JP3675613B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵手段と舵取機構が機械的に非連結の車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
操舵手段及び舵取機構が機械的に非連結の車両用操舵装置は、動力舵取装置における舵取補助用のアクチュエータと同様に、舵取機構に舵取用のアクチュエータとしての電動モータを配してなり、操舵手段たるステアリングホイールの操舵角の検出値に基づいて前記電動モータを駆動することにより、ステアリングホイールの操舵に応じた舵取りを行なわせる構成となっている。
【0003】
ステアリングホイールは、その下側に設けられた操舵軸を車体の適宜部に回動自在に保持され、この操舵軸の中途には、例えば、ウォームギヤ及びピニオンギヤを組み合わせてなる運動変換機構が設けられ、そこに電磁クラッチを介して電動モータを用いてなる反力モータが繋げられている。反力モータは、路面からの車輪への反力,車速等の車両の状態に応じて大小となる操舵方向と逆方向の力(反力)を操舵軸に加える作用をなしており、これにより、操舵手段と舵取機構とが機械的に連結された車両用操舵装置と同様の感覚で舵取操作が行なえるようになっている。
【0004】
従って、ステアリングホイールの回転操舵には、反力モータが発生する反力トルクに抗する操舵トルクを加える必要があり、ステアリングホイールに加えられる操舵トルクは、反力モータに隣接して設けられたトルクセンサにより検出され、検出された操舵トルクは、トルクセンサの故障判定に用いられる。
【0005】
また、操舵軸の下端には、一端を車体の適宜部に固定された捩じればねが同軸的に繋がれており、この捩じればねは、回転操舵の停止時に、その弾性により操舵軸を回転させてステアリングホイールを中立位置に復帰させるようになっている。この復帰は、機械的に非連結の舵取機構側にて生じる車輪の直進方向への復帰動作に伴ってステアリングホイールを戻すために必要なものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の如き従来の構成においては、トルクセンサの検出値に異常が検出された場合、電磁クラッチを切り離して反力モータの異常な反力がステアリングホイールに加わらないようにしてある。ところが、電磁クラッチが切り離されるために、操舵反力が瞬時に捩じればねの反力のみとなり、運転者がステアリングホイールを切りすぎるという問題があった。
【0007】
また、異常を検出した際のトルクセンサの検出値が、例えば、外乱によるものでありトルクセンサに異常がない場合には、所定時間、トルクセンサの検出値を監視し、検出値が所定の範囲内であるときは、上述と逆の動作にて操舵反力を復帰させるようにしているが、今度は逆に操舵反力が瞬時に増加するため、運転者がステアリングホイールを切ることが困難になるという問題があった。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、トルクセンサの検出値が所定値を越える場合に、トルクセンサが異常であると判断し、反力モータへの駆動電流の上限値を徐々に減少させることにより、ステアリングホイールに与えられる反力を滑らかに減少して、トルクセンサの異常による操舵反力の極端な減少を回避することができる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的は、上述の異常検出が外乱等による突発的なものであり、トルクセンサに異常が認められない場合には、反力モータへの駆動電流の上限値を徐々に増加して通常の反力制御状態に復帰させることにより、ステアリングホイールに与えられる反力を滑らかに増加して、反力制御の復帰時における操舵反力の極端な増加を回避することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る車両用操舵装置は、舵取機構と機械的に非連結の操舵手段と、該操舵手段の操舵量に応じて前記舵取機構に舵取りを行なわせる舵取制御手段と、前記操舵手段を中立方向へ付勢する手段とを備えている車両用操舵装置において、前記操舵手段に加わる操舵トルクを検出する2つの操舵トルク検出手段と、一方の操舵トルク検出手段の検出値に応じて、前記操舵手段に操舵と反対方向の力を付与する反力アクチュエータと、前記一方の操舵トルク検出手段の検出値又はこれに関連する値が所定値を越える場合に、他方の操舵トルク検出手段の検出値に応じて、前記反力アクチュエータを駆動するとともに、前記反力アクチュエータへの出力の上限値を漸減し、前記上限値が所定値に達した場合は、前記反力アクチュエータの駆動力が前記操舵手段に加わらないようにする反力制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
第2発明に係る車両用操舵装置は、第1発明の車両用操舵装置において、前記反力制御手段は、前記一方の操舵トルク検出手段の検出値又はこれに関連する値が、所定時間、所定の範囲内にある場合に、漸減させた前記反力アクチュエータへの出力の上限値を漸増することを特徴とする。
【0012】
第1発明に係る車両用操舵装置によれば、2つの操舵トルク検出手段を備え、一方の操舵トルク検出手段の検出値又はこれに関連する値が所定値を越える場合に、この操舵トルク検出手段が異常であると判断し、他方の操舵トルク検出手段の検出値に応じて、前記反力アクチュエータを駆動しながら、前記反力アクチュエータへの出力の上限値を漸減することにより、操舵反力の極端な減少を抑止することができ、上限値が所定値に達した場合は、前記反力アクチュエータの駆動力が操舵手段に加わらないようにすることができる。
【0013】
第2発明に係る車両用操舵装置によれば、第1発明の車両用操舵装置において、前記一方の操舵トルク検出手段の検出値又はこれに関連する値が、所定時間、所定の範囲内にある場合に、この操舵トルク検出手段からの異常な検出値が外乱等による突発的なものであり、操舵トルク検出手段に異常がないと判断し、漸減させた前記反力アクチュエータへの出力の上限値を漸増することにより、操舵反力の極端な増加を抑止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る車両用操舵装置の要部の構成を示すブロック図である。
【0015】
本発明における車両用操舵装置は、車体の左右に配された一対の舵取用の車輪10,10に舵取動作を行なわせるための舵取機構1と、舵取機構1とは機械的に非連結の操舵手段たるステアリングホイール2と、各別のマイクロプロセッサを用いてなる舵取制御部3及び反力制御部4とを備え、ステアリングホイール2の操舵に応じて舵取制御部3が舵取機構1に配したアクチュエータとしての舵取モータ17を駆動して、舵取機構1を動作させるとともに、操舵及び車両の状態に応じて反力制御部4がステアリングホイール2側に配した電動モータからなる反力モータ25を駆動し、ステアリングホイール2に操舵反力を付与する構成となっている。
【0016】
舵取機構1は、車体の左右方向に設けられて、その軸方向に移動する舵取軸11の両端部と、左右の車輪10,10を支持するナックルアーム12,12とを、各別のタイロッド13,13により連結し、舵取軸11の左右両方向への移動により、タイロッド13,13を介してナックルアーム12,12を押し引きし、車輪10,10を左右に転舵させるものであり、この転舵は、舵取軸11の中途部に設けられた舵取モータ17の回転を、ギヤ及びボールねじを組み合わせてなる運動変換機構により舵取軸11の軸方向運動に変換して行われる。
【0017】
一方のタイロッド13及び舵取軸11の連結部と、舵取軸11を軸方向へ移動自在に支承する舵取軸ハウジング14とを跨いで、直線摺動形ポテンショメータからなるタイロッド13の変位センサ15が架設されており、舵取軸ハウジング14に対するタイロッド13の軸方向変位を検出している。その検出結果は舵取制御部3に与えられ、所定の演算を行なうことによって舵角に変換される。
【0018】
左右両側のタイロッド13,13の中途部には、ストレインゲージを用いてなる軸力センサ16,16が貼付され、路面の反力によって変化するタイロッド13,13の軸力(軸方向に作用する引張力又は圧縮力)を検出しており、その検出結果は舵取制御部3に与えられる。なお、軸力センサ16,16は、片側の車輪10が縁石に乗り上げている場合、又は片側の車輪10が溝にはまっている場合等、左右の車輪10,10に発生する路面との反力が夫々異なる状態を検出するために、左右両側のタイロッド13,13に備えられている。
【0019】
ステアリングホイール2は、その下側に操舵軸20を突出して設けられ、操舵軸20は、図示しない操舵軸ハウジングを介して車体の適宜部に回動自在に支持されている。また、操舵軸20の下端には一端を車体の適宜部に固定された捩じればね21が同軸的に繋がれており、回転操舵の停止時にその弾性により操舵軸20を回転させて、ステアリングホイール2を中立位置に復帰せしめる作用をなしている。
【0020】
また、操舵軸20の中途部にはウォームギヤ及びピニオンギヤを組み合わせてなる運動変換機構が設けてあり、これに電動モータからなる反力モータ25が、その出力軸にて電磁クラッチ26を介して繋げられている。反力モータ25は、主に、軸力センサ16,16の出力に基づく路面反力の大小、車両の走行速度(車速)の高低等に応じて大小となる操舵方向と逆方向の力(反力)を、反力制御部4からの制御指示に応じてステアリングホイール2に加える作用をなしており、運転者が路面反力を模擬的に体感することができるようになっている。電磁クラッチ26は、反力モータ25、又はその駆動回路の異常時に反力モータ25の駆動力をステアリングホイール2から切り離すために設けられている。
【0021】
従って、ステアリングホイール2の回転操舵には、反力モータ25が発生する反力に抗する操舵トルクを加える必要があり、この操舵トルクは、操舵軸20上で反力モータ25の運動変換機構に隣接して設けられたポテンショメータを用いてなるトルクセンサ23,24により検出される。なお、トルクセンサ23,24は2系統となっており、一方のトルクセンサ23が通常使用されるメインセンサであり、他方のトルクセンサ24はトルクセンサ23が故障したときのバックアップとして用いられ、各トルクセンサ23,24の検出結果は、反力制御部4を介して舵取制御部3に与えられる。なお、検出された操舵トルクは、トルクセンサ23,24の故障判定に用いられる。
【0022】
また、ステアリングホイール2の操舵角は、操舵軸20に付設されたポテンショメータを用いてなる操舵角センサ22により検出され、その検出結果は、舵取制御部3に与えられる。
【0023】
以上の如く、舵取制御部3には、舵取機構1側にて実際に生じている舵取りの状態が、変位センサ15及び軸力センサ16,16からの入力として与えられ、また、ステアリングホイール2の操舵の状態が、操舵角センサ22からの入力として与えられ、ステアリングホイール2の操舵に応じて加えられる反力の大きさ及び方向が、トルクセンサ23,24から反力制御部4を介して与えられる。
【0024】
さらに、車両の走行速度を検出する車速センサ5と、車両が旋回する際に起こる、車体に対して垂直な軸回りの角速度、即ちヨーレートを検出するヨーレートセンサ6と、車体に対して横方向の加速度を検出する横加速度センサ7と、車体に対して前後方向の加速度を検出する前後加速度センサ8とが夫々車体の適宜部に設けられており、それらの出力は舵取制御部3の入力端子に与えられる。
【0025】
舵取制御部3は、操舵角センサ22から与えられる操舵角に応じて目標舵角を算出し、車速センサ5から与えられる車速と、ヨーレートセンサ6から与えられるヨーレートと、横加速度センサ7から与えられる横加速度と、前後加速度センサ8から与えられる前後加速度とに応じて前記目標舵角を補正し、変位センサ15から与えられる実際の舵角が、補正された目標舵角と一致するように舵取モータ17を駆動する。
【0026】
さらに、舵取制御部3は、舵取りに伴って舵取用の車輪10,10に実際に加わる路面反力を検出する軸力センサ16,16の検出値に応じて目標反力を算出し、車速センサ5,ヨーレートセンサ6,横加速度センサ7,及び前後加速度センサ8の検出値に応じて目標反力を補正し、この補正された目標反力を反力制御部4へ与える。
【0027】
反力制御部4は、舵取制御部3から与えられる目標反力に応じて反力モータ25を駆動し、ステアリングホイール2に路面反力を模擬的に加えることにより、ステアリングホイール2及び舵取機構1が機械的に連結された一般的な操舵装置(連結型の操舵装置)と同様の感覚での操舵が行なえるようになっている。
【0028】
図2は、本発明に係る操舵反力の制御に伴う反力制御部4の制御内容を示すフローチャートである。図3は、この制御に伴う反力モータ25へのモータ電流の上限値の変化を示すグラフであり、縦軸に反力モータ25のモータ電流上限値を、横軸に時間を夫々配している。
【0029】
まず、メイン側のトルクセンサ23の検出値を取込み(ステップ1)、この検出値が所定の範囲を越えるか否かを確認する(ステップ2)。そして、所定の範囲内である場合には、メイン側のトルクセンサ23が「正常」であると判断し、この検出値に基づいて反力モータ25の駆動を行ない(ステップ3)、終了となる(通常制御期間)。
【0030】
ステップ2にて所定の範囲を越える場合には、メイン側のトルクセンサ23が「異常」であると判断し、今度は、サブ側のトルクセンサ24の検出値を取込む(ステップ4)。そして、この検出値に基づいて反力モータ25へモータ電流を与えて駆動する(ステップ5)とともに、モータ電流の予め設定された上限値を所定量減少させる(ステップ6)(制御停止準備期間)。次いで、減少させた後の上限値が所定値に達した否かを確認し(ステップ7)、所定値に達した場合には、電磁クラッチ26をオフとして反力モータ25の駆動力がステアリングホイール2に加わらないようにする(ステップ8)(制御停止期間)。なお、ステップ7において所定値に達していない場合には、ステップ6,7の動作を繰り返す。
【0031】
復帰動作は、ステップ8までの異常検出動作の後に、再びメイン側のトルクセンサ23の検出値の取込みを開始し(ステップ9)、この検出値が所定の時間に対応するサンプリング回数の間、所定の範囲を越えるか否かを確認する(ステップ10)。そして、所定の範囲内である場合には、メイン側のトルクセンサ23が「異常なし(正常)」であると判断し、モータ電流の上限値を所定量増加させる(ステップ11)(制御復帰期間)。なお、ステップ10にて所定の範囲を越える場合には、「異常」であると判断してステップ9,10の動作を繰り返す。
【0032】
次いで、この上限値が前述の如き元の通常制御時の所定値に達した否かを確認し(ステップ12)、所定値に達した場合には終了となり(通常制御期間)、達していない場合にはステップ11,12の動作を繰り返す。
【0033】
なお、以上の構成に限らず、メイン側のトルクセンサ23と、サブ側のトルクセンサ24との両方から操舵トルクの検出値を予め取り込んでおき、メイン側のトルクセンサ23の検出値の異常判定をサブ側のトルクセンサ24の検出値との比較により行なう構成とすることもできる。このような構成の場合、両方のトルクセンサ23,24の検出値が異常であると判定されたとき、又は、いずれかのトルクセンサ23,24の検出値が異常であるかを判定できないときは、反力モータ25へのモータ電流を所定の割合で減少させていくようにするのが好ましい。
【0034】
また、反力制御部4が故障した場合、反力モータ25に適切なモータ電流を与えられないという問題が発生することが思慮されるが、このような場合には、図4に示す如く反力制御部4の内部を構成することにより、反力制御部4の故障を的確に診断することができるので、反力モータ25の駆動を停止させる等の動作を行なわせることができる。
【0035】
図4は、反力制御部4の構成を示すブロック図である。反力制御部4は、舵取制御部3から与えられる目標反力に基づいて、反力モータ25に与えるモータ電流の大きさ(電流値)と、このモータ電流により反力モータ25が駆動される方向(駆動方向)を演算するCPU41と、CPU41により演算された電流値及び駆動方向に応じて反力モータ25に通電する反力モータ駆動回路42と、反力モータ駆動回路42が出力する実際の電流値及び駆動方向を検出するモータ電流検出回路43と、CPU41の入出力及びモータ電流検出回路43が検出した電流値及び駆動方向に基づいてCPU41を監視するCPU監視部44とから構成されている。
【0036】
CPU41は、舵取制御部3から与えられる目標反力に基づいて、駆動方向を含めた反力モータ25の目標電流値を算出し、モータ電流検出回路43から与えられる実際の電流値をフィードバック値として、前記目標電流値を補正して反力モータ駆動回路42へ出力する。
【0037】
反力モータ駆動回路42は、CPU41から与えられる補正された目標電流値とその駆動方向に応じて反力モータ25に通電する。また、反力モータ駆動回路42は、CPU監視部44からの制御停止信号により、CPU41の異常時に反力モータ25への通電を強制的に停止できるようにしてある。
【0038】
モータ電流検出回路43は、反力モータ駆動回路42からの出力である実際の電流値及び駆動方向を検出し、CPU監視部44及びCPU41へ検出結果を出力する。
【0039】
CPU監視部44は、モータ電流検出回路43から与えられる実際の電流値及び駆動方向と、CPU41への入力たる、舵取制御部3から与えられる目標反力と、CPU41からの出力たる電流値及び駆動方向とに基づいて、CPU41が正常に動作しているか否かを診断している。
【0040】
図5は、CPU41の監視に伴うCPU監視部44の制御内容を示すフローチャートである。舵取制御部3からの目標反力の入力に伴ってスタートし、まず、入力される目標反力を取り込み(ステップ1)、取り込んだ目標反力が所定値以上であるか否かを確認し(ステップ2)、所定値以上である場合には、モータ電流検出回路43から与えられる実際の駆動方向を取込む(ステップ3)。そして、ステップ1にて取り込んだ目標反力に応じた反力モータ25の駆動方向が、ステップ3にて取り込んだ実際の駆動方向と逆方向であるか否かを確認し(ステップ4)、方向が同じである場合には、CPU41が「正常」であると判断して終了となる。また、ステップ4にて駆動方向が逆である場合には、CPU41が「異常」であると判断して、反力モータ駆動回路42へ制御停止信号を出力し(ステップ5)、反力モータ駆動回路42による反力モータ25への通電を停止させる。
【0041】
一方、ステップ2にて所定値を下回る場合には、モータ電流検出回路43から与えられる実際の電流値を取込み(ステップ6)、電流値が所定値以上であるか否かを確認し(ステップ7)、所定値以上である場合には、ステップ5の動作を行ない、所定値を下回る場合には、終了となる。
【0042】
以上の如き構成により、舵取制御部3からの目標反力が所定値未満の場合で、実際の電流値が所定値以上である場合、又は、舵取制御部3からの目標反力が所定値以上の場合で、目標反力に基づく駆動方向が、実際の駆動方向と逆である場合のいずれかの条件を満たすときに、CPU41は異常であると見做し、反力制御部4が正常な反力制御を行なうことができないと診断することができる。そして、この診断結果に基づいて、反力モータ駆動回路42による反力モータ25への通電を停止させるか、反力制御部4に代えて舵取制御部3による反力モータ25の駆動制御を開始させる等の安全処理を講じることにより、更に安全な車両用操舵装置を構成することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明に係る車両用操舵装置においては、2つの操舵トルク検出手段を備え、一方の操舵トルク検出手段の検出値又はこれに関連する値が所定値を越える場合に、この操舵トルク検出手段が異常であると判断し、他方の操舵トルク検出手段の検出値に応じて前記反力アクチュエータを駆動しながら、前記反力アクチュエータへの出力の上限値を漸減することにより、操舵反力の極端な減少を抑止することができ、上限値が所定値に達した場合は、前記反力アクチュエータの駆動力が操舵手段に加わらないようにすることができる。
【0044】
また、前記一方の操舵トルク検出手段の検出値又はこれに関連する値が、所定時間、所定の範囲内にある場合に、この操舵トルク検出手段からの異常な検出値が外乱等による突発的なものであり、トルクセンサに異常がないと判断し、漸減させた前記反力アクチュエータへの出力の上限値を漸増することにより、操舵反力の極端な増加を抑止することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用操舵装置の要部の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る操舵反力の制御に伴う反力制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図3】図2の制御に伴う反力モータへのモータ電流の上限値の変化を示すグラフである。
【図4】反力制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】CPUの監視に伴うCPU監視部の制御内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 舵取機構
2 ステアリングホイール
3 舵取制御部
4 反力制御部
5 車速センサ
6 ヨーレートセンサ
7 横加速度センサ
8 前後加速度センサ
11 舵取軸
12 ナックルアーム
13 タイロッド
14 舵取軸ハウジング
15 変位センサ
16 軸力センサ
17 舵取モータ
20 操舵軸
21 捩じればね
22 操舵角センサ
23,24 トルクセンサ
25 反力モータ
26 電磁クラッチ
Claims (2)
- 舵取機構と機械的に非連結の操舵手段と、
該操舵手段の操舵量に応じて前記舵取機構に舵取りを行なわせる舵取制御手段と、
前記操舵手段を中立方向へ付勢する手段と
を備えている車両用操舵装置において、
前記操舵手段に加わる操舵トルクを検出する2つの操舵トルク検出手段と、
一方の操舵トルク検出手段の検出値に応じて、前記操舵手段に操舵と反対方向の力を付与する反力アクチュエータと、
前記一方の操舵トルク検出手段の検出値又はこれに関連する値が所定値を越える場合に、他方の操舵トルク検出手段の検出値に応じて、前記反力アクチュエータを駆動するとともに、前記反力アクチュエータへの出力の上限値を漸減し、前記上限値が所定値に達した場合は、前記反力アクチュエータの駆動力が前記操舵手段に加わらないようにする反力制御手段と
を備えていることを特徴とする車両用操舵装置。 - 前記反力制御手段は、前記一方の操舵トルク検出手段の検出値又はこれに関連する値が、所定時間、所定の範囲内にある場合に、漸減させた前記反力アクチュエータへの出力の上限値を漸増することを特徴とする請求項1記載の車両用操舵装置。
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