JP4192685B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリングホイール等の操舵部材の操作に応じて車両を操舵せしめるための車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の操舵は、運転者によりなされる操舵部材の操作(一般的にはステアリングホイールの回転操作)を舵取機構に伝え、該舵取機構の動作により操舵用の車輪(一般的には左右の前輪)を転舵させて行われる。このような操舵を行わせるための車両用操舵装置として、近年、車室外部の舵取機構と車室内部の操舵部材とを機械的に分離させて備え、舵取機構に操舵モータを付設すると共に、操舵部材に反力モータを付設して構成された分離式の操舵装置、所謂、ステアバイワイヤ式の操舵装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
舵取機構に付設された操舵モータは、操舵部材の操作方向及び操作量の検出結果に基づいて制御され、更に、車速の高低、旋回の有無、加減速の有無等の走行状態の検出結果に基づいて補正制御されており、この制御下での発生力を舵取機構に加えて操舵を行わせる動作をなす。また、操舵部材に付設された反力モータは、舵取機構に実際に加わる反力の検出結果に基づいて制御され、更に、前記走行状態の検出結果に基づいて補正制御されており、この制御下での発生力を操舵部材に連結された操舵軸に加え、該操舵部材を操作する運転者に操作反力を体感させる動作をなす。
【0004】
このようなステアバイワイヤ式の操舵装置においては、操舵モータ、該操舵モータを制御する操舵制御部、及びこの制御に用いる各種のセンサ等の操舵制御系に対するフェイル対策が必要であると共に、反力モータ、該反力モータを制御する反力制御部、及びこの制御に用いる各種のセンサ等の反力制御系に対するフェイル対策も必要である。
【0005】
反力制御系のフェイル対策として、操舵部材に連結された操舵軸に機械的な反力を付与可能な反力付与手段を備え、反力制御系のフェイル発生時には、前記反力付与手段による付与反力下での操舵部材の操作により操舵を可能とした車両用操舵装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−211885号公報
【特許文献2】
特開2000−53008号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
さて、特許文献2に開示された反力付与手段は、操舵軸の中途に螺合するボールナットと、該ボールナットを中立位置に付勢する中立ばねとを備え、操舵部材の操作に応じて中立位置から移動するボールナットに加わる中立ばねのばね力が反力として付与される構成となっている。
【0008】
ところがこの構成においては、前記中立ばねのばね力が、反力制御系が正常に動作している間にも操舵軸に定常的に加わった状態にあるため、軽快な操舵感を得ることが難しく、反力モータの制御により実現される操舵特性の選定の自由度が低下するという不具合があり、またこの不具合を回避すべく中立ばねのばね力を小さく設定した場合、このばね力のみが操作反力となるフェイル発生時に操舵感が急変し、運転者による操舵部材の思わぬ操作がなされる虞れがある。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、操舵部材に連結された操舵軸に必要時にのみ適度な操作反力を付与することができ、通常操舵時における良好な操舵感を維持しつつ、非常時における急激な操舵感の変化を防止し得る車両用操舵装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明に係る車両用操舵装置は、操舵部材に連結され、該操舵部材の操作に応じて左右両方向に回転する操舵軸と、該操舵軸に操舵反力を付与可能な反力付与手段とを備える車両用操舵装置において、前記反力付与手段は、前記操舵軸と共に一方向に回転可能な第1軸と、前記操舵軸と共に他方向に回転可能な第2軸と、前記第1軸に回転方向と逆向きの反力を加える第1の弾性部材と、前記第2軸に回転方向と逆向きの反力を加える第2の弾性部材と、前記第1軸及び第2軸を、前記操舵軸との一体回転が不可となる回転位置にて規制する回転規制手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、操舵部材に連結された操舵軸と共に一方向に回転可能な第1軸と他方向に回転可能な第2軸とを、第1,第2の弾性部材により回転方向と逆向きの反力を加え、また回転規制手段により回転規制して備え、通常操舵時には、第1,第2軸を操舵軸との一体回転が不可となる回転位置にて回転規制しておき、第1,第2の弾性部材による反力が操舵軸に付与されない状態での操舵を行わせて良好な操舵感を実現する。また非常時には、第1,第2軸の回転規制を解除して、第1,第2の弾性部材による反力を操舵軸に加え、この付与反力下での操舵を行わせて急激な操舵感の変化を防止する。
【0012】
本発明の第2発明に係る車両用操舵装置は、前記第2軸が、前記第1軸に外嵌された筒軸であり、前記第1,第2の弾性部材は、前記第2軸に外嵌保持された捩りばねであることを特徴とする。
【0013】
この発明においては、筒軸である第2軸を第1軸に外嵌し、これらを同軸上に構成し、更に、第1軸及び第2軸に反力を加える第1,第2の弾性部材を、第2軸に外嵌保持された捩りばねとして、必要時にのみ適度の反力付与が可能な反力付与手段をコンパクトに構成する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る車両用操舵装置の全体構成を示す模式図である。本図に示す車両用操舵装置は、車体の左右に配された一対の操舵用の車輪10,10に舵取動作を行わせるための舵取機構1と、該舵取機構1から機械的に分離して配され、操舵のために回転操作されるステアリングホイール(操舵部材)2とを備えるステアバイワイヤ式の操舵装置として構成されており、舵取機構1に付設された操舵モータ3、該操舵モータ3を制御する操舵制御部4、ステアリングホイール2に付設された反力モータ5、及び該反力モータ5を制御する反力制御部6を備え、更に、ステアリングホイール2に所定の操作反力を加えるべく動作する反力付与手段7を備えている。
【0015】
舵取機構1は、図示しない車体の左右方向に延設された筒形をなすハウジング11の内部に支持され軸長方向に移動する舵取軸12を備え、ハウジング11の両側に突出する舵取軸12の両端部を各別のタイロッド13,13を介して操舵用の車輪10,10のナックルアーム14,14に連結し、舵取軸12の両方向への移動によりタイロッド13,13を介してナックルアーム14,14を押し引きし、前記車輪10,10を左右に操舵する構成となっている。
【0016】
この操舵を行わせるための操舵モータ3は、ハウジング11の一側半部に設けた大径部15の内側に舵取軸12と同軸上に構成されており、ボールねじ機構等の運動変換機構を介して舵取軸12の中途に伝動構成されている。このような操舵モータ3及び運動変換機構の構成は、特許文献1として提示した本願出願人による特開平10−211885号公報等に開示されている。なお、操舵モータ3はハウジング11の外部に取り付け、ギヤ、ベルト等の伝動手段を介してハウジング11の内部の運動変換機構に伝動構成してもよい。
【0017】
操舵モータ3は、操舵制御部4から図示しない駆動回路に与えられる制御指令に従って回転駆動される。操舵制御部4は、前記ステアリングホイール2の回転操作に応じた操舵を行わせるべく前記制御指令を発し、操舵モータ3を駆動制御する操舵制御動作を行う。
【0018】
このように駆動される操舵モータ3の回転は、前記運動変換機構により直線運動に変換されて舵取軸12に伝えられ、この伝動に応じた舵取軸12の軸長方向の移動により前述した操舵がなされる。この操舵により変化する操舵用の車輪10,10の実舵角は、舵取軸12と一側のタイロッド13との連結部の変位を検出すべく構成された実舵角センサ17により検出され操舵制御部4に与えられている。また、一側のタイロッド13には、軸方向に作用する軸力を検出するタイロッド軸力センサ18が付設されており、この検出結果は、操舵に伴って舵取機構1に加わる実反力を示す信号として、反力制御部6に与えられている。
【0019】
舵取機構1から分離して配されたステアリングホイール2は、その回転軸となる操舵軸20を回転自在に支持するコラムハウジング21を介して、図示しない車体の適宜部位に支持されている。このステアリングホイール2に操作反力を加える反力モータ5は、コラムハウジング21の外側に取り付けられ、ウォームギヤ機構等の減速機構(図示せず)を介して操舵軸20の中途部に伝動構成されており、反力モータ5が回転駆動された場合、この回転力が前記減速機構により減速されて操舵軸20に付加され、更に、該操舵軸20の上端に固定されたステアリングホイール2に操作反力が加えられるようになしてある。
【0020】
反力モータ5は、反力制御部6から図示しない駆動回路に与えられる制御指令に従って回転駆動される。反力制御部6は、舵取機構1に実際に加わる反力に対応する操作反力をステアリングホイール2に付与すべく前記制御指令を発し、反力モータ5を駆動制御する反力制御動作を行い、更に、この反力制御動作中に後述する如くなされるフェイル判定に従って反力付与手段7に動作指令を発するフェイル補償動作を行う。
【0021】
この操作反力に抗して回転操作されるステアリングホイール2の操作角は、コラムハウジング21の中途部に付設された操舵角センサ22により検出され、操舵制御部4に与えられている。また、操舵制御部4には、車速、ヨーレート、横加速度、前後加速度等、操舵に影響を与える走行状態の検出結果が、車両の各部に設置された走行状態センサ23から与えられている。走行状態センサ23による走行状態の検出結果は、反力制御部6にも与えられている。
【0022】
本発明に係る車両用操舵装置の特徴である反力付与手段7は、ステアリングホイール2の操作に応じて回転する操舵軸20に反力を付与すべく、該操舵軸20を支持するコラムハウジング21の下部に取付けられている。図2は、反力付与手段7の構成を示す縦断面図である。本図に示す如く反力付与手段7は、コラムハウジング21の下端部に連設された筒形のハウジング70の内部に支持された第1軸71及び第2軸72と、これらの夫々に反力を加える第1の弾性部材73及び第2の弾性部材74とを備えてなる。
【0023】
第2軸72は、全長に亘って中空とされた筒軸であり、一側端部及び中途部に嵌合された軸受78,78によりハウジング70の内部に回転自在に支持されている。第1軸71は、このような第2軸72に相対回転自在に内嵌支持されており、コラムハウジング21との連設側において第2軸72の外側に突出する第1軸71の上端部には、鍔縁75が周設されている。この鍔縁75は、周方向の一か所に他部よりも外向きに張り出す張り出し部を備えており、この張り出し部には、上下両向きに係合ピン 75aが突設されている。
【0024】
また第2軸72には、上端部及び中央部に鍔縁76,77が周設されている。これらの鍔縁76,77も、第1軸71の鍔縁75と同様、周方向の一か所に張り出し部を備えており、第1軸71の鍔縁75の下位置に近接する上端の鍔縁76の張り出し部には、上向きに係合ピン 76aが突設され、また、第2軸72の中途を支持する軸受78の保持部を兼ねる中央の鍔縁77の張り出し部には、下向きに係合ピン 77aが突設されている。
【0025】
第1,第2の弾性部材73,74は、軸回りの捩れ力に対して互いに逆向きの弾性反発力を発生するように構成された捩りばねであり、第2軸72の外側に軸長方向に並べて嵌合保持させてある。第1の弾性部材73は、一端の鍔縁76と中央の鍔縁77との間に配してあり、鍔縁77の側の端部は、ハウジング70の内面の該当位置に設けた凹所 70aに係合され、鍔縁76の側の端部は、第1軸71の鍔縁75に取付けられ、前記鍔縁75の下方に突出する係合ピン 75aに周方向の一側から当接させてある。第2の弾性部材74は、中央の鍔縁77よりも下位置に配してあり、鍔縁77の側の端部は、該鍔縁77に取付けられた係合ピン 77aに周方向の一側から当接させてあり、他側の端部は、ハウジング70の内面の該当位置に設けた凹所 70bに係合させてある。
【0026】
以上の構成により第1の弾性部材73は、第1軸71の回転により係合ピン 75aとの当接端を押圧されて捩れ変形し、同様に第2の弾性部材74は、第2軸72の回転により係合ピン 77aとの当接端を押圧されて捩れ変形することとなる。ここで、第1の弾性部材73への係合ピン 75aの当接方向と、第2の弾性部材74への係合ピン 77aの当接方向とは、互いに逆向きとなるようにしてあり、第1の弾性部材73は、第1軸71が一方向に回転するとき捩れ量を増し、該第1軸71に回転方向と逆向きの反力を加え、第2の弾性部材74は、第2軸72が他方向に回転するとき捩れ量を増し、該第2軸72に回転方向と逆向きの反力を加えるようになしてある。
【0027】
コラムハウジング21内に支持された操舵軸20の下端部は、第1軸71の上端部に同軸的に嵌合支持されており、この下端部の近傍には、操舵軸20と一体に回転する係合レバー24が取付けてある。この係合レバー24は、第1軸71の上側に突出する係合ピン 75aの上部及び第2軸72の係合ピン 76aの回転円周上に達する長さを有しており、これらの係合ピン 75a,76aが周方向の異なる側から当接するようになしてある。
【0028】
一方ハウジング70の下端部には、短寸の筒形をなすクラッチハウジング80が連設されている。第2軸72の下端部は、ハウジング70の同側端部からクラッチハウジング80内に適長突出され、また第1軸71の下端部は、第2軸72の下端部から更に下方に突出されている。このような第1,第2軸71,72の突出部には、互いに対向するように一対のクラッチ板81,82が、夫々と一体回転可能に取付けられ、クラッチ板81の他側には、クラッチハウジング80に内嵌保持されたクラッチコイル83が対向させてあり、これらのクラッチ板81,82及びクラッチコイル83により電磁クラッチ8が構成されている。
【0029】
この電磁クラッチ8は、クラッチコイル83への非通電時にクラッチ板81,82を圧接させた状態にあり、これらが取付けられた第1,第2軸71,72の回転を圧接部における摩擦下にて規制し、この回転規制を、クラッチコイル83への通電によるクラッチ板81,82の離反によって解除する回転規制手段としての作用をなす。電磁クラッチ8の組み付けは、第1,第2軸71,72を第1,第2の弾性部材73,74のばね力に抗して互いに逆向きに略等角度だけ回転させ、これら両軸71,72と共に回転するクラッチ板81,82を、第1,第2軸71,72の上端部において、夫々に突設された係合ピン 75a,76aと操舵軸20の下端の係合レバー24との間に所定の位置関係が得られた状態で圧接せしめてなされている。
【0030】
図3は、反力付与手段7の動作説明図であり、係合ピン 75a,76aと係合レバー24との位置関係が示されている。図3(a)は、前述した組み付け時の位置関係を示しており、係合ピン 75a,76aは、係合レバー24の両側から夫々が離反する向きに回転せしめられ、係合レバー24の逆位置に、相互に干渉しない範囲において可及的に接近した位置にて回転規制されている。このとき操舵軸20は、これと一体回転する係合レバー24が、図中に2点鎖線により示す如く係合ピン 75a,76aと当接するまでの角度範囲内において、何らの力も受けずに左右両方向に回転することができる。
【0031】
図3(b)には、電磁クラッチ8のクラッチコイル83に通電がなされ、クラッチ板81,82の圧接が解除され、第1軸71と第2軸72の回転規制が解除された後の位置関係が示されている。このとき係合ピン 75a,76aは、第1,第2の弾性部材73,74のばね力の作用方向に回転し、図示の如く、係合レバー24の両側に当接された状態となる。第1,第2の弾性部材73,74は、このような当接下においても捩れ状態を保っており、係合レバー24には、図中に白抜矢符にて示す如く、両側に当接する係合ピン 75a,76aから第1,第2の弾性部材73,74のばね力が加えられている。この状態で操舵軸20が回転せしめられた場合、該操舵軸20には、これと一体回転する係合レバー24に加わる第1の弾性部材73又は第2の弾性部材74のばね力が反力として付与される。
【0032】
このように反力付与手段7は、回転規制手段としての電磁クラッチ8が非動作状態にある間は何らの反力も発生せず、電磁クラッチ8が動作状態になることを条件として操舵軸20に反力を付与する動作をなす。
【0033】
以上の如く構成された本発明に係る車両用操舵装置において、操舵モータ3を対象とする操舵制御部4の操舵制御動作は、例えば、操舵角センサ22により検出されるステアリングホイール2の操作角度に基づいて目標舵角を求め、この目標舵角と、実舵角センサ17により検出される操舵用の車輪10,10の実舵角との偏差に基づくフィードバック制御により行われる。このとき走行状態センサ23から与えられる走行状態の検出結果は、前記目標舵角の補正に用いられる。この補正は、例えば、車速の増大に伴って目標舵角を減じ、また、ヨーレート、横加速度により定まる車両の旋回程度の増大に伴って目標舵角を減じるようになされる。
【0034】
以上の操舵制御動作により舵取軸12は、操舵モータ3からの伝動によりステアリングホイール2の操作角度に対応する目標舵角を得るべく軸長方向に移動せしめられ、この移動によりステアリングホイール2の操作に応じた操舵が実現される。また、走行状態に基づく前記目標舵角の補正により、ステアリングホイール2の操作角度と舵取軸12の移動量との対応関係が変わり、走行状態に応じた操舵特性が得られる。
【0035】
また反力モータ5を対象とする反力制御部6の制御動作は、例えば、タイロッド軸力センサ18により検出される実反力に基づいてステアリングホイール2に付与すべき目標反力を求め、この目標反力を得るべく反力モータ5を駆動制御せしめて行われる。このとき走行状態センサ23から与えられる走行状態の検出結果は、前記目標反力の補正に用いられる。この補正は、例えば、車速及び旋回程度の増大に伴って目標反力を増し、また、前後加速度により定まる車両の減速程度の増大に伴って目標反力を増すように行われる。
【0036】
以上の反力制御動作によりステアリングホイール2には、操舵軸20に加わる反力モータ5の回転力が操作反力として付与される。この操作反力は、舵取機構1に加わる実反力を走行状態に応じて補正したものであり、ステアリングホイール2を回転操作する運転者に良好な操舵感を体感させることができる。このとき反力付与手段7は、電磁クラッチ8の非通電による回転規制状態にあり、ステアリングホイール2には何らの反力も付与されない。
【0037】
以上の如き反力制御動作の実施中に反力制御部6は、反力モータ5、反力制御部6自身、及び反力制御動作に使用する各センサに対するフェイル判定を行っており、このフェイル判定の結果、いずれかがフェイル状態にあると判定された場合、このフェイル状態下での誤った操作反力の付与を防止し、また操作反力の喪失によるステアリングホイール2の操作感の急変を防止するため、反力モータ5に対する反力制御動作を停止すると共に、反力付与手段7に動作指令を発するフェイル補償動作を行う。
【0038】
反力付与手段7への動作指令は、具体的には、回転規制手段としての電磁クラッチ8のクラッチコイル80への通電指令であり、この動作指令に応じてクラッチコイル80への通電がなされた場合、反力付与手段7は、電磁クラッチ8による第1軸71及び第2軸72の回転規制の解除により図3(b)に示す状態となり、ステアリングホイール2には、反力付与手段7が発生する反力、具体的には、第1,第2の弾性部材73,74のばね力が付与される。これにより前述したフェイル判定の結果に基づいて反力制御動作が停止された非常時の操舵が、反力付与手段7による付与反力下にてなされる。
【0039】
第1,第2の弾性部材73,74による操舵軸20への反力付与は、電磁クラッチ8による回転規制が解除された場合に限ってなされるから、第1,第2の弾性部材73,74のばね力を、反力制御動作が正常に行われている通常操舵時の操舵感に影響を及ぼすことなく自在に設定することができる。従って、第1,第2の弾性部材73,74のばね力を反力としてなされる非常時のステアリングホイール2の操作を適度の反力の付与下にて行わせることができ、反力モータ5による操作反力の喪失に伴うステアリングホイール2の付与反力の急変を抑制し、例えば、目的地に到着するまでの間の走行を、操舵感の急変を伴うことなく、安全確実に行わせることができる。
【0040】
なお、以上の如きフェイル補償動作がなされる場合、ステアリングホイール2の操作感にある程度の変化が生じることは避けられないため、反力制御部6は、反力付与手段7への動作指令の出力に伴って図示しない警報手段に動作指令を発し、例えば、警報音の鳴動、音声メッセージの発生等の警報動作を行わせ、操舵感が変化することを運転者に報知して、ステアリングホイール2の操作を慎重に行いつつ所定の対応を促すようにするのが望ましい。
【0041】
なお反力付与手段7は、以上の実施の形態に示す構成に限らず種々の構成により実現することができ、また回転規制手段も、実施の形態に示す電磁クラッチ8に限らず、噛み合い式のクラッチ等の他の構成により実現することが可能であることは言うまでもない。
【0042】
また以上の実施の形態においては、反力制御部6から与えられる動作指令により反力付与手段7が反力付与を開始する構成としてあるが、例えば、反力制御系のフェイル時になされる手動スイッチの操作に応じて反力付与手段7が動作するように構成してもよい。この場合、反力制御部6は、前述したフェイル判定に従って警報動作のみを行い、この警報を聴取した運転者が前記手動スイッチを操作するように構成すればよい。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る車両用操舵装置においては、操舵部材に連結された操舵軸に、通常操舵時における操舵感を損なうことなく必要時にのみ適度な操作反力を付与することができ、非常時における緊急の操舵を安全確実に行わせることが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用操舵装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】反力付与手段の構成を示す縦断面図である。
【図3】反力付与手段の動作説明図である。
【符号の説明】
1 舵取機構
2 ステアリングホイール(操舵部材)
7 反力付与手段
8 電磁クラッチ(回転規制手段)
20 操舵軸
71 第1軸
72 第2軸
73 第1の弾性部材
74 第2の弾性部材

Claims (2)

  1. 操舵部材に連結され、該操舵部材の操作に応じて左右両方向に回転する操舵軸と、該操舵軸に回転反力を付与可能な反力付与手段とを備える車両用操舵装置において、
    前記反力付与手段は、
    前記操舵軸と共に一方向に回転可能な第1軸と、
    前記操舵軸と共に他方向に回転可能な第2軸と、
    前記第1軸に回転方向と逆向きの反力を加える第1の弾性部材と、
    前記第2軸に回転方向と逆向きの反力を加える第2の弾性部材と、
    前記第1軸及び第2軸を、前記操舵軸との一体回転が不可となる回転位置にて規制する回転規制手段と
    を備えることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記第2軸は、前記第1軸に外嵌された筒軸であり、前記第1,第2の弾性部材は、前記第2軸に外嵌保持された捩りばねである請求項1記載の車両用操舵装置。
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