JP2005082098A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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尚武 神田
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Abstract

【課題】 フェイルの発生時に必要な連結手段部分を小形化することができ、しかも、アクティブ制御が行われる場合に運転者に違和感を与えないようにすることができるようにする。
【解決手段】ステアリングホイール2の操作によって回転する伝動軸25に連結された第1の遊星機構4と、転舵アクチュエータM1に繋がるピニオン軸16に連結された第2の遊星機構5と、第1及び第2の遊星機構4,5の出力部である太陽部材42,52に夫々繋がり、太陽部材42,52の相対回転により互いに係合可能とした2つの係合体6,7とを備える構成とし、第1及び第2の係合体6,7の相対移動量内でアクティブ制御を行わせ、フェイルの発生時には第1及び第2の係合体6,7を係合可能とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、運転者により行われるステアリングホイール等の操舵部材の操作に応じて車輪を転舵する車両用操舵装置に関する。
車両用操舵装置は、操舵部材の操作によって回転する第1の回転部材と車輪に繋がる第2の回転部材とが機械的に連結されているリンク式と、第1及び第2の回転部材が機械的に連結されていないステアバイワイヤ式とが一般に知られている。
後者のステアバイワイヤ式は、車室内の第1の回転部材を車室外の舵取機構から機械的に分離して配置する一方、舵取機構の一部に転舵アクチュエータを付設し、該転舵アクチュエータを、前記操舵部材の操作方向及び操作量の検出結果に基づいて動作させ、舵取機構に操舵力を加えて前記操舵部材の操作に応じた操舵を行わせる構成になっている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ステアバイワイヤ式の車両用操舵装置においては、転舵アクチュエータ、走行状態を検出する各種のセンサ、及びこれらのセンサの検出結果に基づいて前記転舵アクチュエータを制御する操舵制御部のフェイルセーフ対策が必要であり、第1及び第2の回転部材間に電磁クラッチ又は噛み合いクラッチを介装し、この電磁クラッチ又は噛み合いクラッチをフェイル発生時に係合動作させ、操舵部材の操作力を舵取機構に機械的に伝達可能として、マニュアル操舵が行えるようにしている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平10−218000号公報 特開2001−341655号公報
ところが、従来のステアバイワイヤ式にあっては、第1の回転部材の回転が電磁クラッチ又は噛み合いクラッチを介して第2の回転部材に直接伝動されるため、電磁クラッチ又は噛み合いクラッチに加わるトルクが比較的大きくなる。この結果、トルクの増加に対応して電磁クラッチ又は噛み合いクラッチが大形となり、しかも、車両用操舵装置のコストの増大を招来するという問題があった。
また、操舵部材の操作に関係せずに車両の操舵を行なうアクティブ制御の場合に、従来の電磁クラッチ等を備えた車両用操舵装置では、第1の回転部材と第2の回転部材との位相がずれてしまうという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、フェイルの発生時に必要な連結手段部分を小形化することができ、しかも、アクティブ制御が行われる場合に運転者に違和感を与えないようにすることができる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
第1発明に係る車両用操舵装置は、操舵部材の操作に応じて転舵アクチュエータにより車輪を転舵する車両用操舵装置において、前記操舵部材の操作によって回転する第1の回転部材に連結された第1の遊星機構と、前記転舵アクチュエータに繋がる第2の回転部材に連結された第2の遊星機構と、第1及び第2の遊星機構の出力部に夫々繋がり、前記出力部の相対回転により互いに係合可能とした2つの係合体とを備えていることを特徴とする。
第1発明にあっては、第1の回転部材の回転を第2の回転部材に伝動する必要がない通常の場合、操舵部材の操作により回転する第1の回転部材と、転舵アクチュエータにより回転する第2の回転部材とは同位相で回転され、第1及び第2の遊星機構の出力部は相対回転が許容されており、2つの係合体は互いに係合しないため、第1の回転部材の回転は第2の回転部材に伝動されていない。しかも2つの係合体は第1及び第2の遊星機構の出力部が相対回転した後で係合するため、第1及び第2の遊星機構の出力部の相対回転量内でアクティブ制御を行うことができ、違和感のない操舵感を体感させることができる。
また、第1の回転部材の回転を第2の回転部材に伝動する必要がある場合、第1の遊星機構により第1の回転部材の回転を増速して一方の係合体に伝動し、さらに一方の係合体の移動を他方の係合体に伝動するとともに第2の遊星機構により減速して第2の回転部材に伝動することが可能であるため、2つの係合体に加わるトルクを低減でき、係合体部分を小形化することが可能であり、しかも、第1及び第2の遊星機構の出力部間の相対回転量を減少することができ、フェイル発生時の操舵感を高めることができる。
第2発明に係る車両用操舵装置は、前記遊星機構による前記回転部材の回転を変速可能及び変速不可能に制御する回転制御手段を備えていることを特徴とする。
この第2発明にあっては、回転制御手段が遊星機構による回転部材の回転を変速不可能に制御した場合、及び変速可能に制御した場合、第1及び第2の遊星機構の出力部間に比較的多い相対回転量を確保することができるため、出力部の相対回転量内でアクティブ制御を行うことができる。
第3発明に係る車両用操舵装置は、前記遊星機構は前記回転部材に係脱機構を介して連動連結可能としたリング部材と、前記係合体に連結された太陽部材と、該太陽部材及び前記リング部材間で自転する遊星部材と、該遊星部材を公転自在に支持し、前記回転部材に結合された支持部材とを備えており、前記回転制御手段は前記回転部材と連動回転可能な前記係脱機構と、該係脱機構が離脱動作したとき前記リング部材の回転を規制する規制機構とを備えていることを特徴とする。
この第3発明にあっては、係脱機構がリング部材を回転部材に連動連結することにより遊星機構の全体を回転部材と一体的に回転させることができ、回転部材の遊星機構による変速を行うことなく第1及び第2の遊星機構の出力部を相対回転させることができる。また、係脱機構によるリング部材の連動連結が解除されたとき、規制機構がリング部材の回転を規制し、このリング部材に対して回転部材が回転するため、第1の回転部材の回転を第1の遊星機構により増速して一方の係合体に伝動することができる。従って、フェイル発生時の操舵感を高めることができる。
第4発明に係る車両用操舵装置は、前記遊星機構は前記回転部材に対して回転可能なリング部材と、前記係合体に連結された太陽部材と、該太陽部材及び前記リング部材間で自転する遊星部材と、該遊星部材を公転自在に支持し、前記回転部材に結合された支持部材とを備えており、前記回転制御手段は静止部材に支持される電動モータ及び該電動モータの回転を前記リング部材に伝動する伝動輪を備えていることを特徴とする。
この第4発明にあっては、電動モータの回転により第1及び第2の遊星機構による変速比を適宜変えることができるため、第1及び第2の遊星機構の出力部の相対回転量を比較的少なくすることができる。従って、フェイル発生時の操舵感を高めることができ、しかも、アクティブ制御を行うことができる。
第1発明によれば、2つの係合体に加わるトルクを低減することが可能であるため、フェイルの発生時に必要な係合体部分を小形化することが可能であり、しかも、アクティブ制御が行われる場合に運転者に違和感を与えないようにすることができる。
第2発明によれば、第1及び第2の遊星機構の出力部間に比較的多い相対回転量を確保することができるため、第1及び第2の遊星機構の出力部の相対回転量内でアクティブ制御を行うことができる。
第3発明によれば、第1の回転部材の回転を第1の遊星機構により増速して一方の係合体に伝動することができるため、フェイル発生時の操舵感を高めることができる。
第4発明によれば、第1及び第2の遊星機構の出力部の相対回転量を比較的少なくしてアクティブ制御を行うことができるため、フェイル発生時の操舵感を高めることができる。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態1の全体構成を示す模式図である。図示の車両用操舵装置は、車体の左右に配された一対の操舵用の車輪10,10を操舵させるための舵取機構1と、該舵取機構1から機械的に分離して配され、操舵のために回転操作されるステアリングホイール(操舵部材)2とを備え、更にステアリングホイール2の操作に応じた操舵を実現すべく舵取機構1に付設された転舵アクチュエータとしての操舵モータM1を制御し、またステアリングホイール2に操舵反力を加えるべく反力モータM2を制御する操舵制御部3を備えるステアバイワイヤ式の操舵装置として構成されており、操舵動作中の各種のフェイル発生時に、舵取機構1とステアリングホイール2との間に機械的な連結状態を得るべく、これらの間に介装して用いられる歯車形式の第1及び第2の遊星機構4,5と、この遊星機構4,5の出力部に夫々繋がり、前記出力部の相対回転により互いに係合可能とした2つの第1及び第2の係合体6,7とを備えている。
舵取機構1は、車体の左右方向に延設された筒形をなすハウジングH1と、該ハウジングH1の内部に軸長方向への移動自在に支持された操舵軸11とを備えており、ハウジングH1の両側に突出する操舵軸11の両端部を、操舵用の車輪10,10のナックルアーム12,12に各別のタイロッド13,13を介して連結し、操舵軸11の両方向への移動によりタイロッド13,13を介してナックルアーム12,12を押し引きし、車輪10,10を左右に操舵せしめる構成となっている。
操舵モータM1(転舵アクチュエータ)は、操舵軸11を支持するハウジングH1の一側半部の外位置に取り付けられ、該ハウジングH1の内部において、ボールねじ機構等の運動変換機構を介して操舵軸11の中途に伝動構成されており、操舵制御部3から図示しない駆動回路に与えられる制御指令に従って回転駆動されるようになしてある。操舵制御部3は、ステアリングホイール2の回転操作に応じた操舵を行わせるべく前記制御指令を発し、操舵モータM1を駆動せしめる操舵制御動作を行う。
このように駆動される操舵モータM1の回転は、前記運動変換機構により操舵軸11の軸長方向の移動に変換されて前述した操舵がなされる。この操舵により変化する操舵用の車輪10,10の実舵角は、操舵軸11と一側のタイロッド13との連結部の変位を検出すべく構成された実舵角センサ14により検出され、操舵制御部3に与えられている。また、一側のタイロッド13には、軸方向に作用する軸力を検出するタイロッド軸力センサ15が付設されており、この検出結果は、操舵に伴って舵取機構1に実際に加わる操舵反力を示す信号として、操舵制御部3に与えられている。
ハウジングH1の他側半部には、これと交叉するようにピニオンハウジングH2が連設されており、該ピニオンハウジングH2の内部には、軸心回りでの回動自在にピニオン軸16(第2の回転部材)が支持されている。ピニオンハウジングH2の内部に位置するピニオン軸16の下半部には、図示しないピニオンが一体形成され、ハウジングH1との交叉部において、操舵軸11の該当部位に形成された図示しないラック歯に噛合させてある。
ピニオン軸16の上端部はピニオンハウジングH2の上部に突出され、該上端部に第2の遊星機構5の支持部材54が連結されており、また、遊星機構5によるピニオン軸16の回転を変速可能及び変速不可能に制御する回転制御手段8を備えている。
以上の構成により、操舵のために操舵軸11が軸長方向に移動した場合、この移動は、前記ラック歯及びピニオンの噛合部においてピニオン軸16の軸回りの回転に変換される。このようにピニオン軸16は操舵軸11の移動、即ち、舵取機構1の動作に伴って軸回りに回転する。
また逆に、第1の遊星機構4及び係合体6,7から第2の遊星機構5を介してピニオン軸16に回転力が加えられた場合、この回転力は、前記ピニオン及びラック歯の噛合部において運動変換され、操舵軸11に軸長方向の移動力が加えられる。
以上のような舵取機構1から分離して配されたステアリングホイール2は、コラム軸20の先端に嵌着固定され、該コラム軸20を回転自在に支承するコラムハウジングH3を介して車室内の適宜部位に支持されている。コラムハウジングH3の中途部には、ステアリングホイール2に操舵反力を加えるべく回転駆動される反力モータM2が付設されている。該反力モータM2の出力軸は、コラムハウジングH3の内部に延設され、ウォームギヤ等の減速装置(図示せず)を介してコラム軸20の中途部に伝動構成されており、反力モータM2が回転駆動された場合、この回転力が前記減速装置による減速下にてコラム軸20に付加され、該コラム軸20の上端部に固定されたステアリングホイール2に操舵反力が付与されるようになしてある。
反力モータM2は、操舵制御部3から図示しない駆動回路に与えられる制御指令に従って駆動される。操舵制御部3は、舵取機構1に実際に加わる操舵反力に基づいて前記制御指令を発し、ステアリングホイール2に適正な操舵反力を付与すべく反力モータM2を駆動せしめる反力制御動作を行う。
この操舵反力に抗して回転操作されるステアリングホイール2の操作角は、コラムハウジングH3の中途部に付設された操舵角センサ21により検出され、操舵制御部3に与えられている。更に、操舵制御部3には、車速、ヨーレート、横加速度、前後加速度等、操舵に影響を与える走行状態の検出結果が、車両の各部に設置された走行状態センサ22から与えられている。
以上のようなステアリングホイール2の回転軸となるコラム軸20は、コラムハウジングH3の下方に適長突出する下端部が連動軸23及び中間軸24を介して伝動軸(第1の回転部材)25に連結されている。尚、伝動軸25は操舵部材としてのステアリングホイール2の操作に応じて回転する部材であればよい。このような伝動軸25の下端部に第1の遊星機構4の支持部材44が連結されており、また、遊星機構4による伝動軸25の回転を変速可能及び変速不可能に制御する回転制御手段8を備えている。
第1の遊星機構4は伝動軸25の回転を増速して第1の係合体6に伝動するものであり、伝動軸25に係脱機構81を介して連動連結可能としたリング部材41と、該リング部材41の中心部に配置され、第1の係合体6に連結された出力部としての太陽部材42と、該太陽部材42及びリング部材41間で自転する複数の遊星部材43と、該遊星部材43を公転自在に支持し、伝動軸25に結合された支持部材44とを備えており、伝動軸25の回転に連動して支持部材44を回転させ、太陽部材42(出力部)を増速回転させることができるように構成されている。また、リング部材41の外周部には複数の周方向位置に回転止め用の凹状の係止部41aが等間隔で設けられている。
第2の遊星機構5はピニオン軸16の回転を増速して第2の係合体7に伝動するものであり、ピニオン軸16に係脱機構82を介して連動連結可能としたリング部材51と、該リング部材51の中心部に配置され、第2の係合体7に連結された出力部としての太陽部材52と、該太陽部材52及びリング部材51間で自転する複数の遊星部材53と、該遊星部材53を公転自在に支持し、ピニオン軸16に結合された支持部材54とを備えており、ピニオン軸16の回転に連動して支持部材54を回転させ、太陽部材52(出力部)を増速回転させることができるように構成されている。また、リング部材51の外周部には複数の周方向位置に回転止め用の凹状の係止部51aが等間隔で設けられている。
回転制御手段8は伝動軸25と連動回転可能な第1の係脱機構81及びピニオン軸16と連動回転可能な第2の係脱機構82と、係脱機構81,82が離脱動作したときリング部材41,51の回転を規制する第1及び第2の規制機構83,84とを備えている。
第1の係脱機構81は伝動軸25に回転自在に支持された電磁クラッチ又は電磁ブレーキからなり、操舵制御部3からの制御指令信号に従って電磁コイルへ通電されることにより伝動軸25に係合して該伝動軸25とリング部材41とを連動連結し、電磁コイルへの通電が禁止されたとき伝動軸25との係合が離脱し、伝動軸25をフリー回転自在とするように構成されている。
第2の係脱機構82はピニオン軸16に回転自在に支持された電磁クラッチ又は電磁ブレーキからなり、操舵制御部3からの制御指令信号に従って電磁コイルへ通電されることによりピニオン軸16に係合して該ピニオン軸16とリング部材51とを連動連結し、電磁コイルへの通電が禁止されたときピニオン軸16との係合が離脱し、ピニオン軸16をフリー回転自在とするように構成されている。
規制機構83,84は可動部83a,84aを有するソレノイドからなり、コラムハウジングH3、ピニオンハウジングH2等の静止部材に取着されている。ソレノイドは操舵制御部3からの制御指令信号に従って電磁コイルへ通電されることにより可動部83a,84aが進出移動して係止部41a,51aと係合し、電磁コイルへの通電が禁止されたときコイルバネ等の力で可動部83a,84aが後退移動して係止部41a,51aとの係合が離脱するように構成されている。
図2は係合体部分の拡大断面図である。第1の係合体6は太陽部材42(出力部)の中心部に結合された軸部6a及び該軸部6aの軸心に対して偏倚する凸部6bを有しており、第2の係合体7は太陽部材52(出力部)の中心部に連結された軸部7a及び該軸部7aの軸心に対して偏倚し凸部6bと太陽部材42,52の相対回転方向、換言すれば相対移動方向に離隔する凸部7bを有しており、太陽部材42,52が相対回転することにより凸部6b,7bが相対移動して互いに係合可能となり、太陽部材42の回転を軸部6a、凸部6b,7b及び軸部7aを介して太陽部材52に伝動、又は、太陽部材52の回転を軸部7a、凸部7b,6b及び軸部6aを介して太陽部材42に伝動するように構成されている。
以上のように構成された本発明に係る車両用操舵装置において、操舵モータM1を対象とする操舵制御部3の操舵制御動作は、例えば、操舵角センサ21により検出されるステアリングホイール2の操作角度に所定の制御ゲインを乗じて目標舵角を求め、この目標舵角と、実舵角センサ14により検出される操舵用の車輪10,10の実舵角との偏差に基づくフィードバック制御により行われる。
このとき走行状態センサ22により検出される走行状態は、前記制御ゲインの選定に用いられる。この制御ゲインは、例えば、車速の増大に伴って減少し、またヨーレート、横加速度により定まる車両の旋回程度の増大に伴って減少する値として設定されている。これにより、前記目標舵角は、高速走行中に小、低速走行中に大となり、また旋回走行中には、急旋回となるに従って小さくなり、このような目標舵角に基づく操舵モータM1の制御により、走行状態に応じた操舵特性が得られる。
また反力モータM2を対象とする操舵制御部3の反力制御動作は、例えば、タイロッド軸力センサ15からの入力に基づいて舵取機構1に加わる実反力を求め、求められた実反力に所定の制御ゲインを乗じてステアリングホイール2に加えるべき目標反力を算出し、この目標反力に対応する駆動電流を反力モータM2に供給せしめて行われる。
このとき走行状態センサ22により検出される走行状態は、前記制御ゲインの補正に用いられる。この補正は、例えば、車速及び旋回程度が大きくなるに従って制御ゲインを大とし、また、前後加速度により求められる減速程度が大きくなるに従って制御ゲインを大とするように行われる。また、操舵角センサ21により検出されるステアリングホイール2の操作角度を前記目標反力の補正に用い、反力モータM2の駆動電流の増加特性を変更することも可能である。以上の反力制御動作によりステアリングホイール2には、コラム軸20に加わる反力モータM2の回転力が操舵反力として付加される。この操舵反力は、舵取機構1に加わる実反力を走行状態に応じて補正したものであり、ステアリングホイール2を操作する運転者に良好な操舵感を体感させることができる。
このような操舵制御及び反力制御によりなされる通常の操舵中には、規制機構83,84の可動部83a,84aが後退移動して係止部41a,51aとの係合が離脱し、リング部材41,51がフリー回転可能になっており、さらに、係脱機構81,82によりリング部材41,51が伝動軸25、ピニオン軸16と連動連結されているため、第1の遊星機構4は変速動作することなく伝動軸25及び第1の係脱機構81と一体になった状態で回転し、また、第2の遊星機構5は変速動作することなくピニオン軸16及び第2の係脱機構82と一体になった状態で回転する。この結果、伝動軸25と係合体6、ピニオン軸16と係合体7とは等速回転となり、伝動軸25及びピニオン軸16が同位相で回転可能であるため、第1及び第2の係合体6,7の凸部6b,7b間には相対移動方向(太陽部材42,52の相対回転方向)の適宜の隙間があり、凸部6b,7b同士の係合が解除されており、伝動軸25の回転はピニオン軸16に伝動されない。
通常の操舵中に横風による車両の横移動、雨水による車両の横滑り等、外部の状況によって車両が横移動するような状況になり、アクティブ制御が行われる場合、操舵制御部3からの動作指令信号に従って操舵モータM1が駆動制御され、操舵軸11、ピニオン軸16、第2の遊星機構5を介して第2の係合体7の相対移動量及び相対移動方向が変わることになるが、第1及び第2の係合体6,7の凸部6b,7bの間には相対移動方向(太陽部材42,52の相対回転方向)の適宜の隙間が設けられているため、この凸部6b,7b間の相対回転方向隙間量、換言すれば太陽部材42,52の相対回転量の範囲内でアクティブ制御を行うことが可能である。この結果、アクティブ制御による抑止力と運転者によるステアリングホイール2の操作力との干渉を防ぐことができ、ステアリングホイール2を操作する運転者に違和感のない操舵感を体感させることができる。
一方、以上のような操舵制御及び反力制御動作の実施中に操舵制御部3は、入力側の各センサ、出力側の操舵モータM1及び反力モータM2のフェイル判定を行っており、この判定の結果、いずれかがフェイル状態にあると判定された場合、操舵制御部3から係脱機構81,82の電磁コイルに制御指令信号が発信され、電磁コイルへの通電が禁止される。この結果、係脱機構81,82が離脱動作し、伝動軸25及びピニオン軸16のリング部材41,51との連動連結が解除されるとともに、規制機構83,84のソレノイドの可動部83a,84aがリング部材41,51の係止部41a,51aと係合し、リング部材41,51の回転が規制され、伝動軸25の回転は支持部材44、遊星部材43を介して太陽部材42に増速して伝動され、第1の係合体6は増速移動する。第1の係合体6の移動により、第1の係合体6の凸部6bが第2の係合体7の凸部7bと係合し、伝動軸25の回転を第2の係合体7に伝動することができる。この第2の係合体7の移動は太陽部材52から遊星部材53及び支持部材54を介してピニオン軸16に減速して伝動され、伝動軸25とピニオン軸16とを機械的に連動連結させることができる。これに伴い伝動軸25とピニオン軸16とを等速回転させることが可能となり、ステアリングホイール2の操作に応じてマニュアル操舵が可能となる。これにより運転者は、至近の目的地までの運転が可能となり、例えば、修理工場、サービスセンターに車両を移送し、故障修理を依頼することもできる。
また、伝動軸25の回転を第1の遊星機構4により増速して第1の係合体6に伝動するため、ステアリングホイール2の操作量を凸部6b,7b間の相対移動量(太陽部材42,52の相対回転量)の、遊星機構4の増速比分の1に減少させることができ、フェイル状態でステアリングホイール2を操作する運転者に違和感のない操舵感を体感させることができる。しかも、第1の遊星機構4が増速した第1の係合体6の移動を第2の遊星機構5が減速してピニオン軸16に伝動するため、ステアリングホイール2の操作により発生するトルクとピニオン軸16に加わるトルクとを等しくすることができる。
実施の形態2
図3は本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態2の全体構成を示す模式図である。
この車両用操舵装置は、第1及び第2の係脱機構81,82と、規制機構83,84とを備えた回転制御手段8を用いる代わりに、静止部材に支持される第1及び第2の電動モータ85,86と、電動モータ85,86の回転をリング部材41,51に伝動する伝動輪87,88とを備えた回転制御手段8を設けたものである。
実施の形態2において、第1の遊星機構4の支持部材44は伝動軸25に結合されており、第2の遊星機構5の支持部材54はピニオン軸16に結合されている。リング部材41,51は伝動軸25及びピニオン軸16に対して回転自在であり、外周部に伝動輪87,88と噛合する歯が周設されている。
第1及び第2の電動モータ85,86の駆動回路は操舵制御部3に接続されており、操舵制御部3から発信される制御指令に従って電動モータ85,86を駆動制御するように構成されている。また、電動モータ85,86はコラムハウジングH3、ピニオンハウジングH2等の静止部材に取着されている。
伝動輪87,88は歯車からなり、電動モータ85,86の出力軸に外嵌固定され、リング部材41,51の外周部の歯に噛合している。
この実施の形態2において通常の操舵中には、第1及び第2の係合体6,7の凸部6b,7b同士が係合しないように第1及び第2の電動モータ85,86が駆動制御される。従って、第1及び第2の係合体6,7の凸部6b,7b間には相対移動方向(太陽部材42,52の相対回転方向)の隙間があり、凸部6b,7b同士の係合が離脱しており、伝動軸25の回転はピニオン軸16に伝動されないため、操舵モータM1による操舵力と運転者によるステアリングホイール2の操作力との干渉を防ぐことができ、ステアリングホイール2を操作する運転者に違和感のない操舵感を体感させることができる。
通常の操舵中にアクティブ制御が行われる場合、操舵制御部3からの動作指令信号に従って操舵モータM1が駆動制御され、操舵軸11、ピニオン軸16、第2の遊星機構5を介して第2の係合体7の相対移動量及び相対移動方向が変わることになるが、第1及び第2の係合体6,7の凸部6b,7b同士が係合しないように第1及び第2の電動モータ85,86が駆動制御されるため、アクティブ制御による抑止力と運転者によるステアリングホイール2の操作力との干渉を防ぐことができ、ステアリングホイール2を操作する運転者に違和感のない操舵感を体感させることができる。
一方、フェイルが発生した場合、操舵制御部3から電動モータ85,86の駆動回路に制御指令信号が発信され、駆動回路への通電が禁止される。この結果、電動モータ85,86の駆動が停止し、伝動輪87,88を介してリング部材41,51の回転が規制され、伝動軸25の回転は支持部材44、遊星部材43を介して太陽部材42に増速して伝動され、第1の係合体6は増速移動する。第1の係合体6の移動により、第1の係合体6の凸部6bが第2の係合体7の凸部7bと係合し、伝動軸25の回転を第2の係合体7に伝動することができる。この第2の係合体7の移動は太陽部材52から遊星部材53及び支持部材54を介してピニオン軸16に減速して伝動され、伝動軸25とピニオン軸16とを機械的に連動連結させることができる。これに伴い伝動軸25とピニオン軸16とを等速回転させることが可能となり、ステアリングホイール2の操作に応じてマニュアル操舵が可能となる。
また、伝動軸25の回転を第1の遊星機構4により増速して第1の係合体6に伝動するため、ステアリングホイール2の操作量を凸部6b,7b間の相対移動量(太陽部材42,52の相対回転量)の、遊星機構4の増速比分の1に減少させることができ、フェイル状態でステアリングホイール2を操作する運転者に違和感のない操舵感を体感させることができる。また、第1の遊星機構4が増速した第1の係合体6の移動を第2の遊星機構5が減速してピニオン軸16に伝動するため、ステアリングホイール2の操作により発生するトルクとピニオン軸16に加わるトルクとを等しくすることができる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
尚、以上説明した実施の形態における遊星機構4,5は、リング部材41,51、太陽部材42,52及び遊星部材43,53が歯車からなる歯車形式としたが、その他、太陽部材42,52及び遊星部材43,53がロールからなるロール形式としてもよい。
また、以上説明した実施の形態における第1及び第2の係合体6,7は凸部6b,7bを太陽部材42,52の一側面に突設した構成としてもよい。また、係合体6,7は実施の形態のようにピニオン軸16と中間軸24との間に配置した構成である他、例えばピニオン軸16に連結された中間軸24等の第2の回転部材と連動軸23等の第1の回転部材との間に配置した構成としてもよい。
本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態1の全体構成を示す模式図である。 本発明に係る車両用操舵装置の係合体部分の拡大断面図である。 本発明に係る車両用操舵装置の実施の形態2の全体構成を示す模式図である。
符号の説明
2 ステアリングホイール(操舵部材)
4 第1の遊星機構
5 第2の遊星機構
6,7 係合体
8 回転制御手段
16 ピニオン軸(第2の回転部材)
25 伝動軸(第1の回転部材)
41,51 リング部材
42,52 太陽部材(出力部)
43,53 遊星部材
44,54 支持部材
81,82 係脱機構
83,84 規制機構
85,86 電動モータ
87,88 伝動輪
M1 操舵モータ(転舵アクチュエータ)

Claims (4)

  1. 操舵部材の操作に応じて転舵アクチュエータにより車輪を転舵する車両用操舵装置において、前記操舵部材の操作によって回転する第1の回転部材に連結された第1の遊星機構と、前記転舵アクチュエータに繋がる第2の回転部材に連結された第2の遊星機構と、第1及び第2の遊星機構の出力部に夫々繋がり、前記出力部の相対回転により互いに係合可能とした2つの係合体とを備えていることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記遊星機構による前記回転部材の回転を変速可能及び変速不可能に制御する回転制御手段を備えている請求項1記載の車両用操舵装置。
  3. 前記遊星機構は前記回転部材に係脱機構を介して連動連結可能としたリング部材と、前記係合体に連結された太陽部材と、該太陽部材及び前記リング部材間で自転する遊星部材と、該遊星部材を公転自在に支持し、前記回転部材に結合された支持部材とを備えており、前記回転制御手段は前記回転部材と連動回転可能な前記係脱機構と、該係脱機構が離脱動作したとき前記リング部材の回転を規制する規制機構とを備えている請求項2記載の車両用操舵装置。
  4. 前記遊星機構は前記回転部材に対して回転可能なリング部材と、前記係合体に連結された太陽部材と、該太陽部材及び前記リング部材間で自転する遊星部材と、該遊星部材を公転自在に支持し、前記回転部材に結合された支持部材とを備えており、前記回転制御手段は静止部材に支持される電動モータ及び該電動モータの回転を前記リング部材に伝動する伝動輪を備えている請求項2記載の車両用操舵装置。
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