JP2005053259A - ケーブル式ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】動力伝達のための部分が隔壁を貫通し、しかも動力伝達のための部分の占有スペースが大きくならないようにする。
【解決手段】ハウジング9とハウジング10とが結合されている。ハウジング9の内部にはプーリ13が回転自在に設けられており、プーリ13にはケーブル5a,5bの一端が結合されている。一方、ハウジング10には第1回転軸20と第2回転軸27とが回転自在に設けられ、第1回転軸20と第2回転軸27とは傘歯車20a,27aを介して連動連結されている。第2回転軸27におけるハウジング10から突出する部分がプーリ13の嵌合孔29にスプライン嵌合することで分解・組立が自在にできる。
【選択図】 図3
【解決手段】ハウジング9とハウジング10とが結合されている。ハウジング9の内部にはプーリ13が回転自在に設けられており、プーリ13にはケーブル5a,5bの一端が結合されている。一方、ハウジング10には第1回転軸20と第2回転軸27とが回転自在に設けられ、第1回転軸20と第2回転軸27とは傘歯車20a,27aを介して連動連結されている。第2回転軸27におけるハウジング10から突出する部分がプーリ13の嵌合孔29にスプライン嵌合することで分解・組立が自在にできる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーブル式ステアリング装置に関し、駆動プーリハウジングの部分を改良したものである。
【0002】
【従来の技術】
車両には、ハンドルの回転力を操舵輪に伝えて車両を操舵するステアリング装置が用いられる。ステアリング装置には、ハンドルに結合されたステアリングシャフトの回転力をケーブルを介して操舵輪に伝えるケーブル式ステアリング装置がある。
【0003】
従来のケーブル式ステアリング装置としては、車体側の隔壁を貫通する回転軸の両端にプーリを固着して夫々のプーリにケーブルを巻回した中間連動手段を、ケーブル機構の途中に介在させたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
これは、ハンドル側に設けた駆動プーリハウジングと車輪側に設けた従動プーリハウジングとを結ぶ2本のワイヤの中間部に、ダッシュボードロア部材等の隔壁を貫通して動力を伝える中間連結手段を設けたものである。中間連結手段は、隔壁を挟んで第1・第2ハウジングを設け、第1・第2ハウジングの内部には中間駆動プーリと中間従動プーリとを設けると共に夫々のプーリにはワイヤを巻回し、中間駆動プーリから突出して形成されたスプライン軸が中間従動プーリの軸心位置に形成されたスプライン穴に係合することで駆動力が伝わるようにしたものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−67327号公報([0021]〜[0023]、図1・4・7)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ステアリングシャフトによる軸伝達からケーブル伝達に変換した後に、ケーブル伝達の途中に、隔壁を貫通させる部分を設けるため、しかもケーブルを巻回するプーリを余分に2つ使用することになり、動力伝達のための占有スペースが大きくなって車両への搭載に適しないだけでなく、中間駆動プーリと中間従動プーリとを連結するためのスプライン軸とスプライン穴とは単にスプライン結合しているだけなので、遊びが生じ易いという問題もある。
【0007】
そこで本発明は、前記の課題を解決したケーブル式ステアリング装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るケーブル式ステアリング装置の構成は、ハンドルからの操舵力によって回転するステアリングシャフトと、当該ステアリングシャフトの回転力をプーリとケーブルとを介して操舵輪に伝達するケーブル機構とからなるケーブル式ステアリング装置において、前記ステアリングシャフトを回転可能に支持するジャケットチューブの前端側に、一対のハウジングを相互に着脱自在に結合し、一方のハウジングの内部には回転自在にプーリを設けると共に当該プーリにケーブルを巻回して構成し、他方のハウジングには一端が前記ステアリングシャフトに連動連結されて回転自在に支持された回転軸の他端を突出して設けると共に、当該回転軸の他端を前記プーリの軸心位置に形成した嵌合孔にスプライン嵌合させたことを特徴とする。
【0009】
このようなケーブル式ステアリング装置では、隔壁を貫通することになる一方のハウジングを小型化できると共に、軸伝達とケーブル伝達との変換部分で一対のハウジングどうしを着脱自在に結合するので、組み付け性が良く、ケーブル伝達の中間部で着脱自在に結合する構成に比べて動力伝達部の占有スペースが少なくてすむ。
【0010】
請求項2に係るケーブル式ステアリング装置の構成は、請求項1において、前記スプライン嵌合において遊びをなくすための付勢手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
このようなケーブル式ステアリング装置では、回転軸の他端における円周方向での一部を嵌合孔に付勢するので、遊びが生じずガタがない。
【0012】
請求項3に係るケーブル式ステアリング装置の構成は、請求項1または2において、他方のハウジングに第2回転軸を回転自在に設け、前記回転軸と第2回転軸とを一対の傘歯車を介して連動連結し、前記他方のハウジングから突出する回転軸の他端を当該第2回転軸の他端としたことを特徴とする。
【0013】
このようなケーブル式ステアリング装置では、第2回転軸を用いるので、出力する回転軸の方向を変えることができ、ケーブルの配置の自由度が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるケーブル式ステアリング装置の実施の形態を説明する。
【0015】
図1に示すように、自動車のハンドル1の前方に設けた駆動プーリハウジング2とギヤボックス3の近傍に設けた従動プーリハウジング4とが、2本のワイヤ5a,5bを介して接続されている。ステアリングモータ等を内蔵したギヤボックス3の両端部から車体の両側へ向かって伸びるタイロッド6a,6bが左右の車輪(操舵輪)7a,7bを支持する図示しないナックルに接続されている。従動プーリハウジング4の内部にはワイヤ5a,5bが巻回された従動プーリが設けられており、従動プーリの軸の先端に設けられたピニオンが、タイロッド6aに形成されたラックと噛み合っている。
【0016】
駆動プーリハウジング2の構造を図1〜3に示す。一般的に、ステアリングコラムは、室内のハンドルと室外のステアリングギヤとを連動連結させるため、ダッシュパネルに孔をあけ、ステアリングシャフトを貫通させるが、ケーブル式ステアリング装置の場合は、図1のようにダッシュパネル36にケーブル5a,5bを貫通させることになる。
【0017】
ハウジング9は、ハウジング片9aとハウジング片9bとをボルト17を介して結合することで構成されている。ハウジング9の内部には1対の軸受11,12を介してプーリ13が回転自在に設けられている。14は軸受12を位置決めするためのアジャストスクリュー、15はアジャストスクリュー14をロックするためのロックナットである。プーリ13の外周面には螺旋状に巻き取り溝16が形成されている。そして、巻き取り溝16の両端にケーブル5a,5bの一端が結合され、ケーブル5a,5bは巻き取り溝16に沿って相互に近づく方向へ巻回され、ケーブル5a,5bの他端は軸方向での略同じ位置からガイド筒44を介して従動プーリハウジング4へ向かって伸びている。
【0018】
ハウジング10には軸受18,19を介して第1回転軸(回転軸)20が回転自在に設けられ、第1回転軸20の一端には傘歯車20aが形成されている。第1回転軸20を軸方向で位置決めするために、アジャストスクリュー21が設けられ、アジャストスクリュー21をロックするためにロックナット22が設けられている。また、ナット23が設けられている。第1回転軸20を軸方向で位置決めするために、スラストベアリング24を介して第1回転軸20の一端を押圧するためのスクリューストッパ25がハウジング10にねじ込まれ、スクリューストッパ25にはロックナット26がねじ込まれている。
【0019】
ハウジング10には、このほか、第1回転軸20とは直角な第2回転軸27が軸受28を介して回転自在に設けられている。第2回転軸27の一端には前記傘歯車20aと噛み合う傘歯車27aが形成され、他端はハウジング10から突出している。第2回転軸27の他端は、前記プーリ13の軸心位置に形成された嵌合孔29にスプライン結合されている。即ち、第2回転軸27の他端には中央部の小径部27aを除いてスプライン歯30が円周に沿って複数形成され、嵌合孔29の内周面にも図示しないスプライン歯が形成されている。スプライン歯30の円周方向での1箇所を嵌合孔29の内周面へ常時押圧することで遊びをなくするために、小径部27aには板バネ(付勢手段)31が装着されている。板バネ31は、小径部27aを挟むために略C形状をなす一対のクランプ部31aと、一対のクランプ部31aどうしを連結するようにして軸方向へ長く設けられると共に半径方向での外側へ向かって円弧状に膨らんだ形状の一本のバネ部31bとで構成される。32は軸受28を固定するスナップリング、33は第2回転軸27の位置決めを行なう固定ナットである。
【0020】
ハウジング9とハウジング10とを結合した際に、プーリ13の軸心と第2回転軸27の他端の軸心とが一致するように、ハウジング9には円形に突出するインロー部34が形成される一方、ハウジング10にはインロー部34が嵌合される円形の被嵌合部35が形成されている。そして、ボルト37を介してハウジング9とハウジング10とが結合されている。
【0021】
ハウジング10の第1回転軸20とステアリングシャフト38の先端の結合状態について説明する。図3のように、ステアリングシャフト38は筒状のジャケットチューブ39によって覆われており、ジャケットチューブ39の下端には接続金具40が溶接結合され、接続金具40とハウジング10とがボルト41を介して結合されている。ジャケットチューブ39の内部に収容されたステアリングシャフト38の下端には嵌合孔42が形成され、嵌合孔42に第1回転軸20の他端が嵌合されている。第1回転軸20の他端にはセレーションが形成されている。図4に示すように、ステアリングシャフト38の下端にはスリット38bを形成することで一対の締め部38aが形成され、ボルト38cを介して締め付けられている。接続金具40にはロアブラケット43が結合され、ロアブラケット43が車体に結合されている。また、ジャケットチューブ39の上端は、図示しないアッパブラケットを介して車体に結合されている。
【0022】
上記のケーブル式ステアリング装置の作用を説明する。図1において、ハンドル1の回転がステアリングシャフト38に伝わると、図3のようにステアリングシャフト38から第1回転軸20に伝わり、傘歯車20a・傘歯車27aを介して第2回転軸27に伝わる。そして、第2回転軸27の他端に形成されたスプライン歯30とプーリ13の嵌合孔29とのスプライン嵌合により、第2回転軸27の回転力がプーリ13に伝わり、プーリ13の回転力がケーブル5a,5bを介して図1の従動ケーブルハウジング4へと伝わり、図示しないラックとピニオンを介してタイロッド6aに伝わり、更にタイロッド6aからギヤボックス3を介してタイロッド6bに伝わり、車輪7a,7bの操舵が行なわれる。
【0023】
板バネ31のバネ部31bがプーリ13の円周方向での一方側と第2回転軸27の円周方向での一方側とを相互に引き離すように付勢するので、プーリ13の他方側と第2回転軸27の他方側とが相互に圧接されることになり、他方側ではバックラッシュがなくなる。つまり、遊びのないスプライン嵌合による回転力の伝達が得られる。
【0024】
駆動プーリハウジング2の部分を製造する場合は、ケーブルを用いた部分である第1ハウジング9の部分と、傘歯車どうしが噛み合う部分である第2ハウジング10の部分とを別個に製造し、車両を組み立てる際には、接続金具40に第2ハウジング10を固定した後に第2ハウジング10と第1ハウジング9とを結合すればよいことになる。一方、駆動プーリハウジング2の部分の保守・点検を行なう場合は、ボルト37を取り外すことにより、第1ハウジング9の部分と、第2ハウジング10の部分とを分離することで、駆動プーリハウジング2の部分を分解して容易に保守・点検することができる。
【0025】
なお、本実施の形態では、第2回転軸を設けると共に一対の傘歯車を設けることでステアリングシャフトとは直角な方向へ第2回転軸を突出させた構成になっているが、傘歯車の形状を変更することにより第2回転軸の角度は自由に変更できる。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明からわかるように、請求項1に係るケーブル式ステアリング装置によれば、軸伝達からケーブル伝達に変換される部分に、軸伝達用のハウジングとケーブル伝達用のハウジングとを相互に着脱自在に結合する構成なので、動力伝達のための占有空間が少なく、車両への搭載に適合する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるケーブル式ステアリング装置の実施の形態を示す全体構成図。
【図2】本発明の実施の形態における駆動プーリハウジングの分解斜視図。
【図3】本発明の実施の形態における駆動プーリハウジングの組立断面図。
【図4】図3のA−A矢視図。
【符号の説明】
5a,5b…ケーブル
9,10…ハウジング
13…プーリ
20…第1回転軸
20a,27a…傘歯車
27…第2回転軸
30…スプライン軸
31…板バネ
38…ステアリングシャフト
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーブル式ステアリング装置に関し、駆動プーリハウジングの部分を改良したものである。
【0002】
【従来の技術】
車両には、ハンドルの回転力を操舵輪に伝えて車両を操舵するステアリング装置が用いられる。ステアリング装置には、ハンドルに結合されたステアリングシャフトの回転力をケーブルを介して操舵輪に伝えるケーブル式ステアリング装置がある。
【0003】
従来のケーブル式ステアリング装置としては、車体側の隔壁を貫通する回転軸の両端にプーリを固着して夫々のプーリにケーブルを巻回した中間連動手段を、ケーブル機構の途中に介在させたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
これは、ハンドル側に設けた駆動プーリハウジングと車輪側に設けた従動プーリハウジングとを結ぶ2本のワイヤの中間部に、ダッシュボードロア部材等の隔壁を貫通して動力を伝える中間連結手段を設けたものである。中間連結手段は、隔壁を挟んで第1・第2ハウジングを設け、第1・第2ハウジングの内部には中間駆動プーリと中間従動プーリとを設けると共に夫々のプーリにはワイヤを巻回し、中間駆動プーリから突出して形成されたスプライン軸が中間従動プーリの軸心位置に形成されたスプライン穴に係合することで駆動力が伝わるようにしたものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−67327号公報([0021]〜[0023]、図1・4・7)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ステアリングシャフトによる軸伝達からケーブル伝達に変換した後に、ケーブル伝達の途中に、隔壁を貫通させる部分を設けるため、しかもケーブルを巻回するプーリを余分に2つ使用することになり、動力伝達のための占有スペースが大きくなって車両への搭載に適しないだけでなく、中間駆動プーリと中間従動プーリとを連結するためのスプライン軸とスプライン穴とは単にスプライン結合しているだけなので、遊びが生じ易いという問題もある。
【0007】
そこで本発明は、前記の課題を解決したケーブル式ステアリング装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るケーブル式ステアリング装置の構成は、ハンドルからの操舵力によって回転するステアリングシャフトと、当該ステアリングシャフトの回転力をプーリとケーブルとを介して操舵輪に伝達するケーブル機構とからなるケーブル式ステアリング装置において、前記ステアリングシャフトを回転可能に支持するジャケットチューブの前端側に、一対のハウジングを相互に着脱自在に結合し、一方のハウジングの内部には回転自在にプーリを設けると共に当該プーリにケーブルを巻回して構成し、他方のハウジングには一端が前記ステアリングシャフトに連動連結されて回転自在に支持された回転軸の他端を突出して設けると共に、当該回転軸の他端を前記プーリの軸心位置に形成した嵌合孔にスプライン嵌合させたことを特徴とする。
【0009】
このようなケーブル式ステアリング装置では、隔壁を貫通することになる一方のハウジングを小型化できると共に、軸伝達とケーブル伝達との変換部分で一対のハウジングどうしを着脱自在に結合するので、組み付け性が良く、ケーブル伝達の中間部で着脱自在に結合する構成に比べて動力伝達部の占有スペースが少なくてすむ。
【0010】
請求項2に係るケーブル式ステアリング装置の構成は、請求項1において、前記スプライン嵌合において遊びをなくすための付勢手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
このようなケーブル式ステアリング装置では、回転軸の他端における円周方向での一部を嵌合孔に付勢するので、遊びが生じずガタがない。
【0012】
請求項3に係るケーブル式ステアリング装置の構成は、請求項1または2において、他方のハウジングに第2回転軸を回転自在に設け、前記回転軸と第2回転軸とを一対の傘歯車を介して連動連結し、前記他方のハウジングから突出する回転軸の他端を当該第2回転軸の他端としたことを特徴とする。
【0013】
このようなケーブル式ステアリング装置では、第2回転軸を用いるので、出力する回転軸の方向を変えることができ、ケーブルの配置の自由度が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるケーブル式ステアリング装置の実施の形態を説明する。
【0015】
図1に示すように、自動車のハンドル1の前方に設けた駆動プーリハウジング2とギヤボックス3の近傍に設けた従動プーリハウジング4とが、2本のワイヤ5a,5bを介して接続されている。ステアリングモータ等を内蔵したギヤボックス3の両端部から車体の両側へ向かって伸びるタイロッド6a,6bが左右の車輪(操舵輪)7a,7bを支持する図示しないナックルに接続されている。従動プーリハウジング4の内部にはワイヤ5a,5bが巻回された従動プーリが設けられており、従動プーリの軸の先端に設けられたピニオンが、タイロッド6aに形成されたラックと噛み合っている。
【0016】
駆動プーリハウジング2の構造を図1〜3に示す。一般的に、ステアリングコラムは、室内のハンドルと室外のステアリングギヤとを連動連結させるため、ダッシュパネルに孔をあけ、ステアリングシャフトを貫通させるが、ケーブル式ステアリング装置の場合は、図1のようにダッシュパネル36にケーブル5a,5bを貫通させることになる。
【0017】
ハウジング9は、ハウジング片9aとハウジング片9bとをボルト17を介して結合することで構成されている。ハウジング9の内部には1対の軸受11,12を介してプーリ13が回転自在に設けられている。14は軸受12を位置決めするためのアジャストスクリュー、15はアジャストスクリュー14をロックするためのロックナットである。プーリ13の外周面には螺旋状に巻き取り溝16が形成されている。そして、巻き取り溝16の両端にケーブル5a,5bの一端が結合され、ケーブル5a,5bは巻き取り溝16に沿って相互に近づく方向へ巻回され、ケーブル5a,5bの他端は軸方向での略同じ位置からガイド筒44を介して従動プーリハウジング4へ向かって伸びている。
【0018】
ハウジング10には軸受18,19を介して第1回転軸(回転軸)20が回転自在に設けられ、第1回転軸20の一端には傘歯車20aが形成されている。第1回転軸20を軸方向で位置決めするために、アジャストスクリュー21が設けられ、アジャストスクリュー21をロックするためにロックナット22が設けられている。また、ナット23が設けられている。第1回転軸20を軸方向で位置決めするために、スラストベアリング24を介して第1回転軸20の一端を押圧するためのスクリューストッパ25がハウジング10にねじ込まれ、スクリューストッパ25にはロックナット26がねじ込まれている。
【0019】
ハウジング10には、このほか、第1回転軸20とは直角な第2回転軸27が軸受28を介して回転自在に設けられている。第2回転軸27の一端には前記傘歯車20aと噛み合う傘歯車27aが形成され、他端はハウジング10から突出している。第2回転軸27の他端は、前記プーリ13の軸心位置に形成された嵌合孔29にスプライン結合されている。即ち、第2回転軸27の他端には中央部の小径部27aを除いてスプライン歯30が円周に沿って複数形成され、嵌合孔29の内周面にも図示しないスプライン歯が形成されている。スプライン歯30の円周方向での1箇所を嵌合孔29の内周面へ常時押圧することで遊びをなくするために、小径部27aには板バネ(付勢手段)31が装着されている。板バネ31は、小径部27aを挟むために略C形状をなす一対のクランプ部31aと、一対のクランプ部31aどうしを連結するようにして軸方向へ長く設けられると共に半径方向での外側へ向かって円弧状に膨らんだ形状の一本のバネ部31bとで構成される。32は軸受28を固定するスナップリング、33は第2回転軸27の位置決めを行なう固定ナットである。
【0020】
ハウジング9とハウジング10とを結合した際に、プーリ13の軸心と第2回転軸27の他端の軸心とが一致するように、ハウジング9には円形に突出するインロー部34が形成される一方、ハウジング10にはインロー部34が嵌合される円形の被嵌合部35が形成されている。そして、ボルト37を介してハウジング9とハウジング10とが結合されている。
【0021】
ハウジング10の第1回転軸20とステアリングシャフト38の先端の結合状態について説明する。図3のように、ステアリングシャフト38は筒状のジャケットチューブ39によって覆われており、ジャケットチューブ39の下端には接続金具40が溶接結合され、接続金具40とハウジング10とがボルト41を介して結合されている。ジャケットチューブ39の内部に収容されたステアリングシャフト38の下端には嵌合孔42が形成され、嵌合孔42に第1回転軸20の他端が嵌合されている。第1回転軸20の他端にはセレーションが形成されている。図4に示すように、ステアリングシャフト38の下端にはスリット38bを形成することで一対の締め部38aが形成され、ボルト38cを介して締め付けられている。接続金具40にはロアブラケット43が結合され、ロアブラケット43が車体に結合されている。また、ジャケットチューブ39の上端は、図示しないアッパブラケットを介して車体に結合されている。
【0022】
上記のケーブル式ステアリング装置の作用を説明する。図1において、ハンドル1の回転がステアリングシャフト38に伝わると、図3のようにステアリングシャフト38から第1回転軸20に伝わり、傘歯車20a・傘歯車27aを介して第2回転軸27に伝わる。そして、第2回転軸27の他端に形成されたスプライン歯30とプーリ13の嵌合孔29とのスプライン嵌合により、第2回転軸27の回転力がプーリ13に伝わり、プーリ13の回転力がケーブル5a,5bを介して図1の従動ケーブルハウジング4へと伝わり、図示しないラックとピニオンを介してタイロッド6aに伝わり、更にタイロッド6aからギヤボックス3を介してタイロッド6bに伝わり、車輪7a,7bの操舵が行なわれる。
【0023】
板バネ31のバネ部31bがプーリ13の円周方向での一方側と第2回転軸27の円周方向での一方側とを相互に引き離すように付勢するので、プーリ13の他方側と第2回転軸27の他方側とが相互に圧接されることになり、他方側ではバックラッシュがなくなる。つまり、遊びのないスプライン嵌合による回転力の伝達が得られる。
【0024】
駆動プーリハウジング2の部分を製造する場合は、ケーブルを用いた部分である第1ハウジング9の部分と、傘歯車どうしが噛み合う部分である第2ハウジング10の部分とを別個に製造し、車両を組み立てる際には、接続金具40に第2ハウジング10を固定した後に第2ハウジング10と第1ハウジング9とを結合すればよいことになる。一方、駆動プーリハウジング2の部分の保守・点検を行なう場合は、ボルト37を取り外すことにより、第1ハウジング9の部分と、第2ハウジング10の部分とを分離することで、駆動プーリハウジング2の部分を分解して容易に保守・点検することができる。
【0025】
なお、本実施の形態では、第2回転軸を設けると共に一対の傘歯車を設けることでステアリングシャフトとは直角な方向へ第2回転軸を突出させた構成になっているが、傘歯車の形状を変更することにより第2回転軸の角度は自由に変更できる。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明からわかるように、請求項1に係るケーブル式ステアリング装置によれば、軸伝達からケーブル伝達に変換される部分に、軸伝達用のハウジングとケーブル伝達用のハウジングとを相互に着脱自在に結合する構成なので、動力伝達のための占有空間が少なく、車両への搭載に適合する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるケーブル式ステアリング装置の実施の形態を示す全体構成図。
【図2】本発明の実施の形態における駆動プーリハウジングの分解斜視図。
【図3】本発明の実施の形態における駆動プーリハウジングの組立断面図。
【図4】図3のA−A矢視図。
【符号の説明】
5a,5b…ケーブル
9,10…ハウジング
13…プーリ
20…第1回転軸
20a,27a…傘歯車
27…第2回転軸
30…スプライン軸
31…板バネ
38…ステアリングシャフト
Claims (3)
- ハンドルからの操舵力によって回転するステアリングシャフトと、当該ステアリングシャフトの回転力をプーリとケーブルとを介して操舵輪に伝達するケーブル機構とからなるケーブル式ステアリング装置において、
前記ステアリングシャフトを回転可能に支持するジャケットチューブの前端側に、一対のハウジングを相互に着脱自在に結合し、一方のハウジングの内部には回転自在にプーリを設けると共に当該プーリにケーブルを巻回して構成し、他方のハウジングには一端が前記ステアリングシャフトに連動連結されて回転自在に支持された回転軸の他端を突出して設けると共に、当該回転軸の他端を前記プーリの軸心位置に形成した嵌合孔にスプライン嵌合させたことを特徴とするケーブル式ステアリング装置。 - 前記スプライン嵌合において遊びをなくすための付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のケーブル式ステアリング装置。
- 他方のハウジングに第2回転軸を回転自在に設け、前記回転軸と第2回転軸とを一対の傘歯車を介して連動連結し、前記他方のハウジングから突出する回転軸の他端を当該第2回転軸の他端としたことを特徴とする請求項1または2に記載のケーブル式ステアリング装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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-
2003
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