JP2007008337A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クラッチのトルク容量を小さくでき、操舵部の車両前後方向寸法の短縮化を図ることができる車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】 ハンドル1を有する操舵部Aと操向輪22,22を転舵する転舵部Bとが機械的に切り離され、操舵部Aと転舵部Bとを機械的に連結するケーブル式コラム10と、このケーブル式コラム10の連結または切り離しを行うクラッチ6と、を備えた車両用操舵装置において、操舵部Aとクラッチ6との間の回転軸上に配置され、クラッチ6への出力回転を増速する反力側ギア4と、クラッチ6と転舵部Bとの間の回転軸上に配置され、転舵部Bへの出力回転を減速する転舵側ギア8と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ドライバの操舵入力を受ける操舵部と、操向輪を転舵する転舵部との間に機械的なつながりが無いステア・バイ・ワイヤシステム等に採用される車両用操舵装置の技術分野に属する。
従来のステア・バイ・ワイヤシステムは、ハンドルに連結されたコラムシャフトに、反力モータ、クラッチおよびバックアップ手段のハンドル側ケーブルリールが連結されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−225733号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、クラッチのトルク容量(締結容量)を大きくした場合、クラッチの大型化を招くため、結果、操舵部の車両前後方向寸法が長くなり、車両搭載性に劣るという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、クラッチのトルク容量を小さくでき、操舵部の車両前後方向寸法の短縮化を図ることができる車両用操舵装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、
操作入力手段を有する操舵部と操向輪を転舵する転舵部とが機械的に切り離され、前記操舵部と前記転舵部とを機械的に連結するバックアップ手段と、このバックアップ手段の連結または切り離しを行うクラッチと、を備えた車両用操舵装置において、
前記操舵部と前記クラッチとの間の回転軸上に配置され、前記クラッチへの出力回転を増速する増速手段と、
前記クラッチと前記転舵部との間の回転軸上に配置され、前記転舵部への出力回転を減速する減速手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、第1ギアと第2ギアとの間に配置されたクラッチへ入力されるトルクを、第1ギアの入力、および第2ギアの出力に対して小さくできるため、クラッチのトルク容量を小さく抑えることができる。よって、操舵部の車両前後方向寸法を短くでき、車両搭載性の向上を実現できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜5に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
[全体構成]
図1は実施例1の車両用操舵装置が適用されたステア・バイ・ワイヤシステムを示す全体構成図、図2は転舵部Bの詳細図である。実施例1の車両用操舵装置は、操舵部A、ケーブル式コラム(バックアップ手段)10、転舵部B、制御コントローラ19により構成されている。以下、それぞれの構成を説明する。
操舵部Aは、図2に示すように、ハンドル(操作入力手段)1と、コラムシャフト2と、反力モータ3と、反力側ギア(増速手段)4と、クラッチ6と、転舵側ギア(減速手段)8と、ハンドル角センサ13と、レゾルバ15と、を有して構成されている。
反力モータ3は、出力軸がコラムシャフト2と同軸の同軸モータであり、制御コントローラ19からの指令電流値に応じて、コラムシャフト2に路面反力を模擬する操舵反力トルクを出力する。反力側ギア4は、反力モータ3とクラッチ6との間に設けられ、ハンドル1の回転軸方向(コラムシャフト2の軸方向)に対し、クラッチ6の回転軸方向を異ならせるものである。
クラッチ6は、コラムシャフト2とケーブル式コラム10との間に介装され、実施例1では、図3に示すような湿式多板機械クラッチを用いている。図3において、6aはクラッチ本体、6bはインナディスク、6cはアウタディスク6c,6dはプレッシャープレート、6eはレバー、6fはレバーピン、6gはレリーズばね、6hは調整板、6iは止めピン、6jはナット、6kは平行キー、6mはシフタープーリ、6nは止め板、6pは止めピンばねである。
クラッチ6の締結により、ハンドル1に加えられた操舵トルクは、舵取り機構11に機械的に伝達される。ハンドル角センサ13は、コラムシャフト2の回転角を検出する。レゾルバ15は、反力モータ3のモータ回転角を検出する。
ケーブル式コラム10は、クラッチ6が締結されるバックアップモード時、操舵部Aと転舵部Bとの間に介在する部材との干渉を避けて迂回しながらも、トルクを伝達するコラムシャフト機能を発揮する機械式バックアップ機構である。ケーブル式コラム10は、コラムシャフト2と連結されたハンドル側ケーブルリール10aと、ピニオンシャフト21と連結されたピニオン側ケーブルリール10bに端部が両ケーブルリール10a,10bに固定された2本のインナーケーブルを互いに逆方向へ巻き付け、2つのリールケースに2本のインナーケーブルを内挿したアウタチューブ10c,10cの両端を固定することにより構成されている。
転舵部Bは、図2にも示すように、舵取り機構11と、レゾルバ16と、トルクセンサ17と、エンコーダ18と、転舵モータ20,20と、ピニオンシャフト21と、操向輪22,22と、を有して構成されている。
舵取り機構11は、ラック&ピニオン式のステアリングギア11aを備え、ピニオンシャフト21の回転に応じて操向輪22,22を転舵する。転舵モータ20,20は、ウォーム&ウォームホイール等の減速機を介してピニオンシャフト21と連結されたモータであり、制御コントローラ19からの指令電流値に応じて、ピニオンシャフト21に操向輪22,22を転舵する転舵トルクを出力する。
レゾルバ16は、転舵モータ20,20のモータ回転角を検出する。トルクセンサ17は、ピニオンシャフト21への入力トルクを検出する。エンコーダ18は、ピニオンシャフト21の回転角を検出する。
制御コントローラ19は、ハンドル角センサ13と、トルクセンサ14と、レゾルバ15,16と、トルクセンサ17と、エンコーダ18と、からの検出信号が入力され、各センサ信号に基づいて、反力モータ3および転舵モータ20,20を駆動制御する。
通常のステア・バイ・ワイヤ制御(クラッチ6解放状態)では、ハンドル1の回転角をハンドル角センサ13で読み取り、これに基づいた舵取り機構11の転舵量を制御コントローラ19にて演算し、制御コントローラ19より転舵モータ20,20を駆動する指令電流値が出力され、舵取り機構11が駆動される。このとき、舵取り機構11に作用する反力をトルクセンサ17にて検出し、制御コントローラ19を介して反力モータ3を駆動する指令電流値が出力され、ハンドル1に操舵反力を与える。
ステア・バイ・ワイヤシステムに異常が発生した場合には、クラッチ6を締結してハンドル1から舵取り機構11までを機械的に連結する。このとき、ハンドル1の操作力はハンドル1、コラムシャフト2、反力側ギア4、クラッチ6、転舵側ギア8、ケーブル式コラム10、舵取り機構11の順に伝達される。
[操舵部の細部構成]
図4に示すように、操舵部Aは、ダッシュパネル9で、車体のエンジンルームと仕切られた車室内側に配置されている。反力側ギア4とクラッチ6は、第1シャフト(回転軸)5で連結され、クラッチ6と転舵側ギア8は、第2シャフト(回転軸)7で連結され、転舵側ギア8とハンドル側ケーブルリール10aは、第3シャフト(回転軸)8cで連結されている。
図5は、反力側ギア4、クラッチ6および転舵側ギア8の細部構成を示す模式図である。
反力側ギア4は、入力ギア4aと出力ギア4bとで構成されたベベルギアである。入力ギア4aは、コラムシャフト2(反力モータ3の出力軸)と連結され、出力ギア4bは、第1シャフト5と連結されている。コラムシャフト2に入力された回転は、反力側ギア4の回転方向変換機能により直角方向(車幅方向)に変換され、第1シャフト5を介してクラッチ6へ入力される。第1シャフト5は、コラムシャフト2および第3シャフト8cよりも小径に形成されている。
転舵側ギア8は、入力ギア8aと出力ギア8bとで構成されたベベルギアである。入力ギア8aは、第2シャフト7と連結され、出力ギア8bは第3シャフト8cと連結されている。クラッチ6から第2シャフト7に出力された回転は、転舵側ギア8の回転方向変換機能により直角方向(車両前後方向)に変換され、第3シャフト8cを介してケーブル式コラム10のハンドル側ケーブルリール10aに入力される。第2シャフト7は、第1シャフト5と同様、コラムシャフト2および第3シャフト8cよりも小径に設定されている。
図6は、反力側ギア4の内部構造を示す図であり、反力側ギア4は、入力軸4cと出力軸4dとを有している。入力軸4cの一端はコラムシャフト2と連結され、他端は入力ギア4aと連結されている。出力軸4dの一端は出力ギア4bと連結され、他端は第1シャフト5と連結されている。
入出力ギア4a,4bは、ケーシング4eに収容されている。入力軸4cは2つのニードルベアリング4f,4gを介してケーシング4eに支持され、出力軸4dは2つのニードルベアリング4h,4iとボールベアリング4jを介してケーシング4eに支持されている。
なお、転舵側ギア8の内部構造は、図6に示した反力側ギア4と同一構造であるため、説明を省略する。
反力側ギア4の入力ギア4aの歯数をZ1、出力ギア4bの歯数をZ2とし、転舵側ギア8の入力ギア8aの歯数をZ1'、出力ギア8bの歯数をZ2'としたとき、各歯数の関係は、下記の式(1)を満足する。
Z1/Z2=Z2'/Z1' …(1)
ここで、Z1>Z2,Z1'<Z2'
すなわち、反力側ギア4はコラムシャフト2の回転を増速してクラッチ6へ出力し、転舵側ギア8はクラッチ6の出力回転を減速してケーブル式コラム10へ出力する。また、コラムシャフト2の回転速度とケーブル式コラム10の入力回転は同一回転数となる。
次に、作用を説明する。
[クラッチのトルク容量低減作用]
ステア・バイ・ワイヤシステムの異常時には、クラッチ6が締結され、ハンドル1の操舵力伝達は、コラムシャフト2→反力側ギア4→クラッチ6→転舵側ギア8→ケーブル式コラム10→舵取り機構11の順に伝達される。また、操向輪22,22からの路面反力は、舵取り機構11→ケーブル式コラム10→転舵側ギア8→クラッチ6→反力側ギア4→コラムシャフト2→ハンドル1の順に伝達される。
実施例1では、クラッチ6のハンドル側に増速ギアである反力側ギア4を設け、クラッチ6の舵取り機構11側に減速ギアである転舵側ギア8を設けたため、クラッチ6に付加されるトルク(ドライバの操舵力および路面反力)は、反力側ギア4への入力、および転舵側ギア8からの出力に対して小さくなる。よって、クラッチ6のトルク容量を小さく抑えることができる。
また、実施例1では、反力側ギア4をベベルギアとしたため、反力モータ3よりも前輪22,22側の回転軸を反力側ギア4によりもコラム上からずらすことが可能となり、操舵部Aの車両前後方向寸法を短縮できる。
[衝突時の脱落容易化作用]
実施例1では、反力側ギア4とクラッチ6を連結する第1シャフト5およびクラッチ6と転舵側ギア8とを連結する第2シャフト7への付加トルクが小さいため、第1シャフト5および第2シャフト7を小径として軽量化を図ることができる。よって、車両衝突時の第1シャフト5および第2シャフト7の切り離しが容易となる。したがって、車両衝突時、操舵部Aに衝撃力が付加された場合、第1シャフト5または第2シャフト7が破断して操舵部Aがダッシュパネル9側に移動し、ハンドル1とドライバ間の距離を稼ぎ、ドライバへの衝撃を低減できる。
[制御応答性向上作用]
通常のステア・バイ・ワイヤ制御時(クラッチ非締結状態)では、ハンドル1の回転角をハンドル角センサ13で読み取り、これに基づいた舵取り機構11の作動量を制御コントローラ19で演算し、制御コントローラ19より転舵モータ20を駆動する指令を送り、舵取り機構11を作動させる。このとき、舵取り機構11に作用する反力をトルクセンサ17にて検出し、制御コントローラ19を介して反力モータ3を駆動する指令を送り、ハンドル1に操舵反力を与える。
通常時には、反力側ギア4とクラッチ6の第1シャフト5側は、ハンドル1と連れ回っており、クラッチ6の第2シャフト7側と転舵側ギア8とケーブル式コラム10は、舵取り機構11と連れ回ることとなる。特に反力制御では、その応答性等が直接操舵感に影響するため、連れ回りのフリクション、慣性を極力小さくしたい。
実施例1では、クラッチ6を低容量化と第1シャフト5および第2シャフト7の軽量化により、連れ回りの影響をより小さくでき、反力制御および転舵制御の応答性が高められる。また、反力側ギア4を、反力モータ3とクラッチ6との間に介装したため、反力側ギア4が持つフリクション等が、反力モータ3からハンドル1に付加される操舵反力に介入するのを回避でき、操舵フィーリングの悪化を防止できる。
[操舵部の全長短縮作用]
従来のステア・バイ・ワイヤシステムの操舵部は、ハンドルに連結されたコラムシャフトに、反力モータ、クラッチおよびケーブル式コラムのハンドル側ケーブルリールが直列、すなわち同一軸線上に配置されるため、全長(車体前後方向寸法)が長くならざるを得ない。操舵部の全長は、ダッシュパネル(ダッシュボード)との干渉を避ける必要上、また、車両衝突時の衝撃力がコラムシャフトを介してドライバへ伝達するのを避けるために、できるだけ短く設定するのが好ましい。
実施例1では、ハンドル1の回転軸の方向に対し、クラッチ6の回転軸の方向を車幅方向に変換する反力側ギア4を設けたため、上記従来技術の軸方向寸法に対し、軸方向寸法をより短く設定できる。よって、車両搭載性を向上させ、車室内のレイアウト自由度の拡大を図ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用操舵装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) ハンドル1を有する操舵部Aと操向輪22,22を転舵する転舵部Bとが機械的に切り離され、操舵部Aと転舵部Bとを機械的に連結するバックアップ手段(ケーブル式コラム10)と、このバックアップ手段の連結または切り離しを行うクラッチ6と、を備えた車両用操舵装置において、操舵部Aとクラッチ6との間の回転軸(第1シャフト5)上に配置され、クラッチ6への出力回転を増速する反力側ギア4と、クラッチ6と転舵部Bとの間の回転軸(第2シャフト7)上に配置され、転舵部Bへの出力回転を減速する転舵側ギア8と、を備える。よって、クラッチ6に付加されるトルクを、反力側ギア4への入力、および転舵側ギア8からの出力に対して小さくでき、クラッチ6のトルク容量を小さく抑えることができる。
(2) 反力側ギア4は、ハンドル1の回転軸方向に対しクラッチ6の回転軸方向を異ならせて出力する回転方向変換機能を備えるため、操舵部Aの軸方向(車両前後方向寸法)を短く設定できる。よって、車両搭載性を向上させ、車室内のレイアウト自由度の拡大を図ることができる。また、操舵時のクラッチ連れ回りのフリクションを小さく抑えることができ、反力制御の応答性を向上させることができる。
(3) 転舵側ギア8は、ハンドル1の回転軸方向に対しバックアップ手段への入力方向を異ならせて出力する回転方向変換機能を備える。よって、反力側ギア4により変換されたハンドル1の回転方向を、コラムシャフト2と平行な方向に戻すことができる。
(4) 反力側ギア4とクラッチ6との間の第1シャフト5の径を、反力側ギア4とハンドル1との間のコラムシャフト2の径よりも小径に設定したため、操舵時の連れ回りの慣性を小さく抑えることができ、反力制御の応答性を向上させることができる。また、衝突時の切り離しが容易であるため、衝突時のドライバへの衝撃を低減できる。
(5) 転舵側ギア8とクラッチ6との間の第2シャフト7の径を、転舵側ギア8と転舵部B側との間の第3シャフト8cの径よりも小径に設定したため、転舵時の連れ回りの慣性を小さく抑えることができ、転舵制御の応答性を向上させることができる。また、衝突時の切り離しが容易であるため、衝突時のドライバへの衝撃を低減できる。
(6) クラッチ6を、摩擦クラッチとしたため、噛み合い式クラッチ(ドグクラッチ)と比較して、クラッチ締結時のミス係合の発生を抑制できる。
実施例2は、反力側ギアによる増速回転分を、ケーブル式コラムで減速する例である。
まず、構成を説明する。
図7は、実施例2の車両用操舵装置の構成を示す模式図である。なお、実施例1と同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
実施例2では、転舵側ギア23の入力ギア23aの歯数と出力ギア23bの歯数とが同数に設定され、ギア比は1対1となっている。
ケーブル式コラム24は、ハンドル側ケーブルリール24aのリール径が、ピニオン側ケーブルリール24bのリール径よりも小径に設定され、反力側ギア4による操舵入力の増速回転分を元の回転数に戻すように設定されている(減速手段に相当)。
反力側ギア4の入力ギア4aの歯数をZ1、出力ギア4bの歯数をZ2、ハンドル側ケーブルリール24aのリール径をd1、ピニオン側ケーブルリール24bのリール径をd2としたとき、各歯数およびリール径の関係は、下記の式(2)を満足する。
Z1/Z2=d2/d1 …(2)
ここで、Z1>Z2、d2>d1
実施例2では、転舵側ギア23とケーブル式コラム23のハンドル側ケーブルリール23aとを連結する第3シャフト23cを、コラムシャフト2よりも小径(第1シャフト5および第2シャフト7と同径)に設定されている。
次に、作用を説明する。
[制御応答性向上作用]
実施例2では、反力側ギア4による増速回転分を、ケーブル式コラム24で減速する構成とした。よって、第1シャフト5、第2シャフト5に加え、第3シャフト24を軽量化できるため、連れ回りの影響をより小さくでき、転舵制御の応答性を高めることができる。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用操舵装置にあっては、以下の効果が得られる。
(7) バックアップ手段は、クラッチ締結時にハンドル1により入力される操舵トルクを2つのケーブルで操向輪22,22に伝達するケーブル式コラム24とし、減速手段として、ケーブル式コラム24のハンドル側ケーブルリール24aのリール径を、ピニオン側ケーブルリール24bのリール径よりも小径に設定した。よって、転舵側ギア23とケーブル式コラム23のハンドル側ケーブルリール23aとを連結する第3シャフト23cを軽量化でき、転舵時の連れ回りの慣性を小さく抑えることができる。
実施例3は、反力側ギアによる増速回転分を、ケーブル式コラムと舵取り機構との間に設けた減速ギアで減速する例である。
まず、構成を説明する。
図8は、実施例3の車両用操舵装置の構成を示す模式図である。なお、実施例1または実施例2と同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
実施例3では、ケーブル式コラム10のピニオン側ケーブルリール10bと舵取り機構11との間に、減速ギア(減速手段)25が介装されている。この減速ギア25のギア比(減速比)は、反力側ギア4による操舵入力の増速回転分を元の回転数に戻すように設定されている。
減速ギア25のギア比をZ3、反力側ギア4の入力ギア4aの歯数をZ1、出力ギア4bの歯数をZ2としたとき、Z3は、下記の式(3)を満足する。
Z3=Z2/Z1 …(3)
ここで、Z1>Z2
次に、作用を説明する。
[ケーブルフリクション低減作用]
実施例3では、反力側4による増速回転分を減速する減速ギア25を、ケーブル式コラム10と舵取り機構11との間に配置したため、ケーブル式コラム10の付加トルクを小さくでき、ケーブルフリクションを抑制できる。よって、クラッチ締結時の操舵感の向上と、ケーブル式コラム10の耐久性向上を実現できる。
また、ケーブル式コラム10の付加トルクを小さくできることで、ハンドル側ケーブルリール10aおよびピニオン側ケーブルリール10bを小径にして軽量を図り、転舵時の連れ回りの慣性を小さく抑えることができる。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用操舵装置にあっては、以下の効果が得られる。
(8) 減速ギア25は、ケーブル式コラム10と転舵部Bの舵取り機構11とを連結するため、ケーブル式コラム10の付加トルクを小さくでき、ケーブルフリクションを抑制することができる。よって、クラッチ締結時の操舵感の向上と、ケーブル式コラム10の耐久性向上を実現できる。
実施例4は、反力側ギアによる増速回転分を減速する減速手段として、舵取り機構のステアリングギアを用いた例である。
図9は、実施例4の車両用操舵装置の構成を示す模式図である。なお、実施例3と同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
舵取り機構26のステアリングギア(減速手段)26aは、反力側ギア4による操舵入力の増速回転分を元の回転数に戻すステアリングギア比となるように設定されている。
ステアリングギア26aのステアリングギア比をZ0、通常のステアリングギア比(実施例1〜3のステアリングギア11のギア比)をZ0*、反力側ギア4の入力ギア4aの歯数をZ1、出力ギア4bの歯数をZ2としたとき、ステアリングギア比Z0は、下記の式(4)を満足する。
Z0=Z0*×(Z2/Z1) …(4)
ここで、Z1>Z2
[部品点数削減作用]
実施例4では、反力側ギア4による増速回転分を減速する減速手段として、舵取り機構26のステアリングギア26を用いたため、減速ギア25を別途設けた実施例3の構成に対し、部品点数の削減と、ケーブル式コラム10のピニオン側ケーブルプーリ10bから舵取り機構26までの寸法の短縮化を図ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例4の車両用操舵装置にあっては、以下の効果が得られる。
(9) 減速手段を舵取り機構26のステアリングギア26aとしたため、減速手段を別途設けた実施例3の構成に対し、部品点数の削減によるコストダウンと、転舵部Bのコンパクト化を図ることができる。
実施例5は、転舵側ギアの減速比を、反力側ギアの増速比と異ならせた例である。
まず、構成を説明する。
図10は、実施例5の反力側ギア4、クラッチ6および転舵側ギア27の細部構成を示す図である。なお、実施例1と同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
実施例5では、転舵側ギア(減速手段)27の減速比を、反力側ギア4の増速比と異ならせており、反力側ギア4の入力ギア4aの歯数をZ1、出力ギア4bの歯数をZ2、転舵側ギア27の入力ギア27aの歯数をZ1"、出力ギア27bの歯数をZ2"としたとき、各歯数の関係は、下記の式(3)を満足する。
Z1/Z2≠Z2"/Z1" …(5)
ここで、Z1>Z2,Z1"<Z2"
このとき、Z1/Z2>Z2"/Z1"とすることで、ハンドル1の操舵量に対して、操向輪22,22の転舵量が大きくなり、ステアリングギア比をクイックに設定できる。
一方、Z1/Z2<Z2"/Z1"とすることで、ハンドル1の操舵量に対して、操向輪22,22の転舵量が小さくなり、ステアリングギア比をスローに設定できる。
実施例1の車両用操舵装置が適用されたステア・バイ・ワイヤシステムを示す全体構成図である。 実施例1の転舵部Bの詳細図である。 実施例1の乾式多板機械クラッチの6の構成を示す断面斜視図である。 実施例1の操舵部Aの構成を示す模式図である。 実施例1の反力側ギア4、クラッチ6および転舵側ギア8の細部構成を示す模式図である。 実施例1の反力側ギア4の内部構造を示す図である。 実施例2の車両用操舵装置の構成を示す模式図である。 実施例3の車両用操舵装置の構成を示す模式図である。 実施例4の車両用操舵装置の構成を示す模式図である。 実施例5の反力側ギア4、クラッチ6および転舵側ギア27の細部構成を示す図である。
符号の説明
1 ハンドル
2 コラムシャフト
3 反力モータ
4 反力側ギア
6 クラッチ
8 転舵側ギア
10 ケーブル式コラム
11 舵取り機構
11a ステアリングギア
13 ハンドル角センサ
15 レゾルバ
16 レゾルバ
17 トルクセンサ
18 エンコーダ
19 制御コントローラ
20 転舵モータ
21 ピニオンシャフト
22 操向輪

Claims (10)

  1. 操作入力手段を有する操舵部と操向輪を転舵する転舵部とが機械的に切り離され、前記操舵部と前記転舵部とを機械的に連結するバックアップ手段と、このバックアップ手段の連結または切り離しを行うクラッチと、を備えた車両用操舵装置において、
    前記操舵部と前記クラッチとの間の回転軸上に配置され、前記クラッチへの出力回転を増速する増速手段と、
    前記クラッチと前記転舵部との間の回転軸上に配置され、前記転舵部への出力回転を減速する減速手段と、
    を備えることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
    前記増速手段は、前記操作入力手段の回転軸方向に対し前記クラッチの回転軸方向を異ならせて出力する回転方向変換機能を備えることを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    前記減速手段は、前記操作入力手段の回転軸方向に対し前記バックアップ手段への入力方向を異ならせて出力する回転方向変換機能を備えることを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    前記バックアップ手段は、クラッチ締結時に前記操作入力手段により入力される操舵トルクを2つのケーブルで前記操向輪に伝達するケーブル式コラムとし、
    前記減速手段として、前記ケーブル式コラムのハンドル側ケーブルリールのリール径を、ピニオン側ケーブルリールのリール径よりも小径に設定したことを特徴とする車両用操舵装置。
  5. 請求項1または請求項3に記載の車両用操舵装置において、
    前記減速手段は、前記バックアップ手段と前記転舵部とを連結することを特徴とする車両用操舵装置。
  6. 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    前記減速手段を、前記転舵部のステアリングギアとしたことを特徴とする車両用操舵装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記増速手段と前記クラッチとの間の回転軸の径を、前記増速手段と前記操作入力手段との間の回転軸の径よりも小径に設定したことを特徴とする車両用操舵装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記減速手段と前記クラッチとの間の回転軸の径を、前記減速手段と前記転舵部側との間の回転軸の径よりも小径に設定したことを特徴とする車両用操舵装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記クラッチを、摩擦クラッチとしたことを特徴とする車両用操舵装置。
  10. 操作入力手段を有する操舵部と操向輪を転舵する転舵部とが機械的に切り離され、前記操舵部と前記転舵部とを機械的に連結するバックアップ手段と、このバックアップ手段の連結または切り離しを行うクラッチと、を備えた車両用操舵装置において、
    前記操舵部から前記転舵部に至る操舵軸上のクラッチ位置で、伝達トルクが小さくなるように、前記クラッチへの入力回転を増速し、前記クラッチからの出力回転を減速することを特徴とする車両用操舵装置。
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