JP2010052485A - 車両のステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 舵角比の制御により操舵アシストトルク不足を運転者に感じさせないようにし、かつ、最大舵角に接近したことを運転者が認知できるようにする。
【解決手段】 中操舵角領域(B)においては、操舵角θinの増加にしたがって減少する舵角比を設定する。これにより、電動パワーステアリング装置における必要出力の増加が抑えられ操舵アシストトルク不足が発生しなくなる。大操舵角領域(C)においては、中操舵角領域(B)の舵角比よりも大きな舵角比に設定する。このため、電動パワーステアリング装置の必要出力が増加し、必要出力に対して電動モータの出力が不足してハンドル操作が重くなる。従って、運転者は、操舵操作中において最大舵角θinmaxの接近を適切に認知することができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、舵角比を可変する舵角比可変装置と、操舵アシストトルクを出力するパワーアシスト装置(パワーステアリング装置)とを備えたステアリング装置に関する。
従来から、操舵ハンドルの操舵角に対する操舵輪の転舵角の比である舵角比を可変する舵角比可変装置と、運転者による操舵ハンドルの回動操作を補助する操舵アシストトルクを出力する電動パワーステアリング装置とを備えたステアリング装置が知られている。舵角比可変装置は、操舵ハンドルを上端に固定した入力操舵軸と、ラックバーに噛合するピニオンギヤを下端に固定した出力操舵軸との間に設けられ、入力操舵軸の回転角度に対する出力操舵軸の回転角度を連続的に変更できるものである。尚、舵角比は、入力操舵軸の回転した角度αに対する操舵輪の転舵した角度βの比(β/α)を意味し、舵角比が大きいほど少ないハンドル操作で大きく操舵輪を転舵でき、舵角比が小さいほど操舵輪を転舵するのに大きなハンドル操作を必要とする。操舵輪の転舵角は、出力操舵軸の回転角度から一義的に決まるため、入力操舵軸の回転角度に対する出力操舵軸の回転角度の比を制御することにより舵角比を制御することができる。
こうした舵角比可変装置が装着されたステアリング装置においては、大きな舵角比を設定することにより、少ない操舵ハンドルの回転操作で操舵輪を大きく転舵することができるが、その場合、出力操舵軸の回転速度が速くなり電動パワーステアリング装置の出力が増大してしまう。操舵輪を転舵するために必要な力(すなわち、路面反力)は、ステアリング装置の一般的な特性から、操舵輪の転舵角が小さい中立位置近傍においては小さいが、転舵角が大きくなるほど増加する。このため、舵角比可変装置で舵角比を大きく設定した場合には、大舵角領域で電動パワーステアリング装置の操舵アシストトルク不足を生じてしまう。
そこで、特許文献1に提案された装置では、大舵角領域において舵角比を小さく設定することにより出力操舵軸の回転速度を遅くして、操舵アシストトルク不足の防止を図っている。
特開2006−21562
しかしながら、大操舵角領域で舵角比を小さく設定してしまうと、運転者にとって、操舵ハンドルの操舵角が最大舵角(操舵限界角)に接近したことを認知しにくい。舵角比を小さく設定した場合には、操舵ハンドルを回す操作量が増加するとともにハンドル操作が軽くなるため、ラックバーがストロークエンドに接近しても操舵反力の増加を感じにくくなるからである。従って、操舵操作性が低下してしまう。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、舵角比の制御によりパワーアシスト装置の操舵アシストトルク不足を運転者に感じさせないようにし、かつ、最大舵角に接近したことを運転者が認知できるようにして、操舵操作性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、操舵ハンドルの操舵角に対する操舵輪の転舵角の比である舵角比を電気アクチュエータによって可変する舵角比可変装置と、運転者による操舵ハンドルの回動操作を補助する操舵アシストトルクを出力するパワーアシスト装置とを備えた車両のステアリング装置において、前記舵角比可変装置は、前記操舵ハンドルの操舵角に対応する舵角比を設定した舵角比特性を記憶する舵角比特性記憶手段と、操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記操舵角検出手段により検出された操舵角と前記舵角比特性記憶手段に記憶された舵角比特性とから、前記操舵ハンドルの操舵角に対応した舵角比が得られるように、前記電気アクチュエータを駆動制御する舵角比制御手段とを備え、前記舵角比特性記憶手段に記憶される舵角比特性は、前記操舵ハンドルの中立位置側となる小操舵角領域の舵角比に比べて、小操舵角領域よりも操舵角の大きな中操舵角領域における舵角比を小さく設定するとともに、前記中操舵角領域よりも操舵角が大きく操舵限界角付近となる大操舵角領域における舵角比を前記中操舵角領域の舵角比に比べて大きく設定することにある。
この発明においては、操舵ハンドルの操舵角に対応する舵角比を設定した舵角比特性が舵角比特性記憶手段に記憶されており、この舵角比特性と操舵角検出手段により検出した操舵角とから、舵角比制御手段が、操舵ハンドルの操舵角に対応した舵角比が得られるように舵角比可変装置の電気アクチュエータを駆動制御する。この場合、舵角比特性は、操舵ハンドルの中立位置側となる小操舵角領域の舵角比に比べて、小操舵角領域よりも操舵角の大きな中操舵角領域における舵角比を小さく設定する。
操舵輪を転舵するために必要な力は、ステアリング装置の一般的な特性から、操舵輪の転舵角が大きくなるほど増大する。このため、パワーアシスト装置で必要とされる操舵アシストトルクも増大することになる。また、舵角比を大きくした場合、これに伴って操舵輪の転舵速度も速くなりパワーアシスト装置の必要出力が増大する。従って、操舵角が大きくなるほど、また、舵角比が大きくなるほどパワーアシスト装置の出力不足が発生しやすい。そこで、本発明においては、小操舵角領域よりも操舵角の大きな中操舵角領域における舵角比を小さく設定することにより、パワーアシスト装置の必要出力を低減して運転者に操舵アシストトルク不足を感じさせないようにする。
しかし、舵角比をそのまま操舵限界角(最大舵角)まで小さく設定してしまうと、運転者にとって、操舵ハンドルの操舵角が操舵限界角に接近したことを認知しにくい。そこで、本発明においては、中操舵角領域よりも操舵角が大きく操舵限界角付近となる大操舵角領域における舵角比を中操舵角領域の舵角比に比べて大きく設定する。従って、運転者が操舵ハンドルを切り込んで操舵角が操舵限界角付近になると舵角比が増加する。このため、操舵輪の転舵角が大きく変化して、操舵反力が増加するとともに転舵速度が速くなり、パワーアシスト装置の出力が一時的に不足しハンドル操作が重くなる。こうして、運転者は、操舵操作中において最大舵角の接近を適切に認知することができる。この結果、本発明によれば、操舵操作性を向上させることができる。
本発明の他の特徴は、前記舵角比特性記憶手段に記憶される舵角比特性は、前記中操舵角領域における舵角比を操舵角の増加にしたがって減少するように設定することにある。
この発明においては、中操舵角領域における舵角比が操舵角の増加にしたがって減少するように舵角比特性が設定されているため、操舵角の増加にともなってパワーアシスト装置の必要出力が増大することを抑制できる。従って、より適切に、運転者に操舵アシストトルク不足を感じさせないようにできる。
本発明の他の特徴は、車速を検出する車速検出手段を備え、前記舵角比制御手段は、前記車速検出手段により検出された車速が基準車速未満となる場合に、前記舵角比特性にしたがって前記電気アクチュエータを駆動制御することにある。
パワーアシスト装置は、車両がある程度の速度で走行している場合には、操舵アシストを行うために必要となる出力トルクが少なくてすむため、操舵アシストトルク不足を生じない。そこで、本発明においては、車速が基準車速未満となる場合にのみ、操舵角に応じて舵角比が設定された舵角比特性にしたがって舵角比制御を行う。このため、操舵アシストトルク不足を生じない状況においては、舵角比制御を簡略化することができる。例えば、車速が基準車速以上となる場合には、舵角比制御を行わず一定の舵角比に固定するようにしてもよい。尚、基準車速としては、パワーアシスト装置の必要出力が大きくなる低速度(例えば、10km/h)未満に設定すればよい。
本発明の他の特徴は、前記舵角比特性記憶手段は、前記操舵ハンドルの操舵角に対応する舵角比を設定した前記舵角比特性に加えて、前記操舵ハンドルの操舵角には無関係に車速に応じて舵角比を設定した別の舵角比特性を記憶し、前記舵角比制御手段は、前記車速検出手段により検出された車速が基準車速未満となる場合に、前記舵角比特性にしたがって前記電気アクチュエータを駆動制御し、前記車速検出手段により検出された車速が基準車速以上となる場合に、前記別の舵角比特性にしたがって前記電気アクチュエータを駆動制御することにある。
車速が基準車速以上となる場合は、パワーアシスト装置の操舵アシストトルク不足が生じないため、操舵角に応じて舵角比を制御する必要はない。そこで、この発明においては、車速が基準車速以上となる場合には、操舵角には無関係に車速に応じて舵角比を設定した別の舵角比特性にしたがって舵角比制御を行う。例えば、車速が増加するにしたがって減少する舵角比を設定した別の舵角比特性を舵角比特性記憶手段に記憶しておき、車速が基準車速以上となる場合には、この別の舵角比特性にしたがって舵角比を制御するようにしてもよい。これによれば、車両の走行安定性と操舵操作性とをバランス良く維持することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る車両のステアリング装置について図面を用いて説明する。図1は、実施形態として車両のステアリング装置の概略構成を表している。
車両のステアリング装置は、運転者によって回動操作される操舵ハンドル11を操舵軸12に固定して備えている。操舵軸12は、操舵ハンドル11を上端に固定する操舵軸12a(以下、入力操舵軸12aと呼ぶ)と、ピニオンギヤ13を下端に固定する操舵軸12b(以下、出力操舵軸12bと呼ぶ)とに、上下に2分割されている。ピニオンギヤ13は、ラックバー14のラック歯が噛み合っている。ラックバー14は、左右方向(車幅方向)に延設され、その両端が、図示しないタイロッドを介して操舵輪としての左右前輪15a,15bのナックルと操舵可能に連結されている。従って、操舵ハンドル11の回動は、操舵軸12およびピニオンギヤ13を介してラックバー14に伝達されて、ラックバー14を軸線方向に変位させて、左右前輪15a,15bを操舵する。
尚、ラックバー14は、その両端を除いて円筒状のラックハウジング(図示略)に摺動可能に収納されており、ラックハウジングの円筒両端に形成したストッパ(図示略)とラックバー14の両端に形成した鍔部(図示略)との当接により、左右方向の移動範囲が規制されている。このラックバー14の移動が規制される位置をストロークエンドと呼ぶ。また、ラックバー14が右または左のストロークエンドに達しているときの前輪15a,15bの転舵角あるいは操舵ハンドル11の操舵角が操舵限界角(最大舵角)となる。
2分割された操舵軸12の入力操舵軸12aと出力操舵軸12bとの間には、操舵ハンドル11の操舵角に対する前輪(操舵輪)15a,15bの転舵角の比である舵角比を変更する舵角比可変機構20が介装されている。舵角比可変機構20は、入力操舵軸12aの下端部に一体回転するように接続された円筒状のケーシング21を備えている。このケーシング21内には、電気アクチュエータを構成する電動モータ22が固定されている。電動モータ22の出力軸22aは、ケーシング21に回転可能に支持されていて、下端にて出力操舵軸12bに一体回転可能に接続されている。電動モータ22は、減速機構を内蔵していて、電動モータ22の回転は減速されて出力軸22aに出力される。
ラックバー14には、操舵アシストトルクを出力して運転者の操舵ハンドルの回動操作を補助するパワーアシスト機構30が設けられている。パワーアシスト機構30は、電動モータ31とボールねじ機構32とを備えている。電動モータ31の回転は、ボールねじ機構32によってラックバー14の軸線方向の運動に変換されてラックバー14に伝達され、左右前輪15a,15bに転舵力を付与して運転者の操舵操作をアシストする。
また、操舵機構内には、操舵角センサ41、操舵トルクセンサ42、相対角センサ43が組み付けられている。操舵角センサ41は、入力操舵軸12aに組み付けられていて、操舵ハンドル11の中立位置からの回転角、すなわち、操舵角θinを検出する。操舵トルクセンサ42は、出力操舵軸12bに組み付けられており、出力操舵軸12bに作用するトルク、すなわち、左右前輪15a,15bの操舵に伴う操舵トルクTrを検出する。相対角センサ43は、電動モータ22の出力軸22aに組み付けられていて、出力操舵軸12bのケーシング21に対する回転角Δθvを検出する。尚、ラックバー14に噛み合うピニオンギヤ13の回転角(すなわち出力操舵軸12bの回転角)は、操舵角θinと出力操舵軸12bのケーシング21に対する回転角Δθvとの和に等しい。この回転角Δθvは、入力操舵軸12aに対する出力操舵軸12bの相対的な回転角を意味するため、以下、相対角Δθvと呼ぶ。本明細書においては、相対角センサ43により検出された実際の相対角と、後述する舵角比特性として設定される相対角とを使い分ける場合には、相対角センサ43により検出された実際の相対角を実相対角Δθvと呼び、舵角比特性として設定される相対角を目標相対角Δθv*と呼ぶ。また、操舵角θin、操舵トルクTrおよび相対角Δθvは、正の値により左方向の角度およびトルクを表し、負の値により右方向の角度およびトルクを表す。尚、本明細書においては、方向性を有する値の大きさを論じる場合には、その絶対値の大きさについて述べる。
舵角比可変機構20の電動モータ22は、舵角比電子制御ユニット50(以下、舵角比ECU50と呼ぶ)によって駆動制御される。舵角比ECU50は、本発明における舵角比制御手段に相当するもので、CPU,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータを主要部として備えたマイコン部51と、モータ駆動回路52とから構成される。マイコン部51は、図示しない入力インタフェースを介して操舵角センサ41、相対角センサ43、車速を検出する車速センサ44を接続し、操舵角θinを表す信号、実相対角Δθvを表す信号、車速vを表す信号を入力する。
また、マイコン部51には、後述する舵角比特性を記憶する特性記憶部51aが設けられる。特性記憶部51aは、例えば、ROM内に舵角比特性を記憶する記憶エリアを設けて構成するが、他の記憶素子を用いることもできる。この特性記憶部51aは、本発明における舵角比特性記憶手段に相当する。また、モータ駆動回路52は、Hブリッジ回路やインバータ回路であって、マイコン部51から出力されるPWM制御信号により内部のスイッチング素子のデューティ比が制御されて、電動モータ22の通電量および回転方向を調整する。
舵角比可変装置100は、舵角比可変機構20と舵角比ECU50と上述のセンサ類(操舵角センサ41、相対角センサ43、車速センサ44)とにより構成される。舵角比可変装置100により調整される舵角比は、入力操舵軸12aの回転した角度αに対する前輪15a,15bの転舵した角度βの比(β/α)を意味し、舵角比が大きいほど少ないハンドル操作で大きく前輪を転舵でき、舵角比が小さいほど前輪を転舵するのに大きなハンドル操作を必要とする。前輪15a,15bの転舵角δは、出力操舵軸12bの回転角度θoutから一義的に決まるため、入力操舵軸12aの回転角度θinに対する出力操舵軸12bの回転角度θoutの比(θout/θin)を制御することにより舵角比を制御することができる。また、出力操舵軸12bの回転角度θoutは、操舵角θinと相対角Δθvとの和に等しい。従って、舵角比ECU50による電動モータ22の回転角制御により舵角比を目標値に制御することができる。
舵角比ECU50は、操舵角θinおよび車速vに応じて舵角比を設定する舵角比特性をマイコン部51の特性記憶部51aに記憶している。この舵角比特性で設定される舵角比は、後述する舵角比制御を実行したときの目標舵角比となる。図2は、代表的な車速vに応じた舵角比特性を表したもので、横軸は操舵ハンドル11の操舵角θin、縦軸は前輪15a,15bの転舵角δを表す。この図2では、操舵ハンドル11を左方向に操舵したときの操舵角θinと転舵角δとの関係を表すが、右方向に操舵したときの操舵角θinと転舵角δとの関係は、それらの値を負にしたものであって絶対値でみれば同一である。尚、縦軸を出力操舵軸12bの回転角度θoutとみなすこともできる。
舵角比は、図2のグラフの直線あるいは曲線の傾きで表され、傾きが大きいほど大きくなる。図中において、破線で示した特性Lbaseは、舵角比可変機構20で相対角Δθvを付与しないとき、つまり、入力操舵軸12aと出力操舵軸12bとを直結したときの操舵角θinと転舵角δとの関係を表す。以下、この相対角Δθvを付与しないときの特性Lbaseを基本特性と呼ぶ。また、図2のグラフのδendは、ラックバー14がストロークエンドに達した時の舵角を表す。
本実施形態の舵角比特性は、操舵角θinに応じて舵角比を変化させる低速時特性(図5参照)と、操舵角θinに応じて舵角比を変化させない一般特性(図6参照)とを有している。低速時特性は、車速vが基準車速(この例では、10km/h)未満となる場合に適用され、一般特性は、車速vが基準速度以上となる場合に適用される。尚、低速時特性が本発明における舵角比特性に相当し、一般特性が本発明における別の操舵比特性に相当する。
ここで、低速時特性の1つである据え切り操作時の舵角比特性について説明する。図3は、据え切り操作時における舵角比特性を表す。据え切り操作時においては、図示するように、操舵角θinが操舵角θin1以下となる中立位置側の操舵角領域(A)において、基本特性Lbaseの舵角比よりも大きな一定の舵角比が設定される。また、操舵角θin1を越える操舵角領域(B)においては、操舵角θinの増加にしたがって徐々に減少する舵角比が設定される。この操舵角領域(B)は、操舵角θin1から操舵角θin2までの範囲に設定される。つまり、操舵角θin1から操舵角θin2までの操舵角範囲において、操舵角θinの増加にしたがって舵角比が減少するように設定される。
操舵角θinが操舵角θin2を越える操舵角領域(C)においては、操舵角領域(B)の舵角比よりも大きな舵角比が設定される。この例では、操舵角領域(C)における舵角比を、操舵角領域(A)の舵角比よりも大きな一定の舵角比に設定するが、操舵角θinに応じて変化させるように設定(例えば、操舵角θinの増加にしたがって増大する舵角比を設定)することもできる。
尚、操舵角領域(A)が本発明における小操舵角領域に相当し、操舵角領域(B)が本発明における中操舵角領域に相当し、操舵角領域(C)が本発明における大操舵角領域に相当する。ここでいう操舵角領域の大中小は、各領域の相対的な操舵角の大きさを表すものであって、絶対的な大きさを表すものではない。以下、操舵角領域(A)を小操舵角領域(A)と呼び、操舵角領域(B)を中操舵角領域(B)と呼び、操舵角領域(C)を大操舵角領域(C)と呼ぶ。
図4は、据え切り操作時における舵角比の変化をグラフに表したもので、横軸は操舵角θinを表し、縦軸は舵角比を表す。図中において、破線は基本特性Lbaseにおける舵角比を表す。図示するように、中操舵角領域(B)においては、操舵角θinの増加にしたがって舵角比が減少するため、操舵角θin2の近傍においては、非常に小さな舵角比が設定される。また、大操舵角領域(C)においては大きな舵角比が設定される。従って、操舵角θinが中操舵角領域(B)から大舵角領域(C)の移行するときには、急激に舵角比が大きくなる。
図5は、車速vが基準車速未満となる場合の代表的な車速毎の舵角比特性、つまり、低速時特性を表す。ここでは、舵角比が一定値に設定されている範囲を小操舵角領域(A)と呼ぶ。どの車速においても、小操舵角領域(A)における舵角比は、据え切り操作時における舵角比特性と同様に基本特性Lbaseの舵角比よりも大きな一定値に設定される。この場合、車速vが増大するほど、舵角比の減少を開始させる操舵角θin1、つまり、中操舵角領域(B)の始まる操舵角θin1が大きくなるように設定される。また、大操舵角領域(C)における舵角比は、車速vにかかわらず、据え切り操作時における大操舵角領域(C)の舵角比特性が共通に用いられる。つまり、舵角比を減少させる中操舵角領域(B)の特性ラインと、据え切り操作時における大操舵角領域(C)の特性ラインとが交差する点Aを大操舵角領域(C)の開始操舵角θin2とし、この操舵角θin2より大きな操舵角θinに対する舵角比を、据え切り操作時における舵角比と同一に設定している。従って、車速vが基準車速未満となる場合においては、操舵ハンドル11の操舵限界角である最大舵角θinmaxが常に一定の角度となる。また、操舵ハンドル11の操舵角θinが最大舵角θinmaxとなる近傍位置が、舵角比の大きく設定された大操舵角領域(C)となる。
図6は、車速vが基準車速以上となる場合の舵角比特性、つまり、一般特性を表す。この特性図に示すように、車両が基準車速以上で走行している場合においては、舵角比は、車速vのみに応じた値に設定され、操舵角θinに対しては無関係となる。この場合、舵角比は、車速vが増加するにしたがって減少するように設定される。
こうした舵角比特性は、操舵角θinに対する転舵角δを設定するものであるが、転舵角δは出力操舵軸12bの回転角度θoutから一義的に決まり、出力操舵軸12bの回転角度θoutは操舵角θinに相対角Δθvを加算した値(θin+Δθv)であるため、操舵角θinに対する出力操舵軸12bの回転角度θoutを舵角比特性として記憶しても良いし、操舵角θinに対応する相対角Δθvを舵角比特性として記憶してもよい。本実施形態においては、操舵角θinに対応する目標相対角Δθv*を舵角比特性として記憶している。例えば、図3に示すように、基本特性Lbaseに対して転舵角δを大きくする設定であれば正の値となる目標相対角Δθv*を記憶し、基本特性Lbaseに対して転舵角δを小さくする設定であれば負の値となる目標相対角Δθv*を記憶する。つまり、入力操舵軸12aに対して出力操舵軸12bを相対回転させる回転角度と回転方向とをあわせたデータとなる目標相対角Δθv*を操舵角θinに対応して記憶する。マイコン部51は、操舵角θinと目標相対角Δθv*(転舵角δまたは回転角度θoutでもよい)とを関係付ける舵角比特性マップを車速v毎に特性記憶部51aに記憶するが、必ずしもマップという形態で記憶する必要はなく、操舵角θinと目標相対角Δθv*(転舵角δまたは回転角度θoutでもよい)との関係を車速vごとに設定した関数を特性記憶部51aに記憶するようにしてもよい。
次に、パワーアシスト機構30の電動モータ31を制御する構成について説明する。パワーアシスト機構30の電動モータ31は、操舵アシスト電子制御ユニット60(以下、操舵アシストECU60と呼ぶ)によって駆動制御される。操舵アシストECU60は、CPU,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータを主要部として備えたマイコン部61と、モータ駆動回路62とから構成される。マイコン部61は、図示しない入力インタフェースを介して操舵角センサ41、操舵トルクセンサ42、車速センサ44を接続し、操舵角θinを表す信号、操舵トルクTrを表す信号、車速vを表す信号を入力する。また、マイコン部61には、後述するアシストトルクマップを記憶する特性記憶部61aが設けられる。この特性記憶部61aは、例えば、ROM内にアシストトルクマップを記憶する記憶エリアを設けて構成するが、他の記憶素子を用いることもできる。モータ駆動回路62は、Hブリッジ回路やインバータ回路であって、マイコン部61からのPWM制御信号により内部のスイッチング素子のデューティ比が制御されて、電動モータ31の通電量および回転方向を調整する。また、モータ駆動回路62には、電動モータ31に流れる電流値(以下、実電流と呼ぶ)を検出する電流センサ45が設けられている。電流センサ45は、図示しない入力インタフェース介してマイコン部61に接続され、実電流Ixを表す信号をマイコン部61に出力する。
電動パワーステアリング装置200は、パワーアシスト機構30と操舵アシストECU60と上述のセンサ類(操舵角センサ41、操舵トルクセンサ42、車速センサ44、電流センサ45)とによりを構成される。電動パワーステアリング装置200と舵角比可変装置100とは、マイコン部51,61間において図示しない通信インタフェースを介して通信可能に接続される。
次に、操舵アシストECU60が実行する操舵アシスト制御処理について説明する。図7は、マイコン部61により行われる操舵アシスト制御ルーチンを表す。このアシスト制御ルーチンは、マイコン部61のROM内に制御プログラムとして記憶され、図示しないイグニッションスイッチがオンされて所定の初期診断が完了すると起動し、短い周期で繰り返し実行される。
操舵アシスト制御ルーチンが起動すると、マイコン部61は、まず、ステップS11において、車速センサ44によって検出された車速vと、操舵トルクセンサ42によって検出された操舵トルクTrと、電流センサ45によって検出された実電流Ixを読み込む。
続いて、図8に示すアシストトルクマップを参照して、入力した車速vおよび操舵トルクTrに応じて設定される目標アシストトルクTr*を計算する(S12)。アシストトルクマップは、マイコン部61の特性記憶部61aに記憶されるもので、操舵トルクTrの増加にしたがって増加する目標アシストトルクTr*を設定する。この場合、目標アシストトルクTr*は、車速vが低くなるほど大きな値となるように設定される。
尚、図8のアシストトルクマップは、左方向の操舵トルクTrに対する目標アシストトルクTr*の関係を示しているが、右方向の操舵トルクTrに対する目標アシストトルクTr*の関係に関しては、図8の特性グラフを原点を中心に点対称の位置に移動した関係になる。また、本実施形態では、目標アシストトルクTr*をアシストトルクマップを用いて算出するようにしたが、アシストトルクマップに代えて操舵トルクTrおよび車速vに応じて変化する目標アシストトルクTr*を定義した関数を用意しておき、その関数を用いて目標アシストトルクTr*を計算するようにしてもよい。また、目標アシストトルクTr*の算出に関しては、例えば、操舵角θinに比例して大きくなる操舵軸12の中立位置への復帰力や、操舵ハンドル11の操舵角速度に比例して大きくなる操舵軸12の回転に対向する抵抗力に対応した戻しトルクを計算し、これらを補償トルクとして目標アシストトルクTr*に加算するようにしてもよい。
続いて、マイコン部61は、ステップS13において、目標アシストトルクTr*を発生させるために必要な目標電流I*を計算する。目標電流I*は、目標アシストトルクTr*をトルク定数で除算することにより求められる。この目標電流I*は、予め設定された上限電流値以下に制限される。従って、目標アシストトルクTr*から計算した目標電流値I*が上限電流値以下であれば、その計算値をそのまま目標電流値I*とするが、目標アシストトルクTr*から計算した目標電流値I*が上限電流値を越える場合には、上限電流値を目標電流I*に設定する。
次に、マイコン部61は、ステップS14において、目標電流I*と実電流Ixとの偏差ΔIを算出し、この偏差ΔIに基づいて目標指令電圧V*を計算する。このステップS14の演算に用いられる実電流Ixは、電流センサ45により検出した電動モータ31に流れる電流値である。
目標指令電圧V*は、例えば、下記のPI制御(比例積分制御)式により計算する。
V*=Kp・ΔI+Ki・∫ΔI dt
ここでKpは、PI制御における比例項の制御ゲイン、Kiは、PI制御における積分項の制御ゲインである。
次に、マイコン部61は、ステップS15において、目標指令電圧V*に応じたPWM制御信号をモータ駆動回路62に出力する。この場合、目標指令電圧V*に応じたデューティ比のパルス信号列がPWM制御信号として出力される。こうして、電動モータ31には、電流フィードバック制御により運転者の操舵方向と同じ方向に回転する向きの目標電流I*が流れる。この結果、電動モータ31は、目標アシストトルクTr*に等しいトルクを出力し、運転者の操舵操作をアシストする。
ステップS15の処理が行われると、操舵アシスト制御ルーチンは一旦終了する。操舵アシスト制御ルーチンは、図示しないイグニッションスイッチがオフするまでのあいだ短い周期で繰り返される。
次に、舵角比可変装置100で行われる舵角比制御処理について説明する。図9は、マイコン部51により行われる舵角比制御ルーチンを表す。この舵角比制御ルーチンは、マイコン部51のROM内に制御プログラムとして記憶され、図示しないイグニッションスイッチがオンされて所定の初期診断が完了すると起動し、短い周期で繰り返し実行される。
舵角比制御ルーチンが起動すると、マイコン部51は、ステップS21において、車速センサ44によって検出された車速vと、操舵角センサ41により検出された操舵角θinと、相対角センサ43により検出された実相対角Δθvを読み込む。続いて、マイコン部51は、ステップS22において、車速v毎に設定された舵角比特性マップから、車速vに対応したマップを抽出し、そのマップにおける操舵角θinに対応した目標相対角Δθv*を算出する。
続いて、マイコン部51は、ステップS23において、目標相対角Δθv*から実相対角Δθvを減算した値である相対角偏差(Δθv*−Δθv)を算出し、この相対角偏差に応じたフィードバック制御信号としての目標指令電圧V*を算出する。次に、マイコン部51は、ステップS24において、目標指令電圧V*に応じたPWM制御信号をモータ駆動回路52に出力する。この場合、目標指令電圧V*に応じたデューティ比のパルス信号列がPWM制御信号として出力される。この結果、電動モータ22は、出力操舵軸12bが入力操舵軸12aに対して目標相対角Δθv*だけ回転した回転位置となるようにフィードバック制御される。こうして、前輪15a,15bの転舵角δは、舵角比特性に設定された角度と等しくなるように制御される。
ステップS24の処理が行われると、舵角比制御ルーチンは一旦終了する。舵角比制御ルーチンは、図示しないイグニッションスイッチがオフするまでのあいだ短い周期で繰り返される。
この舵角比制御ルーチンによれば、舵角比特性マップを参照して車速vおよび操舵角θinに対応した目標相対角Δθv*が繰り返し計算され、実相対角Δθvが目標相対角Δθv*と等しくなるように電動モータ22が駆動制御される。この舵角比特性においては、車速vが基準車速未満である場合には、操舵角θinに応じて変化する目標舵角比が設定される。
据え切り操作時、あるいは、微低速走行中のハンドル操作時においては、舵角比を大きくすることにより、少しのハンドル回転操作で前輪15a,15bを大きく転舵できるようになり車庫入れ時等において操作性がよい。しかし、舵角比を大きく設定すると、これに伴って前輪15a,15bの転舵速度も速くなり、電動パワーステアリング装置200の目標アシストトルクTr*が増大してしまう。また、前輪15a,15bを転舵するために必要な力は、前輪15a,15bの転舵角が大きくなるほど、また、車速vが小さくなるほど増大する。電動パワーステアリング装置200および舵角比可変装置100は、図示しないバッテリとオルタネータとを並列に接続した車載電源装置から電源供給される。この車載電源装置は、他の電気負荷にも電源供給するため、電動パワーステアリング装置200で過剰に電力消費することは好ましくない。従って、電動パワーステアリング装置200においては、その出力が一定値以下となるように、電動モータ31に通電できる上限電流値が設定されている。このため、車速vが小さいときに舵角比を大きく設定すると、操舵角θinが大きいほど目標アシストトルクTr*が増大し、上限電流値により制限される上限トルクを越えてしまう。従って、運転者に対して操舵アシストトルク不足を感じさせてしまうことになる。
こうしたことから、本実施形態では、図3,図5の舵角比特性(低速時特性)に示すように、操舵アシストトルクに余裕がある小操舵角領域(A)においては、基本特性Lbaseの舵角比よりも大きな舵角比を設定して良好な小回り操作性が得られるようにする。一方、中操舵角領域(B)においては、操舵角θinの増加にしたがって減少する舵角比を設定する。従って、操舵角θinが増加していくほど、操舵角θinの変化量に対する前輪15a,15bの転舵角δの変化量が少なくなり転舵速度が遅くなる。このため、電動パワーステアリング装置200で必要とされる目標アシストトルクTr*の増加が抑えられ、運転者に操舵アシストトルク不足を感じさせない。
ところが、そのまま操舵角θinの増加にしたがって減少する舵角比を設定してしまうと、運転者にとって、操舵ハンドル11の操舵角が最大舵角に接近したことを認知しにくい。これは、舵角比を小さく設定した場合、操舵ハンドル11を回す操作量が増加するとともにハンドル操作が軽くなるため、ラックバー14がストロークエンドに接近しても操舵反力の増加を感じにくくなるからである。しかも、本実施形態のように舵角比を非常に小さい値まで減少設定した場合には、ラックバー14がストロークエンドに達するまでには、操舵ハンドル11をかなり回す必要が生じてしまう。これらの結果、操舵操作性が低下してしまう。
そこで、本実施形態においては、図3,図5の舵角比特性(低速時特性)の大操舵角領域(C)に示すように、操舵角θin2にて舵角比を急に増加させる。このため、操舵角θin2から操舵ハンドル11の少しの回転操作で操舵角θinが最大舵角θinmaxに達する。このことは、最大舵角θinmaxの近傍から舵角比が急に大きくなるように舵角比特性を設定しているといえる。従って、運転者が操舵ハンドル11を切り込んで操舵角θinが最大舵角θinmax付近になると、舵角比が増加して前輪15a,15bの転舵角δが大きく変化し操舵反力が増加するとともに転舵速度が速くなる。このため、電動パワーステアリング装置200の必要出力が増加し、必要出力に対して電動モータ31の出力が不足してハンドル操作が重くなる。こうして、運転者は、操舵操作中において最大舵角θinmaxの接近を適切に認知することができる。この結果、操舵操作性を向上させることができる。
また、中操舵角領域(B)における舵角比を操舵角θinの増加にしたがって減少するように舵角比特性が設定されているため、操舵角θinの増加にともなって電動パワーステアリング装置200で必要とされる出力が増大しないようにすることができる。従って、電動パワーステアリング装置200の出力をさらに適切にすることができ、運転者に操舵アシストトルク不足を感じさせないようにできる。
また、舵角比の制御により電動パワーステアリング装置200の操舵アシストトルク不足を補うようにしているため、電動モータ31、モータ駆動回路62、電源装置の大出力化を図る必要がなく、低コスト化、省スペース化、軽量化のニーズに応えることができる。
また、図5に示すように、車速vが基準車速未満となる微低速走行時においては、車速vが増大するほど舵角比の減少を開始させる操舵角θin1、つまり、中操舵角領域(B)の始まる操舵角θin1を大きく設定しているため、大舵角比によるメリットを広い操舵角範囲で得ることができる。また、操舵ハンドル11の最大舵角θinmaxが同一となるように大操舵角領域(C)の舵角比特性を設定しているため、操舵フィーリングが良好となる。
また、車速vが基準車速以上となる場合には、電動パワーステアリング装置200の必要出力が少なく操舵アシストトルク不足が生じないため、図6に示す一般特性を用いて、操舵角θinに応じて舵角比が変化しない簡単な舵角比制御を行うことができる。また、車速vが増加するにしたがって減少する舵角比を設定しているため、高い走行安定性を得ることができる。
以上、本発明の実施形態としての車両のステアリング装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、車速vが基準車速未満となる場合の舵角比特性(低速時特性)に加えて、車速vが基準車速以上となる場合の舵角比特性(一般特性)を記憶し、両方の舵角比特性を使って舵角比制御を行っているが、必ずしもそのようにする必要はなく、低速車両等においては、全車速域において操舵角に対応した舵角比制御を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、車速vが基準速度未満の場合、小操舵角領域(A)における舵角比を一定値に設定しているが、中操舵角領域(B)の舵角比よりも大きければ、操舵角の増加にしたがって減少する舵角比を設定するようにしてもよい。つまり、小操舵角領域(A)と中操舵角領域(B)とにまたがって、操舵角の増加にしたがって減少する舵角比を設定してもよい。
また、本実施形態では、パワーアシスト装置として電動パワーステアリング装置を用いているが、油圧パワーステアリング装置を用いてもよい。
本発明の実施形態に係る車両のステアリング装置の概略システム構成図である。 舵角比特性を表すグラフである。 据え切り操作時の舵角比特性を表すグラフである。 据え切り操作時の操舵角に対する舵角比の変化を表すグラフである。 車速が基準車速未満となるときの舵角比特性(低速時特性)を表すグラフである。 車速が基準車速以上となるときの舵角比特性(一般特性)を表すグラフである。 操舵アシスト制御ルーチンを表すフローチャートである。 操舵アシストトルク特性を表すグラフである。 舵角比制御ルーチンを表すフローチャートである。
符号の説明
11…操舵ハンドル、12…操舵軸、12a…入力操舵軸、12b…出力操舵軸、13…ピニオンギヤ、14…ラックバー、15a,15b…前輪(操舵輪)、20…舵角比可変機構、21…ケーシング、22…電動モータ、30…パワーアシスト機構、31…電動モータ、41…操舵角センサ、42…操舵トルクセンサ、43…相対角センサ、44…車速センサ、50…舵角比電子制御ユニット、51…マイコン部、51a…特性記憶部、52…モータ駆動回路、60…操舵アシスト電子制御ユニット、61…マイコン部、61a…特性記憶部、62…モータ駆動回路、100…舵角比可変装置、200…電動パワーステアリング装置。

Claims (4)

  1. 操舵ハンドルの操舵角に対する操舵輪の転舵角の比である舵角比を電気アクチュエータによって可変する舵角比可変装置と、
    運転者による操舵ハンドルの回動操作を補助する操舵アシストトルクを出力するパワーアシスト装置と
    を備えた車両のステアリング装置において、
    前記舵角比可変装置は、
    前記操舵ハンドルの操舵角に対応する舵角比を設定した舵角比特性を記憶する舵角比特性記憶手段と、
    操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記操舵角検出手段により検出された操舵角と前記舵角比特性記憶手段に記憶された舵角比特性とから、前記操舵ハンドルの操舵角に対応した舵角比が得られるように、前記電気アクチュエータを駆動制御する舵角比制御手段とを備え、
    前記舵角比特性記憶手段に記憶される舵角比特性は、
    前記操舵ハンドルの中立位置側となる小操舵角領域の舵角比に比べて、小操舵角領域よりも操舵角の大きな中操舵角領域における舵角比を小さく設定するとともに、前記中操舵角領域よりも操舵角が大きく操舵限界角付近となる大操舵角領域における舵角比を前記中操舵角領域の舵角比に比べて大きく設定することを特徴とする車両のステアリング装置。
  2. 前記舵角比特性記憶手段に記憶される舵角比特性は、前記中操舵角領域における舵角比を操舵角の増加にしたがって減少するように設定することを特徴とする請求項1記載の車両のステアリング装置。
  3. 車速を検出する車速検出手段を備え、
    前記舵角比制御手段は、前記車速検出手段により検出された車速が基準車速未満となる場合に、前記舵角比特性にしたがって前記電気アクチュエータを駆動制御することを特徴とする請求項1または2記載の車両のステアリング装置。
  4. 前記舵角比特性記憶手段は、前記操舵ハンドルの操舵角に対応する舵角比を設定した前記舵角比特性に加えて、前記操舵ハンドルの操舵角には無関係に車速に応じて舵角比を設定した別の舵角比特性を記憶し、
    前記舵角比制御手段は、前記車速検出手段により検出された車速が基準車速未満となる場合に、前記舵角比特性にしたがって前記電気アクチュエータを駆動制御し、前記車速検出手段により検出された車速が基準車速以上となる場合に、前記別の舵角比特性にしたがって前記電気アクチュエータを駆動制御することを特徴とする請求項3記載の車両のステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3003823B1 (fr) 2013-06-04 2017-03-29 JTEKT Europe Utilisation d'un moteur d'assistance de direction pour simuler une butée de fin de course de ladite direction

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