達可能に連結される。この連結は、ストッパピン67の退避動作により係合溝 65bとの係合が解除されることを条件として生じ、入力軸61及び出力軸62に夫々フランジ結合されたコラム軸20と伝動軸18とが回転伝達可能に機械的に連結される。
以上の如く構成された本発明に係る車両用操舵装置において操舵制御部5は、ステアリングホイール2の回転操作に応じた操舵を行わせるべく操舵モータ3に制御指令を発し、該操舵モータ3を駆動せしめる操舵制御動作を行う。この制御動作は、例えば、操舵角センサ52により検出されるステアリングホイール2の操作角度に所定の制御ゲインを乗じて目標舵角を求め、この目標舵角と、実舵角センサ50により検出される左右の前輪10,10の実舵角との偏差に基づくフィードバック制御により行われる。
このとき走行状態センサ53により検出される走行状態は、前記制御ゲインの選定に用いられる。この選定は、例えば、車速の増大に応じて制御ゲインを小とし、また、ヨーレート、横加速度により定まる車両の旋回程度の増大に応じて制御ゲインを小とするように行われる。これにより前記目標舵角は、高速走行中に小、低速走行中に大となり、また旋回走行中には、急旋回となるに従って小さくなり、このような目標舵角に基づく操舵モータ3の制御により、走行状態に応じた操舵特性が得られる。
また操舵制御部5は、舵取機構1に実際に加わる反力をステアリングホイール2を操作する運転者に体感せしめるべく反力モータ4に制御指令を発し、該反力モータ4を駆動せしめる反力制御動作を行う。この制御動作は、例えば、タイロッド軸力センサ51からの入力に基づいて舵取機構1に加わる実反力を求め、求められた実反力に所定の制御ゲインを乗じてステアリングホイール2に加えるべき目標反力を算出し、この目標反力に対応する駆動電流を反力モータ4に給電せしめて行われる。
このとき走行状態センサ53により検出される走行状態は、前記制御ゲインの補正に用いられる。この補正は、例えば、車速及び旋回程度の増大に応じて制御ゲインを大とし、また、前後加速度により求められる減速程度の増大に応じて制御ゲインを大とするように行われる。これによりステアリングホイール2には、コラム軸20に加わる反力モータ4の回転力が操舵反力として付加される。この操舵反力は、舵取機構1に加わる実反力を走行状態に応じて補正したものであり、ステアリングホイール2を操作する運転者に良好な操舵感を体感させることができる。なお、操舵角センサ52により検出されるステアリングホイール2の操作角度を前記目標反力の補正に用い、反力モータ4の駆動電流の増加特性を変更することも可能である。
このような操舵制御及び反力制御動作の実施中に操舵制御部5は、入力側の各センサ、出力側の操舵モータ3及び反力モータ4、並びに、操舵制御部5自身に対する異常診断を行っており、この異常診断の結果、いずれかがフェイル状態にあると判定された場合、このフェイル下での誤った操舵制御及び反力制御動作を停止すると共に、連結装置6を対象とする連結制御動作を行う。
この連結制御動作は、ハウジング60に固設されたソレノイド68に動作信号を与え、該ソレノイド68の励磁によりストッパピン67を退避させ、クラッチ軸65を進出動作させて、第1,第2の一方向クラッチ7,8の前述したクラッチ作用により、入力軸61と出力軸62とを、即ち、ステアリングホイール2側のコラム軸20と舵取機構1側の伝動軸18とを機械的に連結すべく行われる。
このように連結状態が得られた場合、ステアリングホイール2の回転操作に応じたコラム軸20の回転は、連結装置6を介して伝動軸18に伝達され、更に、中間軸17及びピニオン軸16を介してラック軸11に伝達され、該ラック軸11に軸長方向の移動力が付加されて、操舵制御及び反力制御の停止時における緊急の操舵が、ステアリングホイール2から舵取機構1への機械的な伝動によるマニュアル操舵によって可能となる。
連結装置6は、一方向クラッチとして構成された第1,第2の一方向クラッチ7,8を軸長方向に並べた簡素な構成を備えており、また、ストッパピン67をソレノイド68の励磁により退避動作させ、クラッチ軸65との係合を解除する簡易な構成により連結状態が得られるから、操舵装置の全体構成の複雑化及び製品コストの増大を最小限に抑えることができる。スプラグ70,70…及びスプラグ80,80…の内側に当接するクラッチ軸65先端のクラッチ面 65cは、前述の如く、先端に向けて縮径するテーパ面としてあり、ストッパピン67の係合解除により進出するクラッチ軸65とスプラグ70,70…及びスプラグ80,80…との当接状態は確実に実現される。また図2に示す如く、スプラグ70,70…及びスプラグ80,80…の内側の係合面はクラッチ面 65cの傾斜に合わせて軸長方向に傾斜するテーパ面としてあり、これにより、クラッチ面 65cとの当接が夫々の全長に亘ってなされ、強固な連結状態が得られるようになる。
なお、連結装置6が連結状態とされた場合、ステアリングホイール2を操作する運転者に体感される操舵感が大きく変化するから、操舵制御部5は、連結装置6への動作信号の出力に併行して、音、音声メッセージ等の警報発生動作を行わせ、操舵感が変化することを運転者に報知して、ステアリングホイール2の操作を慎重に行いつつ車両を路肩に寄せて停車させる等の対応を促すようにするのが望ましい。
また、ストッパピン67の退避動作を手動により行わせることも可能であり、これにより一層の構成の簡素化が図れる。この場合、操舵制御部5による異常診断の結果を、警報の発生により運転者に報知し、ストッパピン67の操作を促す構成とすればよい。
更に、連結装置6は、前述の如く、入力軸61をコラム軸20に、また出力軸62を伝動軸18に夫々着脱自在にカップリング結合して取付けられており、連結状態となった連結装置6は、例えば、コラム軸20と伝動軸18との間から取り外し、新たな連結装置6と交換することにより初期状態への復帰を容易に実現することが可能となる。
図5は、連結装置6の第2の実施の形態を示す側断面図である。この連結装置6は、クラッチ筒63の内側の同一の周上に第1,第2の連結手段を兼ねる一方向クラッチ9を備えて構成されている。他の部分の構成は、図2に示す連結装置6と同一であり、対応する構成部材に同一の参照符号を付して説明を省略する。
図6は、図5のC−C線による一方向クラッチ9の横断面図である。本図に示す如く一方向クラッチ9は、各複数の2種のスプラグ90,91を、内外2重のリング形をなす保持器92により周方向に適宜の間隔を隔てて保持して構成されている。スプラグ90,91は共に、一方向クラッチ7,8のスプラグ70,80と同様の繭形形状を有するブロックであり、これらは、内外に向けた係合面の増径の方向が互いに逆向きとなるように交互に並べ、各別の中心軸回りでの自転可能に保持されている。
このように構成された一方向クラッチ9において、クラッチ筒内63内にクラッチ軸65が進入せしめられた場合、各複数のスプラグ90,91の係合面は、クラッチ筒63の内面とクラッチ軸65の外面とに、図示の如く当接した状態となる。この状態においてクラッチ筒63とクラッチ軸65との間に相対回転が生じた場合、両者に当接する各スプラグ90,91は、夫々の当接部での摩擦により自転し、この自転の方向が夫々の係合面が増径する向きに生じた場合にクラッチ筒63及びクラッチ軸65との当接部に強く押し付けられ、クラッチ筒63の回転がクラッチ軸65に伝達される。ここで、スプラグ90,90…とスプラグ91,91…とは、係合面の増径の方向を逆向きとしてあるから、クラッチ筒63が一方向に回転するときスプラグ90,90…が、他方向に回転するときスプラグ91,91…が夫々クラッチ作用をなし、入力軸61と出力軸62とは、クラッチ筒63とクラッチ軸65との間に構成された一方向クラッチ9により両方向への回転伝達可能に連結される。
この実施の形態においては、クラッチ筒63内部の同一周上に各複数のスプラグ90,91を互いに逆向きに並べて一方向クラッチ9を構成したから、図2に示す第1の実施の形態に比して軸長方向の寸法が削減され、コンパクトな構成の連結装置6を提供することが可能となる。
なお以上の実施の形態においては、一方向クラッチ8、9の作用位置に移動可能であるクラッチ軸65が出力側部材として設けてあるが、このクラッチ軸65を入力側部材として設けてもよく、更には、入力側部材及び出力側部材の両方を移動可能としてもよい。
またストッパピン67は、実施の形態とは逆に、ソレノイド68が励磁された状態でクラッチ軸65の係合溝 65bに係合した状態にあり、フェイル判定に応じたソレノイド68の消磁により係合溝 65bとの係合を解除し、クラッチ軸65を移動せしめる構成としてもよい。
更に以上の実施の形態においては、分離式の操舵装置への適用例について述べたが、本発明は、アクティブ制御が行われるパワーステアリング装置において、限定されたアクティブ制御の制御機会にのみステアリングホイール2と舵取機構1との連結を遮断する連結装置を備えるパワーステアリング装置への適用も可能であることは言うまでもない。
本発明に係る車両用操舵装置の全体構成を示す模式図である。 連結装置の第1の実施の形態の非連結時の状態を示す側断面図である。 連結装置の第1の実施の形態の連結時の状態を示す側断面図である。 図2及び図3に示す連結装置に備えられた第1,第2の一方向クラッチの横断面図である。 連結装置の第2の実施の形態を示す側断面図である。 図5に示す連結装置に備えられた一方向クラッチの横断面図である。
符号の説明
1 舵取機構
2 ステアリングホイール(操舵部材)
6 連結装置
7 第1の一方向クラッチ(第1の連結手段)
8 第2の一方向クラッチ(第2の連結手段)
9 一方向クラッチ(第1,第2の連結手段)
61 入力軸(入力側部材)
62 出力軸(出力側部材)
65 クラッチ軸(出力側部材)
66 押圧ばね(移動手段)
67 ストッパピン(移動手段)
68 ソレノイド(移動手段)
70,80,90,91 スプラグ

Claims (2)

  1. 操舵部材の操作に応じて回転する入力側部材と、舵取機構の動作に連動回転する出力側部材との間に、両部材を回転伝達可能に連結する連結装置を備える車両用操舵装置において、
    前記連結装置は、前記入力側部材の一方向の回転を前記出力側部材に伝達可能に構成された第1の連結手段と、前記入力側部材の他方向の回転を前記出力側部材に伝達可能に構成された第2の連結手段とを備えることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記第1の連結手段及び第2の連結手段は、同軸上にて内外に嵌合する前記入力側部材及び出力側部材の嵌合周上に各複数のスプラグを並設してなる一方向クラッチと、前記入力側部材及び出力側部材の一方又は両方を、前記スプラグの作用位置と非作用位置との間にて移動させる移動手段とを備える請求項1記載の車両用操舵装置。
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