JP6013171B2 - 操舵装置、操舵装置用の切替え装置およびプログラム - Google Patents

操舵装置、操舵装置用の切替え装置およびプログラム Download PDF

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本発明は、操舵装置、操舵装置用の切替え装置、プログラムに関する。
車両等に使用される従来の操舵装置は、ステアリングホイールと車輪とがシャフト等を介して接続されている。そしてこの操舵装置においてドライバの操舵を軽くするため、電動モータによりステアリングホイールの操舵をアシストする電動パワーステアリング機構を装備することが一般的となっている。対して、近年ステアリングホイールと車輪とが、シャフト等により接続されず、機械的に分離したステアバイワイヤシステムによる操舵装置が提案されている。これは例えば、ドライバにより操作されるステアリングホイールのトルクを検出し、このトルクに応じて電動モータを制御し、車輪を転舵するものである。
特許文献1には、運転者の意図を検出する意図検出手段と、意図検出手段の出力に応じて電気的にアクチュエータを作動させる複数のバイワイヤシステムと、各バイワイヤシステムの異常を検出する異常検出手段と、異常検出手段により異常が検出されたバイワイヤシステムの作動を、他のバイワイヤシステムの作動により補完する補完手段とを備えた車両制御装置が開示されている。
また特許文献2には、シフトバイワイヤ機構により非パーキングレンジからパーキングレンジへの切替操作が実行される際には、車両に前後方向の制動力を付与するようにステアバイワイヤ機構により車輪の方向を変化させる据え切り制御を実行するものであることから、Pスイッチ等のシフト操作装置による操作から実際に切替が行われるまでのタイムラグにおける車両の前後方向の挙動を好適に抑制することができる車両の制御装置が開示されている。
特開2005−263182号公報 特開2011−255701号公報
ステアバイワイヤシステムによる操舵装置では、車輪を転舵させる電動モータを制御するモータ制御手段に電力が供給されないと、ドライバは車両を操舵することができない。しかしながらステアバイワイヤシステムによる操舵装置では、駐車時等にバッテリの消耗を抑制するため、モータ制御手段を停止させることがある。そしてこのときに車両が移動した場合、ドライバは、車両を操舵することができないという問題があった。
本発明は、車輪を転舵させる電動モータを制御するモータ制御手段が停止状態のときに車両が移動しても、車輪を転舵させるようにすることができ、車両を操舵することができる。
かかる目的のもと、本発明は、ステアリングホイールと機械的に分離した車輪を転舵させる電動モータと、ステアリングホイールの操作に基づき電動モータの駆動を制御するモータ制御手段と、モータ制御手段を動作状態と停止状態との間で切替える切替え手段と、を備え、切替え手段は、モータ制御手段が停止状態にあるときに、車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったことを示す検知信号を取得したときに、モータ制御手段を動作状態に切替えることを特徴とする操舵装置である。
ここで、切替え手段は、検知信号を生成する検知手段から検知信号を取得し、検知信号が車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったことを示すものであるか否かを判断することが好ましい。
また、切替え手段は、車両が移動し得る状態になったことを示す検知信号として、運転者が車両に対し行なう動作に関し検知したものを取得することが好ましい。
また本発明は、車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったことを検知する検知手段から検知信号を取得する検知信号取得部と、ステアリングホイールと機械的に分離した車輪を転舵させる電動モータをステアリングホイールの操作に基づき制御するモータ制御手段が停止状態にあるときに、検知信号が車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったことを示すものであるか否かを判断する判断部と、判断部が検知信号が車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったと判断したときに、モータ制御手段を動作状態に切替える切替え部と、を備えることを特徴とする操舵装置用の切替え装置である。
さらに本発明は、コンピュータに、車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったことを検知する検知手段から検知信号を取得する機能と、ステアリングホイールと機械的に分離した車輪を転舵させる電動モータをステアリングホイールの操作に基づき制御するモータ制御手段が停止状態にあるときに、検知信号が車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったことを示すものであるか否かを判断する機能と、検知信号が車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったと判断したときに、モータ制御手段を動作状態に切替える機能と、を実現させるプログラムである。
本発明は、車輪を転舵させる電動モータを制御する制御手段が停止状態のときに車両が移動しても、車輪を転舵させるようにすることができ、車両を操舵することができる。
本実施の形態に係る操舵装置の概略構成を示す図である。 操舵装置の制御装置の概略構成図である。 目標電流算出部の概略構成図である。 操舵角と共に操舵トルクを基にして目標電流を決定する場合の目標電流算出部の概略構成図である。 制御部の概略構成図である。 切替え手段について説明した図である。 (a)は、制御装置が停止しているときに、車両が移動する場合について例示した表である。(b)は、制御装置が停止しているときに、車両が移動し得る状態になった場合について例示した表である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<操舵装置全体の説明>
図1は、本実施の形態に係る操舵装置100の概略構成を示す図である。
図示する操舵装置100は、車両の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置である。
操舵装置100は、ドライバ(運転者)が操作する車輪(ホイール)状のステアリングホイール(ハンドル)101と、ステアリングホイール101の操舵角を検出する操舵角センサ102と、ドライバに対し操舵反力を与える反力装置103とを備える。
また、操舵装置100は、転動輪としての左右の車輪150のそれぞれに連結されたタイロッド104と、タイロッド104に連結されたラック軸105とを備えている。また、操舵装置100は、ラック軸105に形成されたラック歯105aとともにラック・ピニオン機構を構成するピニオン106aとを備えている。ピニオン106aは、ピニオンシャフト106の下端部に形成されている。さらに操舵装置100は、ピニオンシャフト106を収納するステアリングギアボックス107を有している。
また、操舵装置100は、ステアリングギアボックス107に支持された電動モータ110と、電動モータ110の駆動力を減速してピニオンシャフト106に伝達する減速機構111とを有している。本実施の形態に係る電動モータ110は、3相ブラシレスモータである。電動モータ110に実際に流れる実電流の大きさおよび方向は、モータ電流検出部33(図5参照)にて検出される。
そして、操舵装置100は、電動モータ110の作動を制御する制御装置10を備えている。本実施の形態では、制御装置10は、ステアリングホイール101の操作に基づき電動モータ110の駆動を制御するモータ制御手段として機能する。
さらに操舵装置100は、操舵装置用の切替え装置の一例であり、制御装置10を動作状態と停止状態との間で切替える切替え手段180を備えている。
制御装置10には、操舵角センサ102で検出されたステアリングホイール101の操舵角Sを示す操舵角信号Sd、自動車の移動速度である車速Vcを検出する車速センサ170の出力値が入力される。また制御装置10には、切替え手段180から制御装置10を動作状態と停止状態との間で切替える制御信号が入力される。
詳しくは後述するが、切替え手段180には、制御装置10が停止状態にあるときに、車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったことを検知する検知手段190からの検知信号が入力される。そして切替え手段180は、この検知信号を取得したときに、制御装置10を停止状態から動作状態に切替える。
以上のように構成された操舵装置100は、ステアリングホイール101の操舵角Sを操舵角センサ102で検出し、検出された操舵角Sに応じて電動モータ110を制御し、車輪150を転舵させる。そしてこれにより車両の向きを変更することができる。
このように本実施の形態の操舵装置100は、ステアリングホイール101と車輪150とが機械的に分離している、いわゆるステアバイワイヤシステムとなっている。
このようなステアバイワイヤシステムでは、車輪150からの外乱によりステアリングホイール101が影響を受けることにより生ずるいわゆるハンドル取られが生じることがなく、ドライバの操舵負担を軽減することができる。
またステアリングホイール101と車輪150とが機械的に接続する場合、ステアリングシャフトを設けることによりステアリングホイール101とステアリングギアボックス107とを接続するのが一般的である。この場合、ステアリングシャフトを設けるスペースが必要となる。一方、本実施の形態のステアバイワイヤシステムでは、ステアリングシャフトを設ける必要がないため、車内レイアウトの自由度が高くなる。
さらにステアリングシャフトを設けた場合、車両が衝突したときにステアリングシャフトによる突き上げが生じ、ドライバに危険を及ぼすおそれがある。対して、本実施の形態の操舵装置100は、ステアリングシャフトを設ける必要がないため、車両が衝突したときにステアリングシャフトによる突き上げが生じず、より安全性が高いという利点がある。
<制御装置10の説明>
次に、制御装置10について説明する。
図2は、操舵装置100の制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等からなる算術論理演算回路である。
制御装置10には、上述した操舵角センサ102にて検出された操舵角Sが出力信号に変換された操舵角信号Sdと、車速センサ170にて検出された車速Vcが出力信号に変換された車速信号vなどが入力される。
そして、制御装置10は、操舵角信号Sdに基づいて目標トルクを算出し、この目標トルクを電動モータ110が供給するのに必要となる目標電流を算出する目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを有している。
<目標電流算出部20の説明>
次に、目標電流算出部20について詳述する。
図3は、目標電流算出部20の概略構成図である。
目標電流算出部20は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流を算出するベース電流算出部21と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するイナーシャ補償電流算出部22と、モータの回転を制限する電流を算出するダンパー補償電流算出部23とを備えている。また、目標電流算出部20は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23にて算出された値に基づいて目標電流を決定する目標電流決定部25とを備えている。
なお、目標電流算出部20には、操舵角信号Sd、車速信号v、電動モータ110の回転速度Nmが出力信号に変換された回転速度信号Nmsなどが入力される。回転速度信号Nmsは、例えば3相ブラシレスモータである電動モータ110の回転子(ロータ)の回転位置を検出するセンサ(例えば、回転子の回転位置を検出するレゾルバ、ロータリエンコーダ等で構成されるロータ位置検出回路)にて検出された電動モータ110の回転角度が微分されることにより得られた値が出力信号に変換されたものであることを例示することができる。
ベース電流算出部21は、操舵角信号Sdと、車速センサ170からの車速信号vとに基づいてベース電流Ibを算出し、このベース電流Ibの情報を含むベース電流信号Imbを出力する。なお、ベース電流算出部21は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、操舵角信号Sdおよび車速信号vとベース電流Ibとの対応を示すマップに、操舵角信号Sdおよび車速信号vを代入することによりベース電流を算出する。
イナーシャ補償電流算出部22は、操舵角信号Sdと、車速信号vとに基づいて電動モータ110およびシステムの慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流を算出し、この電流の情報を含むイナーシャ補償電流信号Isを出力する。なお、イナーシャ補償電流算出部22は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、操舵角信号Sdおよび車速信号vとイナーシャ補償電流との対応を示すマップに、操舵角信号Sdおよび車速信号vを代入することによりイナーシャ補償電流を算出する。
ダンパー補償電流算出部23は、操舵角信号Sdと、車速信号vと、電動モータ110の回転速度信号Nmsとに基づいて、電動モータ110の回転を制限するダンパー補償電流を算出し、この電流の情報を含むダンパー補償電流信号Idを出力する。なお、ダンパー補償電流算出部23は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、操舵角信号Sd、車速信号vおよび回転速度信号Nmsと、ダンパー補償電流との対応を示すマップに、操舵角信号Sdと車速信号vと回転速度信号Nmsとを代入することによりダンパー補償電流を算出する。
目標電流決定部25は、ベース電流算出部21にて算出されたベース電流信号Imb、イナーシャ補償電流算出部22にて算出されたイナーシャ補償電流信号Isおよびダンパー補償電流算出部23にて算出されたダンパー補償電流信号Idに基づいて目標電流を決定し、この電流の情報を含む目標電流信号ITFを出力する。目標電流決定部25は、例えば、ベース電流に、イナーシャ補償電流を加算するとともにダンパー補償電流を減算して得た補償電流を、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、補償電流と目標電流との対応を示すマップに代入することにより目標電流を算出する。
なお上述した例では、操舵角センサ102を設け、この操舵角センサ102によりステアリングホイール101の操舵角Sを検出し、さらにこの操舵角Sを基にして目標電流を決定していたが、これに限られるものではない。例えば、操舵角センサ102の替わりまたは操舵角センサ102と共にステアリングホイール101の操舵トルクを検知するトルクセンサを設け、操舵角Sの替わりまたは操舵角Sと共に操舵トルクを基にして目標電流を決定してもよい。
以下、操舵角センサ102と共にトルクセンサを設け、操舵角Sと共に操舵トルクを基にして目標電流を決定する場合について説明を行う。
図4は、操舵角Sと共に操舵トルクを基にして目標電流を決定する場合の目標電流算出部20の概略構成図である。
図示するように目標電流算出部20には、図3で説明した操舵角信号Sd等の各信号の他に、トルクセンサで検出されたステアリングホイール101のトルクTが出力信号に変換されたトルク信号Tdが入力される。そしてこのトルク信号Tdをさらに加味することで目標電流を決定する。
具体的には、ベース電流算出部21は、操舵角信号Sdと、トルク信号Tdと、車速センサ170からの車速信号vとに基づいてベース電流Ibを算出し、このベース電流Ibの情報を含むベース電流信号Imbを出力する。
またイナーシャ補償電流算出部22は、操舵角信号Sdと、トルク信号Tdと、車速信号vとに基づいて電動モータ110およびシステムの慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流を算出し、この電流の情報を含むイナーシャ補償電流信号Isを出力する。
さらにダンパー補償電流算出部23は、操舵角信号Sdと、トルク信号Tdと、車速信号vと、電動モータ110の回転速度信号Nmsとに基づいて、電動モータ110の回転を制限するダンパー補償電流を算出し、この電流の情報を含むダンパー補償電流信号Idを出力する。
なお目標電流決定部25の動作は、図3の場合と同様である。
<制御部30の説明>
次に、制御部30について詳述する。
図5は、制御部30の概略構成図である。
制御部30は、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部31と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部32と、電動モータ110に実際に流れる実電流を検出し、実電流検出信号Imをモータ駆動制御部31に出力するモータ電流検出部33とを有している。
モータ駆動制御部31は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流(目標電流信号ITFが示す値)と、モータ電流検出部33にて検出された電動モータ110へ供給される実電流(実電流検出信号Imが示す値)との偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部40と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部60とを有している。
フィードバック制御部40は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流とモータ電流検出部33にて検出された実電流との偏差を求める偏差演算部41と、その偏差がゼロとなるようにフィードバック処理を行うフィードバック(F/B)処理部42とを有している。
フィードバック(F/B)処理部42は、目標電流と実電流とが一致するようにフィードバック制御を行うものであり、例えば、偏差演算部41にて算出された偏差に対して、比例要素で比例処理し、積分要素で積分処理し、加算演算部でこれらの値を加算する。
PWM信号生成部60は、フィードバック制御部40からの出力値に基づいて電動モータ110をPWM(パルス幅変調)駆動するためのPWM信号を生成し、生成したPWM信号60aを出力する。
モータ駆動部32は、所謂インバータであり、例えば、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)を備え、6個の内の3個のトランジスタは電源の正極側ラインと各相の電気コイルとの間に接続され、他の3個のトランジスタは各相の電気コイルと電源の負極側(アース)ラインと接続されている。そして、6個の中から選択した2個のトランジスタのゲートを駆動してこれらのトランジスタをスイッチング動作させることにより、電動モータ110の駆動を制御する。
モータ電流検出部33は、モータ駆動部32に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流の値を検出する。
<切替え手段180および検知手段190の説明>
本実施の形態の操舵装置100は、ステアリングホイール101と機械的に分離した車輪150を転舵させるために、電動モータ110を用いる。そのため操舵装置100が動作しているときは、電力を消費する。よって例えば、車両の駐車時などのようにエンジンが停止し、車両からの電力供給がなくなると、バッテリの消費を抑制するため、操舵装置100を停止する必要がある。
しかしながらこの状態で、車両が何らかの理由で移動を開始した場合、ドライバがステアリングホイール101を操作しても操舵装置100が作動しないと車両の操舵をすることができない。その結果、車両が操舵不能となる恐れがあるという問題がある。
そこで本実施の形態では、切替え手段180および検知手段190を設けることで、この問題を解決する。具体的には、検知手段190が、車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったことを示す検知信号を出力する。そして切替え手段180は、操舵装置100の制御装置10が停止しているときに、検知手段190から車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったことを示す検知信号を取得したときに、制御装置10を停止状態から動作状態に切替える。これにより操舵装置100が動作可能となるため、ドライバがステアリングホイール101を操作したときには、操舵装置100が作動し、車両の操舵が可能となる。
以下、この事項についてさらに詳しく説明を行なう。
図6は、切替え手段180について説明した図である。
図示するように切替え手段180は、検知信号取得部181と、判断部182と、切替え部183とを備える。
検知信号取得部181は、検知手段190から検知信号Kを取得する。検知信号Kは、検知手段190から有線により送信してもよく、無線により送信してもよい。
判断部182は、制御装置10が停止状態にあるときに、検知信号が車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったことを示すものであるか否かを判断する。
切替え部183は、制御信号Cを制御装置10に出力することで、制御装置10を、動作状態と停止状態との間で切替える機能を有する。そして判断部182が検知信号が車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったと判断したときに、制御装置10を、停止状態から動作状態に切替える制御信号Cを制御装置10に対し出力する。
検知手段190は、種々の形態のものが考えられる。以下、検知手段190の説明を、車両が移動したことを検知する場合と、車両が移動し得る状態になったことを検知する場合とに分けて行なう。
<車両が移動したことを検知する場合についての説明>
図7(a)は、制御装置10が停止しているときに、車両が移動する場合について例示した表である。
図7(a)では、車両が移動する状態として車外から力を受けて動く場合と、路面の状態によって動く場合の2通りに分け、それぞれについて具体例を示している。即ち、車外から力を受けて動く場合は、例えば、車両が他の車両等によりけん引される場合であり、路面の状態によって動く場合は、例えば、車両を坂道で停車させた場合である。
そしてこれらの事例に対応するための検知手段190としては、図7(a)に挙げた以下のものが考えられる。
(1)車輪速センサ
車両の全車輪に車輪速センサを取り付け、これを検知手段190とする。そして車輪速センサは、車輪の速度を検出し、これを検知信号Kとして切替え手段180に対し出力する。そして切替え手段180は、制御装置10が停止状態にあるときに、車輪の速度から何れかの車輪が動いたと判断した場合は、制御装置10を停止状態から動作状態に切替える。なお車輪速センサは、車速センサ170と兼用することもできる。
(2)ジャイロセンサ
ジャイロセンサを検知手段190とし、車両の動きをこのジャイロセンサにより監視する。そしてジャイロセンサは、角速度の変化を検出し、これを検知信号Kとして切替え手段180に対し出力する。そして切替え手段180は、制御装置10が停止状態にあるときに、角速度が変化したと判断した場合は、制御装置10を停止状態から動作状態に切替える。なおジャイロセンサは、例えば、カーナビゲーションシステムの電子コンパス機能として使用するものと兼用してもよい。
(3)GPS(Global Positioning System)
GPSを検知手段190とし、車両の動きをこのGPSにより監視する。そしてGPSは、車両の位置情報を検出し、これを検知信号Kとして切替え手段180に対し出力する。そして切替え手段180は、制御装置10が停止状態にあるときに、位置情報が変化したと判断した場合は、制御装置10を停止状態から動作状態に切替える。なおGPSは、例えば、カーナビゲーションシステムの車両の位置情報取得に使用するものと兼用してもよい。
<車両が移動し得る状態になったことを検知する場合についての説明>
図7(b)は、制御装置10が停止しているときに、車両が移動し得る状態になった場合について例示した表である。
図7(b)では、車両が移動し得る状態になった場合について、具体例およびこれらの具体例に対応する検知手段190について図示している。
以下、これらの検知手段190について説明を行なう。
(4)ドアロックセンサ
車両のドアをロックするドアロックが解除された場合は、ドライバが車両に乗車し、これから車両が動き出す可能性がある。そのためドアロックセンサを検知手段190とし、ドアロック信号を検知信号Kとして切替え手段180に対し出力する。そして切替え手段180は、制御装置10が停止状態にあるときに、ドアロック信号によりドアロックが解除されたと判断した場合は、制御装置10を停止状態から動作状態に切替える。
(5)ドア開閉センサ
車両のドアの開閉が行なわれた場合は、ドライバが車両に乗車し、これから車両が動き出す可能性がある。そのためドア開閉センサを検知手段190とし、ドア開閉信号を検知信号Kとして切替え手段180に対し出力する。そして切替え手段180は、制御装置10が停止状態にあるときに、ドア開閉信号が、「開」を示す信号から、「閉」を示す信号に変化、または「閉」を示す信号から、「開」を示す信号に変化したときは、ドアの開閉が行なわれたと判断し、制御装置10を停止状態から動作状態に切替える。
(6)着座検知センサ
ドライバが車両の座席に着座したときは、ドライバがエンジンを起動しこれから車両が動き出す可能性がある。そのため着座検知センサを検知手段190とし、着座検知信号を検知信号Kとして切替え手段180に対し出力する。そして切替え手段180は、制御装置10が停止状態にあるときに、着座検知信号を受信した場合は、制御装置10を停止状態から動作状態に切替える。なお着座検知センサは、座席内に配され座席に加えられた圧力を検知する圧力センサ等により実現することができる。
(7)シートベルト着用センサ
ドライバがシートベルトを着用したときは、これから車両が動き出す可能性がある。そのためシートベルト着用センサを検知手段190とし、シートベルト着用信号を検知信号Kとして切替え手段180に対し出力する。そして切替え手段180は、制御装置10が停止状態にあるときに、シートベルト着用信号を受信した場合は、制御装置10を停止状態から動作状態に切替える。なおシートベルト着用センサは、シートベルトのバックルにセンサを配設することで実現することができる。
(8)パーキングブレーキのON/OFFセンサ
ドライバがパーキングブレーキを解除したときは、これから車両が動き出す可能性がある。そのためパーキングブレーキのON/OFFセンサを検知手段190とし、このON/OFF信号を検知信号Kとして切替え手段180に対し出力する。そして切替え手段180は、制御装置10が停止状態にあるときに、ON/OFF信号が、パーキングブレーキが作動していることを意味するON信号から、パーキングブレーキが解除していることを意味するOFF信号に変化したときは、パーキングブレーキが解除されたと判断し、制御装置10を停止状態から動作状態に切替える。
(9)ステアリングホイール101に配設される圧力センサ
ドライバがステアリングホイール101を握ったときは、これから車両が動き出す可能性がある。そのためステアリングホイール101に圧力センサを配し、この圧力センサにより検出された圧力情報を検知信号Kとして切替え手段180に対し出力する。そして切替え手段180は、制御装置10が停止状態にあるときに、圧力が予め定められた閾値を超えた場合は、ドライバがステアリングホイール101を握ったと判断し、制御装置10を停止状態から動作状態に切替える。
以上のように本実施の形態では、車両が移動し得る状態になったことを示す検知信号として、主にドライバが車両に対し行なう動作に関して検知したものを取得する。
以上詳述したように、切替え手段180は、検知手段190からの検知信号を監視するのが主な機能であるので、その消費電力を制御装置10全体の消費電力よりも小さくすることができる。そしてこれにより切替え手段180が、バッテリから電力供給を受けて作動していても、バッテリの消費を抑制することができる。なお切替え手段180の切替え部183が制御信号Cを制御装置10に出力した場合、制御装置10の方でもこの制御信号Cを受信する受信部が必要であるが、この受信部についても、制御信号Cの受信を監視するのが主な機能であるため、受信部の消費電力は、制御装置10全体の消費電力に対し非常に小さくすることができる。よって切替え手段180を設け、切替え手段180により制御装置10を停止状態から動作状態に切替えることができる本実施の形態の操舵装置100は、省電力化を図りつつ、安全性を確保するものとなる。
なお以上詳述した切替え手段180は、制御装置10と別体となっていたが、これに限られるものではなく、制御装置10に切替え手段180を内蔵させてもよい。
<プログラムの説明>
また本実施の形態における切替え手段180が行なう処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現することができる。この場合、切替え手段180に設けられた制御用コンピュータ内部の図示しないCPUが、切替え手段180の各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。
よって切替え手段180が行なう処理は、コンピュータに、車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったことを検知する検知手段190から検知信号を取得する機能と、ステアリングホイール101と機械的に分離した車輪150を転舵させる電動モータ110をステアリングホイール101の操作に基づき制御する制御装置10が停止状態にあるときに、検知信号が車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったことを示すものであるか否かを判断する機能と、検知信号が車両が移動したことまたは車両が移動し得る状態になったと判断したときに、制御装置10を動作状態に切替える機能と、を実現させるプログラムとして捉えることもできる。
なお、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
10…制御装置、20…目標電流算出部、30…制御部、100…操舵装置、101…ステアリングホイール(ハンドル)、110…電動モータ、150…車輪、180…切替え手段、181…検知信号取得部、182…判断部、183…切替え部、190…検知手段

Claims (4)

  1. ステアリングホイールと機械的に分離した車輪を転舵させる電動モータと、
    前記ステアリングホイールの操作に基づき前記電動モータの駆動を制御するモータ制御手段と、
    前記モータ制御手段を動作状態と停止状態との間で切替える切替え手段と、
    を備え、
    前記切替え手段は、前記モータ制御手段が停止状態にあるときに、車両が移動したこと、当該車両の座席に運転者が着座したこと、運転者がシートベルトを着用したこと、パーキングブレーキが解除されたこと、または、運転者がステアリングホイールを握ったことを示す検知信号を取得したときに、前記モータ制御手段を動作状態に切替えることを特徴とする操舵装置。
  2. 前記切替え手段は、前記検知信号を生成する検知手段から当該検知信号を取得し、当該検知信号が車両が移動したこと、当該車両の座席に運転者が着座したこと、運転者がシートベルトを着用したこと、パーキングブレーキが解除されたこと、または、運転者がステアリングホイールを握ったことを示すものであるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の操舵装置。
  3. 車両が移動したこと、当該車両の座席に運転者が着座したこと、運転者がシートベルトを着用したこと、パーキングブレーキが解除されたこと、または、運転者がステアリングホイールを握ったことを検知する検知手段から検知信号を取得する検知信号取得部と、
    ステアリングホイールと機械的に分離した車輪を転舵させる電動モータを当該ステアリングホイールの操作に基づき制御するモータ制御手段が停止状態にあるときに、前記検知信号が車両が移動したこと、当該車両の座席に運転者が着座したこと、運転者がシートベルトを着用したこと、パーキングブレーキが解除されたこと、または、運転者がステアリングホイールを握ったことを示すものであるか否かを判断する判断部と、
    前記判断部が前記検知信号が車両が移動したこと、当該車両の座席に運転者が着座したこと、運転者がシートベルトを着用したこと、パーキングブレーキが解除されたこと、または、運転者がステアリングホイールを握ったことを示すものであると判断したときに、前記モータ制御手段を動作状態に切替える切替え部と、
    を備えることを特徴とする操舵装置用の切替え装置。
  4. コンピュータに、
    車両が移動したこと、当該車両の座席に運転者が着座したこと、運転者がシートベルトを着用したこと、パーキングブレーキが解除されたこと、または、運転者がステアリングホイールを握ったことを検知する検知手段から検知信号を取得する機能と、
    ステアリングホイールと機械的に分離した車輪を転舵させる電動モータを当該ステアリングホイールの操作に基づき制御するモータ制御手段が停止状態にあるときに、前記検知信号が車両が移動したこと、当該車両の座席に運転者が着座したこと、運転者がシートベルトを着用したこと、パーキングブレーキが解除されたこと、または、運転者がステアリングホイールを握ったことを示すものであるか否かを判断する機能と、
    前記検知信号が車両が移動したこと、当該車両の座席に運転者が着座したこと、運転者がシートベルトを着用したこと、パーキングブレーキが解除されたこと、または、運転者がステアリングホイールを握ったこと示すものであると判断されたときに、前記モータ制御手段を動作状態に切替える機能と、
    を実現させるプログラム。
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