JP4797479B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ケーブル式コラムを有する車両用操舵装置の技術分野に属する。
従来の車両用操舵装置では、ハンドルに一端を接続された第1ケーブルの他端と、ギアボックスに一端を接続された第2ケーブルとの他端を、ハンドルとギアボックス間に設けられた中間連動手段で接続している。これにより、ハンドルとギアボックス間を仕切るダッシュパネルにケーブルを通す手間が不要となり、第1,第2ケーブルの組み付を支障なく行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−67327号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、ケーブルがハンドル〜中間連動手段と、中間連動手段〜ギアボックスとの2区間に設けられるため、この2区間のケーブルに伸びが生じた場合、切り戻しなどでのケーブル巻き戻し時のケーブルの弛みが、中間連動手段を持たない従来装置に対して2倍となり、操舵遅れが生じるという問題があった。また、ケーブル中間連動手段を設けたことで、プーリ数が2倍となるため、構造の複雑化、重量増およびコストアップを招くという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、構造の複雑化、部品点数増を伴うことなく、組み付け性の向上を図ることができる車両用操舵装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、
運転者が操作する操作部と操向輪を転舵する転舵部との間の操舵回転軸にケーブル式コラムを有する車両用操舵装置において、
前記操作部が配置された車室内と前記転舵部が配置された車室外とを隔てる隔壁と、
前記操作部からの回転方向を他方向に変換する第1回転変換手段と、
この第1回転変換手段からの回転方向を前記隔壁へ向かう方向に変換する第2回転変換手段と、
を備え、
前記第2回転変換手段を、前記隔壁に対し車室内に配置し、前記ケーブル式コラムのハンドル側ケーブルプーリを、車室外に配置したことを特徴とする。
本発明にあっては、隔壁にケーブルを通すことなくハンドル側ケーブルプーリを配置でき、組み付け性の向上を図ることができる。また、ケーブルは1区間、プーリは一対で済むため、構造の複雑化や部品点数増を招くことはない。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜5に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の車両用操舵装置を示す全体構成図、図2は実施例1の操舵部の構成を示す模式図である。実施例1の車両用操舵装置は、操舵部Aと、ケーブル式コラム10と、転舵部Bとにより構成されている。以下、それぞれの構成を説明する。
[操舵部の構成]
操舵部Aは、図1に示すように、ハンドル(操作部)1と、コラムシャフト2と、第1ベベルギア(第1回転変換手段)4と、第1シャフト5と、第2ベベルギア(第2回転変換手段)8と、を有して構成されている。
第1ベベルギア4は、ハンドル1の回転軸方向(コラムシャフト2の軸方向)を車幅方向に変換して第1シャフト5へ出力する。図3は、第1ベベルギア4の内部構造を示す図であり、第1ベベルギア4は、入力軸4cと出力軸4dとを有している。入力軸4cの一端はコラムシャフト2と連結され、他端は入力ギア4aと連結されている。出力軸4dの一端は出力ギア4bと連結され、他端は第1シャフト5と連結されている。
入出力ギア4a,4bは、ケーシング4eに収容されている。入力軸4cは2つのニードルベアリング4f,4gを介してケーシング4eに支持され、出力軸4dは2つのニードルベアリング4h,4iとボールベアリング4jを介してケーシング4eに支持されている。
第2ベベルギア8は、第1シャフト5の回転軸方向をハンドル1の回転軸方向に変換してケーブル式コラム10へ出力する。なお、第2ベベルギア8の内部構造は、図3に示した第1ベベルギア4と同一構造であるため、説明を省略する。
[ケーブル式コラムの構成]
ケーブル式コラム10は、図4に示すように、コラムシャフト2の端部に設けられたハンドル側ケーブルプーリ10aと、ピニオンシャフト21の端部に設けられた操向輪側ケーブルプーリ10bと、両ケーブルプーリ10a,10bのそれぞれに互いに逆方向に巻き付けられた状態で連結する2本のインナケーブル10g,10hと、インナケーブル10g,10hを覆うアウタチューブ10c,10dと、を有する。
コラムシャフト2の端部に連結されたハンドル側ケーブルプーリ10aは、ハンドル側プーリケース10e内に収納され、プーリ外周には2本のインナケーブル10g,10hの端部がそれぞれ固定されると共に、2本のインナケーブル10g,10hのうち、一方のケーブルを巻き込み案内し、他方のケーブルを巻き戻し案内するケーブル溝が形成されている。
ピニオンシャフト21の端部に連結された操向輪側ケーブルプーリ10bは、操向輪側プーリケース10f内に収納され、プーリ外周には2本のインナケーブル10g,10hの端部がそれぞれ固定されると共に、2本のインナケーブル10g,10hのうち、一方のケーブルを巻き込み案内し、他方のケーブルを巻き戻し案内するケーブル溝が形成されている。
アウタチューブ10c,10dは、インナチューブ10g,10hを覆い、ハンドル側プーリケース10eと操向輪側プーリケース10fとを連結している。アウタチューブ10c,10dと操向輪側プーリケース10fとの間には、ケーブルテンション調整用ナット10iが介装され、アウタチューブ10c,10dとハンドル側プーリケース10eとの間には、ケーブルテンション調整用スプリング10jが介装されている。ケーブルテンション調整用ナット10iとケーブルテンション調整用スプリング10jは、アウタチューブ10c,10dの長さを可変してケーブルテンション(ケーブルフリクション)を調整するものである。
アウタチューブ10c,10dは、図5に示すように、摩擦抵抗の小さい合成樹脂製パイプ材よりなるライナ100g,100hの外周に沿って多数の金属線材101g,101hを軸方向に配置し、その外周に金属帯材102g,102hを螺旋状に巻き付け、さらに、外周を合成樹脂製の被覆材103g,103hで被覆した構造を有している。そして、アウタチューブ10c,10dの内部に、図6に示すようなステンレス鋼やアルミ等の金属縒り線で構成したインナケーブル10g,10hがスライド自在に収納される。したがって、アウタチューブ10c,10dは、軸方向に作用する引張力を多数の金属線材101g,101hにより支持して伸び変形の発生を防止すると共に、インナケーブル10g,10hを屈曲させたときに金属線材101g,101hがばらばらになるのを金属帯材102g,102hで抑え、かつ、金属帯材102g,102hを螺旋状に巻き付けたことにより、アウタチューブ10c,10dの屈曲を可能にしている。
すなわち、ケーブル式コラム10は、コラムシャフト2の端部とピニオンシャフト21の端部とに設けられた2つのケーブルプーリ10a,10bを、各ケーブルプーリ0a,0bに対し互いに逆方向に巻き付けられた2本のインナケーブル10g,10hとアウタチューブ10c,10dにより繋ぐ構成であり、ハンドル1を一方向に回転させると、2本のケーブル10c,10gとケーブル0d,0hのうち、一方のケーブルが運転者から入力される操舵トルクを伝達し、他方のケーブルが操向輪3,3から入力される反力トルクを伝達することで、コラムシャフトと同等の機能を発揮するよう構成されている。
図2に示したように、実施例1では、第2ベベルギア8を車室内に配置し、ケーブル式コラム10のハンドル側プーリケース10eを車室外(エンジンルーム内)に配置している。第2ベベルギア8とハンドル側プーリケース10eは、エンジンルームと車室内とを仕切るダッシュパネル(隔壁)9を挟持した状態で、ダッシュパネル9に固定されている。
[転舵部の構成]
転舵部Bは、油圧式のアシスト機構を有する舵取り機構11と、ピニオンシャフト21と、操向輪22,22と、を有している。舵取り機構11は、ラック&ピニオン式のステアリングギア11aを備え、ピニオンシャフト21の回転に応じて操向輪22,22を転舵する。
次に、作用を説明する。
[ケーブル式コラムの組み付け方法]
図7は、実施例1のケーブル式コラム取り付け方法を示すダッシュパネル9を車両前方側から見た斜視図である。
まず、ダッシュパネル9の所定取り付け位置に、車室内側から第2ベベルギア8を位置決めする。そして、ダッシュパネル9の車室外側からハンドル側プーリケース10eを位置決めする。このとき、第2ベベルギア8とハンドル側プーリケース10eとの締結面には、図8に示すような、SPCC(一般冷延鋼板)等の金属基板25aにNBR(ニトリルゴム)等の弾性体ゴム25bを貼り付けたガスケット25をシール部材として介装し、エンジンルームから車室内への雨水の浸入を防止する。
第2ベベルギア8とハンドル側プーリケース10eの位置決め後、両者を車室外側からボルト23a,23bを用いて締結する。このとき、第2ベベルギア8のセレーションシャフト(出力軸)8aがハンドル側ケーブルプーリ10aの中心に形成されたセレーションホール(不図示)に挿入され、第2ベベルギア8とハンドル側ケーブルプーリ10aとがセレーション結合される。
次に、車室外側からボルト24を用いてハンドル側プーリケース10aをダッシュパネル9に締結する。これにより、ハンドル側プーリケース10eと第2ベベルギア8とが車体に固定される。
[ケーブル式コラムの組み付け性向上作用]
実施例1では、第2ベベルギア8を車室内に配置し、ハンドル側プーリケース10eを車室外に配置し、両者をダッシュパネル9に固定したため、ダッシュパネル9にケーブル式コラム10のケーブルを通すことなくハンドル側プーリケース10eを配置でき、ケーブル式コラム10の車体への取り付け作業が容易である。
また、実施例1では、ケーブルは1区間、プーリは一対(ハンドル側,操向輪側)で済むため、ハンドルとギアボックスとの間に中間連結手段を設けた特開平10−67327号公報に記載の技術に対し、構成の簡単化、部品点数の削減によるコストダウンを図ることができる。
さらに、実施例1では、ベベルギア8をハンドル側プーリケース10eにボルト締結後、ハンドル側プーリケース10eをダッシュパネル9にボルト締結することで、ベベルギア8とハンドル側プーリケース10eを車体に固定するため、ベベルギア8とハンドル側ケーブルプーリ10aとの同軸度の確保と、ダッシュパネル9とハンドル側プーリケース10eのシールとを簡単な作業で同時に行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用操舵装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) ハンドル1が配置された車室内と転舵部Bが配置された車室外とを隔てるダッシュパネル9と、ハンドル1からの回転方向を他方向に変換する第1ベベルギア4と、この第1ベベルギア4からの回転方向をダッシュパネル9へ向かう方向に変換する第2ベベルギア8と、を備え、第2ベベルギア8を、ダッシュパネル9に対し車室内に配置し、ケーブル式コラム10のハンドル側ケーブルプーリ10aを、車室外に配置した。よって、構造の複雑化や部品点数増を伴うことなく、ハンドル側ケーブルプーリ10aの組み付け性の向上を図ることができる。
(2) ハンドル側プーリケース10eを、ダッシュパネル9に固定したため、ダッシュパネル9を貫通する操舵回転軸を設けた場合と比較して、より高いシール性を確保できる。
(3) ベベルギア8を、ハンドル側プーリケース10eに支持したため、ベベルギア8とハンドル側ケーブルプーリ10aの同軸度の確保と、ダッシュパネル9とハンドル側プーリケース10eのシールとを簡単な作業で同時に行うことができる。また、従来のシール構造(図8)で防水対応できる。
実施例2は、ケーブル式コラムをステア・バイ・ワイヤシステムのバックアップ手段として用い、第1ベベルギアと第2ベベルギアとの間にバックアップクラッチを配置した例である。
まず、構成を説明する。
図9は実施例2のステア・バイ・ワイヤシステムを示す全体構成図、図10は実施例2の操舵部の構成を示す模式図である。実施例2の車両用操舵装置は、操舵部A、ケーブル式コラム10、転舵部B、制御コントローラ19により構成されている。以下、それぞれの構成を説明する。なお、図1に示した実施例1と同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
[操舵部の構成]
操舵部Aは、ハンドル1と、コラムシャフト2と、反力モータ3と、第1ベベルギア4と、クラッチ(断接手段)6と、第2ベベルギア8と、ハンドル角センサ13と、レゾルバ15と、を有して構成されている。
反力モータ3は、出力軸がコラムシャフト2と同軸の同軸モータであり、制御コントローラ19からの指令電流値に応じて、コラムシャフト2に路面反力を模擬する操舵反力トルクを出力する。
クラッチ6は、第1シャフト5,第2シャフト7を介して第1ベベルギア4と第2ベベルギア8との間に介装された電磁クラッチであり、図11に示すように、このクラッチ6は、外輪6jと第2ロータ6kの対向面の一方に円筒面を、他方にその円筒面との間でくさび空間を形成する複数のカム面が形成され、その対向面間に、中立ばね6fにより回転方向に弾性的に保持された保持器6hが配置され、その保持器6hのポケットに外輪6jと第2ロータ6kの係合子であるローラ6gが組み込まれている。
また、保持器6hに対して軸方向のみ移動可能、かつ離反ばね6dにより第2ロータ6k側に付勢されたアーマチュア6eと、コイルへの通電、非通電によりアーマチュア6eを軸方向に移動させる電磁コイル6bと、を備え、アーマチュア6eに対向する第1ロータ6aに対して摩擦接触させることにより、クラッチの締結、非締結を切り替える。また、電磁コイル6bのフィールド内に永久磁石6cを配置した構成にて、永久磁石6cの磁束に対し、同相もしくは逆相の磁束を電磁コイル6bにより付与することが可能である。
以下、クラッチ6の作動を説明する。
[締結原理]
クラッチOFF時は、電磁コイル6bは磁力OFFであり、第1ロータ6aに組み付く永久磁石6cの磁力が第1ロータ6aとアーマチュア6eに組み付く離反ばね6dのばね力よりも強いため、第1ロータ6aとアーマチュア6eとが摩擦力を持ちながら回転する。この摩擦回転において、外輪6jと第2ロータ6kとがローラ6gを介してくさび噛み合いとなり、トルクが伝達される。
[解放原理]
クラッチON時は、電磁コイル6bが永久磁石6cの磁力を相殺する磁力を出し、アーマチュア6eに組み付く離反ばね6dの反発力が永久磁石6cの磁力に打ち勝つため、第1ロータ6aとアーマチュア6eとが引き離され、解放される。外輪6jと第2ロータ6kとがローラ6gを介してくさび噛み合いする部分には、ローラ6gを中立位置へ保持する中立ばね6fが内蔵されているため、第1ロータ6aとアーマチュア6eとの間に摩擦力が無くなると、ローラ6gがばね力で中立位置へと戻り、くさびが解除される。
クラッチ6の締結により、ハンドル1に加えられた操舵トルクは、舵取り機構11に機械的に伝達される。
ハンドル角センサ13は、コラムシャフト2の回転角を検出し、制御コントローラ19へ出力する。レゾルバ15は、反力モータ3のモータ回転角を検出し、制御コントローラ19へ出力する。
[転舵部の構成]
転舵部Bは、舵取り機構11と、レゾルバ16と、トルクセンサ17と、エンコーダ18と、転舵モータ20,20と、ピニオンシャフト21と、操向輪22,22と、を有して構成されている。
舵取り機構11は、ラック&ピニオン式のステアリングギア11aを備え、ピニオンシャフト21の回転に応じて操向輪22,22を転舵する。転舵モータ20,20は、ウォーム&ウォームホイール等の減速機を介してピニオンシャフト21と連結されたモータであり、制御コントローラ19からの指令電流値に応じて、ピニオンシャフト21に操向輪22,22を転舵する転舵トルクを出力する。
レゾルバ16は、転舵モータ20,20のモータ回転角を検出し、制御コントローラ19へ出力する。トルクセンサ17は、ピニオンシャフト21への入力トルクを検出し、制御コントローラ19へ出力する。エンコーダ18は、ピニオンシャフト21の回転角を検出し、制御コントローラ19へ出力する。
制御コントローラ19は、ハンドル角センサ13と、トルクセンサ14と、レゾルバ15,16と、トルクセンサ17と、エンコーダ18と、からの検出信号に基づいて、反力モータ3および転舵モータ20,20を駆動制御する。
通常のステア・バイ・ワイヤ制御(クラッチ6解放状態)では、ハンドル1の回転角をハンドル角センサ13で読み取り、これに基づいた舵取り機構11の転舵量を制御コントローラ19にて演算し、制御コントローラ19より転舵モータ20,20を駆動する指令電流値が出力され、舵取り機構11が駆動される。このとき、舵取り機構11に作用する反力をトルクセンサ17にて検出し、制御コントローラ19を介して反力モータ3を駆動する指令電流値が出力され、ハンドル1に操舵反力を与える。
ステア・バイ・ワイヤシステムに異常が発生した場合には、クラッチ6を締結してハンドル1から舵取り機構11までを機械的に連結する。このとき、ハンドル1の操作力はハンドル1、コラムシャフト2、第1ベベルギア4、クラッチ6、第2ベベルギア8、ケーブル式コラム10、舵取り機構11の順に伝達される。
次に、作用を説明する。
[連れ回りのフリクション低減作用]
一般的に、ケーブル式コラムにおいては、インナケーブルとアウタチューブとの接触部位にフリクションが生じ、このフリクションは、経時変化(ケーブル耐久劣化)により大きくなる。
ここで、クラッチを、ケーブル式コラムよりも転舵部側に配置した場合、ステア・バイ・ワイヤシステムの作動時(クラッチの非締結時)、ハンドルにケーブル式コラムが連れ回るため、操舵フィーリングの悪化、反力制御の応答性の悪化を伴う。
これに対し、実施例2では、クラッチ6を第1ベベルギア4と第2ベベルギア8との間に配置したため、ハンドル1に連れ回る部位を第1ベベルギア4と第1シャフト5のみとすることができ、操舵感の悪化および操舵反力の制御応答性の悪化を抑制できる。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(3)に加え、以下の効果が得られる。
(4) ケーブル式コラム10とハンドル1とを断接するクラッチ6を設け、クラッチ6を、第1ベベルギア4と第2ベベルギアとの間に配置したため、クラッチ6の解放時にハンドル1に連れ回る部位を、第1ベベルギア4と第1シャフト5のみとすることができ、結果、連れ回りフリクションが小さく抑えられ、操舵感の悪化と操舵反力の制御応答性悪化を抑制できる。
実施例3は、ケーブル式コラムをステア・バイ・ワイヤシステムのバックアップ手段として用い、第2ベベルギアとケーブル式コラムとの間にバックアップクラッチを配置した例である。
まず、構成を説明する。
図12は、実施例3の車両用操舵装置の操舵部の構成を示す模式図である。なお、実施例2と同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
実施例3では、クラッチ6を第2ベベルギア8とケーブル式コラム10のハンドル側プーリケース10eとの間に設け、ダッシュパネル9を挟んで車室内にクラッチ6、車室外にハンドル側プーリケース10eを配置している。
クラッチ6は、ダッシュパネル9を挟んで車室側からハンドル側プーリケース10eにボルト締結され、ハンドル側プーリケース10eは、車室外側からダッシュパネル9にボルト締結されている。
次に、作用を説明する。
[エンジンルーム内のレイアウトスペース増大作用]
実施例3では、第2ベベルギア8とハンドル側プーリケース10eとの間にクラッチ6を設け、クラッチ6を車室内に配置した。ダッシュパネル9の車室外側、すなわちエンジンルーム内には、ブレーキユニット、ABCペダルユニット、ワイパーユニット、各種配管等が多数存在しているので、クラッチ6を車室内に設けることにより、エンジンルーム内のレイアウトへの影響を少なくすることができる。
また、クラッチ6をハンドル側プーリケース10eに支持し、ハンドル側プーリケース10eをダッシュパネル9に固定したため、バックアップ機構(クラッチ6、ケーブル式コラム10)を一体化でき、インストルメントパネル回りにより大きなスペースを確保できる。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1),(2)に加え、以下に列挙する効果が得られる。
(5) ケーブル式コラム10とハンドル1とを断接するクラッチ6を設け、クラッチ6を、第2ベベルギア8とハンドル側ケーブルプーリ10aとの間に配置したため、バックアップ機構(クラッチ6、ケーブル式コラム10)の一体化が可能となる。また、第1ベベルギア4と第2ベベルギア8の間の構造が簡単にでき、インストルメントパネル回りのスペースを増やすことができる。
(6) クラッチ6を、車室内に配置したため、車室外にクラッチレイアウトスペースが無い場合でも、クラッチを車両に搭載できる。
(7) クラッチ6を、ハンドル側プーリケース10eに支持し、ハンドル側プーリケース10eを、ダッシュパネル9に固定したため、クラッチ6とハンドル側プーリケース10eの同軸度を確保しつつ、ダッシュパネル9とハンドル側プーリケース10e間をシールできる。
実施例4は、実施例3の構成に対しバックアップクラッチを車室外に配置した点で異なる。
まず、構成を説明する。
図13は、実施例4の車両用操舵装置の操舵部の構成を示す模式図である。なお、実施例3と同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
実施例4では、クラッチ6第2ベベルギア8とハンドル側プーリケース10eとの間に設け、ダッシュパネル9を挟んで車室内に第2ベベルギア8、車室外にクラッチ6を配置している。
第2ベベルギア8は、ダッシュパネル9を挟んで車室外側からクラッチ6にボルト締結され、クラッチ6は、車室外側からダッシュパネル9にボルト締結されている。
次に、作用を説明する。
[インストルメントパネル回りのレイアウトスペース増大作用]
実施例4では、第2ベベルギア8とハンドル側プーリケース10eとの間にクラッチ6を設け、クラッチ6を車室外に配置した。ダッシュパネル9の車室内側、すなわちインストルメントパネル回りには、エアコンユニット、ECU、キーシリンダー、各種ハーネス等が多数存在しているので、クラッチ6をエンジンルーム内に設けることにより、車室内のレイアウトへの影響を少なくすることができる。
また、クラッチ6の作動音が運転者に届きにくくなるため、クラッチ6を車室内に配置した場合に対して、防音構造を簡単にでき、部品の構造を複雑にしなくて良い。
次に、効果を説明する。
実施例4の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1),(2)に加え、以下に列挙する効果が得られる。
(8) クラッチ6を、車室外に配置したため、車室内にクラッチレイアウトスペースが無い場合でも、クラッチを車両に搭載できる。
(9) 第2ベベルギア8を、クラッチ6に支持し、クラッチ6を、ダッシュパネル9に固定したため、第2ベベルギア8とクラッチ6の同軸度を確保しつつ、ダッシュパネル9とハンドル側プーリケース10e間をシールできる。
実施例5は、車室内に配置した第2ベベルギアと車室外に配置したケーブル式コラムとを、継手構造を有する操舵回転軸で連結した例である。
まず、構成を説明する。
図14は、実施例5の車両用操舵装置の操舵部の構成を示す模式図である。なお、実施例2と同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
実施例5では、ダッシュパネル9を挟んで車室内に配置された第2ベベルギア8と、車室外に配置されたハンドル側プーリケース10eとの間に、ユニバーサルジョイント26が配置されている。
ユニバーサルジョイント26は、車室内に配置され、第2ベベルギア8と連結されたシャフト27とハンドル側ケーブルプーリ10aと連結されたシャフト28とを連結している。図15に示すように、2本のシャフト27,28の先端部には、セレーション27a,28aが形成され、これらセレーション27a,28aがユニバーサルジョイント26に形成されたセレーションホール(不図示)にそれぞれ挿入され、シャフト27,28とユニバーサルジョイント26がセレーション結合される。
次に、作用を説明する。
[組み付け容易化作用]
実施例5のように、ダッシュパネル9を挟むユニット(第2ベベルギア8,ハンドル側ケーブルプーリ10a)間の動力伝達経路を操舵回転軸で繋ぐ場合、第2ベベルギア8とハンドル側プーリケース10eの同軸度が要求されるため、組み付けが困難である。
これに対し、実施例5では、ユニバーサルジョイント26に2つのシャフト27,28を差し込むだけで、2本のシャフト27,28の同軸度を確保できる。すなわち、ユニバーサルジョイント26によりシャフト27,28の軸心のずれを吸収できるため、ダッシュパネル9を挟むユニット(第2ベベルギア8,ハンドル側ケーブルプーリ10a)間のトルク伝達機構を容易に締結でき、組み付け作業を簡単に行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例5の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1),(2)に加え、以下の効果が得られる。
(10) ダッシュパネル9を通過する操舵回転軸(シャフト27,28)の間にユニバーサルジョイント26を設けたため、ダッシュパネル9を挟むユニット(第2ベベルギア8,ハンドル側ケーブルプーリ10a)間のトルク伝達機構を容易に締結できる。
実施例1の車両用操舵装置を示す全体構成図である。 実施例1の操舵部の構成を示す模式図である。 第1ベベルギア4の内部構造を示す図である。 ケーブル式コラムの構成を示す図である。 アウタチューブとインナケーブルの構造を示す断面斜視図である。 アウタチューブとインナケーブルの構造を示す縦断面図である。 実施例1のケーブル式コラム取り付け方法を示すダッシュパネル9を車両前方側から見た斜視図である。 ガスケットの構造を示す図である。 実施例2のステア・バイ・ワイヤシステムを示す全体構成図である。 実施例2の操舵部の構成を示す模式図である。 電磁クラッチの構造を示す縦断面図である。 実施例3の車両用操舵装置の操舵部の構成を示す模式図である。 実施例4の車両用操舵装置の操舵部の構成を示す模式図である。 実施例5の車両用操舵装置の操舵部の構成を示す模式図である。 実施例5のシャフトとユニバーサルジョイントとの連結方法を示す図である。
符号の説明
1 ハンドル
2 コラムシャフト
3 反力モータ
4 第1ベベルギア
6 クラッチ
8 第2ベベルギア
10 ケーブル式コラム
11 舵取り機構
11a ステアリングギア
13 ハンドル角センサ
15 レゾルバ
16 レゾルバ
17 トルクセンサ
18 エンコーダ
19 制御コントローラ
20 転舵モータ
21 ピニオンシャフト
22 操向輪

Claims (10)

  1. 運転者が操作する操作部と操向輪を転舵する転舵部との間の操舵回転軸にケーブル式コラムを有する車両用操舵装置において、
    前記操作部が配置された車室内と前記転舵部が配置された車室外とを隔てる隔壁と、
    前記操作部からの回転方向を他方向に変換する第1回転変換手段と、
    この第1回転変換手段からの回転方向を前記隔壁へ向かう方向に変換する第2回転変換手段と、
    を備え、
    前記第2回転変換手段を、前記隔壁に対し車室内に配置し、前記ケーブル式コラムのハンドル側ケーブルプーリを、車室外に配置したことを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
    前記ハンドル側ケーブルプーリを収容するハンドル側プーリケースを、前記隔壁に固定したことを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    前記ケーブル式コラムと前記操作部とを断接する断接手段と、
    前記断接手段により前記ケーブル式コラムと前記操作部が切り離された状態で、前記操作部への操作入力に応じて前記転舵部の作動を制御するステア・バイ・ワイヤ制御手段と、を設け、
    前記断接手段を、前記第1回転変換手段と前記第2回転変換手段との間に配置したことを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の車両用操舵装置において、
    前記第2回転変換手段を、前記ハンドル側プーリケースに支持し、
    このハンドル側プーリケースを、前記隔壁に固定したことを特徴とする車両用操舵装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    前記ケーブル式コラムと前記操作部とを断接する断接手段と、
    前記断接手段により前記ケーブル式コラムと前記操作部が切り離された状態で、前記操作部への操作入力に応じて前記転舵部の作動を制御するステア・バイ・ワイヤ制御手段と、を設け、
    前記断接手段を、前記第2回転変換手段と前記ハンドル側ケーブルプーリとの間に配置したことを特徴とする車両用操舵装置。
  6. 請求項5に記載の車両用操舵装置において、
    前記断接手段を、車室内に配置したことを特徴とする車両用操舵装置。
  7. 請求項6に記載の車両用操舵装置において、
    前記断接手段を、前記ハンドル側プーリケースに支持し、
    前記ハンドル側プーリケースを、前記隔壁に固定したことを特徴とする車両用操舵装置。
  8. 請求項5に記載の車両用操舵装置において、
    前記断接手段を、車室外に配置したことを特徴とする車両用操舵装置。
  9. 請求項8に記載の車両用操舵装置において、
    前記第2回転変換手段を、前記断接手段に支持し、
    前記断接手段を、前記隔壁に固定したことを特徴とする車両用操舵装置。
  10. 請求項1、2、3、5、6、8ないし9に記載の車両用操舵装置において、
    前記隔壁を通過する操舵回転軸を継手構造としたことを特徴とする車両用操舵装置。
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