JP2007153003A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クラッチ開放時、クラッチ誤締結の発生を有効に低減することで、誤締結時の運転者への違和感の防止や車両挙動の安定化を図ることができる車両用操舵装置を提供すること。
【解決手段】 操作部と転舵部を断接するバックアップクラッチ9を備えた車両用操舵装置において、前記バックアップクラッチ9は、第1回転部材と、第2回転部材と、クラッチ断接の磁力を発生する励磁手段と、該励磁手段により操作され、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを断接する機械式クラッチ部と、を有し、前記反力装置(1)のプーリシャフト79と前記転舵装置(3)のピニオンシャフト17うち、回転角度変化の小さい方に前記機械式クラッチ部を備えた前記回転部材を接続した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ステアバイワイヤシステム等に適用され、操作部と転舵部を断接するバックアップクラッチを備えた車両用操舵装置の技術分野に属する。
従来、湿式多板クラッチに比べて空転トルクが軽く正常運行時のエネルギーロスを軽減することができ、またコンパクトなバイワイヤステアリングシステムのフェールセーフ機構を提供することを目的とし、内輪と外輪との間にローラを介装し、電磁コイルへの通電時にローラを中立位置に規定することで、外輪と内輪との相対回転を許容するクラッチ開放状態とし、電磁コイルへの非通電時にローラの中立位置規定を解くことで、外輪と内輪との間にローラを楔係合してクラッチ締結状態とするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−8073号公報
しかしながら、従来のバイワイヤステアリングシステムのフェールセーフ機構にあっては、内輪を転舵側回転軸に接続し、外輪をステアリング側回転軸に接続する構成となっているため、内輪と外輪とを切り離すクラッチ開放時、回転角度変化が外輪に比べて大きくなる内輪に従属して回転する機械式クラッチ部(アーマチュア、ローラ、保持器)の慣性力(イナーシャ)によって、速い回転速度においてクラッチのミス係合(誤締結)が発生し、運転者へ違和感を与えるし、車両挙動が不安定となるおそれがある、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、クラッチ開放時、クラッチ誤締結の発生を有効に低減することで、誤締結時の運転者への違和感の防止や車両挙動の安定化を図ることができる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、操作部と転舵部を断接するバックアップクラッチを備えた車両用操舵装置において、
前記バックアップクラッチは、第1回転部材と、第2回転部材と、クラッチ断接の磁力を発生する励磁手段と、該励磁手段により操作され、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを断接する機械式クラッチ部と、を有し、
前記操作部と前記転舵部のうち、回転角度変化の小さい方に前記機械式クラッチ部を備えた前記回転部材を接続したことを特徴とする。
よって、本発明の車両用操舵装置にあっては、バックアップクラッチの第1回転部材と第2回転部材とを、操作部と転舵部とに接続する際、操作部と転舵部のうち、回転角度変化の小さい方に機械式クラッチ部を備えた回転部材が接続される。
例えば、クラッチ開放時におけるミス係合(誤締結)は、クラッチ開放時に係合子を中立位置に規定しているスイッチばね(中立バネ)に保持されている部材の慣性に依存し、スイッチばね(中立バネ)のバネ力に対して、急加減速で発生する慣性トルクが大きいと、中立位置から係合位置に動いてしまいミス係合の要因になる。
すなわち、ミス係合の要因になる慣性を持つのは機械式クラッチ部(例えば、保持器やローラやアーマチュア等)である点と、ミス係合は急加減速で発生する点と、に着目し、操作部と転舵部とに接続する際、操作部と転舵部のうち、回転角度変化の小さい方に機械式クラッチ部を備えた回転部材を接続することで、クラッチ開放時のミス係合(誤締結)を有効に低減することができる。
そして、可変ギア比制御時等が実行されているクラッチ開放時において、ミス係合が発生した場合、ギア比の急変により運転者に違和感を与えるし、また、運転者が意図するよりも切り込み過ぎて、車両挙動(ステア特性)が不安定になるおそれがあるが、ミス係合の低減により、運転者への違和感の防止や車両挙動の安定化は図られる。
この結果、クラッチ開放時、クラッチ誤締結の発生を有効に低減することで、誤締結時の運転者への違和感の防止や車両挙動の安定化を図ることができる。
以下、本発明の車両用操舵装置を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
[全体構成について]
図1は実施例1の車両用操舵装置が適用されたステアバイワイヤシステム(以下、「SBWシステム」という。)を示す全体構成図である。
実施例1の車両用操舵装置が適用されたSBWシステムは、(1)反力装置(操作部)、(2)バックアップ装置、(3)転舵装置(転舵部)、(4)制御コントローラにより構成されている。以下、それぞれの構成を詳しく説明する。
(1)反力装置
反力装置は、舵角センサ1,1と、エンコーダ2と、トルクセンサ3,3と、ホールIC4と、反力モータ5と、を有して構成される。
前記舵角センサ1,1は、ハンドル6の操作角を検出する手段で、後述するケーブルコラム7とハンドル6とを結合するコラムシャフト8に設けられている。ハンドル6の操作角検出系としては、2つの舵角センサ1,1により二重系にて構成されている。そして、舵角センサ1,1は、ハンドル6とトルクセンサ3,3との間に設置されており、トルクセンサ3,3の捩れによる角度変化の影響を受けることなく、操舵角を検出できるようになっている。この舵角センサ1,1には、アブソリュート型レゾルバ等を用いる。
前記トルクセンサ3,3は、前記舵角センサ1と反力モータ5との間に設置されていて、トルクセンサ1とトルクセンサ2との2つのトルクセンサにより二重系にて構成されている。トルクセンサ3,3は、例えば、軸方向に延在するトーションバーと、該トーションバーの一端に連結され、該トーションバーと同軸をなす第1軸と、該トーションバーの他端に連結され、該トーションバー及び第1軸と同軸を成す第2軸と、前記第1軸に固定された第1磁性体と、前記第2軸に固定された第2磁性体と、前記第1磁性体及び第2磁性体に対面するコイルと、該コイルを包囲し、前記第1磁性体及び第2磁性体と共に磁気回路を形成する第3磁性体とを有して構成される。そして、前記コイルはトーションバーに作用する捩れに基づく第1磁性体と第2磁性体との相対変位に対応してインダクタンスが変化し、該インダクタンスに基づく出力信号によりトルクを検出する。
前記反力モータ5は、ハンドル6に反力を与える操舵反力アクチュエータであり、前記コラムシャフト8を回転軸とする1ロータ・1ステータの電動モータで構成されており、そのケーシングが車体の適所に固定されている。この反力モータ5としては、ブラシレスモータが使用され、ブラシレスモータの使用に伴ってエンコーダ2とホールIC4とを追加する。その場合は、ホールIC4のみでもモータトルクを発生するモータ駆動は可能であるが、微細なトルク変動が発生し、操舵反力感が悪い。そこで、より繊細で滑らかな反力制御を行うため、コラムシャフト8の軸上にエンコーダ2を装着し、モータ制御を行うことで、微細なトルク変動を低減し、操舵反力感の向上を達成する。なお、エンコーダ2の代わりにレゾルバを用いても良い。
(2)バックアップ装置
反力装置(1)と転舵装置(3)とを機械的に分離・連結を可能とするバックアップ装置は、ケーブルコラム7とバックアップクラッチ9により構成されている。
前記ケーブルコラム7は、前記バックアップクラッチ9が締結されるバックアップモード時、反力装置(1)と転舵装置(3)との間に介在する部材との干渉を避けて迂回しながらも、トルクを伝達するコラムシャフト機能を発揮する機械式バックアップ機構である。
前記ケーブルコラム7は、2つのプーリ71,72に、ケーブル端部がプーリ71,72に固定された2本のインナーケーブル73,74を互いに逆方向へ巻き付け、2つのプーリケーシング75,76に2本のインナーケーブル73,74を内挿したアウターチューブ77,78の両端を固定することにより構成されている。なお、図中、79はプーリシャフトである。
(3)転舵装置
転舵装置は、エンコーダ10,10、舵角センサ11,11、トルクセンサ12,12、ホールIC13、転舵モータ14,14、ステアリング機構15、操向輪16,16とを有して構成される。
前記舵角センサ11,11とトルクセンサ12,12とは、前記バックアップクラッチ9が一端に取り付けられ、他端部にピニオンギヤが形成されたピニオンシャフト17の軸上に設けられている。舵角センサ11,11としては、上記舵角センサ1,1と同様に二重系を成し、シャフトの回転数を検出するアブソリュート式レゾルバ等が用いられる。また、トルクセンサ12,12としては、上記トルクセンサ3,3と同様に二重系を成し、インダクタンスの変化によりトルクを検出するものが用いられる。そして、ピニオンギヤを介して下流側に舵角センサ11,11を配置し、上流側にトルクセンサ12,12を配置することで、舵角センサ11,11による転舵角検出に際してトルクセンサ12,12の捩りによる角度変化の影響を受けないようにしている。
前記転舵モータ14,14は、前記ピニオンシャフト17上のバックアップクラッチ9とトルクセンサ12,12との中間位置に設けたウォームギヤに噛み合うピニオンギアをモータ軸に設けることで、モータ駆動時にピニオンシャフト17に転舵トルクを付与するように構成されている。この転舵モータ14,14は二重系を成し、第一転舵モータ14と第二転舵モータ14を構成するブラシレスモータとしている。また、上記反力モータ5と同様に、ブラシレスモータの使用に伴ってエンコーダ10,10とホールIC13とを追加する。
前記ステアリング機構15は、前記ピニオンシャフト17の回転により左右の操向輪16,16を転舵させる舵取り機構であって、ラックチューブ15a内に内挿され、前記ピニオンシャフト17のピニオンギヤに噛み合うラックギヤが形成されたラックシャフト15bと、この車両左右方向に延びるラックシャフト15bの両端部に結合されたタイロッド15c,15cと、一端が前記タイロッド15c,15cに結合され、他端が操向輪16,16に結合されたナックルアーム15d,15dと、を有して構成されている。
(4)制御コントローラ
制御コントローラは、電源18により処理演算等を行う2つの制御コントローラ19,19により二重系が構成されている。
前記制御コントローラ19は、反力装置(1)の舵角センサ1,1、エンコーダ2、トルクセンサ3,3、ホールIC4と、転舵装置(3)のエンコーダ10,10、舵角センサ11,11、トルクセンサ12,12、ホールIC13からの検出値が入力される。
前記制御コントローラ19には故障診断部を有し、この故障診断部では、クラッチ切り離しによるステアバイワイヤ制御(以下、「SBW制御」という。)における転舵制御と反力制御の各故障診断と、クラッチ接続によるアシストトルク制御である電動パワーステアリング制御(以下、「EPS制御」という。)における故障診断と、故障診断時における「SBW制御」から「EPS制御」への移行制御が診断される。
制御コントローラ19には、故障診断部以外に、反力指令値演算部、反力モータ駆動部、反力装置電流センサ、転舵指令値演算部、転舵モータ駆動部、転舵装置電流センサ、制御コントローラ診断部をそれぞれ有する。そして、両制御コントローラ19,19は、双方向通信線20を介して互いに情報交換可能に接続されている。
なお、両制御コントローラ19,19には、図外のヨーレート/横Gセンサ、車速を検出する車速センサ、反力モータ5の温度を検出する反力モータ温度センサ等からのセンサ情報が入力される。
[バックアップクラッチ構造について]
図2は実施例1の車両用操舵装置におけるバックアップクラッチを示す断面図、図3は実施例1の車両用操舵装置におけるバックアップクラッチの機械式クラッチ部を示す図である。
まず、実施例1の車両用操舵装置が適用されるSBWシステムは、図1に示すように、バックアップ装置(2)として、操作部である反力装置(1)と、転舵部である転舵装置(3)を断接するバックアップクラッチ9を、転舵装置(3)側に備えている。
前記バックアップクラッチ9は、第1回転部材(外輪30)と、第2回転部材(内輪31)と、クラッチ断接の磁力を発生する励磁手段と、該励磁手段により操作され、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを断接する機械式クラッチ部と、を有し、前記反力装置(1)のプーリシャフト79と前記転舵装置(3)のピニオンシャフト17うち、回転角度変化の小さい方に前記機械式クラッチ部を備えた回転部材を接続している。
前記バックアップクラッチ9は、前記反力装置(1)のプーリシャフト79に前記機械式クラッチ部を備えた第2回転部材(内輪31)を接続している。
すなわち、前記内輪31には、前記反力装置(1)のプーリシャフト79がセレーション嵌合されている。なお、前記外輪30には、前記転舵装置(3)のピニオンシャフト17がセレーション嵌合されている。
前記第1回転部材は、図3に示すように、内周面が円筒面形状の外輪30であり、前記第2回転部材は、外周面がカム形状(八角形状)の内輪31であり、前記機械式クラッチ部は、前記外輪30と前記内輪31との間に介装したローラ32(係合子)を有する。
前記バックアップクラッチ9は、前記励磁手段の作動時、前記機械式クラッチ部により前記ローラ32を中立位置に規定することで、前記外輪30と前記内輪31との相対回転を許容するクラッチ開放状態とし、前記励磁手段の非作動時、前記機械式クラッチ部による前記ローラ32の中立位置規定を解くことで、前記外輪30と前記内輪31との間に前記ローラ32を楔係合するクラッチ締結状態とする。
前記励磁手段は、図2に示すように、クラッチケース33のエンドプレート34(クラッチケース部材)に固定された電磁コイル35と、前記外輪30の端部位置にセレーション嵌合により固定され、前記電磁コイル35のフィールド内に配置された永久磁石36を有するロータ37と、を備えている。
なお、電磁コイル35のフィールド内に永久磁石36を配置した構成により、永久磁石36の磁束に対し、同相もしくは逆相の磁束を電磁コイル35により付与することが可能である。
前記機械式クラッチ部は、図2に示すように、前記ロータ37に対し離反バネ38を介して軸方向移動可能に配置されたアーマチュア39と、前記外輪30と前記内輪31との間に複数個(8個)介装された係合子としてのローラ32と、前記複数個のローラ32をポケットに組み込み、複数個のローラ32の間隔を等長の設定間隔に保持する保持器40と、を備えている。なお、保持器40は、内輪31に対し回転方向に移動可能に支持されている。
前記ローラ32には、図3に示すように、クラッチ開放時に1個のローラ32を中立位置に保持する中立バネ41が設定され、クラッチ締結から開放に遷移する過渡期には、楔係合しているローラ32に対し中立位置への復帰バネ力を付与する。なお、この中立バネ41は、内輪31に固定されている。
前記内輪31にセレーション嵌合された前記反力装置(1)のプーリシャフト79(軸部材)と、前記外輪30の端部位置に固定されたロータ37との間に、ニードルベアリング42(軸受け)を設けている。
なお、図2において、第1ボールベアリング43は、エンドプレート34にプーリシャフト79を支持する。第2ボールベアリング44は、クラッチケース33に外輪30を支持する。第3ボールベアリング45は、外輪30と内輪31との間に介装される。
次に、作用を説明する。
[従来技術の概要と問題点]
SBWシステム(Steer By Wire System)において、反力アクチュエータが故障すると、反力制御を中止して、ハンドルと操向輪とをバックアップ機構であるクラッチにおいて機械的に連結し、ハンドルの回転が、ピニオンに伝達され、転舵制御は、通常の電動パワーステアリング装置における操舵補助制御と同様にして転舵アクチュエータを制御する。
前記SBWシステムにおけるバックアップ機構としては、励磁手段(電磁コイル+永久磁石+ロータ)により操作される機械式クラッチ部(アーマチュア+ローラー+保持器+中立バネ)を備えたカムリング(内輪)と、外輪とを備えたクラッチが、下記に列挙する理由により最適と考えられる。
・湿式多板クラッチ等における摩擦クラッチに比べ、空転トルクが軽く正常運行時(SBW時)のクラッチ開放におけるエネルギーロス(ドラグトルク等)を低減可能である。
・ティース型噛み合いクラッチに比べてクラッチ締結時の係合ガタを低減可能である。
・クラッチ全般と対比した場合、大トルク対応においてもコンパクト化が可能である。
このバックアップクラッチの締結時には、電磁コイルに対しOFF指令を出力すると、電磁コイルによる磁力が無く、ロータに組み付く永久磁石による磁力が、ロータとアーマチュアに組み付く離反バネ力より強いため、ロータとアーマチュアとが摩擦力を持ちながら回転する。その摩擦回転において、外輪と内輪がローラを介して楔係合になり、トルクを伝達する。
一方、バックアップクラッチの開放時には、電磁コイルに対しON指令を出力すると、電磁コイルが永久磁石の磁力を相殺する磁力を出し、アーマチュアに組み付く離反バネの反発力が永久磁石に打ち勝ち、ロータとアーマチュアとを引き離すことで、開放となる。
そして、外輪と内輪とがローラを介して楔係合する部位には、ローラを中立位置へ保持するバネが内蔵されており、ロータとアーマチュアとの摩擦力が無くなると、ローラがバネ力で中立位置へ戻り、楔係合を解除する構造であり、湿式多板式クラッチやティース型噛み合いクラッチに比べ空転トルクが軽く、コンパクト化が図れる。
特開2005−8073号公報に記載された従来技術では、SBWシステムにおけるバックアップクラッチとして、小型・大トルク・締結時のガタ小の要求性能を満足するという理由により上記楔係合構造によるクラッチが採用されている。
しかしながら、楔係合構造によるクラッチは、内輪側に従属して回転する励磁コイル側部材(アーマチュアとローラと保持器)は質量を持ち、クラッチ開放時において、内輪側に速い回転を与えると慣性トルクが発生する構成であるのに対し、従来技術では、内輪を転舵側回転軸(転舵部)に連結し、外輪をステアリング側回転軸(操作部)に連結している。
このため、内輪と外輪とを切り離すクラッチ開放時に実行される可変ギア比制御等において、操舵角変化に対して転舵角変化が大きい時には、図4に示すように、内輪の速い回転速度により慣性トルクがローラを中立位置に保持する中立バネが広げるように発生してしまい、ローラ・保持器が慣性で中立位置から係合位置へ動き、誤って楔係合(ミス係合)してしまう。
そして、可変ギア比制御等においては、操作部と転舵部とは同相へ速度差を持ちながら連れ回っているため、クラッチのミス係合が発生すると、可変ギヤ比から機械的ギヤ比となるため転舵角の変化が一時的に小さくなる。そのため、運転者が転舵量不足を感じ、さらに操作部を切り込んでしまう。この結果、操作部の切り込み追加分が操向輪の切り込みとなり、運転者が意図するよりも操向輪を切り込み過ぎて、オーバーステアになってしまうおそれがある。
[バックアップクラッチ作用]
上記従来の問題点に対し、実施例1の車両用操舵装置では、外輪30と内輪31とが切り離されるクラッチ開放時、バックアップクラッチ9のミス係合の発生を有効に低減することで、ミス係合時の運転者への違和感の防止や車両挙動の安定化を図ることができるようにした。
以下、実施例1の車両用操舵装置におけるクラッチ締結作用、クラッチ開放作用、及び、クラッチ開放時のミス係合低減作用について説明する。
・クラッチ締結作用
バックアップクラッチ9の締結時には、電磁コイル35に対しOFF指令を出力すると、電磁コイル35による磁力が無く、ロータ37に組み付く永久磁石36による磁力が、ロータ37とアーマチュア39に組み付く離反バネ38のバネ力より強いため、ロータ37にアーマチュア39が吸着され、摩擦力を持ちながら一体で回転する。このアーマチュア39の回転により保持器40が回され、ローラ32が中立バネ41のバネ力に抗して回り、外輪30と内輪31がローラ32を介して楔係合になり、トルクを伝達する。
・クラッチ開放作用
バックアップクラッチ9の開放時には、電磁コイル35に対しON指令を出力すると、電磁コイル35が永久磁石36の磁力を相殺する磁力を出し、アーマチュア39に組み付く離反バネ38の反発力が永久磁石36の磁力に打ち勝ち、ロータ37とアーマチュア39とを引き離す。一方、楔係合部位には、ローラ32を中立位置に保持する中立バネ41が内蔵されているため、ロータ37とアーマチュア39との摩擦力が無くなると、ローラ32が中立バネ41による復帰バネ力により中立位置へ戻り、ローラ32による楔係合を解除し、クラッチ開放となる。
・クラッチ開放時のミス係合低減作用
実施例1の車両用操舵装置にあっては、バックアップクラッチ9の外輪30と内輪31とを、操作部と転舵部とに接続する際、操作部と転舵部のうち、回転角度変化の小さい操作部の方に機械式クラッチ部を備えた内輪31が接続される。
クラッチ開放時におけるミス係合は、クラッチ開放時にローラ32を中立位置に規定している中立バネ41によって保持されている部材の慣性に依存し、中立バネ41のバネ力に対して、急加減速で発生する慣性トルクが大きいと、中立位置から係合位置に動いてしまいミス係合の要因になる(図4参照)。
すなわち、ミス係合の要因になる慣性を持つのは機械式クラッチ部(保持器40+ローラ32+アーマチュア39)である点と、ミス係合は急加減速で発生する点と、に着目し、操作部と転舵部とに接続する際、操作部と転舵部のうち、回転角度変化の小さい操作部の方に機械式クラッチ部を備えた内輪31を接続することで、クラッチ開放時のミス係合を有効に低減することができる。
上記のように、実施例1の車両用操舵装置において、前記バックアップクラッチ9は、第1回転部材と、第2回転部材と、クラッチ断接の磁力を発生する励磁手段と、該励磁手段により操作され、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを断接する機械式クラッチ部と、を有し、前記反力装置(1)のプーリシャフト79と前記転舵装置(3)のピニオンシャフト17うち、回転角度変化の小さい方に前記機械式クラッチ部を備えた回転部材を接続した。
例えば、操作部と転舵部のうち、回転角度変化の大きい方に機械式クラッチ部を備えた回転部材を接続した場合、クラッチ開放時において、回転角度変化が大きくなる頻度が高くなり、回転角度変化が大きくなった場合、慣性を持つ機械式クラッチ部で発生する慣性トルクにより、ミス係合が発生するおそれがある。
これに対し、実施例1では、操作部と転舵部のうち、回転角度変化の小さい方に前記機械式クラッチ部を備えた回転部材を接続したことで、クラッチ開放時、バックアップクラッチ9のミス係合の発生を有効に低減することで、ミス係合時の運転者への違和感の防止や車両挙動の安定化を図ることができる。
ちなみに、可変ギヤ比制御では、操作部角加速度に対して、転舵部角加速度は、5倍近くの関係となり、回転角度変化の小さい操作部の方に機械式クラッチ部を備えた内輪31を接続することで、クラッチ開放時のミス係合を著しく抑制することが可能である。
実施例1の車両用操舵装置において、前記バックアップクラッチ9は、前記反力装置(1)のプーリシャフト79に前記機械式クラッチ部を備えた第2回転部材(内輪31)を接続した。
例えば、SBW制御として、車両速度によって可変ギア比のステアリングギア比とするギア比制御を実行する場合、低速であるほどステアリングギア比を大とする。すなわち、通常の走行では、低速〜中速の走行頻度が圧倒的に高く、この場合、操作部の回転角度変化は小さいのに対し、転舵部の回転角度変化は大きくなる。
これに対し、実施例1では、操作部側に機械式クラッチ部を備えた第2回転部材を接続することで、SBW制御としてギア比制御を実行するクラッチ開放時、バックアップクラッチ9のミス係合の発生を効果的に低減することができる。
実施例1の車両用操舵装置において、前記第1回転部材は、内周面が円筒面形状の外輪30であり、前記第2回転部材は、外周面がカム形状の内輪31であり、前記機械式クラッチ部は、前記外輪30と前記内輪31との間に介装したローラ32を有し、前記バックアップクラッチ9は、前記励磁手段の作動時、前記機械式クラッチ部により前記ローラ32を中立位置に規定することで、前記外輪30と前記内輪31との相対回転を許容するクラッチ開放状態とし、前記励磁手段の非作動時、前記機械式クラッチ部による前記ローラ32の中立位置規定を解くことで、前記外輪30と前記内輪31との間に前記ローラ32を楔係合するクラッチ締結状態とする。
したがって、SBWシステムのバックアップクラッチ9として要求される電源OFF時のクラッチ締結によるフェールセーフの確保と共に、小型・大トルク・締結時のガタ小という要求性能を併せて満足することができる。
実施例1の車両用操舵装置において、前記励磁手段は、クラッチケース33のエンドプレート34に固定された電磁コイル35と、前記外輪30の端部位置に固定され、前記電磁コイル35のフィールド内に配置された永久磁石36を有するロータ37と、を備え、前記機械式クラッチ部は、前記ロータ37に対し離反バネ38を介して軸方向移動可能に配置されたアーマチュア39と、前記外輪30と前記内輪31との間に複数個介装されたローラ32と、前記複数個のローラ32をポケットに組み込み、複数個のローラ32の間隔を等長の設定間隔に保持する保持器40と、を備え、前記ローラ32には、クラッチ開放時にローラ32を中立位置に保持する中立バネ41を設定した。
したがって、ミス係合の要因となる中立バネ41と、慣性を持つ機械式クラッチ部とを備えた楔係合によるバックアップクラッチ9でありながら、クラッチ開放時、バックアップクラッチ9のミス係合の発生を有効に低減することができる。
実施例1の車両用操舵装置において、前記内輪31にセレーション嵌合された前記反力装置(1)のプーリシャフト79と、前記外輪30の端部位置に固定されたロータ37との間に、ニードルベアリング42を設けた。
すなわち、プーリシャフト79(内輪31側)とロータ37(外輪30側)との間にニードルベアリング42を設けることで、外輪30と内輪31とは、操作部側のニードルベアリング42と、転舵部側の第3ボールベアリング45と、により両端支持状態となる。これによって、バックアップクラッチ9の搭載角度による内輪31の回転軸と外輪30の回転軸との軸ズレが低減されるし、車体振動等による2つの軸ズレも低減され、クラッチ搭載角度や振動入力等にかかわらず、外輪30と内輪31とのクリアランスを一定に確保するという作用を示す。
したがって、クラッチ開放時、バックアップクラッチ9のミス係合低減に大いに寄与することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用操舵装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 操作部と転舵部を断接するバックアップクラッチ9を備えた車両用操舵装置において、前記バックアップクラッチ9は、第1回転部材と、第2回転部材と、クラッチ断接の磁力を発生する励磁手段と、該励磁手段により操作され、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを断接する機械式クラッチ部と、を有し、前記反力装置(1)のプーリシャフト79と前記転舵装置(3)のピニオンシャフト17うち、回転角度変化の小さい方に前記機械式クラッチ部を備えた回転部材を接続したため、クラッチ開放時、バックアップクラッチ9のミス係合の発生を有効に低減することで、ミス係合時の運転者への違和感の防止や車両挙動の安定化を図ることができる。
(2) 前記バックアップクラッチ9は、前記反力装置(1)のプーリシャフト79に前記機械式クラッチ部を備えた第2回転部材(内輪31)を接続したため、SBW制御としてギア比制御を実行するクラッチ開放時、バックアップクラッチ9のミス係合の発生を効果的に低減することができる。
(3) 前記第1回転部材は、内周面が円筒面形状の外輪30であり、前記第2回転部材は、外周面がカム形状の内輪31であり、前記機械式クラッチ部は、前記外輪30と前記内輪31との間に介装したローラ32を有し、前記バックアップクラッチ9は、前記励磁手段の作動時、前記機械式クラッチ部により前記ローラ32を中立位置に規定することで、前記外輪30と前記内輪31との相対回転を許容するクラッチ開放状態とし、前記励磁手段の非作動時、前記機械式クラッチ部による前記ローラ32の中立位置規定を解くことで、前記外輪30と前記内輪31との間に前記ローラ32を楔係合するクラッチ締結状態とするため、SBWシステムのバックアップクラッチ9として要求される電源OFF時のクラッチ締結によるフェールセーフの確保と共に、小型・大トルク・締結時のガタ小という要求性能を併せて満足することができる。
(4) 前記励磁手段は、クラッチケース33のエンドプレート34に固定された電磁コイル35と、前記外輪30の端部位置に固定され、前記電磁コイル35のフィールド内に配置された永久磁石36を有するロータ37と、を備え、前記機械式クラッチ部は、前記ロータ37に対し離反バネ38を介して軸方向移動可能に配置されたアーマチュア39と、前記外輪30と前記内輪31との間に複数個介装されたローラ32と、前記複数個のローラ32をポケットに組み込み、複数個のローラ32の間隔を等長の設定間隔に保持する保持器40と、を備え、前記ローラ32には、クラッチ開放時にローラ32を中立位置に保持する中立バネ41を設定したため、ミス係合の要因となる中立バネ41と、慣性を持つ機械式クラッチ部とを備えた楔係合によるバックアップクラッチ9でありながら、クラッチ開放時、バックアップクラッチ9のミス係合の発生を有効に低減することができる。
(5) 前記内輪31にセレーション嵌合された前記反力装置(1)のプーリシャフト79と、前記外輪30の端部位置に固定されたロータ37との間に、ニードルベアリング42を設けたため、クラッチ搭載角度や振動入力等にかかわらず、外輪30と内輪31とのクリアランスを一定に確保するという作用を示し、クラッチ開放時、バックアップクラッチ9のミス係合低減に大いに寄与することができる。
実施例2は、実施例1のニードルベアリングに代え、深溝のボールベアリングを採用した例である。
まず、構成を説明すると、図5に示すように、前記内輪31にセレーション嵌合された前記反力装置(1)のプーリシャフト79と、前記外輪30の端部位置に固定されたロータ37との間に設けた軸受けを、深溝の第4ボールベアリング46としている。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、作用を説明すると、実施例2の車両用操舵装置にあっては、ラジアルガタの大きいニードルベアリング42に代え、深溝の第4ボールベアリング46を採用した。
すなわち、プーリシャフト79(内輪31側)とロータ37(外輪30側)との間に深溝の第4ボールベアリング46を設けることで、外輪30と内輪31とは、操作部側の第4ボールベアリング46と、転舵部側の第3ボールベアリング45と、によりラジアルガタを抑えた両端支持状態となる。これによって、バックアップクラッチ9の搭載角度による内輪31の回転軸と外輪30の回転軸との軸ズレが実施例1より低減されるし、車体振動等による2つの軸ズレも実施例1より低減され、クラッチ搭載角度や振動入力等にかかわらず、常に安定して外輪30と内輪31とのクリアランスを一定に確保するという作用を示す。
したがって、クラッチ開放時、バックアップクラッチ9のミス係合が実施例1より低減し、ミス係合の低減に大いに寄与することができる。なお、他の作用は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用操舵装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(6) 前記内輪31にセレーション嵌合された前記反力装置(1)のプーリシャフト79と、前記外輪30の端部位置に固定されたロータ37との間に設けた軸受けを、深溝の第4ボールベアリング46としたため、クラッチ搭載角度や振動入力等にかかわらず、ラジアルガタを抑え、常に安定して外輪30と内輪31とのクリアランスを一定に確保するという作用を示し、クラッチ開放時、バックアップクラッチ9のミス係合が実施例1より低減し、ミス係合の低減に大いに寄与することができる。
以上、本発明の車両用操舵装置を実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、バックアップクラッチとして、外輪と内輪との間にローラを楔係合することで締結するクラッチの例を示したが、バックアップクラッチとしては、要するに、第1回転部材と、第2回転部材と、クラッチ断接の磁力を発生する励磁手段と、該励磁手段により操作され、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを断接する機械式クラッチ部と、を有するクラッチであれば本願発明を適用することができる。
実施例1では、操作部と転舵部のうち、回転角度変化の小さい方である操作部に機械式クラッチ部を備えた内輪を接続した例を示したが、システムや制御上、回転角度変化の小さい方が転舵部となる場合もあるし、また、機械式クラッチ部を備えた回転部材が外輪の場合もあるため、例えば、回転角度変化の小さい方である転舵部に機械式クラッチ部を備えた外輪を接続しても良い。要するに、操作部と転舵部のうち、回転角度変化の小さい方に機械式クラッチ部を備えた回転部材を接続するものであれば本発明に含まれる。
実施例1では、励磁手段として、電磁コイル35のフィールド内に永久磁石36を配置した構成の例を示したが、離反バネ38を、内輪31とアーマチュア39との間に配置し、電磁コイル35のみの構成としても良い。要するに、励磁手段の作動時、外輪30と内輪31との相対回転を許容するクラッチ開放状態とし、励磁手段の非作動時、外輪30と内輪31との間にローラ32を楔契合するクラッチ係合状態とする構成であれば、本願発明を適用することができる。
実施例1,2では、転舵側にバックアップクラッチを設定したステアバイワイヤシステムへの適用例を示したが、操作側にバックアップクラッチを設定したステアバイワイヤシステムへも適用することができる。また、バックアップ装置としてケーブルコラムとバックアップクラッチを併用するステアバイワイヤシステムへの適用例を示したが、ケーブルコラムを用いることなくコラム軸とし、バックアップ装置としてバックアップクラッチのみを備えたステアバイワイヤシステムへも適用することができる。要するに、操作部と転舵部を断接するバックアップクラッチを備えた車両用操舵装置であれば本発明を適用することができる。
実施例1の車両用操舵装置が適用されたステアバイワイヤシステムを示す全体構成図である。 実施例1の車両用操舵装置におけるバックアップクラッチを示す縦断面図である。 実施例1の車両用操舵装置におけるバックアップクラッチの機械式クラッチ部を示す図である。 バックアップクラッチにおいてクラッチ開放時にミス係合が発生するメカニズムを説明する図である。 実施例2の車両用操舵装置におけるバックアップクラッチを示す縦断面図である。
符号の説明
9 バックアップクラッチ
17 ピニオンシャフト
79 プーリシャフト(軸部材)
30 外輪
31 内輪
32 ローラ(係合子)
33 クラッチケース
34 エンドプレート(クラッチケース部材)
35 電磁コイル
36 永久磁石
37 ロータ
38 離反バネ
39 アーマチュア
40 保持器
41 中立バネ
42 ニードルベアリング(軸受け)
43 第1ボールベアリング
44 第2ボールベアリング
45 第3ボールベアリング
46 第4ボールベアリング(ボールベアリング)

Claims (7)

  1. 操作部と転舵部を断接するバックアップクラッチを備えた車両用操舵装置において、
    前記バックアップクラッチは、第1回転部材と、第2回転部材と、クラッチ断接の磁力を発生する励磁手段と、該励磁手段により操作され、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを断接する機械式クラッチ部と、を有し、
    前記操作部と前記転舵部のうち、回転角度変化の小さい方に前記機械式クラッチ部を備えた前記回転部材を接続したことを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載された車両用操舵装置において、
    前記バックアップクラッチは、前記操作部に前記機械式クラッチ部を備えた第2回転部材を接続したことを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1または2に記載された車両用操舵装置において、
    前記第1回転部材は、内周面が円筒面形状の外輪であり、
    前記第2回転部材は、外周面がカム形状の内輪であり、
    前記機械式クラッチ部は、前記外輪と前記内輪との間に介装した係合子を有し、
    前記バックアップクラッチは、前記励磁手段の作動時、前記機械式クラッチ部により前記係合子を中立位置に規定することで、前記外輪と前記内輪との相対回転を許容するクラッチ開放状態とし、前記励磁手段の非作動時、前記機械式クラッチ部による前記係合子の中立位置規定を解くことで、前記外輪と前記内輪との間に前記係合子を楔係合するクラッチ締結状態とすることを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項3に記載された車両用操舵装置において、
    前記励磁手段は、クラッチケース部材に固定された電磁コイルと、前記外輪の端部位置に固定され、前記電磁コイルのフィールド内に配置された永久磁石を有するロータと、を備え、
    前記機械式クラッチ部は、前記ロータに対し離反バネを介して軸方向移動可能に配置されたアーマチュアと、前記外輪と前記内輪との間に複数個介装された係合子としてのローラと、前記複数個のローラをポケットに組み込み、複数個のローラの間隔を等長の設定間隔に保持する保持器と、を備え、
    前記ローラに、クラッチ開放時にローラを中立位置に保持する中立バネを設定したことを特徴とする車両用操舵装置。
  5. 請求項3,4に記載された車両用操舵装置において、
    前記内輪にセレーション嵌合された前記操作部の軸部材と、前記外輪の端部位置に固定されたロータとの間に、軸受けを設けたことを特徴とする車両用操舵装置。
  6. 請求項5に記載された車両用操舵装置において、
    前記軸受けは、ボールベアリングであることを特徴とする車両用操舵装置。
  7. 操作部と転舵部を断接するバックアップクラッチを備えた車両用操舵装置において、
    前記バックアップクラッチは、前記操作部と前記転舵部のうち、回転角度変化の小さい方に、クラッチ開放時に誤締結の原因となる慣性を持つ機械式クラッチ部を備えた回転部材を接続したことを特徴とする車両用操舵装置。
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