JP4449397B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
前記電気信号に基づいて、前記ステアリング機構を制御するために設けられたアクチュエータ、センサー、制御コントローラの各システム構成を二重系以上とし、かつ、前記操作入力手段とステアリング機構の間に、前記操舵入力を前記ステアリング機構に機械的に伝達する機械式のバックアップ装置を備え、
前記制御コントローラは、二重系以上の各システム構成のうち、前記ステア・バイ・ワイヤ制御の制御系の一系統に故障が生じた場合、前記操作入力手段が中立点付近で、かつ、操向輪が中立点付近であると判断されるまで、前記一系統を除く残りの正常な系統でステア・バイ・ワイヤ制御を継続し、操作入力手段と操向輪が共に中立点付近であると判断されると、前記機械式のバックアップ装置を構成するクラッチを接続し、バックアップモードに移行する制御を実行する手段とした。
図1は実施例1の車両用操舵装置を示す全体システム図、図2は実施例1の車両用操舵装置におけるクラッチ部とケーブルコラム部とトルクセンサー部の各詳細図、図3は実施例1の車両用操舵装置の全体システムを示すブロック図である。実施例1の車両用操舵装置は、(1)反力装置、(2)バックアップ装置、(3)転舵装置、(4)制御コントローラにより構成されている。以下、それぞれの構成を詳しく説明する。
反力装置は、舵角センサー1、エンコーダ2、トルクセンサー3,3、ホールIC4、反力モータ5とを有して構成される。
バックアップ装置は、ケーブルコラム7とクラッチ9により構成されている。
前記クラッチ9は、コラムシャフト8とプーリシャフト10との間に介装され、実施例1では電磁クラッチを用いている。図2(a)にクラッチ部の詳細を示す。クラッチ9は、電磁コイルに通電されると、磁束Φが発生する。このとき、アーマチュアが板ばねの復帰力に抗してロータのフランジに磁気吸着されるから、入力軸であるコラムシャフト8と出力軸であるプーリシャフト10は連結される。そして、ステアリングホイール6が回転すると、その回転力がクラッチ9を介してケーブルコラム7のプーリに伝達され、ケーブルコラム7のプーリが回転すると、その回転力がクラッチ9を介してステアリングホイール6に伝達される。また、電磁コイルへの通電を解除すると、磁束Φが消滅してアーマチュアが板ばねの復帰力によってロータから離間する。つまり、クラッチ9の伝達トルク容量は、電磁コイルの発生できる磁束Φを変えることで吸着力が変化するので任意に設定することができる。なお、通電するとクラッチを解除する方式を採っても良い。
転舵装置は、エンコーダ10、舵角センサー11、トルクセンサー12,12、ホールIC13、転舵モータ14,14、ステアリング機構15、操向輪16,16とを有して構成される。
制御コントローラは、2つの電源18,18により処理演算等を行う2つの制御コントローラ19,19により二重系が構成されている。
[転舵制御の故障診断作動]
図4は実施例1の制御コントローラ19の故障診断部19aにて実行される転舵制御の故障診断作動処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
[反力制御の故障診断作動]
図5は実施例1の制御コントローラ19の故障診断部19aにて実行される反力制御の故障診断作動処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
[EPS制御の故障診断作動]
図6は実施例1の制御コントローラ19の故障診断部19aにて実行されるEPS制御の故障診断作動処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。この故障診断作動は、EPS制御が実行されると開始される。
[SBWからEPSへの移行制御作動]
図7は実施例1の制御コントローラ19の故障診断部19aにて実行されるSBWからEPSへの移行制御作動処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。この制御作動は、転舵制御と反力制御の故障診断において、SBWからEPSへ移行することが決定した場合(図4及び図5において※にて示す。)に開始する。
ステア・バイ・ワイヤ状態で走行中に故障が発生した時、主操舵アクチュエータまたは副操舵アクチュエータに異常が発生すると、VGR機能を解除し、ステアリングホイールの回転角と操向輪の転舵角との関係が適切な関係(ステアリングホイールの中立点と操向輪の中立点とが一致する関係)となるように、正常な操舵アクチュエータを制御して操向輪の位置を調整する構成となっていたため、操向輪の位置調整を操舵アクチュエータで行うことになり、走行ラインが運転者が意図したラインから外れて車線をはみ出す可能性がある。
ステア・バイ・ワイヤ制御で用いる舵角センサー系が一系統のみという構成となっていたため、舵角センサーの故障時はステアリングホイールの角度が検出できず、直ちにクラッチを接続するバックアップ作動をさせる必要がある。このため、ステアリングホイールの中立点と操向輪の中立点とに不一致が生じる。
ステア・バイ・ワイヤ状態で故障が発生した時、直進や旋回中などの走行状態によらずにクラッチを締結させ、さらに、反力アクチュエータの駆動を停止させる。クラッチが連結されることにより、舵取り機構とステアリングホイールとの機械的な結合が達成され、その後、正常な操舵アクチュエータおよび反力アクチュエータを操舵補助力の発生源としたパワーステアリング装置として機能する。という構成になっていたため、ステア・バイ・ワイヤ時と電動パワーステアリング時ではアクチュエータへの指令値が異なり、また、バックアップの連結時には操向輪からの反力がステアリングホイールに伝わる。例えば、旋回中など、アクチュエータの出力が発生し、かつ、旋回を維持する操向輪からの入力が大きい時にバックアップ作動させて電動パワーステアリングに切り替えると、アクチュエータへの指令値が急変し、かつ、操向輪からの入力がステアリングホイールに伝わるため、操舵力の変化が大きくなり、操舵フィーリングを損なう。
反力アクチュエータに異常が発生すると、舵取り制御部は、まず、反力アクチュエータの駆動を停止させる。つぎに、(VGR機能を解除し、ステアリングホイールの回転角と操向輪の転舵角との関係が適切な関係になるように、正常な操舵アクチュエータを制御して操向輪の位置を調整した後、)クラッチを連結させる。という構成になっていたため、旋回中の反力アクチュエータに異常が発生すると、反力が減少し、その後、クラッチが連結されると操向輪からの入力がステアリングホイールに伝わり、反力が増加するため、運転者が違和感を持つ。
これに対し、実施例1の車両用操舵装置では、二重系以上の各システム構成のうち、一つの系統に故障が生じた時でも、残りの正常な系統でステア・バイ・ワイヤ制御を継続できるため、ステアリングホイール6の中立点と操向輪16,16の中立点との中立点ズレがを生じない状態でクラッチ9を接続したバックアップモードに切り替え移行することができる。
実施例1の車両用操舵装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
[転舵制御の故障診断作動]
図10は実施例2の制御コントローラ19の故障診断部19aにて実行される転舵制御の故障診断作動処理の流れを示すフローチャートである。ステップS1〜ステップS5およびステップS10〜ステップS14は、図4の実施例1のフローチャートと同様であるので説明を省略する。
[反力制御の故障診断作動]
図11は実施例2の制御コントローラ19の故障診断部19aにて実行される反力制御の故障診断作動処理の流れを示すフローチャートである。ステップS21〜ステップS25およびステップS28〜ステップS30は、図5の実施例1のフローチャートと同様であるので説明を省略する。
[EPS制御の故障診断作動]
図12は実施例2の制御コントローラ19の故障診断部19aにて実行されるEPS制御の故障診断作動処理の流れを示すフローチャートである。ステップS31〜ステップS40およびステップS42〜ステップS43は、図6の実施例1のフローチャートと同様であるので説明を省略する。
実施例2の車両用操舵装置にあっては、実施例1の(1)〜(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
実施例3の車両用操舵装置にあっては、実施例1の(1)〜(6)の効果に加え、下記に列挙する効果を得ることができる。
実施例4の車両用操舵装置にあっては、実施例1の(1)〜(6)の効果に加え、下記に列挙する効果を得ることができる。
[転舵制御の故障診断作動]
図17は実施例5の制御コントローラ19の故障診断部19aにて実行される転舵制御の故障診断作動処理の流れを示すフローチャートである。ステップS1およびステップS10〜ステップS14は、図4の実施例1のフローチャートと同様であるので説明を省略する。
[反力制御の故障診断作動]
図18は実施例5の制御コントローラ19の故障診断部19aにて実行される反力制御の故障診断作動処理の流れを示すフローチャートである。ステップS21〜ステップS25およびステップS30は、図5の実施例1のフローチャートと同様であるので説明を省略する。また、ステップS26’、ステップS26"、ステップS27’、ステップS27"は、図11の実施例2のフローチャートと同様であるので説明を省略する。
[EPS制御の故障診断作動]
図19は実施例5の制御コントローラ19の故障診断部19aにて実行されるEPS制御の故障診断作動処理の流れを示すフローチャートである。ステップS31〜ステップS40およびステップS43は、図6の実施例1のフローチャートと同様であるので説明を省略する。すなわち、図19は図6のフローチャートで、ステップS41とステップS42とを省略したものである。
実施例5の車両用操舵装置にあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
2 エンコーダ
3 トルクセンサー
4 ホールIC
5 反力モータ
6 ステアリングホイール(操作入力手段)
7 ケーブルコラム
8 コラムシャフト
9 クラッチ
10 プーリシャフト
11 舵角センサー
12 トルクセンサー
13 ホールIC
14 転舵モータ
15 ステアリング機構
16 操向輪
17 ピニオンシャフト
18 電源
19 制御コントローラ
20 双方向通信線
Claims (11)
- 操作入力を受ける操作入力手段と、左右の操向輪を転舵させるステアリング機構と、を備え、前記操作入力手段とステアリング機構が機械的に切り離された状態で、前記操作入力手段の操舵入力に応じて発生する電気信号によって、前記ステアリング機構を作動させるステア・バイ・ワイヤ制御を行う車両用操舵装置において、
前記電気信号に基づいて、前記ステアリング機構を制御するために設けられたアクチュエータ、センサー、制御コントローラの各システム構成を二重系以上とし、かつ、前記操作入力手段とステアリング機構の間に、前記操舵入力を前記ステアリング機構に機械的に伝達する機械式のバックアップ装置を備え、
前記制御コントローラは、二重系以上の各システム構成のうち、前記ステア・バイ・ワイヤ制御の制御系の一系統に故障が生じた場合、前記操作入力手段が中立点付近で、かつ、操向輪が中立点付近であると判断されるまで、前記一系統を除く残りの正常な系統でステア・バイ・ワイヤ制御を継続し、操作入力手段と操向輪が共に中立点付近であると判断されると、前記機械式のバックアップ装置を構成するクラッチを接続し、バックアップモードに移行する制御を実行することを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1に記載された車両用操舵装置において、
前記バックアップモードでは、電動パワーステアリングによる制御を実行することを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1または請求項2に記載された車両用操舵装置において、
前記ステアリングホイールの操舵角度を検出する舵角センサーを、前記操作入力手段と該操作入力手段で発生する操舵トルクを検出するトルクセンサーとの間に設置したことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1,2,3の何れか1項に記載された車両用操舵装置において、
前記操向輪の転舵角度を検出する舵角センサーを、前記機械式のバックアップ装置と前記操向輪の転舵によって発生する転舵トルクを検出するトルクセンサーとの間に設置したことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1,2,3,4の何れか1項に記載された車両用操舵装置において、
前記操作入力手段に反力を与える反力装置と、前記ステアリング機構の操向輪を転舵させる転舵装置のアクチュエータを、各々ブラシレスモータによる反力モータと転舵モータとしたことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項5に記載された車両用操舵装置において、
前記転舵モータを、1ロータ・2ステータによるブラシレスモータとしたことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項5に記載された車両用操舵装置において、
前記反力モータを、1ロータ・2ステータによるブラシレスモータとしたことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項5に記載された車両用操舵装置において、
前記転舵モータと反力モータを、共に1ロータ・2ステータによるブラシレスモータとし、
前記機械式のバックアップ装置をケーブルコラムとクラッチにより構成し、前記クラッチを前記ケーブルコラムと反力装置との間に設置したことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項5に記載された車両用操舵装置において、
前記転舵モータと反力モータを、共に1ロータ・2ステータによるブラシレスモータとし、
前記機械式のバックアップ装置をケーブルコラムとクラッチにより構成し、前記クラッチを前記ケーブルコラムと転舵装置との間に設置したことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1,2,3,4の何れか1項に記載された車両用操舵装置において、
前記操作入力手段に反力を与える反力装置と、前記ステアリング機構の操向輪を転舵させる転舵装置のアクチュエータを、各々ブラシ付き直流モータによる反力モータと転舵モータとしたことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項10に記載された車両用操舵装置において、
前記反力モータを、2ロータ・1ステータによるブラシ付き直流モータとしたことを特徴とする車両用操舵装置。
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