JP5269665B2 - 全固体電池及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極活物質と固体電解質との組み合わせによる全固体電池とその製造方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話等のポータブル機器の開発に伴い、その電源としての電池の需要が大幅に拡大している。このような用途に用いられる電池においては、イオンを移動させる媒体として、希釈溶媒に可燃性の有機溶媒を用いた有機溶媒等の液体の電解質(電解液)が従来使用されている。このような電解液を用いた電池においては、電解液の漏液や、発火、爆発等の問題を生ずる可能性がある。
このような問題を解消すべく、本質的な安全性確保のために、液体の電解質に代えて固体電解質を使用するとともに、その他の要素の全てを固体で構成した全固体電池の開発が進められている。このような全固体電池は、電解質が固体である焼結したセラミックスにより形成されることから、発火や漏液の心配がない上、また、腐食による電池性能の劣化等の問題も生じ難いものである。なかでも、全固体リチウム二次電池は、容易に高エネルギー密度とすることが可能な二次電池として各方面で盛んに研究が行われている(例えば特許文献1、2及び非特許文献1参照)。
特開2000−311710号公報 特開2005−63958号公報
福島裕介、外4名、「Li2S−P2S5系ガラス電解質の軟化融着を利用した全固体電池の電極−電解質界面の作製」化学電池材料研究会ミーティング講演要旨集 Vol.9th, Page.51−52 2007.6.11発行
上述した特許文献2には、薄膜固体リチウムイオン二次電池が開示されている。特許文献2記載の二次電池は、可撓性のある固体電解質の表面にスパッタによる薄膜で正負極の活物質が形成された、曲げたりできることが特徴の薄膜電池である。この電池は電極が薄膜により形成されることで実現するものであるため、電極部分に用いられる活物質量の制限から容量が得にくいという問題があった。
次に、非特許文献1には、ガラス電解質の軟化融着を利用した電解質と電極活物質の複合体による電極−電解質界面の作製に関する報告がされている。本報告ではガラス電解質の融着効果から電解質粒子間の抵抗が低減する効果の確認が報告されている。電解質と活物質の材料間の反応に関しても異相が確認されていない旨の報告がある。
但し、全固体電池として正負極を備えた構成の記載がなく、電解質−電極活物質界面での反応抵抗低減が実現したかは不明な上、異相の生成がない点と電池特性との具体的な関係の記載も特になく、全固体電池での充放電可否に関しても不明である。加えて硫化物の電解質を使用しており、大気(空気)に対し不安定であることが予想される。破損等で大気に触れた場合には毒性のガスが発生する可能性も考えられ、安全性が確立されているとはいえないという問題点があった。
一方、特許文献1には、「電極活物質の粒子間に固体電解質材料からなる無機酸化物が三次元ネットワークを構成するように介在させたことを特徴とする固体電解質電池」が開示されている。そこで、本発明者らは、Liイオンの移動がよりスムーズに行うことのできる材料の組み合わせとして、ポリアニオンが共通であるリン酸化合物からなる電極活物質と固体電解質の組合せを選択し、固体電解質を電極活物質粒子間に介在させた電極構造の全固体電池の作製を試みた。しかし、その結果は、電極層内へ電極活物質と混合した状態で焼付けるため、活物質と電解質が反応してXRD(X線回折)観察上で電極活物質のピーク強度低下や異相が生成するといった現象が起こった。この状態の活物質を電解液による理想的な系において、活物質の充放電能力を測定した結果、充放電可能な容量が大幅に低下し、活物質が本来充放電することができる理論容量までの充放電ができなくなっていた。すなわち、電極活物質自体が容量低下してしまうという問題が生じた。
そこで、今度は、電極活物質と固体電解質との反応を抑制するために焼付け時の温度を下げる試みを行ったが、今度は固体電解質同士の粒子間での焼結が進まず、固体電解質粒子間の粒界抵抗が増大し、且つ、電極活物質と固体電解質との接合する界面面積についても拡大されずに、結果固体電解質における粒界抵抗と、電極活物質と固体電解質との界面反応抵抗の両抵抗ともに下げることができなくなり、その結果全固体電池としては充放電容量を得ない(充放電しない)という問題があった。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、電解質部の厚みが薄く、電解質部の抵抗の低減、電池内部抵抗の低減を図ることができ、しかも、生産性を向上させることができる全固体電池を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、全固体電池の製造工程の簡略化を実現することができ、しかも、電解質部の厚みが薄く、電解質部の抵抗の低減、電池内部抵抗の低減を図ることができる全固体電池の生産性を向上させることができる全固体電池の製造方法を提供することにある。
第1の本発明に係る全固体電池は、電極活物質を含有する正の電極部と、電極活物質を含有する負の電極部と、固体電解質からなる電解質部とを有する電池本体と、前記電池本体に形成された正の集電部及び負の集電部とを備えた全固体電池であって、前記電極部は、少なくとも電極活物質材料と固体電解質材料を含有し、前記電解質部は、少なくとも固体電解質材料を含有し、前記電池本体は、前記正の電極部、前記電解質部、前記負の電極部の順に層状に積層された3層構造の積層構造体であって、前記電解質部は、(面方向の最大長さ/厚み)が(10/1)以上であることを特徴とする。
これにより、電解質部の厚みが薄く、電解質部の抵抗の低減、電池内部抵抗の低減を図ることができ、しかも、生産性を向上させることができる。
そして、第1の本発明において、前記電解質部は、(面方向の最大長さ/厚み)が(100/1)以上であってもよい。
また、第1の本発明において、前記電解質部の厚みが、5〜200μmであってもよい。
また、第1の本発明において、前記3層構造の積層構造体は、後に前記正の電極部となる第1成形体、後に前記電解質部となる第2成形体、後に前記負の電極部となる第3成形体の順に層状に積層してなる3層構造の積層成形体を、同時焼成1回で、且つ、100kg/cm2以上の加圧下で、焼成一体化されて構成されていてもよい。
また、第1の本発明において、前記3層構造の積層成形体が、圧粉法や印刷法、若しくはテープ積層法、又はその組合せにより形成された積層成形体であってもよい。
また、第1の本発明において、前記3層構造の積層成形体が印刷法、若しくはテープ積層法、又はその組合せにより形成された積層成形体であり、前記印刷法にて用いられる印刷用ペースト、前記テープ積層法にて用いられるテープに含まれる有機バインダーが、熱分解温度が400℃以下で95%以上の分解性能を有する材料であることが好ましい。
また、第1の本発明において、前記3層構造の積層成形体が印刷法にて形成された積層成形体であり、第1印刷ペーストを印刷・乾燥し、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して前記第1印刷ペーストを前記第1成形体とし、前記第1成形体上に、第2印刷ペーストを印刷・乾燥し、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して前記第2印刷ペーストを前記第2成形体とし、前記第2成形体上に、第3印刷ペーストを印刷・乾燥し、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して前記第3印刷ペーストを前記第3成形体とすることで、前記積層成形体が構成されていてもよい。
また、第1の本発明において、前記固体電解質材料と前記電極活物質材料が、共に加熱焼成した後にナシコン型である材料であって、前記固体電解質材料がLAGP:Li1+xAlxGe2-x(PO43、前記電極活物質材料が正負極ともにLVP:Lim2(PO43であるシンメトリ構造を有するようにしてもよい。なお、xは0≦x≦1、mは1≦m≦5である。ここでいう「シンメトリ構造」とは、正負極がともに同材料からなることを意味し、厚みまでが同じであることを要しない。
次に、第2の本発明に係る全固体電池の製造方法は、電極活物質を含有する正の電極部と、電極活物質を含有する負の電極部と、固体電解質からなる電解質部と、正の集電部と、負の集電部とを備え、前記電極部は、少なくとも電極活物質材料と固体電解質材料を含有し、前記電解質部は、少なくとも固体電解質材料を含有した全固体電池の製造方法であって、後に前記正の電極部となる第1成形体、後に前記電解質部となる第2成形体、後に前記負の電極部となる第3成形体の順に層状に積層して3層構造の積層成形体を作製する積層成形体作製工程と、前記3層構造の積層成形体を、同時焼成1回で、且つ、100kg/cm2以上の加圧下で、焼成一体化して、前記正の電極部、前記電解質部、前記負の電極部の順に層状に積層された3層構造の積層構造体を作製する積層構造体作製工程とを有し、前記電解質部の面方向の最大長さと厚みの関係が、(面方向の最大長さ/厚み)≧(10/1)である全固体電池を作製することを特徴とする。
これにより、全固体電池の製造工程の簡略化を実現することができ、しかも、電解質部の厚みが薄く、電解質部の抵抗の低減、電池内部抵抗の低減を図ることができる全固体電池の生産性を向上させることができる。
そして、第2の本発明において、前記積層成形体作製工程は、圧粉法や印刷法、若しくはテープ積層法、又はその組合せにより、前記3層構造の積層成形体を作製するようにしてもよい。
また、第2の本発明において、前記積層成形体作製工程は、前記印刷法、若しくは前記テープ積層法、又はその組合せにより前記積層成形体を作製するものであって、前記印刷法にて用いられる印刷用ペースト、前記テープ積層法にて用いられるテープに含まれる有機バインダーとして、熱分解温度が400℃以下で95%以上の分解性能を有する材料を用いることが好ましい。
また、第2の本発明において、前記積層成形体作製工程は、前記印刷法により前記3層構造の積層成形体を作製するものであって、第1印刷ペーストを印刷・乾燥した後に、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して、第1印刷ペーストを第1成形体とし、前記第1成形体上に、第2印刷ペーストを印刷・乾燥した後に、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して、第2印刷ペーストを第2成形体とし、前記第2成形体上に、第3印刷ペーストを印刷・乾燥した後に、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して、第3印刷ペーストを第3成形体とすることによって、前記3層構造の積層成形体を作製するようにしてもよい。
また、第2の本発明において、前記固体電解質材料と前記電極活物質材料が、共に加熱焼成した後にナシコン型である材料であって、前記固体電解質材料がLAGP:Li1+xAlxGe2-x(PO43、前記電極活物質材料が正負極ともにLVP:Lim2(PO43であるシンメトリ構造を有するようにしてもよい。なお、xは0≦x≦1、mは1≦m≦5である。
以上説明したように、本発明に係る全固体電池によれば、電解質部の厚みが薄く、電解質部の抵抗の低減、電池内部抵抗の低減を図ることができ、しかも、生産性を向上させることができる全固体電池を提供することを目的とする。
また、本発明に係る全固体電池の製造方法によれば、全固体電池の製造工程の簡略化を実現することができ、しかも、電解質部の厚みが薄く、電解質部の抵抗の低減、電池内部抵抗の低減を図ることができる全固体電池の生産性を向上させることができる。
本実施の形態に係る全固体電池を一部省略して示す断面図である。 図2Aは第1成形体〜第3成形体を積層した積層成形体を、100kg/cm2以上の加圧下で、焼成している状態を示す説明図であり、図2Bは積層成形体を加圧焼成して積層構造体とした状態を示す説明図である。 本実施の形態に係る全固体電池の製造方法を示す工程ブロック図である。 図4Aは基台上に第1印刷ペーストを印刷・乾燥した後、プレス成形して第1成形体とした状態を示す工程図であり、図4Bは第1印刷ペースト上に第2印刷ペーストを印刷・乾燥した後、プレス成形して第2成形体とした状態を示す工程図であり、図4Cは第2成形体上に第3印刷ペーストを印刷・乾燥した後、プレス成形して第3成形体とした状態を示す工程図である。 比較例に係る全固体電池を一部省略して示す断面図である。 図6Aは比較例に係る全固体電池の電解質部となる固体電解質焼成体を一部省略して示す断面図であり、図6Bは固体電解質焼成体の両面に電極パターンを形成した状態を示す断面図である。 比較例の交流インピーダンス特性を示すグラフである。 結晶質固体電解質の焼成温度・時間に対する内部インピーダンスの関係をみた特性図である。 結晶質固体電解質と非晶質固体電解質の内部インピーダンスの関係をみた特性図である。 LVP活物質の大気焼成温度に対する放電容量の変化を示す特性図である。 正電極部の焼成体の大気焼成温度によるXRD(X線回折)特性を示す図である。 有機バインダーのTG特性を示す特性図である。 実施例の交流インピーダンス特性を示すグラフである。 図14Aは実施例に係る全固体電池の断面写真であり、図14Bは1円硬貨と比較した平面形状(寸法)の写真である。
以下、本発明に係る全固体電池及びその製造方法の実施の形態例を図1〜図14Bを参照しながら説明する。
本実施の形態に係る全固体電池10は、図1に示すように、電極活物質と固体電解質との組み合わせによる全固体電池であって、電池本体12と、例えば電池本体12下に形成された正の集電部(以下、正集電部14と記す)と、電池本体12上に形成された負の集電部(以下、負集電部16と記す)とを有する。
電池本体12は、中央に位置し、且つ、固体電解質からなる電解質部18と、例えば電解質部18下に位置し、且つ、電極活物質を含有する正の電極部(以下、正電極部20と記す)と、電解質部18上に位置し、且つ、電極活物質を含有する負の電極部(以下、負電極部22と記す)とを有する。すなわち、電池本体12は、正電極部20、電解質部18、負電極部22の順に層状に積層された3層構造の積層構造体24である。なお、正電極部20の端面に正集電部14が形成され、負電極部22の端面に負集電部16が形成されている。
電池本体12を構成する3層構造の積層構造体24は、図2A及び図2Bに示すように、後に正電極部20となる第1成形体26、後に電解質部18となる第2成形体28、後に負電極部22となる第3成形体30の順に層状に積層してなる3層構造の積層成形体32(図2A参照)を、同時焼成1回で、且つ、100kg/cm2以上の加圧下で、焼成一体化されて構成されている。
この実施の形態において、電解質部18は、(面方向の最大長さ/厚みt)が(10/1)以上、好ましくは(100/1)以上である。電解質部18の厚みtは、5μm〜200μmである。例えば電池本体12の平面形状が円形であれば、面方向の最大長さは電解質部18の直径となり、電池本体12の平面形状が多角形であれば、面方向の最大長さは最も長い対角線の長さとなる。
また、電解質部18は、少なくとも固体電解質材料を含有し、正電極部20及び負電極部22は、少なくとも電極活物質材料と固体電解質材料とを含有する。
固体電解質材料は、非晶質リン酸化合物であり、リン酸化合物からなる固体電解質材料は、加熱焼成した後にナシコン型である材料を用いることができ、特に、LAGP:Li1+xAlxGe2-x(PO43あるいは、LATP:Li1+xAlxTi2-x(PO43を用いることが好ましい。ここで、xは0≦x≦1である。
電極活物質材料は、リン酸化合物であって、加熱焼成した後にナシコン型である材料を用いることができ、LVP:Lim2(PO43を用いることが好ましい。ここで、mは1≦m≦5である。
特に、本実施の形態では、リン酸化合物からなる固体電解質材料と電極活物質材料として、共に加熱焼成した後にナシコン型である材料を用いることができる。この場合、固体電解質材料がLAGP:Li1+xAlxGe2-x(PO43、電極活物質材料が正電極部20及び負電極部22共に、LVP:Lim2(PO43であるシンメトリ構造を用いることが好ましい。ここで、xは0≦x≦1であり、更に好ましくは0.3≦x≦0.7、mは1≦m≦5である。ここでいう「シンメトリ構造」とは、正電極部20及び負電極部22がともに同材料からなることを意味し、厚みまでが同じであることを要しない。もちろん、厚みが同じであってもよい。
ここで、本実施の形態に係る全固体電池10の製造方法について図3〜図4Cを参照しながら説明する。
この製造方法は、図3に示すように、積層成形体作製工程S1と、積層構造体作製工程S2とを有する。
積層成形体作製工程S1は、例えば圧粉法や印刷法、若しくはテープ積層法、又はその組合せにより、3層構造の積層成形体32を作製する。例えば図2に示すように、後に正電極部20となる第1成形体26、後に電解質部18となる第2成形体28、後に負電極部22となる第3成形体30の順に層状に積層して3層構造の積層成形体32を作製する。
印刷法、若しくはテープ積層法、又はその組合せにより積層成形体32を作製する場合は、印刷法にて用いられる印刷用ペースト、テープ積層法にて用いられるテープに含まれる有機バインダーとして、熱分解温度が400℃以下で95%以上の分解性能を有する材料を用いることが好ましい。
特に、印刷法により積層成形体32を作製する場合は、先ず、図4Aに示すように、基台34上に、第1印刷ペースト36を印刷・乾燥した後、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して、第1印刷ペースト36を第1成形体26にする。その後、図4Bに示すように、第1成形体26上に、第2印刷ペースト38を印刷・乾燥した後、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して、第2印刷ペースト38を第2成形体28にする。その後、図4Cに示すように、第2成形体28上に、第3印刷ペースト40を印刷・乾燥した後、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して、第3印刷ペースト40を第3成形体30にする。この段階で、3層構造の積層成形体32が完成する。
一方、積層構造体作製工程S2は、図2Aに示すように、3層構造の積層成形体32を、同時焼成1回で、且つ、100kg/cm2以上の加圧下で、焼成一体化して、図2Bに示すように、正電極部20、電解質部18、負電極部22の順に層状に積層された3層構造の積層構造体24を作製する。
次に、比較例と実施例とを比較しながら実施例に係る全固体電池の優位性を説明する。
[比較例]
最初に、比較例に係る全固体電池100について図5〜図8を参照しながら説明する。
比較例に係る全固体電池100は、図5に示すように、正電極部102と、負電極部104と、これらを正電極部102及び負電極部104を隔離する電解質部106とを有する点で、本実施の形態に係る全固体電池10と同様であるが、図6Aに示すように、電解質部106として、固体電解質材料を含有するセラミックスからなる板状の固体電解質焼成体108が先に作製される点で異なる。そして、図6Bに示すように、固体電解質焼成体108の両面に電極ペースト110を用いて正極及び負極の電極パターン112を形成し、その後、例えばAr(アルゴン)雰囲気の焼成炉で焼付けを行って、図5に示すように、固体電解質焼成体108の一方の面に正電極部102を形成し、固体電解質焼成体108の他方の面に負電極部104を形成して電池本体114を作製するようにしている。その後、正電極部102の端面に正集電部116が形成され、負電極部104の端面に負集電部118が形成されて比較例に係る全固体電池100が完成する。
(LAGP結晶粉末の調製:比較例)
先ず、Li2CO3、GeO2、Al23及びNH42(PO43の粉末を化学量論組成で混合し、大気中、900℃で焼成する固相合成法により、固体電解質材料「Li1.5Al0.5Ge1.5(PO43」(LAGP)の結晶粉末(以下、LAGP結晶粉末と記す)を得た。
(LAGPガラス粉末の調製:比較例)
固相法により得たLAGP結晶粉末をPt坩堝に入れ、1200℃に加熱した大気炉中に投入し、1時間保持した後に取り出し氷水により急冷しガラス化したLAGPを得た。これを乳鉢、及びボールミル等で粉砕し、微粒化したLAGPガラス粉末を得た。
(固体電解質焼成体の作製:比較例)
上述のようにして得られたLAGP結晶粉末を金型プレス成形により直径16mm、厚み約1mmの圧粉ペレット図6Aに示す106に成形した。プレスの成形圧力は500kg/cm2で行った。このペレットを大気雰囲気中840℃・2時間にて焼成して、図6Aに示すLAGPの固体電解質焼成体118(直径14mm、厚み1mm)を得た。
(LVP結晶粉末の調製:比較例)
Li2CO3、V23及びNH42(PO43の粉末を化学量論組成で混合し、Ar(アルゴン)気流中、930℃で焼成する固相合成法により、正極(負極)活物質「Li32(PO43」(LVP)の結晶粉末(以下、LVP結晶粉末を記す)を得た。
(正電極部102及び負電極部104の形成:電極パターン112の作製)
LAGPガラス粉末と、LVP結晶粉末に、有機溶剤に溶解したバインダーを適量投入し、乳鉢で混練してスクリーン印刷用の電極ペースト110とした。基体となる直径14mm、厚み1mmの固体電解質焼成体108の両面に、上述のように調製した電極ペースト110を印刷・乾燥して、直径12mmの正極及び負極の電極パターン112を形成した。その後、Ar(アルゴン)雰囲気のホットプレス炉により、荷重500kg/cm2を厚み方向に加えた状態で、600℃で40時間の焼成プロファイルで焼成を実施し、正極及び負極の電極パターン112を固体電解質焼成体108の両面に焼き付けることによって、図5に示すように、厚み1mmの固体電解質焼成体108(電解質部106)の一方の面に厚み30μmの正電極部102が形成され、固体電解質焼成体108の他方の面に厚み60μmの負電極部104が形成された電池本体114を作製した。
(全固体電池の作製:比較例)
電池本体114の両方の表面に、集電の目的で厚み約500オングストロームの金(Au)スパッタ膜を形成することによって、正電極部102の端面に正集電部116が形成され、負電極部104の端面に負集電部118が形成された比較例に係る全固体電池100を作製した。
(交流インピーダンス:比較例)
比較例の交流インピーダンスを図7に示す。交流インピーダンス波形では、横軸にインピーダンスの実部Z’、縦軸にインピーダンスの虚部Z’’を示し、測定周波数1kHz及び1Hzを●で示した。この図7から、比較例の固体電解質部の抵抗は約680Ω・cm2であり、30μm厚の電極部の抵抗は約310Ω・cm2であった。
(比較例の欠点)
先に、固体電解質焼成体108を作製して、その後、正極及び負極の電極パターン112を焼き付けることで、電池本体114を作製する比較例の手法では、結晶質の電解質材料粉末を成形し、この成形体を、大気雰囲気中で840℃・2時間の焼成を行うことで、固体電解質の電気伝導度1.4×10-4S/cm(固体電解質のインピーダンス=約7kΩ・cm:図8参照)を得ている。
しかし、この比較例の場合、電極パターン112を焼き付ける際に、ホットプレス焼成で行うため、固体電解質焼成体108や電極パターン112の平坦性にも左右されるが、固体電解質焼成体108の厚みが薄くなるにつれ、電極ペースト110の印刷時におけるハンドリング時や、ホットプレス焼成時に固体電解質焼成体108が割れるという不具合を生じた。
実際に行った結果では、固体電解質焼成体108が、直径14mmの面積に対し、厚み1mmでは歩留まりよく作製できていたが、薄くなるにつれて主にホットプレス時に割れてしまい歩留まりが低下した。厚みが300μmまで薄くなると、直径14mmの面積では全数が割れてしまった。
[実施例]
(実施例までの経緯:課題抽出)
(1)先ず、後に正電極部20となる第1成形体26と、後に電解質部18となる第2成形体28と、後に負電極部22となる第3成形体30とを同時焼成する場合には、層間の反応を回避するため、焼成温度の上限として600℃近傍に制限される。
そこで、先ず、低温焼成での電解質部18のインピーダンスを確認するため、同時焼成で適用可能な600℃で、時間を40時間とし、ホットプレス焼成を行った。その結果、固体電解質の電気伝導度は2×10-6S/cm(固体電解質のインピーダンス=約500kΩ・cm:図8参照)と電気伝導度は大幅に低下した。これは、低温焼成のため焼結が進まず、成形時の粒界がそのまま残り、粒界抵抗が高いことも要因になっている。
従って、電解質部18を薄くしても伝導度の悪化の方が大きく、電解質部18を薄くする効果がない。そのため、比較例の電極部に採用した非晶質電解質を電解質部18にも適用すべく、非晶質の電解質材料を用いて同様の評価を行ったところ、固体電解質の電気伝導度4×10-5S/cm(固体電解質のインピーダンス=約23kΩ・cm:図9参照)が得られ、200μm以下の厚みで電解質部18の薄層化の効果が見込まれることがわかった。
(2)次に、3層構造の積層成形体32を得る手法として、印刷法やテープ積層法を用いる場合においては、最終焼成の前に脱バインダーの工程(バインダーを蒸発させる工程)が必要となる。脱バインダーの焼成は大気中で行い、電解質部18の絶縁低下を抑制しなければならない。そこで、工程中に大気焼成雰囲気に晒されることになるLVP活物質について、大気焼成を経た後のLVP活物質の放電容量を比較した。図10に、LVP活物質の大気焼成温度に対する放電容量の変化を示す。この図10から、大気焼成温度が高くなるほど放電容量が減少することが判明した(LVPの理論放電容量はLi2つ分の挿入脱離で131mAh/gと算出した)。従って、より低温で分解可能なバインダー種が有効であることがわかる。
また、不活性雰囲気で合成されるLVP活物質は、大気焼成温度が高くなると異相を生じるが、400℃以下の低温域ではLVPの結晶性を維持できることが判明した。このことを知るために、正電極部20のみの焼成体で、XRD(X線回折)測定を行った。測定結果を図11に示す。この図11において、▲で示す部分はLVPの結晶構造を同定するLi32(PO43のピークを示す。この測定結果から、500℃及び600℃では、LVPに起因するピーク以外の複数のリン酸縮合塩由来の異相ピークが発生しはじめていることが確認された。
さらに、有機バインダーとして、熱分解温度が400℃以下で95%以上の分解性能を有する材料をTG測定によって選定した。選定の結果、積水化学工業株式会社製のエレックスB BL−S、ローム アンド ハース社製のパラドイド B−67(100%)樹脂が挙げられる。これらの有機バインダーであれば、図12の曲線Aに示すように、比較例の電極ペーストで使用していた有機バインダーの場合(曲線Bで示す)と異なり、400℃で100%の重量減を実現することができる。
(LAGP結晶粉末の調製:実施例)
先ず、Li2CO3、GeO2、Al23及びNH42(PO43の粉末を化学量論組成で混合し、大気中、900℃で焼成する固相合成法により、固体電解質材料「Li1.5Al0.5Ge1.5(PO43」(LAGP)の結晶粉末(以下、LAGP結晶粉末と記す)を得た。
(LAGPガラス粉末の調製:実施例)
固相法により得たLAGP結晶粉末をPt坩堝に入れ、1200℃に加熱した大気炉中に投入し、1時間保持した後に取り出し氷水により急冷しガラス化したLAGPを得た。これを乳鉢、及びボールミル等で粉砕し、微粒化したLAGPガラス粉末を得た。
(LVP結晶粉末の調製:実施例)
Li2CO3、V23及びNH42(PO43の粉末を化学量論組成で混合し、Ar(アルゴン)気流中、930℃で焼成する固相合成法により、正極(負極)活物質「Li32(PO43」(LVP)の結晶粉末(以下、LVP結晶粉末を記す)を得た。
(第1印刷ペースト36及び第3印刷ペースト40の調製:実施例)
LVP結晶粉末と、LAGPガラス粉末と、電子伝導助剤とを重量比で、LVP結晶粉末:LAGPガラス粉末:電子伝導助剤=48:48:4で混合した材料粉末に、有機溶剤に溶解した有機バインダー(図12の曲線Aで示す特性を有するバインダー)を適量添加し、スクリーン印刷用の第1印刷ペースト36及び第3印刷ペースト40を調製した。電子伝導助剤として、VGCF(気相成長法で合成した炭素繊維:Vapor Grown Carbon Fiber)を用いた。
(第2印刷ペースト38の調製:実施例)
LAGPガラス粉末に、有機溶剤に溶解した有機バインダー(図12の曲線Aで示す特性を有するバインダー)を適量添加し、スクリーン印刷用の第2印刷ペースト38を調製した。
(積層成形体32の作製:実施例)
図4Aに示すように、焼成時の基台34となるカーボン製の焼成治具パレット上に、第1印刷ペースト36を印刷・乾燥した後、100kg/cm2以上(例えば500kg/cm2)のプレス荷重でプレス成形して、第1印刷ペースト36を第1成形体26にする。その後、図4Bに示すように、第1成形体26上に、第2印刷ペースト38を印刷・乾燥した後、100kg/cm2以上(例えば500kg/cm2)のプレス荷重でプレス成形して、第2印刷ペースト38を第2成形体28にする。その後、第2成形体28上に、第3印刷ペースト40を印刷・乾燥した後、100kg/cm2以上(例えば500kg/cm2)のプレス荷重でプレス成形して、第3印刷ペースト40を第3成形体30にする。これにより、第1成形体26、第2成形体28及び第3成形体30による3層構造の積層成形体32を作製した。それぞれ印刷ペーストを印刷・乾燥した後に、100kg/cm2以上のプレス荷重をかけて、下層の成形体の平坦性を確保した上で、次の印刷ペーストを印刷するようにしたので、成形体の品質のばらつき等による欠陥の発生等を防止することができる。
(積層構造体24(電池本体12)の作製:実施例)
積層成形体32を大気雰囲気中で400℃以下(300〜380℃)の脱バインダー処理を行って、積層成形体32に含まれる有機バインダーを除去した。その後、図2Aに示すように、積層成形体32を、Ar雰囲気のホットプレス炉により、荷重500kg/cm2を厚み方向に加えた状態で、600℃で40時間の焼成プロファイルで、同時焼成を1回実施して、図2Bに示すように、厚み60μmの正電極部20、厚み60μmの電解質部18、厚み60μmの負電極部22の順に層状に積層された3層構造の積層構造体24(電池本体12:直径16mm)を作製した。
(全固体電池10の作製:実施例)
電池本体12の両方の表面に、集電の目的で厚み約500オングストロームの金(Au)スパッタ膜を形成することによって、正電極部20の端面に正集電部14が形成され、負電極部22の端面に負集電部16が形成された実施例に係る全固体電池10を作製した。なお、実施例に係る全固体電池10の断面写真を図14Aに示し、1円硬貨と比較した平面形状(寸法)の写真を図14Bに示す。
(交流インピーダンス:実施例)
実施例の交流インピーダンスを図13に示す。交流インピーダンス波形では、横軸にインピーダンスの実部Z’、縦軸にインピーダンスの虚部Z’’を示し、測定周波数1kHz及び1Hzを●で示した。この図13から、実施例の固体電解質部の抵抗は約140Ω・cm2であり、60μm厚の電極部の抵抗は約530Ω・cm2であった。
(考察)
図7及び図13の交流インピーダンスの結果からもわかるように、電解質部の抵抗(粒内抵抗+粒界抵抗)は、比較例の約680Ω・cm2に対して、実施例では、約140Ω・cm2と大幅に低減できるという効果を得た。
比較例では、電解質部106を、先に焼成体(固体電解質焼成体108)として作製し、該固体電解質焼成体108を基体として、その両面に印刷形成した電極パターン112を焼き付ける手法により電池本体114を作製していた。
しかしながら、この比較例の方法では、2度の高温の焼成工程(固体電解質焼成体108を作製するための焼成工程+電池本体12を作製するための焼成工程)を経るため、製造コスト面で不利である。しかも、固体電解質焼成体108は、1回目の焼成工程の後に、両面に電極パターン112を形成する工程を経ることから、スクリーン印刷等のハンドリングに耐え得る強度が要求される。そのため、本来、電解質部106の抵抗低減の要求から、電解質部106を薄くすることが必要となるが、薄い電解質部106の焼成体では強度の問題から限界が生じていた。
具体的には直径14mmのディスクに対し、500μm程度の厚みが限界であり、それ以上に薄くなると、表面への電極印刷時に固体電解質焼成体108(ディスク)が割れるという不具合が多発した。
さらには、ホットプレス焼成時の荷重に対しても、既に、焼成体である電解質層が割れる確率が非常に高いことも懸念事項として挙げられる。
これに対して、実施例は、このような不具合を改善することができる。すなわち、実施例では、後に正電極部20となる第1成形体26、後に電解質部18となる第2成形体28及び後に負電極部22となる第3成形体30の3層を圧粉法、若しくは印刷法、又はその組合せにより積層構造に積み上げて積層成形体32を作製し、その積層成形体32を同時に一度に焼成することによって積層構造体24(電池本体12)を作製するようにしたので、高温の焼成工程を1回に減らすことができると共に、電解質部単体ではハンドリングができないような厚みの薄い電解質部18を有する全固体電池10が実現可能となる。これにより、焼成回数の低減による製造コスト低減と同時に、電解質部18の抵抗の低減にもつながり、電池内部抵抗の低減にも効果を有する。その結果、大面積でも電解質部18の厚みが薄い全固体電池10を実現することができる。
なお、本発明に係る全固体電池及びその製造方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…全固体電池 12…電池本体
14…正集電部 16…負集電部
18…電解質部 20…正電極部
22…負電極部 24…積層構造体
26…第1成形体 28…第2成形体
30…第3成形体 32…積層成形体
36…第1印刷ペースト 38…第2印刷ペースト
40…第3印刷ペースト

Claims (10)

  1. 電極活物質を含有する正の電極部と、電極活物質を含有する負の電極部と、固体電解質からなる電解質部とを有する電池本体と、前記電池本体に形成された正の集電部及び負の集電部とを備えた全固体電池であって、
    前記電極部は、少なくとも電極活物質材料と固体電解質材料を含有し、前記電解質部は、少なくとも固体電解質材料を含有し、
    前記電池本体は、前記正の電極部、前記電解質部、前記負の電極部の順に層状に積層された3層構造の積層構造体であって、
    前記電解質部は、(面方向の最大長さ/厚み)が(10/1)以上であり、
    前記3層構造の積層構造体は、
    後に前記正の電極部となる第1成形体、後に前記電解質部となる第2成形体、後に前記負の電極部となる第3成形体の順に層状に積層してなる3層構造の積層成形体を、同時焼成1回で、且つ、100kg/cm 2 以上の加圧下で、焼成一体化されて構成され、
    前記3層構造の積層成形体が、印刷法、若しくはテープ積層法、又はその組合せにより形成された積層成形体であることを特徴とする全固体電池。
  2. 請求項1記載の全固体電池において、
    前記電解質部は、(面方向の最大長さ/厚み)が(100/1)以上であることを特徴とする全固体電池。
  3. 請求項1又は2記載の全固体電池において、
    前記電解質部の厚みが、5〜200μmであることを特徴とする全固体電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の全固体電池において
    記印刷法にて用いられる印刷用ペースト、前記テープ積層法にて用いられるテープに含まれる有機バインダーが、熱分解温度が400℃以下で95%以上の分解性能を有する材料であることを特徴とする全固体電池。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の全固体電池において、
    前記3層構造の積層成形体が印刷法にて形成された積層成形体であり、
    第1印刷ペーストを印刷・乾燥し、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して前記第1印刷ペーストを前記第1成形体とし、
    前記第1成形体上に、第2印刷ペーストを印刷・乾燥し、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して前記第2印刷ペーストを前記第2成形体とし、
    前記第2成形体上に、第3印刷ペーストを印刷・乾燥し、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して前記第3印刷ペーストを前記第3成形体とすることで、前記積層成形体が構成されていることを特徴とする全固体電池。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の全固体電池において、
    前記固体電解質材料と前記電極活物質材料が、共に加熱焼成した後にナシコン型である材料であって、
    前記固体電解質材料がLAGP:Li1+xAlxGe2-x(PO43、前記電極活物質材料が正負極ともにLVP:Lim2(PO43であるシンメトリ構造を有することを特徴とする全固体電池。
    [但し、xは0≦x≦1、mは1≦m≦5である。]
  7. 電極活物質を含有する正の電極部と、電極活物質を含有する負の電極部と、固体電解質からなる電解質部と、正の集電部と、負の集電部とを備え、前記電極部は、少なくとも電極活物質材料と固体電解質材料を含有し、前記電解質部は、少なくとも固体電解質材料を含有した全固体電池の製造方法であって、
    後に前記正の電極部となる第1成形体、後に前記電解質部となる第2成形体、後に前記負の電極部となる第3成形体の順に層状に積層して3層構造の積層成形体を作製する積層成形体作製工程と、
    前記3層構造の積層成形体を、同時焼成1回で、且つ、100kg/cm2以上の加圧下で、焼成一体化して、前記正の電極部、前記電解質部、前記負の電極部の順に層状に積層された3層構造の積層構造体を作製する積層構造体作製工程とを有し、
    前記積層成形体作製工程は、印刷法、若しくはテープ積層法、又はその組合せにより、前記3層構造の積層成形体を作製し、
    前記電解質部の面方向の最大長さと厚みの関係が、(面方向の最大長さ/厚み)≧(10/1)である全固体電池を作製することを特徴とする全固体電池の製造方法。
  8. 請求項記載の全固体電池の製造方法において、
    前記積層成形体作製工程は、
    前記印刷法、若しくは前記テープ積層法、又はその組合せにより前記積層成形体を作製するものであって、
    前記印刷法にて用いられる印刷用ペースト、前記テープ積層法にて用いられるテープに含まれる有機バインダーとして、熱分解温度が400℃以下で95%以上の分解性能を有する材料を用いることを特徴とする全固体電池の製造方法。
  9. 請求項又は記載の全固体電池の製造方法において、
    前記積層成形体作製工程は、
    前記印刷法により前記3層構造の積層成形体を作製するものであって、
    第1印刷ペーストを印刷・乾燥した後に、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して、第1印刷ペーストを第1成形体とし、
    前記第1成形体上に、第2印刷ペーストを印刷・乾燥した後に、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して、第2印刷ペーストを第2成形体とし、
    前記第2成形体上に、第3印刷ペーストを印刷・乾燥した後に、100kg/cm2以上のプレス荷重でプレス成形して、第3印刷ペーストを第3成形体とすることによって、前記3層構造の積層成形体を作製することを特徴とする全固体電池の製造方法。
  10. 請求項のいずれか1項に記載の全固体電池の製造方法において、
    前記固体電解質材料と前記電極活物質材料が、共に加熱焼成した後にナシコン型である材料であって、
    前記固体電解質材料がLAGP:Li1+xAlxGe2-x(PO43、前記電極活物質材料が正負極ともにLVP:Lim2(PO43であるシンメトリ構造を有することを特徴とする全固体電池の製造方法。
    [但し、xは0≦x≦1、mは1≦m≦5である。]
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