JP4980734B2 - 固体電池の製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、上記電解液は液体であるため、漏液の可能性がある。また、電解液は、可燃物を含むため、誤使用時の電池の安全性を高める必要がある。
この場合、固体電池の内部抵抗を低減するために、焼成温度を上げて、焼結を促進させることも考えられる。しかし、この方法では、固体電解質と活物質との反応により、それらの界面に不活性層が生じるため、電池の充放電が困難になることがある。
スパッタリングなどの手法で、活物質および固体電解質の薄膜を基板上に形成して電池を作製する場合、アモルファス状態で薄膜が形成される。一般的に用いられるLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、Li4Ti5O12などの活物質は、アモルファス状態では充放電ができない。そのため、これらの活物質を用いる場合、薄膜形成後、その薄膜を400〜700℃程度の熱処理を施して、結晶化させる必要がある。
焼成工程における焼成温度は700℃以上1000℃以下であることが好ましい。
−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1
を満たすことが好ましい。
LiMPO4 (1)
(式中、Mは、Mn、Fe、CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種である。)
で表されることが好ましい。
Li1+XMIII XTiIV 2-X(PO4)3 (2)
(式中、MIIIは、Al、Y、Ga、InおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、0≦X≦0.6である。)
で表されることが好ましい。
活物質スラリーを得る工程では、バインダーと可塑剤とを含む溶媒中に活物質粉末を分散して、活物質スラリーを調製する。活物質粉末の平均粒径は、例えば0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることが更に好ましい。活物質スラリー中のバインダーの含有量は、活物質粉末100重量部当たり、例えば5〜30重量部である。可塑剤の含有量は、活物質粉末100重量部当たり、例えば1〜20重量部である。
LiMPO4 (1)
(式中、Mは、Mn、Fe、CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種である。)
で表されることが好ましい。このような化合物の中でも、LiCoPO4がさらに好ましい。
Li1+XMIII XTiIV 2-X(PO4)3 (2)
(式中、MIIIは、Al、Y、Ga、InおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、0≦X≦0.6である。)
で表されることが好ましい。このような化合物の中でも、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3がさらに好ましい。
第2工程では、活物質スラリーおよび固体電解質スラリーを用いて、活物質グリーンシートおよび固体電解質グリーンシートをそれぞれ形成する。グリーンシートは、例えば、次のようにして形成することができる。
活物質スラリーを、表面に離型剤層を備える支持体上に塗布する。次いで、塗布した活物質スラリーを乾燥して、活物質グリーンシートを得ることができる。同様に、固体電解質スラリーを用いて、固体電解質グリーンシートを得ることができる。
第3工程では、活物質グリーンシート、固体電解質グリーンシート、および集電体グリーンシート層を含むグリーンシート群を作製する。このようなグリーンシート群は、例えば、以下のように作製することができる。
まず、活物質グリーンシートおよび固体電解質グリーンシートを積層して第1グリーンシート群を作製する。このとき、活物質グリーンシートは1枚であってもよいし、複数の活物質グリーンシートが連続して積層されていてもよい。同様に、固体電解質グリーンシートも1枚であってもよいし、複数の固体電解質グリーンシートが連続して積層されていてもよい。
第4工程では、活物質グリーンシート、固体電解質グリーンシート、および集電体グリーンシート層を含む第2グリーンシート群を、酸化雰囲気中、200℃以上400℃以下で加熱して、脱バインダーを行う(低温加熱)。この第4工程により、活物質グリーンシート、固体電解質グリーンシートおよび集電体グリーンシート層に含まれているバインダーと可塑剤とが分解され、ガスとして第2グリーンシート群から放出される。すなわち、第2グリーンシート群から有機物が除去される。さらには、熱処理の温度(加熱温度)を200℃以上400℃以下としているため、集電体の酸化を抑制することもできる。熱処理の温度は、280℃以上380℃以下であることが好ましい。
第5工程では、第4工程で加熱した第2グリーンシート群を、低酸素雰囲気中、第4工程の加熱温度よりも高い焼成温度で焼成する(高温焼成)。集電体層に含まれる金属材料の一部は、第4工程で酸化される場合がある。第4工程で加熱した第2グリーンシート群を低酸素雰囲気中で焼成することにより、酸化された金属材料を還元することができる。このように集電体層の酸化を抑制することができるため、固体電池の内部抵抗を小さくすることができる。
なお、第4工程と第5工程とは、連続して行うことが好ましい。
−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1 (3)
を満たすことが好ましい。平衡酸素分圧P1が大きいと、集電体が酸化されることがある。または、第4工程で酸化された集電体層を、還元することができない場合がある。平衡酸素分圧P1が上記範囲より小さいと、集電体層、固体電解質層および活物質層において、カーボン類の生成を抑制することが困難となる場合がある。
CO2→CO+1/2O2 (4)
H2+1/2O2→H2O (5)
のような反応が生じる。式(4)の反応により、酸素ガスが生成されるとともに、式(5)の反応により、酸素ガスが消費されるために、雰囲気ガス内には、酸素ガスが存在するとともに、その分圧がほぼ一定値に維持されることとなる。
以下に示すような工程で電池を作製した。
(1)第1工程
活物質粉末としては、平均粒径1μmのLiCoPO4を用いた。ポリビニルブチラール樹脂(バインダー)(積水化学工業(株)製のエスレックBM−S)15重量部と、フタル酸ジブチル(可塑剤)7重量部と、酢酸n−ブチル(溶媒)(関東化学(株)製)130重量部と、活物質粉末100重量部とを混合した。その後、得られた混合物を、ジルコニアボールとともに、ボールミルを用いて24時間混合して、活物質スラリーを得た。
ポリエステル樹脂を主成分とするキャリアフィルム1上に、固体電解質スラリーを、ドクターブレードを用いて塗布した。その後、塗布したスラリーを150℃で30分乾燥して、図1に示すような固体電解質グリーンシート3(厚さ25μm)を形成した。なお、キャリアフィルム1の表面には、予め離型剤層を形成した。
同様に、正極活物質スラリーを用いて、キャリアフィルム2上に、図2に示すような正極活物質グリーンシート4(厚さ4μm)を形成した。
図3に示すように、ステンレス鋼製の支持台5の上に、その両面に接着剤層(図示せず)を有するポリエステルフィルム6の一方の面を貼り付けた。ポリエステルフィルム6の他方の面の上に、固体電解質グリーンシート3のキャリアフィルム1と接していない方の面を載せた。
キャリアフィルム1の上から、80℃で、100kg/cm2の圧力を加えた。その後、図4に示すように、固体電解質グリーンシート3からキャリアフィルム1を剥がした。
この固体電解質グリーンシート3の上に、上記と同様にして作製した、別のキャリアフィルム1'上に形成した固体電解質グリーンシート3'を載せた。キャリアフィルム1'の上から、上記と同様に温度と圧力とを加えた。これにより、固体電解質グリーンシート3と固体電解質グリーンシート3'とを接合させ、固体電解質グリーンシート3'からキャリアフィルム1'を剥がした。この操作を20回繰り返して、固体電解質グリーンシート群7を作製した。
図6に示すように、第2グリーンシート群10を、2枚のアルミナ製のセラミック板11で挟持した。
2枚のセラミック板で挟持された第2グリーンシート群10を、空気中において(酸素ガスの平衡分圧P2は0.2atm)、昇温速度400℃/hで350℃まで昇温した後、350℃で5時間保持し、有機物(バインダーおよび可塑剤)の熱分解を行った。
第4工程で加熱した第2グリーンシート群10を、CO2/H2/N2=4.99/0.01/95(体積比)の還元ガス中、昇温速度1000℃/hで900℃まで昇温した後、直ちに降温速度1000℃/hで冷却した(焼成温度Tは900℃とした)。平衡酸素分圧P1は、10-11atmとした。すなわち、−logP1は11となり、−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1を満たす。このようにして、固体電解質層、活物質層、および集電体層を備える積層体を得た。
得られた積層体を用いて、図7に示すコイン形電池70を以下のようにして作製した。なお、以下の工程は、露点−50℃以下のドライエアー中で行った。
まず、厚さ300μmの金属リチウム箔を直径12mmに打ち抜き、負極73を得た。得られた負極73を、電池ケース71(ステンレス鋼製)の内底面に配置した。
得られた溶液を、負極73上に2000rpmでスピンコートし、真空乾燥して、PEO−LiTFSI層74を形成した。PEO−LiTFSI層74の厚さは、5μmであった。
第4工程における加熱温度を200℃としたこと以外、実施例1と同様にして、電池を作製した。
第4工程における加熱温度を400℃としたこと以外、実施例1と同様にして、電池を作製した。
第4工程において、空気の代わりに、酸化雰囲気として酸素ガス10体積%、アルゴンガス90体積%からなる混合ガス(全圧1atm)を用い、酸化雰囲気における酸素ガスの平衡分圧(P2)を0.1atmとしたこと以外、実施例1と同様にして、電池を作製した。
第4工程において、空気の代わりに、酸素ガスのみからなる酸化雰囲気を用い、酸素ガスの平衡圧力(P2)を1.0atmとしたこと以外、実施例1と同様にして、電池を作製した。
第5工程における焼成温度を700℃とし、平衡酸素分圧(P1)を10-15.9atm(−logP1:15.9)とした。このとき、−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1は、11.8≦15.9≦17.1となり、これを満たす。これ以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。なお、平衡酸素分圧(P1)は、還元ガスにおいて、CO2/H2/N2=4.86/0.00947/95.13053(体積比)とすることにより、10-15.9atmに調節した。
第5工程における焼成温度を1000℃とし、平衡酸素分圧(P1)を10-5.0atm(−logP1:5.0)とした。このとき、−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1は、2.5≦5.0≦8.1となり、これを満たす。これ以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。なお、平衡酸素分圧(P1)は、還元ガスにおいて、CO2/H2/N2=99.9985/0.0015/0(体積比)とすることにより、10-5.0atmに調節した。
第5工程における焼成温度を700℃とし、平衡酸素分圧(P1)を10-11.8atm(−logP1:11.8)とした。このとき、−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1は、11.8≦11.8≦17.1となり、これを満たす。これ以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。なお、平衡酸素分圧(P1)は、還元ガスにおいて、CO2/H2/N2=99.9982/0.0018/0(体積比)とすることにより、10-11.8atmに調節した。
第5工程における焼成温度を700℃とし、平衡酸素分圧(P1)を10-17.1atm(−logP1:17.1)とした。このとき、−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1は、11.8≦17.1≦17.1となり、これを満たす。これ以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。なお、平衡酸素分圧(P1)は、還元ガスにおいて、CO2/H2/N2=1.2/0.01/98.79(体積比)とすることにより、10-17.1atmに調節した。
第5工程における焼成温度を1000℃とし、平衡酸素分圧(P1)を10-2.5atm(−logP1:2.5)とした。このとき、−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1は、2.5≦2.5≦8.1となり、これを満たす。これ以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。なお、平衡酸素分圧(P1)は、還元ガスにおいて、CO2/H2/N2=99.9999/0.0001/0(体積比)とすることにより、10-2.5atmに調節した。
第5工程における焼成温度を1000℃とし、平衡酸素分圧(P1)を10-8.1atm(−logP1:8.1)とした。このとき、−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1は、2.5≦8.1≦8.1となり、これを満たす。これ以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。なお、平衡酸素分圧(P1)は、還元ガスにおいて、CO2/H2/N2=18.0/0.01/81.99(体積比)とすることにより、10-8.1atmに調節した。
第4工程における加熱温度を150℃としたこと以外、実施例1と同様にして、電池を作製した。
比較例1の電池においては、第5工程で第2グリーンシート群が焼結せず、割れた。このため、電池を作製することができなかった。第2グリーンシートが焼結しなかったのは、第4工程で、加熱温度が低いために、十分に脱バインダーができず有機物の炭素化が進行したためと考えられる。
第4工程における加熱温度を450℃としたこと以外、実施例1と同様にして、電池を作製した。
第4工程において、空気の代わりに、酸化雰囲気として酸素5体積%およびアルゴンガス95体積%からなる混合ガス(全圧1atm)を用い、酸化雰囲気における酸素ガスの平衡分圧(P2)を0.05atmとしたこと以外、実施例1と同様にして、電池を作製した。
第5工程における焼成温度を650℃とし、平衡酸素分圧P1を、10-18.8atm(−logP1:18.8)とした。このとき、−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1を満たさない。これ以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。なお、平衡酸素分圧(P1)は、還元ガスにおいて、CO2/H2/N2=5/0.02/94.98(体積比)とすることにより、10-18.8atmに調節した。
第5工程における焼成温度を1050℃とし、平衡酸素分圧(P1)を、10-7.2atm(−logP1:7.2)とした。このとき、−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1を満たさない。これ以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。なお、平衡酸素分圧(P1)は、還元ガスにおいて、CO2/H2/N2=5/0.01/94.99(体積比)とすることにより、10-7.2atmに調節した。
第5工程における焼成温度を700℃とし、平衡酸素分圧(P1)を10-18.0atm(−logP1:18.0)とした。このとき、−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1を満たさない。これ以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。なお、平衡酸素分圧(P1)は、還元ガスにおいて、CO2/H2/N2=0.45/0.01/99.54(体積比)とすることにより、10-18.0atmに調節した。
第5工程における焼成温度を700℃とし、平衡酸素分圧(P1)を10-11.7atm(−logP1:11.7)とした。このとき、−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1を満たさない。これ以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。なお、平衡酸素分圧(P1)は、還元ガスにおいて、CO2/H2/N2=99.998/0.002/0(体積比)とすることにより、10-11.7atmに調節した。
第5工程における焼成温度を1000℃とし、平衡酸素分圧(P1)を10-9.0atm(−logP1:9.0)とした。このとき、−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1を満たさない。これ以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。なお、平衡酸素分圧(P1)は、還元ガスにおいて、CO2/H2/N2=6.5/0.01/93.49(体積比)とすることにより、10-9.0atmに調節した。
第5工程における焼成温度を1000℃とし、平衡酸素分圧(P1)を10-2.4atm(−logP1:2.4)とした。このとき、−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1を満たさない。これ以外は、実施例1と同様にして、電池を作製した。なお、平衡酸素分圧(P1)は、還元ガスにおいて、CO2/H2/N2=99.9999/0.0001/0(体積比)とすることにより、10-2.4atmに調節した。
集電体粉末として鉄粉末(平均粒径1μm)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、電池を作製した。
上記のようにして作製したそれぞれの電池の開回路電圧を電池の作製後に測定した。また、各電池を1μAの定電流で、3.0〜5.0Vの範囲で1回充放電し、初期放電容量を測定した。結果を表1に示す。
第4工程を行う前と第4工程を行った後の実施例1の積層体を、CuのKα線を用いたX線回折法(XRD)によりそれぞれ分析した。熱処理前後のX線回折パターンを図8に示す。図8において、第4工程後のX線回折パターンをA、第4工程前のX線回折パターンをBで表している。第4工程の前後で、正極活物質であるLiCoPO4に帰属されるピークの位置とパターンとは維持されていた。一方、集電体に関して、第4工程後の積層体のX線チャートには、Cuに帰属されるピークの他に、2θ=35〜38°の範囲に強度は低いもののCuOに帰属されるピークが現れた。また、CuO以外のピークが現れなかったことから、集電体と正極活物質との界面に、不活性な副反応生成物が生成していないことがわかる。また、Cu(集電体)の一部が酸化されていることがわかった。
これに対し、実施例12の電池は、開回路電圧が2Vと低く、初期放電容量が実施例1の電池のそれより低くなった。実施例12の電池は、第4工程における酸素分圧が低かったので、十分に脱バインダー(バインダーおよび可塑剤の除去)ができなかったと思われる。そのため、生成した炭素に由来する内部短絡により自己放電が起こり、初期放電容量が低くなったと考えられる。したがって、第4工程で用いられる酸化雰囲気の酸素分圧(P2)は、0.1〜1.0atmの範囲にあることが好ましい。
これに対し、実施例13の電池は、初期放電容量が実施例1の電池のそれより低くなった。これは、第5工程における焼成温度が低く、十分に焼成が行われなかったためと考えられる。
これに対し、実施例15および17の電池は、開回路電圧が2Vと低く、初期放電容量は実施例1の電池のそれより低くなった。これは、第5工程で用いられる低酸素雰囲気の酸素分圧P1が顕著に低いので、十分に脱バインダーができず、生成した炭素により自己放電が生じたためと考えられる。
3 固体電解質グリーンシート
4 正極活物質グリーンシート
5 支持体
6 ポリエステルフィルム
7 固体電解質グリーンシート群
8 第1グリーンシート群
9 集電体グリーンシート層
10 第2グリーンシート群
11 セラミック板
70 コイン形電池
71 電池ケース
72 封口板
73 負極
74 PEO−LiTFSI層
75 皿板
76 皿バネ
77 ガスケット
78 積層体
78a 固体電解質層
78b 正極活物質層
78c 集電体層
Claims (10)
- 固体電解質層と活物質層と集電体層とを含む積層体を備える固体電池の製造方法であって、
バインダーと可塑剤とを含む溶媒中に活物質粉末を分散して、活物質スラリーを得る工程と、
バインダーと可塑剤とを含む溶媒中に固体電解質粉末を分散して、固体電解質スラリーを得る工程と、
バインダーと可塑剤とを含む溶媒中に集電体粉末を分散して、集電体スラリーを得る工程と、
前記活物質スラリーおよび前記固体電解質スラリーを用いて、活物質グリーンシートおよび固体電解質グリーンシートをそれぞれ形成する工程と、
前記活物質グリーンシートの一方の面に前記固体電解質グリーンシートを積層して第1グリーンシート群を得、前記活物質グリーンシートの他方の面に、前記集電体スラリーを用いて、集電体グリーンシート層を形成して第2グリーンシート群を得る、グリーンシート群作製工程と、
前記第2グリーンシート群を、酸化雰囲気中、200℃以上400℃以下で加熱する、加熱工程と、
前記加熱工程で加熱した第2グリーンシート群を、低酸素雰囲気中、前記加熱工程の加熱温度よりも高い焼成温度で焼成して、固体電解質層と活物質層と集電体層とを含む積層体を得る、焼成工程と、
を含む、固体電池の製造方法。 - 前記焼成工程における焼成温度が700℃以上1000℃以下である請求項1記載の固体電池の製造方法。
- 前記集電体粉末が、銅、ニッケル、パラジウム、金および白金からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1記載の固体電池の製造方法。
- 前記焼成工程において、前記低酸素雰囲気における平衡酸素分圧(P1)atmと焼成温度(T)℃とが、以下の式:
−0.0310T+33.5≦−logP1≦−0.0300T+38.1
を満たす請求項1記載の固体電池の製造方法。 - 前記加熱工程において、前記酸化雰囲気が酸素ガスを含み、前記酸素ガスの平衡分圧(P2)が、0.1atm以上1.0atm以下である請求項1記載の固体電池の製造方法。
- 前記グリーンシート群作製工程が、前記第1グリーンシート群または前記第2グリーンシート群を所定のサイズに切断する切断工程をさらに含む請求項1記載の固体電池の製造方法。
- 前記焼成工程の後に、前記積層体の端面に、前記集電体層に接続した外部電極を形成する工程をさらに含む請求項1記載の固体電池の製造方法。
- 前記活物質粉末がリチウムイオンの吸蔵および放出が可能な第1リン酸化合物を含み、前記固体電解質粉末がリチウムイオン伝導性を有する第2リン酸化合物を含む請求項1記載の固体電池の製造方法。
- 前記第1リン酸化合物が、以下の式(1):
LiMPO4 (1)
(式中、Mは、Mn、Fe、CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種である。)
で表される請求項8記載の固体電池の製造方法。 - 前記第2リン酸化合物が、以下の式(2):
Li1+XMIII XTiIV 2-X(PO4)3 (2)
(式中、MIIIは、Al、Y、Ga、InおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、0≦X≦0.6である。)
で表される請求項8記載の固体電池の製造方法。
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